以下、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
[実施形態1]
本発明の実施形態1について、図1〜図9を用いて説明する。
<画像処理装置のシステム構成>
図1は、本実施形態に係るシステム100の構成を概念的に示す図である。
図1に示したように、本実施形態の画像形成装置101は、コントローラユニット102、表示部103、操作部104、プリンタユニット105およびスキャナユニット106を有している。
表示部103は、LEDや液晶ディスプレイを備えており、これらのLEDや液晶ディスプレイを用いてユーザの操作に関する情報や装置の内部状態等を表示する。
操作部104は、ユーザからの操作を受け付ける。なお、操作部104は、複数の操作ボタンを用いる方式でも良いし、表示部103と一体化されたタッチ画面を用いる方式でも良いし、その両方でも良い。
プリンタユニット105は、コントローラユニット102から印刷指示と画像データとを受け付けたときに、その画像データを記録紙へ印刷する。そのために、プリンタユニット105は、コントローラユニット102のCPU107へ、デバイス制御I/F114を介して接続されている。
スキャナユニット106は、コントローラユニット102からスキャン指示を受け付けたときに、スキャン動作を行う。そして、スキャナユニット106は、スキャン動作で取得した画像データを、コントローラユニット102へ送信する。そのために、スキャナユニット106は、コントローラユニット102のCPU107と、デバイス制御I/F114を介して接続されている。
コントローラユニット102は、CPU107、ROM108、RAM109、HDD110、EEPROM111、表示部I/F112、操作部I/F113、デバイスI/F114およびネットワークI/F115を有する。
CPU107は、画像形成装置101に内蔵された制御プログラムの実行媒体である。すなわち、CPU107は、各I/Fや、プログラム記憶媒体や、動作メモリなどを用いて、コントローラユニット102に接続される各種デバイスの動作を制御する。
ROM108は、読み取り専用メモリであり、システム起動に必要なブートプログラムなどを記憶している。
RAM109は、揮発メモリであり、制御プログラムを実行する際に必要となるワークメモリである。
HDD110は、磁気ディスクなどの記憶媒体であり、制御プログラムや画像データなどを記憶している。
EEPROM111は、不揮発メモリであり、制御プログラムが実行する際に必要となる設定値などを記憶している。加えて、課金計算に必要な単価テーブルなども、EEPROM111に記憶されている。
表示I/F112は、表示部103へ制御情報を出力して表示させるためのインタフェースである。
操作部I/F113は、操作部104から入力情報を受け取ってCPU107に供給するためのインタフェースである。
デバイスI/F114は、コントローラユニットに接続されるデバイス(プリンタユニット105、スキャナユニット106、ICカードリーダ/ライタ118)との入出力を制御する。デバイスI/F114は、例えば、複数デバイスが接続可能なバス構造として実現することができる。あるいは、デイバイスI/F114を、1対1でデバイスに接続される複数のI/Fによって構成してもよい。
ICカードリーダ/ライタ118は、非接触ICカードをタッチ画面に接触させた状態で情報の読み出しや書き込みを行う、タッチ式カードリーダである。ここで、ICカードは、通常の板状非接触ICカードに限らず、非接触ICチップを搭載して非接触ICカード機能を実現したデバイス(モバイル端末など)等でもよく、更には、電子マネー以外の決済方式を使用するツールでもよい。すなわち、電子決済方式による支払い処理を行えるものでありさえすれば、他の種類の携帯型ツールであっても、本発明の実施に利用することができる。
ネットワークI/F115は、画像形成装置101をLAN/WAN116に接続するためのインタフェースである。このネットワークI/Fを介して、LAN/WAN116に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)117から、プリントジョブ等が受け付けられる。
また、画像形成装置101は、デバイスI/F114を介してICカードリーダ/ライタ118と通信する機能を有する。
更に、画像形成装置101は、LAN/WAN116を介して決済センターのサーバコンピュータ(PC)119と通信し、利用料金引き落とし等の決済処理を行う機能を有する。
加えて、画像形成装置101は、LAN/WAN116を介して、キャッシュレジスター120と通信する。キャッシュレジスター120は、画像形成装置101のキャンセル処理を行った際の返金などを行う装置である。
<コントローラソフトウエアのモジュール構成>
図2は、コントローラソフトウエア201のモジュールの構成を概略的に示すブロック図である。
コントローラソフトウエア201は、CPU107が制御プログラムをHDD110から読み出してRAM109に展開して実行することにより、構築される。このコントローラソフトウエア201は、UI(ユーザインタフェース)制御部202、アプリケーション制御部203、記憶装置制御部204、ネットワーク制御部205、ジョブ制御部206、課金装置制御部207およびデバイス制御部208を有している。
