JP2020113563A - インプリントモールド用基板及びインプリントモールド、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

インプリントモールド用基板及びインプリントモールド、並びにそれらの製造方法 Download PDF

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【課題】凸構造部の寸法管理を容易に行うことのできるインプリントモールド用基板及びインプリントモールド、並びに高い寸法精度の凸構造部を形成可能なインプリントモールド用基板及びインプリントモールドの製造方法を提供する。【解決手段】インプリントモールド用基板は、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基材と、基材の第1面から突出し、平面視略方形状の上面部を有する凸構造部とを備え、第1面における凸構造部の近傍に、凸構造部の大きさを測定するための指標として用いられる凸構造部計測用マークが形成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、インプリントモールド用基板及びインプリントモールド、並びにそれらの製造方法に関する。
微細加工技術として知られているナノインプリント技術は、基材の表面に微細凹凸パターンが形成されてなるインプリントモールドを用い、当該微細凹凸パターンを被加工物に転写することで微細凹凸パターンを等倍転写するパターン形成技術である。特に、半導体デバイスにおける配線パターン等のさらなる微細化等に伴い、その製造プロセス等においてナノインプリント技術が注目されている。
ナノインプリント技術において一般に用いられるインプリントモールドは、例えば、基材と、基材の表面から突出する凸構造部と、凸構造部の上面に形成されてなる微細凹凸パターンとを備えるものが知られている。このようなインプリントモールドを用い、被転写基板上に供給された被加工物としてのインプリント樹脂にインプリントモールドの微細凹凸パターンを接触させることで、当該微細凹凸パターンにインプリント樹脂を充填させる。そして、その状態で当該インプリント樹脂を硬化させることにより、インプリントモールドの微細凹凸パターンが転写されてなるパターン構造体が形成される。
上記インプリントモールドは、基材と、基材の表面から突出する凸構造部とを有するインプリントモールド用基板を準備し、当該インプリントモールド用基板の凸構造部の上面部に微細凹凸パターンを形成することにより製造される。このインプリントモールド用基板は、第1面及びそれに対向する第2面を有する平板状の基材を準備し、当該基材の第1面に形成された、凸構造部に対応するマスクパターンを用いて、フッ酸等をエッチャントとして用いたウェットエッチング処理を施すことで製造される。
特許第5445714号公報 特開2011−227950号公報
特許文献1及び特許文献2に記載のインプリントモールドの製造方法のように、基材の第1面から突出する凸構造部を形成するにあたり、凸構造部に対応するマスクパターンを用いたウェットエッチング処理を当該基材に施すと等方性にエッチングが進行するため、マスクパターンに被覆されている基材に対する横方向へのエッチング(サイドエッチング)が進行する。すなわち、マスクパターンの大きさよりも小さい上面部を有する凸構造部が形成されることになる。
一般的に、上記のようなサイドエッチングによる寸法変動(サイドエッチング量)を見越して、凸構造部の上面部の設計サイズよりも大きいマスクパターンを形成するが、サイドエッチング量は、そのときのエッチング条件(例えば、エッチャントの温度や濃度、エッチャントの循環速度等)に応じて変動するため、サイドエッチング量を正確に把握するのは極めて困難である。近年、上記インプリントモールドの凸構造部の上面部の寸法精度に対する要求が厳しくなってきている一方で、凸構造部の上面部の寸法管理が困難であり、インプリントモールドの歩留りを低下させる一因となっている。
上記課題に鑑みて、本開示は、凸構造部の寸法管理を容易に行うことのできるインプリントモールド用基板及びインプリントモールド、並びに高い寸法精度の凸構造部を形成可能なインプリントモールド用基板及びインプリントモールドの製造方法を提供することを一目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態として、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基材と、前記基材の前記第1面から突出し、平面視略方形状の上面部を有する凸構造部とを備え、前記第1面における前記凸構造部の近傍に、前記凸構造部の大きさを測定するための指標として用いられる凸構造部計測用マークが形成されているインプリントモールド用基板が提供される。
複数の前記凸構造部計測用マークのそれぞれが、前記凸構造部の前記上面部の少なくとも一つの角部を形成する2辺のそれぞれの延長線上に位置していてもよく、この場合において、前記凸構造部計測用マークは、前記凸構造部計測用マークの幾何学的中心を前記延長線が通るように形成されていればよく、前記各凸構造部計測用マークと所定の間隔を隔てた位置に寸法計測用マークが形成されており、前記寸法計測用マークの幾何学的中心と前記各凸構造部計測用マークの幾何学的中心とを結ぶ線分は、前記凸構造部の前記上面部の前記角部を形成する2辺のうちのいずれか1辺と実質的に平行であればよく、前記凸構造部計測用マークは、前記凸構造部の前記上面部の前記角部から前記凸構造部の高さの2倍以上離間した位置に形成されていればよい。
複数の前記凸構造部計測用マークが、前記凸構造部の前記上面部を構成する少なくとも1辺に沿って形成されていてもよく、この場合において、前記複数の凸構造部計測用マークの各幾何学的中心を通る線分が、前記凸構造部の前記上面部を構成する前記1辺と実質的に平行であればよく、前記凸構造部計測用マークは、前記凸構造部の前記上面部の前記1辺から前記凸構造部の高さの2倍以上離間した位置に形成されていればよい。
前記凸構造部計測用マークは、平面視において回転対称形状を有していればよく、前記基材の前記第1面から突出しており、前記凸構造部計測用マークの高さは、前記凸構造部の高さよりも低ければよく、前記基材の前記第1面には、少なくとも前記基材の大きさを測定するための指標として用いられる基材計測用マークが形成されていてもよい。
本開示の一実施形態として、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基材と、前記基材の前記第1面に形成されてなり、少なくとも前記基材の大きさを測定するための指標として用いられる基材計測用マークとを備えるインプリントモールド用基板が提供される。
少なくとも3つの前記基材計測用マークのそれぞれが、略方形状の前記基材の角部のそれぞれの近傍に形成されていればよく、前記基材計測用マークは、平面視略十字形状を有することができ、記第1面から突出しており、前記基材計測用マークの高さは、前記凸構造部の高さよりも低く構成され得る。
本開示の一実施形態として、上記インプリントモールド用基板の前記第1面に設定されるパターン領域に形成されてなる凹凸パターンを有するインプリントモールドが提供される。
本開示の一実施形態として、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基材を準備する基材準備工程と、前記基材の前記第1面上の略中央に位置する略方形状の第1マスクパターン形成領域に、平面視略方形状の上面部を有する凸構造部に対応する第1マスクパターンを形成するとともに、前記第1マスクパターン形成領域の周囲に位置する第2マスクパターン形成領域に、凸構造部計測用マークに対応する第2マスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、前記第1マスクパターン及び前記第2マスクパターンをマスクとして前記基材の前記第1面にウェットエッチング処理を施すことで、前記基材の前記第1面から突出する前記凸構造部及び前記凸構造部計測用マークを形成するエッチング工程とを含み、前記第1マスクパターンの大きさは、平面視における前記凸構造部の前記上面部の大きさよりも大きく、前記凸構造部の前記上面部を包摂可能な大きさであるインプリントモールド用基板の製造方法が提供される。
前記マスクパターン形成工程において、複数の前記凸構造部計測用マークのそれぞれに対応する複数の前記第2マスクパターンを、前記基材の前記第1面上に形成される前記凸構造部の前記上面部の少なくとも一つの角部を形成する2辺のそれぞれの延長線上に位置するように形成すればよい。
前記マスクパターン形成工程において、前記延長線が前記第2マスクパターンの幾何学的中心に重なるように前記第2マスクパターンを形成すればよく、前記マスクパターン形成工程において、前記各第2マスクパターンと所定の間隔を隔てた位置に、寸法計測用マークに対応する第3マスクパターンをさらに形成し、前記エッチング工程において、前記第1〜第3マスクパターンをマスクとして前記基材の前記第1面にウェットエッチング処理を施すことで、前記基材の前記第1面から突出する前記凸構造部、前記凸構造部計測用マーク及び前記寸法計測用マークを形成すればよい。
