JP2005008486A - 繊維補強セメント組成物とコンクリート構造物及びコンクリート素材の製造方法 - Google Patents

繊維補強セメント組成物とコンクリート構造物及びコンクリート素材の製造方法 Download PDF

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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
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Abstract

【課題】繊維の分散性を高めることで、ワーカビリティーが良好で、均質性が高く、しかも高耐久性、高靭性を有する繊維補強セメント組成物とコンクリート構造物及びコンクリート素材の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の繊維補強セメント組成物は、コンクリートの修復に用いられる繊維補強セメント組成物であって、セメント系無機物質と、合成繊維および/または炭素繊維と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤とを含有し、前記合成繊維および/または炭素繊維を、前記セメント系無機物質、前記ポゾラン物質、前記増粘剤および前記減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下含有してなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木・建築材料として好適に用いられ、特に、ワーカビリティーが良好で、均質性が高く、しかも高耐久性、高靭性を有する繊維補強セメント組成物とコンクリート構造物及びコンクリート素材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高靭性、高強度のセメント組成物として、ナイロンやビニロン等の合成繊維を含有する繊維補強セメント組成物が提案され、実用に供されている(例えば、特許文献1参照)。
この繊維補強セメント組成物は、繊維による補強効果と、アルカリ骨材、鉄筋腐食等により生じる内部の膨張圧力を拘束し、ひび割れを抑制する効果を有するために、靭性等の性能が要求されるコンクリート構造物の材料として、また、アルカリ骨材反応、鉄筋腐食等によって劣化したコンクリート構造物の再劣化防止の為の断面補修材料として、広く用いられている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−310460号公報
【特許文献2】
特開平4−214055号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の繊維補強セメント組成物を用いて得られるセメントモルタル、ポリマーセメントモルタル、セメントコンクリート、ポリマーセメントコンクリート等においては、添加された合成繊維が非常に分散し難いものであるから、この合成繊維の添加量が増加するにつれて繊維同士が絡み易くなり、この絡み度合いがさらに進むと、繊維が絡み合って球状となった、いわゆるファイバーボールが形成され易くなるという問題点があった。
【0005】
このファイバーボールは、モルタルやコンクリートにおいては欠陥となるために、組織の均一性が失われ、圧縮強度、曲げ強度が著しく低下することとなる。
そこで、ファイバーボールの発生を防止するために、オムニミキサー等の特殊な練り混ぜ機器を使用することも考えられているが、これらの機器を用いても、ファイバーボールの発生を大幅に抑制することは困難であった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、繊維の分散性を高めることで、ワーカビリティーが良好で、均質性が高く、しかも高耐久性、高靭性を有する繊維補強セメント組成物とコンクリート構造物及びコンクリート素材の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメント系無機物質と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤とを含有する繊維補強セメント組成物に、合成繊維および/または炭素繊維を、前記セメント系無機物質、前記ポゾラン物質、前記増粘剤および前記減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下添加すれば、ファイバーボールが無く、ワーカビリティに優れたモルタルやコンクリートを作製することが可能となり、この繊維補強セメント組成物を用いて作製されたモルタルやコンクリート素材は、鉄筋コンクリート等のコンクリート構造物の欠損部の補修等に有効であることを見出した。
【0008】
また、この繊維補強セメント組成物は、通常のパン型モルタルミキサー、パン型コンクリートミキサー等によっても充分混練可能であり、オムニミキサー等の特殊な練り混ぜ機器は必要ないことも見出した。
さらに、有機ポリマーを、前記セメント系無機物質、前記ポゾラン物質、前記増粘剤および前記減水剤の合計量に対して0.1重量%以上かつ10重量%以下含有すれば、得られたセメント組成物の硬化後の特性、特に、水密性、遮塩性、既設コンクリートとの密着性が向上することを見出した。
【0009】
すなわち、本発明の繊維補強セメント組成物は、コンクリートの修復に用いられる繊維補強セメント組成物であって、セメント系無機物質と、合成繊維および/または炭素繊維と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤とを含有し、前記合成繊維および/または炭素繊維を、前記セメント系無機物質、前記ポゾラン物質、前記増粘剤および前記減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下含有してなることを特徴とする。
【0010】