UI制御部202は、表示部I/F103を制御して、ユーザに視認させるための画面表示を行う。また、UI制御部202は、操作部I/F104を介してユーザの操作入力を受け付け、アプリケーション制御部203へ通知する。
アプリケーション制御部203は、UI制御部202から指示の通知を受け付けて、ジョブ制御部206へのジョブ投入などの処理を行う。また、アプリケーション制御部203は、PC117から画像形成装置101へ留め置きプリントジョブの実行が指示された際に、ネットワーク制御部205を介してプリントデータを取得し、記憶装置制御部204へ送って、HDD110等に格納させる。留め置きプリントジョブとは、ジョブ受け付け後すぐに印刷を行うのではなく、一旦画像形成装置の内部にプリントデータを保持しておいて、別途ユーザからの印刷指示を受けたときに印刷するジョブである。留め置きプリントジョブの実行に際しては、他のユーザによる無断の印刷を防止するために、パスワードを付加することができる。
記憶装置制御部204は、他の制御部からの読み書き指示に従い、HDD110やEEPROM111に対して、プリントデータや、課金計算に必要な単価テーブル、各種設定値などの読み書きを行う。
ネットワーク制御部205は、ネットワークI/F115を介して、LAN/WAN116に対するデータの送受信を行う。PC117からのプリントジョブは、一旦ネットワーク制御部205で受け付けられる。そして、プリントジョブが留め置きプリントジョブの場合、ネットワーク制御部205は、そのプリントデータをアプリケーション制御部203に送る。一方、プリントジョブが通常のプリントジョブの場合、ネットワーク制御部205は、そのデータをジョブ制御部206に送る。
ジョブ制御部206は、アプリケーション制御部203やネットワーク制御部205からのジョブ投入を受け付けると、記憶装置制御部204に保持されている各種設定を取得して、ジョブを実行する。ジョブの実行処理では、ジョブ制御部206は、デバイス制御部208へ、プリント指示やスキャン指示等を送るとともに、課金装置制御部207へ、課金に必要な情報を通知する。
課金装置制御部207は、デバイスI/F114を介して、ICカードリーダ/ライタ118と通信する。課金装置制御部207は、ICカードリーダ/ライタ118からICカードの検知や残高などの情報を受け取り、また、Cカードリーダ/ライタ118へ引き落とし金額などの情報が送られる。
デバイス制御部208は、デバイスI/F114を介して、プリンタユニット105やスキャナユニット106と通信する。デバイス制御部208は、ジョブ制御部206からプリント指示やスキャン指示等を受けた際に、プリンタユニット105にプリント動作を開始させたり、スキャナユニット106にスキャナ動作を開始させたりする。また、デバイスの動作状態に関する情報などが、デバイス制御部208を介して、ジョブ制御部206へ通知される。
<コピージョブの課金処理>
図6および図7は、本実施形態に係る画像形成装置101がコピージョブを実行する際の、課金処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、CPU107を実行媒体とし、各制御部で行う。
アプリケーション制御部203は、ユーザが操作部104でコピーのスキャン開始を選択したことを示す通知を、UI制御部202から受ける。これにより、このアプリケーション制御部203が、図6および図7の処理を開始する。
まず、ステップS601(図6参照)で、アプリケーション制御部203は、ジョブ制御部206に対するコピージョブ投入を行う。そして、ジョブ制御部206が、デバイス制御部208およびデバイスI/F114を介して、スキャナユニット106にスキャン指示を行うことで、スキャンおよび画像生成を行わせる。
すべての原稿のスキャンおよび画像生成が完了すると、ステップS602で、生成した画像の出力サイズ、カラーモードに基づき、課金額を算出する。
次に、ステップS603で、アプリケーション制御部203が、UI制御部202および表示部I/F112を介して、表示部103に、図3に示すようなICカード待ち受け画面301を表示させる。画面301のメッセージ表示領域302には、ユーザにICカードのタッチを促すメッセージを表示することが望ましい。画面301において、キャンセルボタン303が押下された場合、UI制御部202からアプリケーション制御部203へ、キャンセル要求が通知される。
ステップS604で、アプリケーション制御部203は、キャンセル要求通知を受け取ったか否かを確認する。キャンセル要求を受け取っていた場合、アプリケーション制御部203は、ステップS610以降の処理を行う。
一方、ステップS604でキャンセル要求を受け取っていないと判断した場合、アプリケーション制御部203は、ICカードリーダ/ライタ118がICカードを検知したか否かを、課金装置制御部207を介して確認する(ステップS605)。ICカードの検知が確認されなかった場合、ステップS603に戻る。
ステップS605でICカードの検知が確認された場合、アプリケーション制御部203は、課金装置制御部207を介して、ICカードリーダ/ライタ118から、そのICカードの残高を取得する(ステップS606)。
さらに、アプリケーション制御部203は、ステップS606で取得したICカードの残高を、ステップS602で算出した課金額と比較する(ステップS607)。
