JP2007166751A - 回転電機の固定子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】巻線アッセンブリ10A,10B,10Cを積層鉄心6に装着し、その積層鉄心6を両端面間に隙間を持つように円環状に曲げる。ついで、掴み部保持治具7を積層鉄心6の両端両側に配置し、積層鉄心の両端両側に延出する導体線5の端部先端に形成された掴み部9をガイド溝8内に挿入させる。その後、積層鉄心6の両端面を突き合わせるまで曲げ、突き合わせ部を溶接する。さらに、掴み部9を切断除去し、導体線5の切断端部同士を接合する。
【選択図】図11
Description
図1はこの発明の一実施の形態に係る固定子の製造方法により製造された固定子を示す斜視図、図2はこの発明の一実施の形態に係る固定子における固定子巻線の1つの相巻線を模式的に示すリヤ側端面図、図3はこの発明の一実施の形態に係る固定子の製造方法に適用される積層鉄心を示す斜視図、図4はこの発明の一実施の形態に係る固定子の製造方法に適用される掴み部保持治具を示す上面図、図5はこの発明の一実施の形態に係る固定子の製造方法に適用される第1巻線アッセンブリを示す側面図、図6はこの発明の一実施の形態に係る固定子の製造方法に適用される第2巻線アッセンブリを示す側面図、図7はこの発明の一実施の形態に係る固定子の製造方法に適用される第3巻線アッセンブリを示す側面図である。図8はこの発明の一実施の形態に係る固定子の製造方法において巻線アッセンブリを構成する導体線の端部に形成された掴み部を説明する図であり、図8の(a)は導体線の端部の斜視図、図8の(b)は導体線の端部を端面側からみた正面図である。図9はこの発明の一実施の形態に係る固定子の製造方法における巻線アッセンブリの装着工程を説明する斜視図、図10はこの発明の一実施の形態に係る固定子の製造方法における積層鉄心の曲げ工程を説明する斜視図、図11はこの発明の一実施の形態に係る固定子の製造方法における掴み部保持治具の装着状態を示す斜視図、図12はこの発明の一実施の形態に係る固定子の製造方法における積層鉄心の最終曲げ工程を説明する斜視図である。図13はこの発明の一実施の形態に係る固定子の製造方法における積層鉄心の最終曲げ工程での導体線の端部の配列状態を説明する図であり、図13の(a)は掴み部の配列状態を示し、図13の(b)は掴み部の根元部の配列状態を示している。
なお、図2において、実線はリヤ側の配線を示し、点線はフロント側の配線を示し、黒丸は接合部を示している。
固定子鉄心2は、後述するように、直方体状の積層鉄心6を円環状に曲げ、積層鉄心6の両端面を突き合わせて溶接一体化したものである。そして、固定子巻線3の付随結線部20が、固定子鉄心2の突き合わせ部21の軸方向両側に形成されている。
まず、固定子巻線3を構成する1相分の巻線構造について図2を参照しつつ説明する。ここで、説明の便宜上、導体線5のスロット2a内の収納位置を内径側から1番地、2番地、3番地、4番地、5番地および6番地とする。
また、a相巻線とd相巻線とを直列に接続し、b相巻線とe相巻線とを直列に接続し、c相巻線とf相巻線とを直列に接続する。そして、直列に接続された3つの巻線をY結線すれば、1組の三相交流巻線からなる固定子巻線3が構成される。
なお、三相交流巻線は、Y結線に代えて、Δ結線してもよい。
また、固定子巻線3の付随結線部20が、36本の第1乃至第6巻線31〜36の端部同士の接合部により構成される。
まず、直方体状の積層鉄心6および掴み部保持治具7が用意される。
この積層鉄心6は、図3に示されるように、矩形平板状の磁性鋼板を所定枚数積層、一体化して作製され、96個のスロット6aが等ピッチに形成されている。
また、掴み部保持治具7は、図4に示されるように、固定子鉄心2に巻装された固定子巻線3のコイルエンド群の周方向所定領域、即ち付随結線部20を覆う形状を有する円弧平板状に作製され、例えば6つのガイド溝8が互いに溝幅方向(径方向)に離間して周方向に円弧状に延びるように、円弧平板状の基板に穿設されている。ここで、説明の便宜上、径方向に離間して配置されている6つのガイド溝8を、内周側から順にガイド溝8a、ガイド溝8b、・・・、ガイド溝8fとする。
ここで、雷状に折り畳まれた各導体線5は、ターン部5aで連結された96本の直線状のスロット収納部(直線部)5bが6スロットピッチ(6P)で配列された平面上パターンに折り曲げ成形されている。そして、隣り合うスロット収納部5bが、ターン部5aにより、導体線5の幅分ずらされている。このターン部5aがコイルエンドを構成する。