この繊維補強セメント組成物は、さらに、有機ポリマーを、前記セメント系無機物質、前記ポゾラン物質、前記増粘剤および前記減水剤の合計量に対して0.1重量%以上かつ10重量%以下含有するのが好ましい。
前記合成繊維は、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニール系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリフルオロエチレン系繊維、アラミド繊維の群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
【0011】
本発明のコンクリート構造物は、セメント系無機物質と、合成繊維および/または炭素繊維と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤と、骨材と、水とを含有するコンクリート素材を打設し、養生してなるコンクリート構造物であって、
前記合成繊維および/または炭素繊維を、前記セメント系無機物質、前記ポゾラン物質、前記増粘剤および前記減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下含有し、この構造体の圧縮強度と曲げ強度は、下記の関係式
曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)
≧−0.00138×圧縮強度(σc)+0.25
を満たすことを特徴とする。
【0012】
本発明のコンクリート素材の製造方法は、セメント系無機物質と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤と、これらセメント系無機物質ないし減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下の合成繊維および/または炭素繊維と、骨材と、前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して10重量%以上かつ33重量%以下の水とを混合し、次いで、水の含有量が前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して12重量%以上かつ55重量%以下となるように、さらに水を加え、混練することを特徴とする。
【0013】
本発明の他のコンクリート素材の製造方法は、セメント系無機物質と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤と、骨材と、前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して10重量%以上かつ33重量%以下の水とを混合し、次いで、前記セメント系無機物質ないし前記減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下の合成繊維および/または炭素繊維を添加して再度混合し、次いで、水の含有量が前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して12重量%以上かつ55重量%以下となるように、さらに水を加え、混練することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の繊維補強セメント組成物とコンクリート構造物及びコンクリート素材の製造方法の一実施の形態について説明する。
本実施形態の繊維補強セメント組成物は、コンクリートの修復に用いられるコンクリート素材(通称生コン)の主成分となる繊維補強セメント組成物であり、セメント系無機物質と、合成繊維および/または炭素繊維と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤とを含有し、上記の合成繊維および/または炭素繊維を、前記セメント系無機物質、前記ポゾラン物質、前記増粘剤および前記減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下含有したものである。
【0015】
セメント系無機物質としては、特に限定はされないが、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント、超速硬セメント、その他特殊セメント等、いずれのセメントも使用することができる。
特に、超速硬セメントは、水和反応によりエトリンガイトと称される水和物に化学変化するアルミン酸石灰化合物を主成分とするものであるから、水和反応後、極めて短時間で養生・硬化が可能である。
【0016】
ポゾラン物質は、コンクリート素材にチキソトロピー性を付与するために用いられるもので、フュームドシリカ(溶融シリカ)が好適であるが、フライアッシュ、天然ポゾラン等も使用可能である。
ポゾラン物質の添加量の好ましい範囲は、セメント系無機物質1m当たり10kg以上かつ1700kg以下である。
【0017】
増粘剤は、コンクリート素材に粘性を付与するために用いられるもので、セルロース系増粘剤、ポリアクリルアミド等のアクリルポリマー系増粘剤が好適に用いられる。
増粘剤の添加量の好ましい範囲は、セメント系無機物質1m当たり0.1kg以上かつ3.2kg以下である。
【0018】
減水剤は、作業性を改善するために用いられるもので、高性能減水剤、AE型高性能減水剤のいずれかが好ましく、特に、ポリカルボン酸系減水剤、メラミン系減水剤、ナフタリン系減水剤、ポリナフタレンスルホン酸塩系減水剤、スルホン酸塩系減水剤等が好ましい。
減水剤の添加量の好ましい範囲は、セメント系無機物質に対して0.1重量%以上かつ2.0重量%以下である。
【0019】
合成繊維および/または炭素繊維は、コンクリートの機械的強度を向上させるために添加されるもので、特に、ひび割れの防止、靱性の改善に効果的である。
この合成繊維および/または炭素繊維の含有量は、セメント系無機物質、ポゾラン物質、増粘剤および減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下含有するのが好ましい。
