JP2020112416A - 乗員位置推定システム - Google Patents

乗員位置推定システム Download PDF

Info

Publication number
JP2020112416A
JP2020112416A JP2019002927A JP2019002927A JP2020112416A JP 2020112416 A JP2020112416 A JP 2020112416A JP 2019002927 A JP2019002927 A JP 2019002927A JP 2019002927 A JP2019002927 A JP 2019002927A JP 2020112416 A JP2020112416 A JP 2020112416A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
occupant
communication device
radio wave
seat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019002927A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7206926B2 (ja
Inventor
誠 河津
Makoto Kawazu
誠 河津
浅井 健太郎
Kentaro Asai
健太郎 浅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2019002927A priority Critical patent/JP7206926B2/ja
Publication of JP2020112416A publication Critical patent/JP2020112416A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7206926B2 publication Critical patent/JP7206926B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】乗員が持つ全ての携帯機を用いることなく、乗員の位置を推定することができる乗員位置推定システムを提供する。【解決手段】車両用システム100では、車両側通信機20は相互に通信する通信部22と受信した送信信号の受信強度であるRSSI値を検出する検出部として機能する制御部23を有する。複数の車両側通信機20は、乗員43の有無を検出できるように、座席42を複数の仮想直線Lのいずれかが通過するように車両側通信機20が搭載されている。推定部34は、RSSI値を用いて電波送信源からの電波を受信した車両側通信機20の間の乗員43の有無を推定する。これによって乗員43の携帯機10を用いることなく、乗員43の位置を推定する。【選択図】図2

