JP2020113662A - 導電性塗布材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面積がある程度大きな被接合部材を、比較的低温で加熱して接合する場合であっても、十分大きな接合強度を実現することができる導電性塗布材料を提供する。【解決手段】基材への半導体素子の接合に用いる導電性塗布材料であって、銅粉と、亜酸化銅粉及び酸化銅粉のうちの少なくとも一方から構成される酸化フィラーと、非加熱硬化型樹脂と、分散媒とを含み、前記導電性塗布材料を25μmギャップのアプリケーターを用いて5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃で10分間乾燥させた後の皮膜のXRDにおいて、(111)面における前記銅粉に対応するピーク面積に対する、(111)面における前記酸化フィラーに対応するピーク面積の比率が0.03〜1.0である。【選択図】なし

Description

この明細書は、導電性塗布材料に関する技術を開示するものである。
この種の導電性塗布材料は、たとえば、基材への半導体素子の接合等に用いられることがある。
各種の半導体素子を基材に接合するに当って従来は、Au−Sn系等のろう材を用いることが一般的であった。ろう材を用いた接合法では、半導体素子と基材との間への、ろう材の介在下で、それらを、ろう材の融点以上の温度に加熱し、ろう材を溶融させるとともに凝固させる。
ここで、半導体素子と基材とを接合する際の加熱時の温度が高い場合、その熱が半導体素子に影響を及ぼすおそれがある。また、高温で加熱した後は冷却するが、その冷却時に半導体素子ないし基材に大きな熱応力が生じ、このことが半導体素子の電気的特性を変化させる懸念もある。
それ故に、接合時の温度はある程度低くすることが望ましいといえる。
このような観点等から近年は、半導体素子と基材との接合に、ろう材に代えて、銀や銅等の導電性金属からなる金属粉を含む導電性塗布材料が用いられている。この導電性塗布材料は、所定の低温で加熱されることにより、半導体素子と基材との間で接合層を形成して、それらを接合するものである。
かかる導電性塗布材料は大別して、樹脂を含み、該樹脂を加熱硬化させる加熱硬化型と、樹脂を含まず、金属粉を構成する金属粒子を加熱により焼結させる焼結型がある。
加熱硬化型として、たとえば特許文献1には、「(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール系硬化剤、(C)銀被覆銅粉、(D)イミダゾール系硬化促進剤、(E)シランカップリング剤、及び(F)希釈剤を必須成分とするダイアタッチペーストであって、(C)銀被覆銅粉の全配合量のうち、60〜95質量%が樹枝状銀被覆銅粉であることを特徴とするダイアタッチペースト」が記載されている。
焼結型としては、特許文献2に記載されたもの等がある。特許文献2には、「被覆剤分子層を表面に有する銅ナノ粒子を、分散溶媒中に均一に分散してなる分散液からなる銅ナノ粒子ペーストと、銅マイクロ粒子、もしくは銅サブマイクロ粒子、あるいはそれらの両方とを含み、前記被覆剤分子が、アミノ基またはカルボキシル基と、炭化水素基とを有し、沸点が130℃〜250℃の有機化合物から選択され、前記銅ナノ粒子が、1nm〜100nmの平均粒子径であり、前記銅マイクロ粒子が、1μm〜100μmの平均粒子径であり、前記銅サブマイクロ粒子が、100nm〜1μmの平均粒子径である、接合材」が記載されている。
上記のような焼結型の導電性塗布材料、特に低温加熱での接合に用いられるものは通常、樹脂を含まない。加熱硬化型のような樹脂を含むと、低温加熱時に、該樹脂により金属粉の焼結が妨げられ、これにより、加熱後に形成される接合層の熱伝導性及び導電性が低下し得るからである。
一方、焼結型で樹脂を含むものとして、特許文献3には、「銅粒子と、熱分解性樹脂と、溶剤とを含む接合用銅ペーストであって、前記銅粒子の含有量が、接合用銅ペーストの全質量を基準として65質量%以上であり、前記熱分解性樹脂の含有量が、前記銅粒子及び前記熱分解性樹脂の全質量を基準として1質量%以上である、接合用銅ペースト」が記載されている。
また、特許文献4には、「金属粉末と有機溶剤とからなるダイボンド用の導電性ペーストであって、前記金属粉末は、純度99.9質量%以上、平均粒径0.01μm〜1.0μmである銀粉、パラジウム粉、銅粉から選択される一種以上の金属粒子と、前記金属粒子の少なくとも一部を覆う金からなる被覆層と、からなる導電性ペースト」で、「上記有機溶剤に加えて、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、アルキッド樹脂から選択される一種以上を含有していても良い」とされている。
特開2013−232527号公報 特許第6199048号公報 特開2018−152176号公報 特開2013−206765号公報
ところで、パワーモジュール等の用途では、大電流化が進むにつれて、半導体素子の表面積が増大する傾向にある。このような比較的大きな表面積の半導体素子は、基材との間に介在させる導電性塗布材料の種類によっては、基材と十分強固に接合できない場合がある。
特許文献1に記載された「ダイアタッチペースト」では、大きな表面積の半導体素子と基材との接合に用いると、加熱時の「エポキシ樹脂」や「フェノール系硬化剤」の硬化に伴う収縮に起因して、加熱後に形成される接合層の厚みが不均一になり、所期した接合強度が得られないことがある。
また、特許文献2に記載された「接合材」を用いて、上記の大きな表面積を有する半導体素子と基材とを接合した場合、樹脂が存在しないことにより、半導体素子と基材との間に形成される接合層に空隙が発生し得る。したがって、この「接合材」もまた十分な接合強度を確保することが困難である。
特許文献3、4に記載された「接合用銅ペースト」ないし「導電性ペースト」は、所定の樹脂を含むことにより、ある程度大きな接合強度を得ることができる。