前記各第2マスクパターンの幾何学的中心と前記第3マスクパターンの幾何学的中心とを結ぶ線分が、前記第1マスクパターンの角部を形成する2辺のうちのいずれか1辺と実質的に平行になるように、前記第3マスクパターンを形成すればよい。
前記エッチング工程の途中に前記凸構造部計測用マークを指標として用いて前記第1マスクパターンの外周縁に対応する位置からの前記基材のサイドエッチング量を計測すればよく、前記エッチング工程は、前記サイドエッチング量の計測前に実施される第1エッチング工程と、前記サイドエッチング量の計測後に実施される第2エッチング工程とを少なくとも含み、前記第1エッチング工程において、前記凸構造部計測用マークと、前記凸構造部の前記上面部よりも大きい上面部を有する仮凸構造部とが少なくとも形成され、前記サイドエッチング量を計測することで、前記第1エッチング工程における第1サイドエッチング量と前記第2エッチング工程において必要となる第2サイドエッチング量とを求め、前記第2エッチング工程において、前記第2サイドエッチング量に従って前記基材のエッチングが実施されればよい。
前記マスクパターン形成工程において、少なくとも前記基材の大きさを測定するための指標として用いられる基材計測用マークに対応する第4マスクパターンをさらに形成し、前記エッチング工程において、前記第1〜第4マスクパターンをマスクとして前記基材の前記第1面にウェットエッチング処理を施すことで、前記基材の前記第1面から突出する前記凸構造部、前記凸構造部計測用マーク、前記寸法計測用マーク及び前記基材計測用マークを形成すればよく、前記第2〜第4マスクパターンは、前記エッチング工程の途中で前記第2〜第4マスクパターンが剥がれ落ちる程度の大きさで形成されればよい。
本開示の一実施形態として、上記インプリントモールド用基板の製造方法により製造された前記インプリントモールド用基板の前記凸構造部の前記上面部に凹凸パターンを形成する工程を有するインプリントモールドの製造方法が提供される。
本開示によれば、凸構造部の寸法管理を容易に行うことのできるインプリントモールド用基板及びインプリントモールド、並びに高い寸法精度の凸構造部を形成可能なインプリントモールド用基板及びインプリントモールドの製造方法を提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す平面図である。 図2は、図1に示すインプリントモールド用基板におけるA部の概略構成を示す部分拡大平面図である。 図3は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板の他の態様(その1)における図2のA部に相当する部分の概略構成を示す部分拡大平面図である。 図4は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板の他の態様(その2)における図2のA部に相当する部分の概略構成を示す部分拡大平面図である。 図5は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板の他の態様(その3)の概略構成を示す部分拡大平面図である。 図6(A)は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す切断端面図であり、図6(B)は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す部分拡大側面図である。 図7は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板において凸構造部の上面部の大きさを計測する方法を説明するための部分拡大平面図である。 図8は、本開示の他の実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す側面図である。 図9は、本開示の一実施形態におけるインプリントモールドの概略構成を示す切断端面図である。 図10は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板の製造方法の各工程を示す工程フロー図である。 図11は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールドの製造方法のウェットエッチング工程前における第1〜第3マスクパターンの概略構成を示す部分拡大平面図である。 図12は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールドの製造方法のウェットエッチング工程の途中における第1〜第3マスクパターンの概略構成を示す部分拡大平面図である。 図13は、図12におけるA−A線断面図である。 図14は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールドの製造方法のウェットエッチング工程の途中において第2マスクパターン及び第3マスクパターンが剥がれ落ちることを説明するための部分拡大平面図である。 図15は、図14におけるB−B線断面図である。 図16は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールドの製造方法のウェットエッチング工程終了時における第1マスクパターン、凸構造部計測用パターン5及び寸法計測用パターン6の概略構成を示す部分拡大平面図である。 図17は、図16におけるC−C線断面図である。
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
当該図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりして示している場合がある。本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
〔インプリントモールド用基板〕
図1は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す平面図であり、図2は、図1に示すインプリントモールド用基板におけるA部の概略構成を示す部分拡大平面図であり、図3は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の他の態様(その1)における図2のA部に相当する部分の概略構成を示す部分拡大平面図であり、図4は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の他の態様(その2)における図2のA部に相当する部分の概略構成を示す部分拡大平面図であり、図5は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の他の態様(その3)の概略構成を示す部分拡大平面図であり、図6は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す切断端面図である。
図1〜6に示すように、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1は、第1面2A及び当該第1面2Aに対向する第2面2Bを有する基材2と、基材2の第1面2Aから突出する凸構造部3と、第2面2B側に形成されている窪み部4とを備える。
基材2としては、インプリントモールド用基板として一般的なもの、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、蛍石基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板、ポリメチルメタクリレート基板、ポリエチレンテレフタレート基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等を用いることができる。なお、本実施形態において「透明」とは、インプリント樹脂を硬化させ得る波長の光を透過可能であることを意味し、波長150nm〜400nmの光線の透過率が60%以上であることを意味し、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。
基材2の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状等が挙げられる。基材2が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラス基板からなるものである場合、通常、基材2の平面視形状は略矩形状である。
基材2の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、基材2が上記石英ガラス基板からなる場合、例えば、基材2の大きさは152mm×152mm程度である。また、基材2の厚さは、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
基材2の第1面2Aから突出する凸構造部3は、平面視において基材2の略中央に設けられている。凸構造部3の平面視における形状は、略矩形状である。凸構造部3の大きさは、インプリントモールド用基板1を用いたインプリント処理を経て製造される製品等に応じて適宜設定されるものであり、例えば、30mm×25mm程度に設定される。
