JP2020111528A - 生体被覆膜材料、生体被覆膜及び生体被覆膜の形成方法 - Google Patents

生体被覆膜材料、生体被覆膜及び生体被覆膜の形成方法 Download PDF

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浩司 保田
則夫 佐野
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則夫 佐野
野歩 加藤
Nobu Kato
野歩 加藤
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Tsuneo Kimura
恒雄 木村
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Abstract

【課題】膜が薄くても生体保護効果が高く、低刺激で、低温でも作業性に優れるうえ、使用後に容易に取り除くことができる生体被覆膜、このような生体被覆膜を与えることができる生体被覆膜材料、及び、生体被覆膜の形成方法を提供する。【解決手段】生体被覆膜材料であって、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとからなることを特徴とする生体被覆膜材料。【選択図】なし

Description

本発明は、生体被覆膜材料、生体被覆膜及び生体被覆膜の形成方法に関する。
化学物質や細菌などの汚染物や、機械的外力(突き刺しなど)から生体表面を保護するため、生体表面に保護膜(生体被覆膜)を形成したり、保護具(手袋、保護服など)を装着したりすることが行われている。保護具を装着する場合は、生体表面の保護の程度は高くなるものの、保護具の厚さのためゴワゴワした感触となったり、作業性が悪くなったりする。一方、保護膜(生体被覆膜)形成により生体表面を保護すると、保護具を装着する場合に比べて作業性の向上が期待される。
生体表面を保護する生体被覆膜を形成するため、被覆膜を形成する組成物を生体表面に塗布することが従来行われている(特許文献1−4)。
このような組成物としては、例えば、高粘度のポリジメチルシロキサン及び高揮発性の線状または環式シロキサンを含有する皮膚保護組成物(特許文献1)、アクリルアミド系モノマーと、アルキル(メタ)アクリレートとの共重合体、炭素数1〜3の脂肪族アルコール、及び水を含有する皮膜形成のための液状の非ヒドロゲル外用組成物(特許文献2)、線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックを構成単位とするHLBが6以下のブロック共重合体と油剤とを含有し、水分が10重量%以下であり、25℃における粘度が70mPa・s以下である液状皮膚保護剤組成物(特許文献3)、速乾性のゴム液やビニール液(特許文献4)などが知られている。これら組成物は、被覆膜を形成する成分のほかに水や有機溶媒等を含むものである。
一方、シリコーンゴム(エラストマー)は優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪性、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、電気機器、自動車、建築、医療、食品等様々な分野で広く使用されている。また、シリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性に加え、安全性、外観の良さ(透明性)、肌触りの良さ、更には耐久性の良さから、幼児用遊具や食器、歯ブラシなど、特に哺乳瓶用乳首や赤ちゃん用おしゃぶりを成形する材料としても広く使用されている。このようにシリコーンゴムは上記特性を兼ね備えるうえに生体に優しい材料として知られている。例えば、特許文献3では、低刺激性で塗布しやすいため、生体表面に保護膜を形成する成分としてシリコーン系高分子を使用している。
特開昭63−135311号公報 特開2007−119428号公報 特許第4354914号公報 特開2000−290817号公報
生体表面(例えば、手)に保護膜を形成して作業をしようとする場合、作業性を良くするために膜厚を薄くすることが多い。しかし、このようにして生体表面を被覆すると、長時間使用する場合、外力が加わって剥がれたり、傷がついたりして膜の保護機能が低下してしまう。特に、保護クリームやローションのように保護膜を形成する成分の量が少ないと、保護機能低下が顕著になるという問題がある。
また、従来技術のように組成物が被覆膜を形成する成分のほかに水や有機溶媒等を含むものであると、水や有機溶媒等が膜形成に伴って失われて無駄になるうえ、有機溶剤は臭気が有ったり、環境を汚染したり、生体に刺激を与えるという問題がある。
さらに、保護の必要がなくなれば一旦形成した生体被覆膜を除去する必要があるが、生体保護のために生体被覆膜自体は剥がれにくいものであり、有機溶剤等の除去剤による除去、石鹸などによる洗浄が必要となるため、使用後に取り除くことが容易でないという問題がある。なお、特許文献4には、保護膜を使用後に取り除きやすいことが記載されてはいるが、膜材料について具体的にどのような材料を用いるのか一切記載がない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、膜が薄くても生体保護効果が高く、低刺激で、低温でも作業性に優れるうえ、使用後に容易に取り除くことができる生体被覆膜、このような生体被覆膜を与えることができる生体被覆膜材料、及び、生体被覆膜の形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明では、生体被覆膜材料であって、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとからなることを特徴とする生体被覆膜材料を提供する。
このような生体被覆膜材料であれば、膜が薄くても生体保護効果が高く、低刺激で、低温でも作業性に優れるうえ、使用後に容易に取り除くことができる生体被覆膜を与えることができる。
この場合、前記架橋性基がSiH基であり、前記組成物Xか前記組成物Yのいずれか、又は両方が白金族金属系触媒を含有することが好ましい。
このような生体被覆膜材料は、2液型付加反応硬化性シリコーンを生体被覆膜材料とするため、硬化が早く、保存安定性に優れる。
また、本発明では、生体被覆膜であって、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとの混合物の硬化物からなることを特徴とする生体被覆膜を提供する。
