JP2020057783A - インプリントモールド用基板及びインプリントモールド、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

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公夫 伊藤
尚子 中田
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Abstract

【課題】インプリント装置のモールドホルダに保持された状態で高精度に倍率補正を行うことのできるインプリントモールド及びそれを製造可能なインプリントモールド用基板、並びにそれらの製造方法を提供する。【解決手段】インプリントモールド用基板は、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基材と、基材の第1面に設定され、凹凸パターンが形成され得るパターン領域と、第2面に形成されてなる窪み部とを備え、パターン領域は、窪み部を基材の第1面側に投影した投影領域内に包摂され得る大きさを有し、第2面を、窪み部の周縁を囲む第1領域と第1領域の外周を囲む第2領域とに区分したときに、少なくとも第1領域内は、実質的に平滑な面により構成される。【選択図】図1

Description

本開示は、インプリントモールド用基板及びインプリントモールド、並びにそれらを製造する方法に関する。
微細加工技術として知られているナノインプリント技術は、基材の表面に凹凸パターンが形成されてなるインプリントモールドを用い、当該凹凸パターンを被加工物に転写することで凹凸パターンを等倍転写するパターン形成技術である。特に、半導体デバイスにおける配線パターン等のさらなる微細化等に伴い、その製造プロセス等においてナノプリント技術が注目されている。
ナノプリント技術において一般に用いられるインプリントモールドは、例えば、第1面及びそれに対向する第2面を有する基材と、基材の第1面から突出する凸構造部と、凸構造部の上面に形成されてなる凹凸パターンと、基材の第2面に形成されてなる窪み部とを備えるものが知られている。このようなインプリントモールドを用い、被転写基板上に供給された被加工物としてのインプリント樹脂にインプリントモールドの凹凸パターンを接触させることで、当該凹凸パターンにインプリント樹脂を充填させる。そして、その状態で当該インプリント樹脂を硬化させることにより、インプリントモールドの凹凸パターンをインプリント樹脂に転写させている。
上記インプリントモールドの凹凸パターンを被転写基板上のインプリント樹脂に接触させるときに、凹凸パターンとインプリント樹脂との間に気泡を巻き込んでしまうと、被転写基板上に形成されるパターン構造体に欠陥を生じさせてしまう。そのため、当該気泡の巻き込みを防止するために、凹凸パターンの形成されている凸構造部の上面を湾曲させた状態で凹凸パターンをインプリント樹脂に接触させ、モールド中央部からモールド外周部に向かってインプリント樹脂との接触領域を徐々に広げるようにして凹凸パターンをインプリント樹脂に転写させている。
上記インプリントモールドを製造するためのインプリントモールド用基板には、平坦度、平行度、外形公差等の形状精度が高いレベルで求められる。そのような目的を達成すべく、従来、基板全体の複屈折量の最大値が3nm/cm以下である合成石英ガラス基板に非貫通の穴、溝又は段差を形成することによりインプリントモールド用基板を製造する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、上記インプリントモールドは、第2面(窪み部、非貫通の穴が形成されている面)をインプリント装置のモールドホルダに吸着させた状態で保持される。このときに第2面がモールドホルダの保持面に沿って変形し、その結果として、第1面、すなわち凹凸パターンが歪む。
この凹凸パターンが拡大するようにして歪んでいる場合には、インプリントモールドの外周面を4方向から押圧することにより凹凸パターンを縮小させるようにして矯正(倍率補正)し、インプリント樹脂に転写することができるが、凹凸パターンが縮小するようにして歪んでいる場合には、凹凸パターンを拡大させるようにして矯正することは極めて困難である。
一方で、第2面が完全な平坦面であれば、モールドホルダに吸着されたインプリントモールドの凹凸パターンに歪みが生じないため、凹凸パターンを矯正する必要はないが、そのような完全な平坦面を有するインプリントモールドを作製することは極めて困難である。
そのため、従来、第1面の中央部に周囲を段差で取り囲まれ周囲よりも突出する突出面を有し、第1面とは反対側の第2面の中央部に非貫通孔を有し、非貫通穴の中心線を含む任意の断面において、第2面は、両方の外周端から15mm以内の部分を除く残りの部分を、非貫通穴を挟んで第1部分と第2部分とに分けて有し、残りの部分の最小二乗直線を基準直線とすると、外力が作用していない自然状態のとき、第1部分の最小二乗直線及び第2部分の最小二乗直線は、それぞれ、基準直線に対し斜めに交差しており、交差点よりも内周側において基準直線を基準として第1面とは反対側に突出しているインプリントモールド用基板が提案されている(特許文献2参照)。
特許第5664471号公報 特開2017−152650号公報
特許文献1に記載のインプリントモールド用基板のように、基板全体の複屈折量の最大値を3nm/cm以下とするためには、最先端のリソグラフィーに用いられる、EUV用石英ガラス基板、ArF−i用石英ガラス基板のような、極めてグレードの高い石英ガラス基板を用いる必要がある。このような石英ガラス基板を製造するためには、石英を高温度から徐々に時間をかけて冷却しなければならないため、生産スピードが上がらずに歩留りを下げ、製造コストの増大を招いてしまうという問題がある。
特許文献2に記載のインプリントモールド用基板においては、非貫通穴を挟んだ第1部分及び第2部分が、インプリント装置のモールドホルダに吸着される領域に相当する。この第1部分及び第2部分が、第2面側に向かって凸状に構成されていることで、モールドホルダに吸着されたときに凹凸パターンを拡大方向に歪ませることができる。しかしながら、モールドホルダに吸着される領域に局所的な凹凸があると、モールドホルダと第2面との間に局所的に空間が生じてしまい、凹凸パターンを一様に歪ませる(拡大させる)ことができなくなってしまう。その結果、インプリント装置のモールドホルダに保持されたインプリントモールドの倍率補正の精度が低下するという問題がある。
上記課題に鑑みて、本開示は、インプリント装置のモールドホルダに保持された状態で高精度に倍率補正を行うことができるインプリントモールド及びそれを製造可能なインプリントモールド用基板、並びにそれらの製造方法を提供することを一目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態として、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基材と、前記基材の前記第1面に設定され、凹凸パターンが形成され得るパターン領域と、前記第2面に形成されてなる窪み部とを備え、前記パターン領域は、前記窪み部を前記基材の前記第1面側に投影した投影領域内に包摂され得る大きさを有し、前記第2面を、前記窪み部の周縁を囲む第1領域と前記第1領域の外周を囲む第2領域とに区分したときに、少なくとも前記第1領域内は、実質的に平滑な面により構成されるインプリントモールド用基板が提供される。
前記基材の前記第2面を上方に位置させ、前記基材の前記第1面を下方に位置させた状態での前記基材の厚さ方向に沿った断面視において、前記窪み部の両側における前記第1領域の高さ位置が実質的に一致していればよく、前記基材の前記第2面側の平面視において、前記窪み部の幾何学的中心を中心とし、前記第1領域内に位置する円の線分上の高さ位置が実質的に一致していればよい。
少なくとも前記第1領域内には、局所的な凹部及び/又は凸部が実質的に存在しなければよく、前記基材の前記第2面を上方に位置させ、前記基材の前記第1面を下方に位置させた状態での前記基材の側面視において、前記第1領域内における前記第2面は、前記第1領域の外周縁から内周縁に向かって凸状であって、前記第1領域内における前記第2面を、1次導関数の符号の正負が変化しない近似関数を用いた最小二乗法でフィッティングした場合に、当該近似関数との差分が30nm以下となる面であればよい。