そして、残高が課金額よりも少ない場合は、ステップS608で、アプリケーション制御部203は、表示部103に、図4に示すエラー画面401を表示させる。エラー画面401のメッセージ表示領域402には、残高が不足している旨とともに、残高および課金額を表示することが望ましい。図4のエラー画面401において、キャンセルボタン403が押下された場合、UI制御部202からアプリケーション制御部203へ、キャンセル要求が通知される。
ステップS609で、アプリケーション制御部203は、キャンセル要求通知を受け取ったか否かを確認する。キャンセル要求を受け取っていた場合、アプリケーション制御部203は、ジョブ制御部206に対しキャンセル処理を要求し、このコピージョブの処理を終了する(ステップS610)。
一方、ステップS609でキャンセル要求通知を受け取っていないと判断された場合、アプリケーション制御部203の処理は、ステップS608に戻る。
ステップS607で、残高が課金額よりも高いと判断された場合、アプリケーション制御部203は、課金装置制御部207を介して、ICカードリーダ/ライタ118へ、課金額の引き落としを要求する(図7のステップS611)。そして、アプリケーション制御部203は、課金装置制御部207経由で、ICカードリーダ/ライタ118から引き落とし結果の通知を受信して、その結果を確認する(ステップS612)。
ステップS612で、引き落としが失敗したと判断された場合、アプリケーション制御部203の処理は、カード待ち受け画面301を表示する処理(ステップS603、図3)へ戻る。
一方、ステップS612で、引き落としが成功したと判断された場合、ステップS613以降の処理を行う。
ステップS613で、アプリケーション制御部203は、ジョブ制御部206に対し、ステップS601で生成した画像の印刷出力を要求する。この要求を受信すると、ジョブ制御部206は、デバイス制御部208およびデバイスI/F114を介して、プリンタユニット105へ、印刷を指示する。これにより、プリンタユニット105が、印刷出力を行う。
次に、ステップS614で、アプリケーション制御部203は、UI制御部202および表示部I/F112を制御して、表示部103に、決済の表示画面501を表示する。この表示画面501には、引き落とし金額と支払後残高とを表示する欄502が設けられる。
さらに、この表示画面501には、OKボタン503と、領収書出力ボタン504とが、表示される。ユーザは、領収書の出力を希望する場合には、領収書出力ボタン504を押下する。一方、領収書出力を希望しない場合、ユーザは、領収書出力ボタン504を操作すること無しに、OKボタン503を押下する。アプリケーション制御部203は、UI制御部202を介して、操作部104から、OKボタン503が押下された旨の通知または領収書出力ボタン504が押下された旨の通知を受け取る。
ステップS615で、アプリケーション制御部203は、操作部104から受け取った通知を確認する。そして、OKボタン503の押下を示す通知であった場合は、引き落とし表示画面501を閉じて、処理を終了する。
一方、ステップS615で、領収書出力ボタン504の押下を示す通知がなされたと判断された場合は、ステップS616の領収書出力処理を行ったのち、処理を終了する。
<領収書出力処理>
以下、ステップ616で実行する領収書出力処理について、図8および図9を用いて説明する。
図9は、本実施形態に係る領収書出力処理のフローチャートである。本実施形態の領収書出力処理は、CPU107を実行媒体とし、各制御部で実行する。
上述のように、表示画面501でユーザが領収書出力ボタン504の押下を行うと、この操作がアプリケーション制御部203へ通知されて、領収書出力処理が開始される。
領収書出力処理では、まず、アプリケーション制御部203は、認証制御部(図示せず)から認証状態情報を取得する。そして、ステップS801で、アプリケーション制御部203は、ユーザが認証を受けたか否かを判断する。ユーザが既にユーザ登録を済ましており、その登録ユーザとしての認証を受けて画像形成装置101を使用している場合、認証制御部は「認証済み」との認証状態情報を返送する。一方、ユーザが認証を経ずに画像形成装置101を使用している場合、認証制御部は「未認証」との認証状態情報を返送する。
ステップS801で認証済みと判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS802で、認証制御部に対して、その認証済みユーザの電子メールアドレスを取得できるか否かを確認する。ユーザが、ユーザ情報として電子メールアドレスを登録している場合には、アプリケーション制御部203が、その登録電子メールアドレスを取得できる。
ステップS801で認証を受けていると判断され且つステップS802で電子メールアドレスを取得できると判断された場合、アプリケーション制御部203は、ステップS803の処理を実行する。
ステップS803では、アプリケーション制御部203が、UI制御部202および表示部I/F112を介して、表示部103に、図8(a)に示すような、領収書受け取り方法の選択画面701を表示させる。この選択画面701には、領収書の出力方法を選択するためのラジオボタン702〜704と入力フィールド705とが表示される。