このような生体被覆膜であれば、膜が薄くても生体保護効果が高く、低刺激で、低温でも作業性に優れるうえ、使用後に容易に取り除くことができる。
また、前記生体被覆膜は、密封材、保護材、防寒材、凍傷防止材、断熱材、保湿材、保水材、水分保持増加材、保温材のいずれかであることができる。
本発明の生体被覆膜は、このような材料に好適に用いることができる。
また、前記架橋性基がSiH基であり、前記混合物が更に白金族金属系触媒を含有することができる。
このような生体被覆膜であれば、2液型付加反応硬化性シリコーンを膜材料とするため、保存安定性に優れるうえ、硬化が早いため適時に膜が薄くても生体保護効果が高く、低刺激で、低温でも作業性に優れるうえ、使用後に容易に取り除くことができる生体被覆膜となる。
また、前記組成物Xと前記組成物Yとの混合開始時点からゲル化開始時点までの時間が30秒以上であり、前記混合開始時点からタックフリーまでの時間が20分以下のものであることが好ましい。
このような生体被覆膜であれば、硬化性に優れ、生体被覆膜を形成する際の作業性に優れる。
また、前記組成物Xと前記組成物Yとの混合開始時点の粘度が150Pa・s以下のものであることが好ましい。
このような生体被覆膜であれば、生体被覆膜材料(組成物X及び組成物Y)の粘度が適切であるため、生体被覆膜を形成する際の作業性に優れる。なお、前記粘度は、混合開始前の粘度をいうものとする。
また、前記硬化物の引張強度が3MPa以上のものであることが好ましい。
このような生体被覆膜であれば、引張応力に対する耐性に優れる。
また、前記硬化物の引裂強度が15kN/m以上のものであることが好ましい。
このような生体被覆膜であれば、引裂応力に対する耐性に優れる。
また、前記硬化物の切断時伸びが300%以上のものであることが好ましい。
このような生体被覆膜であれば、生体にフィットし易く、作業性に優れるとともに、切断され難い。
また、前記硬化物のタイプA硬度が5以上50以下のものであることが好ましい。
このような生体被覆膜であれば、優れた生体保護性能と良好な作業性とを両立できる。
さらに、本発明では、生体被覆膜の形成方法であって、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとを準備し、前記組成物Xと前記組成物Yとを被覆すべき生体の表面以外の場所において混合し、得られた混合物を前記被覆すべき生体の表面に塗布した後、硬化するか、又は、前記組成物Xと前記組成物Yとを被覆すべき生体の表面において混合し、得られた混合物を硬化することにより前記生体の表面に前記生体被覆膜を形成することを特徴とする生体被覆膜の形成方法を提供する。
このような生体被覆膜の形成方法であれば、膜が薄くても生体保護効果が高く、低刺激で、低温でも作業性に優れるうえ、使用後に容易に取り除くことができる生体被覆膜を形成することができる。
この場合、前記組成物Xと前記組成物Yとを20℃以上40℃以下で混合し、得られた混合物を20℃以上40℃以下で硬化することが好ましい。
このような生体被覆膜の形成方法であれば、室温付近で混合、硬化することができるため、適時に生体被覆膜を形成できる。
また、前記オルガノシロキサン化合物Bとして前記架橋性基がSiH基であるオルガノシロキサン化合物を用い、更に白金族金属系触媒を前記組成物Xか前記組成物Yのいずれか、又は両方に加えることができる。
このような生体被覆膜の形成方法であれば、膜材料として2液型付加反応硬化性シリコーンを用いるため、保存安定性に優れるうえ、硬化が早く、適時に膜が薄くても生体保護効果が高く、低刺激で、低温でも作業性に優れ、使用後に容易に取り除くことができる生体被覆膜を形成できる。
また、前記組成物Xと前記組成物Yとの混合開始時点からゲル化開始時点までの時間を30秒以上となるようにし、前記混合開始時点からタックフリーまでの時間を20分以下となるようにすることが好ましい。
このような生体被覆膜の形成方法であれば、使い勝手が良く、硬化性に優れた生体被覆膜を作業性良く形成できる。
また、前記組成物Xと前記組成物Yとの混合開始時点の粘度を150Pa・s以下となるようにすることが好ましい。
このような生体被覆膜の形成方法であれば、生体被覆膜材料(組成物X及び組成物Y)の粘度が適切であるため、塗布性に優れるとともに、作業性にも優れる。
また、前記生体被覆膜の引張強度が3MPa以上となるようにすることが好ましい。
このような生体被覆膜の形成方法であれば、耐引張応力に優れた生体被覆膜を形成することができる。
また、前記生体被覆膜の引裂強度が15kN/m以上となるようにすることが好ましい。
このような生体被覆膜の形成方法であれば、耐引裂応力に優れた生体被覆膜を形成することができる。
また、前記生体被覆膜の切断時伸びが300%以上となるようにすることが好ましい。
このような生体被覆膜の形成方法であれば、生体形状にフィットして、作業性に優れるとともに、切断されにくい生体被覆膜を形成することができる。
また、前記生体被覆膜のタイプA硬度が5以上50以下となるようにすることが好ましい。
このような生体被覆膜の形成方法であれば、優れた生体保護性能と良好な作業性とを兼ね備えた生体被覆膜を形成できる。
以上のように、本発明によれば、膜が薄くても生体保護効果が高く、低刺激で、低温でも作業性に優れるうえ、使用後に容易に取り除くことができる生体被覆膜、及び、このような生体被覆膜を与えることができる生体被覆膜材料を得ることができ、上記のような生体被覆膜を形成することができる。特に、2液型シリコーン組成物を用いて生体被覆膜を形成するため、硬化が早く、保存安定性及び混合、成膜時の作業性に優れるうえ、シリコーンの持つ優れた生体適合性、表面追従性、機械的強度、耐寒性、断熱性、保温性、気体透過性により、生体表面を良好に保護する優れた生体被覆膜を与える。
実施例2の試験前の患部の写真である。 実施例2の試験一日目の患部の写真である。 実施例2の試験二日目の患部の写真である。
上述のように、膜が薄くても生体保護効果が高く、低刺激で、低温でも作業性に優れるうえ、使用後に容易に取り除くことができる生体被覆膜、このような生体被覆膜を与えることができる生体被覆膜材料、及び、生体被覆膜の形成方法の開発が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、生体被覆膜材料として2液型硬化性シリコーン組成物を用いると上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、生体被覆膜材料であって、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとからなることを特徴とする生体被覆膜材料である。
