JP6957917B2 - インプリントモールド用マスクブランク及びその製造方法、インプリントモールド及びその製造方法、並びにインプリント方法 - Google Patents

インプリントモールド用マスクブランク及びその製造方法、インプリントモールド及びその製造方法、並びにインプリント方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6957917B2
JP6957917B2 JP2017054594A JP2017054594A JP6957917B2 JP 6957917 B2 JP6957917 B2 JP 6957917B2 JP 2017054594 A JP2017054594 A JP 2017054594A JP 2017054594 A JP2017054594 A JP 2017054594A JP 6957917 B2 JP6957917 B2 JP 6957917B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
imprint
pattern
pattern forming
mask blank
convex structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017054594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018157144A (ja
Inventor
伊藤 公夫
栗原 正彰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2017054594A priority Critical patent/JP6957917B2/ja
Publication of JP2018157144A publication Critical patent/JP2018157144A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6957917B2 publication Critical patent/JP6957917B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本開示は、インプリントモールド用マスクブランク及びそれを製造する方法、インプリントモールド及びそれを製造する方法、並びに当該インプリントモールドを用いたインプリント方法に関する。
近年、半導体デバイス(例えば、半導体メモリ等)等の製造工程において、基板の表面に凹凸パターンを形成した型部材(インプリントモールド)を用い、凹凸パターンを基板等の被加工物に等倍転写するパターン形成技術であるナノインプリント技術が利用されている。
ナノインプリント技術において用いられる凹凸パターンを有するモールドは、例えば、電子線リソグラフィー等により製造され得る。このようにして製造されるモールドは、高精度の形状や寸法等の凹凸パターンを有する。しかし、モールドの製造コストが高くなってしまうとともに、所定回数の転写工程を経ると、被加工物(インプリント用樹脂等)に形成される転写パターンに欠陥が生じてしまったり、モールドの凹凸パターンが損傷してしまったりすることがある。
転写パターンの欠陥やモールドの凹凸パターンの損傷が生じてしまった場合に、その都度新たなモールドに交換するとなると、ナノインプリントプロセスを経て製造される製品の製造コストが高くなってしまう。そのため、産業規模でナノインプリントプロセスを行う際には、一般に、上述のようにして電子線リソグラフィー等により製造されたモールドをマスターモールドとし、当該マスターモールドを用いたナノインプリントリソグラフィーにより作製したレプリカモールド等が用いられている(特許文献1参照)。
このようなレプリカモールドは、マスターモールドの凹凸パターンをレプリカモールド用マスクブランク100に転写することによって作製される。一般に、レプリカモールド用マスクブランク100は、図14に示すように、第1面110A及び第1面110Aに対向する第2面110Bを有する基部110と、基部110の第1面110Aの略中央から突出する凸構造部120とを有する。凸構造部120の上面120Aが、マスターモールドの凹凸パターンの転写される面(パターン形成面)であり、パターン形成面120Aと側面121Aとのなす角度は略90°である。
国際公開第2011/155602号パンフレット
上記マスターモールドの凹凸パターンをレプリカモールド用マスクブランク100の凸構造部120のパターン形成面120Aに転写するインプリント工程において、凸構造部120のパターン形成面120Aにインプリント樹脂が塗布され、当該インプリント樹脂にマスターモールド200の凹凸パターンを接触させることで、凸構造部120のパターン形成面120Aと、マスターモールド200の凹凸パターンとの間にインプリント樹脂を展開させる。
インプリント樹脂の塗布量が不足すると、パターン形成面120Aとマスターモールド200の凹凸パターンとの間に展開させたインプリント樹脂がパターン形成面120Aと凹凸パターンとの間に十分に行き渡らず、パターン形成面120A上に形成されるレジストパターンに欠陥が生じてしまう。一方で、インプリント樹脂の塗布量が過剰であると、図15に示すように、パターン形成面120Aと凹凸パターンとの間からインプリント樹脂300が凸構造部120の外縁(パターン形成面120Aの外縁)から漏出し、側面121Aに垂れてしまうことがある。
凸構造部120の外縁から漏出したインプリント樹脂300は、その後の硬化工程において十分に硬化しない。凸構造部120のパターン形成面120Aとマスターモールド200の凹凸パターンとの間に展開させたインプリント樹脂300は、マスターモールド200又はレプリカモールド用マスクブランク100を介した紫外線等の照射により硬化することでレジストパターンが形成される。このときの紫外線等の照射量は、インプリント樹脂300の膜厚に応じ、当該インプリント樹脂300が十分に硬化するが、過剰に硬化しない程度に設定される。インプリント樹脂300が過剰に硬化すると、マスターモールド200の離型時にレジストパターンに損傷が生じるおそれがあるからである。
凸構造部120の外縁から漏出した部分においても紫外線等の照射により硬化反応が進行するものの、凸構造部120のパターン形成面120Aとマスターモールド200の凹凸パターンとの間に位置するインプリント樹脂300の膜厚T300よりも、漏出した部分の膜厚T301の方が大きいことで、漏出した部分には十分に硬化するほどの紫外線等が照射されないことになる。そのため、マスターモールド200を引き離すときに、漏出したインプリント樹脂300が糸状に伸長されて、パターン形成面120A上に形成されたレジストパターンの上に乗ってしまうことがある。レジストパターン上に乗った糸状のインプリント樹脂は、パターン欠陥を生じさせる原因となる。したがって、凸構造部120のパターン形成面120A上におけるインプリント樹脂の塗布量は、高精度に制御されなければならないが、その制御は極めて困難である。