前記基材の周縁部近傍において計測される複屈折量が5nm/cm以上であればよく、前記窪み部は、一方面及び前記一方面に対向する他方面を有する基板の前記他方面を研削加工することにより形成されるものであり、前記基板の最大複屈折量が4nm/cm以上であればよく、前記基材の最大複屈折量が3nm/cm超であればよく、記基材の前記第1面側には、前記第1面から突出する凸構造部が設けられており、前記パターン領域は、前記凸構造部の上面部に設定され得る。
本開示の一実施形態として、上記インプリントモールド用基板の前記パターン領域に形成されてなる凹凸パターンを有するインプリントモールドが提供される。
本開示の一実施形態として、上記インプリントモールド用基板を製造する方法であって、一方面及び一方面に対向する対向面を有する基板を準備する工程と、前記基板の前記対向面に前記窪み部を形成する工程とを有し、前記基板の前記対向面は、所定の基準面及び前記対向面の最高点の間の前記基準面に直交する長さと、前記基準面及び前記対向面の最低点の間の前記基準面に直交する長さとの合計値が1.5μm以下となる面であり、前記基準面は、前記対向面上において任意に選択される3点を含む3点基準面であるインプリントモールド用基板の製造方法が提供される。前記基板の最大複屈折量が4nm/cm以上であればよい。
本開示の一実施形態として、上記インプリントモールド用基板の前記パターン領域に凹凸パターンを形成する工程を有するインプリントモールドの製造方法が提供される。
本開示によれば、インプリント装置のモールドホルダに保持された状態で高精度に倍率補正を行うことのできるインプリントモールド及びそれを製造可能なインプリントモールド用基板、並びにそれらの製造方法を提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す切断端面図である。 図2は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す、基材の第1面側から見た平面図である。 図3は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板の基材の第2面の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図4は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す、基材の第2面側から見た平面図である。 図5は、基材の第2面に局所的な凹部を有するインプリントモールド用基板をモールドホルダに吸着保持させた状態を説明するための部分拡大切断端面図である。 図6は、基材の第2面に局所的な凸部を有するインプリントモールド用基板をモールドホルダに吸着保持させた状態を説明するための部分拡大切断端面図である。 図7は、本開示の他の実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す切断端面図である。 図8は、本開示の一実施形態におけるインプリントモールドの概略構成を示す切断端面図である。 図9(A)〜(E)は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールド用基板の製造方法の各工程を示す工程フロー図である。
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
当該図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりして示している場合がある。本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
〔インプリントモールド用基板〕
図1は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す切断端面図であり、図2は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す平面図であり、図3は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す、基材の第2面側から見た平面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1は、第1面21及び当該第1面21に対向する第2面22を有する基材2と、基材2の第1面21から突出する凸構造部33と、第2面22側に形成されている窪み部4とを備える。
基材2としては、インプリントモールド用基板として一般的なもの、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、蛍石基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板、ポリメチルメタクリレート基板、ポリエチレンテレフタレート基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等を用いることができる。なお、本実施形態において「透明」とは、インプリント樹脂を硬化させ得る波長の光を透過可能であることを意味し、波長150nm〜400nmの光線の透過率が60%以上であることを意味し、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。
基材2の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状等が挙げられる。基材2が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラス基板からなるものである場合、通常、基材2の平面視形状は略矩形状である。
基材2の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、基材2が上記石英ガラス基板からなる場合、例えば、基材2の大きさは152mm×152mm程度である。また、基材2の厚さは、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
基材2の最大複屈折量は3nm/cm超であるのが好ましい。基材2の最大複屈折量とは、例えば、152mm×152mmの基材2の第2面22の幾何学的中心に位置する110mm×110mmの領域から窪み部4の領域を除いた領域を計測領域とし、その計測領域内を5mm×5mmのグリッドで分割し、すべてのグリッドの複屈折量を計測したときにおける当該複屈折量の最大値を意味する。
基材2の周縁部近傍において計測される複屈折量が5nm/cm以上であるのが好ましい。後述するように、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1は、基材2の周縁部から第2面22の中心部に向けて第2面22が凸状に突出した形状を有する。複屈折量が5nm/cm以上である基材の第2面に窪み部4を研削形成することで、基材の内部応力が緩和されて基材2の第2面22を凸状に形成することができる。この基材の内部応力の緩和は、窪み部4の形成領域の周辺において生じるが、窪み部4から離れた領域(例えば基材2の周縁部近傍(基材2の周縁部を含む幅10mm程度の範囲内))においては生じない。したがって、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1の基材2の周縁部近傍において、その複屈折量が5nm/cm以上であれば、基材2の周縁部から中心部に向けて第2面22が凸状に突出した形状を有するということができる。なお、本実施形態における基材2の複屈折量は、複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定される値である。
基材2の第1面21から突出する凸構造部3は、平面視において基材2の略中央に設けられている。凸構造部3の平面視における形状は、略矩形状である。凸構造部3の大きさは、インプリントモールド用基板1を用いたインプリント処理を経て製造される製品等に応じて適宜設定されるものであり、例えば、30nm×25nm程度に設定される。