この巻線アッセンブリは、このように折り曲げ成形された2本の導体線5を6スロットピッチずらしてスロット収納部5bを重ねられて配列された導体線5の対が、1スロットピッチずつずらして6対配列されて構成されている。そして、導体線5の端部が、巻線アッセンブリの両端の両側から6本ずつ延出されている。
ついで、第1、第2および第3巻線アッセンブリ10A,10B,10Cにおいて、所望の引き回し形状に整形された各導体線5の端部の先端部を塑性変形し、掴み部9を成形する。この掴み部9は、図8に示されるように、長辺長さをL1および短辺長さをL2とする断面矩形に形成されている。そして、掴み部9は、矩形断面の長辺方向が第1、第2および第3巻線アッセンブリ10A,10B,10Cの長さ方向に向くように導体線5の端部の先端に成形されている。
ここで、円形断面の導体線5の直径をRとしたとき、L1>R>L2となっている。また、掴み部保持治具7のガイド溝8の溝幅をL3としたとき、2>L3/L2>1となっている。そして、ガイド溝8の溝ピッチをL4としたとき、L4はRより僅かに大きくなっている。
ついで、積層鉄心6がその両端面間に隙間を持つ状態に保持され、導体線5の端部の掴み部9が径方向および周方向に位置決めされた後、掴み部保持治具7が、図11に示されるように、積層鉄心6の両端の両側に装着される。
この積層鉄心6の最終曲げ工程では、導体線5の端部の掴み部9のそれぞれは、円弧状のガイド溝8a〜8f内を溝方向にスライド移動する。そして、図12に示されるように、積層鉄心6の一端の両側から延出する導体線5の端部の掴み部9の群と、積層鉄心6の他側の両側から延出する導体線5の端部の掴み部9の群とが、互いにぶつかり合うことなく、所望の位置関係を持つように嵌り合う。
ついで、ガイド溝8のそれぞれに挿入されている掴み部9の群を周方向両側から押圧し、掴み部9を互いに密接させる。その後、その状態の導体線5の端部の周方向および径方向の位置を保持するように、導体線5の端部を位置決め保持する。
なお、固定子巻線3を実現するための巻線同士の結線作業は、積層鉄心6の溶接工程に引き続いて行ってもよいし、導体線5の溶接端部の接合工程に引き続いて行ってもよい。
また、掴み部9を導体線5の端部の先端に形成し、掴み部9を切断除去し、導体線5の切断端部同士を接合するようにしているので、掴み部9がガイド溝8の内周壁面に擦れたり、掴み部9同士が擦れても、製品としての信頼性に影響を及ぼさない。さらに、掴み部9を導体線5の端部の先端に形成することも、製品としての信頼性に影響を及ぼさない。
また、上記実施の形態では、スロットが等角ピッチに配列されているものとしているが、スロットは等角ピッチに配列されている必要はなく、例えばα°と(60−α)°とを交互にとる不等ピッチ(但し、α≠30)に配列されていてもよい。
また、上記実施の形態では、導体線が両端の両側に延出している巻線アッセンブリを用いるものとしているが、導体線が両端の一側に延出している巻線アセンブリを用いても同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態では、積層鉄心の両端面を突き合わせて溶接するものとして説明しているが、積層鉄心の両端面の接合方法は溶接に限定されるものではなく、例えば接着でもよい。
また、掴み部9は、矩形断面形状に限定されるものではなく、その周方向長さ(A)および径方向長さ(B)が、A>導体線の端部の周方向長さ(本実施の形態では、R)、かつ、B<導体線の端部の径方向長さ(本実施の形態では、R)を満足する断面形状を有していればよく、例えば掴み部を図14の(a)〜(d)に示される断面形状に成形するようにしてもよい。掴み部の周方向長さおよび径方向長さとは、積層鉄心6を円環状に曲げた際における掴み部の周方向の最大長さおよび径方向の最大長さを意味する。
また、上記実施の形態では、円弧状とするガイド溝が掴み部把持治具に形成されているものとして説明しているが、ガイド溝は掴み部をスライド移動できる溝形状であればよく、円弧状のガイド溝に代えて直線状のガイド溝を用いてもよいし、円弧状のガイド溝と直線状のガイド溝とを混在させてもよい。
また、上記実施の形態では、径方向に近接する導体線の端部同士が接合されるものとしているが、周方向に近接する導体線の端部同士を接合するようにしてもよい。この場合、積層鉄心の最終曲げ工程で、掴み部保持治具を変えて、接合する導体線の端部同士を周方向に近接して配列するようにすればよい。
