JP2014225648A - インプリント用モールドおよびインプリント方法 - Google Patents
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インプリント方法に使用するモールドは、通常、モールド用の基材に電子線感応型のレジストを塗布し、このレジストに電子線描画を行ってレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをエッチングマスクとして基材をエッチングして凹凸パターンを形成することにより製造される。しかし、電子線描画を用いる電子線リソグラフィは、高価な描画装置を使用し、描画に長時間を要するため、モールドの製造コストが上昇するという問題があった。また、インプリントにおいて、モールドと転写基板との間に異物が混入すると、両者が大きな損傷を受け、損傷を受けたモールドは再使用が困難となるので、電子線リソグラフィで製造した高価なモールドを損失してしまうという問題があった。
上記のような電子線リソグラフィによるマスターモールドの製造では、予め設計された設計座標に基づいて電子線描画が行われるが、マスターモールドを用いて製造されるレプリカモールドにおけるパターン座標は、インプリント時に発生する誤差要因により、当初の設計座標との間にズレを生じている。また、レプリカモールドを用いてウエハ基板等の転写基板に形成されるパターン構造体におけるパターン座標も、インプリント時に発生する誤差要因により、当初の設計座標との間にズレを生じている。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、モールドと樹脂層との離型時に樹脂層に生じる変形を抑制し、計測マークを高い精度で形成することができるインプリント用のモールドと、このようなモールドを用いたインプリント方法を提供することを目的とする。
本発明の他の態様として、前記パターン集合体を構成する前記パターンが隣接する間隔は、前記計測マーク用構造体により形成された計測マークを検出する際に使用する位置検出装置の解像度未満であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記パターン集合体の外形の平面視形状が長方形状であり、該長方形状の寸法は、前記計測マーク用構造体により形成された計測マークを検出する際に使用する位置検出装置の解像度以上であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記計測マーク用構造体は、平面視形状が一定角度90°の4回軸を有する回転対称であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記計測領域の平面視形状は正方形状であり、該正方形状の中心と前記計測マーク用構造体の回転対称の4回軸とが一致するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記副構造体は2種以上のパターン集合体を有し、前記平坦部に隣接して位置するパターン集合体は、ライン/スペース形状であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記平坦部の寸法は、前記計測マーク用構造体により形成された計測マークを検出する際に使用する位置検出装置の解像度以上であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記計測マーク用構造体は、平面視形状が一定角度90°の4回軸を有する回転対称であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記計測領域の平面視形状は正方形状であり、該正方形状の中心と前記計測マーク用構造体の回転対称の4回軸とが一致するような構成とした。
本発明のインプリント方法は、高精度のパターン構造体を安定して作製することができる。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