ラジオボタン702が選択された場合、領収書は、プリンタユニット105によって印刷出力される。ラジオボタン703が選択された場合、領収書の出力先は、上述のステップS802でアプリケーション制御部203が取得した電子メールアドレスに設定される。一方、ラジオボタン704が選択された場合、ユーザが入力フィールド705へ入力した任意の電子メールアドレスが、領収書の出力先として指定される。
さらに、選択画面701には、OKボタン706およびキャンセルボタン707が表示される。これらのボタン706,707は、ステップS805以降の処理(後述)に使用される。
ステップS801で認証を受けていないと判断された場合や、ステップS802で電子メールアドレスを取得できないと判断された場合、アプリケーション制御部203は、ステップS804の処理を実行する。
ステップS804では、アプリケーション制御部203が、UI制御部202および表示部I/F112を介して、表示部103に、図8(b)に示すような、領収書受け取り方法の選択画面708を表示させる。この選択画面708には、領収書の出力方法を選択するためのラジオボタン709,710と入力フィールド711とが表示される。
ラジオボタン709が選択された場合、領収書は、プリンタユニット105によって印刷出力される。一方、ラジオボタン710が選択された場合、ユーザが入力フィールド711へ入力した任意の電子メールアドレスが、領収書の出力先として指定される。
さらに、選択画面708には、OKボタン712およびキャンセルボタン713が表示される。ユーザが選択画面701,708のOKボタン706,712を押下することにより、領収書受け取り方法の選択結果がアプリケーション制御部203へ通知される。一方、キャンセルボタン707,713が押下されることにより、領収書出力処理のキャンセル要求が、アプリケーション制御部203へ通知される。
ステップS805で、アプリケーション制御部は、キャンセル要求を受けとったたか否か(すなわち、キャンセルボタン707または713が押下されたか否か)を確認する。そして、キャンセル要求を受けていると判断した場合は、アプリケーション制御部203は、選択画面701、708を閉じて、処理を終了する。
一方、ステップS805でキャンセル要求を受けていないと判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS806の処理を行う。このステップS806では、領収書受け取り方法の選択結果を受け取ったか否か(すなわち、OKボタン706または712が押下されたか否か)が確認される。そして、選択結果を受け取っていないと判断した場合は、ステップS805の処理に戻る。
一方、ステップS806で領収書受け取り方法の選択結果を受け取っていると判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS807で、その選択結果をチェックする。そして、印刷出力が選択されている場合、アプリケーション制御部203は、ステップS808で、ジョブ制御部206に対し、領収書の印刷出力要求を行う。ジョブ制御部206はデバイス制御部208およびデバイスI/F114を介して、プリンタユニット105に、印刷指示を行う。これにより、プリンタユニット105が、領収書の印刷出力を行う。
一方、ステップS807で電子メール送信が選択されている場合、アプリケーション制御部203は、ステップS809の処理を行う。このステップS809では、送信先として直接入力メールアドレスまたは登録メールアドレスのどちらが指定されたかを判断する。上述のように、選択画面701(図8(a)参照)でラジオボタン704が選択された場合や、選択画面708(図8(b)参照)でラジオボタン710が選択された場合は、入力フィールド705,711に直接入力されたメールアドレスが領収書の宛先となる。一方、選択画面701(図8(a)参照)でラジオボタン703が選択された場合は、ステップS802で取得されたメールアドレス(すなわち、予めユーザが登録したメールアドレス)が、領収書の宛先となる。
ステップS809で直接入力メールアドレスが指定されたと判断した場合、続いて、アプリケーション制御部203は、ステップS810で、入力フィールド705または711に、メールアドレスが入力されているか否かを判断する。そして、メールアドレスが入力されていないと判断した場合、処理はステップS801へ戻る。
ステップS809で登録メールアドレスが指定されていると判断した場合や、ステップS810でメールアドレスが入力済みであると判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS811の処理を行う。このステップS811では、選択画面701または708で指定されたメールアドレスへ領収書情報を送信するように、アプリケーション制御部203がネットワーク制御部205へ要求する。ネットワーク制御部205は、ネットワークI/F115を介して、指定されたメールアドレスへ電子メールを送信する。これにより、領収書出力処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、非接触式ICカードを利用する場合に、事前にコピーの課金額の算出および引き落とし処理を行うことで、簡単且つ分かりやすい操作で確実に課金の徴収を行うことができる。
[実施形態2]
本発明の実施形態2について、図10〜図17を用いて説明する。