上記課題に鑑みて、本発明は、インプリント処理時にパターン形成面から漏出したインプリント樹脂によってパターン欠陥が生じるのを抑制可能なインプリントモールド用マスクブランク及びその製造方法、インプリントモールド及びその製造方法、並びにインプリント方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部と、前記基部の前記第1面から突出する凸構造部とを備え、前記凸構造部は、前記基部の前記第1面に略平行なパターン形成面と、前記パターン形成面の外周縁に一端が連続する第1側面と、前記第1側面の一端に対向する他端に連続する第2側面とを有し、前記第1側面は、前記パターン形成面に対して90°未満の角度で傾斜しており前記第2側面と前記第1面との連続部に、前記凸構造部を取り囲む周状の凹状溝部が形成されている、インプリントモールド用マスクブランクを提供する。
上記発明において、前記第1側面の前記パターン形成面に対するなす角度を、前記第2側面の前記パターン形成面に対するなす角度よりも小さくすることができ、好ましくは30°〜85°、より好ましくは40°〜70°にすることができる。
上記発明において、前記第2側面の前記パターン形成面に対するなす角度を、略90°にすることができ
本発明は、上記発明に係るインプリントモールド用マスクブランクを製造する方法であって、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基板を準備し、前記基板の前記第1面上に、前記凸構造部に対応するレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをマスクとして前記基板の前記第1面をエッチングする工程とを有し、前記凸構造部の前記パターン形成面の外周縁に一端が連続する前記第1側面が、前記パターン形成面に対して90°未満の角度で傾斜するように、前記基板の前記第1面をエッチングするインプリントモールド用マスクブランクの製造方法を提供する。
本発明は、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部と、前記基部の前記第1面から突出する凸構造部と、前記凸構造部における前記基部の前記第1面に略平行なパターン形成面に形成されてなる凹凸パターンとを備え、前記凸構造部は、前記パターン形成面の外周縁に一端が連続する第1側面と、前記第1側面の一端に対向する他端に連続する第2側面とを有し、前記第1側面は、前記パターン形成面に対して90°未満の角度で傾斜しており前記第2側面と前記第1面との連続部に、前記凸構造部を取り囲む周状の凹状溝部が形成されている、インプリントモールドを提供する。
上記発明において、前記第1側面の前記パターン形成面に対するなす角度を、前記第2側面の前記パターン形成面に対するなす角度よりも小さくすることができ、好ましくは30°〜85°、より好ましくは40°〜70°にすることができる。
上記発明において、前記第2側面の前記パターン形成面に対するなす角度を、略90°にすることができ
本発明は、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部、並びに前記基部の前記第1面に形成されてなる凹凸構造を有するテンプレートと、上記発明に係るインプリントモールド用マスクブランクとを準備する工程と、前記テンプレートの前記第1面と前記インプリントモールド用マスクブランクの前記パターン形成面との間に介在させたレジスト膜に前記凹凸構造を転写し、複数の凹部及び凸部を有するレジストパターンを前記パターン形成面上に形成する工程と、前記レジストパターンをマスクとして前記インプリントモールド用マスクブランクの前記パターン形成面をエッチングすることで、前記パターン形成面に凹凸パターンを形成する工程とを有するインプリントモールドの製造方法を提供する。
本発明は、上記発明に係るインプリントモールドと、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する被転写基板とを準備する工程と、前記インプリントモールドの前記パターン形成面と前記被転写基板の前記第1面との間にインプリント樹脂を介在させ、前記インプリント樹脂に前記インプリントモールドの凹凸パターンを転写する工程と、前記凹凸パターンが転写された前記インプリント樹脂と前記インプリントモールドとを引き離す工程とを有するインプリント方法を提供する。
本発明によれば、インプリント処理時にパターン形成面から漏出したインプリント樹脂によってパターン欠陥が生じるのを抑制可能なインプリントモールド用マスクブランク及びその製造方法、インプリントモールド及びその製造方法、並びにインプリント方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランクの概略構成を示す切断端面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランクの凸構造部の近傍の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランクの変形例(その1)における凸構造部の近傍の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランクの変形例(その2)における凸構造部の近傍の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図5は、図3に示すインプリントモールド用マスクブランクの凸構造部の第1側面の近傍の概略構成を示す側面図である。 図6は、図4に示すインプリントモールド用マスクブランクの凸構造部の第2側面の近傍の概略構成を示す側面図である。 図7は、本発明の一実施形態におけるインプリントモールド用マスクブランク10の製造工程を切断端面図にて示す工程フロー図である。 図8は、本発明の一実施形態におけるインプリントモールド用マスクブランク10の製造工程を切断端面図にて示す、図7に続く工程フロー図である。 図9は、本発明の一実施形態におけるインプリントモールドの概略構成を示す切断端面図である。 図10は、本発明の一実施形態におけるインプリントモールドの製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。 図11は、本発明の一実施形態におけるインプリントモールドの製造方法において用いられるテンプレートの概略構成を示す切断端面図である。 図12は、本発明の一実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランクの作用を説明するための部分拡大切断端面図である。 図13は、本発明の一実施形態におけるインプリント方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。 図14は、従来のレプリカモールド用マスクブランクの概略構成を示す切断端面図である。 図15は、従来のレプリカモールド用マスクブランク及びマスターモールドを用いたインプリント処理により生じる課題を説明するための部分拡大切断端面図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本明細書に添付した図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりしている場合がある。