図1は、本発明のインプリント用のモールドの一実施形態を説明するための側面図であり、図2は、図1に示されるインプリント用のモールドの部分拡大平面図である。図1および図2において、インプリント用モールド1は基材2と、この基材2の一の面2aに設定された凹凸構造領域Aと非凹凸構造領域Bを備えている。凹凸構造領域Aは、インプリントにより所望のパターン構造体を形成するための凹凸構造(図示せず)を有している。この凹凸構造領域Aには、主パターン領域4と非主パターン領域5が設定されている。主パターン領域4は、形成目標とするパターン構造体を形成するための凹凸構造を備える領域である。図示例では、主パターン領域4は碁盤目形状に設定され、各主パターン領域4の間隙部位に非主パターン領域5が縦横に格子形状に設定されている。尚、図2では、主パターン領域4と非主パターン領域5との境界を鎖線で示している。そして、本実施形態では、凹凸構造領域Aの中で非主パターン領域5に計測領域が設定されている。
図3では、計測領域6の外周を二点鎖線で示している。モールド1の凹凸構造領域Aに設定する計測領域6の位置は、上記の位置に限定されるものではなく、凹凸構造領域Aに設定されている主パターン領域4と非主パターン領域5の数、大きさや、主パターン領域4に設けられている凹凸構造等を考慮して適宜設定することができる。また、設定する計測領域6の数も、上記と同様に、凹凸構造領域Aに設定されている主パターン領域4と非主パターン領域5の数、大きさや、主パターン領域4に設けられている凹凸構造等を考慮して適宜設定することができる。
また、被成形樹脂とモールドとの引き剥がしを容易とするために、モールド1の凹凸構造領域Aの表面に離型剤層を備えていてもよい。
モールド1の基材2の厚みは、一の面2aに備える凹凸構造の形状、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。尚、基材2は、凹凸構造領域Aの表面が、その周囲の非凹凸構造領域Bに対して2段以上の凸構造となっていてもよい。
パターン集合体7bは、外形の平面視形状が長方形状であり、図5では、1個のパターン集合体7bについて、平面視形状を鎖線で示している。この長方形状の寸法は、計測マーク用構造体7により形成された計測マークを検出する際に使用する位置検出装置の解像度以上であって、視野に収まる範囲で適宜設定することができ、例えば、一般的な視野として30μmを設定した場合、長手方向を2〜22μm、好ましくは5〜15μm程度、幅方向を0.1〜5μm、好ましくは0.3〜1μm程度とすることができる。特に、パターン集合体7bの幅方向の寸法が小さい方が、離型時の変形の影響を受け難くなり好ましいが、小さすぎると、位置検出の際に参照できる領域が小さくなり、誤差が大きくなるので、この点を考慮して幅方向の寸法を設定することが好ましい。また、パターン集合体7bを構成するライン/スペース形状のパターンは、ラインの長手方向が直近の計測領域6の端辺と平行となっている。計測領域6の外形寸法L1、パターン集合体7bが位置する領域の長さL2、計測領域6の外周端とパターン集合体7bが位置する領域との距離L3は、例えば、上述と同様の範囲で適宜設定することができる。
計測マーク用構造体17を構成する平坦部18の寸法は、計測マーク用構造体17により形成された計測マークを検出する際に使用する位置検出装置の解像度以上であって、視野に収まる範囲で適宜設定することができ、例えば、一般的な視野として30μmを設定した場合、長手方向を2〜22μm、好ましくは5〜15μm程度、幅方向を0.1〜5μm、好ましくは0.3〜1μm程度とすることができる。尚、計測マーク用構造体17を構成する平坦部18は、下記のように図13A、図13Bで凸部、図13C、図13Dで凹部となっているが、適宜設定することができる。
また、副構造体19を構成するパターン集合体19bのドット形状の凹部の内径、あるいは、凸部の直径、および、ドット形状の配列ピッチは、計測マーク用構造体17により形成される計測マークの変形を抑制できるように設定することができる。例えば、ドット形状の凹部の内径、あるいは、凸部の直径は0.05〜1μm程度、ドット形状の凹部や凸部の配列ピッチは0.1〜2μm程度の範囲で適宜設定することができ、これらの寸法は、計測マークを検出する位置検出装置の解像度未満であることが好ましい。また、ドット形状の凹部、凸部の平面視形状は特に制限はなく、正方形状、円形状、正方形の四隅が丸まった形状等、適宜設定することができる。
上記のような副構造体19における凹部の深さ、あるいは、凸部の高さは、主パターン領域4が備える凹凸構造の凹部の深さ、あるいは、凸部の高さを考慮して適宜設定することができる。尚、パターン集合体19aライン/スペース形状のライン数は、図示例に限定されるものではない。