本実施形態では、精算処理のタイミングとして、前精算または後精算をユーザが選択できるように構成した画像形成装置について説明する。ここでは、ジョブの実行前に精算処理を行うことを「前精算」と称し、ジョブの実行後に精算処理を行うことを「後精算」と称する。
<前精算、後精算のモード分岐処理>
図10は、精算処理のタイミングを設定する処理を示すフローチャートである。本処理は、CPU107を実行媒体とし、各制御部で実行する。
本実施形態では、予め、設定画面1101(図13参照)を用いて、精算処理のタイミング設定が行われる。図13の設定画面1101において、前精算を行う場合はラジオボタン1102が選択され、後精算を行う場合はラジオボタン1103が選択される。ラジオボタン1102,1103を選択した後でOKボタン1104を押下することで、設定が完了する。
本実施形態の画像形成装置101でコピージョブを実行する場合、まず、ユーザが操作部104を操作することにより、コピーのスキャンが開始される。そして、このスキャン開始が操作部104からアプリケーション制御部203へ通知されることにより、アプリケーション制御部203の処理が開始する。
アプリケーション制御部203の処理では、まず、ステップS901で、アプリケーション制御部203が、課金処理の精算モードを取得する。
次に、ステップS902で、取得した精算モードで、精算処理のタイミングについての設定を確認する。そして、前精算に設定されていると判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS903の前精算出力処理を行う。ここで、前清算出力処理の手順は、実施形態1で示した処理とほぼ同様であるため、説明を省略する。
一方、ステップS902で、後精算に設定されていると判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS904の後精算出力処理を行う。
以下、後精算出力処理について説明する。
<コピージョブの後精算モードの課金処理>
図11および図12は、コピージョブにおいて後精算の課金処理を行う場合のフローチャートである。本処理は、CPU107を実行媒体とし、各制御部で実行する。
まず、ステップS1001(図11参照)で、アプリケーション制御部203が、ジョブ制御部206に対して、コピージョブ投入を行う。そして、ジョブ制御部206が、デバイス制御部208およびデバイスI/F114を介して、スキャナユニット106へスキャン指示を行う。これによって、スキャナユニット106が、スキャンおよび画像生成を行う。すべての原稿のスキャンおよび画像生成が完了すると、アプリケーション制御部203は、ステップS1002で、生成した画像の出力サイズやカラーモード等に基づいて、課金額を算出する。
次に、ステップS1003で、アプリケーション制御部203は、表示部103に、図14に示すような待ち受け画面1201を表示させる。この待ち受け画面1201において、メッセージ表示領域1202には、引き落とし予定金額が表示される。また、メッセージ表示領域1203に示したように、この待ち受け画面1201には、ユーザにICカードのタッチを促すメッセージを表示することが望ましい。加えて、この待ち受け画面1201には、キャンセルボタン1204が表示される。キャンセルボタン1204が押し下げられたとき、操作部I/F104およびUI制御部202を介して、操作部104からアプリケーション制御部203へ、キャンセル要求が通知される。
ステップS1004では、アプリケーション制御部203が、キャンセル要求を受信したか否かを確認する。キャンセル要求が成されたと判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1010のキャンセル処理を行って、処理を終了する。
一方、ステップS1004で、キャンセル要求を受け取っていないと判断した場合、アプリケーション制御部203の処理は、ステップS1005へ移行する。
ステップS1005で、アプリケーション制御部203は、課金装置制御部207を介して、ICカードリーダ/ライタ118へ、ICカードを検知したか否かを確認する。ICカードが検知されていない場合、アプリケーション制御部203の処理は、ステップS1003へ戻る。
一方、ステップS1005でICカードが検知された場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1006で、課金装置制御部207を介して、ICカードリーダ/ライタ118からICカードの残高を取得する。
そして、ステップS1007で、アプリケーション制御部203は、取得した残高を、ステップS1002で算出した課金額と比較する。残高が課金額よりも小さい場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1008で、図15に示すようなエラー画面1301を表示する。このエラー画面1301のメッセージ表示領域1302には、残高が不足している旨を表示するとともに、残高および課金額を表示することが望ましい。
ステップS1009で、アプリケーション制御部203は、キャンセル要求を受信したか否かを確認する。キャンセル要求が成されたと判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1010のキャンセル処理を行って、処理を終了する。一方、ステップS1009でキャンセル要求を受け取っていないと判断した場合、アプリケーション制御部203の処理は、ステップS1008へ移行する。