本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。
本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
〔インプリントモールド用マスクブランク〕
図1は、本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランクの概略構成を示す切断端面図であり、図2は、本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランクの凸構造部の近傍の概略構成を示す部分拡大切断端面図であり、図3は、本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランクの変形例(その1)における凸構造部の近傍の概略構成を示す部分拡大切断端面図であり、図4は、本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランクの変形例(その2)における凸構造部の近傍の概略構成を示す部分拡大切断端面図であり、図5は、図3に示すインプリントモールド用マスクブランクの凸構造部の第1側面の近傍の概略構成を示す側面図であり、図6は、図4に示すインプリントモールド用マスクブランクの凸構造部の第2側面の近傍の概略構成を示す側面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランク10は、第1面111及び当該第1面111に対向する第2面112を有する基部11と、基部11の第1面111から突出する凸構造部12と、基部11の第2面112側における平面視略中央部に形成されてなる窪み部13とを備える。
インプリントモールド用マスクブランク10の基部11を構成する材料は、特に限定されるものではなく、インプリントモールド用基材として一般的なものである。例えば、当該基部11は、インプリントモールドを製造する際に一般的に用いられている基板(例えば、石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、アクリルガラス等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板;ニッケル基板、チタン基板、アルミニウム基板等の金属基板;シリコン基板、窒化ガリウム基板等の半導体基板等)により構成され得る。
インプリントモールド用マスクブランク10の基部11の厚さT11は、強度や取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定され得る。なお、本実施形態において「透明」とは、波長300nm〜450nmの光線の透過率が85%以上であることを意味し、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。
インプリントモールド用マスクブランク10の基部11の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、当該基部11が石英ガラスにより構成される場合、例えば、当該基部11の大きさは152mm×152mm程度である。
インプリントモールド用マスクブランク10の基部11の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状、略円形状等が挙げられる。インプリントモールド用マスクブランク10から作製されるインプリントモールド1(図9参照)が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラスにより構成される場合、通常、当該基部11の平面視形状は略矩形状である。
インプリントモールド用マスクブランク10の基部11の第1面111から突出する凸構造部12は、平面視において基部11(第1面111)の略中央に設けられている。かかる凸構造部12の形状は、略矩形状、略円形状等を例示することができる。
凸構造部12の大きさは、インプリントモールド用マスクブランク10から作製されるインプリントモールド1(図9参照)を用いたインプリント処理を経て製造される製品等に応じて適宜設定されるものである。例えば、26mm×33mmの略矩形状の凸構造部12を挙げることができる。
凸構造部12の高さT12は、インプリントモールド用マスクブランク10から作製されるインプリントモールド1(図9参照)が凸構造部12を備える目的を果たし得る限り、特に制限されるものではなく、例えば、10μm〜100μm程度に設定され得る。なお、本実施形態において、「凸構造部12の高さT12」とは、基部11の第1面111を基準とした高さ、すなわち第1面111から凸構造部12のパターン形成面121までの長さ(第1面111に対する垂直方向の長さ)を意味するものとする。
凸構造部12は、基部11の第1面111に略平行なパターン形成面121と、パターン形成面121の外周縁に連続する側面122とを有する。側面122は、パターン形成面121の外周縁に連続する一端及び当該一端に対向する他端を含む第1側面123と、第1側面123の他端に連続する第2側面124とを有する。
図2に示す態様において、第1側面123及び第2側面124は、いずれも略平面により構成されるが、このような態様に限定されるものではなく、図3に示すように、第1側面123が凹状の湾曲面により構成されていてもよいし、図4に示すように、第2側面124が凹状の湾曲面により構成されていてもよい。
第1側面123のパターン形成面121に対するなす角度θ11は、第2側面124のパターン形成面121に対するなす角度θ12よりも小さいのが好ましい。両角度θ11,θ12がこのような関係を有することで、本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランク10のパターン形成面121にインプリント処理を経て凹凸パターンを形成するときに、パターン形成面121から漏出するインプリント樹脂を第1側面123上に留まらせることができるとともに、漏出したインプリント樹脂を十分に硬化させることができる。
第1側面123のパターン形成面121に対するなす角度θ11は、90°未満であるのが好ましく、30°〜85°であるのがより好ましく、40°〜70°であるのが特に好ましい。一方、第2側面124のパターン形成面121に対するなす角度θ12は、略90°(85°〜90°程度)に設定され得る。
本実施形態において、第1側面123のパターン形成面121に対するなす角度θ11は、インプリントモールド用マスクブランク10の側面視において、凸構造部12のうちの第1側面123を含む部分(凸構造部12の上部)12Aの高さT12Aの半分(1/2)の位置における第1側面123上の点を点P1とし、パターン形成面121の外縁部に位置する点を点P2としたときに、点P1及び点P2を結ぶ線分L1と、パターン形成面121を含む線分L2とによって形成される角度として定義される(図5参照)。
また、第2側面124のパターン形成面121に対するなす角度θ12は、インプリントモールド用マスクブランク10の側面視において、凸構造部12のうちの第2側面124を含む部分(凸構造部12の下部)12Bの高さT12Bの半分(1/2)の位置における第2側面124上の点を点P3とし、第1側面123及び第2側面124の連続部に位置する点を点P4としたときに、点P3及び点P4を結ぶ線分L3と、点P3を通るパターン形成面121に平行な線分L4とによって形成される角度として定義される(図6参照)。
