JPH06329918A - 舗装材組成物 - Google Patents

舗装材組成物

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Publication number
JPH06329918A
JPH06329918A JP14555993A JP14555993A JPH06329918A JP H06329918 A JPH06329918 A JP H06329918A JP 14555993 A JP14555993 A JP 14555993A JP 14555993 A JP14555993 A JP 14555993A JP H06329918 A JPH06329918 A JP H06329918A
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JP
Japan
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asphalt
polymer
composition
cement
parts
Prior art date
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Pending
Application number
JP14555993A
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English (en)
Inventor
Tokimoto Amano
時元 天野
Shin Tanigawa
伸 谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06329918A publication Critical patent/JPH06329918A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】厚みに関係なくアスファルト層に強力に接着
し、かつ硬化時の収縮がほとんど無く、硬化物が耐摩耗
性や耐流動性に優れる舗装材組成物及び該組成物の製造
方法の提供。 【構成】1.Tgが−20℃以下のポリマー、アスファ
ルト、これらのポリマー及びアスファルトの分散剤であ
るカチオン性界面活性剤又は/及びノニオン性界面活性
剤、セメント系水硬材並びに水からなり、且つ前記ポリ
マーとアスファルトを重量比で5:95〜60:40の
割合で含有する舗装材組成物。 2.Tgが−20℃以下のポリマーをカチオン性界面活
性剤又は/及びノニオン性界面活性剤で水中に分散させ
た分散液、カチオン性又はノニオン性アスファルト乳剤
並びにセメント系水硬材を、前記分散液中のポリマー及
び前記アスファルト乳剤中のアスファルトの割合が固形
分換算重量比で5:95〜60:40となる量において
混合する1の舗装材組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化が早く、寸法安定
性、接着性優れ、硬化物が耐摩耗性及び耐流動性に優れ
る舗装材組成物及び該組成物の製造方法に関するもので
あり、本発明の組成物は、新設・補修時の全面舗装、ひ
び割れ・劣化部分等の部分的打ち替え及びわだち掘れの
くぼみの充填補修を始めとする土木及び建設工事におけ
る簡易舗装、特に道路補修工事に有用なものであり、こ
の他に構造物のひび割れ・空隙の目詰め等に利用するこ
とができ、土木及び建設業界で広く賞用され得るもので
ある。
【0002】
【従来の技術】アスファルト舗装道路は、路床の上に加
熱したアスファルト及び骨材からなるアスファルト合材
を敷いた後、転圧し、冷却したものである。しかしなが
ら、近年の交通量及び高重量車両の増加に伴い、道路に
設計荷重以上の負荷がかかってしまうため、アスファル
ト舗装道路には、アスファルトが徐々に流動してわだち
掘れが生じ易くなるという問題を有している。特に高速
道路のような通行速度の大きい道路において顕著である
が、このわだち掘れには雨水等が溜まり、この溜った水
のためにハイドロプレーニング現象を起こして自動車が
スリップ事故を起こす危険性があり、わだち掘れの補修
は放置できない問題となっている。又、コンクリート高
架橋に建設したアスファルト舗装道路では、アスファル
ト層の流動により床板上の防水層が切断されてしまい、
その結果床板へ雨水等が漏水し易くなり、この漏水した