Description

この明細書における開示は、車両の乗員の位置を取得する乗員位置推定システムに関する。
従来、車両に搭載された車載器と車両のユーザが有する携帯機との無線通信による認証が成功したことに基づいて、車両のドアの施解錠やエンジン始動等の種々の制御を実行するシステムが知られている。
また車両内に持ち込まれた携帯機の位置を特定するとともに、特定した携帯機の位置に対応する座席を、その携帯機のユーザが着座している座席とみなすことで、ユーザに応じた個別サービスを提供するシステムが知られている(たとえば特許文献1参照)。
特開2017−118485号公報
前述の特許文献1に記載の技術では、乗員の位置を取得するために乗員全員が携帯機を持っている必要がある。しかしながら、携帯機を持っていない乗員もいるため、その場合は乗員の位置を取得することができないという問題があった。
そこで、開示される目的は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、乗員が持つ全ての携帯機を用いることなく、乗員の位置を推定することができる乗員位置推定システムを提供することを目的とする。
本開示は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
ここに開示された乗員位置推定システムは、車両(40)に搭載される複数の通信機(20)と、通信機を制御する制御部(30)とを備え、車室内に着座する乗員(43)の位置を推定する乗員位置推定システムであって、通信機は、他の通信機と無線通信を用いて相互に通信する通信部(22)と、他の通信機からの送信信号を受信した場合、受信した送信信号の受信強度を検出する検出部(23)と、を含み、複数の通信機のうち1つの通信機と他の通信機とを結ぶ仮想直線(L)を通信機のそれぞれにおいて形成した場合、車両にある予め定められた座席(42)を複数の仮想直線のいずれかが通過するように車両に通信機が搭載されており、制御部は、複数の通信機から電波を送信する通信機を選択し、選択した通信機を電波送信源として電波を送信させる送信制御部(33)と、電波送信源が送信した電波を受信した通信機が備える検出部が検出した受信強度を用いて、電波送信源と電波を受信した通信機との間にある座席に対する乗員の有無を推定する推定部(34)と、を備える乗員位置推定システムある。
このような乗員位置推定システムに従えば、通信機は相互に通信する通信部と受信した送信信号の受信強度を検出する検出部とを有する。そして複数の通信機は、乗員の有無を検出できるように、座席を複数の仮想直線のいずれかが通過するように通信機が搭載されている。このように座席を通過する仮想直線の位置にある2つの通信機が通信し、その間の乗員がいる場合には、乗員がいない場合に比べて送信信号の受信強度が減衰する。そこで推定部は、受信強度を用いて電波送信源からの電波を受信した通信機の間の乗員の有無を推定する。これによって乗員の携帯機を用いることなく、乗員の位置を推定することができる。
なお、前述の各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の車両用システムのブロック図 車両側通信機の配置を示す図 乗車パターンを説明する図 検出パターンを説明する図 乗員推定処理を含む処理のタイムチャート 乗員推定処理を含む他の処理のタイムチャート 制御装置の処理を示すフローチャート 乗員推定処理を示すフローチャート 車両側通信機の処理を示すフローチャート 制御装置からの要求受信処理を示すフローチャート 通信部からの結果受信処理を示すフローチャート 通信部の処理を示すフローチャート 制御装置の更新処理を示すフローチャート 車両側通信機の第1の配置例を示す図 乗員推定処理を説明する図 車両側通信機の第2の配置例を示す図 リアルタイムに行われる乗員推定処理を説明する図 開閉したドア付近の乗員推定処理を説明する図 携帯機を用いて乗員推定処理を説明するタイムチャート
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態を用いて説明する。各実施形態で先行する実施形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付すか、または先行の参照符号に一文字追加し、重複する説明を略する場合がある。また各実施形態にて構成の一部を説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している実施形態と同様とする。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
本開示の第1実施形態に関して、図1〜図13を用いて説明する。車両用システム100は、携帯機10、車両側通信機20および制御装置30を含んで構成される。車両用システム100は、ユーザに携帯される携帯機10と車両40に設けられる車両側通信機20との無線通信を介した制御装置30での照合によって認証を行い、認証が成立した場合に、認証対象としての車両40の制御を可能にするPEPS(Passive Entry Passive Start)機能を有する。車両用システム100のうちPEPS機能に関する構成が電子キーシステムに相当する。電子キーシステムは、車両側通信機20からのリクエスト信号に応答して携帯機10からレスポンス信号が送信され、レスポンス信号に基づいて車両40のドア41の施錠および解錠を行うシステムである。また本実施形態の車両用システム100では、車両側通信機20同士の無線通信を用いて、車室内に着座する乗員43の位置を推定する乗員位置推定システムの機能を有する。
携帯機10は、電子キーの機能を有する。携帯機10は、ユーザによって操作されるスイッチ11、無線通信でデータを送受信する無線通信部12、および無線通信部12を制御する無線制御部13を含んで構成される。携帯機10は、小型専用機のFobであってもよいし、電子キーの機能を有する多機能携帯電話機などの携帯端末であってもよい。携帯機10は、PEPS(Passive Entry Passive Start)機能に関する処理を実行可能である。携帯機10は、PEPS機能に関する処理として、車両側通信機20から送信される、認証用コードを要求する要求信号を無線通信で受信した場合に、認証用コードを含む応答信号を無線通信で送信するように構成される。
本実施形態では、携帯機10は、Bluetooth(登録商標) Low Energy(略称:BLE)の近距離無線通信規格に沿って通信を行う通信機能を有する多機能携帯電話機によって実現される。車両側通信機20と携帯機10とは、BLEの近距離無線通信規格に沿って無線通信を行う。BLEの近距離無線通信規格に沿った通信は、コネクション型の通信であって、通信相手と通信を開始する前に通信相手との間で確立する仮想的な専用通信路であるコネクションを通じてデータの送受信を行う。
次に、車両側通信機20に関して説明する。車両側通信機20は、車両40に複数搭載される。車両側通信機20は、PEPS機能の実現のため、および乗員43の有無を検出するために、車種ごとに最適な配置となるように搭載される。車両側通信機20は、携帯機10と通信するとともに、他の車両側通信機20と通信する。換言すると、車両側通信機20は、相互に通信する。車両側通信機20は、制御装置30と有線で接続され、制御装置30とは有線を用いて通信する。
車両側通信機20は、図1に示すように、アンテナ21と通信部22と通信機用制御部(以下、単に制御部ということがある)23と受信強度測定部24を含んで構成される。アンテナ21は、BLEで用いられる2.4GHz帯の電波を送受信する。また車両側通信機20は、図2に示すように、4つのドア41のそれぞれに外側と内側とに搭載される。ドア41の内側の車両側通信機20とドア41の外側の車両側通信機20とは、機能自体は同一だが、アンテナ21が車外に設けられるものが外側の車両側通信機20であり、アンテナ21が車内に設けられるものが内側の車両側通信機20である。
一例として、車両側通信機20は、図2に示すように、12個搭載されている。車両側通信機20は、前述のように4つのドア41のそれぞれに2つ搭載される。さらに車両40の左右方向の中央であって、前後方向に4つ並ぶように搭載される。中央前方の車両側通信機20はインパネ44付近に搭載され、前方から2番目の車両側通信機20はセンターコンソール45付近に搭載され、前方から3番目の車両側通信機20は荷室46付近に搭載され、前方から4番目、すなわち最も後方の車両側通信機20は荷室46のドア41に搭載される。
車外のアンテナ21は、車体の車室外側に設けられていればよく、樹脂等の電波を遮蔽しにくい部材でカバーされているなど露出している構成に限らない。なお、車両側通信機20の全体が車外に設けられている構成に限らず、車両側通信機20のうちの少なくとも一部のアンテナ21が車外に設けられている構成であってもよい。
アンテナ21は、BLEで用いられる2.4GHz帯の電波を送受信する。アンテナ21は、送信アンテナと受信アンテナとが一体であってもよいし、別体であってもよい。