凸構造部12における第1側面123を含む部分12Aの高さT12Aと第2側面124を含む部分12Bの高さT12Bとの比は、1:5〜1:10であるのが好ましく、1:8〜1:9であるのが特に好ましい。当該比が上記範囲内であることで、インプリントモールド用マスクブランク10を用いてインプリントモールド1(図9参照)製造する過程で、インプリントモールド用マスクブランク10のパターン形成面121上にテンプレート30(図11参照)を用いたインプリントによりレジストパターンを形成するときに、パターン形成面121の外側に漏出したインプリント樹脂を第1側面123上に留まらせることができる。すなわち、インプリント樹脂が第1側面123を超えて漏出するのを抑制することができる。一方、当該比が上記範囲から外れると、インプリント樹脂の漏出を第1側面123上で留めるのが困難となり、インプリント樹脂が第1側面123を超えて漏出し第2側面124にまで至ってしまうおそれがある。
なお、図3に示すように、本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランク10において、第2側面124と基部11の第1面111との連続部には、凸構造部12を取り囲むようにして周状の凹状溝部125が形成されていてもよい。この凹状溝部125は、後述するように、インプリントモールド用マスクブランク10の製造過程の凸構造部12を形成する工程において形成され得る。また、パターン形成面121上には、ハードマスク層が形成されていてもよい。
本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランク10の基部11の第2面112側には、凸構造部12に対向する窪み部13が形成されている。窪み部13が形成されていることで、凸構造部12のパターン形成面121を容易に湾曲させることができる。
インプリントモールド用マスクブランク10の第2面112側からの平面視における窪み部13の形状は、略円形であるのが好ましい。窪み部13の平面視形状が略円形であることで、凸構造部12のパターン形成面121を、略均一に湾曲させることができる。
インプリントモールド用マスクブランク10の窪み部13は、当該窪み部13の外形を第1面111側に投影した領域が、平面視における凸構造部12の外形を物理的に包含するように、第2面112側に形成されている。
インプリントモールド用マスクブランク10の窪み部13の深さT13は、特に限定されるものではない。凸構造部12のパターン形成面121を効果的に湾曲させることができるように、窪み部13の深さT13が設定される。
〔インプリントモールド用マスクブランクの製造方法〕
上記構成を有するインプリントモールド用マスクブランク10を製造する方法について説明する。図7は、本実施形態におけるインプリントモールド用マスクブランク10の製造工程を切断端面図にて示す工程フロー図であり、図8は、図7に続く工程フロー図である。
まず、第1面21及び第1面21に対向する第2面22を有する、平板状のマスクブランク用基板20を準備する。マスクブランク用基板20を構成する材料は、特に限定されるものではなく、インプリントモールド用基材として一般的なものである。例えば、当該マスクブランク用基板20は、インプリントモールドを製造する際に一般的に用いられている基板(例えば、石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、アクリルガラス等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板;ニッケル基板、チタン基板、アルミニウム基板等の金属基板;シリコン基板、窒化ガリウム基板等の半導体基板等)により構成され得る。
次に、マスクブランク用基板20の第1面21にハードマスク層23を形成し、当該ハードマスク層23上に電子線感応性レジスト材料、紫外線感応性レジスト材料等の電離放射線感応性ポジ型又はネガ型レジスト材料を塗布し、レジスト層24を形成する(図7(A)参照)。
ハードマスク層23を構成する材料としては、例えば、クロム、チタン、タンタル、珪素、アルミニウム等の金属;窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系化合物、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物、窒化チタン、窒化珪素、酸窒化珪素等を単独で、又は任意に選択した2種以上を組み合わせて用いることができる。
続いて、所定の遮光部を有するフォトマスクを用いた露光・現像処理を実施し、凸構造部12に対応するレジストパターン25をハードマスク層23上に形成する(図7(B)参照)。その後、レジストパターン25をマスクとしてハードマスク層23にドライエッチング処理を施し、ハードマスクパターン26を形成する。(図7(C)参照)。
そして、レジストパターン25及びハードマスクパターン26をマスクとしてマスクブランク用基板20の第1面21にドライエッチング処理を施すことで、凸構造部12を形成する(図8(A)及び図8(B)参照)。かかるドライエッチング処理においては、異方性にてエッチングが進行するため、エッチング開始当初は、第1面21に対して略垂直な側面(第2側面124)が形成される(図8(A)参照)。しかし、エッチングの進行とともに、レジストパターン25及びハードマスクパターン26の角部がエッチングされ、第1面21に形成される凸構造部12の上面の外周縁部がエッチングされ、所定の角度θ11で傾斜する第1側面123が形成される(図8(B)参照)。第1側面123の傾斜角度θ11は、例えば、レジストパターン25の選択比を調整することによって制御され得る。また、ドライエッチング処理の条件(エッチングガスの種類、エッチング時間等)を調整することで、凸構造部12を取り囲む周状溝部125を形成することもできる。
このようにして、エッチング開始当初に形成される略垂直な側面である第2側面124と、外周縁部のエッチングにより所定の角度θ12で傾斜して形成される第1側面123と、上面としてのパターン形成面121とを有する凸構造部12を備えるインプリントモールド用マスクブランク10が製造される(図8(C)参照)。なお、図7及び図8に示す製造方法において、凸構造部12を形成した後、マスクブランク用基板20の第2面22を切削加工して窪み部13を形成してもよいが、第2面22に予め窪み部13が形成されたものをマスクブランク用基板20として用いてもよい。
上述した製造方法においては、レジストパターン25及びハードマスクパターン26をマスクとしたドライエッチング処理により凸構造部12を形成しているが、これに限定されるものではない。例えば、レジストパターン25及びハードマスクパターン26をマスクとしたドライエッチング後、フッ酸等を用いたウェットエッチングを実施することで、凸構造部12を形成してもよい。これにより、第1側面123が凹状の湾曲面により構成されるインプリントモールド用マスクブランク10が製造され得る(図3参照)。なお、ドライエッチング処理及びウェットエッチング処理の条件(エッチング時間等)を調整することで、第1側面123を含む部分12Aの高さT12Aと第2側面124を含む部分12Bの高さT12Bとを制御することができる。