水がコンクリートのひび割れから浸入してコンクリート
中の鉄筋を腐食してしまうという問題を有している。わ
だち掘れの補修材としては、一般にアスファルト合材が
使用されており、わだち掘れに加熱混合したアスファル
ト合材を敷いて転圧して埋め戻したり、又はわだち掘れ
の周囲をある深さまで切り込んでアスファルト舗装を掻
き取り、掻き取ったアスファルト舗装とアスファルト合
材とを一緒に加熱し、再度展圧して舗装して使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
アスファルト合材を道路補修用の舗装材組成物として使
用する方法では、埋め戻した舗装部分と下地との接着が
不十分であり、又アスファルト合材の硬化収縮も起こる
ために、埋め戻した舗装部分が剥がれる場合がある。こ
のアスファルト合材の剥がれを防止するために、接着強
さに優れるアスファルト合材を用いる補修方法も行われ
ているが、軟質のアスファルトを使用して製造されたア
スファルト合材を使用する場合には、すぐにわだち掘れ
が生じてしまい、他方硬質のアスファルトを使用して製
造されたアスファルト合材を使用する場合には、埋め戻
した部分で端部の厚さの薄い部分には、大きな曲げ荷重
がかかるために端部から徐々に割れてしまったり、埋め
戻した舗装部分全体で下地のアスファルト層を押し下げ
て新たに舗装した部分の廻りのアスファルトが逆に盛り
上がってしまうことがあり、いずれの舗装材組成物も実
用的に満足できる性能を有していないという問題があ
る。
【0004】又、わだち掘れの補修に、アスファルト合
材以外の舗装材組成物として、セメントコンクリート等
の硬質の材料を使用する方法もあるが、アスファルトは
元来大きな荷重や長時間の荷重に対し流動を生じる性質
があるため、補修部周辺のアスファルトの流動により、
埋め戻したセメントコンクリート硬化物の一部分に集中
荷重がかかり、埋め戻した部分に隙間が生じたり、割れ
て剥がれてしまうとい問題がある。この他の舗装材組成
物として、曲げに強く、接着性に優れる樹脂モルタルも
あるが、樹脂モルタルは高価な上、硬化物の表面が平滑
で滑り易く、硬化収縮が大きい。樹脂モルタルの硬化収
縮を防ぐためには、樹脂モルタル中の骨材量を多くすれ
ば良いが、このような樹脂モルタルは割れ易くなった
り、前記の硬質のアスファルトを使用して製造されたア
スファルト合材の場合と同様に、補修部分の廻りのアス
ファルトが流動して盛り上がり、走行に支障を与える危
険性が生じる。本発明者らは、これら従来の舗装材組成
物のもつ上記諸問題を解決することができ、技術的、経
済的に有利に施工できる舗装材組成物を見出すため鋭意
検討を行ったのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、厚みに関
係なくアスファルト層に強力に接着し、かつ硬化時の収
縮がほとんど無く、硬化物が耐摩耗性や耐流動性に優れ
ており、上記課題を解決する舗装材組成物及びその製造
方法を見いだした。即ち本発明は2つの発明からなり、
第1発明はガラス転移点が−20℃以下のポリマー、ア
スファルト、これらのポリマー及びアスファルトの分散
剤であるカチオン性界面活性剤又は/及びノニオン性界
面活性剤、セメント系水硬材並びに水からなり、且つ前
記ポリマーとアスファルトを重量比で5:95〜60:
40の割合で含有することを特徴とする舗装材組成物で
あり、又第2発明はガラス転移点が−20℃以下のポリ
マーをカチオン性界面活性剤又は/及びノニオン性界面
活性剤で水中に分散させた分散液、カチオン性又はノニ
オン性アスファルト乳剤並びにセメント系水硬材を、前
記分散液中のポリマー及び前記アスファルト乳剤中のア
スファルトの割合が固形分換算重量比で5:95〜6
0:40となる量において混合することを特徴とする第
1発明の舗装材組成物の製造方法である。以下、本発明
を詳細に説明する。
【0006】○ガラス転移点が−20℃以下のポリマー 本発明に使用するポリマーは、ガラス転移点(以下単に
Tgという)が−20℃以下のものでなければならな
い。Tgが−20℃より高いポリマーを使用すると、冬
期に−20℃以下の温度で荷重がかかる場合には舗装層
及び路床が凍結するために道路全体が硬くなり、簡単に
は舗装面は破壊しないが、−20℃以上でそのポリマー
のTg以下の温度で荷重がかかると、路床が凍結してい
ない上に、ポリマーが硬く、アスファルトも硬く脆くな
っているために、高重量車両の通過や、繰り返し荷重に