凸構造部3の突出高さ(基材2の第1面21と凸構造部3の上面部31との間の基材2厚み方向に沿った長さ)は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1が凸構造部3を備える目的を果たし得る限り、特に制限されるものではなく、例えば、10μm〜100μm程度に設定され得る。凸構造部3の上面部31には、凹凸パターン11(図8参照)が形成される予定のパターン領域が設定されている。
基材2の第2面22には、所定の大きさの窪み部4が形成されている。窪み部4が形成されていることで、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1から作製されるレプリカモールド10(図8参照)を用いたインプリント処理時、特にインプリント樹脂との接触時やレプリカモールド10の剥離時に、基材2、特に凸構造部3の上面部31を湾曲させることができる。その結果、凸構造部3の上面部31とインプリント樹脂とを接触させるときに、凸構造部3の上面部31に形成されている凹凸パターン11とインプリント樹脂との間に気体が挟みこまれてしまうのを抑制することができ、また、インプリント樹脂に凹凸パターン11が転写されてなるパターンからレプリカモールド10を容易に剥離することができる。
窪み部4の平面視形状は、略円形状であるのが好ましい。略円形状であることで、インプリント処理時、特に凸構造部3の上面部31とインプリント樹脂とを接触させるときやインプリント樹脂からレプリカモールド10を剥離するときに、レプリカモールド10の凸構造部3の上面部31を、その面内において実質的に均一に湾曲させることができる。
窪み部4の平面視における大きさは、窪み部4を基材2の第1面21側に投影した投影領域内に、凸構造部3が包摂される程度の大きさである限り、特に制限されるものではない。当該投影領域が凸構造部3を包摂不可能な大きさであると、レプリカモールド10の凸構造部3の上面部31の全面を効果的に湾曲させることができないおそれがある。
図3及び図4に示すように、基材2の第2面22は、窪み部4の周縁部41を囲む第1領域221と、第1領域221の外周を囲む第2領域222とに区分され、少なくとも第1領域221は、実質的な平滑面により構成される。本実施形態における第1領域221は、インプリントモールド用基板1から作製されるインプリントモールド10がインプリント装置のモールドホルダに吸着される際の吸着領域である。この第1領域221が実質的な平滑面により構成されることで、インプリントモールド10の凸構造部3上の凹凸パターン11が実質的に一様に拡大するようにしてインプリントモールド10がモールドホルダに保持される。第1領域221が平滑面により構成されていないと、インプリントモールド10の凹凸パターン11が一様に拡大されない。そのため、インプリントモールド用基板1から作製されるインプリントモールド10において凹凸パターン11を高精度に倍率補正するために、基材2の外周面の4方向からの押圧力のそれぞれを異ならせるように制御する必要があるが、そのような制御は極めて困難である。本実施形態に係るインプリントモールド用基板1のように、第1領域221が実質的な平滑面により構成されることで、モールドホルダに保持されたインプリントモールド10の凹凸パターン11が実質的に一様に拡大するため、基材2の外周面の4方向からの押圧力を実質的に均一に制御することで、凹凸パターン11の倍率補正を高精度に行うことができる。
第1領域221は、インプリント装置のモールドホルダにインプリントモールド10が吸着保持された際に、第2面22側において相対的に大きく変形する領域である。第1領域221は、インプリント装置のモールドホルダの構造、すなわちモールドホルダの吸着チャックの大きさ等によって相違するものの、通常、窪み部4の周縁部41から窪み部4の径方向に沿った8mm〜25mm程度の幅W221の領域である。
第1領域221が実質的な平滑面により構成されるとは、具体的には、基材2の第2面22を上方に位置させ、基材2の第1面21を下方に位置させた状態での基材2の厚さ方向に沿った任意の断面(基材2の平面視における幾何学的中心を通る切断面)を見たときに、窪み部4の両側(右側及び左側)における第1領域221の高さ位置が実質的に一致していればよい。第1領域221の高さ位置とは、第1領域221内における任意に選択された点における基材2の厚さ方向に沿った第1面21からの長さを意味する。第1領域221の高さ位置が実質的に一致するとは、上記任意の断面を見たときに、窪み部4の第1周縁部411から基材2の外周縁に向かう方向の所定の距離D1における第1箇所P1の高さ位置と、窪み部4の第2周縁部412から基材2の外周縁に向かう方向の所定の距離D2(D2=D1)における第2箇所P2の高さ位置とが実質的に同一(両者の高さ位置の差分が0.2μm以下)であることを意味する。なお、本実施形態における「高さ位置」は、例えば、平坦度測定装置(Tropel社製,製品名:Flatmaster)を用いて測定される値である。
好適には、基材2の第2面22側の平面視において、窪み部4の幾何学的中心を中心とする仮想円VCの線分を第1領域221内に位置させたときに、第1領域221内に位置する仮想円VCの線分上の高さ位置が実質的に一致している。すなわち、当該仮想円VCの線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分が0.1μm以下である。
特に好適には、少なくとも第1領域221内には、局所的な凹部及び/又は凸部が実質的に存在しないのが好ましい。第1領域221内に局所的な凹部が存在すると、図5に示すように、モールドホルダに吸着保持された第1領域221とモールドホルダとの間に空隙22Cが生じてしまう。また、第1領域221内に局所的な凸部が存在すると、図6に示すように、モールドホルダに吸着保持された第1領域221とモールドホルダとの間であって、凸部の周囲に空隙22Cが生じてしまう。このような空隙22Cが生じてしまうと、凹凸パターン11が一様に拡大されなくなってしまう。そのため、このような局所的な凹部及び/又は凸部が第1領域221内に実質的に存在しないことで、モールドホルダに吸着されたインプリントモールド10の凹凸パターン11を一様に拡大するように変形させることができる。なお、本実施形態における局所的な凹部及び凸部とは、モールドホルダに吸着保持された第1領域221とモールドホルダとの間に空隙22C、凹凸パターン11が一様に拡大するのを阻害する程度の空隙22Cを生じさせる程度の大きさの凹部及び凸部を意味するものとする。
第1領域221が実質的な平滑面により構成されている態様、さらに言えば第1領域221に局所的な凹部及び/又は凸部が実質的に存在しない態様をより具体的に説明すると、基材2の第2面22を上方に位置させ、基材2の第1面を下方に位置させた状態での基材2を任意の側面から見たときに、第1領域221は、第1領域221の外周縁から内周縁に向かって凸状に構成されており、かつ第1領域221内の高さ位置を、所定の近似関数を用いて最小二乗法でフィッティングした場合に、当該近似関数との差分が30nm以下となる。なお、本実施形態においてフィッティングに用いられる近似関数は、当該近似関数の1次導関数の符号の正負が変化しない関数である。すなわち、近似関数の1次導関数が変曲点を有しないことを要する。当該近似関数との差分が30nm以下であれば、第1領域221に局所的な凹部及び/又は凸部が存在せず、モールドホルダに吸着されたインプリントモールド10の凹凸パターン11を一様に拡大するように変形させることができる。本実施形態において、第1領域221内の高さ位置と近似関数との差分は、第1領域221内の内周縁から外周縁までの間において所定の間隔(例えば1mm以下の間隔)の複数点で高さ位置を測定し、各測定点における高さ位置と上記近似関数との差分として求められる。
なお、本実施形態において、基材2の第1面21から突出する凸構造部3を有する様態を例に挙げて説明したが、このような様態に限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、基材2の第1面21側に凸構造部3を有していなくてもよい。
〔インプリントモールド〕
図8は、本実施形態におけるインプリントモールドの概要構成を示す断面図である。
本実施形態におけるインプリントモールド10は、上記インプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部31に形成されてなる凹凸パターン11を有する。