一方、ステップS1007で残高が課金額以上であった場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1011(図12参照)の印刷処理を実行する。そのために、アプリケーション制御部203は、まず、ジョブ制御部206に対して、ステップS1001で生成した画像の印刷出力を要求する。ジョブ制御部206は、デバイス制御部208およびデバイスI/F114を介して、プリンタユニット105へ印刷を指示する。そして、プリンタユニット105が、印刷出力を実行する。
次に、ステップS1012で、アプリケーション制御部203は、図16に示すような待ち受け画面1401を表示する。この待ち受け画面1401のメッセージ表示領域1402には、引落金額(すなわち課金額)と支払後残高とを表示する。この支払後残高は、上述のステップS1006で取得した、ICカードの残高から計算される。ここで、待ち受け画面1401には、メッセージ表示領域1403として示したような、ICカードリーダ/ライタ118にICカードを接触させて精算処理を行うようにユーザに促すメッセージを表示することが望ましい。
ステップS1013で、アプリケーション制御部203は、課金装置制御部207を介して、ICカードリーダ/ライタ118へ、ICカードを検知したか否かを確認する。ICカードが検知されていない場合、アプリケーション制御部203の処理は、ステップS1012へ戻る。
一方、ステップS1013でICカードが検知されていた場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1014で、課金装置制御部207を介して、ICカードリーダ/ライタ118に対して、課金額をICカードから引き落とす処理を要求する。ICカードリーダ/ライタ118は、この要求を受けて引き落とし処理を実行し、引き落としの成否を、アプリケーション制御部203へ通知する。
アプリケーション制御部203は、ステップS1015で、この通知に基づいて、引き落としの成否を判断する。引き落としに失敗したと判断した場合、アプリケーション制御部203の処理は、ステップS1012に戻る。
一方、ステップS1015で引き落としに成功したと判断した場合、アプリケーション制御部203の処理は、ステップS1016へ移る。
ステップS1016では、アプリケーション制御部203が、図17に示すような印刷終了画面1501を表示する。この印刷終了画面1501には、メッセージ表示領域1502して示したように、印刷が終了した旨のメッセージを表示することが望ましい。
さらに、この印刷終了画面1501には、OKボタン1503と、領収書出力ボタン1504とが、表示される。ユーザは、領収書出力を希望する場合には、領収書出力ボタン1504を押下する。一方、領収書出力を希望しない場合、ユーザは、領収書出力ボタン1504を操作すること無しに、OKボタン1503を押下する。アプリケーション制御部203は、UI制御部202を介して、操作部104から、OKボタン1503が押下された旨の通知または領収書出力ボタン1504が押下された旨の通知を受け取る。
ステップS1017で、アプリケーション制御部203は、操作部104から受け取った通知を確認する。そして、OKボタン1503の押下を示す通知であった場合は、引き印刷終了画面1501を閉じて、処理を終了する。
一方、ステップS1017で、領収書出力ボタン504の押下を示す通知がなされたと判断された場合は、ステップS616の領収書出力処理を行ったのち、処理を終了する。なお、ステップS1018に示す領収書出力処理は、実施形態1で説明したものと同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態によれば、後精算モードを選択した場合に、印刷処理の前に残高を確認し且つ印刷処理後に課金額を引き落とすことができるので、簡単且つ分かりやすい操作で確実に課金の徴収を行うことができる。
加えて、本実施形態によれば、非接触式ICカードを利用する場合に、前精算処理を行うことで、上述の実施形態1と同様にして、簡単且つ分かりやすい操作で確実に課金の徴収を行うことができる。
[実施形態3]
本発明の実施形態3について、図18〜図23を用いて説明する。
本実施形態では、課金を引き落とした後で印刷が中止された場合に返金処理を行える画像形成装置101について説明する。
<コピージョブのキャンセル処理>
図18および図19は、本実施形態に係るキャンセル処理のフローチャートである。本処理は、CPU107を実行媒体とし、各制御部で実行する。
アプリケーション制御部203は、例えば、図7のステップS613で印刷処理を実行している最中に、この印刷処理が中止された旨の通知を受けた場合、このキャンセル処理を実行する。印刷処理が中止される場合とは、例えば、印刷処理中にユーザが操作部104を操作してキャンセル要求を行った場合や、プリンタユニット105の動作が紙詰まり等の異常のために停止した場合等である。