より舗装面に徐々に割れが生じてしまう。Tgの低いポ
リマーを使用するほど、舗装材組成物の硬化物に低温で
の可撓性及び靭性が付与されるが、硬化物が晒され得る
最低温度より僅かに低いTgのポリマーを用いることが
好ましい。ここで、Tgは、無定型ポリマーの各種性質
が急変する温度であり、この温度以下ではポリマーの無
定型部分の分子セグメントの運動が凍結されるような温
度であり、Tg以下ではポリマーは全体的に硬くなる。
本発明において、Tgとは、種々の温度での熱膨張率を
測定してそれぞれの温度に対する比容積をプロットし、
得られた曲線の屈曲点の温度を求める方法によって得ら
れた温度である。又、コポリマーのTgは、実用的に
は、コポリマーを構成する各々のモノマーのホモポリマ
ーのTgより、次の計算式によって推定することが出
来、種々のホモポリマーのTgはすでに知られている。
【0007】
【式1】 1/Tg=CA/TgA+CB/TgB・・・・・ (1)
【0008】CA;モノマーAの重合分率,CB;モノ
マーBの重合分率,TgA;モノマーAのホモポリマー
のTg (K),TgB;モノマーBのホモポリマーのTg
(K),但し、CA+CB=1である。
【0009】Tgが−20℃以下のポリマーとしては、
ホモポリマー及びコポリマーのいずれも使用することが
可能であり、Tgが−20℃以下のコポリマーは、Tg
が−20℃以下のホモポリマーを形成するモノマーとT
gが−20℃より高いホモポリマーを形成するモノマー
とを共重合して得られる。Tgが−20℃以下のコポリ
マーとしては、Tgが−20℃以下のホモポリマーを形
成するモノマーの共重合割合が20重量%以上であるも
のが好ましい。Tgが−20℃以下のホモポリマーを形
成するモノマーの例としては(以下括弧内はホモポリマ
ーのTgを示す)、エチルアクリレート(−22℃)、
n−ブチルアクリレート(−54℃)、2−エチルヘキ
シルアクリレート(−85℃)、ブタジエン(−85
℃)及びクロロプレン(−65〜−75℃)等が挙げら
れる。これらのモノマーと共重合可能であり、Tgが−
20℃より高いホモポリマーを形成するモノマーとして
は、アクリル酸メチル(8℃)、酢酸ビニル(30℃)
及びメタクリル酸(130℃)等が挙げられる。メタク
リル酸等のアニオン性の官能基を有するモノマーとのコ
ポリマーを使用する場合には、アニオン性の官能基を有
するモノマーの共重合割合が、使用する全モノマーの合
計量に対して10重量%以下の割合で共重合させたもの
が好ましい。前記(1)式から算出されるコポリマーの
Tgの例を示すと、エチルアクリレート75重量部と酢
酸ビニル25重量部のコポリマーのTgは−13℃とな
り、アクリル酸2−エチルヘキシル80重量部とスチレ
ン20重量部のコポリマーのTgは−72℃となる。本
発明ではこれらのポリマーの中でも、アクリル系ポリマ
ー、スチレン−ブタジエンコポリマーを使用すること
が、ポリマーの劣化が少ないため好ましい。
【0010】本発明の組成物に使用されるTgが−20
℃以下のポリマーは、低温でも柔軟性を有するため、そ
の硬化物が低温でも靭性を有する。Tgが−20℃以下
のポリマーを使用するために、夏場等の高温下における
舗装材組成物の硬化物のクリープ変形が懸念されるが、
本発明では舗装材組成物中にセメント系水硬材を配合す
るため、高温下でも急激にクリープ変形することがな
く、徐々にクリープ変形を起こすため、基層、路盤の変
形に追従して変形し、ひび割れが生じにくいという優れ
た特性を発現する。又、アスファルトは低温になるほど
脆くなる性質があるが、本発明の舗装材組成物では上記
ポリマーを配合するため、ポリマーの引張り靭性によっ
て舗装材組成物の硬化物に曲げの力に対する粘りを発現
させることができる。
【0011】○アスファルト 本発明で使用できるアスファルトとしては、天然アスフ
ァルト、石油アスファルト等の種々のアスファルトを使
用することができる。アスファルトは、アスファルト乳
剤として組成物に配合することが好ましい。
【0012】本発明の組成物では、ポリマーとアスファ
ルトを重量比で5:95〜60:40の割合で含有して
いなければならず、好ましくは20:80〜50:50
である。5:95に満たない場合には、舗装材組成物が
接着性に劣り、組成物の硬化物がわだち掘れを生じ易
く、耐磨耗性に劣り、他方60:40を越える場合に
は、組成物の硬化物がわだち掘れを生じ易い。