通信部22は、BLEの近距離通信規格に沿った通信を行うのに必要な回路を有しており、アンテナ21を介してデータの送受信を行う。通信部22は、通信相手と一対一のコネクションを確立し、コネクションを確立した通信相手とデータの送受信を行う。通信部22は、携帯機10とコネクションを確立する場合には、前述した要求信号の携帯機10への送信、及び携帯機10からの応答信号の受信を行う。また通信部22は、他の車両側通信機20とコネクションを確立する場合には、他の車両側通信機20からの各種データの受信を行う。通信部22は、受信したデータを制御部23に出力する。
受信強度測定部24は、アンテナ21で受信した電波の受信強度(以下、RSSI)を測定する。受信強度測定部24は、RSSIを測定して制御部23に出力する。このRSSI測定部が検出部に相当する。通信部22は、携帯機10とコネクションを確立して通信を行っている場合、つまり、コネクション型通信を行っている場合には、通信相手からデータを受信しつつ、このコネクション型通信に用いられる電波のRSSIを測定してRSSIを特定する。
さらに通信部22は、自装置がコネクション型通信を行っていない場合には、他の車両側通信機20が行っているコネクション型通信に用いられる電波のスニッフィング、すなわち傍受によって、この電波をアンテナ21で受信してRSSIを特定する。これによれば、自装置でコネクション型通信を行わなくても、携帯機10および他の車両側通信機20からの電波のRSSIを特定することができる。
制御部23は、通信部22で受信したデータ、受信強度測定部24で特定したRSSIを制御装置30に送る。制御部23は、通信部22で携帯機10から応答信号を受信した場合には、受信した応答信号のデータと特定するRSSIとを制御装置30に送る。また、制御部23は、通信部22で他の車両側通信機20からデータを受信した場合には、受信したデータと特定するRSSIとを制御装置30に送る。なお、制御部23は、通信部22がスニッフィングによってRSSIを特定する場合には、特定するRSSIを制御装置30に送る。
本実施形態では車両側通信機20と制御装置30とが有線で接続されており、制御部23が、通信部22で受信したデータ、受信強度測定部24で特定するRSSIを、通信I/Fを介して有線で制御装置30に送る。制御装置30と車両側通信機20とは有線でデータ、RSSIを送る構成に限らず、低周波数帯の電波などによる無線通信でデータおよびRSSIを送る構成としても構わない。
次に、車両側通信機20の搭載位置に関して図2を用いて説明する。前述のように車両側通信機20は、乗員43の有無を検出するために車種ごとに最適な配置となるように搭載される。具体的には、複数の車両側通信機20うち1つの車両側通信機20と他の車両側通信機20とを結ぶ仮想直線Lを車両側通信機20のそれぞれにおいて形成した場合、車両40にある予め定められた座席42を複数の仮想直線Lのいずれかが通過するように搭載されている。図2で仮想線で示すように車両40には4つの座席42、すなわち前方に運転席42aと助手席42b、後方に2人分の座席42がある。
図2では、斜線を施して示す3つの車両側通信機20について仮想直線Lの一部を示している。センターコンソール45の車両側通信機20と運転席42aのドア41および助手席42bのドア41に搭載される車両側通信機20と結ぶ仮想直線Lは、運転席42aおよび助手席42bを通過する仮想直線Lとなる。同様に、荷室46の車両側通信機20と4つのドア41に搭載される車両側通信機20と結ぶ仮想直線Lは、4つ座席42を通過する仮想直線Lとなる。さらに運転席42aの後方の座席42のドア41の車両側通信機20は、他の車両側通信機20と結ぶ仮想直線Lは4つ座席42を通過する仮想直線Lとなる。このように12個の車両側通信機20によって、様々な方向から4つの座席42を通過する仮想直線Lを形成することができる。
次に、制御装置30に関して説明する。制御装置30は、プロセッサ、メモリ、I/O、およびこれらを接続するバスを備えるマイクロコンピュータを主体として構成され、メモリに記憶された制御プログラムを実行することでPEPS機能に関する処理等の各種の処理を実行する電子制御装置である。制御装置30は、車両40の水温センサ、開閉センサおよび外気温センサなど各種センサ47などから情報を取得し各部を制御する。このプロセッサがこの制御プログラムを実行することは、制御プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。ここで言うところのメモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体(non- transitory tangible storage medium)である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。
制御装置30は、PEPS機能部31および位置判定機能部32を機能ブロックとして備えている。なお、制御装置30が実行する機能の一部又は全部を、一つ或いは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、制御装置30が備える機能ブロックの一部又は全部は、プロセッサによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
PEPS機能部31は、PEPS機能に関する処理を行う。より詳しくは、所定のトリガを検出した場合に、要求信号を送信させるよう車両側通信機20に要求して、車両側通信機20から要求信号を送信させる。所定のトリガとしては、(1)自車が駐車しており、且つ、アウタードアハンドルに設けられたドアハンドルSWが操作されたこと、(2)自車が駐車しており、且つ、自車の走行駆動源の始動を要求するためのプッシュSWが操作されたこと等がある。続いて、PEPS機能部31は、車両側通信機20で携帯機10から受信した応答信号と、車両側通信機20で特定するRSSIとを取得する。
PEPS機能部31は、携帯機10の位置を推定する位置推定部としての機能も有する。PEPS機能部31は、ユーザが携帯する携帯機10が送信する電波を車両側通信機20が受信し、受信した電波の電波強度に基づく距離推定を基づいて携帯機10の位置を推定する。具体的にはPEPS機能部31は、複数の車両側通信機20で特定するRSSIをもとに、車両40内外における携帯機10の位置を特定する。より詳しくは、車両40内外における携帯機10の位置に応じて、複数の車両側通信機20で携帯機10から受信した電波のRSSIのパターンが変化することを利用し、PEPS機能部31は、複数の車両側通信機20で特定するRSSIをもとに、車両40内外における携帯機10の位置を特定する。
一例として、PEPS機能部31は、複数の車両側通信機20のうち少なくとも3つでのRSSIを用いて、三角測量の原理により携帯機10の位置を特定すればよい。他にも、ユーザの携帯機10の携帯態様別の、複数の車両側通信機20でのRSSIのパターンと携帯機10の位置との対応関係を示すマップ等をシミュレーション、実験等で求めて予め制御装置30のメモリに格納しておき、この対応関係を用いて携帯機10の位置を特定する構成としてもよい。
さらに、PEPS機能部31は、応答信号に含まれる認証用コードを用いて認証を行い、RSSIをもとに特定する携帯機10の位置と認証の成立有無とに応じて、車両40のドア41の施解錠、車両40の走行駆動源の始動許可等を行う。
次に、乗員判定機能部に関して説明する。乗員判定機能部は、車室内に着座する乗員43の位置の推定に関する乗員推定処理を行う。位置判定機能部32は、図1に示すように、送信制御部33、推定部34および更新部35をサブ機能ブロックとして備えている。送信制御部33は、複数の車両側通信機20から電波を送信する車両側通信機20を選択し、選択した車両側通信機20を電波送信源として電波を送信させる。推定部34は、電波送信源が送信した電波を受信した車両側通信機20が検出したRSSIを用いて、電波送信源と電波を受信した車両側通信機20との間にある座席42に対する乗員43の有無を推定する。更新部35は、推定部34によって乗員43の有無を推定する判断の基準となる情報を車室内が無人のときに更新する。
具体的な乗員推定処理について、図3および図4を用いて説明する。図3では、3つの乗車パターンを示している。乗車パターン1では、後部左側の席に乗員43がいるパターンである。乗車パターン2では、運転席42aに乗員43がいるパターンである。乗車パターン3では、後部右側を除く3つの座席42に乗員43がいるパターンである。このような場合、荷室46付近の車両側通信機20からの電波は、人体で大きく減衰するので、図3で破線で示す経路では乗員43を通過する経路となるため乗員43がいない場合に比べてRSSIの値が減少することになる。そして3つの乗車パターンでは、それぞれ減衰する経路が異なる。これによって荷室46付近の車両側通信機20において、どの経路に乗員43がいるかを推定することができる。