また、本発明は、生体被覆膜であって、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとの混合物の硬化物からなることを特徴とする生体被覆膜である。
また、本発明は、生体被覆膜の形成方法であって、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとを準備し、前記組成物Xと前記組成物Yとを被覆すべき生体の表面以外の場所において混合し、得られた混合物を前記被覆すべき生体の表面に塗布した後、硬化するか、又は、前記組成物Xと前記組成物Yとを被覆すべき生体の表面において混合し、得られた混合物を硬化することにより前記生体の表面に前記生体被覆膜を形成することを特徴とする生体被覆膜の形成方法である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明の生体は、人体に限らず、非ヒト動物(例えば、イヌ、ネコなどの哺乳類、ニワトリなどの鳥類など)を含む。
[生体被覆膜材料]
本発明の生体被覆膜材料は、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとからなり、これを混合して硬化することで生体被覆膜を与える材料である。このような組成物Xと組成物Yとからなる硬化性材料(いわゆる2液型硬化性シリコーン)について以下説明する。
[組成物X]
組成物Xは、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物(オルガノシロキサン化合物A)を含む。なお、オルガノシロキサン化合物Aを(A)成分ともいう。
[オルガノシロキサン化合物A]
アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aは、生体被覆膜材料の主剤(ベースポリマー)である。
このようなオルガノシロキサン化合物Aとしては、例えば、下記平均組成式(I)で表されるものが代表的である。
SiO(4−a)/2 (I)
(式中、Rは同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(I)中、Rは、通常、非置換又は置換の、炭素原子数1〜20が好ましく、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8の1価炭化水素基である。Rで表される非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、フェニルエチル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基、又は、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子、シアノ基等で置換されたクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基及び3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましく、メチル基及びビニル基がより好ましい。中でも、分子中のRで表される非置換又は置換の1価炭化水素基のうち、少なくとも2個はアルケニル基であるが、好ましくはRで表される基の0.0001〜20モル%、より好ましくは0.001〜10モル%がアルキル基であることが望ましい。また、全R基のうち、80モル%以上がメチル基であることが好ましく、90モル%以上がメチル基であることがより好ましく、アルケニル基以外の全てのRがメチル基であることが更に好ましい。また、R基の一部は水酸基、アルコキシ基などの加水分解性基であってもよい。
上記式(I)中、aは1.95〜2.05であることができ、好ましくは1.98〜2.02の正数であって、基本的には直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、分岐していてもよい。このような範囲であれば、得られる硬化物が十分なゴム弾性を示す。
上述の通り、(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有することが必要であり、上記式(I)中、Rの0.0001〜20モル%が好ましく、より好ましくは0.001〜10モル%、特に好ましくは0.01〜5モル%がアルケニル基である。該アルケニル基としては、好ましくはビニル基又はアリル基であり、特に好ましくはビニル基である。なお、このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
上記オルガノポリシロキサンとしては、この条件を満たしていれば特に限定されないが、通常は、主鎖がジオルガノシロキサン単位(RSiO2/2)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(RSiO1/2)で封鎖された、直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましく、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基、ジメチルビニルシロキシ基、メチルジビニルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等で封鎖されたものが好ましく、少なくとも1つのビニル基を有しているシロキシ基で封鎖されたものが特に好ましい。
また、主鎖のジオルガノシロキサン単位(RSiO2/2)としては、具体的には、ジメチルシロキサン単位のみからなるもの、又はこのジメチルシロキサン単位の繰返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部に、ジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等を導入したもの等が好適である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの重合度は、100以上(通常、100〜2,000)であることができ、特に100〜1,800の範囲であることが好ましく、150〜1,500の範囲であることがより好ましく、150〜1,200の範囲であることが特に好ましい。重合度がこの範囲であると十分なゴム強度が得られる。なお、この重合度は、例えばトルエンを展開溶媒としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度等として求められる。