しかしながら、このような「接合用銅ペースト」等では、無機フィラーとして、「銅粒子」等の金属粉しか含まないことから、比較的高い温度で加熱しなければ、該金属粉の金属粒子間での焼結が促進しない。それ故に、更なる接合性向上の観点から改善の余地がある。
この明細書では、表面積がある程度大きな被接合部材を、比較的低温で加熱して接合する場合であっても、十分大きな接合強度を実現することができる導電性塗布材料を開示する。
発明者は鋭意検討の結果、導電性塗布材料が非加熱硬化型樹脂を含むものとし、さらに亜酸化銅粉および酸化銅粉のうちの少なくとも一方(以下、「酸化フィラー」とも言う)を所定の割合で含むものとすることにより、比較的低温の加熱でも大きな接合強度が得られることを見出した。これは、酸化フィラー中の亜酸化銅粒子及び/又は酸化銅粒子が、還元雰囲気において低温加熱で還元され、これによって、隣接する金属粒子との焼結が促進することによると考えられるが、この発明は、このような理論に限定されるものではない。
かかる知見の下、この明細書で開示する一の導電性塗布材料は、基材への半導体素子の接合に用いる導電性塗布材料であって、銅粉と、亜酸化銅粉および酸化銅粉のうちの少なくとも一方から構成される酸化フィラーと、非加熱硬化型樹脂と、分散媒とを含み、前記導電性塗布材料を25μmギャップのアプリケーターを用いて5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃で10分間乾燥させた後の皮膜のXRDにおいて、(111)面における前記銅粉に対応するピーク面積に対する、(111)面における前記酸化フィラーに対応するピーク面積比率が0.03〜1.0であるものである。
また、この明細書で開示する他の導電性塗布材料は、銅粉と、亜酸化銅粉および酸化銅粉のうちの少なくとも一方から構成される酸化フィラーと、非加熱硬化型樹脂と、分散媒とを含み、前記導電性塗布材料を25μmギャップのアプリケーターを用いて5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃で10分間乾燥させた後の皮膜のXRDにおいて、(111)面における前記銅粉に対応するピーク面積に対する、(111)面における前記酸化フィラーに対応するピーク面積の比率が0.03〜1.0であり、25μmギャップのアプリケーターにより5cm/秒の速度で当該導電性塗布材料を塗布し、該導電性塗布材料を120℃で10分にわたって乾燥させて皮膜とし、前記皮膜を解砕して得られる乾燥粉末を2vol%H2残部窒素雰囲気で昇温して体積収縮率が2%になるときの温度が、350℃未満である。
なお、(111)面における銅粉に対応するピーク面積は、(111)面における銅のピーク面積を表す。(111)面における酸化フィラーに対応するピーク面積は、酸化フィラーとして亜酸化銅粉のみを用いる場合は(111)面における亜酸化銅のピーク面積を表し、酸化フィラーとして酸化銅粉のみを用いる場合は(111)面における酸化銅のピーク面積を表し、酸化フィラーとして亜酸化銅粉および酸化銅粉の両方を用いる場合は(111)面における亜酸化銅のピーク面積と酸化銅のピーク面積との合計を表す。
上述した導電性塗布材料によれば、比較的低温で加熱して接合する場合であっても、十分大きな接合強度を実現することができる。
以下に、この明細書で開示する導電性塗布材料の実施の形態について詳細に説明する。
一の実施形態の導電性塗布材料は、基材への半導体素子の接合に用いるものであって、銅粉と、亜酸化銅粉及び酸化銅粉のうちの少なくとも一方から構成される酸化フィラーと、非加熱硬化型樹脂と、分散媒とを含み、前記導電性塗布材料を25μmギャップのアプリケーターを用いて5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃で10分間乾燥させた後の皮膜のXRDにおいて、(111)面における銅粉に対応するピーク面積に対する、(111)面における酸化フィラーに対応するピーク面積の比率が0.03〜1.0である。他の実施形態の導電性塗布材料は、銅粉と、亜酸化銅粉及び酸化銅粉のうちの少なくとも一方から構成される酸化フィラーと、非加熱硬化型樹脂と、分散媒とを含み、前記導電性塗布材料を25μmギャップのアプリケーターを用いて5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃で10分間乾燥させた後の皮膜のXRDにおいて、(111)面における銅粉に対応するピーク面積に対する、(111)面における酸化フィラーに対応するピーク面積の比率が0.03〜1.0であり、25μmギャップのアプリケーターにより5cm/秒の速度で当該導電性塗布材料を印刷し、該導電性塗布材料を120℃で10分にわたって乾燥させて皮膜とし、前記皮膜を解砕して得られる乾燥粉末を2vol%H2残部窒素雰囲気で昇温して体積収縮率が2%になるときの温度が、350℃未満である。
(銅粉)
導電性塗布材料に含まれる銅粉は、銅粒子を含むものである。また、銅粉は、所定の表面処理(例えば、カップリング剤による表面処理)を施されていてもよい。
銅粉の固めかさ密度は、3g/cm3未満であることが好ましく、特に2.5g/cm3未満であることがより一層好ましい。固めかさ密度が小さいことにより、導電性塗布材料中での銅粉の分散性が向上し、後述する非加熱硬化型樹脂の含有量を比較的少なくしても、該樹脂との界面が増大する。その結果として、導電性塗布材料の印刷性を向上させることができる。加えて、固めかさ密度が小さいことにより、銅粉間に酸化フィラーが入り込みやすくなり、比較的低温での焼結性が向上され得る。固めかさ密度は、たとえばホソカワミクロン(株)製のパウダテスタPT−Xを用いて、10ccのカップにガイドを取り付けて粉体を入れ、1000回タップさせて、ガイドを外して、10ccの容積を上回っている部分を摺り切り、容器に入っている粉体の重量を測定することにより求めることができる。