また、レジストパターン25及びハードマスクパターン26をマスクとしたフッ酸等によるウェットエッチング後、ドライエッチングを実施することで、凸構造部12を形成してもよい。これにより、第2側面124が凹状の湾曲面により構成されるインプリントモールド用マスクブランク10が製造され得る(図4参照)。この場合においても、ウェットエッチング処理及びドライエッチング処理の条件(エッチング時間等)を調整することで、第1側面123を含む部分12Aの高さT12Aと第2側面124を含む部分12Bの高さT12Bとを制御することができる。
〔インプリントモールド〕
本実施形態におけるインプリントモールドについて説明する。図9は、本実施形態におけるインプリントモールドの概略構成を示す切断端面図である。
図9に示すように、本実施形態におけるインプリントモールド1は、第1面2A及び当該第1面2Aに対向する第2面2Bを有する基部2と、基部2の第1面2Aから突出し、第1面2Aに略平行なパターン形成面3A、パターン形成面3Aの外周縁に連続する第1側面3B及び第1側面3Bに連続する第2側面3Cを有する凸構造部3と、パターン形成面3Aに形成されてなる凹凸パターン4と、基部2の第2面2B側における平面視略中央部に形成されてなる窪み部5とを備える。
本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランク10における第1側面123又は第2側面124のパターン形成面121に対するなす角度θ11,θ12と同様、本実施形態におけるインプリントモールド1において、第1側面3Bのパターン形成面3Aに対するなす角度は、90°未満であるのが好ましく、30°〜85°であるのがより好ましく、40°〜70°であるのが特に好ましい。また、第2側面3Cのパターン形成面3Aに対するなす角度は、略90°(85°〜90°程度)に設定され得る。
なお、本実施形態におけるインプリントモールド1の基部2及び窪み部5の詳細な構成は、上述した本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランク10の基部11及び窪み部13の構成と略同様である。
凹凸パターン4の形状、寸法等は、本実施形態におけるインプリントモールド1を用いて製造される製品にて要求される形状、寸法等に応じて適宜設定され得る。例えば、凹凸パターン4の形状としては、ラインアンドスペース状、ピラー状、ホール状、格子状等が挙げられる。図示例において、凹凸パターン4は、パターン形成面3A上に形成された複数の凹部と隣接する凹部間に位置する凸部とを有する凹状パターンである。また、凹凸パターン4の寸法は、例えば、10nm〜200nm程度であればよい。
〔インプリントモールドの製造方法〕
上述した構成を有するインプリントモールドを製造する方法を説明する。図10は、本実施形態におけるインプリントモールドの製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。
[基板準備工程]
まず、テンプレート30(図11参照)と、本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランク10(図1参照)とを準備する。図11に示すように、テンプレート30は、第1面311及びそれに対向する第2面312を有する基部31と、基部31の第1面311上に設定されたパターン領域33内に形成されている凹凸パターン32とを備える。
テンプレート30の基部31を構成する材料は、特に限定されるものではなく、インプリントモールド用基材として一般的なものである。例えば、当該基部31は、インプリントモールドを製造する際に一般的に用いられている基板(例えば、石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、アクリルガラス等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板;ニッケル基板、チタン基板、アルミニウム基板等の金属基板;シリコン基板、窒化ガリウム基板等の半導体基板等)により構成され得る。テンプレート30の基部31の厚さT31は、強度や取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
テンプレート30の基部31の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、当該基部31が石英ガラスにより構成される場合、例えば、当該基部31の大きさは152mm×152mm程度である。
テンプレート30の基部31の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状、略円形状等が挙げられる。テンプレート30が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラスにより構成される場合、通常、当該基部31の平面視形状は略矩形状である。
テンプレート30の基部31の第1面311側に設定されたパターン領域内に形成されている凹凸パターン32の形状、寸法等は、本実施形態において製造されるインプリントモールド1(図9参照)にて要求される形状、寸法等に応じて適宜設定され得る。例えば、凹凸パターン32の形状としては、ラインアンドスペース状、ピラー状、ホール状、格子状等が挙げられる。図示例において、凹凸パターン32は、第1面311上に形成された複数の凸部と隣接する凸部間に位置する凹部とを有する凸状パターンである。また、凹凸パターン32の寸法は、例えば、10nm〜200nm程度であればよい。
凹凸パターン32は、例えば、電子線リソグラフィー法、フォトリソグラフィー法等の公知の方法を用い、ネガ型又はポジ型の電子線反応性レジスト材料、紫外線反応性レジスト材料等により構成されるレジストパターンをマスクとしたエッチング処理を通じて形成され得る。なお、凹凸パターン32は、対応する凹凸パターンを有する別個のテンプレートを用いたインプリントリソグラフィー法により形成されてもよい。
本実施形態において、インプリントモールド用マスクブランク10の凸構造部12のパターン形成面121には、ハードマスク層(図示省略)が形成されている。ハードマスク層を構成する材料としては、例えば、クロム、チタン、タンタル、珪素、アルミニウム等の金属;窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系化合物、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物、窒化チタン、窒化珪素、酸窒化珪素等を単独で、又は任意に選択した2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードマスク層は、後述する工程にてパターニングされ、インプリントモールド用マスクブランク10の凸構造部12のパターン形成面121をエッチングする際のマスクとして用いられるものである。そのため、インプリントモールド用マスクブランク10の種類に応じ、エッチング選択比等を考慮して、ハードマスク層の構成材料を選択するのが好ましい。例えば、インプリントモールド用マスクブランク10が石英ガラス基板により構成される場合、ハードマスク層として金属クロム膜等が好適に選択され得る。