【0020】
この合成繊維としては、ポリアミド系繊維(ナイロン)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロン)、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニール系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維(アクリル)、ポリエステル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリフルオロエチレン系繊維、アラミド繊維の群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
【0021】
これらの合成繊維は、機械的強度、セメント組成物内における分散性及び取り扱いの容易さの点から、繊維径が4〜15デニール、長さが3mm以上かつ10mm以下であって、予め、繊維が集束処理されたものが好ましく、さらに好ましくは、集束処理された繊維の束の見かけのアスペクト比の平均が60〜1のものである。
【0022】
また、炭素繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が好適に用いられる。
この炭素繊維の好ましい形状についても、上記の合成繊維と同様である。
これらの合成繊維および炭素繊維は、単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
【0023】
この繊維補強セメント組成物に、さらに、有機ポリマーを、セメント系無機物質、ポゾラン物質、増粘剤および減水剤の合計量に対して0.1重量%以上かつ10重量%以下、より好ましくは0.3重量%以上かつ5.0重量%以下含有させることとすれば、コンクリート素材の硬化後の水密性、遮塩性、既設コンクリートとの密着性が向上するので好ましい。
【0024】
この有機ポリマーとしては、アクリル系ポリマー、アクリルスチレン系ポリマー、スチレンブタジエンゴム(SBR)系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、酢酸ビニルベオバ系ポリマー、エチレンビニルアルコール(EVA)系ポリマー、アクリル酢酸ビニルベオバ系ポリマーが好ましい。
【0025】
本実施形態のコンクリート素材は、本実施形態の繊維補強セメント組成物に、さらに、骨材及び水を加えたものである。
骨材としては、通常の、川砂、珪砂、砕砂等の細骨材や、川砂利、砕石等の粗骨材が、単独もしくは混合して用いられる。特に、細骨材を単独で、もしくは粗骨材と混合して用いる場合、表面水率が2〜6%の細骨材が好ましい。表面水率2〜6%の細骨材を使用することで、コンクリート打設後の初期から中長期に渡る圧縮強度をかなり向上させることができる。
【0026】
特に、セメント系無機物質として超速硬セメントを用いれば、混練する際に細骨材の表面にて超速硬セメントが水和反応を生じ、細骨材との付着性が向上し、その結果、このコンクリート素材を打設して得られたコンクリート構造物の圧縮強度が向上するので好ましい。
また、水の含有量は、前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して15重量%以上かつ55重量%以下とするのが好ましい。
【0027】
次に、このコンクリート素材の製造方法について説明する。
まず、セメント系無機物質と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤と、これらセメント系無機物質ないし減水剤の合計量100重量部に対して25重量部かつ200重量部以下の骨材と、水結合材比(セメント系無機物質および骨材の合計量に対する水の重量%)が10重量%以上かつ33重量%以下の水とを、混合撹拌する。
次いで、前記セメント系無機物質ないし前記減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下の合成繊維および/または炭素繊維を添加し、再度混合撹拌する。
【0028】
ここで、水結合材比を10重量%以上かつ33重量%以下と限定した理由は、水結合材比が10重量%より少ないと、パン型ミキサー等の通常のミキサーでは、繊維を添加する際に、繊維を分散させるに必要な水の量が不足した状態となり、繊維を均一に分散させることができなくなるからであり、また、水結合材比が33%を越えると、繊維を分散させるに必要な程度の粘性が得られず、繊維を均一に分散させることができなくなるからである。
【0029】
なお、合成繊維および/または炭素繊維は、予め、セメント系無機物質、ポゾラン物質、増粘剤、減水剤および骨材と混合しておき、この混合物に対して水結合材比が10重量%以上かつ33重量%以下の水を混合撹拌してもよい。
この場合、繊維を混合撹拌する工程を短縮することができるので、製造コストを低減する効果がある。
【0030】
次いで、この繊維が添加された混合物に、水結合材比が12重量%以上かつ55重量%以下となるように、水をさらに加えて混練する。
ここで、混練後の水結合材比を12重量%以上かつ55重量%以下と限定した理由は、水結合材比が12重量%より少ないと、コンクリート打設時における流し込みやモルタルの吹付け時に十分なワーカビリティーが得られず、また、水結合材比が55重量%を越えると、均一に分散した繊維が再凝集し、ファイバーボールが発生し易くなるからである。
このように、混合物における水結合材比を12重量%以上かつ55重量%以下とすることで、ワーカビリティーの高いモルタルやコンクリートを打設することが可能となる。
【0031】
本実施形態のコンクリート構造物は、本実施形態のコンクリート素材を打設し、養生することにより得られる。
この構造体の圧縮強度と曲げ強度は、下記の関係式(1)
曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)
≧−0.00138×圧縮強度(σc)+0.25 ……(1)