銅粉のBET比表面積は、1.0m2-1〜10.0m2-1であることが好適である。銅粉のBET比表面積が小さすぎる場合は、導電性塗布材料を塗布した際の厚みが不均一になることが懸念される。銅粉のBET比表面積の好ましい上限値は特にないが、現実的には10.0m2-1より大きくすることは難しい場合がある。銅粉のBET比表面積は、1.5m2-1〜5.0m2-1であることがより一層好ましい。BET比表面積は、たとえばマイクロトラック・ベル社のBELSORP−miniIIを用いて、真空中にて200℃で5時間にわたって銅粉を加熱・脱気する前処理後に測定することができる。
銅粉は、たとえば、不均化法もしくは化学還元法等の湿式法または、乾式法等の公知の方法により製造されたものとすることができる。このうち、不均化法による銅粉の製造方法は、たとえば、分散剤(例えば、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲンペプチド)の添加剤を含む水性溶媒中に亜酸化銅を添加して、スラリーを作製する工程と、スラリーに希硫酸を5秒以内に一度に添加して不均化反応を行う工程とを含むことがある。
ここで、スラリーを作製する工程では、スラリー中のアラビアゴム等の分散剤の濃度は、0.23〜1.2g/Lとすることができる。亜酸化銅としては、公知の方法で使用された亜酸化銅、好ましくは亜酸化銅粒子を使用することができる。
またここで、不均化反応は、式:Cu2O+H2SO4→Cu↓+CuSO4+H2Oで表される反応である。ここでは、希硫酸の添加により、pHを2.5以下、さらに2.0以下、特に1.5以下にすることが好適である。また、スラリーへの希硫酸の添加時間は、5分以内、好ましくは1分以内、さらに好ましくは30秒以内、さらに好ましくは10秒以内、さらに好ましくは5秒以内とすることができる。
また、化学還元法による銅粉の製造方法の一例では、2900mLの純水に、アラビアゴム2gを添加した後、硫酸銅125gを添加し、撹拌しながら、80%ヒドラジン一水和物を360mL添加する。その添加後から3時間かけて室温から60℃に昇温し、更に3時間かけて酸化銅を反応させる。反応終了後、得られたスラリーをヌッチェでろ過し、次いで純水及びメタノールで洗浄し、更に乾燥させる。これにより、銅粉を得ることができる。
BET比表面積が一定であるという前提において、銅粉の固めかさ密度は、銅粉の炭素付着量と、アルカリ処理とによって制御し得る。より具体的には、湿式法によって製造された銅粉をpH8〜14、好ましくはpH9〜13のアルカリ水溶液と接触させることで、乾燥後の銅粉の固めかさ密度を小さくすることができる。アルカリ水溶液としては、例えばアンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、あるいはこれらの混合水溶液を使用することができる。このとき、銅粉の炭素付着量が多いほど、上記のアルカリ処理による固めかさ密度の変動を大きくすることができる。ある実施形態において、銅粉に付着する炭素は、湿式法による銅粉の製造の工程(例えば、分散剤としてのアラビアゴムの添加)に由来する。
また、BET比表面積は亜酸化銅スラリーに添加するアラビアゴム等の有機物の量、希硫酸の添加速度等によって制御することが可能である。一例として、アラビアゴム等の有機物の量が多いとBET比表面積は大きくなる傾向があり、希硫酸の添加速度が速いとBET比表面積は大きくなる傾向がある。
(酸化フィラー)
導電性塗布材料には、無機フィラーとして、上記の銅粉の他、酸化フィラーを所定の割合で含ませることが重要である。この酸化フィラーは、亜酸化銅粉及び酸化銅粉のうちの少なくとも一方から構成されるものとする。これにより、たとえば半導体素子及び/又は基材の表面に導電性塗布材料を塗布し、半導体素子と基材とを積層させた後に、所定の低温で加熱すると、酸化フィラーを構成する亜酸化銅粒子及び/又は酸化銅粒子が還元されて、該亜酸化銅粒子又は酸化銅粒子に隣接する銅粒子との間で焼結が促進する。その結果として、ある程度の低温で加熱したとしても、半導体素子と基材とを強固に接合することができる。
ここでは特に、導電性塗布材料に酸化フィラーとともに含ませる無機フィラーを、金属粉のなかでも銅粉とすることにより、銅粉を構成する銅粒子が、亜酸化銅又は酸化銅が還元された銅との焼結の起点となり、同種の金属間でより強固な接合を実現できるので有利である。
導電性塗布材料中の銅粉及び酸化フィラーにおける酸化フィラーの割合、すなわち、銅粉と亜酸化銅粉と酸化銅粉との合計質量に対する亜酸化銅粉と酸化銅粉との質量の割合は、2.5質量%〜55質量%とすることができる。
酸化フィラーの割合が55質量%を超える場合は、表面しか還元されない亜酸化銅粒子及び/又は酸化銅粒子の割合が増える結果、接合層に亜酸化銅及び/又は酸化銅が残る可能性が高くなる。また、酸化フィラーの割合が多すぎると、銅と亜酸化銅、銅と酸化銅との熱収縮率が異なることによって、クラックの起点となり得る他、放熱性及び/又は導電性も低下する。この一方で、酸化フィラーの割合が2.5質量%未満である場合は、銅粒子と亜酸化銅粒子、銅粒子と酸化銅粒子との連結起点が少なくなり、焼結を有効に促進させることができない。
このような観点から、銅粉及び酸化フィラーにおける酸化フィラーの割合は、3質量%〜50質量とすることが好ましく、さらに5質量%〜30質量%とすることが好ましい。
上記の割合は、XRDにより評価することが可能である。より具体的には、導電性塗布材料を25μmギャップのアプリケーターを用いて5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃で10分間乾燥させた後の皮膜をXRD(X線回折)測定すると、(111)面における銅粉に対応するピーク面積に対する、(111)面における酸化フィラーに対応するピーク面積の比率が、0.03〜1.0、好ましくは0.05〜0.43である。