凸構造部3の突出高さT3(基材2の第1面2Aと凸構造部3の上面部31との間の基材2厚み方向に沿った長さ)は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1が凸構造部3を備える目的を果たし得る限り、特に制限されるものではなく、例えば、10μm〜100μm程度に設定され得る。
凸構造部3は、凹凸パターン11が形成されるパターン領域PAを有する、平面視略方形状の上面部31と、上面部31の外周縁部と基材2の第1面2Aとの間に連続し、ラウンド形状の側面部32とを有する。
本実施形態において、基材2の第1面2Aにおける凸構造部3の近傍には、凸構造部3の大きさ(サイズ)を計測するときの指標として用いられ得る凸構造部計測用マーク5が形成されている。
図1及び図2に示すように、凸構造部計測用マーク5は、上面部31の4つの角部311の近傍であって、各角部311を形成するための辺312の延長線L1上に沿って位置している。凸構造部計測用マーク5は、その角部311を形成するための2つの辺312,312のそれぞれの延長線L1が当該凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51を通るように基材2の第1面2Aに形成されていているのが好ましいが、辺312の延長線L1が幾何学的中心51を通らなくてもよい。当該延長線L1が凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51を通っていれば、凸構造部3の上面部31が精確な大きさ(サイズ)で形成されていることの指標となり、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)の管理、評価等が可能となる。一方、当該延長線L1が凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51を通っていなくても、上記延長線L1と、当該幾何学的中心51を通る辺312に平行な線分との間隔を測定することで、凸構造部3の大きさ(サイズ)を計測することが可能となる。
なお、本実施形態においては、4つの角部311のそれぞれの近傍に2つの凸構造部計測用マーク5が形成されているが、この態様に限定されるものではない。例えば、少なくとも1つの角部311の近傍に凸構造部計測用マーク5が形成されていればよく、好ましくは互いに対角に位置する2つの角部311のそれぞれの近傍に凸構造部計測用マーク5が形成されていてもよいし、任意に選択される3つの角部311のそれぞれの近傍に凸構造部計測用マーク5が形成されていてもよい。本実施形態に係るインプリントモールド用基板1を製造する際に、平面視略方形状の第1マスクパターン71の各辺を基準としたサイドエッチング量(平面視において第1マスクパターン71の各辺と凸構造部3の上面部31を構成する各辺312との間の長さ)は実質的に同一となる。そのため、少なくとも1つの角部311の近傍に凸構造部計測用マーク5が形成されていれば、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)を少なくとも推定することができるため、当該凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)の管理、評価等が可能となる。
凸構造部計測用マーク5の平面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、延長線L1と長手方向とが一致する略長方形状(図1、図2、図4等を参照)、略円形状(図3参照)、略正方形状や略正三角形状(図示省略)等であればよく、2回対称形状、3回対称形状、4回対称形状等の回転対称形状であるのが好ましい。後述するように、凸構造部計測用マーク5の平面視形状が回転対称形状であれば、インプリントモールド用基板1の製造過程においてサイドエッチングが進行しても凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51の位置が変化しないため、凸構造部計測用マーク5を指標として凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)を精確に計測することができ、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)の管理が容易となる。
凸構造部計測用マーク5の大きさ(サイズ)は、撮像装置(例えば、光学顕微鏡等)を用いて基材2の第2面2B側から撮像したときに、当該凸構造部計測用マーク5(特にその幾何学的中心51)を認識可能な程度の大きさ(サイズ)であればよい。凸構造部計測用マーク5の平面視形状が略長方形状である場合、例えば10μm×200μm〜100μm×2000μm程度であればよく、20μm×200μm〜50μm×200μmであればより好ましい。略円形状である場合、その直径が例えば10μm〜200μm程度であればよく、20μm〜50μmであればより好ましい。略正方形状や略正三角形状である場合、その一辺の長さが例えば10μm〜200μm程度であればよく、20μm〜50μmであればより好ましい。
凸構造部計測用マーク5は、凸構造部3の上面部31の角部311から凸構造部3の高さの2倍〜700μm離間した位置に形成されているのが好ましく、凸構造部3の高さの2倍〜250μm離間した位置に形成されているのがより好ましい。当該凸構造部計測用マーク5が凸構造部3の上面部31の角部311から、凸構造部3の高さの2倍未満の範囲内に形成されていると、ラウンド形状の側面部32に凸構造部計測用マーク5の一端部が形成されてしまい、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)を精確に計測することが困難となるおそれがある。一方、凸構造部3の上面部31の大きさを計測する際には、凸構造部計測用マーク5と凸構造部3の上面部31の角部311及び辺312とを、撮像装置(例えば、光学顕微鏡等)を用いて基材2の第2面2B側から撮像することができる。かかる撮像装置(光学顕微鏡)において高倍率レンズ(例えば500倍以上程度)を用いて撮像すると、ワークディスタンスが短く、基材2の厚みにより干渉してしまい、凸構造部計測用マーク5の観察が困難である。そのため、低倍率レンズ(例えば200倍以下程度)を用いて撮像する必要がある。よって、凸構造部計測用マーク5は、当該撮像装置において取得可能な一画像の大きさに応じて、当該凸構造部計測用マーク5が凸構造部3の上面部31の角部311及び辺312の一部とともに一画像内に収まる程度に離れていてもよいが、角部311から700μmを超えて離れて形成されていると、凸構造部3の上面部31の角部311及び辺312と凸構造部計測用マーク5とを撮像装置にて一画像内に収めることが困難となり、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)を計測することが困難となるおそれがある。
凸構造部計測用マーク5は、基材2の第1面2Aから突出するようにして形成されてなるものであるが、当該凸構造部計測用マーク5の高さT5は、凸構造部3の高さT3よりも低く構成される。好ましくは、インプリントモールド用基板1の側面視において、凸構造部3の外周縁と基材2の第1面2Aの外周縁とを結ぶ直線L2よりも凸構造部計測用マーク5の頂部が低く構成される。凸構造部計測用マーク5の高さT5が凸構造部3の高さT3よりも高く構成されると、インプリントモールド用基板1から作製されるインプリントモールド10を用いたインプリント処理時に、被転写基板に凸構造部計測用マーク5が接触してしまうおそれがある。また、凸構造部3の外周縁と基材2の第1面2Aの外周縁とを結ぶ直線L2よりも凸構造部計測用マーク5の頂部が低く構成されていれば、インプリントモールド10を被転写基板上のインプリント樹脂に押し当てるときに、当該インプリントモールド10が被転写基板に対して平行でなく傾きをもっていたとしても、凸構造部計測用マーク5が被転写基板やインプリント樹脂に接触してしまうのを抑制することができる。
図5に示すように、本実施形態において、複数の凸構造部計測用マーク5が、凸構造部3の上面部31を構成する各辺312に沿って位置していてもよい。この場合において、各辺312に沿って位置する複数の凸構造部計測用マーク5のそれぞれの幾何学的中心51を通る線分L3が、凸構造部3の上面部31を構成する辺312と実質的に平行であればよい。上記線分L3と辺312とが実質的に平行であることで、上記線分L3と辺312との間の距離D(線分及び辺312に直交する方向における長さ)を計測し、距離Dの計測値と設計値とを対比することで、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)を精確に計測することができ、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)の管理が容易となる。