さらに図4では、3つの検出パターンを示している。検出パターン1では、荷室46付近の車両側通信機20が電波送信源となっているパターンである。検出パターン2では、後方右側ドア41の内側の車両側通信機20が電波送信源となっているパターンである。検出パターン3では、センターコンソール45の車両側通信機20が電波送信源となっているパターンである。そして乗員43が後部左側にいる場合、3つの検出パターンにおいて破線で示す経路では乗員43を通過する経路となるため乗員43がいない場合に比べてRSSIの値が減少する。そして3つの検出パターンでは、それぞれ減衰する経路が異なる。
乗員判定機能部は、検出パターンで検出される減衰経路が、どのような乗車パターンに該当するかを判断し、乗員43の乗車位置を推定する。換言すると、複数の車両側通信機20から取得されるRSSIの組み合わせパターンを特定することで、着座位置および乗車人数を推定する。各車両側通信機20が電波送信源としたきの、他の車両側通信機20が取得するRSSI値のパターンは、乗員43の有無を推定する判断の基準となる情報であり、予めメモリに記憶されている。しかし検出されるRSSIの値は、乗員43の体格、ヒップポイントのズレ、車外環境などで変動する。このような値の変動も考慮するため、たとえば機械学習を利用して閾値を設定する。機械学習アルゴリズムは、たとえばサポートベクターマシンを用いる。機械学習の入力は各着座位置に着座したときのRSSIのデータ群および正解となる着座位置を使い、機械学習させ学習モデルを構築する。これによって閾値を効率よく設定することができる。
次に図5を用いて、乗員推定処理の流れの一例に関して説明する。図5では、複数の車両側通信機20のアンテナ21のうち2つのアンテナ21をアンテナ1およびアンテナ2と示し、他のアンテナ21はアンテナnとして示している。
時刻t1で、乗員43が車両40に接近し、時刻t2で解錠操作をすると、制御装置30にアンロック信号を送信される。制御装置30は、アンロック信号を認証し、解錠する。その後、時刻t3では、乗員43がドア41を開けると、ドアセンサから制御装置30にドア開信号が送信される。時刻t4では、乗員43が乗車し、時刻t5でドア41を閉めると、ドアセンサから制御装置30にドア閉信号が送信される。
すると、時刻t6にて、乗員推定処理を開始するため、乗員推定するための準備信号を各アンテナ21に制御装置30から送信する。準備信号によって各アンテナ21は、電源オンとなり受信待機状態となる。時刻t7で乗員推定処理を開始し、電波送信源となるアンテナ21を選択し、選択したアンテナ1に発信要求信号を送信する。これによってアンテナ21は電波を発信し、そのリスポンスとして他のアンテナ21は受信した電波のRSSIの値と、自身の識別信号を制御装置30に送信する。
時刻t8にて、制御装置30は受信したRSSIの値のパターンから乗員人数と着座位置を推定する。さらに電波送信源となるアンテナ21を選択し、選択したアンテナ2に発信要求信号を送信する。これによってアンテナ2は電波を発信し、そのリスポンスとして他のアンテナ21は受信した電波のRSSIの値と、自身の識別信号を制御装置30に送信する。
時刻t9にて、制御装置30は受信したRSSIの値のパターンと前回までに推定した情報から乗員人数と着座位置を推定する。時刻t8から時刻t9までの乗員推定処理を所定回数繰り返し、時刻t10にて終了条件が成立すると、各アンテナ21に乗員推定処理を終了するため、終了信号を各アンテナ21に制御装置30から送信する。これによって時刻t7からの一連の乗員推定処理を終了する。終了条件は、たとえば時刻t7から一定時間を経過した場合、およびドア41が閉まっている状態から開いた場合などである。
次に図6を用いて、乗員推定処理の流れの他の例に関して説明する。時刻t1から時刻t6までの処理は前述の図5と同じである。また図5の時刻t7〜時刻t9までの処理をまとめて図6では、乗員推定処理と記載している。
そして終了条件が成立した後の時刻t11で乗員43によって施錠操作がされると、制御装置30にロック信号を送信される。制御装置30は、ロック信号を認証し、施錠する。すると、時刻t12にて、乗員推定処理を開始するため、乗員推定するための準備信号を各アンテナ21に制御装置30から送信する。次に時刻t12では、乗員推定処理が実施される。
時刻t13の乗員推定処理は、時刻t7からの乗員推定処理と同じである。したがって乗員推定処理は、施錠操作がされても実施される。そして時刻t14にて、終了条件が成立すると、各アンテナ21に乗員推定処理を終了するため、終了信号を各アンテナ21に制御装置30から送信する。
このように乗員推定処理が実施されるタイミングとして、たとえばドア41が開から閉になった場合、ドア41が施錠された場合、車両40が走行を開始した場合、一定時間たった場合などに実施されることが好ましい。一定時間たった後に実施すると、車室内で乗員43が席移動したことも検出することができる。
次に図7を用いて、制御装置30の処理に関して説明する。制御装置30は、図7に示す処理を電源投入状態で実行する。ステップS11では、乗員検知タイミングであるか否かを判断し、乗員検知タイミングである場合には、ステップS12に移り、乗員検知タイミングになるまでステップS11を繰り返す。
ステップS12では、乗員検知タイミングであるので、乗員検知の開始要求を各アンテナ21に送信し、ステップS13に移る。ステップS13では、乗員推定処理を開始し、ステップS14に移る。ステップS14では、終了条件を満足したか否かを判断し、満足した場合には、本フローを終了し、終了条件を満足するまでステップS13の処理を繰り返す。このように乗員検知タイミングになると乗員推定処理が実施される。そして終了条件が成立するまで乗員推定処理が繰り返し実施される。
次に図8を用いて、乗員推定処理の具体的な内容に関して説明する。乗員推定処理が開始されると、ステップS21では、BLE電波を発信する電波送信源となるアンテナ21を選定し、ステップS22に移る。ステップS22では、ステップS21で選定したアンテナnからBLE電波を発信するように発信要求を送信し、ステップS23に移る。
ステップS23では、ステップS22の送信に対する応答信号の受信処理をし、ステップS24に移る。ステップS24では、所定のアンテナ21の本数、受信処理を完了したか否かを判断し、アンテナ21の本数分の受信処理が完了した場合には、ステップS25に移り、完了していない場合には、ステップS23に戻る。
ステップS25では、全てのアンテナ21の受信処理が完了したので、受信したRSSI値に基づいて、乗員人数と着座位置の推定処理を実施し、本フローを終了する。推定処理では、前述のように予め設定される閾値などと比較することによって、乗員人数と着座位置とを推定することができる。
次に図9を用いて、車両側通信機20の制御に関して説明する。車両側通信機20の制御部23は、図9に示す処理を電源投入状態で実行する。ステップS31では、制御装置30からの要求受信処理を実行し、ステップS32に移る。ステップS32ではアンテナ21の電源がONであるか否かを判断し、ONである場合には、ステップS33に移り、ONでない場合には、本フローを終了する。ステップS33では、アンテナ21の電源がオンであるので、通信部22からの結果受信処理を実行し、本フローを終了する。
次に図10を用いて、制御装置30からの要求受信処理の具体的な内容に関して説明する。要求受信処理が開始されると、ステップS41では受信処理を実施し、ステップS42に移る。受信処理はアンテナ21から通信部22を介して信号を受信した場合に、受信した情報を把握する処理である。
ステップS42では、受信した内容が制御装置30からの指示要求であるか否かを判断し、指示要求である場合には、ステップS43に移り、指示要求でない場合は、本フローを終了する。ステップS43では、制御装置30から要求を受信したので、要求が乗員検知終了コマンドであるか否かを判断し、乗員検知終了コマンドである場合には、ステップS44に移り、乗員検知終了コマンドでない場合には、ステップS45に移る。ステップS44では、乗員検知終了コマンドを受信したので、各アンテナ21の電源をオフにして本フローを終了する。
ステップS45では、受信した要求が乗員検知開始コマンドであるか否かを判断し、乗員検知開始コマンドである場合には、ステップS46に移り、乗員検知開始コマンドでない場合には、ステップS47に移る。ステップS46では、乗員検知開始コマンドを受信したので、各アンテナ21の電源をオンにして、本フローを終了する。
ステップS47では、受信した要求が自身に対する発信要求コマンドであるか否かを判断し、発信要求コマンドである場合には、ステップS48に移り、発信要求コマンドでない場合には、本フローを終了する。ステップS48では、発信要求コマンドを受信したので、所定のアンテナ21から電波を発信するように制御し、本フローを終了する。
このように要求受信処理では、受信を開始する場合にはアンテナ21の電源をONにし、処理を終了する場合にはアンテナ21の電源をOFFにし、発信する必要があるときには電波を発信するように制御する。
次に図11を用いて、通信部22からの要求受信処理の具体的な内容に関して説明する。要求受信処理が開始されると、ステップS51では受信処理を実施し、ステップS52に移る。受信処理はアンテナ21から通信部22を介して信号を受信した場合に、受信した情報を把握する処理である。