[組成物Y]
組成物Yは、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物(オルガノシロキサン化合物B)を含む。なお、オルガノシロキサン化合物Bを(B)成分ともいう。
[オルガノシロキサン化合物B]
オルガノシロキサン化合物Bは、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物である。
オルガノシロキサン化合物Bは、本発明の組成物Xと組成物Yの混合物を硬化させ得るものであれば特に限定されるものではない。従って公知のシリコーンゴム用の付加架橋剤やラジカル系架橋剤、或いは縮合架橋剤が使用可能である。
・付加架橋剤:
付加架橋剤は、本組成物を付加反応により硬化させる場合に用いられ、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋成分)と白金族金属触媒(ヒドロシリル化付加反応触媒)との組合せからなる。白金族金属触媒としては白金元素単体、白金化合物、白金複合体、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物、エーテル化合物、各種オレフィン類とのコンプレックスなどが例示される。白金族金属触媒の添加量は、必要量とすればよいが、(A)成分のオルガノポリシロキサンに対し白金族金属原子の質量換算で1〜2,000ppmとすることができ、好ましくは2〜500ppm(質量基準)の範囲とすることが望ましい。この白金族金属触媒は組成物X、Yのいずれか、または両方に含有して良いが、好ましくは組成物Xのみに含有する事が保存性の面で好ましい。
一方、付加架橋剤として使用するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、該オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基とヒドロシリル化付加反応し、架橋剤として作用するものである。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、その分子構造に特に制限はなく、従来より使用されている、例えば直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状構造(樹脂状)等各種のものが使用可能であるが、1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を有する必要があり、好ましくは2〜200個、より好ましくは3〜100個有することが望ましい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(II)で示されるものを用いることができる。
SiO(4−b−c)/2 (II)
上記式(II)中、Rは炭素原子数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、このRとしては、前記式(I)中のRと同様の基を挙げることができるが、アルケニル基等の脂肪族不飽和結合を除くものであることが好ましい。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cが0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくはbは1.0〜2.0、cは0.01〜1.0、b+cが1.5〜2.5である。
1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上含有されるSiH基は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、またこの両方に位置するものであってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は通常2〜300個、好ましくは4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが望ましい。
式(II)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラハイドロジェン-1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CHHSiO1/2単位と(CHSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体(低粘度流体)、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位と(CSiO1/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量は、(A)成分中のケイ原子と結合するアルケニル基1個に対してケイ原子に結合した水素原子が、モル比で0.8〜10となる量とすることができ、好ましくは、1.0〜5.0、さらに好ましくは2.0〜5.0の範囲とされる。このような範囲であれば、架橋密度が低くなりすぎたり、脱水素反応による発泡の問題が生じたりしないので、硬化したシリコーンゴムの耐熱性に悪影響を与えない。さらに、この範囲であれば、硬化性にも優れ、室温でもすぐに硬化する事ができる。付加架橋剤(硬化剤)としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、付加架橋剤には、必要に応じて、反応制御剤などを添加することができる。
・ラジカル系架橋剤:
該架橋剤として架橋性基としてのアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンとラジカル開始剤との組み合わせが使用される。ラジカル系架橋剤を用いると、ラジカル開始剤の分解で発生するラジカルの作用により(A)成分中のアルケニル基とラジカル系架橋剤中のアルケニル基とが架橋することによって硬化が進む。
架橋性基としてのアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンとしては、オルガノポリシロキサン化合物Aと同様のものを用いることができる。
ラジカル開始剤としては、光ラジカル開始剤などを用いることができる。