図5に示す態様において、凸構造部計測用マーク5は、辺312から当該辺312の垂直方向に凸構造部3の高さの2倍〜700μm離間した位置に形成されているのが好ましく、凸構造部3の高さの2倍〜250μm離間した位置に形成されているのがより好ましい。当該凸構造部計測用マーク5が凸構造部3の上面部31の辺312から、凸構造部3の高さの2倍未満の範囲内に形成されていると、ラウンド形状の側面部32に凸構造部計測用マーク5が形成されてしまい、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)を精確に計測することが困難となるおそれがある。一方、凸構造部3の上面部31の大きさを計測する際には、凸構造部計測用マーク5と凸構造部3の上面部31の辺312の一部とを、撮像装置(例えば、光学顕微鏡等)を用いて基材2の第2面2B側から撮像することができる。かかる撮像装置(光学顕微鏡)において高倍率レンズ(例えば500倍以上程度)を用いて撮像すると、ワークディスタンスが短く、基材2の厚みにより干渉してしまい、凸構造部計測用マーク5の観察が困難である。そのため、低倍率レンズ(例えば200倍以下程度)を用いて撮像する必要がある。よって、凸構造部計測用マーク5は、当該撮像装置において取得可能な一画像の大きさに応じて、当該凸構造部計測用マーク5が凸構造部3の上面部31の辺312の一部とともに一画像内に収まる程度に離れていてもよいが、辺312から700μmを超えて離れて形成されていると、凸構造部3の上面部31の辺312の一部と凸構造部計測用マーク5とを撮像装置にて一画像内に収めることが困難となり、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)を計測することが困難となるおそれがある。
本実施形態において、凸構造部3の上面部31の角部311の近傍に、寸法計測用マーク6が形成されている。寸法計測用マーク6は、その近傍に位置する2つの凸構造部計測用マーク5の少なくとも一方の幾何学的中心51を通る、上面部31の辺312に平行な2つの線分L4が寸法計測用マーク6の幾何学的中心61を通るように形成されている。インプリントモールド用基板1の製造過程において、各凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51と寸法計測用マーク6の幾何学的中心61との位置は、ウェットエッチング(サイドエッチング)が進行しても実質的に変化しない。そのため、各凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51と寸法計測用マーク6の幾何学的中心61との間隔D1は、凸構造部計測用マーク5及び寸法計測用マーク6を形成するための第2マスクパターン72及び第3マスクパターン73のそれぞれの幾何学的中心721,731の間隔と実質的に同一である。第2マスクパターン72及び第3マスクパターン73は、極めて高い位置精度で形成可能であるため、凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51と寸法計測用マーク6の幾何学的中心61との間隔は、第2マスクパターン72及び第3マスクパターン73の設計値として定義され得る。よって、凸構造部3の上面部31の角部311と、その近傍に位置する凸構造部計測用マーク5及び寸法計測用マーク6とを一画像に含めるように撮像することで、凸構造部3の上面部31の絶対的な寸法を計測することができる。
例えば、図7に示すように、凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51と寸法計測用マーク6の幾何学的中心61との間隔D1がY1μm(すなわち、第2マスクパターン72及び第3マスクパターン73のそれぞれの幾何学的中心721,731の間隔の設計値がY1μm)であって、凸構造部3の上面部31の角部311と、その近傍に位置する凸構造部計測用マーク5及び寸法計測用マーク6とを含む画像における上記間隔D1のピクセル数がY2である場合、当該画像における1ピクセルの長さ(μm)がY1/Y2μmであるということができる。そのため、凸構造部3の上面部31の角部311を構成する一方の辺312と、凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51を通る、当該辺312に平行な線分M1とが一致しない場合、当該辺312と当該線分M1との間隔D2のピクセル数がY3であれば、当該間隔D2の長さはY1/Y2×Y3μmとなる。同様に、他方の辺312と、凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51を通る、当該辺312に平行な線分M2との間隔D3のピクセル数がX3であれば、当該間隔D3の長さはY1/Y2×X3μmとなる。そして、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)の設計値(X方向の一辺の長さ=X4μm,Y方向の一辺の長さ=Y4μm)から、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)を求めることができる(X方向の一辺の長さ=X4−2×(Y1/Y2×X3)μm,Y方向の一辺の長さ=Y4−2×(Y1/Y2×Y3)μm)。
寸法計測用マーク6の平面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、略長方形状(図1、図2等を参照)、略円形状(図3、図4参照)、略正方形状や略正三角形状(図示省略)等であればよく、2回対称形状、3回対称形状、4回対称形状等の回転対称形状であるのが好ましい。後述するように、寸法計測用マーク6の平面視形状が回転対称形状であれば、インプリントモールド用基板1の製造過程においてサイドエッチングが進行しても寸法計測用マーク6の幾何学的中心61の位置が変化しないため、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)を精確に計測することができ、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)の管理が容易となる。
寸法計測用マーク6の大きさ(サイズ)は、撮像装置(例えば、光学顕微鏡等)を用いて基材2の第2面2B側から撮像したときに、当該寸法計測用マーク6(特にその幾何学的中心61)を認識することのできる程度であればよい。寸法計測用マーク6の平面視形状が略長方形状である場合、例えば10μm×200μm〜100μm×2000μm程度であればよく、略円形状である場合、直径が例えば10μm〜100μm程度であればよく、略正方形状や略正三角形状である場合、一辺の長さが例えば10μm〜100μm程度であればよい。
寸法計測用マーク6は、基材2の第1面2Aから突出するようにして形成されてなるものであるが、当該寸法計測用マーク6の高さは、凸構造部計測用マーク5と同様に、凸構造部3の高さよりも低く構成される。好ましくは、インプリントモールド用基板1の側面視において、凸構造部3の外周縁と基材2の第1面2Aの外周縁とを結ぶ直線よりも寸法計測用マーク6の頂部が低く構成される。寸法計測用マーク6の高さが凸構造部3の高さよりも高く構成されると、インプリントモールド用基板1から作製されるインプリントモールド10を用いたインプリント処理時に、被転写基板に寸法計測用マーク6が接触してしまうおそれがある。また、凸構造部3の外周縁と基材2の第1面2Aの外周縁とを結ぶ直線よりも寸法計測用マーク6の頂部が低く構成されると、インプリントモールド10を被転写基板上のインプリント樹脂に押し当てるときに、当該インプリントモールド10が被転写基板に対して平行でなく傾きをもっていたとしても、寸法計測用マーク6が被転写基板やインプリント樹脂に接触してしまうのを抑制することができる。
本実施形態において、基材2の第1面2Aには、基材2の大きさ(サイズ)を測定するための指標として用いられ得る基材計測用マーク7が形成されている。かかる基材計測用マーク7は、平面視略方形状の基材2の4つの角部21のそれぞれの近傍に形成されている。基材計測用マーク7は、平面視において略十字形状を有する。基材2の一の角部21及びそれに隣接する角部21のそれぞれの近傍に位置する略十字形状の基材計測用マーク7の中心(十字の交点)同士を結ぶ線分と、基材2の外周縁を構成する辺22との間の距離(線分及び辺22に直交する方向における距離)の計測により、基材2の大きさを正確に計測することができる。また、後述するように、基材計測用マーク7は、インプリントモールド用基板1の製造工程において凸構造部3と同一のエッチング工程にて形成され、当該エッチング工程におけるマスクパターン(第1マスクパターン71及び第4マスクパターン74)は、極めて高い位置精度で形成され得る。そのため、一の角部21及びそれに隣接する角部21のそれぞれの近傍に位置する略十字形状の基材計測用マーク7の中心(十字の交点)同士を結ぶ線分と、基材2の外周縁を構成する辺22との平行度を測定することにより、基材2に対する凸構造部3の回転角度(基材2の各辺22と凸構造部3の上面部31の各辺312との平行度)を評価することができる。