また、計測マーク用構造体17を構成する副構造体19は、被成形樹脂とモールドとの離型において、計測マーク用構造体17により形成される計測マークの太り、細り、曲がり等の変形を抑制するものである。計測領域6の外形寸法L1、平坦部18を設ける領域の長さL2、計測領域6の外周端と平坦部18を設ける領域との距離L3は、副構造体19がこのような作用を発現するように設定することができ、例えば、上述と同様の範囲で適宜設定することができる。このような副構造体19は、図15Aで示される断面形状では、凸部であり、したがって、ライン/スペース形状のパターン集合体19aのライン部位が凸部であり、パターン集合体19bは複数のドット形状の凸部パターンの集合体である。また、副構造体19は、図15Bで示される断面形状では、凹部であり、したがって、ライン/スペース形状のパターン集合体19aのライン部位が凹部であり、パターン集合体19bは複数のドット形状の凹部パターンの集合体である。
また、副構造体19を構成するパターン集合体19bのドット形状の凹部の内径、あるいは、凸部の直径、および、ドット形状の配列ピッチは、計測マーク用構造体17により形成される計測マークの変形を抑制できるように設定することができる。例えば、ドット形状の凹部の内径、あるいは、凸部の直径は0.05〜1μm程度、ドット形状の凹部や凸部の配列ピッチは0.1〜2μm程度の範囲で適宜設定することができ、これらの寸法は、計測マークを検出する位置検出装置の解像度未満であることが好ましい。また、ドット形状の凹部、凸部の平面視形状は特に制限はなく、正方形状、円形状、正方形の四隅が丸まった形状等、適宜設定することができる。
このような本発明のインプリント用のモールドは、硬化後の被成形樹脂とモールドとの離型時に生じる変形を抑制し、計測マークを高い精度で形成することができ、これにより、モールドを用いたパターン構造体の形成におけるパターンのズレの大きさ、方向を正確に検出することが可能となり、モールド設計における設計座標等の修正が容易となり、また、インプリント時にモールドに所望の変形を付与して行うパターン精度の補正の制御が容易となる。
上述のインプリント用のモールドの実施形態は例示であり、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。例えば、非主パターン領域5には、上記の計測領域6の他に、例えば、被成形樹脂とモールドとの引き剥がしを容易なものとし、主パターン領域4に形成されるパターン構造体の変形を抑制するための凹凸構造等が配設される領域が設定されていてもよい。
本発明のインプリント方法は、樹脂供給工程、接触工程、硬化工程、離型工程を有している。そして、離型工程の後に、パターン構造体と共に形成されている計測マークの位置を必要に応じて検出する検出工程を有している。
このような本発明のインプリント方法を、上述の本発明のインプリント用のモールド1を使用した場合を例として、図16A〜図16Dを参照しながら説明する。尚、図16A〜図16Dでは、モールド1が凹凸構造領域Aに具備している凹凸構造(図示では凹部)を便宜的に鎖線で示し、この凹凸構造において、主パターン領域4に位置する凹凸構造と、計測領域6に位置する計測マーク用構造体7の区別はなされていない。
樹脂供給工程では、インプリント用の転写基板21上の所望の領域に、インクジェットヘッド(図示せず)から被成形樹脂の液滴31を吐出して供給する(図16A)。
本発明のインプリント方法に使用する転写基板21は適宜選択することができ、例えば、石英やソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板、金属基板、あるいは、これらの材料の任意の組み合わせからなる複合材料基板であってよい。また、例えば、半導体やディスプレイ等に用いられる微細配線や、フォトニック結晶構造、光導波路、ホログラフィのような光学的構造等の所望のパターン構造物が形成されたものであってもよい。
また、転写基板21上に供給する被成形樹脂の液滴31の個数、隣接する液滴の距離は、個々の液滴の滴下量、必要とされる光硬化性樹脂の総量、基板に対する光硬化性樹脂の濡れ性、後工程である接触工程におけるモールド1と転写基板21との間隙等から適宜設定することができる。
次に、モールド1と転写基板21を近接させて、このモールド1と転写基板21との間に樹脂の液滴31を展開して光硬化性樹脂層32を形成する(図16B)。
図示例では、モールド1の凹凸構造領域Aは、メサ構造である転写基板21の凸構造部位22と対向するように位置している。
