JP2020105752A - 白色舗装補修材用組成物及び白色舗装補修材 - Google Patents

白色舗装補修材用組成物及び白色舗装補修材 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート舗装のような白色舗装との色味の調和が容易で、混練時には流動性が高く、塗装後は補修箇所の内壁面への付着性が良好となって、補修箇所が傾斜面であっても優れた補修効果が得られる白色舗装補修材用組成物を提供する。【解決手段】白色セメント、揺変性付与剤、骨材を含有し、前記白色セメント100部に対し、前記揺変性付与剤を50〜300部含有してなる白色舗装補修材用組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、主として白色舗装の補修に用いられる白色舗装補修材用組成物及び白色舗装補修材に関する。
従来、道路などの舗装面の小規模補修には加熱アスファルトモルタルやセメント系材料が補修材として多用されてきた(特許文献1、2参照)。
特開2010−222910号公報 特開2018−100503号公報
しかし、特許文献1に記載されるような従来の加熱アスファルトモルタルは、製造プラントから補修現場まで保温処理を施したダンプ、トラックなどによって運搬し、熱いうちに或いは加熱しながら補修作業を行わなければならない。このため、現場における舗設作業に制約が課されてしまう問題があった。
また、従来技術に係る瀝青(アスファルト)系の補修材料は、交通車両等によるわだち掘れなどの塑性変形を伴うため、繰り返しの補修を必要とすることがあるが、作業者や作業方法のばらつきにより補修後の状態が一定しない問題が発生していた。特に、補修に転圧作業を伴う場合には、従来技術に係るアスファルト系補修材料では、転圧が不十分であると性能の低下を招いてしまっていた。また、アスファルトは黒色を呈するため、コンクリート舗装のような白色舗装との色味の調和が難しい問題があった。
さらに、道路補修をするにあたっては、平面だけでなく傾斜面での補修も多く必要になる。このため特許文献2に記載されるような従来のセメント系材料では、チクソ性が小さいため、傾斜面で材料が流れてしまい、硬化後に凹凸が発生する課題が解決できなかった。
以上から、本発明は、コンクリート舗装のような白色舗装との色味の調和が容易で、混練時には流動性が高く、塗装後は補修箇所の内壁面への付着性が良好となって、補修箇所が傾斜面であっても優れた補修効果が得られる白色舗装補修材用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決できる白色舗装補修材用組成物について鋭意研究を進めたところ、白色セメント、揺変性付与剤、骨材を組み合わせ、揺変性付与剤の量を特定の範囲とすることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は下記のとおりである。
[1] 白色セメント、揺変性付与剤、及び骨材を含有し、前記白色セメント100部に対し、前記揺変性付与剤を50〜300部含有してなる白色舗装補修材用組成物。
[2] さらに、繊維を含有する[1]に記載の白色舗装補修材用組成物。
[3] 前記白色セメント100部に対し、前記繊維を0.5〜4部含有する[2]に記載の白色舗装補修材用組成物。
[4] 前記白色セメント100部に対し、前記骨材を100〜1000部含有する[1]〜[3]のいずれかに記載の白色舗装補修材用組成物。
[5] 前記揺変性付与剤がゴム成分を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の白色舗装補修材用組成物。
[6] さらに、ガラス化率が70%以上、CaO/Al23モル比が1.0〜2.7、ブレーン比表面積が3000cm/g以上であるカルシウムアルミネートを含有する[1]〜[5]のいずれかに記載の白色舗装補修材用組成物。
[7] さらに、石膏を含有する[1]〜[6]のいずれかに記載の白色舗装補修材用組成物。
[8] 前記骨材が石灰石である[1]〜[7]のいずれかに記載の白色舗装補修材用組成物。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の白色舗装補修材用組成物からなる白色舗装補修材。
本発明によれば、コンクリート舗装のような白色舗装との色味の調和が容易で、混練時には流動性が高く、塗装後は補修箇所の内壁面への付着性が良好となって、補修箇所が傾斜面であっても優れた補修効果が得られる白色舗装補修材用組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態(本実施形態)について説明する。
なお、本明細書における「部」や「パーセント(%)」は、特に規定しない限り質量基準で示す。また本明細書における数値範囲は、別段の定めのないかぎりは上限値と下限値を含むものとする。