ステップS52では、制御装置30から要求を受信したので、要求が結果処理コマンドであるか否かを判断し、結果処理コマンドである場合には、ステップS53に移り、結果処理コマンドでない場合には、本フローを終了する。ステップS53では、結果処理コマンドを受信したので、受信した電波のRSSI値と自身のアンテナナンバー(No)を送信し、本フローを終了する。
このように通信部22からの要求受信処理では、結果処理コマンドを受信した場合には、RSSI値とアンテナNoを送信するように制御される。
次に図12を用いて、通信部22の制御に関して説明する。車両側通信機20の通信部22は、図12に示す処理を電源投入状態で実行する。ステップS61では、初期化処理を実施し、各種の設定などを初期化し、ステップS62に移る。ステップS62では、制御部23からコマンドを受信できる状態に制御し、ステップS63に移る。ステップS63では、コマンドを受信したか否かを判断し、受信した場合には、ステップS64に移り、受信していない場合には、ステップS62に戻る。
ステップS64では、受信したコマンドが送信コマンドであるか否かを判断し、送信コマンドである場合には、ステップS65に移り、送信コマンドでない場合には、ステップS66に移る。ステップS65では、送信コマンドであるので、アンテナ21から情報を送信するように制御し、本フローを終了する。ステップS66では、送信コマンドでないので、アンテナ21を受信状態として、本フローを終了する。
このように制御部23からのコマンドが送信コマンドであるとアンテナ21から情報を送信するように制御する。
次に図13を用いて、制御装置30の更新部35における処理に関して説明する。制御装置30は、図13に示す処理を電源投入状態で繰り返し実行する。ステップS71では、車両40の全ドア41が閉であり、かつロック状態が一定時間継続したか否かを判断し、条件を満たした場合には、ステップS72に移り、条件を満たしてなければ本フローを終了する。
ステップS72では、条件を満たしたのでキャリブレーションを開始し、ステップS73に移る。キャリブレーションでは、乗員43がいない状態におけるRSSI値のデータを更新するため、各車両側通信機20を順番に電波送信源として、受信したRSSI値を取得する。これによって乗員43がいない場合のRSSI値を取得する。
ステップS73では、キャリブレーションが終了する前に、ドア41がアンロックされたか否かを判断し、アンロックされたらステップS75に移り、アンロックされてなければステップS74に移る。ステップS75では、ドア41がアンロックされたのでキャリブレーションを中止し、本フローを終了する。
ステップS74では、キャリブレーションが完了したか否かを判断し、完了した場合には、ステップS76に移り、完了していない場合には、ステップS73に戻る。ステップS76では、キャリブレーションが完了したので、キャリブレーションの結果を反映するように各種のデータを更新し、本フローを終了する。
このように乗員43がいない状態が所定時間、たとえば数十分続いた場合には、キャリブレーションを実施する。これによって乗員43がいない場合のRSSI値を更新して、乗員43の推定精度を向上することができる。
以上説明したように本実施形態の車両用システム100では、車両側通信機20は相互に通信する通信部22と受信した送信信号の受信強度であるRSSI値を検出する検出部として機能する制御部23を有する。そして複数の車両側通信機20は、乗員43の有無を検出できるように、図2に示すように座席42を複数の仮想直線Lのいずれかが通過するように車両側通信機20が搭載されている。このように座席42を通過する仮想直線Lの位置にある2つの車両側通信機20が通信し、その間の乗員43がいる場合には、乗員43がいない場合に比べて送信信号のRSSI値が減衰する。そこで推定部34は、RSSI値を用いて電波送信源からの電波を受信した車両側通信機20の間の乗員43の有無を推定する。これによって乗員43の携帯機10を用いることなく、乗員43の位置を推定することができる。
また本実施形態では、送信制御部33は、複数の車両側通信機20を電波送信源として電波を送信するように制御する。したがって図4に示すように、様々な方向から仮想直線Lが座席42を通過させることができるので、乗員43の位置の推定精度を向上することができる。
さらに本実施形態では、全ての座席42について図3および図4に示すように仮想直線Lが複数通過するように車両側通信機20が配置されている。そして送信制御部33は、1つの座席42に対する複数の仮想直線Lを形成する複数の電波送信源から電波を送信するように制御する。さらに推定部34は、送信制御部33が、1つの座席42に対する複数の仮想直線Lを形成する複数の電波送信源から電波を送信したときは、1つの座席42に対する複数の仮想直線Lを形成する複数の車両側通信機20が検出したRSSI値に基づいて乗員43の有無を推定する。これによって単一の仮想直線Lを用いて推定するよりも推定精度を向上することができる。
また本実施形態では、図13に示すように、推定部34によって乗員43の有無を推定する判断の基準となる情報を車室内が無人のときに更新する更新部35をさらに有する。更新部35によって推定の判断材料を更新することができるので、たとえばチャイルドシートが設置されている場合にはチャイルドシートによる減衰を考慮して情報を更新することができる。具体的には、チャイルドシートが配置されると、電波状況が工場出荷時から変わってしまう。またチャイルドシートの取り付け位置によっても電波状況は変わるので、チャイルドシート配置後の確実に乗員43がいないと判断される状況で、情報を更新するため電波状況の学習を行う。
このように本実施形態では、内外の各所に配置した車両側通信機20のアンテナ21の1つを電波送信源として利用することで、他のアンテナ21が受信したRSSIのパターンから、乗車人数や乗員着座位置を推定している。さらに、電波送信源となるアンテナ21を順次切り替えることで、着座位置におけるアンテナ21と電波送信源との死角をなくすことができる。また既にPEPSシステムを搭載している車両40においては、制御プログラムを追加するだけで本実施形態の乗員推定機能を実現することができる。したがってPEPSシステムに対して低いコストで乗員推定機能を追加することができる。また定期的に乗員推定処理を実施することによって、車両40内で乗員43が移動した場合であっても移動後の乗員43の位置を推定することができる。
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態に関して、図14〜図16を用いて説明する。本実施形態では、車両側通信機20の配置位置に特徴を有する。図14および図15が第1の配置例であり、図16が第2の配置例である。
図14に示すように、第1の配置例では車両側通信機20は6個車室内に設けられている。6個のうち、1つの車両側通信機20(図14では「A」と示す)は車室内の天井に設けられており、他の5個はそれぞれ座席42の座面部に設けられている。したがって定員が5人である車両40において、前席の2席はそれぞれの座席42に対応する位置に、後席の3席は背もたれに対応する位置に車両側通信機20が設けられている。そして天井に設けられている車両側通信機20は、他の5個の車両側通信機20との仮想直線Lは上下方向に向けて延びる。したがって5つの車両側通信機20と天井の車両側通信機20とは、着座する乗員43を臀部や背中から頭上に向けて通過するような仮想直線Lを形成する。
さらに後部座席42には、図15に示すように、車両40の後席中央、後席左側および後席右側のそれぞれの座席42の背部である背もたれに設けられている。したがって後部座席42の3席のそれぞれに対応するように車両側通信機20が配置されている。これによって後部座席42に3人が座っているか2人が座っているかの推定精度を向上することができる。
このように配置であると天井の車両側通信機20を電波送信源となるように制御すると、5人の乗員43に対する位置推定を同時に行うことができる。したがって少ない車両側通信機20であっても乗員43の位置を推定することができる。
また第2の配置例では、各座席42を前後に挟むように7個の車両側通信機20が車室内に設けられている。具体的には、5つの座席42の背もたれのそれぞれに車両側通信機20が設けられている。そして運転席42aおよび助手席42bの前方に運転者と助手席42bの乗員43を前後に挟むように車両側通信機20がインパネ44に設けられている。これによって図16に示すように乗員43を前後に通過するような仮想直線Lを形成することができる。
このように配置であると運転席42aおよび助手席42bの2つの車両側通信機20を順次、電波送信源となるように制御すると、5人の乗員43に対する位置推定を行うことができる。したがって前述の第1の配置例と同様に第1実施形態よりも少ない車両側通信機20であっても乗員43の位置を推定することができる。