凹凸パターン11の形状、寸法等は、本実施形態におけるインプリントモールドを用いて製造される製品等にて要求される形状、寸法等に応じて適宜設定され得る。例えば、凹凸パターン11の形状としては、ラインアンドスペース状、ピラー状、ホール状、格子状等が挙げられる。また、凹凸パターン11の寸法は、例えば、10nm〜200nm程度に設定され得る。
なお、上記インプリントモールド用基板1が凸構造部3を有しないものである場合、当然に、本実施形態におけるインプリントモールド10もまた、凸構造部3を有しないものとなる。この場合、基材2の第1面21上に設定されるパターン領域に凹凸パターン11が形成されていればよい。
本実施形態におけるインプリントモールド10によれば、基材2の第2面22における第1領域221が実質的な平滑面により構成されていることで、モールドホルダに吸着保持されたときに凹凸パターン11を一様に拡大させるようにして変形させることができる。よって、インプリントモールド10の基材2の外周面を一様に押圧することで、当該凹凸パターン11の位置補正を高精度に行うことができる。よって、凹凸パターン11の高精度な転写を実現することができる。
〔インプリントモールド用基板の製造方法〕
上述した構成を有するインプリントモールド用基板1の製造方法の一例について説明する。図9(A)〜(E)は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の製造方法の各工程を示す工程フロー図である。
[基材準備工程]
まず、第1面21’及びそれに対向する第2面22’を有する基材2’を準備し、基材2’の第1面21’にハードマスク70及びレジスト層80をこの順に積層する(図9(A)参照)。
基材2’としては、インプリントモールド用基板として一般的なもの、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、蛍石基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板、ポリメチルメタクリレート基板、ポリエチレンテレフタレート基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等を用いることができる。
基材2’の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状等が挙げられる。基材2’が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラス基板からなるものである場合、通常、基材2’の平面視形状は略矩形状である。
基材2’の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、基材2’が上記石英ガラス基板からなる場合、例えば、基材2’の大きさは152mm×152mm程度である。また、基材2’の厚さは、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
基材2’の最大複屈折量は4nm/cm以上であるのが好ましい。基材2’の最大複屈折量とは、例えば、152mm×152mmの基材2’の第2面22’の幾何学的中心に位置する110mm×110mmの計測領域内を5mm×5mmのグリッドで分割し、すべてのグリッドの複屈折量を計測したときにおける当該複屈折量の最大値を意味する。
基材2’の周縁部近傍において計測される複屈折量は、5nm/cm以上であればよく、5nm/cm〜10nm/cmであるのが好ましい。本実施形態においては、基材2’の周縁部近傍において計測される複屈折量が5nm/cm以上であることで、後述する工程(図9(E)参照)で基材2’の第2面22’に研削加工を施して窪み部4を形成することで、基材2’の内部応力を緩和させ、その結果としてインプリントモールド用基板1の基材2の第2面22が凸状に形成される。そのため、本実施形態によれば、相対的にグレードの低い基材2’を用いて、基材2の第2面22が凸状のインプリントモールド用基板1を容易に作製することができる。なお、基材2’の周縁部近傍において計測される複屈折量が5nm/cm未満であると、第2面22’を凸状に形成することができないおそれがある。
基材2’の第2面22’は、好適には、当該第2面22’の3点基準面に直交する方向において、3点基準面から見た第2面22’の最高点及び3点基準面の間の長さと、3点基準面から見た第2面22’の最低点及び3点基準面の間の長さとの合計値(TIR(Total Indicator Reading))が2.2μm以下、好ましくは1.5μm以下、より好ましくは0.5μm以下となる面である。第2面22’の3点基準面とは、第2面22’上の任意の3点を含む仮想面であって、当該3点を繋ぐことにより構成される三角形は、基材2’の第2面22’側からの平面視における当該基材2’の中心を含む正三角形である。上記合計値は、例えば、平坦度測定装置(Tropel社製,製品名:Flatmaster)等を用いて測定され得る。
ハードマスク層70を構成する材料としては、例えば、クロム、チタン、タンタル、珪素、アルミニウム等の金属;窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系化合物、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物、窒化チタン、窒化珪素、酸窒化珪素等を単独で、又は任意に選択した2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードマスク層70は、後述する工程(図9(C)参照)にてパターニングされ、インプリントモールド用基板1の凸構造部3(図9(D)参照)をエッチングにより形成する際のマスクパターンとして用いられるものである。そのため、基材2’の構成材料に応じ、エッチング選択比等を考慮して、ハードマスク層70の構成材料を選択するのが好ましい。例えば、基材2’が石英ガラス基板である場合、ハードマスク層70として酸化クロム膜が好適に選択され得る。
ハードマスク層70の厚さは、基材2’の構成材料に応じたエッチング選択比等を考慮して適宜設定される。例えば、基材2’が石英ガラス基板であって、ハードマスク層70が酸化クロム膜である場合、ハードマスク層70の厚さは、0.5nm〜200nm程度の範囲内で適宜設定され得る。
基材2’の第1面21’にハードマスク層70を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング、PVD(Physical Vapor Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の公知の成膜方法が挙げられる。
基材2’の第1面21’上のハードマスク層70を覆うようにしてスピンコート法等により形成されるレジスト層80を構成する材料は、特に限定されるものではなく、例えば、ネガ型又はポジ型の感光性材料等を用いることができるが、ポジ型の感光性材料を用いるのが好ましい。レジスト80の膜圧は、特に限定されるものではなく、ハードマスク層70の構成材料に応じた選択比等に応じて適宜設定され得る。
[レジストパターン形成工程]
上記レジスト層80に対して所定の開口を有するフォトマスク(図示省略)を介した露光処理及び現像処理を施すことで、凸構造部3に対応するレジストパターン81を形成する(図9(B)参照)。
本実施形態において、レジストパターン81をマスクとしてハードマスク層70にドライエッチング処理を施すことで、凸構造部3に対応するマスクパターン71が形成される。すなわち、レジストパターン81の大きさ(サイズ)とマスクパターン71の大きさ(サイズ)とは実質的に同一となる。そして、後述するように、マスクパターン71の大きさ(サイズ)は、凸構造部3の大きさ(サイズ)よりも大きく、凸構造部3の上面部31を包摂可能な大きさで構成される。よって、レジストパターン81の大きさ(サイズ)も、凸構造部3の大きさ(サイズ)よりも大きく、凸構造部3の上面部31を包摂可能な大きさで構成される。
[マスクパターン形成工程]