基材計測用マーク7は、基材2の第1面2Aから突出するようにして形成されてなるものであるが、当該基材計測用マーク7の高さは、凸構造部3の高さT3よりも低く構成される。好ましくは、インプリントモールド用基板1の側面視において、凸構造部3の外周縁と基材2の第1面2Aの外周縁とを結ぶ直線L2よりも基材計測用マーク7の頂部が低く構成される。基材計測用マーク7の高さが凸構造部3の高さT3よりも低く構成されることで、インプリントモールド用基板1から作製されるインプリントモールド10を用いたインプリント処理時に、被転写基板に凸構造部計測用マーク5が接触してしまうのを防止することができる。
基材計測用マーク7の形成されている位置(平面視略十字形状の基材計測用マーク7の中心(十字の交点)の位置)は、基材2の第1面2A上であって、各角部21の近傍であればよく、例えば、近接する基材2の辺22(2つの辺22,22)から10mm〜40mm程度離間して形成されていればよい。
なお、本実施形態において、4つの基材計測用マーク7が、基材2の4つの角部21のそれぞれの近傍に形成されているが、このような態様に限定されるものではなく、少なくとも3つの基材計測用マーク7が、基材2の4つの角部21のうちの3つの角部21のそれぞれの近傍に形成されていればよい。また、本実施形態において、基材計測用マーク7の平面視形状が略十字形状であるが、この態様に限定されるものではなく、例えば基材計測用マーク7の平面視形状は、略鉤形状、略L字形状等であってもよい。
基材2の第2面2Bには、所定の大きさの窪み部4が形成されていてもよい。窪み部4が形成されていることで、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1から作製されるインプリントモールド10(図9参照)を用いたインプリント処理時、特にインプリント樹脂との接触時やインプリントモールド10の剥離時に、基材2、特に凸構造部3の上面部31を湾曲させることができる。その結果、凸構造部3の上面部31とインプリント樹脂とを接触させるときに、凸構造部3の上面部31に形成されている凹凸パターン11とインプリント樹脂との間に気体が挟みこまれてしまうのを抑制することができ、また、インプリント樹脂に凹凸パターン11が転写されてなる転写パターンからインプリントモールド10を容易に剥離することができる。
窪み部4の平面視形状は、略円形状であるのが好ましい。略円形状であることで、インプリント処理時、特に凸構造部3の上面部31とインプリント樹脂とを接触させるときやインプリント樹脂からインプリントモールド10を剥離するときに、インプリントモールド10の凸構造部3の上面部31を、その面内において実質的に均一に湾曲させることができる。
窪み部4の平面視における大きさは、窪み部4を基材2の第1面2A側に投影した投影領域内に、凸構造部3が包摂される程度の大きさである限り、特に制限されるものではない。当該投影領域が凸構造部3を包摂不可能な大きさであると、インプリントモールド10の凸構造部3の上面部31の全面を効果的に湾曲させることができないおそれがある。
なお、本実施形態において、基材2の第1面2Aから突出する凸構造部3を有する態様を例に挙げて説明したが、このような態様に限定されるものではなく、例えば、図8に示すように、基材2の第1面2A側に凸構造部3を有していなくてもよい。この場合において、基材計測用マーク7のみが基材2の第1面2Aに形成されていてもよい(図8参照)。図8に示す態様においては、基材2の一の角部21及びそれに隣接する角部21のそれぞれの近傍に位置する略十字形状の基材計測用マーク7の中心(十字の交点)同士を結ぶ線分と、基材2の外周縁を構成する辺22とが実質的に平行になるように、基材計測用マーク7が形成されていればよい。このインプリントモールド用基板1(図8参照)を用いて、基材2の第1面2Aに凸構造部3を形成してもよく、これにより、基材2に対する凸構造部3の回転角度(基材2の各辺22と凸構造部3の上面部31の各辺312との平行度)を評価することができる。また、このインプリントモールド用基板1(図8参照)のパターン領域PAに、凸構造部3を形成することなく凹凸パターン11(図9参照)を形成してインプリントモールド10とするのであれば、基材計測用マーク7は、基材2の第1面2Aに形成された凹状構造により構成されていればよい。
〔インプリントモールド〕
図9は、本実施形態におけるインプリントモールドの概略構成を示す断面図である。
本実施形態におけるインプリントモールド10は、上記インプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部31に形成されてなる凹凸パターン11を有する。
凹凸パターン11の形状、寸法等は、本実施形態におけるインプリントモールドを用いて製造される製品等にて要求される形状、寸法等に応じて適宜設定され得る。例えば、凹凸パターン11の形状としては、ラインアンドスペース状、ピラー状、ホール状、格子状等が挙げられる。また、凹凸パターン11の寸法は、例えば、10nm〜200nm程度に設定され得る。
〔インプリントモールド用基板の製造方法〕
上述した構成を有するインプリントモールド用基板1の製造方法の一例について説明する。図10は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の製造方法の各工程を示す工程フロー図であり、図11は、本実施形態に係るインプリントモールドの製造方法のウェットエッチング工程前における第1〜第3マスクパターンの概略構成を示す部分拡大平面図であり、図12は、本実施形態に係るインプリントモールドの製造方法のウェットエッチング工程の途中における第1〜第3マスクパターンの概略構成を示す部分拡大平面図であり、図13は、図12におけるA−A線断面図であり、図14は、本実施形態に係るインプリントモールドの製造方法のウェットエッチング工程の途中において第2マスクパターン及び第3マスクパターンが剥がれ落ちることを説明するための部分拡大平面図であり、図15は、図14におけるB−B線断面図であり、図16は、本実施形態に係るインプリントモールドの製造方法のウェットエッチング工程終了時における第1マスクパターン、凸構造部計測用パターン5及び寸法計測用パターン6の概略構成を示す部分拡大平面図であり、図17は、図16におけるC−C線断面図である。
[基板準備工程]
まず、第1面2A’及びそれに対向する第2面2B’を有する基材2’を準備し、基材2’の第1面2A’にハードマスク層70及びレジスト層80をこの順に積層する(図10(A)参照)。
基材2’としては、インプリントモールド用基板として一般的なもの、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、蛍石基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板、ポリメチルメタクリレート基板、ポリエチレンテレフタレート基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等を用いることができる。
基材2’の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状等が挙げられる。基材2’が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラス基板からなるものである場合、通常、基材2’の平面視形状は略矩形状である。
基材2’の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、基材2’が上記石英ガラス基板からなる場合、例えば、基材2’の大きさは152mm×152mm程度である。また、基材2’の厚さは、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
ハードマスク層70を構成する材料としては、例えば、クロム、チタン、タンタル、珪素、アルミニウム等の金属;窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系化合物、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物、窒化チタン、窒化珪素、酸窒化珪素等を単独で、又は任意に選択した2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードマスク層70は、後述する工程(図10(C)参照)にてパターニングされ、インプリントモールド用基板1の凸構造部3、凸構造部計測用マーク5及び基材計測用マーク7(図10(D),(E)参照)をウェットエッチングにより形成する際のマスクパターンとして用いられるものである。そのため、基材2’の構成材料に応じ、エッチング選択比等を考慮して、ハードマスク層70の構成材料を選択するのが好ましい。例えば、基材2’が石英ガラス基板である場合、ハードマスク層70として酸化クロム膜等が好適に選択され得る。
ハードマスク層70の厚さは、基材2’の構成材料に応じたエッチング選択比等を考慮して適宜設定される。例えば、基材2’が石英ガラス基板であって、ハードマスク層70が酸化クロム膜である場合、ハードマスク層70の厚さは、0.5nm〜200nm程度の範囲内で適宜設定され得る。