【0013】 〇カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤 本発明の舗装材組成物に使用するカチオン性界面活性剤
又は/及びノニオン性界面活性剤は、ポリマー及びアス
ファルトを組成物中に分散させるために使用されるもの
であり、本発明おいては、界面活性剤としてカチオン性
又はノニオン性を有する界面活性剤を使用しなければな
らない。アニオン性界面活性剤を使用すると、該界面活
性剤がセメント系水硬材と結合し、セメント系水硬材の
硬化を阻害する。カチオン性界面活性剤としては、種々
のものが使用でき、脂肪ダイアミン塩や第4級アンモニ
ウム塩が好ましく、具体的にはトリメチルオクタデシル
アンモニウムクロライド、トリメチルドデシルアンモニ
ウムクロライド、トリメチルヘキサデシルアンモニウム
クロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムク
ロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド、トリ
メチルステアリルアンモニウムクロライド等が挙げられ
る。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレ
ン系、ソルビタン脂肪酸エステル系等があり、いずれも
使用可能である。具体的には、ポリオキシエレンセチル
エーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポ
リオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオ
キシエチレンノニルフェノールエーテルやソリビタンモ
ノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタ
ンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ポリエ
チレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。本発
明においては、ポリマー及びアスファルトを分散させる
ための界面活性剤として、カチオン性界面活性剤及びノ
ニオン性界面活性剤を併用して使用することもできる。
ポリマーを分散させるための界面活性剤とアスファルト
を分散させるための界面活性剤とは、同一のものであっ
ても異なっていても良い。界面活性剤の組成物中の配合
量としては、配合量が多い程組成物中のポリマー及びア
スファルトの分散性が向上するが、硬化後の耐水性を向
上させるためにはポリマー及びアスファルトの分散に必
要な最低量であることが好ましく、一般的には、組成物
中のポリマー及びアスファルトの合計量100重量部に
対して、0.1〜5重量部配合することが好ましい。
【0014】○セメント系水硬材 セメント系水硬材としては、種々のものが使用でき、具
体的には普通ポルトランドセメント、早強ポルトランド
セメント、アルミナセメント、高炉セメント、白色セメ
ント、急硬性セメント等が挙げられる。これらのセメン
ト系水硬材は、2種以上を併用することもできる。本発
明では、これらのセメント系水硬材の中でも、一般的に
使用される普通ポルトランドセメントよりも凝結時間が
短い、急硬性セメントを使用することが好ましく、より
好ましくは、凝結時間が30分以内のものである。急硬
性セメントを使用することにより、道路舗装材組成物の
硬化時間が短くなり、舗装作業後の交通開放までの時間
を短縮することができる。ここで凝結時間とは、セメン
ト系水硬材100重量部に対し、45重量部の水を加え
て1分間混合し静置した状態で、JIS R 5201「セメント
の物理試験方法」に定めるビガー針を用いて凝結時間を
測定し、注水してから始発針の侵入量が1mm以下になる
までの時間をいう。但し、セメント系水硬材100重量
部中の非水硬性成分は10重量部以下の場合とする。こ
れらの急硬性セメントは市販されており、具体的には電
気化学工業(株)製ナトミックtype5、デンカES、浅
野セメント(株)製アサノファイブスター、アサノノン
ミックス、小野田セメント(株)製アロフィックス及び
小野田ジェットセメント等が挙げられる。又、これらの
急硬性セメントと上記した一般的な凝結時間を有するセ
メント系水硬材を併用することもできる。舗装材組成物
の硬化時間が著しく短なり、作業が困難となる場合に