[1.白色舗装補修材用組成物]
本実施形態の白色舗装補修材用組成物は、白色セメント、揺変性付与剤、骨材を含有し、白色セメント100部に対し、揺変性付与剤を50〜300部含有する。揺変性付与剤を含有することで、混練時には流動性が高く、補修箇所に塗装後は流動性が低下する、いわゆるチクソ性が発現し、特に、白色セメント100部に対し揺変性付与剤を50〜300部含有することで、補修箇所の内壁面への付着性が良好となって、補修箇所が傾斜面であっても優れた補修効果が得られる。
以下、本実施形態の各成分等について説明する。
(白色セメント)
白色セメントとは白色ポルトランドセメントと呼ばれるもので、これを含有させることで、白色舗装と色味を調和させることができる。白色セメントは、普通ポルトランドセメントと同様の鉱物組成として、3CaO・SiOや2CaO・SiOなどの水硬性カルシウムシリケートを主体とするが、普通ポルトランドセメントの着色原因である4CaO・Al・Feの鉱物組成を極力少なくして、3CaO・Alを多めに調整したものである。ポルトランドセメントの着色原因は、Fe、TiO及びMnなどの不純物成分の影響が大きいとされているが、中でも、Feの影響が最も大きいと考えられている。このため、本実施形態に係る白色セメントは、Feが0.5%未満であることが好ましく、0.3%以下がより好ましい。
白色舗装補修材用組成物中の白色セメントの含有量は、良好な白色を付与する観点から、白色舗装補修材用組成物100部中、5〜30部であることが好ましく、10〜20部であることがより好ましい。
(揺変性付与剤)
揺変性付与剤は、チクソ性を発現することで、既述のような補修効果を発揮するが、乾燥、硬化することで、白色セメントと共に結合材としての機能も発揮する。
揺変性付与剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、プロピオン酸ビニル樹脂、バーサティック酸ビニル樹脂等のカルボン酸ビニル樹脂;(メタ)アクリル酸メチル樹脂、(メタ)アクリル酸エチル樹脂、(メタ)アクリル酸メチル樹脂、(メタ)アクリル酸エチル樹脂、(メタ)アクリル酸ブチル樹脂、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリロニトリル樹脂等のアクリル樹脂;ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂またはそれらの変性樹脂;スチレン・ブタジエン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、クロロプレンゴム、アクリルニトリル・ブタジエン共重合体又はメチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴムや天然ゴム等のゴム成分等が挙げられる。
これらは、単独で用いても良く、2種類以上を混合して用いてもよく、或いは、これらの樹脂を形成する単量体の2種以上を共重合させたものを用いてもよい。
優れたチキソ性を発揮させる観点から、スチレン・ブタジエン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、クロロプレンゴム、アクリルニトリル・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等のゴム成分が好ましい。
揺変性付与剤は、白色セメント100部に対し50〜300部含有させるが、70〜250部含有させることが好ましく、100〜200部含有させることがより好ましい。揺変性付与剤が50部未満では、傾斜面を施工するのに十分なチクソ性が得られなかったり、弾性(たわみ)が小さくなることによりひび割れ抵抗性が下がり、車両等の荷重が掛かった際にひび割れを起こしたりする問題が発生する。300部を超えると、粘性が上がり作業性が悪くなったり、車両等が通過した際にエマルジョンが周囲に染み出たりする問題が発生する。
揺変性付与剤は、液体、エマルジョン、又はエマルジョンを粉末状にした再乳化型粉末樹脂といった形態で混合されるが、効果の発現しやすさの観点から、エマルジョンの形態であることが好ましい。
エマルジョンの種類としては、例えば、JIS A6203:2015で規定されているセメント混和用のポリマー(ポリマーディスパージョン)が使用でき、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル(EVA)共重合体、ノニオン系のクロロプレンゴム、及び天然ゴム等のゴムラテックス、ポリアクリル酸エステル、酢酸ビニルビニルバーサテート系共重合体、及びスチレン・アクリル酸エステル共重合体やアクリロニトリル・アクリル酸エステルに代表されるアクリル酸エステル系共重合体、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂に代表されるポリマー等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。これらのうちでは、チクソ性を得やすい観点からスチレン・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル(EVA)共重合体が特に好ましい。
