JP6607293B2 - テンプレート - Google Patents
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Description
そして、このような状態になると、テンプレートのアライメントマークを構成する材料(一般的には、合成石英ガラス)の屈折率と、樹脂の屈折率とがほとんど同じ値であることから、テンプレートのアライメントマークを光学的に識別することが困難になってしまうという問題がある。
さらに、その上からレジスト膜170を形成し、段差基板を押し付けて、アライメントマーク領域130の膜厚が転写パターン領域120の膜厚よりも厚くなるようにレジスト膜170を変形させる(図8(c))。
その後、レジスト膜170の所定の厚み分をドライエッチングして、アライメントマーク領域130の凹構造内のみにレジスト膜170が残る状態にする(図8(d))。
次に、露出する視認性薄膜140を所定量ドライエッチングし、最後に、アライメントマーク領域130の凹構造内のレジスト膜170を除去して、アライメントマーク領域130の凹構造に視認性薄膜140を有するテンプレート110aを得る(図8(e))。
それゆえ、本発明に係る製造方法により製造したテンプレートを用いれば、被転写基板の上に形成される樹脂パターンに欠陥を生じさせてしまうことを防止しつつ、高精度なアライメントを可能とすることができる。
まず、本発明に係るテンプレートの製造方法について説明する。
図1は、本発明に係るテンプレートの製造方法の一例を示す概略工程図である。
図1に示すように、本発明に係るテンプレートの製造方法は、主面12から基部11が掘り下げられた第1の凹構造13と第2の凹構造14を有し、第2の凹構造14の開口幅W2が第1の凹構造13の開口幅W1よりも大きい凹凸基板1を準備する凹凸基板準備工程と(図1(a))、基部11を構成する第1の材料よりも高い屈折率を有する第2の材料31を、主面12、第1の凹構造13の側面、第2の凹構造14の側面、及び、第2の凹構造14の底面に堆積させる堆積工程と(図1(b))、第2の凹構造14の底面に堆積させた第2の材料31を残しつつ、主面12及び第1の凹構造の側面に堆積させた第2の材料31を除去する除去工程と(図1(c))、を順に備えるものである。
上記の各工程について、以下、詳しく説明する。
図1(a)に示すように、本発明において準備する凹凸基板1は、主面12から基部11が掘り下げられた第1の凹構造13と第2の凹構造14を有しており、第2の凹構造14の開口幅W2は第1の凹構造13の開口幅W1よりも大きい。
この凹凸基板1は、図8に示す凹凸基板101と同様に、アライメントマークの凹構造に高屈折率材料膜を有していない従来のテンプレートに相当し、第1の凹構造13は、従来のテンプレートの転写パターンを構成する凹構造(図8(a)に示す凹構造113)に相当し、第2の凹構造14は、従来のテンプレートのアライメントマークを構成する凹構造(図8(a)に示す凹構造114)に相当する。
深さについては、通常、上記テンプレートのアライメントマークの深さが転写パターンと同程度になることから、この第2の凹構造14の深さも第1の凹構造13の深さと同程度になり、概ね30nm〜100nm程度の範囲の大きさになる。
通常、実際のテンプレートにおいては、複数の第2の凹構造14を有し、複数の第2の凹構造14を含む凹凸構造の繰り返しパターンでアライメントマークが構成されている。
また、通常、実際のテンプレートにおいては、上記構成のアライメントマークが主面の複数個所に設けられている。
次に、上記の堆積工程について説明する。
図1(b)に示すように、本発明においては、凹凸基板1の基部11を構成する第1の材料よりも高い屈折率を有する第2の材料31を、主面12、第1の凹構造13の側面、第2の凹構造14の側面、及び、第2の凹構造14の底面に堆積させる。
ここで、上記のように、凹凸基板1は従来のテンプレートに相当し、上記第1の材料は一般的には合成石英ガラスである。そして、合成石英ガラスの主成分である酸化シリコン(SiO2)の波長633nmの光における屈折率は1.45である。
それゆえ、第2の材料31は、波長633nmの光における屈折率が1.45よりも高い値を有する材料であり、より好ましくは、波長633nmの光における屈折率が1.7以上の材料である。
このような堆積工程には、図2に示すように、第2の材料31に含まれる物質から構成されるスパッタターゲット20を、スパッタ面21の垂線の方向42が凹凸基板1の主面12に対して所定の方向となるように配置してスパッタ成膜を行う方法を、好適に用いることができる。