次いで、モールド1側から光照射を行い、光硬化性樹脂層32を硬化させて、モールド1の凹凸構造が転写された転写樹脂層35とする(図16C)。この硬化工程では、転写基板21が光透過性の材料からなる場合、転写基板21側から光照射を行ってもよく、また、転写基板21とモールド1の両側から光照射を行ってもよい。
また、被成形樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、被成形樹脂層32に対して加熱処理を施すことにより硬化させることができる。
次に、離型工程にて、転写樹脂層35とモールド1を引き離して、転写樹脂層35であるパターン構造体41を転写基板21上に位置させた状態とする(図16D)。
<検出工程>
検出工程では、パターン構造体と共に形成されている計測マークの位置を必要に応じて検出する。
このような本発明のインプリント方法は、半導体デバイスの製造や、マスターモールドを用いたレプリカモールドの製造等に使用することができる。そして、マスターモールドに予め複数の計測マーク用構造体を設けておき、マスターモールドを用いて作製したレプリカモールドに形成された計測マークや、レプリカモールドを用いて作製したパターン構造体に形成された計測マークを測定することにより、設計座標に対するズレの大きさ、方向を検出することができる。これにより、モールド設計における設計座標等の修正が容易となる。また、インプリント時にモールドに所望の変形を付与して行うパターン精度の補正の制御が容易となる。したがって、本発明のインプリント方法は、高精度のパターン構造体を安定して作製することができる。
上述のインプリント方法の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
<モールドの作製>
平板形状の基材として、石英ガラス基板(152mm×152mm、厚み6.35mm)を準備し、この基材の一の面の中央に、25mm×30mmの凹凸構造領域を設定した。
次いで、レジストパターンを介してクロム薄膜をエッチングしてハードマスクを形成した。
次に、上記のように形成したハードマスクを介して基材(石英ガラス)に対しエッチングを実施して、インプリント用のマスターモールドを作製した。
レプリカモールド用の転写基板として、中央に25mm×30mm、高さ30μmの凸構造部位を有するメサ構造の石英ガラス基板(152mm×152mm、厚み6.35mm)を準備した。この転写基板の凸構造部位に、光硬化性の被成形樹脂の液滴を、インクジェット装置を用いて供給した。
上記のように被成形樹脂を供給した転写基板とマスターモールドを近接させ、マスターモールドと転写基板との間に液滴を展開して、光硬化性樹脂層を形成した。
次いで、インプリント装置の照明光学系から平行光(ピーク波長が365nmの紫外線)をマスターモールド側に1000mJ/cm2の条件で照射した。これにより、マスターモールド側から光照射を行い、光硬化性樹脂層を硬化させて、マスターモールドの凹凸構造が転写された転写樹脂層とした。
次に、転写樹脂層とマスターモールドを引き離して、転写樹脂層であるパターン構造体を転写基板上に位置させた状態とした。
マスターモールドの計測マーク用構造体と、レプリカモールド用の転写基板上に位置するパターン構造体と共に形成されている計測マークについて、各計測領域にて、図17に示すようなX方向、Y方向における端部の位置を検出した。さらに、レプリカモールド用の転写基板上に位置する計測マークについては、各計測領域における計測マークの幅を測定した。そして、レプリカモールド用の転写基板上の計測マークの位置と、マスターモールドの計測マーク用構造体の位置との変位量の差分を、X方向、Y方向についてそれぞれ求め、その標準偏差σを算出した。また、X方向、Y方向における計測マークの幅の標準偏差σを算出した。その結果、下記の表1にも示すように、X方向における計測マーク位置の変位量の3σは2.13nmであり、Y方向における計測マーク位置の変位量の3σは3.48nmであった。このX方向とY方向の変位量の3σの差異については、碁盤目形状に設定された主パターン領域におけるパターンのライン/スペースの方向の影響を受けたものと推測される。また、X方向における計測マークの幅の3σは6.3nmであり、Y方向における計測マークの幅の3σは6.5nmであり、計測マークの変形が十分に抑制されていることが確認された。尚、計測マークの端部位置の検出は、ケーエルエー・テンコール社製 IPRO Seriesを用いて行った。
<モールドの作製>