(骨材)
本実施形態の骨材は、通常使われている川砂、海砂、砕砂、珪砂、軽量骨材などが挙げられ、それらのうち1種又は2種以上を混合して使用することが可能であり、プレミックス製品として使用する際にはこれらを乾燥させたものを使用することが好ましい。特に、硬化後に白色にするため、石灰砕砂が好ましい。
骨材の寸法は、最大粒径5.0mm以下とすることが好ましく,最大粒径2.5mm以下とすることがより好ましい。最大粒径を5.0mm以下とすることで、舗装面を滑らかに仕上りやすくなり、凹凸が生じにくくなる。また、補修面とその周囲の舗装面との間に段差が生じると、補修箇所を車両が通過する際に補修材が段差の境界から剥離してしまうことがあるが、最大粒径5.0mm以下とすることでかかる現象を防ぐことができる。
骨材は、白色セメント100部に対し100〜1000部含有することが好ましく、200〜900部含有することがより好ましい。骨材量が100部以上であると凍結融解抵抗性を良好に維持することができ、骨材量が1000部以下であると強度低下による破損を防ぐことができる。
(繊維)
本実施形態においては、チクソ性を向上させて傾斜面での施工を容易にする観点から、繊維を含有することが好ましい。繊維としては、例えば、ビニロン繊維、プロピレン繊維、及びナイロン繊維等の高分子繊維;鋼繊維、ガラス繊維、及び炭素繊維に代表される無機繊維;が挙げられる。これらのうち、軽量で機械的性能や耐久性に優れている点から、高分子繊維を用いるのが好ましい。
繊維の平均長さとしては、1〜20mmが好ましく、3〜10mmがさらに好ましい。繊維の平均長さが1mm以上であることで、良好なひび割れ抑制効果が得られやすくなり、20mm以下であると粘性が上がりすぎず、良好な作業性が得られやすくなる。
繊維の平均太さ(平均繊維径)としては、0.004〜0.15mmが好ましく、0.01〜0.10mmがより好ましい。繊維の平均太さが0.004〜0.15mmであると、良好なひび割れ抑制効果が得られやすくなる。
ここで、繊維の平均長さと平均径については、任意の50繊維を抽出し、光学顕微鏡下で平均長さと平均径を求めることができる。
繊維は、白色セメント100部に対し0.5〜4部含有することが好ましく、1〜3.5部含有することがより好ましい。繊維量が0.5部以上であると、傾斜面を施工するのに十分なチクソ性が得られやすくなり、4部以下であると、粘性が上がり過ぎず、手作業による混合がしやすくなる。
(カルシウムアルミネート)
好ましい実施形態においては、白色舗装補修材用組成物がさらに、硬化速度を高める目的または初期強度を高める目的を以ってカルシウムアルミネート(以下「CA」とも略記することがある)をさらに含んでもよい。そうしたカルシウムアルミネートとしては、一般に市販されているアルミナセメントを使用できる。また、アルミナセメントよりも短時間で硬化し、その後の初期強度発現性が高いカルシウムアルミネートとして、電気炉で溶融後、急冷した非晶質のカルシウムアルミネートを好ましく使用してもよい。
カルシウムアルミネート中のCaO/Alモル比は、1.0〜2.7が好ましく、1.5〜2.5がより好ましい。カルシウムアルミネート中に含まれるCaOやAl以外の他の成分は、15%以下であることが初期強度発現性の点から好ましく、10%以下であることがより好ましい。15%以下であると、硬化に時間を要することなく、更に低温環境下でも固まりやすい。
CaOやAl以外の他の成分の代表例として二酸化ケイ素があり、その他に、例えば、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等があり、特に限定されるものでない。
非晶質カルシウムアルミネートのガラス化率は、70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。70%未満であると、初期強度発現性が低下する場合がある。ガラス化率は加熱前のサンプルについて、粉末X線回折法により、結晶鉱物のメインピーク面積Sを予め測定し、その後1000℃で2時間加熱後、1〜10℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法による加熱後の結晶鉱物のメインピーク面積S0を求め、更に、これらのS0及びSの値を用い、次の式を用いてガラス化率χを算出できる。
