JP2020103143A - 作業車 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業装置の装着(連結)に用いるピン(リンチピン)を脱落しない状態で保管することができる作業車を提供する。【解決手段】作業装置の取付軸100を挿通した状態で昇降装置20に取付けられることで、作業装置を昇降装置20に連結する連結部材31と、取付軸100に対して径方向に挿通される軸部32a、及び軸部32aを取付軸100にロックするように回動可能な止め輪32cを有し、取付軸100が連結部材31から抜けるのを防止するためのリンチピン32と、昇降装置20に作業装置を装着しない場合に、リンチピン32を保管するピン保管部42を具備し、ピン保管部42は、多角形板状に形成され、PTO軸カバー41から突出する平板部42aと、平板部42aの突出側の角部近傍に、リンチピン32の軸部32aを挿通できるように、平板部42aを厚さ方向に貫通する貫通孔42bと、を具備する。【選択図】図6

Description

本発明は、作業装置を装着可能な作業車の技術に関する。
従来、作業装置を装着可能な作業車の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、耕運装置等の作業装置を取り付け可能な三点リンク機構を具備するトラクタが記載されている。作業装置(耕運装置)は、ピンを介して三点リンク機構に連結される。
このような作業装置を装着可能なトラクタにおいて、作業装置を装着しない場合に、連結に用いるピンを作業車に保管しておく(置いておく)必要があるが、ピンの保管方法によっては、ピンが車体から脱落してしまうおそれがあった。
特開2015−223094号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、作業装置の装着(連結)に用いるピン(リンチピン)を脱落しない状態で保管することができる作業車を提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、作業装置を装着可能な昇降装置と、前記作業装置の取付軸を挿通した状態で前記昇降装置に取付けられることで、前記作業装置を前記昇降装置に連結する連結部材と、前記作業装置の前記取付軸に対して径方向に挿通される軸部、前記軸部の一端に形成された頭部、及び前記軸部を前記取付軸にロックするように回動可能な止め輪を有し、前記取付軸が前記連結部材から抜けるのを防止するためのリンチピンと、前記昇降装置に前記作業装置を装着しない場合に、前記リンチピンを保管するピン保管部と、を具備し、前記ピン保管部は、多角形板状に形成され、車体から突出する平板部と、前記平板部の突出側の角部近傍に、前記リンチピンの前記軸部を挿通できるように、前記平板部を厚さ方向に貫通する第一貫通孔と、を具備するものである。
請求項2においては、前記平板部は、矩形板状に形成されるとともに、当該平板部の一辺において前記車体に固定され、前記第一貫通孔は、前記平板部の突出側の両方の角部近傍に形成されているものである。
請求項3においては、前記平板部の前記角部は面取りされているものである。
請求項4においては、前記平板部は、板面を上下方向に向けて形成されているものである。
請求項5においては、前記昇降装置に前記作業装置を装着しない場合に、前記連結部材を保管する連結部材保管部と、PTO軸の上方を覆うように形成された天井部、及び前記PTO軸の側方を覆うように前記天井部の左右端部から下方に延びる側部を有するPTO軸カバーと、を具備し、前記ピン保管部は、前記側部から左右方向外側に突出するように形成されており、前記連結部材保管部は、前記天井部の、前記ピン保管部が形成された側部に近い側に設けられているものである。
請求項6においては、前記連結部材保管部は、3つ以上の前記連結部材を挿通できるように、前記天井部から略上方に延びる棒状に形成されているものである。
請求項7においては、前記連結部材保管部は、挿通された前記3つ以上の連結部材よりも上方において、前記リンチピンの前記軸部を挿通できるように形成された第二貫通孔を具備するものである。
請求項8においては、前記連結部材保管部は、挿通された2つの連結部材よりも上方、かつ、前記第二貫通孔よりも下方において、前記リンチピンと異なるピンを挿通可能な第三貫通孔を具備するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、作業装置の装着(連結)に用いるピン(リンチピン)の軸部を第一貫通孔に挿通した状態で、止め輪を回動させることで平板部の角部に引っ掛けてロックすることができるので、リンチピンを脱落しない状態で保管することができる。
請求項2においては、2つのリンチピンをピン保管部に保管することができる。
請求項3においては、リンチピンの止め輪を回動させ易くなるので、ピン保管部へのリンチピンのロック及びロックの解除の作業性を向上させることができる。
請求項4においては、リンチピンを頭部を上にした状態で、ピン保管部の第一貫通孔に上方から挿通することにより、重力によってリンチピンがピン保管部から脱落し難くすることができる。
請求項5においては、連結部材及びリンチピンが比較的近い位置に保管されているため、昇降装置に作業装置を装着する際に、連結部材及びリンチピンを取り出しやすくすることができる。
請求項6においては、作業装置の連結に通常用いられる2つの連結部材と、オプションで用いられる1つ以上の連結部材とを保管することができる。
請求項7においては、連結部材保管部にもリンチピンを保管することができ、かつ、当該リンチピンにより連結部材保管部から連結部材が脱落するのを防止することができる。
請求項8においては、連結部材を2つしか保管しない場合でも、第三貫通孔に挿通したピンにより連結部材保管部から連結部材が脱落するのを防止することができる。