ハードマスク層の厚さは、インプリントモールド用マスクブランク10の種類に応じたエッチング選択比、製造されるインプリントモールド1(図9参照)における凹凸パターン4のアスペクト比等を考慮して適宜設定される。例えば、インプリントモールド用マスクブランク10が石英ガラス基板により構成され、ハードマスク層が金属クロム膜である場合、ハードマスク層の厚さは、3nm〜20nm程度に設定され得る。
インプリントモールド用マスクブランク10の凸構造部12のパターン形成面121にハードマスク層を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング、PVD(Physical Vapor Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の公知の成膜方法が挙げられる。
[レジストパターン形成工程]
次に、インプリントモールド用マスクブランク10の凸構造部12のパターン形成面121(ハードマスク層)上に、インクジェット法によりインプリント樹脂40の液滴を離散的に供給する(図10(A)参照)。インプリント樹脂40の液滴は、テンプレート30の凹凸パターン32のパターン密度等に応じて凸構造部12のパターン形成面121(ハードマスク層)上に配置される。
インプリント樹脂40にテンプレート30の第1面311に形成されている凹凸パターン32を接触させる(図10(B)参照)。そして、第1面311及び凸構造部12のパターン形成面121(ハードマスク層)間にインプリント樹脂40を展開させ、インプリント樹脂40を硬化させることで、インプリント樹脂40にテンプレート30の凹凸パターン32を転写する(図10(B)参照)。
インプリント樹脂40の塗布量は、テンプレート30の凹凸パターン32のパターン密度等に応じ、テンプレート30の第1面311と凸構造部12のパターン形成面121との間に展開されるインプリント樹脂40が凸構造部12のパターン形成面121から外側に漏出するが、第1側面123上に留まる程度に適宜設定される。
図12に示すように、本実施形態においては、インプリント樹脂40がパターン形成面121から外側に漏出したとしても、漏出したインプリント樹脂40は、インプリントモールド用マスクブランク10の凸構造部12の第1側面123上に留まる。第1側面123上のインプリント樹脂40の膜厚は、第1面311とパターン形成面121との間におけるインプリント樹脂40の膜厚よりも僅かに厚いものの、インプリント樹脂40を硬化させるための紫外線等の照射量により十分に硬化可能な程度の厚みである。そのため、第1側面123上のインプリント樹脂40が硬化不十分であることによってテンプレート30の離型時に糸状に伸長されるのを抑制することができる。
インプリント樹脂40(レジスト材料)としては、特に限定されるものではなく、インプリント処理に一般的に用いられる樹脂材料(例えば、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等)を用いることができる。インプリント樹脂40には、テンプレート30を容易に引き離すための離型剤、インプリントモールド用マスクブランク10の凸構造部12のパターン形成面121(ハードマスク層)への密着性を向上させるための密着剤等が含まれていてもよい。
続いて、硬化したインプリント樹脂40からテンプレート30を引き離す(図10(C)参照)。これにより、インプリントモールド用マスクブランク10の凸構造部12のパターン形成面121(ハードマスク層)上に、テンプレート30の凹凸パターン32が転写されてなり、複数の凹部及び凸部を有するレジストパターン41を形成することができる。レジストパターン41が有する凹部及び凸部は、テンプレート30の凹凸パターン32が反転した形状を有する。図示例において、レジストパターン41は、複数の凹部及び隣接する凹部間に位置する凸部を有する凹状パターンである。
[ハードマスクパターン形成工程]
上記レジストパターンをマスクとして用い、例えば、塩素系(Cl2+O2)のエッチングガスを用いるドライエッチング処理によりインプリントモールド用マスクブランク10の凸構造部12のパターン形成面121に形成されているハードマスク層をエッチングして、ハードマスクパターンを形成する。
[インプリントモールド用基板のエッチング工程]
ハードマスクパターンをマスクとしてインプリントモールド用マスクブランク10にドライエッチング処理を施し、凸構造部12のパターン形成面121に凹凸パターン4を形成する(図10(D)参照)。図示例において、凹凸パターン4は凹状パターンである。インプリントモールド用マスクブランク10のドライエッチングは、当該インプリントモールド用マスクブランク10の構成材料の種類に応じて適宜エッチングガスを選択して行なわれ得る。エッチングガスとしては、例えば、フッ素系ガス等を用いることができる。最後にハードマスクパターンを除去することで、インプリントモールド1が製造される(図9参照)。
〔インプリント方法〕
本実施形態におけるインプリント方法について説明する。図13は、本実施形態におけるインプリント方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。
まず、インプリントモールド1(図9参照)と、第1面51及び第1面51に対向する第2面52を有する被転写基材50とを準備する。被転写基材50としては、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、アクリルガラス等や、これらのうちから任意に選択される2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板;シリコン基板、窒化ガリウム基板等の半導体基板等;ニッケル基板、チタン基板、アルニウム基板等の金属基板等が挙げられる。
次に、被転写基材50の第1面51側にインプリント樹脂53を供給する(図13(A)参照)。インプリント樹脂53としては、特に限定されるものではなく、インプリント処理に一般的に用いられる樹脂材料(例えば、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等)を用いることができる。
インプリント樹脂53の供給量は、本実施形態におけるインプリント方法により作製されるパターン構造体54(図13(C)参照)の残膜厚及びインプリントモールド1の凹凸パターン4の容積等に応じて適宜算出し、決定され得る。
続いて、インプリント樹脂53にインプリントモールド1の凹凸パターン4を接触させ、被転写基材50の第1面51とインプリントモールド1の凹凸パターン4との間にインプリント樹脂53を展開させる。そして、その状態でインプリント樹脂53を硬化させる(図13(B)参照)。
インプリント樹脂53の供給量が過剰であると、凸構造部3の上面の外側にインプリント樹脂53が漏出することがある。このような場合に、本実施形態におけるインプリントモールド1は、凸構造部3の上面の外周縁に連続する第1側面を有することで、当該第1側面と被転写基材50の第1面51との間にインプリント樹脂53が留まる。そのため、第1側面と被転写基材50の第1面51との間に存在するインプリント樹脂53も十分に硬化させることができ、硬化不十分による問題が生じ得ない。