酸化フィラーのBET比表面積は、0.4m2-1以上であることが好ましい。酸化フィラーのBET比表面積が0.4m2-1未満である場合は、銅粉間に酸化フィラーが入り込みづらくなり得る。係る場合、比較的低温で焼成したときに、酸化フィラーに接触していない銅粉の焼結が不十分となり、接合強度が低下することが懸念される。酸化フィラーのBET比表面積の上限は、特に設けていないが、現実的に5.0m2-1以上の酸化フィラーを作ることは難しい。したがって、酸化フィラーのBET比表面積は、5.0m2-1未満になることが多い。酸化フィラーのBET比表面積は、上述した銅粉のBET比表面積の測定方法と同様にして測定することができる。
酸化フィラーとしての亜酸化銅粉は、公知のものを用いることができるが、その製造方法の一例を述べると次のとおりである。
純水等の溶媒に硫酸銅を溶解させた溶液であって、還元糖と、アルカリと、必要に応じて変性防止剤とを含ませた硫酸銅溶液を準備する。なおここでは、硫酸銅の添加前もしくは後に、還元糖及び/又は変性防止剤を添加することができる。また、溶媒に硫酸銅を溶解させる際には、好ましくは50rpm〜1000rpm、より好ましくは200rpm〜1000rpmで攪拌することができ、また、液温が、好ましくは50℃〜90℃になるように加熱することができる。
還元糖としては、亜酸化銅に還元することのできるものであれば、その種類は特に問わない。たとえば、グルコース、フルクトース、グリセルアルデヒド、ラクトース、アラビノース、マルトース等の還元糖を挙げることができる。また、スクロース自体は還元糖ではないが、スクロースが加水分解して生成される転化糖も、還元糖として利用可能である。
変性防止剤は、後に得られる乾燥状態の亜酸化銅粒子や亜酸化銅粒子スラリーの状態において、亜酸化銅が酸化銅に変性することを防止する働きをするものである。変性防止剤は、多糖類、ニカワ及びコラーゲンペプチドからなる群から選択される少なくとも一種を含むものとすることができる。このうち多糖類としては、たとえば、アラビアゴム、デキストリン等を挙げることができる。但し、変性防止剤の添加は必ずしも必要ではない。
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、アミノ基を分子末端に有するカップリング剤、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等を挙げることができる。
アルカリの滴下により、硫酸銅溶液のpHを、たとえば8〜11、好ましくは8〜10の範囲内に保持して反応させる。このpHに保持する時間は、たとえば0.1時間〜10時間、好ましくは0.1時間〜5時間とすることができる。
その後、デカンテーション等による固液分離、純水を用いた洗浄等を行い、亜酸化銅粒子スラリーとし、これを乾燥させることにより、亜酸化銅粉を得ることができる。
亜酸化銅粉のBET比表面積は、例えば反応液温を制御することで調整可能である。液温を高くすればBET比表面積は小さくなり、液温を低くすればBET比表面積は大きくなる。反応液温を例えば0℃〜90℃、好ましくは10℃〜80℃、さらに好ましくは10〜75℃とすればよい。
酸化フィラーとしての酸化銅粉には、公知のもの、たとえば市販品等を適宜調整して用いることができる。
あるいは、酸化銅粉は、たとえば、次に述べるようにして製造することもできる。上記の亜酸化銅粒子スラリーを、pHが8を下回るまで洗浄し、純水を加えて40℃に加温し、攪拌する。次いで、固液分離を行った後、窒素雰囲気下で100℃に昇温して乾燥するとともに解砕することにより、酸化銅粉が得られる。係る方法で酸化銅粉を製造する場合、酸化銅粉のBET比表面積は、上記亜酸化銅粉のBET比表面積の調整方法と同様の方法により調整することができる。
(非加熱硬化型樹脂)
導電性塗布材料に含まれる非加熱硬化型樹脂は、導電性塗布材料のペーストの製造に使用される公知の非加熱硬化型樹脂を使用することができる。本発明において、非加熱硬化型樹脂とは、加熱硬化型樹脂を含まないことを意味しており、非加熱硬化型樹脂として加熱硬化型樹脂を使用することはできない。
好適な実施の態様において、非加熱硬化型樹脂として、例えば、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール、ケトン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンをあげることができる。
好適な実施の態様において、非加熱硬化型樹脂として、例えば、ポリカルボナート、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステルをあげることができる。
好適な実施の態様において、非加熱硬化型樹脂として、好ましくは、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、及びポリビニルアルコール系樹脂からなる群から選択された1種以上の非加熱硬化型樹脂を使用することができる。
好適な実施の態様において、導電性塗布材料に含まれる非加熱硬化型樹脂の含有量は、例えば0.1〜5質量%の範囲、好ましくは0.3〜5質量%の範囲とすることができる。
(分散媒)
導電性塗布材料に含まれる分散媒は、導電性塗布材料のペーストの製造に使用される公知の分散媒を使用することができる。このような公知の分散媒として、例えば、アルコール溶剤(例えばテルピネオール、ジヒドロテルピネオール、イソプロピルアルコール、ブチルカルビトール、テルピネルオキシエタノール、ジヒドロテルピネルオキシエタノールからなる群から選択された1種以上)、グリコールエーテル溶剤(例えばブチルカルビトール)、アセテート溶剤(例えばブチルカルビトールアセテート、ジヒドロターピネオールアセテート、ジヒドロカルビトールアセテート、カルビトールアセテート、リナリールアセテート、ターピニルアセテートからなる群から選択された1種以上)、ケトン溶剤(例えばメチルエチルケトン)、炭化水素溶剤(例えばトルエン、シクロヘキサンからなる群から選択された1種以上)、セロソルブ類(例えばエチルセロソルブ、ブチルセロソルブからなる群から選択された1種以上)、ジエチルフタレート、又はプロピネオート系溶剤(例えばジヒドロターピニルプロピネオート、ジヒドロカルビルプロピネオート、イソボニルプロピネオートからなる群から選択された1種以上)をあげることができる。