また本実施形態では、天井に車両側通信機20を配置しているが、天井に限るものではない。たとえば図14に示すように、車両40の中心位置であれば天井に限るものではく、センターコンソール45付近に配置しても同様の作用および効果を奏することができる。センターコンソール45付近に配置された車両側通信機20は、後方の3つの座席42とはそれぞれ座席42に対応する仮想直線Lを形成することができる。さらに運転席42aと助手席42bの車両側通信機20も座席42の各ドア41付近に配置すると同様に各座席42を通過する仮想直線Lを形成することができる。
(第3実施形態)
次に、本開示の第3実施形態に関して、図17および図18を用いて説明する。本実施形態では、ドア41の開閉の情報を用いて、乗車中の状況をリアルタイムで監視して乗員43の位置を推定する点に特徴を有する。
車両40にはドア41の開閉を検知する開閉センサ47が設けられている。開閉センサ47は、ドア41の開閉状態を制御装置30に与える。制御装置30は、車両40のドア41の開閉を取得する取得部の機能を有し、開閉センサ47から情報を取得する。
また本実施形態では、ドア41が開になると、乗員検知を開始して、乗員推定処理を実施する。したがって制御装置30は、ドア41が開いたことを取得した場合には、推定部34による乗員の有無の推定の定期的な監視を開始する。したがって乗員推定処理は、定期的に実施される。これによってドア41が開になってから乗員43が乗車した場合および降車した場合をリアルタイムで監視することができる。
さらに図17に示すように、ドア41が開状態になってステップS81で乗員推定処理が開始されると、ステップS82では1人の乗員43が後部座席42に乗車したとカウントする。人数をカウントするためには、ドア41が開状態で乗車または降車するときにRSSI値が変化する車両側通信機20を電波送信源として用いる。これによって人数をカウントすることができる。
さらにステップS83で、もう1人の乗員43が後部座席42に着座すると、後部座席42に乗車した人数が2人であるとカウントする。ステップS84で、さらにもう1人の乗員43が後部座席42に着座すると、後部座席42に乗車した人数が3人であるとカウントする。そしてステップS84では、後部座席の3人の乗員が接触したくっついた状態であると、推定部34が2人であると推定するおそれがある。そうするとRSSI値を用いた推定人数とドア41が開のときにカウントした人数とが異なる。このような場合には、カウントした人数が正しいとして3人が後部座席42に着座していると推定する。その後、ドア41が閉となるが、引き続き前述の第1実施形態の図6と同様に乗員推定処理が繰り返し実施される。
このようにステップS83とステップS84とでは、RSSI値の検知パターンとカウントが異なるので、制御装置30は2人の場合と3人の場合とを区別する可能性を高くすることができる。したがって後部座席42に3人がくっついて座った場合でも、後部座席42に3人座っていると高精度で推定することができる。
さらに図18に示すように、ドア41が開閉した場合に開閉したドア41の近くの座席42を優先的に乗員43の有無を推定するように処理をしてもよい。具体的には、送信制御部33は、ドア41が開いた後にドア41が閉じたことを取得した場合には、ドア41を開閉して乗車する座席42に対する乗員43の有無を推定するための電波送信源として予め定められた車両側通信機20を電波送信源とするように制御する。
図18に示すように、助手席42bのドア41が開から閉になった状態で、ステップS91では助手席42bのドア41の車両側通信機20を電波送信源とするように制御し、ステップS92に移る。ステップS92では、車両40前方中央の車両側通信機20を電波送信源となるように制御し、ステップS93に移る。ステップS93では、車両40左方後方のドア41の車両側通信機20を電波送信源となるように制御し、ステップS94に移る。ステップS94では車両40中央の車両側通信機20を電波送信源となるように制御する。
このように助手席42bを取り囲む4つの車両側通信機20を順次、電波送信源となるように制御する。また4つの車両側通信機20を電波送信源とする順番は、特に限定しない。これによってドア41の開閉による乗員43の変化を短時間で高精度に推定することができる。
本実施形態では、4つの車両側通信機20を順次切り替えているが4つに限るものではない。少なくとも1つの車両側通信機20を電波送信源にすることによって、ドア41の開閉による乗員43の変化を検出することができる。これによって短時間の検出時間で乗員43の変化を推定することができる。
(第4実施形態)
次に、本開示の第4実施形態に関して、図19を用いて説明する。本実施形態では、ユーザが携帯している携帯機10も活用して、乗員推定処理を実施する点に特徴を有する。
携帯機10は、送信元情報を含む通信パケットを所定の送信間隔で無線送信することで、近距離通信機能を備えた周囲の通信端末に対して、自分自身の存在を通知する、すなわちアドバタイズする。以下、アドバタイズを目的として定期的に送信される通信パケットのことをアドバタイズパケットと称する。制御装置30は、近距離通信機能によって携帯機10から送信されてくる信号を受信したことで、携帯機10が制御装置30と近距離通信可能な範囲内に存在することを検出する。
次に図19を用いて、乗員推定処理の流れの一例に関して説明する。携帯機10は車両40に接近する前から前述のように所定の送信間隔でアドバタイズパケットを送信している。また制御装置30は、待機状態で各アンテナ21が受信が可能な受信待機状態となるように制御している。
そして時刻t11で、乗員43が車両40に接近し、携帯機10が制御装置30と通信可能な範囲内に入ると、車両側通信機20は、携帯機10からのアドバタイズパケットを受信すると、保存済みの情報を用いて自動的に携帯機10との通信接続を確立する。そして制御装置30が携帯機10の認証を行い、認証が完了すると時刻t12で携帯機位置推定を開始する。これによって制御装置30は、各アンテナ21に携帯機位置特定要求を送信し、携帯機位置特定処理が開始される。
携帯機位置特定処理が開始されると、携帯機10からの定期通信のリスポンスとしてアンテナ21は受信した電波のRSSIの値と、自身の識別信号を制御装置30に送信する。時刻t13にて、制御装置30は受信したRSSIの値のパターンから携帯機10の位置を推定する。
次に、時刻t14にて乗員推定処理を開始する。乗員推定処理は、前述の第1実施形態の図5の処理とほぼ同じであるが、アンテナ21に加えて携帯機10も電波送信源として機能させる点が異なる。換言すると、アンテナ21だけでなく携帯機10を擬似的に追加の電波送信源として機能させる。すなわち乗員推定処理において、アンテナ21と携帯機10を電波送信源となるように制御し、携帯機10が電波送信源の場合には定期通信に対して各アンテナ21はリスポンスとして定期通信の電波のRSSIの値と、自身の識別信号を制御装置30に送信する。そして、制御装置30は複数のアンテナ21から受信したRSSIの値のパターンと携帯機10の位置と前回までに推定した情報から乗員人数と着座位置を推定する。
以降、時刻t15、時刻t16で定期的に携帯機位置特定処理を繰り返し実行する。そして時刻t17で解錠操作をすると、制御装置30にアンロック信号を送信される。制御装置30は、アンロック信号を認証し、時刻t18で携帯機10がアンロックエリアにいれば解錠する。その後、時刻t19では、乗員43がドア41を開けると、制御装置30にドア開信号が送信される。以降の処理は、前述の第1実施形態の図6の乗員推定処理が携帯機位置特定処理に換えて実行される。
このように本実施形態の制御装置30の推定部34は、携帯機10が送信する電波を車両側通信機20が受信したときの電波強度と、車室内が無人のときに携帯端末が送信した電波を通信機が受信したときの電波強度とを比較して、無人時よりも減衰している車両側通信機20と携帯端末との間に乗員43がいると推定する。これによって車両側通信機20だけでなく、ユーザが携帯する携帯機10も用いて乗員43の有無を推定することができる。したがって推定精度をさらに向上することができる。
(その他の実施形態)
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は前述した実施形態に何ら制限されることなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
前述の実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本開示の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
前述の第1実施形態では、乗員43位置推定システムは、電子キーシステムの構成を用いて実現しているがこのような構成に限るものではない。乗員43位置推定システムで電子キーシステムと一部または全部を別のシステムとして、たとえば車両側通信機20は乗員43位置推定システム専用の通信機を用いてもよい。
10…携帯機(携帯端末) 20…車両側通信機(通信機) 21…アンテナ
22…通信部 23…通信機用制御部(検出部) 24…受信強度測定部
30…制御装置 31…PEPS機能部(位置推定部) 32…位置判定機能部
33…送信制御部 34…推定部 35…更新部 40…車両 41…ドア
42…座席 43…乗員 47…センサ(取得部) 100…車両用システム
L…仮想直線