基材2’の第1面2A’にハードマスク層70を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング、PVD(Physical Vapor Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の公知の成膜方法が挙げられる。
基材2’の第1面2A’上のハードマスク層70を覆うレジスト層80を形成する方法としては、レジスト層80の膜厚と膜厚分布とを適切に制御可能な方法である限りにおいて特に制限されるものではなく、例えば、スピンコート法、バーコート法、スプレーコート法、インクジェット法、フィルム貼付法等が挙げられる。レジスト層80を構成する材料は、特に限定されるものではなく、例えば、ネガ型又はポジ型の感光性材料等を用いることができるが、ポジ型の感光性材料を用いるのが好ましい。レジスト層80の膜厚は、特に限定されるものではなく、ハードマスク層70の構成材料に応じた選択比等に応じて適宜設定され得る。
〔レジストパターン形成工程〕
上記レジスト層80に対して所定の開口を有するフォトマスク(図示省略)を介した露光処理及び現像処理を施すことで、凸構造部3に対応する第1レジストパターン81、凸構造部計測用マーク5に対応する第2レジストパターン82、寸法計測用マーク6に対応する第3レジストパターン83及び基材計測用マーク7に対応する第4レジストパターン84を形成する(図10(B)参照)。
本実施形態において、第1レジストパターン81をマスクとしてハードマスク層70にドライエッチング処理を施すことで、凸構造部3に対応する第1マスクパターン71が形成される。すなわち、第1レジストパターン81の大きさ(サイズ)と第1マスクパターン71の大きさ(サイズ)とは実質的に同一となる。そして、後述するように、第1マスクパターン71の大きさ(サイズ)は、サイドエッチング量を考慮して、凸構造部3の大きさ(サイズ)よりも大きく、凸構造部3の上面部31を包摂可能な大きさで構成される。よって、第1レジストパターン81の大きさ(サイズ)も、凸構造部3の大きさ(サイズ)よりも大きく、凸構造部3の上面部31を包摂可能な大きさで構成される。
一方、第2レジストパターン82、第3レジストパターン83及び第4レジストパターン84のそれぞれをマスクとしてハードマスク層70にドライエッチング処理(又は第二硝酸セリウムアンモニウム等をエッチャントとして用いたウェットエッチング処理)を施すことで、凸構造部計測用マーク5に対応する第2マスクパターン72、寸法計測用マーク6に対応する第3マスクパターン73及び基材計測用マーク7に対応する第4マスクパターン74が形成される。すなわち、第2レジストパターン82の大きさ(サイズ)と第2マスクパターン72の大きさ(サイズ)とは実質的に同一となり、第3レジストパターン83の大きさ(サイズ)と第3マスクパターン73の大きさ(サイズ)とは実質的に同一となり、第4レジストパターン84の大きさ(サイズ)と第4マスクパターン74の大きさ(サイズ)とは実質的に同一となる。そのため、第2レジストパターン82、第3レジストパターン83及び第4レジストパターン84の大きさ(サイズ)は、本実施形態における第2マスクパターン72、第3マスクパターン73及び第4マスクパターン74の機能に応じて適宜設定され得る。
後述するように、第2レジストパターン82に対応して形成される第2マスクパターン72は、その幾何学的中心721が凸構造部3の上面部31の各角部311を形成するための各辺312の形成予定位置(図11において一点鎖線で示される位置)の延長線L1上に位置するように形成される。平面視において第2レジストパターン82の形成される位置に第2マスクパターン72が形成されることから、第2レジストパターン82は、その幾何学的中心が凸構造部3の上面部31の各角部311を形成するための各辺312の形成予定位置(図11において一点鎖線で示される位置)の延長線L1上に位置するように形成される(図11参照)。
また、第3レジストパターン83に対応して形成される第3マスクパターン73は、略方形状の第1マスクパターン71の一辺712の延長線L5上に位置するように形成される。平面視において第3レジストパターン83の形成される位置に第3マスクパターン73が形成されることから、第3レジストパターン83は、その幾何学的中心が略方形状の第1レジストパターン81の一辺の延長線上に位置するように形成される(図11参照)。
〔マスクパターン形成工程〕
上記のようにして形成された第1レジストパターン81、第2レジストパターン82、第3レジストパターン83及び第4レジストパターン84をエッチングマスクとし、開口部から露出するハードマスク層70を、例えば、塩素系(Cl2+O2)のエッチングガスを用いてドライエッチングすることで、基材2’の第1面2A’上に第1マスクパターン71、第2マスクパターン72、第3マスクパターン73及び第4マスクパターン74を形成する(図10(C)参照)。
第1マスクパターン71は、後述するウェットエッチング工程において、凸構造部3を形成するためのマスクとして用いられる。そして、凸構造部3を形成するためのウェットエッチング工程においては、いわゆるサイドエッチングが起こり、基材2’が横方向(面内方向)にエッチングされる。そのため、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)は、第1マスクパターン71の大きさ(サイズ)よりも小さくなる。すなわち、第1マスクパターン71の大きさ(サイズ)は、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)よりも大きく構成される。第1マスクパターン71の大きさ(サイズ)は、基材2’のサイドエッチング量等に応じて設定されればよく、例えば、1μm〜200μm程度大きければよい。
一方、第2マスクパターン72、第3マスクパターン73及び第4マスクパターン74は、後述するウェットエッチング工程において凸構造部計測用マーク5、寸法計測用マーク6及び基材計測用マーク7を形成するためのマスクとして用いられ、ウェットエッチング工程の途中に剥がれ落ちる。第2〜第4マスクパターン72〜74が剥がれ落ちた後、基材2’の第1面2A’において第2〜第4マスクパターン72〜74によりマスクされていた部分が基材2’の厚さ方向にエッチングされ始めるため、第2〜第4マスクパターン72〜74に対応して形成される凸構造部計測用マーク5、寸法計測用マーク6及び基材計測用マーク7の高さが凸構造部3の高さよりも低くなる。このことから、凸構造部計測用マーク5、寸法計測用マーク6及び基材計測用マーク7の高さは、第2〜第4マスクパターン72〜74の剥がれ落ちるタイミングによって決定される。したがって、第2マスクパターン72、第3マスクパターン73及び第4マスクパターン74のそれぞれの寸法(平面視形状が略長方形状である場合には短手方向の幅、略正方形状及び略正三角形状である場合には一辺の長さ、略円形状である場合には直径)は、凸構造部計測用マーク5、寸法計測用マーク6及び基材計測用マーク7に要求される高さの観点から、いわゆるサイドエッチングにより、平面視において第2マスクパターン72、第3マスクパターン73及び第4マスクパターン74内における第1面2Aの、第2マスクパターン72、第3マスクパターン73及び第4マスクパターン74に当接する部分が消失し、第2〜第4マスクパターン72〜74が剥がれ落ちるタイミングを考慮して適宜設定され得る。
第2マスクパターン72の平面視形状は、凸構造部形成用マーク5の形状に応じて設定され得るものであり、例えば、略長方形状、略円形状、略正方形状、略正三角形状等の回転対象形状であればよい。第2マスクパターン72の平面視形状がこれらの回転対称形状であれば、第2マスクパターン72をマスクとしたウェットエッチングにより形成される凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51の位置が実質的に変化しない。そのため、後述のウェットエッチング工程におけるインラインモニタリングにより、当該ウェットエッチング工程にて形成される凸構造部3の上面部31が所望とする大きさ(サイズ)になったこと、すなわちウェットエッチング工程の終了のタイミングを精確に判断することができる。
第2マスクパターン72は、凸構造部3の上面部31の各角部311を形成するための各辺312の形成予定位置(図11において一点鎖線で示される位置)の延長線L1上に当該第2マスクパターン72の幾何学的中心721が位置するように形成される。第2マスクパターン72は極めて高い位置精度で基材2’の第1面2A’上に形成され得るため、第2マスクパターン72の幾何学的中心721が上記延長線L1上に位置していれば、後述のウェットエッチング工程にて形成される凸構造部3の上面部31が所望とする大きさ(サイズ)になって当該ウェットエッチング工程を終了するタイミングを精確に判断することができる。
