JP7266401B2 - 白色舗装補修材用組成物及び白色舗装補修材 - Google Patents
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Description
[2] さらに、繊維を含有する[1]に記載の白色舗装補修材用組成物。
[3] 前記白色セメント100部に対し、前記繊維を0.5~4部含有する[2]に記載の白色舗装補修材用組成物。
[4] 前記白色セメント100部に対し、前記骨材を100~1000部含有する[1]~[3]のいずれかに記載の白色舗装補修材用組成物。
[5] 前記揺変性付与剤がゴム成分を含む[1]~[4]のいずれかに記載の白色舗装補修材用組成物。
[6] さらに、ガラス化率が70%以上、CaO/Al2O3モル比が1.0~2.7、ブレーン比表面積が3000cm2/g以上であるカルシウムアルミネートを含有する[1]~[5]のいずれかに記載の白色舗装補修材用組成物。
[7] さらに、石膏を含有する[1]~[6]のいずれかに記載の白色舗装補修材用組成物。
[8] 前記骨材が石灰石である[1]~[7]のいずれかに記載の白色舗装補修材用組成物。
[9] [1]~[8]のいずれかに記載の白色舗装補修材用組成物からなる白色舗装補修材。
なお、本明細書における「部」や「パーセント(%)」は、特に規定しない限り質量基準で示す。また本明細書における数値範囲は、別段の定めのないかぎりは上限値と下限値を含むものとする。
本実施形態の白色舗装補修材用組成物は、白色セメント、揺変性付与剤、骨材を含有し、白色セメント100部に対し、揺変性付与剤を50~300部含有する。揺変性付与剤を含有することで、混練時には流動性が高く、補修箇所に塗装後は流動性が低下する、いわゆるチクソ性が発現し、特に、白色セメント100部に対し揺変性付与剤を50~300部含有することで、補修箇所の内壁面への付着性が良好となって、補修箇所が傾斜面であっても優れた補修効果が得られる。
以下、本実施形態の各成分等について説明する。
白色セメントとは白色ポルトランドセメントと呼ばれるもので、これを含有させることで、白色舗装と色味を調和させることができる。白色セメントは、普通ポルトランドセメントと同様の鉱物組成として、3CaO・SiO2や2CaO・SiO2などの水硬性カルシウムシリケートを主体とするが、普通ポルトランドセメントの着色原因である4CaO・Al2O3・Fe2O3の鉱物組成を極力少なくして、3CaO・Al2O3を多めに調整したものである。ポルトランドセメントの着色原因は、Fe2O3、TiO2及びMn2O3などの不純物成分の影響が大きいとされているが、中でも、Fe2O3の影響が最も大きいと考えられている。このため、本実施形態に係る白色セメントは、Fe2O3が0.5%未満であることが好ましく、0.3%以下がより好ましい。
揺変性付与剤は、チクソ性を発現することで、既述のような補修効果を発揮するが、乾燥、硬化することで、白色セメントと共に結合材としての機能も発揮する。
これらは、単独で用いても良く、2種類以上を混合して用いてもよく、或いは、これらの樹脂を形成する単量体の2種以上を共重合させたものを用いてもよい。
本実施形態の骨材は、通常使われている川砂、海砂、砕砂、珪砂、軽量骨材などが挙げられ、それらのうち1種又は2種以上を混合して使用することが可能であり、プレミックス製品として使用する際にはこれらを乾燥させたものを使用することが好ましい。特に、硬化後に白色にするため、石灰砕砂が好ましい。
本実施形態においては、チクソ性を向上させて傾斜面での施工を容易にする観点から、繊維を含有することが好ましい。繊維としては、例えば、ビニロン繊維、プロピレン繊維、及びナイロン繊維等の高分子繊維;鋼繊維、ガラス繊維、及び炭素繊維に代表される無機繊維;が挙げられる。これらのうち、軽量で機械的性能や耐久性に優れている点から、高分子繊維を用いるのが好ましい。
ここで、繊維の平均長さと平均径については、任意の50繊維を抽出し、光学顕微鏡下で平均長さと平均径を求めることができる。
好ましい実施形態においては、白色舗装補修材用組成物がさらに、硬化速度を高める目的または初期強度を高める目的を以ってカルシウムアルミネート(以下「CA」とも略記することがある)をさらに含んでもよい。そうしたカルシウムアルミネートとしては、一般に市販されているアルミナセメントを使用できる。また、アルミナセメントよりも短時間で硬化し、その後の初期強度発現性が高いカルシウムアルミネートとして、電気炉で溶融後、急冷した非晶質のカルシウムアルミネートを好ましく使用してもよい。
ガラス化率χ(%)=100×(1-S/S0)