は、セメント用凝結遅延剤を併用して凝結時間を調整す
ることもできる。凝結遅延剤としては、各種硫酸塩、硝
酸塩、炭酸塩、ホウ砂及びホウ酸等の無機物、塩化カル
シウム、さらにクエン酸、トリポリリン酸、ピロリン
酸、酒石酸及びグルコン酸等の有機酸又はこれらの塩の
うち1種類又は2種類以上を使用することが出来る。セ
メント系水硬材の使用量は、ポリマー及びアスファルト
の合計量100重量部に対して10〜1700重量部と
することが好ましく、より好ましくは10〜1000重
量部である。セメント系水硬材の使用量が10重量部よ
り少ない場合には、組成物の硬化物の靭性が不十分とな
り僅かな荷重で変形してしまう場合があり、他方170
0重量部を越える場合には、ポリマーやアスファルトを
添加した効果が失われ、組成物の硬化物が耐摩耗性や靭
性の乏しいものとなる場合がある。
【0015】又、組成物中の水の量としては、少ない程
硬化物の硬度が上がるが、通常はセメント系水硬材10
0部に対して300部以下が好ましく、より好ましくは
250部以下である。
【0016】○製造方法 本発明の舗装材組成物は、上記必須成分のポリマー、界
面活性剤、アスファルト、セメント系水硬材及び水、又
はこれらと必要に応じて骨材を常法に従い混合すること
によって製造することもできるが、第2の発明によれ
ば、一層有利に製造することが可能である。第2の発明
は、本発明の舗装剤組成物の製造方法として、Tgが−
20℃以下のポリマーをカチオン性界面活性剤又は/及
びノニオン性界面活性剤で水中に分散させた分散液、カ
チオン性又はノニオン性アスファルト乳剤並びにセメン
ト系水硬材を、前記分散液中のポリマー及び前記アスフ
ァルト乳剤中のアスファルトの割合が固形分換算重量比
で5:95〜60:40となる量において混合すること
を特徴とするものである。
【0017】Tgが−20℃以下のポリマーをカチオン
性界面活性剤又は/及びノニオン性界面活性剤で水中に
分散させた分散液(以下単にポリマー分散液という)
は、ポリマーが水中に分散していれば、懸濁状態のもの
であっても、エマルション状態のものであっても良い
が、特にエマルション状態のものを使用することが好ま
しい。ポリマー分散液中の界面活性剤の配合量として
は、配合量が多い程分散液の安定性が向上するが、硬化
後の耐水性を向上させるためにはポリマーの分散に必要
な最低量であることが好ましく、具体的には分散液中の
ポリマー固形分100重量部に対して、0.1〜5重量
部配合することが好ましい。
【0018】アスファルト乳剤は、カチオン性界面活性
剤又は/及びノニオン性界面活性剤を使用して、水中に
アスファルトを微細な粒子として分散させた液体であ
り、水中にアスファルトが分散した型とアスファルト中
に水が分散した型があるが、通常水中にアスファルトが
分散した型のものを使用する。アスファルト乳剤は、カ
チオン性又はノニオン性のものでなければならない。ア
ニオン性のアスファルト乳剤を使用すると、アニオン性
アスファルト乳剤がセメント系水硬材と結合し、セメン
ト系水硬材の硬化を阻害したり、又本発明の舗装材組成
物に骨材を配合する場合、これら骨材として使用する土
粒子や砂粒子等は通常アニオン性に帯電しているが、ア
ニオン性のアスファルト乳剤はこれらの土粒子や砂粒子
等と反発してしまい、骨剤との接着性が低下してしま
う。これに対してカチオン性又はノニオン性アスファル
ト乳剤は、セメント系水硬材の硬化を阻害することがな
い。又、本発明においては、カチオン性アスファルト乳
剤を使用することが、組成物に骨材を配合した場合、該
アスファルト乳剤が骨材と接触すると、次々に骨材表面
に電気的に析出接着し、骨材と良好に接着するため好ま
しい。アスファルト乳剤としては、アスファルト乳剤の
破壊が早すぎるとセメント系水硬材との混合が困難とな
る場合があるため、JIS K 2208「石油アスフ
ァルト乳剤」5.10項(土まじり骨材混合性)による
混合性が10以下であることが好ましい。アスファルト
乳剤は、アスファルトを50〜80℃に加熱しておき、
界面活性剤、水、安定剤等と共に、乳化機等で撹拌混合
するといった常法により製造されたものを使用できる。
アスファルト乳剤中の界面活性剤の配合量としては、配
合量が多い程分散液の安定性が向上するが、硬化後の耐
水性を向上させるためにはアスファルト分散に必要な最
低量であることが好ましく、具体的にはアスファルト乳
剤中のアスファルト固形分100重量部に対して、0.