Claims (9)

  1. 車両(40)に搭載される複数の通信機(20)と、前記通信機を制御する制御部(30)とを備え、車室内に着座する乗員(43)の位置を推定する乗員位置推定システムであって、
    前記通信機は、
    他の前記通信機と無線通信を用いて相互に通信する通信部(22)と、
    他の前記通信機からの送信信号を受信した場合、受信した前記送信信号の受信強度を検出する検出部(23)と、を含み、
    複数の前記通信機のうち1つの前記通信機と他の前記通信機とを結ぶ仮想直線(L)を前記通信機のそれぞれにおいて形成した場合、前記車両にある予め定められた座席(42)を複数の前記仮想直線のいずれかが通過するように前記車両に前記通信機が搭載されており、
    前記制御部は、
    複数の前記通信機から電波を送信する前記通信機を選択し、選択した前記通信機を電波送信源として電波を送信させる送信制御部(33)と、
    前記電波送信源が送信した電波を受信した前記通信機が備える前記検出部が検出した受信強度を用いて、前記電波送信源と電波を受信した前記通信機との間にある前記座席に対する乗員の有無を推定する推定部(34)と、を備える乗員位置推定システム。
  2. 前記送信制御部は、複数の前記通信機を前記電波送信源として電波を送信するように制御する請求項1に記載の乗員位置推定システム。
  3. 前記制御部は、前記車両のドア(41)の開閉を取得する取得部(47)を含み、
    前記送信制御部は、前記取得部が、前記ドアが開いた後に前記ドアが閉じたことを取得した場合には、前記ドアを開閉して乗車する前記座席に対する乗員の有無を推定するための前記電波送信源として予め定められた前記通信機を前記電波送信源とする請求項2に記載の乗員位置推定システム。
  4. 少なくとも一部の前記座席については、前記仮想直線が複数通過するように前記通信機が配置されており、
    前記送信制御部は、1つの前記座席に対する複数の前記仮想直線を形成する複数の前記電波送信源から電波を送信し、
    前記推定部は、前記送信制御部が、1つの前記座席に対する複数の前記仮想直線を形成する複数の前記電波送信源から電波を送信したときは、1つの前記座席に対する複数の前記仮想直線を形成する複数の前記通信機が検出した受信強度に基づいて、乗員の有無を推定する請求項1〜3のいずれか1つに記載の乗員位置推定システム。
  5. ユーザが携帯する携帯端末(10)が送信する電波を前記通信機が受信し、受信した電波の電波強度に基づく距離推定を基づいて前記携帯端末の位置を推定する位置推定部(31)をさらに含み、
    前記推定部は、前記携帯端末が送信する電波を前記通信機が受信したときの電波強度と、前記車室内が無人のときに前記携帯端末が送信した電波を前記通信機が受信したときの電波強度とを比較して、無人時よりも減衰している前記通信機と前記携帯端末との間に乗員がいると推定する請求項1〜4のいずれか1つに記載の乗員位置推定システム。
  6. 前記制御部は、前記推定部によって乗員の有無を推定する判断の基準となる情報を前記車室内が無人のときに更新する更新部(35)をさらに有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の乗員位置推定システム。
  7. 複数の前記通信機のうちの一部は、前記車両の後席中央、後席左側および後席右側のそれぞれの前記座席の背部に設けられている請求項1〜6のいずれか1つに記載の乗員位置推定システム。
  8. 前記制御部は、前記車両のドア(41)の開閉を取得する取得部(47)を含み、
    前記制御部は、前記ドアが開いたことを取得した場合には、前記推定部による乗員の有無の推定の定期的な監視を開始し、
    前記推定部は、前記ドアが開いているときに後部座席に乗車した人数をカウントし、受信強度を用いて推定した後部座席の人数とカウントした後部座席との人数が異なる場合には、カウントした人数が後部座席に着座していると推定する請求項1〜7のいずれか1つに記載の乗員位置推定システム。
  9. 車両に搭載される通信機とユーザに携帯される携帯端末とを含み、前記通信機からのリクエスト信号に応答して前記携帯端末からレスポンス信号が送信され、前記レスポンス信号に基づいて前記車両のドアの施錠および解錠を行う電子キーシステムを備えた前記車両で用いられる請求項1〜8のいずれか1つに記載の乗員位置推定システムであって、
    前記電子キーシステムが備える前記通信機を、乗員位置推定システムの前記通信機として用いる乗員位置推定システム。
JP2019002927A 2019-01-10 2019-01-10 乗員位置推定システム Active JP7206926B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019002927A JP7206926B2 (ja) 2019-01-10 2019-01-10 乗員位置推定システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019002927A JP7206926B2 (ja) 2019-01-10 2019-01-10 乗員位置推定システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020112416A true JP2020112416A (ja) 2020-07-27
JP7206926B2 JP7206926B2 (ja) 2023-01-18