電子線描画の設計座標の各計測領域において、平面視形状が長方形状(1μm×8μm)である4個の非描画領域を、一辺12μmの正方形の各辺に位置するように設定した。また、この長方形状の4個の非描画領域の長辺に沿って、各ラインの長手方向が当該長辺と直交するように配置され、各ラインの長さが1μmであるライン/スペース形状(ライン:0.2μm、スペース:0.2μm)の画素領域を設定した。さらに、この画素領域と上記の非画素領域とを除く計測領域内に、各ラインの長手方向がY方向(図12参照)となるように配置されるライン/スペース形状(ライン:0.2μm、スペース:0.2μm)の描画領域を設定した。各計測領域を上記のように設定した他は、実施例1と同様にして、マスターモールドを作製した。
<パターン形成>
このように作製したマスターモールドを使用して、実施例1と同様にして、レプリカモールド用のパターン構造体を転写基板上に形成した。
マスターモールドの計測マーク用構造体と、レプリカモールド用の転写基板上に位置するパターン構造体と共に形成されている計測マークについて、各計測領域にて、図18に示すようなX方向、Y方向における平坦部の端部の位置を検出した。さらに、レプリカモールド用の転写基板上に位置する計測マークについては、各計測領域の計測マークにおける平坦部の幅を測定した。そして、レプリカモールド用の転写基板上の計測マークの位置と、マスターモールドの計測マーク用構造体の位置との変位量の差分を、X方向、Y方向についてそれぞれ求め、その標準偏差σを算出した。また、X方向、Y方向における計測マークの幅の標準偏差σを算出した。その結果、下記の表1にも示すように、X方向における計測マーク位置の変位量の3σは2.11nmであり、Y方向における計測マーク位置の変位量の3σは3.33nmであった。このX方向とY方向の変位量の3σの差異については、碁盤目形状に設定された主パターン領域におけるパターンのライン/スペースの方向の影響、および、計測領域内におけるパターン集合体bのライン/スペースの方向の影響を受けたものと推測される。また、X方向における計測マークの幅の3σは5.7nmであり、Y方向における計測マークの幅の3σは5.9nmであり、計測マークの変形が十分に抑制されていることが確認された。尚、計測マークの端部位置の検出は、実施例1と同様の装置を使用した。
<モールドの作製>
電子線描画の設計座標の各計測領域において、平面視形状が長方形状(1μm×8μm)の4個の描画領域が、一辺12μmの正方形の各辺に位置するように設定した他は、実施例1と同様にして、マスターモールドを作製した。
このマスターモールドは、各計測領域に、平面視形状が長方形状(1μm×8μm)の4個の凹部が、一辺12μmの正方形の各辺に位置するように形成されてなる計測マーク用構造体を備えるものであった。そして、計測マーク用構造体は、計測領域の中心を一定角度90°の4回軸とする回転対称であった。
<パターン形成>
このように作製したマスターモールドを使用して、実施例1と同様にして、パターン構造体を転写基板上に形成した。
マスターモールドの計測マーク用構造体と、レプリカモールド用の転写基板上に位置するパターン構造体と共に形成されている計測マークについて、実施例1と同様に測定し、レプリカモールド用の転写基板上の計測マークの位置と、マスターモールドの計測マーク用構造体の位置との変位量の差分を、X方向、Y方向についてそれぞれ求め、その標準偏差σを算出した。また、X方向、Y方向における計測マークの幅の標準偏差σを算出した。その結果、下記の表1にも示すように、X方向における計測マーク位置の変位量の3σは2.27nmであり、Y方向における計測マーク位置の変位量の3σは4.15nmであった。このX方向とY方向の変位量の3σの差異については、碁盤目形状に設定された主パターン領域におけるパターンのライン/スペースの方向の影響を受けたものと推測される。また、X方向における計測マークの幅の3σは6.5nmであり、Y方向における計測マークの幅の3σは6.7nmであり、実施例1および実施例2に比べて、計測マークの変形が大きいことが確認された。
2…基材
4…主パターン領域
5…非主パターン領域
6…計測領域
7…計測マーク用構造体
7a,7b,7c,7d,7e…パターン集合体
17…計測マーク用構造体
18…平坦部
19…副構造体
19a,19b…パターン集合体
A…凹凸構造領域
21…転写基板
31…液滴
32…被成形樹脂層
35…転写樹脂層
47…計測マーク
Claims (14)