ガラス化率χ(%)=100×(1−S/S0
カルシウムアルミネートの粒度は、初期強度発現性の面で、ブレーン比表面積値で、3000cm/g以上が好ましく、4000cm/g以上がより好ましい。ブレーン比表面積値が3000cm/g未満であると、初期強度発現性が低下する場合がある。なお、本明細書におけるブレーン比表面積値は、JIS R 5201 (セメントの物理試験方法)に準拠して求めることができる。
カルシウムアルミネートの使用量は、セメント100部に対して、60部以下が好ましく、5〜60部がより好ましく、10〜50部がさらに好ましい。カルシウムアルミネートの使用量が60部以下であると硬化までの時間が短すぎず、作業時間が確保しやすい。
(石膏)
また好ましい実施形態では、白色舗装補修材用組成物がさらに、初期強度を高める目的を以って石膏を含んでいてもよい。そうした石膏としては、二水石膏、半水石膏と無水石膏が使用でき、強度発現性の面では無水石膏が好ましく、弗酸副生無水石膏や天然無水石膏が使用できる。石膏を水に浸漬させたときのpHは、pH8以下の弱アルカリから酸性のものが好ましい。pHが高い場合、石膏成分の溶解度が高くなり、初期の強度発現性を阻害する場合がある。ここでいうpHとは、石膏/イオン交換水=1g/100gの20℃における希釈スラリーのpHを、イオン交換電極等を用いて測定するものである。これらの石膏のうち、強度発現性の点から、弗酸副生無水石膏が好ましい。
石膏の粒度は、初期強度発現性及び適正な作業時間が得られるという観点から、ブレーン比表面積値で3000cm/g以上が好ましく、4000cm/g以上がより好ましい。
石膏は、上記のカルシウムアルミネートと併用するのが硬化時間を適切に調節する上で好ましい。石膏の使用量は、セメント100部に対して、5〜60部が好ましく、10〜50部がより好ましい。石膏の使用量が5〜60部であると、良好な初期強度発現性が得られやすくなる。
以上説明してきたように、本発明の実施形態に係る白色舗装補修材用組成物は、白色セメント、揺変性付与剤、骨材という3種の材料と、さらに必要に応じて、繊維、カルシウムアルミネート、石膏のいずれか一種以上の材料とを混合することにより製造できる。それら各材料の混合方法は、特に限定されない。例えば、白色舗装補修材用組成物の使用時に、それぞれの材料を順次混合してもよい。また、白色舗装補修材用組成物を構成する材料の全部を、施工の前に予め混合しておいてもよい(すなわち、白色舗装補修材用組成物がプレミックスモルタルであることが好ましい)。
白色舗装補修材用組成物を構成する材料を混合するときに用いる混合装置としては、既存のいかなる混合装置も使用可能である。例えば、混合装置として、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ及びナウタミキサ等が使用可能である。本実施形態に係る白色舗装補修材用組成物は、適切なチクソ性を有するため、その施工にあたって特別な機材は必要なく、粉体と液体をビニール袋等の容器の中で手混合して材料の混練を行うことも可能である。このような特徴は、チクソ性に劣る従来技術に係る補修材では得られない。
[2.白色舗装補修材]
本実施形態に係る白色舗装補修材は、既述の本発明の白色舗装補修材用組成物からなる。
本発明の実施形態に係る白色舗装補修材の使用にあたっては、道路等の補修箇所(ポットホール)に対し、水と混練した白色舗装補修材を直ちに充填し、充填後直ちにコテで仕上げることで平滑性が確保される。
混練時の水の量は、白色セメント100部に対して、10〜70部が好ましく、20〜60部がより好ましい。水量が10部以上であると、作業時間が確保しやすくなる。また水量が70部以下であると良好な初期強度発現性が得られやすくなる。
本実施形態に係る白色舗装補修材は、車道や歩道の白色舗装路面の補修に使用できるだけでなく、地下埋設物の人孔鉄蓋周辺部分、橋梁ジョイント部等の破損部や段差部分などを補修するためにも使用可能である。特に、補修箇所を含む水平面に対して0〜30°の傾斜した補修箇所に対しても有効に使用可能であり、転圧を省略することもできる。
以下、実施例、比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実験例1]
表1に示す配合で、ヘンシェルミキサで混合し、白色舗装補修材用組成物からなる白色舗装補修材を作製した。作製した白色舗装補修材について、各種試験を行った。
使用材料及び試験方法は、以下の通りである。
使用材料:
白色セメント:ブレーン比表面積3350cm/g
骨材:石灰石砕砂(最大粒径1.2mm、実験例1−1から1−13で使用)
川砂(最大粒径1.2mm、実験例1−14で使用)
揺変性付与材:
(1)SBR系;エマルジョン(ポリマーラテックス)、スチレン・ブタジエン(SBR)系ゴム(45質量%)
(2)EVA系;EVAエマルジョン(デンカ(株)製、デンカEVA 83PLE)
繊維:ナイロン系収束繊維(平均繊維長3mm、平均繊維太さ0.05mm)
試験方法:
チクソ性について、以下の(1)(2)の2項目を評価した。
(1)静置フロー
JIS R 5201:2015に準拠し、水平面に対して20°の傾斜面を有するコンクリート壁の当該傾斜面に、白色舗装補修材を左官用金ゴテを用いて塗工し、塗工直後から30分後の白色舗装補修材の付着性を観察した。
白色舗装補修材が傾斜面に沿って流動する(ダレる)領域(塗工直後からの流動物の最大長さ)が200mm以下の場合、傾斜面での施工時にダレることなく施工できると判断した。結果を下記表1に示す。
○:静置フロー値が180mm以下。
△:静置フロー値が180mm超200mm以下。
×:静置フロー値が200mm超。
(2)手混合の可否
ビニール袋の中に材料を投入して30秒間手混合した際、手混合時の練り易さ(袋に材料がべとつかないか)を評価した。結果を下記表1に示す。
○:軽く袋を動かして混合できる。
△:大きく、かつ激しく袋を動かせば混合できる。
×:手で袋の中の材料を揉み込まないと混合できない。
チクソ性の総合評価として、上記(1)(2)の悪い方の評価を用いた。すなわち総合評価が「○」であるのは、上記(1)(2)ともに「○」の場合である。なお記号「○」は優れていること(excellent)、「△」は良くはないが実用上は問題ないこと(not good)、「×」は劣っており実用的ではないこと(poor)を意味する。
表1より、すべての実施例は実用的であった。なお、実施例および比較例ともに白色のコンクリートとの色味の調和が良好であった。すなわち、コンクリート舗装のような白色舗装との色味の調和が容易であることが確認できた。
また、同一配合で比較した場合、川砂(実験例1−14)に比べ、石灰砂(実験例1−4)の方が、静置フローは良好であった。
[実験例2]
カルシウムアルミネート及び石膏を用いて、表2に示す配合とした以外は実験例1と同様にして白色舗装補修材を調製した。なお、揺変性付与材としてはSBR系を用いた。
得られた舗装用補修材に対して可使時間と圧縮強度の評価を行った。使用材料と、可使時間と圧縮強度の評価方法は以下の通りである。
使用材料:
カルシウムアルミネート:試薬CaOと試薬Alを表2に示すモル比で溶融、急冷して得たもの。ガラス化率とブレーン比表面積は表2参照。
石膏:市販の無水石膏、ブレーン比表面積4500cm/g
なお、上記以外は実験例1に同じである。
試験方法:
可使時間;
指触にて、材料が強張り始めるまでの時間(分)を可使時間と判断した。
圧縮強度;
JIS R 5201:2015に準拠して材齢30分の圧縮強度(N/mm)を測定した。

表2より実施例はすべて可使時間、圧縮強度が実用上問題ないレベルであった。
本発明は、舗装路及び舗装地におけるコンクリート舗装のような白色舗装において幅広く利用することが可能である。

Claims (9)

  1. 白色セメント、揺変性付与剤、及び骨材を含有し、
    前記白色セメント100部に対し、
    前記揺変性付与剤を50〜300部含有してなる白色舗装補修材用組成物。
  2. さらに、繊維を含有する請求項1に記載の白色舗装補修材用組成物。
  3. 前記白色セメント100部に対し、前記繊維を0.5〜4部含有する請求項2に記載の白色舗装補修材用組成物。
  4. 前記白色セメント100部に対し、前記骨材を100〜1000部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の白色舗装補修材用組成物。
  5. 前記揺変性付与剤がゴム成分を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の白色舗装補修材用組成物。
  6. さらに、ガラス化率が70%以上、CaO/Al23モル比が1.0〜2.7、ブレーン比表面積が3000cm/g以上であるカルシウムアルミネートを含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の白色舗装補修材用組成物。
  7. さらに、石膏を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の白色舗装補修材用組成物。
  8. 前記骨材が石灰石である請求項1〜7のいずれか1項に記載の白色舗装補修材用組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の白色舗装補修材用組成物からなる白色舗装補修材。

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