上記のようにして形成されたレジストパターン81をエッチングマスクとし、開口部から露出するハードマスク層70を、例えば、塩素系(Cl+O)のエッチングガスを用いてドライエッチングすることで、基材2’の第1面21’上にマスクパターン71を形成する(図9(C)参照)。
マスクパターン71は、後述するウェットエッチング工程において、凸構造部3を形成するためのマスクとして用いられる。そして、凸構造部3を形成するためのウェットエッチング工程においては、いわゆるサイドエッチングが起こり、基材2’が横方向(面内方向)にエッチングされる。そのため、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)は、マスクパターン71の大きさ(サイズ)よりも小さくなる。すなわち、マスクパターン71の大きさ(サイズ)は、凸構造部3の上面部31の大きさ(サイズ)よりも大きく構成される。マスクパターン71の大きさ(サイズ)は、基材2’のサイドエッチング量等に応じて設定されればよく、例えば、1μm〜200μm程度大きければよい。
[ウェットエッチング工程]
上記のようにして形成されたマスクパターン71をマスクとして基材2’にウェットエッチング処理を施し、残存するマスクパターン71を除去する。ウェットエッチング処理におけるエッチング液としては、例えばフッ酸等が好適に用いられる。これにより凸構造部3が形成される(図9(D)参照)。
[窪み部形成工程]
続いて、基材2’の第2面22’に研削加工を施すことで、窪み部4を形成する(図9(E)参照)。本実施形態においては、基材2’の周縁部近傍における複屈折量が5nm/cm以上であることで、窪み部4を形成するための研削加工により、基材2’の内部応力が緩和される。この内部応力の緩和により、基材2の第2面22が凸状に突出するインプリントモールド用基板1が作製され得る。また、基材2’の最大複屈折量が4nm/cm以上である場合も同様に、窪み部4を形成するための研削加工により、基材2’の内部応力が緩和される。この内部応力の緩和により、基材2の第2面22が凸状に突出するインプリントモールド用基板1が作製され得る。
〔インプリントモールドの製造方法〕
上記のようにして作製されたインプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部31(パターン領域)に、凹凸パターン11に対応するハードマスクパターンを形成し、ハードマスクパターンをマスクとしてインプリントモールド用基板1にドライエッチング処理を施し、凸構造部3の上面に凹凸パターン11を形成することで、インプリントモールド10(図8参照)を製造することができる。インプリントモールド用基板1のドライエッチングは、当該インプリントモールド用基板1の構成材料の種類に応じて適宜エッチングガスを選択して行われ得る。エッチングガスとしては、例えば、フッ素系ガス等を用いることができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本開示をさらに詳細に説明するが、本開示は、下記の実施例等により何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
[インプリントモールド用基板の作製]
第1面及びそれに対向する第2面を有する石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板の周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量を、複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定した。各点の複屈折量の測定値の算術平均値は、7nm/cmであった。
また、第2面の3点基準面に直交する方向において、3点基準面から見た第2面の最高点及び3点基準面の間の長さと、3点基準面から見た第2面の最低点及び3点基準面の間の長さとの合計値(TIR(Total Indicator Reading))を、平坦度測定装置(Tropel社製,製品名:Flatmaster)を用いて測定した。当該合計値は1.0μmであった。
次に、第1面上にクロム(Cr)からなるハードマスク層(厚さ100nmをスパッタリングにより形成し、当該ハードマスク層上に、凸構造部に対応するレジストパターン(30mm×25mm)を形成した。レジストパターンをマスクとしたドライエッチング処理によりハードマスクパターンを形成し、当該ハードマスクパターンをマスクとし、エッチング液としてフッ酸を用いたウェットエッチング処理により、石英ガラス基板の第1面から突出する凸構造部を形成した。そして、第2面に研削加工を施して窪み部(φ64mm)を形成することで、インプリントモールド用基板を作製した。
上記のようにして作製したインプリントモールド用基板の周縁部(周縁部から10nm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量を、複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定した。各点の複屈折量の測定値の算術平均値は、6nm/cmであった。
また、上記インプリントモールド用基板の基材の第2面を上方に位置させ、基材の第1面を下方に位置させた状態での基材の厚さ方向に沿った、基材の平面視における幾何学的中心を通る切断面(X切断面)及びX切断面に直交する切断面(Y切断面)のそれぞれにおいて、窪み部の第1周縁部から基材の外周縁に向かう方向における距離(幅)D1が5mmの範囲における第1箇所の高さ位置と、窪み部の第2周縁部から基材の外周縁に向かう方向における距離(幅)D2が5mmの範囲における第2箇所の高さ位置とを、平坦度測定装置(Tropel社製,製品名:Flatmaster)を用いて測定した。当該差分は0.09μmであった。
さらに、基材の第2面側の平面視において、窪み部の幾何学的中心を中心とする仮想円VCの線分を第1領域(窪み部の周縁部から5mmの範囲)内に位置させたときに、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分を、平坦度測定装置(Tropel社製,製品名:Flatmaster)を用いて測定した。当該差分は0.09μmであった。
さらにまた、インプリントモールド用基板の基材の第2面を上方に位置させ、基材の第1面を下方に位置させた状態での当該基材の任意の側面(X側面)及びそれに直交する側面(Y側面)のそれぞれにおいて、第1領域は、第1領域の外周縁から内周縁に向かって凸状に構成されており、かつ第1領域内を1mm×1mmのグリッドで分割し、各グリッドの高さ位置を平坦度測定装置(Tropel社製,製品名:Flatmaster)を用いて測定した。測定した各グリッドの高さ位置を、1次導関数の符号が変わらない近似関数を用いて最小二乗法でフィッティングした。その結果、当該近似関数と高さ位置の計測値との最大の差分がX側面において28nmであり、Y側面において29nmであった。
[インプリントモールドの作製]
上記インプリントモールド用基板の凸構造部上に、金属クロムからなるハードマスク層及び電子線感応性レジスト層をその順に形成し、電子線描画装置を用いた描画処理により、レジストパターンを形成した。当該レジストパターンをマスクとしたハードマスク層のドライエッチング処理によりハードマスクパターンを形成し、当該ハードマスクパターンをマスクとしたドライエッチング処理により、凸構造部上に凹凸パターンを形成した。このようにして、インプリントモールドを作製した。
[転写パターンの位置精度]
上記のようにして作製したインプリントモールドと、被転写基板としてのシリコンウエハとを準備し、インプリント装置のモールドホルダにインプリントモールドを吸着保持させ、基板ステージにシリコンウエハを保持させた。そして、インプリントモールドの外周面の4方向のそれぞれから同一の圧力で押圧した状態で、シリコンウエハ上に塗布されたインプリント樹脂とインプリントモールドの凹凸パターンとの間にインプリント樹脂を展開させた。当該インプリント樹脂を硬化させた後、インプリントモールドを引き離すことで、シリコンウエハ上にレジストパターンを形成した。
シリコンウエハ上に形成されたレジストパターンの位置精度を、座標測定装置(ケーエルエー・テンコール社製、IPRO Series)を用いて計測した。その結果、レジストパターンの位置精度(3σ)は、X方向が1.0nm、Y方向が1.2nmであった。