また好ましい実施形態では、白色舗装補修材用組成物がさらに、初期強度を高める目的を以って石膏を含んでいてもよい。そうした石膏としては、二水石膏、半水石膏と無水石膏が使用でき、強度発現性の面では無水石膏が好ましく、弗酸副生無水石膏や天然無水石膏が使用できる。石膏を水に浸漬させたときのpHは、pH8以下の弱アルカリから酸性のものが好ましい。pHが高い場合、石膏成分の溶解度が高くなり、初期の強度発現性を阻害する場合がある。ここでいうpHとは、石膏/イオン交換水=1g/100gの20℃における希釈スラリーのpHを、イオン交換電極等を用いて測定するものである。これらの石膏のうち、強度発現性の点から、弗酸副生無水石膏が好ましい。
本実施形態に係る白色舗装補修材は、既述の本発明の白色舗装補修材用組成物からなる。
表1に示す配合で、ヘンシェルミキサで混合し、白色舗装補修材用組成物からなる白色舗装補修材を作製した。作製した白色舗装補修材について、各種試験を行った。
使用材料及び試験方法は、以下の通りである。
白色セメント:ブレーン比表面積3350cm2/g
骨材:石灰石砕砂(最大粒径1.2mm、実験例1-1から1-13で使用)
川砂(最大粒径1.2mm、実験例1-14で使用)
揺変性付与材:
(1)SBR系;エマルジョン(ポリマーラテックス)、スチレン・ブタジエン(SBR)系ゴム(45質量%)
(2)EVA系;EVAエマルジョン(デンカ(株)製、デンカEVA 83PLE)
繊維:ナイロン系収束繊維(平均繊維長3mm、平均繊維太さ0.05mm)
チクソ性について、以下の(1)(2)の2項目を評価した。
(1)静置フロー
JIS R 5201:2015に準拠し、水平面に対して20°の傾斜面を有するコンクリート壁の当該傾斜面に、白色舗装補修材を左官用金ゴテを用いて塗工し、塗工直後から30分後の白色舗装補修材の付着性を観察した。
白色舗装補修材が傾斜面に沿って流動する(ダレる)領域(塗工直後からの流動物の最大長さ)が200mm以下の場合、傾斜面での施工時にダレることなく施工できると判断した。結果を下記表1に示す。
○:静置フロー値が180mm以下。
△:静置フロー値が180mm超200mm以下。
×:静置フロー値が200mm超。
ビニール袋の中に材料を投入して30秒間手混合した際、手混合時の練り易さ(袋に材料がべとつかないか)を評価した。結果を下記表1に示す。
○:軽く袋を動かして混合できる。
△:大きく、かつ激しく袋を動かせば混合できる。
×:手で袋の中の材料を揉み込まないと混合できない。
チクソ性の総合評価として、上記(1)(2)の悪い方の評価を用いた。すなわち総合評価が「○」であるのは、上記(1)(2)ともに「○」の場合である。なお記号「○」は優れていること(excellent)、「△」は良くはないが実用上は問題ないこと(not good)、「×」は劣っており実用的ではないこと(poor)を意味する。
また、同一配合で比較した場合、川砂(実験例1-14)に比べ、石灰砂(実験例1-4)の方が、静置フローは良好であった。
カルシウムアルミネート及び石膏を用いて、表2に示す配合とした以外は実験例1と同様にして白色舗装補修材を調製した。なお、揺変性付与材としてはSBR系を用いた。
得られた舗装用補修材に対して可使時間と圧縮強度の評価を行った。使用材料と、可使時間と圧縮強度の評価方法は以下の通りである。
カルシウムアルミネート:試薬CaOと試薬Al2O3を表2に示すモル比で溶融、急冷して得たもの。ガラス化率とブレーン比表面積は表2参照。
石膏:市販の無水石膏、ブレーン比表面積4500cm2/g
なお、上記以外は実験例1に同じである。
可使時間;
指触にて、材料が強張り始めるまでの時間(分)を可使時間と判断した。
圧縮強度;
JIS R 5201:2015に準拠して材齢30分の圧縮強度(N/mm2)を測定した。
Claims (9)
- 白色セメント、揺変性付与剤、及び骨材を含有し、
前記白色セメント100質量部に対し、
前記揺変性付与剤を50~300質量部含有してなる白色舗装補修材用組成物。 - さらに、繊維を含有する請求項1に記載の白色舗装補修材用組成物。
- 前記白色セメント100質量部に対し、前記繊維を0.5~4質量部含有する請求項2に記載の白色舗装補修材用組成物。
- 前記白色セメント100質量部に対し、前記骨材を100~1000質量部含有する請求項1~3のいずれか1項に記載の白色舗装補修材用組成物。
- 前記揺変性付与剤がゴム成分を含む請求項1~4のいずれか1項に記載の白色舗装補修材用組成物。
- さらに、ガラス化率が70%以上、CaO/Al2O3モル比が1.0~2.7、ブレーン比表面積が3000cm2/g以上であるカルシウムアルミネートを含有する請求項1~5のいずれか1項に記載の白色舗装補修材用組成物。
- さらに、石膏を含有する請求項1~6のいずれか1項に記載の白色舗装補修材用組成物。
- 前記骨材が石灰石を含む請求項1~7のいずれか1項に記載の白色舗装補修材用組成物。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の白色舗装補修材用組成物からなる白色舗装補修材。
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