好適な実施の態様において、分散媒として、好ましくは、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、グリコール系溶剤、及びエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤からなる群から選択された1種以上の分散媒又はそれらの混合物を使用することができる。
好適な実施の態様において、分散媒として、沸点が200℃以上300℃未満の低沸点溶媒と、沸点が300℃以上の高沸点溶媒の混合物を使用することができる。好適な実施の態様において、低沸点溶媒の沸点を、200℃以上300℃未満、好ましくは200℃以上250℃未満とすることができる。
高沸点分散媒は、導電性塗布材料の長期保存性を向上させるとともに、導電性塗布材料の混錬に伴う温度上昇時の分散媒脱離を抑制して品質管理を容易にする。高沸点分散媒の含有により分散媒の沸点が高くなりすぎると、焼結後に分散媒の残渣が残留し、放熱性及び/又は導電性の点で不利になることがある。低沸点分散媒及び高沸点分散媒を含むことにより、焼結時に分散媒の脱離が徐々に有効に生じるので、接合後の基材からの接合層の剥離が抑制される。
好適な実施の態様において、低沸点溶媒として、例えばアルコール系溶剤、グリコールエーテル溶剤をあげることができる。
好適な実施の態様において、低沸点溶媒として、好ましくは、ターピネオール、ジヒドロターピネオールをあげることができる。
好適な実施の態様において、高沸点溶媒として、イソボルニルシクロヘキサノール(MTPH、日本テルペン社製)、ステアリン酸ブチル、エキセパールBS(花王社製)、ステアリン酸ステアリル、エキセパールSS(花王社製)、ステアリン酸2−エチルヘキシル、エキセパールEH−S(花王社製)、ステアリン酸イソトリデシル、エキセパールTD−S(花王社製)、イソオクタデカノール、ファインオキソコール180(日産化学社製)、ファインオキソコール180T(日産化学社製)、2−ヘキシルデカノール、ファインオキソコール1600(日産化学社製)、トリブチリン、テトラエチレングリコール、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘネイコサン、ドコサン、メチルヘプタデカン、トリデシルシクロヘキサン、テトラデシルシクロヘキサン、ペンタデシルシクロヘキサン、ヘキサデシルシクロヘキサン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、ペンタデシルベンゼン、ヘキサデシルベンゼン、ヘプタデシルベンゼン、ノニルナフタレン、ジフェニルプロパン、オクタン酸オクチル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、リノール酸メチル、ステアリン酸メチル、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサン酸)、クエン酸トリブチル、ペンチルフェノール、セバシン酸ジブチル、オレイルアルコール、セチルアルコール、メトキシフェネチルアルコール、ベンジルフェノール、ヘキサデカニトリル、ヘプタデカニトリル、安息香酸ベンジル、シンメチリン、エチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤をあげることができる。
好適な実施の態様において、高沸点溶媒として、好ましくはblaunon L 207をあげることができる。
好適な実施の態様において、低沸点溶媒と高沸点溶媒は、例えば含有される(低沸点溶媒)/(高沸点溶媒)の質量比を、例えば0.1〜0.7、好ましくは0.2〜0.5の範囲とすることができる。
好適な実施の態様において、導電性塗布材料に含まれる分散媒の含有量は、例えば7〜20質量%の範囲、好ましくは8〜15質量%の範囲とすることができる。
(導電性塗布材料)
上述した銅粉、亜酸化銅粉及び酸化銅粉のうちの少なくとも一方、非加熱硬化型樹脂及び分散媒を含む導電性塗布材料には、必要に応じてさらに、ガラスフリット及び/又は消泡剤等を含ませることができる。ガラスフリットとしては、たとえばBET比表面積が1〜10m2-1、好ましくは2〜10m2-1、より好ましくは2〜8m2-1のものとすることができる。消泡剤としては、たとえば有機変性ポリシロキサン、ポリアクリレートを挙げることができる。導電性塗布材料の調整は、たとえば国際公開第2013/125659号に記載されたペーストの調整とほぼ同様にして行うことができる。
導電性塗布材料中における非加熱硬化型樹脂の占める割合は、0.1質量%〜5.5質量%とすることが好ましい。非加熱硬化型樹脂の割合が多すぎると、銅粉等が凝集して、導電性塗布材料の塗布厚みが不均一になり、その結果として、導電性塗布材料と基材とが十分に接合されず、接合強度の悪化を招き得る。また、導電性塗布材料を半導体素子と基材との接合に用いる場合は、非加熱硬化型樹脂の割合が多すぎると、焼結後に非加熱硬化型樹脂が十分に除去されず、接合層の放熱性及び導電率低下の懸念がある。一方、非加熱硬化型樹脂の割合が少なすぎる場合は、非加熱硬化型樹脂が銅粉及び酸化フィラーを十分に保持できず、構造が安定しないことから、塗布厚みが不均一になる可能性がある。非加熱硬化型樹脂の割合は、0.3質量%〜5.0質量%とすることがより一層好ましい。
また、導電性塗布材料中における銅粉及び酸化フィラーの合計が占める割合は、80質量%より高く、92質量%未満とすることが好適である。銅粉及び酸化フィラーの割合が多すぎる場合は、銅粉の凝集により不均一な塗布厚みになって、導電性塗布材料と基材とが十分に接合されず、接合強度の悪化を招くおそれがある。またこの場合、導電性塗布材料が硬くなることに起因して、印刷の負荷が導電性塗布材料に均等に作用しなくなり、印刷性が悪化し得る。その結果、塗布厚みの不均一になって、導電性塗布材料と基材とが十分に接合されず、接合強度の悪化を招くことが懸念される。この一方で、銅粉及び酸化フィラーの割合が少なすぎる場合は、塗布厚みが不均一になって、接合層の放熱性及び導電率の低下をもたらし得る。このような観点から、銅粉及び酸化フィラーの割合は、82質量%〜90質量%とすることがより好ましい。