Claims (7)
- スロットが所定のピッチで形成された直方体の積層鉄心を、該スロットを内径側に開口するように円環状に曲げ、該積層鉄心の両端面を突き合わせて接合一体化して作製された固定子鉄心と、複数本の導体線で作製された巻線アッセンブリが該複数本の導体線の端部側を上記積層鉄心の両端の少なくとも一側に延出するように該積層鉄心に装着され、円環状に曲げられた該積層鉄心の両端面を突き合わせて接合一体化した後、該複数本の導体線の端部同士を接続して作製された固定子巻線とを備えた回転電機の固定子の製造方法において、
上記巻線アッセンブリの両端の少なくとも一側に延出する上記複数本の導体線の端部をそれぞれ所望の引き回し形状に整形する工程と、
上記複数本の導体線の端部の一部をそれぞれ塑性変形させて掴み部を成形する工程と、
上記導体線の端部が上記積層鉄心の両端の少なくとも一側から延出するよう、上記巻線アッセンブリを該積層鉄心に装着した後、該積層鉄心の両端面間に所定の隙間が形成されるまで該積層鉄心を円環状に曲げる工程と、
溝方向を円弧状或いは直線状とする複数のガイド溝が溝幅方向に互いに離間して併設されてなる掴み部保持治具を、該ガイド溝の溝幅方向を上記積層鉄心の径方向に向けて該積層鉄心の両端の少なくとも一側に配置し、上記掴み部のそれぞれを該ガイド溝に挿入させる工程と、
上記積層鉄心の両端面が突き合わされるまで曲げ、この積層鉄心の曲げ動作に連動して該掴み部を該ガイド溝を案内にして移動させ、接合する上記連続導体線の端部同士が互いに近接して配列するように上記積層鉄心の一端の少なくとも一側の上記連続導体線の端部の群と該積層鉄心の他端の少なくとも一側の上記連続導体線の端部の群とを嵌め合わせる工程と、
上記積層鉄心の突き合わせ部を接合して円環状の上記固定子鉄心を作製する工程と、
上記複数本の導体線の端部同士を接合する工程と
を備えていることを特徴とする回転電機の固定子の製造方法。 - 上記巻線アッセンブリは、上記導体線として連続導体線を用い、所定の本数の該連続導体線を同時に折り畳んで作製され、
直線部がターン部により連結されて所定スロットピッチで配列され、かつ、隣り合う該直線部が該ターン部によりスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るようにずらされたパターンに形成された2本の上記連続導体線を、互いに上記所定スロットピッチずらして上記直線部を重ねて配列してなる導体線対が、1スロットピッチずつずらされて上記所定スロット数と同数対配列され、かつ、上記連続導体線の端部が両端の少なくとも一側に延出して構成されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機の固定子の製造方法。 - 上記掴み部の径方向長さL2は上記導体線の端部の径方向長さより短く形成され、上記ガイド溝の溝幅方向の併設ピッチL4は上記導体線の端部の径方向長さより大きく形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電機の固定子の製造方法。
- 上記ガイド溝の溝幅L3と上記掴み部の径方向長さL2は、1<L3/L2<2を満足するように形成されていることを特徴とする請求項3記載の回転電機の固定子の製造方法。
- 上記掴み部の周方向長さL1は上記導体線の端部の周方向長さより長く形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転電機の固定子の製造方法。
- 上記掴み部の周方向長さL1が上記導体線の端部同士の接合部の周方向ピッチに形成され、上記導体線の端部同士を接合する工程に先立って、上記ガイド溝に挿入されている上記掴み部の群を周方向両側から押圧して該掴み部を互いに密接する位置に規制する工程を備えていることを特徴とする請求項5記載の回転電機の固定子の製造方法。
- 上記掴み部は、上記導体線の端部の先端に成形され、円環状の上記固定子鉄心を作製した後、切断除去されて、上記導体線の切断された端部同士が接合されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の回転電機の固定子の製造方法。
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