を満たすものとなる。
【0032】
例えば、繊維の添加量が2容積%の場合、その圧縮強度(σc)を30〜40N/mmとすると、曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)は1/4〜1/5となる。また、その圧縮強度(σc)を60〜80N/mmとすると、曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)は1/5〜1/7となる。
また、繊維の添加量が3容積%の場合、その圧縮強度(σc)を60〜80N/mmとすると、曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)は1/4〜1/6となる。
【0033】
一方、繊維を含まない通常のコンクリート構造体の圧縮強度と曲げ強度は、
下記の関係式(2)
曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)
≦−0.00108×圧縮強度(σc)+0.21 ……(2)
を満たすので、その圧縮強度(σc)を30〜40N/mmとすると、曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)は1/6〜1/8、また、その圧縮強度(σc)を100N/mmとすると、曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)は1/10〜1/13となる。
以上により、本実施形態のコンクリート構造物は、繊維を含まない通常のコンクリート構造体と比べて、曲げ強度(σb)が1.2〜2倍になる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0035】
セメント系無機物質として普通ポルトランドセメントを、合成繊維としてビニロンを、ポゾラン物質としてヒュームドシリカを、増粘剤としてセルロース系増粘剤を、減水剤として高性能減水剤をそれぞれ用い、これらを表1の組成となるように秤量・混練(混合撹拌)し、実施例1〜7及び比較例1〜7のコンクリート素材を作製した。
混練は、通常のパン型ミキサーを用いて行った。また、混練の時間は全体で4分間とし、特に、繊維を投入してから残りの水を投入するまでの混練時間は2分間とした。
表1中、W/Cは水結合材比(重量%)、W1/Cは初めに投入される水の水結合材比(重量%)、S/Cは結合材に対する骨材の重量比である。
【0036】
【表1】
Figure 2005008486
【0037】
次いで、内法が4cm×4cm×16cmの型枠を複数個用意し、これらの型枠それぞれに実施例1〜7及び比較例1〜7のコンクリート素材を打設し、その後、温度:20℃、湿度:65%の環境下にて28日間、養生し、実施例1〜7及び比較例1〜7の供試体を作製した。
その後、これらの供試体の曲げ強度試験及び圧縮強度試験を、日本工業規格(JIS R 5201)「セメントの物理試験方法」に基づき実施した。
【0038】
また、実施例1〜7および比較例1〜5のコンクリート素材における繊維の分散性を目視で評価した結果についても、表2に示した。
繊維の分散性の評価基準は、下記の通りとした。
○:繊維が均一に分散している
△:一部に繊維の凝集(ファイバーボールを含む)が認められる
×:繊維の凝集(ファイバーボールを含む)が多く認められる
【0039】
【表2】
Figure 2005008486
【0040】
以上の評価および試験結果によれば、実施例1〜7では、繊維の分散性が良く、曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)が0.17〜0.22の範囲にあることが分かる。一方、比較例1〜4では、繊維の分散性が悪く、曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)が0.12〜0.14と、低下していることが分かる。
この理由は、繊維の分散性が悪い場合、ファイバーボールが内部欠陥として存在し、特に内部欠陥の影響を受け易い曲げ強度において、強度が低くなる結果となったと思われる。
また、比較例5〜7では、繊維量が0.5容積%未満か、または全く含まないために、曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)が0.14以下と大きく低下していることが分かる。
【0041】
なお、上記のビニロンの替わりにナイロン、アクリル、アラミド繊維等を用いても、ほぼ同様の効果が得られることが確認された。
また、上記の普通ポルトランドセメントの替わりに、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、超速硬セメント等を用いても、繊維を添加しないものと比べて曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)が向上していることが確認された。
【0042】
【発明の効果】
本発明の繊維補強セメント組成物によれば、セメント系無機物質と、合成繊維および/または炭素繊維と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤とを含有し、前記合成繊維および/または炭素繊維を、前記セメント系無機物質、前記ポゾラン物質、前記増粘剤および前記減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下含有したので、合成繊維の分散性を高めることができ、ワーカビリティーが良好なものとなる。したがって、セメント組成物の均質性が高く、耐久性および靭性に優れたものとなる。
【0043】
本発明のコンクリート構造物は、合成繊維および/または炭素繊維を、セメント系無機物質、ポゾラン物質、増粘剤および減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下含有し、この構造体の圧縮強度と曲げ強度が、下記の関係式
曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)
≧−0.00138×圧縮強度(σc)+0.25
を満たすこととしたので、コンクリートの均質性が高く、耐久性および靭性に優れたコンクリート構造物を提供することができる。
【0044】
本発明のコンクリート素材の製造方法によれば、セメント系無機物質と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤と、これらセメント系無機物質ないし減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下の合成繊維および/または炭素繊維と、骨材と、前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して10重量%以上かつ33重量%以下の水とを混合し、次いで、水の含有量が前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して12重量%以上かつ55重量%以下となるように、さらに水を加え、混練するので、合成繊維の分散性が高く、ワーカビリティーが良好なコンクリート素材を製造することができる。
【0045】
本発明の他のコンクリート素材の製造方法によれば、セメント系無機物質と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤と、骨材と、前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して10重量%以上かつ33重量%以下の水とを混合し、次いで、前記セメント系無機物質ないし前記減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下の合成繊維および/または炭素繊維を添加して再度混合し、次いで、水の含有量が前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して12重量%以上かつ55重量%以下となるように、さらに水を加え、混練するので、合成繊維の分散性が高く、ワーカビリティーが良好なコンクリート素材を製造することができる。

Claims (6)

  1. コンクリートの修復に用いられる繊維補強セメント組成物であって、
    セメント系無機物質と、合成繊維および/または炭素繊維と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤とを含有し、
    前記合成繊維および/または炭素繊維を、前記セメント系無機物質、前記ポゾラン物質、前記増粘剤および前記減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下含有してなることを特徴とする繊維補強セメント組成物。
  2. さらに、有機ポリマーを、前記セメント系無機物質、前記ポゾラン物質、前記増粘剤および前記減水剤の合計量に対して0.1重量%以上かつ10重量%以下含有してなることを特徴とする請求項1記載の繊維補強セメント組成物。
  3. 前記合成繊維は、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニール系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリフルオロエチレン系繊維、アラミド繊維の群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の繊維補強セメント組成物。
  4. セメント系無機物質と、合成繊維および/または炭素繊維と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤と、骨材と、水とを含有するコンクリート素材を打設し、養生してなるコンクリート構造物であって、
    前記合成繊維および/または炭素繊維を、前記セメント系無機物質、前記ポゾラン物質、前記増粘剤および前記減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下含有し、
    この構造体の圧縮強度と曲げ強度は、下記の関係式
    曲げ強度(σb)/圧縮強度(σc)
    ≧−0.00138×圧縮強度(σc)+0.25
    を満たすことを特徴とするコンクリート構造物。
  5. セメント系無機物質と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤と、これらセメント系無機物質ないし減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下の合成繊維および/または炭素繊維と、骨材と、前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して10重量%以上かつ33重量%以下の水とを混合し、
    次いで、水の含有量が前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して12重量%以上かつ55重量%以下となるように、さらに水を加え、混練することを特徴とするコンクリート素材の製造方法。
  6. セメント系無機物質と、ポゾラン物質と、増粘剤と、減水剤と、骨材と、前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して10重量%以上かつ33重量%以下の水とを混合し、
    次いで、前記セメント系無機物質ないし前記減水剤の合計容積量に対して0.5容積%以上かつ3.5容積%以下の合成繊維および/または炭素繊維を添加して再度混合し、
    次いで、水の含有量が前記セメント系無機物質および前記骨材の合計量に対して12重量%以上かつ55重量%以下となるように、さらに水を加え、混練することを特徴とするコンクリート素材の製造方法。
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