1〜5重量部配合することが好ましい。アスファルト乳
剤には、これら界面活性剤の他、安定剤としてアルギン
酸ソーダ、澱粉、ゼラチン等の水中において親水ゾルを
形成するものを使用することができる。安定剤は、通常
アスファルト乳剤固形分100重量部に対し1重量以下
添加することが好ましい。
【0019】好ましい製造方法としては、ポリマー分散
液とアスファルト乳剤の混合液に、セメント系水硬材及
び必要に応じて骨材等の所望の配合成分を添加し、素早
く撹拌混合し舗装する方法が挙げられる。機械による舗
装を行なう場合には、ポリマー分散液とセメント系水硬
材の混合スラリーとアスファルト乳剤とを混合する方法
が、計量管理し易く好ましい。ここで、ポリマー分散液
中のポリマー及びアスファルト乳剤中のアスファルトの
組成物中の配合割合は、既述したように、固形分換算重
量比で5:95〜60:40の割合でなければならな
ず、好ましくは20:80〜50:50である。
【0020】○骨材 骨材は、本発明において所望により配合される成分の主
なものであり、舗装材組成物の硬化物の強度、耐磨耗性
等をより強化する必要がある場合や厚く舗装する場合に
使用されるものである。骨材を配合することにより、舗
装材組成物の硬化物の耐摩耗性が向上するため耐久性が
向上し、又上方からの荷重に対しその力を分散させる作
用がある。角ばっている骨材を使用した場合には、骨材
どうしがかみ合って大きな荷重を支えることもできる。
骨材としては、一般的な小砂利、砂、鉄粉等が使用され
るが、粘土質、炭カル等の無機質粉体も配合することが
できる。その他、ガラス繊維、炭素繊維、鉱物繊維など
の各種繊維、メッシュ、グリッド等も必要に応じ併用す
ることができる。骨材の配合量としては、種々の用途に
応じてそれぞれ調製すれば良いが、通常はポリマー分散
液及びアスファルト乳剤の固形分の合計量100重量部
に対してセメント系水硬材及び骨材の合計量で10〜1
700重量部とすることが好ましい。
【0021】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明する。尚、以下において、部は重量部
を、%は重量%を意味する。
【0022】○ラベリング試験 日本道路協会が推奨するラベリング試験法に従い、往復
チェーン型により試験を行った。 (1)供試体の作製 各実施例及び比較例で得られた舗装材組成物を型枠に入
れ常温で硬化させ供試体を作製した。 (2)ラベリング試験 (1)で得られた供試体を、回転する車輪に取付けたチ
ェーンで1.5時間叩いた。試験終了後、供試体の磨耗
量を測定した。
【0023】実施例1 スチレン30部、アクリル酸−2−エチルヘキシル50
部及びアクリル酸ブチル20部からなるモノマーを、カ
チオン性界面活性剤としてトリメチルドデシルアンモニ
ウムクロライド0.6部及びノニオン性界面活性剤とし
てポリオキシエチレン系乳化剤1部を用い、エマルショ
ン重合して得た固形分50%でTgが−60℃のポリマ
ーエマルション30部(固形分15部)をポリマー分散
液として使用した。又、アスファルト乳剤としては、J
IS K 2208「石油アスファルト乳剤」表2のM
K−2に適合し、土まじり骨材混合性が4であるカチオ
ン性アスファト乳剤70部(固形分40部)を使用し
た。上記ポリマー分散液、アスファルト乳剤、及びセメ
ント系水硬剤として小野田セメント(株)製小野田ジェ
ットセメント100部及び骨材として粒径1mm以下の乾
燥砂300部を混合して、道路舗装材組成物を製造し
た。該組成物を、締め固めた路盤に厚さ30mmで流し広
げた。約10分で流動性がなくなり、60分後には歩行
可能な硬さとなった。180分後には4トントラックが