そしてまた、導電性塗布材料に含有される(非加熱硬化型樹脂)/(銅粉及び酸化フィラー)の質量比率は、例えば0.0005〜0.08の範囲、好ましくは0.003〜0.07の範囲とすることができる。また、導電性塗布材料に含有される(分散媒)/(銅粉及び酸化フィラー)の質量比率は、例えば0.07〜0.25の範囲、好ましくは0.1〜0.21の範囲とすることができる。この範囲から外れる場合は、上述した非加熱硬化型樹脂の割合や銅粉及び酸化フィラーの割合が所定の範囲外になる場合と同様の不都合が考えられる。
(用途)
上述した導電性塗布材料は、半導体素子と基材との接合に用いることが特に有効である。この場合、表面積がある程度大きな半導体素子であっても、また接合時の加熱温度を比較的低温としても、半導体素子と基材とを十分大きな強度で接合することができる。
導電性塗布材料は、半導体素子と基材との接合に用いるときは一般に、半導体素子または基材のいずれかの表面上に、所定のアプリケーターを用いて、導電性塗布材量を塗布する。次いで、半導体素子と基材とを相互に積層させる。その状態で、たとえば、150℃〜400℃の温度の下、必要に応じて0.01MPa〜20MPaの圧力を作用させる。このときの雰囲気は、窒素雰囲気等とすることができる。
このような導電性塗布材料は、25μmギャップのアプリケーターにより5cm/秒でスライドガラス上に塗布して印刷し、120℃で10分にわたって乾燥させて皮膜とした場合、その皮膜を解砕して得られる乾燥粉末を、水素(H2)を2vol%で含み残部が窒素からなる雰囲気下で昇温した際に、乾燥粉末の体積収縮が2%になるときの温度が、350℃未満であることが、所定の用途において好適である。これはすなわち、導電性塗布材料が比較的低温で焼結することを表す。言い換えれば、当該雰囲気下で昇温して乾燥粉末の体積収縮率が2%になるときの温度が350℃以上である場合は、ICチップや電子デバイスに塗布して焼結させる際に、電子デバイスに悪影響を及ぼす可能性がある。
次に、この発明の導電性塗布材料を試作し、その効果を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的としたものであり、それに限定されることを意図するものではない。
(発明例1〜10、13〜17、比較例1〜5の銅粉A)
亜酸化銅1kg、ニカワ4.0gを純水7Lに分散させ、容器内にて500rpmで回転させた。ここに25vol%の希硫酸2Lを瞬間的に添加し、粉末を得た。デカンテーションで十分に粉末を沈降させ、その後上澄み液を取り除き、純水を7L加え、撹拌させ、静置させた。この作業を上澄み液のpHが4を上回るまで繰り返した。
pHが4を上回ったら、上澄み液を捨て、pH12のアンモニア水を7L添加し、30分撹拌させ、遠心分離で固液分離を行った。それにより得られた粉に純水を7L加え、撹拌した。上澄み液のpHが8を下回るまで、この作業を繰り返した。その後、固形分の含水率が10%となるように遠心分離で粉を回収した後、窒素中、70℃で2時間にわたって乾燥させた。ここで得られた乾燥粉を自動乳鉢で710μmの篩を通過するまで解砕し、さらにジェットミルで解砕した。
解砕後に得られた銅粉AのBET比表面積を、BELSORP−miniII(マイクロトラック・ベル社)で測定した。銅粉Aを真空中で200℃、5時間脱気した後に、比表面積を測定し、3.1m2-1であった。
また、得られた銅粉Aの固めかさ密度を、パウダテスタPT−X(ホソカワミクロン社)を使って測定した。10ccのカップにガイドを取り付けてカップに銅粉Aを入れ、1000回タップさせた。ガイドを残して、10ccの容積を上回る部分を摺り切り、容器に入っている銅粉Aの重量を測定して求めた固めかさ密度は2.1g/cm-3であった。
(発明例1〜16、18、比較例1〜5の亜酸化銅粉a)
5Lビーカーに純水600mL、アラビアゴム0.9gを添加し、ホットバス中の液温が70℃となるように加温した。ここに硫酸銅五水和物349gを添加し、350rpmで撹拌しながら、硫酸銅の結晶がすべて溶解したことを目視で確認した。ここにD−グルコース138.5gを添加した。ここに送液ポンプで5wt%の水酸化ナトリウム水溶液を30mL/分の速度でpH5に達するまで添加した。pHが5に達したら、スポイトで水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pH8.4に上昇させた。ここから液温70±2℃、pH8.5±0.1に3時間保持した。pHの調整は水酸化ナトリウム水溶液で行った。反応終了後、デカンテーション、上澄み排出、純水での洗浄を繰り返し、上澄み液のpHが8.0を下回るまで行った。遠心分離で固液分離し、含水率12%の固形分を窒素雰囲気の下、70℃で2時間にわたって乾燥し、乳棒及び乳鉢で解砕した。これにより得られた粉が亜酸化銅であることをXRDで確認した。この亜酸化銅粉aのBET比表面積及び、固めかさ密度を、上記の銅粉Aについての手順と同様にして測定した。
(発明例11の銅粉B)
上記の銅粉Aの作製時と同様の手順で製粉した後、pHが4を上回るまでデカンテーションと水洗を繰り返した。pHが4を上回った後に、上澄み液を捨て、pH13のアンモニア水を7L添加し、30分撹拌させ、遠心分離で固液分離し、銅粉Aの作製時と同様の手順で乾燥、解砕して、銅粉Bを得た。この銅粉BのBET比表面積、固めかさ密度を、上記の銅粉Aについての手順と同様にして測定した。
(発明例12の銅粉C)
上記の銅粉Aの作製時と同様の手順でアラビアゴムを分子量5000の豚から精製したコラーゲンペプチドとして製粉を行い、pHが4を上回るまでデカンテーションと水洗を繰り返した。pHが4を上回ったら、上澄み液を捨て、pH13のアンモニア水を7L添加し、30分撹拌させ、遠心分離で固液分離し、銅粉Aの作製時と同様の手順で乾燥、解砕し、銅粉Cを得た。この銅粉CのBET比表面積、固めかさ密度を、上記の銅粉Aについての手順と同様にして測定した。