ラジカル開始剤の添加量は組成物X、Yを硬化させるのに十分な量であればよいが、通常、(A)成分と(B)成分中のアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン全体の100質量部に対して0.1〜10質量部、特に0.2〜5質量部が好ましい。なお、前記アルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン自体がラジカル開始剤として機能する(例えば、光によりラジカルを発生する)場合には、ラジカル開始剤はなくてもよい。
・縮合架橋剤:
(A)成分が分子中にケイ素原子に結合した水酸基や、アルコキシ基などの加水分解性基(即ち、ケイ素原子に結合してSi−O−C結合を形成し得る基)を有する場合、分子中にケイ素原子に結合した水酸基や、アルコキシ基などの加水分解性基を架橋性基として有するオルガノポリシロキサンを縮合架橋剤として用いることができる。縮合架橋剤を用いる場合、雰囲気中の水分により水酸基や、アルコキシ基などの加水分解性基どうしが加水分解縮合することにより架橋が進む。
(B)成分の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、並びにこれらのシランの部分加水分解縮合物が挙げられる。これらの中では、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、及びこれらの部分加水分解縮合物が好ましい。
(B)成分の配合量は、水酸基や、アルコキシ基などの加水分解性基を有する(A)成分100質量部に対して好ましくは0.2〜30質量部、より好ましくは0.5〜20質量部、特に好ましくは1〜15質量部、更に好ましくは5〜12質量部の範囲が望ましい。このような範囲であれば、保存安定性が低下することがなく、得られる硬化物は機械的特性が低下し難く、硬化速度も遅くならない。
必要に応じて硬化性を促進させる硬化触媒を添加してもよい。硬化触媒は同一であっても異種のものであってもよく、また、1種を単独で使用しても2種以上の混合物として使用してもよい。具体例としては、有機錫化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物;アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、アルミニウムエチレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウムアルコレート又はアルミニウムキレート化合物;オクチル酸鉛やその他の酸性触媒もしくは塩基性触媒等の従来公知の触媒が例示される。
[任意的成分]
本発明の組成物X、Yには、上記成分に加え、任意成分として必要に応じ、フィラー(補強性シリカなどのシリコーンゴムに優れた機械的特性を付与する成分)、フィラーの分散性を向上させるための分散剤(ウェッター)、官能基を有さないポリジメチルシロキサン等の可塑剤、酸化鉄やハロゲン化合物のような難燃性付与剤や耐熱性向上剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、離型剤、粘度調整剤、溶剤等のシリコーンゴム組成物における公知の添加剤を添加することができる。
本発明で用いる組成物Yは、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物(オルガノシロキサン化合物B)を含むものであれば、架橋反応のタイプ(付加架橋、ラジカル架橋、縮合架橋)に応じて構成することができるが、前記架橋性基がSiH基であり、前記混合物が更に白金族金属系触媒を含有するもの(付加架橋剤)が好ましい。
この場合、2液型付加反応硬化性シリコーンを生体被覆膜材料とするため、その保存安定性に優れるうえ、硬化が早いため適時に膜が薄くても生体保護効果が高く、低刺激で、低温でも作業性に優れるうえ、使用後に容易に取り除くことができる生体被覆膜を与えることができる。
[組成物X、Yの調製]
本発明の組成物X、Yの製造方法は、特に限定されないが、上述した成分の所定量を2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等公知の混練機で混練りすることによって得ることができる。また、必要により熱処理(加熱下での混練り)してもよい。
[生体被覆膜]
本発明の生体被覆膜は、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとの混合物の硬化物からなる。
生体被覆膜は、生体表面を覆うことにより化学物質や細菌などの汚染物や、機械的外力(突き刺しなど)から生体表面を保護するものである。
[生体被覆膜の形成方法]
生体被覆膜は以下のようにして生体表面に形成することができる。
(方法1)
(1−1)オルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、オルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとを準備する。
(1−2)組成物Xと組成物Yとを被覆すべき生体の表面以外の場所において混合する。
(1−3)得られた混合物を被覆すべき生体の表面に塗布した後、硬化することにより生体の表面に生体被覆膜を形成する。
組成物X、Yは、上記成分を所定の配合比で混合することにより準備する。混合手段は特に限定されないが、上述した成分の所定量を2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等公知の混練機で混練りすることによって得ることができる。また、必要により熱処理(加熱下での混練り)してもよい。
組成物Xと組成物Yとの混合は、被覆すべき生体の表面以外の場所において行う。両者を混合する場所(容器等)は、被覆すべき生体の表面以外の場所であれば特に限定されない。また、この工程での混合方法も特に限定されない。例えば、混合用の板を用意し、その上に組成物Xと組成物Yを所定量取り分け、ヘラやスプーンなどで混合してもよいし、混合用容器に両者を所定量導入した後、撹拌機等で混合してもよい。
得られた混合物を被覆すべき生体の表面に塗布する方法は特に限定されないが、混合に用いたヘラやスプーンなどをそのまま使用したり、手指を用いて塗布してもよいし、新たなヘラ等を使用して塗布してもよく、混合物を載せた板をそのまま使用して塗布することもできる。その後、混合物を生体の表面に塗布したままにして硬化させるのが簡便である。