第3マスクパターン73の平面視形状は、寸法計測用マーク6の形状に応じて設定され得るものであるが、例えば、第2マスクパターン72と同様、略長方形状、略円形状、略正方形状、略正三角形状等の回転対象形状であればよい。図11に示す態様において、第3マスクパターン73は、その幾何学的中心731が第1マスクパターン71の角部711を構成する辺712の延長線上に位置するように形成される。第3マスクパターン73の平面視形状が回転対称形状であることで、ウェットエッチングの進行により第3マスクパターン73が剥がれ落ちて形成される寸法計測用マーク6の幾何学的中心61が、第3マスクパターン73の幾何学的中心731と実質的に一致する。そのため、第3マスクパターン73が剥がれ落ちた後においても、寸法計測用マーク6の幾何学的中心61の位置により、ウェットエッチング工程の途中においてサイドエッチング量(サイドエッチングの進行の程度)を精確に判断することができる。
また、第3マスクパターン73は、第3マスクパターン73の幾何学的中心731及び第2マスクパターン72の幾何学的中心721を結ぶ線分と、第1マスクパターン71の角部711を構成する辺712とが実質的に平行になるように形成されている。第2マスクパターン72及び第3マスクパターン73がともに回転対象形状であることで、それらの幾何学的中心721,731がウェットエッチングの進行により変化することがなく、ウェットエッチングの進行により第2マスクパターン72及び第3マスクパターン73が剥がれ落ちて形成される凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51及び寸法計測用マーク6の幾何学的中心61のそれぞれが、第2マスクパターン72の幾何学的中心721及び第3マスクパターン73の幾何学的中心731のそれぞれと実質的に一致する。そのため、第2マスクパターン72及び第3マスクパターン73が剥がれ落ちた後においても、凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51及び寸法計測用マーク6の幾何学的中心61の位置により、サイドエッチング量を精確に計測することができる。
第4マスクパターン74の平面視形状は、略十字形状である。これにより、後述するウェットエッチング工程を経て、平面視略十字形状の基材計測用マーク7を形成することができる。なお、第4マスクパターン74が、第2マスクパターン72及び第3マスクパターン74よりも早いタイミングで剥がれ落ちるような寸法で形成されていれば、凸構造部計測用マーク5及び寸法計測用マーク6の高さよりも低い高さで基材計測用マーク7を形成することができる。
〔ウェットエッチング工程〕
上記のようにして形成された第1マスクパターン71、第2マスクパターン72、第3マスクパターン73及び第4マスクパターン74をマスクとして基材2’にウェットエッチング処理を施す(図10(D),(E)参照)。ウェットエッチング処理におけるエッチング液としては、例えばフッ酸等が好適に用いられる。
ウェットエッチング処理の開始当初、第1マスクパターン71、第2マスクパターン72、第3マスクパターン73及び第4マスクパターン74の外縁から下方(基材2’の厚み方向)に向かってエッチングが進行し、次第に、基材2’の面内方向にエッチングが進行する(図12,13参照)。すなわち、等方的にエッチングが進行する。そして、第2マスクパターン72、第3マスクパターン73及び第4マスクパターン74が剥がれ落ちたタイミングで、凸構造部計測用マーク5、寸法計測用マーク6及び基材計測用マーク7と、インプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部31の大きさよりも大きい上面部31’を有する仮凸構造部3’とが形成される。
ウェットエッチング処理中に基材2’の第2面2B’側から光学顕微鏡にて低倍率(例えば、50〜200倍程度)で撮像すると、第2〜第4マスクパターン72〜74が剥がれ落ちるタイミングにおいて、仮凸構造部3’の上面部31’の各辺312’の延長線L6は、寸法計測用マーク6の幾何学的中心61を通る線分(第1マスクパターン71の一辺712の延長線L5)と、凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51を通る線分(第1マスクパターン71の辺712に平行な線分であって、凸構造部3の上面部31の各辺312の形成予定位置(図14において一点鎖線で示される位置)の延長線L1)との間に位置していることが観察される(図14,15参照)。そのため、これらの位置関係により、ウェットエッチング工程を終了するタイミングを求めることができる。例えば、基材2’の第2面2B’側からの撮像を通じたインラインモニタリングにより、仮凸構造部3’の上面部31’の辺312’の延長線L6が、凸構造部計測用マーク5の幾何学的中心51を通る線分(延長線L1)と一致したタイミングで、ウェットエッチング工程を終了することができる。
また、基材2’の第2面2B’側から光学顕微鏡にて低倍率(例えば、50〜200倍程度)で観察し、第1マスクパターン71の辺712と仮凸構造部3’の上面部31’の辺312’との間の長さ及びウェットエッチング処理の開始からの時間に基づいてウェットエッチング工程の終了タイミングを求めてもよい。第1マスクパターン71の辺712と仮凸構造部3’の上面部31’の辺312’との間の長さは、ウェットエッチング処理の開始から観察時までにサイドエッチングされた量を意味する。そして、仮凸構造部3’の上面部31’の辺312’と、凸構造部3の上面部31の各辺312の形成予定位置との間の長さL2は、これからサイドエッチングされるべき量を意味する。サイドエッチング量とウェットエッチング工程の処理時間とは実質的に比例関係にあるため、上記のようにして求めたサイドエッチング量及びサイドエッチングされるべき量と、ウェットエッチング処理の開始から観察までの時間とに基づき、これからのウェットエッチング工程の処理時間が求められる。なお、サイドエッチング量及びサイドエッチングされるべき量としての上記長さは、仮凸構造部3’の上面部31’の4つの辺312’についてそれぞれ求めてもよいが、任意に選択した1つの辺312’について求めてもよい。第1マスクパターン71の4つの辺712からサイドエッチングされる量は実質的に同一であるためである。2つ以上の辺312’についてサイドエッチング量及びサイドエッチングされるべき量としての上記長さを求めた場合には、それらの長さの算術平均値をサイドエッチング量及びサイドエッチングされるべき量として用いればよい。
第1マスクパターン71をマスクとして基材2’にウェットエッチング処理を継続し、所定のタイミング(凸構造部3の上面部31が所望の大きさ(サイズ)で形成されたタイミング)でウェットエッチング処理を終了する(図10(E),図16,図17参照)。その後、第1マスクパターン71を剥離し、基材2’の第2面2B’側に窪み部4を形成する。これにより、寸法精度の高い凸構造部3を有するインプリントモールド用基板1を製造することができる(図10(F)参照)。
第2マスクパターン72、第3マスクパターン73及び第4マスクパターン74は、ウェットエッチング工程の途中で剥がれ落ちているため、凸構造部計測用マーク5、寸法計測用マーク6及び基材計測用マーク7の高さは、第2ウェットエッチング工程により形成される凸構造部3の高さよりも低く構成されることになる。
なお、ウェットエッチング工程の終了後、第1マスクパターン71を剥離することなく基材2’の第2面2B’側から光学顕微鏡による観察を行い、凸構造部3が高い寸法精度で形成されているか否かを確認してもよい。そして、ウェットエッチング工程におけるサイドエッチング量が不十分であれば、さらにウェットエッチング工程を追加で実施してもよい。これによって、より寸法精度の高い凸構造部3を有するインプリントモールド用基板1を、歩留りよく製造することができる。
〔インプリントモールドの製造方法〕
上記のようにして凸構造部3が形成された後、当該凸構造部3の上面部31(パターン領域PA)に、凹凸パターン11に対応するハードマスクパターンを形成し、ハードマスクパターンをマスクとしてインプリントモールド用基板10にドライエッチング処理を施し、凸構造部3の上面に凹凸パターン11を形成することで、インプリントモールド10(図9参照)が製造される。インプリントモールド用基板1のドライエッチングは、当該インプリントモールド用基板1の構成材料の種類に応じて適宜エッチングガスを選択して行なわれ得る。エッチングガスとしては、例えば、フッ素系ガス等を用いることができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…インプリントモールド用基板
2…基材
2A…第1面
2B…第2面
3…凸構造部
31…上面部
32…側面部
5…凸構造部計測用マーク
6…寸法計測用マーク
7…基材計測用マーク
10…インプリントモールド
11…凹凸パターン

Claims (26)

  1. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基材と、
    前記基材の前記第1面から突出し、平面視略方形状の上面部を有する凸構造部と
    を備え、
    前記第1面における前記凸構造部の近傍に、前記凸構造部の大きさを測定するための指標として用いられる凸構造部計測用マークが形成されている
    インプリントモールド用基板。