最後に、硬化したインプリント樹脂53からインプリントモールド1を剥離する(図13(C)参照)。これにより、被転写基材50の第1面51上に、インプリントモールド1の凹凸パターン4が転写されてなるパターン構造体54を製造することができる。
上述したように、本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランク10においては、凸構造部12(パターン形成面121)の外周縁に連続する第1側面123が、パターン形成面121に対して所定の角度θ11で傾斜していることで、当該インプリントモールド用マスクブランク10のパターン形成面121上に、インプリントによりレジストパターンを形成するときに、パターン形成面121の外側に漏出したインプリント樹脂を第1側面123上に留まらせることができる。第1側面123上に留まるインプリント樹脂は、インプリント処理における紫外線等の照射により十分に硬化する。よって、本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランク10によれば、インプリント処理時にパターン形成面121から漏出したインプリント樹脂によってパターン欠陥が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態に係るインプリントモールド用マスクブランク10を用いて作製されるインプリントモールド1においても、当該インプリントモールド1を用いたインプリント処理時に、パターン形成面3Aの外側に漏出したインプリント樹脂を第1側面3Bと被転写基材との間に留まらせることができる。第1側面3Bと被転写基材との間に留まるインプリント樹脂は、インプリント処理における紫外線等の照射により十分に硬化する。よって、本実施形態におけるインプリントモールド1によれば、インプリント処理時にパターン形成面3Aから漏出したインプリント樹脂によってパターン欠陥が生じるのを抑制することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
本発明は、半導体デバイスの製造過程等のインプリントモールドを用いた微細加工に関する技術分野において有用である。
1…インプリントモールド
2…基部
2A…第1面
2B…第2面
3…凸構造部
3A…パターン形成面
3B…第1側面
3C…第2側面
10…インプリントモールド用マスクブランク
11…基部
111…第1面
112…第2面
12…凸構造部
121…パターン形成面
123…第1側面
124…第2側面
125…凹状溝部

Claims (13)

  1. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部と、
    前記基部の前記第1面から突出する凸構造部と
    を備え、
    前記凸構造部は、前記基部の前記第1面に略平行なパターン形成面と、前記パターン形成面の外周縁に一端が連続する第1側面と、前記第1側面の一端に対向する他端に連続する第2側面とを有し、
    前記第1側面は、前記パターン形成面に対して90°未満の角度で傾斜しており
    前記第2側面と前記第1面との連続部に、前記凸構造部を取り囲む周状の凹状溝部が形成されている、インプリントモールド用マスクブランク。
  2. 前記第1側面の前記パターン形成面に対するなす角度は、前記第2側面の前記パターン形成面に対するなす角度よりも小さい、請求項1に記載のインプリントモールド用マスクブランク。
  3. 前記第1側面の前記パターン形成面に対するなす角度は、30°〜85°である、請求項1又は2に記載のインプリントモールド用マスクブランク。
  4. 前記第1側面の前記パターン形成面に対するなす角度は、40°〜70°である、請求項1又は2に記載のインプリントモールド用マスクブランク。
  5. 前記第2側面の前記パターン形成面に対するなす角度は、略90°である、請求項1〜4のいずれかに記載のインプリントモールド用マスクブランク。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のインプリントモールド用マスクブランクを製造する方法であって、
    第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基板を準備し、前記基板の前記第1面上に、前記凸構造部に対応するレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして前記基板の前記第1面をエッチングする工程と
    を有し、
    前記凸構造部の前記パターン形成面の外周縁に一端が連続する前記第1側面が、前記パターン形成面に対して90°未満の角度で傾斜するように、前記基板の前記第1面をエッチングする、インプリントモールド用マスクブランクの製造方法。
  7. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部と、
    前記基部の前記第1面から突出する凸構造部と、
    前記凸構造部における前記基部の前記第1面に略平行なパターン形成面に形成されてなる凹凸パターンと
    を備え、
    前記凸構造部は、前記パターン形成面の外周縁に一端が連続する第1側面と、前記第1側面の一端に対向する他端に連続する第2側面とを有し、
    前記第1側面は、前記パターン形成面に対して90°未満の角度で傾斜しており
    前記第2側面と前記第1面との連続部に、前記凸構造部を取り囲む周状の凹状溝部が形成されている、インプリントモールド。
  8. 前記第1側面の前記パターン形成面に対するなす角度は、前記第2側面の前記パターン形成面に対するなす角度よりも小さい、請求項に記載のインプリントモールド。
  9. 前記第1側面の前記パターン形成面に対するなす角度は、30°〜85°である、請求項又はに記載のインプリントモールド。
  10. 前記第1側面の前記パターン形成面に対するなす角度は、40°〜70°である、請求項又はに記載のインプリントモールド。
  11. 前記第2側面の前記パターン形成面に対するなす角度は、略90°である、請求項10のいずれかに記載のインプリントモールド
  12. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部、並びに前記基部の前記第1面に形成されてなる凹凸構造を有するテンプレートと、請求項1〜のいずれかに記載のインプリントモールド用マスクブランクとを準備する工程と、
    前記テンプレートの前記第1面と前記インプリントモールド用マスクブランクの前記パターン形成面との間に介在させたレジスト膜に前記凹凸構造を転写し、複数の凹部及び凸部を有するレジストパターンを前記パターン形成面上に形成する工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして前記インプリントモールド用マスクブランクの前記パターン形成面をエッチングすることで、前記パターン形成面に凹凸パターンを形成する工程と