(発明例18の銅粉D)
上記の銅粉Aの作製時と同様の手順で亜酸化銅スラリーに希硫酸を添加し、粉末を得た。上澄み液のpHが4を上回るまでデカンテーションと水洗を繰り返した。pHが4を上回ったら、遠心分離で固液分離し、含水率11%の固形分を得た。銅粉Aと同様の手順で解砕まで行った。これにより得られた銅粉DのBET比表面積、固めかさ密度を、上記の銅粉Aについての手順と同様にして測定した。
(発明例19の銅粉E)
亜酸化銅1kg、ニカワ4.0gを純水7Lに分散させ、容器内にて500rpmで回転させた。ここに25vol%の希硫酸2Lを50mL/分の速度で添加し、銅粉Eを得た。希硫酸の添加速度を除いて、銅粉Aの作製条件と同様とした。銅粉EのBET比表面積、固めかさ密度を、上記の銅粉Aについての手順と同様にして測定した。
(発明例17の亜酸化銅粉b)
5Lビーカーに純水600mL、アラビアゴム0.9gを添加し、ホットバス中の液温が70℃となるように加温した。ここに硫酸銅五水和物349gを添加し、350rpmで撹拌しながら、硫酸銅の結晶がすべて溶解したことを目視で確認した。ここにD−グルコース138.5gを添加した。ここに送液ポンプで5wt%の水酸化ナトリウム水溶液を30mL/分の速度でpH5に達するまで添加した。pHが5に達したら、スポイトで水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pH8.4に上昇させた。ここから液温70±2℃、pH8.5±0.1に3時間保持した。pHの調整は水酸化ナトリウム水溶液で行った。反応終了後、デカンテーション、上澄み排出、純水での洗浄を繰り返し、上澄み液のpHが8.0を下回るまで行った。遠心分離で固液分離を行い、含水率12%の固形分を得た。この固形分を5Lビーカーに純水600mLに分散させ、さらにアラビアゴム0.9gを添加し、ホットバス中の液温が70℃となるように加温した。ここに硫酸銅五水和物349gを添加し、350rpmで撹拌しながら、硫酸銅の結晶がすべて溶解したことを目視で確認した。ここにD−グルコース138.5gを添加した。ここに送液ポンプで5wt%の水酸化ナトリウム水溶液を30mL/分の速度でpH5に達するまで添加した。pHが5に達したら、スポイトで水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pH8.4に上昇させた。ここから液温70±2℃、pH8.5±0.1に3時間保持した。pHの調整は水酸化ナトリウム水溶液で行った。反応終了後、デカンテーション、上澄み排出、純水での洗浄を繰り返し、上澄み液のpHが8.0を下回るまで行った。遠心分離で固液分離を行い、含水率12%の固形分を窒素雰囲気の下、70℃で2時間にわたって乾燥し、乳棒及び乳鉢で解砕した。これにより得られた粉が亜酸化銅であることをXRDで確認した。この亜酸化銅粉bのBET比表面積、固めかさ密度を、上記の銅粉Aについての手順と同様にして測定した。
(発明例20、21の銅粉F)
亜酸化銅1kg、ニカワ4.0gを純水7Lに分散させ、容器内にて500rpmで回転させた。ここに25vol%の希硫酸2Lを10mL/分の速度で添加し、銅粉Fを得た。希硫酸の添加速度を除いて、銅粉Aの作製条件と同様とした。銅粉FのBET比表面積、固めかさ密度を、上記の銅粉Aについての手順と同様にして測定した。
(発明例21の酸化銅粉)
上述の方法により亜酸化銅粉aのスラリーを作製し、pHが8を下回るまで洗浄を行った。その後、固形分20%となるように純水を加え40℃に加温し、2時間、300rpmで撹拌した。その後、吸引ろ過によって固液分離しケーキを得た。このケーキを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。得られた粉はXRDで酸化銅粉であることを確認した。固めかさ密度、BET比表面積を求めた。
(発明例1〜21、比較例1〜5の導電性塗布材料)
ジヒドロターピネオール単独、またはジヒドロターピネオール及びblaunon L 207と、アクリル樹脂ビークル(固形分35%、互応化学KFA−2000)、エチルセルロースビークル(日新化成、EC−100FTD)、エポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:EX−214L)、レゾール型フェノール樹脂(群栄化学工業株式会社製、レヂトップPL−4348)を、表1に記載の比率となるように秤量し、自転公転ミキサーで5分撹拌した。そこに銅粉及び酸化フィラーを表1に記載の比率となるように添加し、さらに自転公転ミキサーで5分撹拌した。これにより得られた混合物を、ロールギャップを5μmとした3本ロールに5パス通し、導電性塗布材料を得た。
(比較例3の導電性塗布材料)
バインダー樹脂を添加しない組成で銅粉、亜酸化銅、溶剤を秤量し、自転公転ミキサー5分撹拌した後、3本ロールに通すと膜上に変質した。そこで、3本ロールを通さず自転公転ミキサーの撹拌で終了して、導電性塗布材料を得た。
(接合強度の評価方法)
アルカリ脱脂、酸洗、水洗の前処理を施した厚み1mmの無酸素銅板に、上記の導電性塗布材料を厚み100μm、開口部6mm×6mmのステンレスマスクで印刷し、ホットプレート上にて、100℃で3分にわたって予備加熱をした。Au層をスパッタリングで形成した5mm×5mmのSiチップを、導電性塗布材料の乾燥皮膜とAu面が接するように搭載して、0.4MPaの荷重をかけ、225℃まで窒素雰囲気で昇温し、雰囲気を入れ替え、225℃でギ酸バブリングした窒素で15分保持し、接合体を得た。この接合体の接合強度を、ボンドテスターのツールをSiチップ側面から、無酸素銅板から150μmの高さで掃引速度100μm/秒で当てることにより測定した。その結果も表1に示す。
(皮膜の表面粗さRaの評価)