本実施形態では、図22に示すような設定画面1801で、例えば画像形成装置101の管理者が、予め、返金処理の処理モードを設定しておく。処理モードは、QRコード(登録商標)を用いるモード、バーコードを用いるモード、シリアルコードを用いるモードまたはICカードを用いるモードである。このように、本実施形態では、光学読取可能な情報を用いてもよいし、他の種類の情報を用いてもよい。なお、この設定は、実際に返金処理を開始する際に、ユーザに行わせることとしてもよい。
この設定画面1801では、ユーザへ返金を行う際に使用する処理モードを選択する。
図22から解るように、ユーザは、QRコードを使用する場合、ラジオボタン1802を選択する。同様に、バーコードを使用する場合はラジオボタン1803を、シリアルコードを使用する場合はラジオボタン1804を、ICカードの情報を使用する場合はラジオボタン1805を、それぞれ選択する。
キャンセル処理では、まず、ステップS1600(図18参照)で、アプリケーション制御部203が、ステップS602で算出した課金額とステップS613の印刷出力枚数を基に、返金金額を算出する。
次に、ステップS1601で、アプリケーション制御部203は、処理モードの種類(QRコード、バーコード、シリアルコードまたはICカードの区別)を取得する。
ステップS1602では、アプリケーション制御部203が、ステップS1601で取得した処理モードの種類を判断する。
ステップS1602で、返金処理モードがQRコードまたはバーコードであると判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1603の処理を行う。この処理では、返金手続情報(例えば、ステップS1600で算出した返金金額や、返金対象となるユーザの識別情報等)を埋め込んだ、QRコードあるいはバーコードが生成される。
また、ステップS1602で、返金処理モードがシリアルコードであると判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1604の処理を行う。この処理では、ステップS1600で算出した返金金額に関連付けたシリアルコードが生成されて、キャッシュレジスター120へ送信される。
ステップS1603またはS1604の実行後、アプリケーション制御部203は、ステップS1606で、表示部103に、図23に示すような選択画面1901を表示させる。
この選択画面1901には、印刷出力、ディスプレイ表示、URL表示、電子メール送信のいずれかを選択するためのラジオボタン1902〜1905が表示される。
選択画面1901において、返金手続情報を印刷出力したい場合は、ラジオボタン1902を選択する。返金手続情報をディスプレイ表示したい場合は、ラジオボタン1903を選択する。返金手続情報をWebページで確認するためにそのWebページのURLを取得したい場合は、ラジオボタン1904を選択する。返金手続情報を電子メールで取得したい場合は、ラジオボタン1905を選択するとともに、入力フィールド1906への電子メールアドレスを入力する必要がある。
ユーザは、ラジオボタン1902〜1905の選択や入力フィールド1906への入力を行った後、OKボタン1907を押下する。
ステップS1607で、アプリケーション制御部203は、ユーザがOKボタン1807を押下したか否かを判断する。OKボタン1807が押下されたと判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1607以降で、選択画面1901での選択結果に応じた出力処理を、以下のようにして行う。
ステップS1608で印刷出力が選択されたと判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1609で、ジョブ制御部206に対して、コード情報の印刷出力を要求する。これにより、プリンタユニット105が印刷出力を行って、このキャンセル処理が終了する。コード情報とは、ステップS1603で生成したQRコードまたはバーコード、あるいは、ステップS1604で生成したシリアルコードである。一方、印刷出力が選択されていない場合、アプリケーション制御部203の処理は、ステップS1610へ移行する。
ステップS1610(図19参照)でディスプレイ出力が選択されたと判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1611で、生成したQRコードまたはバーコードを表示部103に表示させる処理を行って、このキャンセル処理を終了する。一方、ディスプレイ出力が選択されていないと判断した場合、アプリケーション制御部203の処理は、ステップS1612へ移行する。
ステップS1612でURL表示が選択されたと判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1613の処理を行う。このステップS1613で、アプリケーション制御部203は、生成したコード情報をディスプレイ表示するためのWebページを生成したのち、そのWebページを示すURLを表示部103に表示させる。その後、このキャンセル処理が終了する。
一方、URL表示が選択されていないと判断した場合、アプリケーション制御部203の処理は、電子メール送信が選択されたと判断する。この場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1614で、選択画面1901の入力フィールド1906へメールアドレスが入力されているか否かを判断する。入力済みでない場合、アプリケーション制御部203の処理は、ステップS1607へ戻る。