(方法2)
(2−1)オルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、オルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとを準備する。
(2−2)組成物Xと組成物Yとを被覆すべき生体の表面において混合し、得られた混合物を硬化することにより生体の表面に生体被覆膜を形成する。
方法2は、組成物Xと組成物Yとを被覆すべき生体の表面において混合する点で方法1と異なる。両者を被覆すべき生体の表面において混合する方法としては、例えば、所定量の組成物Xと組成物Yをそれぞれ右手と左手に取り、もみ手をするようにして両者を混合する方法がある。
その他の点については方法1と同様である。
方法1、2のいずれによっても本発明の生体被覆膜を形成することができるが、方法1によれば、両者を正確な比率で、均一に混合することができる点で好ましく、方法2によれば、混合するための容器等を用意することなく、直接被覆すべき生体の表面(上記の場合は両手の全面)に混合物を塗布することができるので簡便である。
方法1又は方法2において、上記付加架橋剤を用いる場合は、オルガノシロキサン化合物Bとして架橋性基がSiH基であるオルガノシロキサン化合物を用い、更に白金族金属系触媒を組成物Xか組成物Yのいずれか、又は両方に加えることができる。
この場合は、膜材料として2液型付加反応硬化性シリコーンを用いるため、保存安定性に優れるうえ、硬化が早く、適時に膜が薄くても生体保護効果が高く、低刺激で、低温でも作業性に優れ、使用後に容易に取り除くことができる生体被覆膜を形成できる。
[温度]
組成物Xと組成物Yとを混合、塗布、硬化する温度は特に限定されないが、組成物Xと前記組成物Yとを20℃以上40℃以下で混合し、得られた混合物を20℃以上40℃以下で硬化することが好ましい。このような温度範囲であれば、室温付近で混合、塗布、硬化することができ、硬化用の加熱機器(例えば、ドライヤーなど)が不要であるため膜形成が簡便となり好ましい。
[生体被覆膜の特性]
本発明の生体被覆膜は以下のような特性を有するものであることが好ましい。
[硬化性]
組成物Xと組成物Yとの混合開始時点からゲル化開始時点までの時間は、室温(25℃)で30秒以上が好ましく、50秒以上がより好ましい。また、前記混合開始時点からタックフリーまでの時間は、室温(25℃)で20分以下が好ましく、15分以下がより好ましい。このような硬化性を有する混合物は、混合開始時点から生体被覆膜が形成されるまでの作業性が良好になる。
[粘度]
組成物Xと組成物Yとの混合開始時点の粘度(混合開始前の粘度)が150Pa・s以下が好ましく、120Pa・s以下がより好ましい。このような粘度であれば、混合物を塗布する際の作業性が良好となる。
[引張強度]
硬化物の引張強度は、3MPa以上が好ましい。このような硬化物からなる生体被覆膜は、引張応力に対する耐性に優れ、生体を保護するのに十分な機械的強度(破れにくさ)を有する。
[引裂強度]
硬化物の引裂強度(クレセント)は、15kN/m以上が好ましく、20kN/m以上がより好ましい。このような硬化物からなる生体被覆膜は、引裂応力に対する耐性に優れ、生体を保護するのに十分な機械的強度(破れにくさ)を有する。
[切断時伸び]
硬化物の切断時伸びは、300%以上が好ましく、400%以上がより好ましい。このような硬化物からなる生体被覆膜は、生体形状にフィットし、作業性に優れるとともに、切断され難く、生体を保護するのに十分な機械的強度(破れにくさ)を有する。
[硬度]
硬化物のタイプA硬度は、5以上50以下が好ましく、10以上40以下がより好ましい。このような硬化物からなる生体被覆膜は、生体を保護するのに十分な機械的強度を有するとともに、良好な作業性も有する(すなわち、優れた生体保護性能と良好な作業性とを両立できる。)。
[膜厚]
生体被覆膜の膜厚は、用途に応じて適宜設定すればよいが、作業性を考慮して、例えば、0.1〜1mmとすることができる。なお、膜厚は、被覆しようとする生体表面の面積に応じて塗布量を設定することで容易に変更可能である。
[生体被覆膜の用途]
本発明の生体被覆膜は、シリコーンゴム(エラストマー)に由来する優れた耐候性、耐熱性、耐寒性、安全性、外観の良さ(透明性)、肌触りの良さ、耐久性の良さ、更には良好な生体適合性から、密封材、保護材、防寒材、凍傷防止材、断熱材、保湿材、保水材、水分保持増加材、保温材とすることができる。例えば、シリコーンゴムは低温でも固くなりにくく、手などを動かしやすいため、本発明の生体被覆膜を使用した保護材は、寒冷水中(海中)でもスムーズな動作ができるうえ、防寒(断熱)性能により手などがかじかみにくくなる。また、本発明の生体被覆膜は被覆対象の大きさ、形状にかかわらず良好な密封性で生体表面を保護でき、着色も可能であるため、付加価値を高めることが容易にできる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[組成物の調製]
(調製例1)
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が750であるジメチルポリシロキサン(A−1)60質量部、BET法による比表面積が300m/gであるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジル300)40部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、水2.0質量部を25℃で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
つぎに、このシリコーンゴムベース100質量部に、上記ジメチルポリシロキサン(A−1)を30質量部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を平均10個有する平均重合度が200であるジメチルポリシロキサン(A−2)10質量部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された平均重合度が100であるジメチルポリシロキサン40質量部、白金触媒(Pt濃度1.0質量%)1.0質量部を加え、室温で30分間混合し、組成物Xを得た。