ここで図3(a)は、凹凸基板1の第1の凹構造13とスパッタの方向42との関係を説明する図であり、図3(b)、(c)は、凹凸基板1の第2の凹構造14とスパッタの方向42との関係を説明する図である。
なお、上記の方向42は、図2に示すスパッタターゲット20のスパッタ面21の垂線の方向であり、第2の材料31を構成する物質が凹凸基板1に向かって飛来する方向である。
図3(a)に示すように、第1の凹構造13の開口幅(底面13Bの幅と同じ)をW1、深さをD1とした場合、主面12の垂線41と方向42のなす角度θ1が、
W1/D1<tanθ1
の関係を満たせば、方向42に沿って飛んでくる物質は、側面13Sには到達できても、主面12に遮られて底面13Bには到達できない。
図3(b)に示すように、第2の凹構造14の開口幅(底面14Bの幅と同じ)をW2、深さをD2とした場合、主面12の垂線41と方向42のなす角度θ2が、
tanθ2<W2/D2
の関係を満たせば、方向42に沿って飛んでくる物質は底面14Bに到達できる。
さらに、図3(c)に示すように、主面12に対する垂線41と方向42のなす角度θ2が、
tanθ2<W2/2D2
の関係を満たせば、方向42に沿って飛んでくる物質は底面14Bの中央にまで到達できる。
W1/D1<tanθ<W2/D2
の関係を満たせば、方向42に沿って飛来する物質を、第1の凹構造13の底面13Bには到達させずに、第2の凹構造14の底面14Bに到達させることが可能になる。
さらに、
W1/D1<tanθ<W2/2D2
の関係を満たせば、方向42に沿って飛んでくる物質を、第1の凹構造13の底面13Bには到達させずに、第2の凹構造14の底面14Bの中央にまで到達させることが可能になる。
W1/D1<tanθ<W2/D2
の関係を満たすように、凹凸基板1とスパッタターゲット20を配置することで、第2の材料31を、第1の凹構造13の底面13Bには堆積させずに、第2の凹構造14の底面14Bに堆積させることが可能になる。
W1/D1<tanθ<W2/2D2
の関係を満たすように、凹凸基板1とスパッタターゲット20を配置することで、第2の材料31を、第1の凹構造13の底面13Bには堆積させずに、第2の凹構造14の底面14Bの中央に堆積させることが可能になる。
例えば、凹凸基板1の回転の軸となる垂線41は、図2に示す例よりも、凹凸基板1の主面12の端部に近いものであっても良く、また、凹凸基板1の主面12の端部よりも外側の凹凸基板1の主面12を含む平面に垂線の足(凹凸基板1の主面12を含む平面と垂線との交点)を有する物であっても良い。
堆積させる第2の材料31の膜厚及び上記の角度θにもよるが、第2の材料31の堆積成長に伴って、第1の凹構造13の開口は閉ざされて行く。このため、底面13Bに近い領域の側面13Sには第2の材料31の堆積が進行しにくい。
図4(a)に示す例において、底面13Bから高さT1の領域の側面13Sには、第2の材料31が堆積していない。
さらに、第2の材料31の堆積成長に伴って上記の作用は促進され、底面14Bに堆積した第2の材料31と、側面14Sに堆積した第2の材料31とで構成されるコーナー部の断面角度θ3は90度より小さい角度(鋭角)になっていく。
より詳しくは、通常、底面14Bに堆積する第2の材料31の形態は、中央における膜厚T2が、側面14Sに堆積する第2の材料31と接する位置における膜厚T3よりも厚い形態になる。
このため、本発明によって得られるテンプレート2(図1に示すテンプレート2)においても、第2の凹構造14の底面の第2の材料31から構成される膜の断面形状は、通常、第2の凹構造14の幅方向の中央における膜厚が周囲の膜厚よりも厚い形態を有していることになる。
次に、上記の除去工程について説明する。
図1(c)に示すように、本発明においては、上記の堆積工程の後に、第2の凹構造14の底面に堆積させた第2の材料31を残しつつ、主面12及び第1の凹構造の側面に堆積させた第2の材料31を除去する。
これにより、主面12、第1の凹構造13の側面、及び第1の凹構造13の底面には第2の材料31から構成される膜が存在せず、第2の凹構造14の底面に第2の材料31から構成される膜が存在するテンプレート2を得る。
図5及び図6は、本発明に係るテンプレートの製造方法の除去工程の一例を示す概略工程図である。
樹脂層51を構成する樹脂には、ナノインプリントの技術分野で用いられる紫外線硬化性の樹脂を好適に用いることができる。
上記の第1のエッチングガス61としては、酸素ガスを用いることができる。