〔実施例2〕
[インプリントモールド用基板の作製]
実施例1と同様にして測定された、周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量の測定値の算術平均値が6nm/cmであり、上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))が2.1μmである石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量、第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
[インプリントモールド用基板の作製]
実施例1と同様にして測定された、周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量の測定値の算術平均値が5nm/cmであり、上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))が2.2μmである石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量、第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
[インプリントモールド用基板の作製]
実施例1と同様にして測定された、周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量の測定値の算術平均値が6nm/cmであり、上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))が1.9μmである石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量、第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表1に示す。
〔実施例5〕
[インプリントモールド用基板の作製]
実施例1と同様にして測定された、周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量の測定値の算術平均値が5nm/cmであり、上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))が1.5μmである石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量、第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表1に示す。
〔実施例6〕
[インプリントモールド用基板の作製]
実施例1と同様にして測定された、周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量の測定値の算術平均値が6nm/cmであり、上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))が1.4μmである石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量、第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表1に示す。
〔実施例7〕
[インプリントモールド用基板の作製]
実施例1と同様にして測定された、周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量の測定値の算術平均値が5nm/cmであり、上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))が1.5μmである石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量、第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
[インプリントモールド用基板の作製]
実施例1と同様にして測定された、周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量の測定値の算術平均値が3nm/cmであり、上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))が1.5μmである石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量、第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を実施例1と同様にして測定した。結果を表2に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表2に示す。
〔比較例2〕
[インプリントモールド用基板の作製]
実施例1と同様にして測定された、周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量の測定値の算術平均値が2nm/cmであり、上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))が1.7μmである石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量、第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を実施例1と同様にして測定した。結果を表2に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表2に示す。
〔比較例3〕
[インプリントモールド用基板の作製]
実施例1と同様にして測定された、周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量の測定値の算術平均値が2nm/cmであり、上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))が2.0μmである石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量、第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を実施例1と同様にして測定した。結果を表2に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表2に示す。
〔比較例4〕
実施例1と同様にして測定された、周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量の測定値の算術平均値が2nm/cmであり、上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))が2.3μmである石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の周縁部(周縁部から10mm幅の範囲)において任意に選択した10点の複屈折量、第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を実施例1と同様にして測定した。結果を表2に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表2に示す。
〔実施例8〕
[インプリントモールド用基板の作製]
第1面及びそれに対向する第2面を有する石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板の中央に位置する110mm×110mmの計測領域内を5mm×5mmのグリッドで分割し、各グリッドの複屈折量を複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、最大複屈折量を求めた。当該石英ガラス基板の最大複屈折量は、4.3nm/cmであった。実施例1と同様にして測定された上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))は2.1μmであった。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の最大複屈折量を、複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、実施例1と同様にして第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を測定した。結果を表3に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表3に示す。