つづいて、上記シリコーンゴムベース100質量部に、上記ジメチルポリシロキサン(A−1)を30質量部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された平均重合度が100であるジメチルポリシロキサン43質量部、両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖され側鎖にSi−H基を平均6個有する平均重合度が20であるメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B−1)7.0質量部を加え、室温で30分間混合し、組成物Yを得た。
なお、上記組成物Xと組成物Yを同量混合した時の(A)成分中のアルケニル基の総量に対する(B)成分中のSi−H基の総量のモル比(Si−H基/ビニル基)は3.0である。
[評価方法]
・硬化性1(ゲル化時間):組成物Xと組成物Yとの混合開始時点からゲル化開始時点までの時間を測定した。
・硬化性2(タックフリー時間):組成物Xと組成物Yとの混合開始時点からタックフリーまでの時間を測定した。
・粘度:組成物Xと組成物Yとの混合前の粘度を、JIS K 7117−1:1999に基づき、BH型回転粘度計を用い、25℃で測定した。
・引張強度:JIS K 6249に準じて硬化物の引張強度を測定した。
・引裂強度:JIS K 6252:2007に基づき、クレセント形試験片で硬化物の引裂強さを測定した。
・切断時伸び:JIS K 6249に準じて硬化物の切断時伸びを測定した。
・硬度:JIS K 6253−3:2012に基づき、デュロメータタイプAにおける硬さを測定した。
・膜厚:塗布量を塗布した面積で除して平均膜厚を求めた。
(実施例1)
調製例1で得た組成物X、Yを板の上に同じ量ずつ取り、ヘラで30秒間撹拌し、均一な混合物を得た。得られた混合物をガラス基板上に塗布し、ゲル化時間とタックフリー時間を測定した。なお、塗布と硬化は室温(25℃)のもとで行った。
さらに、ゴム物性の測定には、調製例1で得た組成物Xの100質量部、組成物Yの100質量部、及びゴムの硬さや強度に影響を与えない反応制御剤としてエチニルデシルカルビノール0.2質量部を混合し、120℃で10分間プレスキュアを行って得られた硬化物を用いた。
以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
被験者の踵に乾燥性皮膚用薬(ケラチナミン20%尿素配合クリーム;興和製)を2g塗擦した。次に、(調製例1)で得た組成物X、Yを板の上に同じ量(2〜3g)ずつ取り、ヘラで各成分が均一になるまで混合した。得られた混合物を被験者の踵の上記乾燥性皮膚用薬を塗擦した部位の上に塗布し、そのまま硬化させて生体被覆膜を形成した。この時、塗布と硬化は室温(25℃)のもとで行った。30分経過後に硬化した生体被覆膜を被験者の踵から剥がし、生体被覆膜で覆われていた部位を観察した。以上の試験を3日間毎日行った。図1〜3に試験前、試験1日目、試験2日目の患部の写真を示す。生体被覆膜で覆われていた部位の角質層の荒れが経時的に改善されたのを確認した。
(比較例1)
生体被覆膜を形成しなかった以外は実施例2と同様にした。3日間の試験後、生体被覆膜で覆われていた部位の角質層の荒れの改善は実施例2と比較してほとんど認められなかった。
(比較例2)
組成物X、Yの混合物を被験者の踵の上記乾燥性皮膚用薬を塗擦した部位を密封するように市販の水分透過性のないラップフィルムを巻き付けた以外は実施例2と同様にした。3日間の試験後、生体被覆膜で覆われていた部位の角質層の荒れの改善は実施例2と比較してほとんど認められなかった。
上記実施例2、比較例1、2から明らかなように、本発明の生体被覆膜を用いて患部を密封保護すると、前記生体被覆膜を用いない場合に比べて薬剤の効果が顕著に発現する。これは、生体被覆膜が皮膚からの水分蒸発を防いで角質層を水和(ふやけ)させることにより角層細胞が膨潤するとともに、角質細胞間脂質に挟まれている水も増えて角層バリア機能を低下させ、主薬の経皮吸収性を促進させたためと考えられる。また、薬剤塗布部位を生体被覆膜が覆うため、その温熱効果により血流が増加することによっても経皮吸収性が促進されたものと考えられる。さらに、本発明の生体被覆膜を構成するシリコーンゴムは、水は通さないが、酸素、窒素、二酸化炭素、空気などの透過性が高く、水蒸気の透過性も高いことから、患部が完全には密閉されず、生体表面や外気からの水蒸気により生体被覆膜が適度に保水(保湿)されることにより、より主薬の経皮吸収性が促進されたものと考えられる。
このように、本発明の生体被覆膜は、被覆対象の大きさ、形状にかかわらず良好な密封性で生体表面を保護できるうえ、従来のいわゆる封鎖密封療法(ODT)に比べて高い治癒効果をもたらし得るものといえる。
(実施例3)
(調製例1)で得た組成物X、Yを板の上に同じ量(2〜3g)ずつ取り、ヘラで各成分が均一になるまで混合した。得られた混合物を被験者の両手(指先から手首までの全面)に塗布し、そのまま硬化させて生体被覆膜を得た。この生体被覆膜は被験者の両手の形状に沿ってフィットしたものであった。なお、前記塗布と硬化は室温(25℃)のもとで行った。30分経過後に硬化した生体被覆膜を被験者の手首側末端からめくるように剥がしたところ、手袋状の膜を破ることなく簡単に剥ぎ取ることができた。
(実施例4)
(調製例1)で得た組成物X、Yを被験者の右手と左手それぞれの上に同じ量(2〜3g)ずつ取り、もみ手をするようにして両者を混合しながら被験者の両手(指先から手首までの全面)に塗布し、そのまま硬化させて生体被覆膜を得た。この生体被覆膜は被験者の両手の形状に沿ってフィットしたものであった。なお、前記塗布と硬化は室温(25℃)のもとで行った。30分経過後に硬化した生体被覆膜を被験者の手首側末端からめくるように剥がしたところ、手袋状の膜を破ることなく簡単に剥ぎ取ることができた。
(実施例5、6、比較例3,4)
(調製例1)で得た組成物X、Yを板の上に同じ量(10g)ずつ(計20g)取った以外は実施例3と同様にした。生体被覆膜を形成したところで、生体被覆膜に覆われた被験者の両手を50℃の温水、又は、0℃の氷水につけて温度感覚を調べた。温水の場合は熱さ、氷水の場合は冷たさを強く感じることなく、水浴に両手をつけたままでいられた時間を表2に示す。
表2の結果から明らかなように、本発明の生体被覆膜は断熱性に優れ、防寒材、凍傷防止材、断熱材として有用なものである。特に、本発明の生体被覆膜は低温でも固くなりにくく、手などを動かしやすいため、0℃の水浴に両手をつけたままの状態でも、スムーズな動作ができた。
(実施例7)