- 基材と、該基材の一の面に設定された凹凸構造領域と、該凹凸構造領域に設定された計測領域と、該計測領域に位置する計測マーク用構造体を有し、該計測マーク用構造体は、パターン集合体を複数有し、各パターン集合体はライン/スペース形状であることを特徴とするインプリント用モールド。
- 前記パターン集合体のライン幅およびスペース幅の少なくとも一方は、前記計測マーク用構造体により形成された計測マークを検出する際に使用する位置検出装置の解像度未満であることを特徴とする請求項1に記載のインプリント用モールド。
- 基材と、該基材の一の面に設定された凹凸構造領域と、該凹凸構造領域に設定された計測領域と、該計測領域に位置する計測マーク用構造体を有し、該計測マーク用構造体は、パターン集合体を複数有し、各パターン集合体は平面視形状が一定角度90°の4回軸を有する回転対称であるパターンの集合であることを特徴とするインプリント用モールド。
- 前記パターン集合体を構成する前記パターンが隣接する間隔は、前記計測マーク用構造体により形成された計測マークを検出する際に使用する位置検出装置の解像度未満であることを特徴とする請求項3に記載のインプリント用モールド。
- 前記パターン集合体の外形の平面視形状が長方形状であり、該長方形状の寸法は、前記計測マーク用構造体により形成された計測マークを検出する際に使用する位置検出装置の解像度以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインプリント用モールド。
- 前記計測マーク用構造体は、平面視形状が一定角度90°の4回軸を有する回転対称であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインプリント用モールド。
- 前記計測領域の平面視形状は正方形状であり、該正方形状の中心と前記計測マーク用構造体の回転対称の4回軸とが一致することを特徴とする請求項6に記載のインプリント用モールド。
- 基材と、該基材の一の面に設定された凹凸構造領域と、該凹凸構造領域に設定された計測領域と、該計測領域に位置する計測マーク用構造体を有し、該計測マーク用構造体は、平坦部と、該平坦部の周囲に位置する副構造体からなり、該副構造体は、複数の微細パターンが配列したパターン集合体であることを特徴とするインプリント用モールド。
- 前記副構造体を構成する前記微細パターンの幅および前記微細パターンの間隔の少なくとも一方は、前記計測マーク用構造体により形成された計測マークを検出する際に使用する位置検出装置の解像度未満であることを特徴とする請求項8に記載のインプリント用モールド。
- 前記副構造体は2種以上のパターン集合体を有し、前記平坦部に隣接して位置するパターン集合体は、ライン/スペース形状であることを特徴とする請求項9に記載のインプリント用モールド。
- 前記平坦部の寸法は、前記計測マーク用構造体により形成された計測マークを検出する際に使用する位置検出装置の解像度以上であることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれかに記載のインプリント用モールド。
- 前記計測マーク用構造体は、平面視形状が一定角度90°の4回軸を有する回転対称であることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載のインプリント用モールド。
- 前記計測領域の平面視形状は正方形状であり、該正方形状の中心と前記計測マーク用構造体の回転対称の4回軸とが一致することを特徴とする請求項12に記載のインプリント用モールド。
- 請求項1乃至請求項13のいずれかに記載のモールドと転写基板の少なくとも一方に被成形樹脂を供給する樹脂供給工程と、
前記モールドと前記転写基板を近接させて、前記モールドと前記転写基板との間に前記被成形樹脂を展開して被成形樹脂層を形成する接触工程と、
前記被成形樹脂層を硬化させて前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、
前記転写樹脂層と前記モールドを引き離して、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、を有し、
前記離型工程後に、パターン構造体として形成されている計測マーク用構造体の位置を必要に応じて検出する検出工程を有することを特徴とするインプリント方法。
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