導電性塗布材料をスライドガラス上に25μmアプリケーターで5cm/秒の速度で 印刷し、得られた皮膜を120℃、10分で乾燥させた。この乾燥皮膜の表面粗さRaをJIS B 0633:2001に従い、触式粗さ計で測定した。
Figure 2020113662
上記手順で作製した導電性塗布材料を25μmギャップのアプリケーターを使って5cm/秒の移動速度でPETフィルム上に塗布し、120℃、10分で乾燥させ、乾燥皮膜を得た。この乾燥皮膜に対して以下の条件でXRD測定をし、亜酸化銅、酸化銅、銅の(111)のピークの面積を算出し、Cu2O(111)/Cu(111)、又は、CuO(111)/Cu(111)を求めた。なお、酸化フィラーとして亜酸化銅粉および酸化銅粉の両方を用いる場合は、{Cu2O(111)+CuO(111)}/Cu(111)を求める。
ピーク面積を算出する際のバックグラウンド処理は、RIGAKU社製の統合粉末X線解析ソフトウェアPDXL2の自動処理モードにより行った。このモードを選択することで、該ソフトウェアが簡易ピークサーチを行い、ピーク部分を取り除いた後、残りのデータに対して多項式をフィッティングしてバックグラウンドを除去する。
装置:Rint 2200 Ultima(RIGAKU製)
X線:CuKα
X線出力:40kV、40mA
スキャンスピード:4°/分
ステップ幅:0.02°
スキャン範囲:20〜80°
発散スリット:2°
発散縦制限スリット:10mm
散乱スリット:2°
発光スリット:0.6mm
ピーク面積算出ソフト:PDXL2
表1に示すところから、発明例1〜21では、酸化フィラーを所定の割合で含ませたことにより、低温加熱による接合強度が15MPaを超えるものになったことが解かる。一方、比較例1〜5は、酸化フィラーの割合が所定の範囲から外れるか、又は、非加熱硬化型樹脂を含まないことから、当該接合強度が15MPa以下と小さくなった。
以上より、発明例の導電性塗布材料によれば、比較的低温で加熱して接合する場合であっても、十分大きな接合強度を実現できることが解かった。

Claims (11)

  1. 基材への半導体素子の接合に用いる導電性塗布材料であって、
    銅粉と、亜酸化銅粉および酸化銅粉のうちの少なくとも一方から構成される酸化フィラーと、非加熱硬化型樹脂と、分散媒とを含み、
    前記導電性塗布材料を25μmギャップのアプリケーターを用いて5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃で10分間乾燥させた後の皮膜のXRDにおいて、(111)面における前記銅粉に対応するピーク面積に対する、(111)面における前記酸化フィラーに対応するピーク面積の比率が0.03〜1.0である導電性塗布材料。
  2. 導電性塗布材料であって、
    銅粉と、亜酸化銅粉および酸化銅粉のうちの少なくとも一方から構成される酸化フィラーと、非加熱硬化型樹脂と、分散媒とを含み、
    前記導電性塗布材料を25μmギャップのアプリケーターを用いて5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃で10分間乾燥させた後の皮膜のXRDにおいて、(111)面における前記銅粉に対応するピーク面積に対する、(111)面における前記酸化フィラーに対応するピーク面積の比率が0.03〜1.0であり、
    25μmギャップのアプリケーターにより5cm/秒の速度で当該導電性塗布材料を塗布し、該導電性塗布材料を120℃で10分にわたって乾燥させて皮膜とし、前記皮膜を解砕して得られる乾燥粉末を2vol%H2残部窒素雰囲気で昇温して体積収縮率が2%になるときの温度が、350℃未満である導電性塗布材料。
  3. 前記銅粉及び前記酸化フィラーにおける前記酸化フィラーの割合が、2.5質量%〜55質量%である、請求項1又は2に記載の導電性塗布材料。
  4. 前記非加熱硬化型樹脂は、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、およびポリビニルアルコール系樹脂のうち少なくとも一種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性塗布材料。
  5. 当該導電性塗布材料中における前記非加熱硬化型樹脂の占める割合が、0.1質量%〜5.5質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性塗布材料。
  6. 当該導電性塗布材料中における前記銅粉及び前記酸化フィラーの占める割合が、80質量%より高く、92質量%未満である請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性塗布材料。
  7. (非加熱硬化型樹脂)/(前記銅粉及び前記酸化フィラー)の質量比率が0.0005〜0.08の範囲内であり、(分散媒)/(前記銅粉及び前記酸化フィラー)の質量比率が0.07〜0.25の範囲内である請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性塗布材料。
  8. 前記銅粉の固めかさ密度が、3g/cm3未満である請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電性塗布材料。
  9. 前記銅粉のBET比表面積が、1.0m2-1〜10.0m2-1である請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電性塗布材料。
  10. 前記酸化フィラーのBET比表面積が、0.4m2-1以上である請求項1〜9のいずれか一項に記載の導電性塗布材料。
  11. 前記分散媒は、沸点が200℃以上300℃未満の低沸点溶媒と、沸点が300℃以上の高沸点溶媒とを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の導電性塗布材料。
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