上記の第2のエッチングガス62としては、例えば、第2の材料31がクロム(Cr)を含む場合には、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスを好適に用いることができる。
すなわち、本発明においては、図5(c)に示す表面が平坦な樹脂層51に替えて、第2の凹構造14の上の膜厚が第1の凹構造13の上の膜厚よりも厚くなるような段差構造の樹脂層を形成する方法を用いても良い。
次に、本発明に係るテンプレートについて、説明する。
図7は、本発明に係るテンプレートの一例を説明する図である。ここで、図7(a)は図1(c)と同じものであり、図7(b)は、図7(a)の第2の凹構造14の概略拡大図である。
通常、実際のテンプレートにおいては、複数の第2の凹構造14を有し、複数の第2の凹構造14を含む凹凸構造の繰り返しパターンでアライメントマークが構成されている。
また、通常、実際のテンプレートにおいては、上記構成のアライメントマークが主面の複数個所に設けられている。
一方、テンプレート2の第1の凹構造13の底面及び側面には、第2の材料31は存在しない。
ここで、第1の凹構造13は、テンプレート2の転写パターンを構成するものであり、第2の凹構造14は、テンプレート2のアライメントマークを構成するものである。
また、アライメントマークを構成する第2の凹構造14の底面には、高い屈折率を有する第2の材料31から構成される膜が形成されているため、高精度なアライメントが可能になる。
より詳しくは、図7(b)に示すように、底面14Bに形成された第2の材料31から構成される膜の断面形状は、中央における膜厚T2が、側面14Sに形成された第2の材料31と接する位置における膜厚T3よりも厚い形態を有している。
ここで、図7(b)に示す膜厚T2は、上記の図4(b)に示す膜厚T2と同じであり、図7(b)に示す膜厚T3は、上記の図4(b)に示す膜厚T3と同じである。
また、図7(b)に示す膜厚T5は、上記の図6(d)に示す膜厚T5と同じである。
2 テンプレート
11 基部
12 主面
13 第1の凹構造
14 第2の凹構造
20 スパッタターゲット
21 スパッタ面
31 第2の材料
41 垂線
42 方向
51 樹脂層
52 部材
53 紫外線
61 第1のエッチングガス
62 第2のエッチングガス
101 凹凸基板
110a テンプレート
102 主面
113、114 凹構造
120 転写パターン領域
130 アライメントマーク領域
140 視認性薄膜
170 レジスト膜
Claims (3)
- 主面から基部が掘り下げられた第1の凹構造と第2の凹構造を有するテンプレートであって、
前記第2の凹構造の底面が前記第1の凹構造の底面よりも大きく、
前記第2の凹構造の底面及び前記第2の凹構造の側面には、前記基部を構成する第1の材料よりも高い屈折率を有する第2の材料から構成される膜が形成されており、
前記第2の凹構造の底面に形成された前記第2の材料から構成される膜と、前記第2の凹構造の側面に形成された前記第2の材料から構成される膜とで構成されるコーナー部の断面角度が90度より小さい角度であり、
前記第2の凹構造の底面に形成された前記第2の材料から構成される膜の断面形状が、前記第2の凹構造の幅方向の中央における膜厚が周囲の膜厚よりも厚い形態を有し、
前記主面、前記第1の凹構造の底面及び側面、及び、前記第2の凹構造の側面の前記主面側は、前記第2の材料から構成される膜が形成されておらず、露出していることを特徴とするテンプレート。 - 主面から基部が掘り下げられた第1の凹構造と第2の凹構造を有するテンプレートであって、
前記第2の凹構造の底面が前記第1の凹構造の底面よりも大きく、
前記第1の凹構造の側面、前記第2の凹構造の底面、前記第2の凹構造の側面、及び、前記主面には、前記基部を構成する第1の材料よりも高い屈折率を有する第2の材料から構成される膜が形成されており、
前記第2の凹構造の底面に形成された前記第2の材料から構成される膜と、前記第2の凹構造の側面に形成された前記第2の材料から構成される膜とで構成されるコーナー部の断面角度が90度より小さい角度であり、
前記第2の凹構造の底面に形成された前記第2の材料から構成される膜の断面形状が、前記第2の凹構造の幅方向の中央における膜厚が周囲の膜厚よりも厚い形態を有し、
前記第1の凹構造の底面は、前記第2の材料から構成される膜が形成されておらず、露出していることを特徴とするテンプレート。 - 前記第1の凹構造の側面の前記底面側は、前記第2の材料から構成される膜が形成されておらず、露出していることを特徴とする請求項2に記載のテンプレート。
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