〔実施例9〕
[インプリントモールド用基板の作製]
第1面及びそれに対向する第2面を有する石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板の中央に位置する110mm×110mmの計測領域内を5mm×5mmのグリッドで分割し、各グリッドの複屈折量を複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、最大複屈折量を求めた。当該石英ガラス基板の最大複屈折量は、4.6nm/cmであった。実施例1と同様にして測定された上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))は2.2μmであった。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の最大複屈折量を、複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、実施例1と同様にして第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を測定した。結果を表3に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表3に示す。
〔実施例10〕
[インプリントモールド用基板の作製]
第1面及びそれに対向する第2面を有する石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板の中央に位置する110mm×110mmの計測領域内を5mm×5mmのグリッドで分割し、各グリッドの複屈折量を複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、最大複屈折量を求めた。当該石英ガラス基板の最大複屈折量は、7.0nm/cmであった。実施例1と同様にして測定された上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))は1.9μmであった。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の最大複屈折量を複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、実施例1と同様にして第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を測定した。結果を表3に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表3に示す。
〔実施例11〕
[インプリントモールド用基板の作製]
第1面及びそれに対向する第2面を有する石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板の中央に位置する110mm×110mmの計測領域内を5mm×5mmのグリッドで分割し、各グリッドの複屈折量を複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、最大複屈折量を求めた。当該石英ガラス基板の最大複屈折量は、4.2nm/cmであった。実施例1と同様にして測定された上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))は2.1μmであった。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の最大複屈折量を、複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、実施例1と同様にして第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を測定した。結果を表3に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表3に示す。
〔実施例12〕
[インプリントモールド用基板の作製]
第1面及びそれに対向する第2面を有する石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板の中央に位置する110mm×110mmの計測領域内を5mm×5mmのグリッドで分割し、各グリッドの複屈折量を複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、最大複屈折量を求めた。当該石英ガラス基板の最大複屈折量は、4.1nm/cmであった。実施例1と同様にして測定された上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))は2.0μmであった。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の最大複屈折量を、複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、実施例1と同様にして第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を測定した。結果を表3に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表3に示す。
〔実施例13〕
[インプリントモールド用基板の作製]
第1面及びそれに対向する第2面を有する石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板の中央に位置する110mm×110mmの計測領域内を5mm×5mmのグリッドで分割し、各グリッドの複屈折量を複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、最大複屈折量を求めた。当該石英ガラス基板の最大複屈折量は、3.9nm/cmであった。実施例1と同様にして測定された上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))は1.9μmであった。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の最大複屈折量を、複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、実施例1と同様にして第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を測定した。結果を表3に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表3に示す。
〔比較例5〕
[インプリントモールド用基板の作製]
第1面及びそれに対向する第2面を有する石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板の中央に位置する110mm×110mmの計測領域内を5mm×5mmのグリッドで分割し、各グリッドの複屈折量を複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、最大複屈折量を求めた。当該石英ガラス基板の最大複屈折量は、2.0nm/cmであった。実施例1と同様にして測定された上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))は2.3μmであった。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の最大複屈折量を、複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、実施例1と同様にして第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を測定した。結果を表3に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表3に示す。