Family

ID=71666989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019002927A Active JP7206926B2 (ja) 2019-01-10 2019-01-10 乗員位置推定システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7206926B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020186922A (ja) * 2019-05-10 2020-11-19 矢崎総業株式会社 乗員の乗降検知システムおよび乗員の乗降検知方法
JP2022027637A (ja) * 2020-07-30 2022-02-10 フォルクスヴァーゲン アクチエンゲゼルシャフト 自動車の室内の人および/または物体を捕捉するための方法および自動車

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017056858A1 (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 株式会社デンソー 検出装置
JP2017084070A (ja) * 2015-10-27 2017-05-18 ローム株式会社 センサシステム
JP2017118474A (ja) * 2015-12-23 2017-06-29 株式会社Soken 乗員情報取得システム
US20170278326A1 (en) * 2016-03-24 2017-09-28 Ford Global Technologies, Llc Driver indentification using vehicle approach vectors
JP2018151336A (ja) * 2017-03-15 2018-09-27 株式会社デンソー 携帯端末位置検出装置、携帯端末位置検出方法
WO2018216088A1 (ja) * 2017-05-23 2018-11-29 三菱電機株式会社 人位置検知装置、人位置検知システム、人位置検知方法及びプログラム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017056858A1 (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 株式会社デンソー 検出装置
JP2017084070A (ja) * 2015-10-27 2017-05-18 ローム株式会社 センサシステム
JP2017118474A (ja) * 2015-12-23 2017-06-29 株式会社Soken 乗員情報取得システム
US20170278326A1 (en) * 2016-03-24 2017-09-28 Ford Global Technologies, Llc Driver indentification using vehicle approach vectors
JP2018151336A (ja) * 2017-03-15 2018-09-27 株式会社デンソー 携帯端末位置検出装置、携帯端末位置検出方法
WO2018216088A1 (ja) * 2017-05-23 2018-11-29 三菱電機株式会社 人位置検知装置、人位置検知システム、人位置検知方法及びプログラム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020186922A (ja) * 2019-05-10 2020-11-19 矢崎総業株式会社 乗員の乗降検知システムおよび乗員の乗降検知方法
JP7244346B2 (ja) 2019-05-10 2023-03-22 矢崎総業株式会社 乗員の乗降検知システムおよび乗員の乗降検知方法
JP2022027637A (ja) * 2020-07-30 2022-02-10 フォルクスヴァーゲン アクチエンゲゼルシャフト 自動車の室内の人および/または物体を捕捉するための方法および自動車
JP7295174B2 (ja) 2020-07-30 2023-06-20 フォルクスヴァーゲン アクチエンゲゼルシャフト 自動車の室内の人および/または物体を捕捉するための方法および自動車

Also Published As

Publication number Publication date
JP7206926B2 (ja) 2023-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6812955B2 (ja) 位置判定システム
US10157542B2 (en) User identification system and vehicular portable device
JP6885259B2 (ja) 車両機能制御装置
CN107054290B (zh) 用于安全功能访问的个人装置位置认证
JP4535031B2 (ja) 車載機器遠隔制御システム
JP4944469B2 (ja) 自動車の始動及び乗車の認証を行う方法
CN107791984B (zh) 用于车辆乘员位置检测的方法和设备
CN107117132A (zh) 自动车门和车门的锁定/解锁
US11385316B2 (en) Systems and methods for determining the position of a wireless access device within a vehicle
JP6512183B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知装置
WO2016152061A1 (ja) ユーザ識別システム、車両用携帯機
WO2018159118A1 (ja) 位置判定システム
JP6323298B2 (ja) 電子キーシステム及び携帯機
KR20170065569A (ko) 통신 시스템, 위치 판정 방법
CN112567257A (zh) 位置判定系统
KR20190094406A (ko) 차량용의 접근 및/또는 시동 장치
JP7206926B2 (ja) 乗員位置推定システム
JP2019121949A (ja) 通信システム
JP2016161440A (ja) 端末位置判定システム
US10632967B2 (en) Vehicle alarm system
CN110062330A (zh) 减少由蜂窝设备引起的驾驶员注意力分散
JP2020029715A (ja) 認証システム及び認証方法
JP2019073251A (ja) 携帯機及び認証システム
JP2021131264A (ja) 携帯機位置推定システム
US20230286464A1 (en) Seating position determination system and vehicle controller

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221219

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7206926

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151