ステップS1614でメールアドレスが入力済みであると判断した場合、アプリケーション制御部203は、ネットワーク制御部205に対して、入力された電子メールアドレスへQRコードまたはバーコードを送信するよう要求する。ネットワーク制御部205は、ネットワークI/F115を介して、入力された電子メールアドレスに対して電子メールを送信して、このキャンセル処理を終了する。
一方、ステップS1602でICカードが選択されたと判断した場合、アプリケーション制御部203は、ステップS1605の処理を行う。このステップS1605では、ステップS1600で算出した返金金額と、課金装置制御部207を介して取得したICカードの識別IDとを、キャッシュレジスター120に送信する。この送信処理ののち、アプリケーション制御部203は、このキャンセル処理を終了する。
<返金処理>
キャンセル処理が終了すると、ユーザは、管理者からの返金処理を受ける。この返金処理は、例えば、コード情報(QRコード、バーコードまたはシリアルコード)を印刷した用紙、あるいは、コード情報を表示したディスプレイ等を用い、管理者等がキャッシュレジスター120を操作することで行われる。
図20および図21は、本実施形態に係る返金処理のフローチャートである。本処理は、キャッシュレジスター120を実行媒体とし、各制御部で実行される。以下、キャッシュレジスター120を管理者が操作する場合を例にとって説明する。
まず、管理者は、上述のキャンセル処理で記録紙等に出力したコード情報(QRコード、バーコードまたはシリアルコード)を、キャッシュレジスター120で読み取る。
ステップS1701(図20参照)で、キャッシュレジスター120は、読み取った情報のコード形式がステップS1603で生成したQRコードまたはバーコードであるか否かを判断する。
読み取った情報のコード形式がステップS1603で生成したQRコードまたはバーコードであると判断した場合、キャッシュレジスター120は、ステップS1702で、読み取ったコード情報の識別子から、返金済みか否かを判断する。返金済か否かは、キャッシュレジスター120内に記憶された返金済み情報を用いて判断することができる。そして、返金済みと判断した場合は、キャッシュレジスター120は、ステップS1713でエラーメッセージを出力したのち、処理を終了する。
一方、ステップS1702で返金済みでないと判断した場合、キャッシュレジスター120は、ステップS1703で、そのQRコードまたはバーコードから、返金金額と識別子とを抽出する。そして、管理者からユーザへの返金が終わった後で、キャッシュレジスター120は、ステップS1704で、識別子に関連付けられた返金済み情報を更新して記憶したのち、処理を終了する。
上述のステップS1701で、読み取ったコード情報がステップS1603で生成したQRコードまたはバーコードではないと判断した場合、ステップS1705の処理が実行される。ステップS1705では、キャッシュレジスター120が、読み取った情報がステップS1604で生成したシリアルコードであるか否かを判断する。
読み取った情報のコード形式がステップS1604で生成したシリアルコードであると判断した場合、キャッシュレジスター120は、ステップS1707で、読み取ったコード情報の識別子と上述の返金済み情報とを用いて、返金済みか否かを判断する。そして、返金済みと判断した場合は、キャッシュレジスター120は、ステップS1713でエラーメッセージを出力したのち、処理を終了する。
一方、ステップS1706で返金済みでないと判断した場合、キャッシュレジスター120は、ステップS1707で、そのシリアルコードから、返金金額と識別子とを抽出する。そして、管理者からユーザへの返金が終わった後で、キャッシュレジスター120は、ステップS1708で、識別子に関連付けられた返金済み情報を更新して記憶したのち、処理を終了する。
上述のステップS1705で、読み取ったコード情報がステップS1604で生成したシリアルコードではないと判断した場合、ステップS1709の処理が実行される。ステップS1709では、キャッシュレジスター120が、読み取った情報がステップS1605で生成したICカード情報か否かを判断する。
読み取った情報がICカード情報だと判断した場合、キャッシュレジスター120は、ステップS1710で、返金済みが否かを、そのICカード情報のIDと上述の返金済み情報とを用いて判断する。そして、返金済みと判断した場合、キャッシュレジスター120は、ステップS1713でエラーメッセージを出力したのち、処理を終了する。
一方、ステップS1710で返金済みでないと判断した場合、キャッシュレジスター120は、ステップS1711で、そのシリアルコードから、返金金額と識別子とを抽出する。そして、管理者からユーザへの返金処理が終わった後で、キャッシュレジスター120は、ステップS1712で識別子に関連付けられた返金済み情報を更新して決済センターのサーバコンピュータ119へ送信したのち、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、事前に課金額の算出および引き落としを行ったのち、キャンセル処理が行われた場合に、簡単且つ分かりやすい方法で適切な返金処理を行うことができる。