  2. 複数の前記凸構造部計測用マークのそれぞれが、前記凸構造部の前記上面部の少なくとも一つの角部を形成する2辺のそれぞれの延長線上に位置する
    請求項1に記載のインプリントモールド用基板。
  3. 前記凸構造部計測用マークは、前記凸構造部計測用マークの幾何学的中心を前記延長線が通るように形成されている
    請求項2に記載のインプリントモールド用基板。
  4. 前記各凸構造部計測用マークと所定の間隔を隔てた位置に寸法計測用マークが形成されており、
    前記寸法計測用マークの幾何学的中心と前記各凸構造部計測用マークの幾何学的中心とを結ぶ線分は、前記凸構造部の前記上面部の前記角部を形成する2辺のうちのいずれか1辺と実質的に平行である
    請求項2又は3に記載のインプリントモールド用基板。
  5. 前記凸構造部計測用マークは、前記凸構造部の前記上面部の前記角部から前記凸構造部の高さの2倍以上離間した位置に形成されている
    請求項2〜4のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
  6. 複数の前記凸構造部計測用マークが、前記凸構造部の前記上面部を構成する少なくとも1辺に沿って形成されている
    請求項1に記載のインプリントモールド用基板。
  7. 前記複数の凸構造部計測用マークの各幾何学的中心を通る線分が、前記凸構造部の前記上面部を構成する前記1辺と実質的に平行である
    請求項6に記載のインプリントモールド用基板。
  8. 前記凸構造部計測用マークは、前記凸構造部の前記上面部の前記1辺から前記凸構造部の高さの2倍以上離間した位置に形成されている
    請求項6又は7に記載のインプリントモールド用基板。
  9. 前記凸構造部計測用マークは、平面視において回転対称形状を有する
    請求項1〜8のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
  10. 前記凸構造部計測用マークは、前記基材の前記第1面から突出しており、
    前記凸構造部計測用マークの高さは、前記凸構造部の高さよりも低い
    請求項1〜9のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
  11. 前記基材の前記第1面には、少なくとも前記基材の大きさを測定するための指標として用いられる基材計測用マークが形成されている
    請求項1〜10のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
  12. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基材と、
    前記基材の前記第1面に形成されてなり、少なくとも前記基材の大きさを測定するための指標として用いられる基材計測用マークと
    を備えるインプリントモールド用基板。
  13. 少なくとも3つの前記基材計測用マークのそれぞれが、略方形状の前記基材の角部のそれぞれの近傍に形成されている
    請求項11又は12に記載のインプリントモールド用基板。
  14. 前記基材計測用マークは、平面視略十字形状を有する
    請求項11〜13のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
  15. 前記基材計測用マークは、前記第1面から突出しており、
    前記基材計測用マークの高さは、前記凸構造部の高さよりも低い
    請求項11〜14のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の前記第1面に設定されるパターン領域に形成されてなる凹凸パターンを有する
    インプリントモールド。
  17. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基材を準備する基材準備工程と、
    前記基材の前記第1面上の略中央に位置する略方形状の第1マスクパターン形成領域に、平面視略方形状の上面部を有する凸構造部に対応する第1マスクパターンを形成するとともに、前記第1マスクパターン形成領域の周囲に位置する第2マスクパターン形成領域に、凸構造部計測用マークに対応する第2マスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、
    前記第1マスクパターン及び前記第2マスクパターンをマスクとして前記基材の前記第1面にウェットエッチング処理を施すことで、前記基材の前記第1面から突出する前記凸構造部及び前記凸構造部計測用マークを形成するエッチング工程と
    を含み、
    前記第1マスクパターンの大きさは、平面視における前記凸構造部の前記上面部の大きさよりも大きく、前記凸構造部の前記上面部を包摂可能な大きさである
    インプリントモールド用基板の製造方法。
  18. 前記マスクパターン形成工程において、複数の前記凸構造部計測用マークのそれぞれに対応する複数の前記第2マスクパターンを、前記基材の前記第1面上に形成される前記凸構造部の前記上面部の少なくとも一つの角部を形成する2辺のそれぞれの延長線上に位置するように形成する
    請求項17に記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
  19. 前記マスクパターン形成工程において、前記延長線が前記第2マスクパターンの幾何学的中心に重なるように前記第2マスクパターンを形成する
    請求項18に記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
  20. 前記マスクパターン形成工程において、前記各第2マスクパターンと所定の間隔を隔てた位置に、寸法計測用マークに対応する第3マスクパターンをさらに形成し、
    前記エッチング工程において、前記第1〜第3マスクパターンをマスクとして前記基材の前記第1面にウェットエッチング処理を施すことで、前記基材の前記第1面から突出する前記凸構造部、前記凸構造部計測用マーク及び前記寸法計測用マークを形成する
    請求項18又は19に記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
  21. 前記各第2マスクパターンの幾何学的中心と前記第3マスクパターンの幾何学的中心とを結ぶ線分が、前記第1マスクパターンの角部を形成する2辺のうちのいずれか1辺と実質的に平行になるように、前記第3マスクパターンを形成する
    請求項20に記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
  22. 前記エッチング工程の途中に前記凸構造部計測用マークを指標として用いて前記第1マスクパターンの外周縁に対応する位置からの前記基材のサイドエッチング量を計測する
    請求項17〜21のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
  23. 前記エッチング工程は、前記サイドエッチング量の計測前に実施される第1エッチング工程と、前記サイドエッチング量の計測後に実施される第2エッチング工程とを少なくとも含み、
    前記第1エッチング工程において、前記凸構造部計測用マークと、前記凸構造部の前記上面部よりも大きい上面部を有する仮凸構造部とが少なくとも形成され、
    前記サイドエッチング量を計測することで、前記第1エッチング工程における第1サイドエッチング量と前記第2エッチング工程において必要となる第2サイドエッチング量とを求め、
    前記第2エッチング工程において、前記第2サイドエッチング量に従って前記基材のエッチングが実施される
    請求項22に記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
  24. 前記マスクパターン形成工程において、少なくとも前記基材の大きさを測定するための指標として用いられる基材計測用マークに対応する第4マスクパターンをさらに形成し、
    前記エッチング工程において、前記第1〜第4マスクパターンをマスクとして前記基材の前記第1面にウェットエッチング処理を施すことで、前記基材の前記第1面から突出する前記凸構造部、前記凸構造部計測用マーク、前記寸法計測用マーク及び前記基材計測用マークを形成する
    請求項17〜23のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
  25. 前記第2〜第4マスクパターンは、前記エッチング工程の途中で前記第2〜第4マスクパターンが剥がれ落ちる程度の大きさで形成される
    請求項24に記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
  26. 請求項17〜25のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の製造方法により製造された前記インプリントモールド用基板の前記凸構造部の前記上面部に凹凸パターンを形成する工程を有するインプリントモールドの製造方法。
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