〔比較例6〕
[インプリントモールド用基板の作製]
第1面及びそれに対向する第2面を有する石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板の中央に位置する110mm×110mmの計測領域内を5mm×5mmのグリッドで分割し、各グリッドの複屈折量を複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、最大複屈折量を求めた。当該石英ガラス基板の最大複屈折量は、1.9nm/cmであった。実施例1と同様にして測定された上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))は2.3μmであった。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の最大複屈折量を、複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、実施例1と同様にして第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を測定した。結果を表3に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表3に示す。
〔比較例7〕
[インプリントモールド用基板の作製]
第1面及びそれに対向する第2面を有する石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板の中央に位置する110mm×110mmの計測領域内を5mm×5mmのグリッドで分割し、各グリッドの複屈折量を複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、最大複屈折量を求めた。当該石英ガラス基板の最大複屈折量は、1.8nm/cmであった。実施例1と同様にして測定された上記合計値(TIR(Total Indicator Reading))は2.4μmであった。当該石英ガラス基板を用いて実施例1と同様にしてインプリントモールド用基板を作製した。
このようにして作製したインプリントモールド用基板の最大複屈折量を、複屈折測定装置(UNIOPT社製、製品名:ABR−10A)を用いて測定し、実施例1と同様にして第1箇所の高さ位置と第2箇所の高さ位置との差分(X切断面、Y切断面)、第1領域内に位置する仮想円の線分上の最大高さ位置と最小高さ位置との差分、及び近似関数と高さ位置との最大の差分(X側面、Y側面)を測定した。結果を表3に示す。
[インプリントモールドの作製及び転写パターンの位置精度]
上記インプリントモールド用基板を用いて、実施例1と同様にしてインプリントモールドを作製し、当該インプリントモールドを用いてシリコンウエハ上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンの位置精度を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2020057783
Figure 2020057783
Figure 2020057783
表1及び表2、並びに表3に示す結果から明らかなように、インプリントモールド用基板の第2面の第1領域が実質的に平滑な面により構成されている実施例1〜13においては、それから作製されたインプリントモールドにおいて高精度に倍率補正が可能であることから、高い位置精度でインプリント処理をすることができることが確認された。
1…インプリントモールド用基板
2…基材
21…第1面
22…第2面
3…凸構造部
31…上面部
4…窪み部
10…インプリントモールド
11…凹凸パターン

Claims (13)

  1. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基材と、
    前記基材の前記第1面に設定され、凹凸パターンが形成され得るパターン領域と、
    前記第2面に形成されてなる窪み部と
    を備え、
    前記パターン領域は、前記窪み部を前記基材の前記第1面側に投射した投影領域内に包摂され得る大きさを有し、
    前記第2面を、前記窪み部の周縁を囲む第1領域と前記第1領域の外周を囲む第2領域とに区分したときに、少なくとも前記第1領域内は、実質的に平滑な面により構成されるインプリントモールド用基板。
  2. 前記基材の前記第2面を上方に位置させ、前記基材の前記第1面を下方に位置させた状態での前記基材の厚さ方向に沿った断面視において、前記窪み部の両側における前記第1領域の高さ位置が実質的に一致している
    請求項1に記載のインプリントモールド用基板。
  3. 前記基材の前記第2面側の平面視において、前記窪み部の幾何学的中心を中心とし、前記第1領域内に位置する円の線分上の高さ位置が実質的に一致している
    請求項1又は2に記載のインプリントモールド用基板。
  4. 少なくとも前記第1領域内には、局所的な凹部及び/又は凸部が実質的に存在しない
    請求項1〜3のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
  5. 前記基材の前記第2面を上方に位置させ、前記基材の前記第1面を下方に位置させた状態での前記基材の側面視において、前記第1領域内における前記第2面は、前記第1領域の外周縁から内周縁に向かって凸状であって、前記第1領域内における前記第2面を所定の近似関数を用いた最小二乗法でフィッティングした場合に、当該近似関数との差分が30nm以下となる面であり、
    前記近似関数は、当該近似関数の1次導関数の符号の正負が変化しない関数である
    請求項1〜4のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
  6. 前記基材の周縁部近傍において計測される複屈折量が5nm/cm以上である
    請求項1〜5のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
  7. 前記窪み部は、一方面及び前記一方面に対向する他方面を有する基板の前記他方面を研削加工することにより形成されるものであり、
    前記基板の最大複屈折量が4nm/cm以上である
    請求項1〜5のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
  8. 前記基材の最大複屈折量が3nm/cm超である
    請求項1〜5のいずれかに記載のインプリントモールド用の基板。
  9. 前記基材の前記第1面側には、前記第1面から突出する凸構造部が設けられており、
    前記パターン領域は、前記凸構造部の上面部に設定される
    請求項1〜8のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の前記パターン領域に形成されてなる凹凸パターンを有するインプリントモールド。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のインプリントモールド用基板を製造する方法であって、
    一方面及び当該一方面に対向する対向面を有する基板を準備する工程と、
    前記基板の前記対向面に前記窪み部を形成する工程と
    を有し、
    前記基板の前記対向面は、所定の基準面及び前記対向面の最高点の間の前記基準面に直交する長さと、前記基準面及び前記対向面の最低点の間の前記基準面に直交する長さとの合計値が2.2μm以下となる面であり、
    前記基準面は、前記対向面上において任意に選択される3点を含む3点基準面である
    インプリントモールド用基板の製造方法。
  12. 前記基板の最大複屈折量が4nm/cm以上である
    請求項11に記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の前記パターン領域に凹凸パターンを形成する工程を有する
    インプリントモールドの製造方法。

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