実施例3において生体被覆膜を形成したところで、被験者に生体被覆膜に覆われた手のままピンセットでネジをつまむ作業をしてもらい、作業性を調べた。このような細かい手作業であっても、素手とほぼ変わりない感覚で作業をすることができた。
以上の実施例、比較例から明らかなように、本発明によれば、膜が薄くても生体保護効果が高く、低刺激で、低温でも作業性に優れるうえ、使用後に容易に取り除くことができる生体被覆膜、及び、このような生体被覆膜を与えることができる生体被覆膜材料を得ることができ、上記のような生体被覆膜を形成することができる。特に、2液型シリコーン組成物を用いて生体被覆膜を形成するため、硬化が早く、保存安定性及び混合、成膜時の作業性に優れるうえ、シリコーンの持つ優れた生体適合性、表面追従性、機械的強度、耐寒性、断熱性、保温性、気体透過性により、生体表面を良好に保護する優れた生体被覆膜を与える。
このように本発明の生体被覆膜は、優れた特性を有するとともにその形成も容易であることから、人体及び非ヒト動物も含めた生体表面の保護が要求される技術分野において利用価値が高い。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (20)

  1. 生体被覆膜材料であって、
    アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとからなることを特徴とする生体被覆膜材料。
  2. 前記架橋性基がSiH基であり、前記組成物Xか前記組成物Yのいずれか、又は両方が白金族金属系触媒を含有することを特徴とする請求項1に記載の生体被覆膜材料。
  3. 生体被覆膜であって、
    アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとの混合物の硬化物からなることを特徴とする生体被覆膜。
  4. 前記生体被覆膜は、密封材、保護材、防寒材、凍傷防止材、断熱材、保湿材、保水材、水分保持増加材、保温材のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載の生体被覆膜。
  5. 前記架橋性基がSiH基であり、前記混合物が更に白金族金属系触媒を含有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の生体被覆膜。
  6. 前記組成物Xと前記組成物Yとの混合開始時点からゲル化開始時点までの時間が30秒以上であり、前記混合開始時点からタックフリーまでの時間が20分以下のものであることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の生体被覆膜。
  7. 前記組成物Xと前記組成物Yとの混合開始時点の粘度が150Pa・s以下のものであることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の生体被覆膜。
  8. 前記硬化物の引張強度が3MPa以上のものであることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の生体被覆膜。
  9. 前記硬化物の引裂強度が15kN/m以上のものであることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の生体被覆膜。
  10. 前記硬化物の切断時伸びが300%以上のものであることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか1項に記載の生体被覆膜。
  11. 前記硬化物のタイプA硬度が5以上50以下のものであることを特徴とする請求項3から請求項10のいずれか1項に記載の生体被覆膜。
  12. 生体被覆膜の形成方法であって、
    アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノシロキサン化合物Aを含む組成物Xと、1分子中に架橋性基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物Bを含む組成物Yとを準備し、
    前記組成物Xと前記組成物Yとを被覆すべき生体の表面以外の場所において混合し、得られた混合物を前記被覆すべき生体の表面に塗布した後、硬化するか、又は、
    前記組成物Xと前記組成物Yとを被覆すべき生体の表面において混合し、得られた混合物を硬化することにより前記生体の表面に前記生体被覆膜を形成することを特徴とする生体被覆膜の形成方法。
  13. 前記組成物Xと前記組成物Yとを20℃以上40℃以下で混合し、得られた混合物を20℃以上40℃以下で硬化することを特徴とする請求項12に記載の生体被覆膜の形成方法。
  14. 前記オルガノシロキサン化合物Bとして前記架橋性基がSiH基であるオルガノシロキサン化合物を用い、更に白金族金属系触媒を前記組成物Xか前記組成物Yのいずれか、又は両方に加えることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の生体被覆膜の形成方法。
  15. 前記組成物Xと前記組成物Yとの混合開始時点からゲル化開始時点までの時間を30秒以上となるようにし、前記混合開始時点からタックフリーまでの時間を20分以下となるようにすることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の生体被覆膜の形成方法。
  16. 前記組成物Xと前記組成物Yとの混合開始時点の粘度を150Pa・s以下となるようにすることを特徴とする請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の生体被覆膜の形成方法。
  17. 前記生体被覆膜の引張強度が3MPa以上となるようにすることを特徴とする請求項12から請求項16のいずれか1項に記載の生体被覆膜の形成方法。
  18. 前記生体被覆膜の引裂強度が15kN/m以上となるようにすることを特徴とする請求項12から請求項17のいずれか1項に記載の生体被覆膜の形成方法。
  19. 前記生体被覆膜の切断時伸びが300%以上となるようにすることを特徴とする請求項12から請求項18のいずれか1項に記載の生体被覆膜の形成方法。
  20. 前記生体被覆膜のタイプA硬度が5以上50以下となるようにすることを特徴とする請求項12から請求項19のいずれか1項に記載の生体被覆膜の形成方法。
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