走行してもひび割れ、流動変形は全く生じなかった。
又、ラベリング試験による摩耗割合は、一般道路で使用
されるアスファルト合剤硬化物のラベリング試験による
磨耗量に比較して25%以下であった。
【0024】実施例2〜7 ポリマー分散液として、モノマーとしてスチレン35
部、アクリル酸エチル15部、アクリル酸−2−エチル
ヘキシル40部、アクリル酸メチル5部及びメタクリル
酸5部を用い、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシ
エチレン系乳化剤を3部を使用し、上記モノマーをエマ
ルション重合して得たTgが−29℃のポリマーエマル
ション(固形分50%)を用いた。アスファルト乳剤と
して実施例1と同様のアスファルト乳剤を、又セメント
系水硬材として普通ポルトランドセメントと電気化学
(株)製デンカESを重量比95/5で混合したもの
を、表1の組成比に従い使用し、又骨材として粒径1mm
以下の乾燥砂300部を使用し、これらを混合して舗装
材組成物を製造した。各々の組成物を、アスファルト舗
装のわだち掘れ部分に流し込んでコテで均し、実施例1
と同様に評価を行った。これらの評価結果を表1に示
す。尚、下記表1及び表2において、磨耗割合は、一般
道路で使用されるアスファルト合材硬化物のラベリング
試験による磨耗量に対する、各供試体のラベリング試験
による磨耗量の百分率である。又、下地アスファルトへ
の接着性はいずれも良好であった。
【0025】
【表1】
【0026】比較例1及び2 実施例2と同様のポリマー分散液、アスファルト乳剤、
セメント系水硬材及び骨材300部を使用し、実施例2
と同様の方法により表2に示す割合の舗装材組成物を製
造した。各々の組成物を、実施例2と同様に評価を行っ
た。これらの評価結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明の舗装材組成物は、アスファルト
層に強力に接着し、かつ硬化時の収縮がほとんど無く、
硬化物が耐摩耗性や耐流動性に優れる。又、本発明の舗
装材組成物は、常温反応硬化型であるため、一般に道路
補修用に使用されているアスファルト合材を使用する場
合と比較して、加熱装置が不要であり、又下地が水に濡
れていても接着し、接着耐久性に優れる効果がある。更
に該組成物の硬化物は、特に低温での靭性や耐摩耗性に
優れるため、冬期に高重量車両が繰り返し通過してもひ
び割れにくく、かつすり減りにくいという効果を有す
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス転移点が−20℃以下のポリマー、
    アスファルト、これらのポリマー及びアスファルトの分
    散剤であるカチオン性界面活性剤又は/及びノニオン性
    界面活性剤、セメント系水硬材並びに水からなり、且つ
    前記ポリマーとアスファルトを重量比で5:95〜6
    0:40の割合で含有することを特徴とする舗装材組成
    物。
  2. 【請求項2】ガラス転移点が−20℃以下のポリマーを
    カチオン性界面活性剤又は/及びノニオン性界面活性剤
    で水中に分散させた分散液、カチオン性又はノニオン性
    アスファルト乳剤並びにセメント系水硬材を、前記分散
    液中のポリマー及び前記アスファルト乳剤中のアスファ
    ルトの割合が固形分換算重量比で5:95〜60:40
    となる量において混合することを特徴とする請求項1記
    載の舗装材組成物の製造方法。
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