    を有する、インプリントモールドの製造方法。
  13. 請求項11のいずれかに記載のインプリントモールドと、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する被転写基板とを準備する工程と、
    前記インプリントモールドの前記パターン形成面と前記被転写基板の前記第1面との間にインプリント樹脂を介在させ、前記インプリント樹脂に前記インプリントモールドの凹凸パターンを転写する工程と、
    前記凹凸パターンが転写された前記インプリント樹脂と前記インプリントモールドとを引き離す工程と
    を有する、インプリント方法。
JP2017054594A 2017-03-21 2017-03-21 インプリントモールド用マスクブランク及びその製造方法、インプリントモールド及びその製造方法、並びにインプリント方法 Active JP6957917B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017054594A JP6957917B2 (ja) 2017-03-21 2017-03-21 インプリントモールド用マスクブランク及びその製造方法、インプリントモールド及びその製造方法、並びにインプリント方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017054594A JP6957917B2 (ja) 2017-03-21 2017-03-21 インプリントモールド用マスクブランク及びその製造方法、インプリントモールド及びその製造方法、並びにインプリント方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018157144A JP2018157144A (ja) 2018-10-04
JP6957917B2 true JP6957917B2 (ja) 2021-11-02

Family

ID=63717487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017054594A Active JP6957917B2 (ja) 2017-03-21 2017-03-21 インプリントモールド用マスクブランク及びその製造方法、インプリントモールド及びその製造方法、並びにインプリント方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6957917B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005101233A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 金型の製造方法、金型、および成形品
US20060177532A1 (en) * 2005-02-04 2006-08-10 Molecular Imprints, Inc. Imprint lithography method to control extrusion of a liquid from a desired region on a substrate
JP5978552B2 (ja) * 2010-06-24 2016-08-24 大日本印刷株式会社 ナノインプリント用モールドおよびパターン形成方法
JP5823937B2 (ja) * 2012-09-07 2015-11-25 株式会社東芝 モールド、モールド用ブランク基板及びモールドの製造方法
JP6331292B2 (ja) * 2013-08-30 2018-05-30 大日本印刷株式会社 インプリント方法およびインプリント装置
JP6761329B2 (ja) * 2016-11-22 2020-09-23 キヤノン株式会社 インプリント装置、インプリント方法および物品製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018157144A (ja) 2018-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7056013B2 (ja) テンプレート及びテンプレートブランクス、並びにインプリント用テンプレート基板の製造方法、インプリント用テンプレートの製造方法、及び、テンプレート
JP6413981B2 (ja) インプリント方法およびインプリントモールドの製造方法
JP2011066238A (ja) パターン形成用テンプレートの作製方法
JP6699256B2 (ja) インプリントモールド製造用基材とインプリントモールドの製造方法
JP7060836B2 (ja) インプリントモールドの製造方法
JP7027823B2 (ja) 機能性基板及びその製造方法、並びにインプリントモールド
JP6954436B2 (ja) レプリカモールドの製造方法及びインプリント装置
JP7139751B2 (ja) インプリントモールドの製造方法
JP6957917B2 (ja) インプリントモールド用マスクブランク及びその製造方法、インプリントモールド及びその製造方法、並びにインプリント方法
JP6221795B2 (ja) インプリントモールドとこれを用いたインプリント方法およびインプリントモールドを製造するためのマスターモールド
JP6972581B2 (ja) インプリントモールド及びインプリントモールドの製造方法
JP6631271B2 (ja) インプリントモールドの製造方法
JP6996333B2 (ja) ブランクス基材、インプリントモールド、インプリントモールドの製造方法及びインプリント方法
JP6950224B2 (ja) インプリントモールド及びインプリントモールドの製造方法
JP6757241B2 (ja) パターン形成方法及びレプリカモールドの製造方法
JP6988223B2 (ja) インプリントモールド及びインプリントモールドの製造方法
JP6446836B2 (ja) テンプレートの異物除去方法、およびテンプレートの製造方法
JP6123304B2 (ja) テンプレート用積層基板、テンプレートブランク、ナノインプリント用テンプレート、および、テンプレート基板の再生方法、並びに、テンプレート用積層基板の製造方法
JP7124585B2 (ja) レプリカモールドの製造方法
JP2016002664A (ja) モールド製造用構造体、モールド、モールド製造用構造体の製造方法、およびモールドの製造方法
JP6394112B2 (ja) テンプレートの製造方法およびテンプレート
JP7338308B2 (ja) インプリントモールド用基板及びインプリントモールド、並びにそれらの製造方法
JP7192409B2 (ja) インプリントモールド用基板及びインプリントモールド、並びにそれらの製造方法
JP6784108B2 (ja) レプリカモールドの製造方法及びインプリント装置
JP2015233052A (ja) テンプレートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6957917

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150