本発明の一実施形態に係るトラクタの全体的な構成を示した左側面図。 本発明の一実施形態に係るトラクタの全体的な構成を示した平面図。 キャビンを示した平面図。 昇降装置等を示した斜視図。 昇降装置(ロアーリンク)に作業装置を連結した状態を示した斜視図。 2つのリンチピン及び2つの連結部材を保管部に保管している状態を示した斜視図。 2つのリンチピン及び2つの連結部材を保管部に保管している状態を示した左側面図。 リンチピン及び連結部材を保管部に保管していない状態を示した斜視図。 3つのリンチピン及び3つの連結部材を保管部に保管している状態を示した斜視図。
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
まず、図1から図3を用いて本発明の一実施形態に係るトラクタ1の全体構成について説明する。
トラクタ1は、主として機体フレーム2、エンジン3、ボンネット4、マフラ5、トランスミッションケース6、前輪7、後輪8、フェンダ9、昇降装置20、キャビン11、ステアリングホイール12、座席13、アームレスト14、サイドコンソール15、連結部30、保管部40等を具備する。以下では、これらの部材をまとめて「車体」ということもある。
機体フレーム2は、複数の板材を適宜組み合わせて形成される枠状の部材である。機体フレーム2は、平面視略矩形状に形成される。機体フレーム2は、その長手方向を前後方向に向けてトラクタ1の前部に配置される。機体フレーム2の後部にはエンジン3が固定される。エンジン3はボンネット4に覆われる。ボンネット4の右側方には、エンジン3の排気ガスを排出するマフラ5が配置される。エンジン3の後部には、トランスミッションケース6が固定される。
機体フレーム2の前部は、フロントアクスル機構(不図示)を介して左右一対の前輪7に支持される。トランスミッションケース6の後部は、リアアクスル機構(不図示)を介して左右一対の後輪8に支持される。左右一対の後輪8は、概ね上方からフェンダ9によって覆われる。
トランスミッションケース6の後部には、昇降装置20が設けられる。昇降装置20には、連結部30を介して、各種の作業装置(例えば、耕運機等)を装着することができる(図5参照)。昇降装置20は油圧シリンダ等のアクチュエータによって、装着された作業装置を昇降させることができる。当該昇降装置20には、PTO軸16(図4等参照)を介してエンジン3の動力を伝達することができる。昇降装置20の近傍には、作業装置を装着しない場合に連結部30を保管する保管部40が設けられる(図4等参照)。
エンジン3の動力は、トランスミッションケース6に収容された変速装置(不図示)で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪7に伝達可能とされると共に、前記リアアクスル機構を経て後輪8に伝達可能とされる。エンジン3の動力によって前輪7及び後輪8が回転駆動され、トラクタ1は走行することができる。またエンジン3の動力によって、昇降装置20に装着された作業装置を駆動させることができる。
エンジン3の後方にはキャビン11が設けられる。キャビン11の内部には、運転者が搭乗する居住空間が形成される。キャビン11の前部には、前輪7の切れ角を調節するためのステアリングホイール12、各種のペダル等が配置される。キャビン11の略中央には、運転者が着座するための座席13が配置される。座席13のすぐ右側方には、アームレスト14が配置される。また、キャビン11の右側部(アームレスト14よりも右外側)には、サイドコンソール15が配置される。アームレスト14及びサイドコンソール15には、各種の操作具が適宜配置されている。
次に、図4及び図5を用いて、昇降装置20の構成について説明する。
図4に示す昇降装置20は、耕運機等の作業装置を装着するためのものである。昇降装置20は、作業装置を昇降可能に形成される。昇降装置20は、トップリンク21及びロアーリンク22を具備する。
図4に示すトップリンク21は、作業装置と連結される部分である。トップリンク21は、概ね前後方向に延びるように形成される。トップリンク21は、その前端部がブラケット等を介して車体に回動可能に取り付けられることで、その後端部が上下揺動可能に構成される。トップリンク21は、トラクタ1の左右中央部に配置される。
図4及び図5に示すロアーリンク22は、トップリンク21よりも下方において作業装置と連結される部分である。ロアーリンク22は、概ね前後方向に延びるように(より詳細には、後方に向かうに従い左右方向外側に広がるように)形成される。ロアーリンク22は、その前端部がブラケット等を介して車体に回動可能に取り付けられることで、その後端部が上下揺動可能に構成される。ロアーリンク22は、車体の左部及び右部にそれぞれ配置される。左右一対のロアーリンク22は、互いに左右対象に形成される。ロアーリンク22は、フック部22a及び係止部22bを具備する。
図5に示すフック部22aは、ロアーリンク22の後端部に形成される部分である。フック部22aは、側面視略U字状(フック状)に形成される。
図5に示す係止部22bは、フック部22aの前部から後方に突出するように形成された部分である。係止部22bは、下方に向かうに従い後方への突出高さが高くなる側面視略三角形状に形成される。
このように形成された昇降装置20には、作業装置が装着される。このとき、ロアーリンク22には、連結部30を介して作業装置が連結される。以下では、図5を用いて、連結部30の構成、及び連結部30を用いてロアーリンク22に作業装置を連結した状態について説明する。
連結部30は、ロアーリンク22に作業装置を連結させるためのものである。連結部30は、連結部材31及びリンチピン32を具備する。
連結部材31は、作業装置をロアーリンク22に連結するための部材であり、連結時に作業装置とロアーリンク22との間に設けられるものである。連結部材31は、球体状に形成される。連結部材31は、ロアーリンク22のフック部22aに嵌合可能な大きさに形成される。換言すれば、フック部22aが連結部材31を嵌合可能に形成される。連結部材31は、貫通孔31aを具備する。
貫通孔31aは、連結部材31を貫通するように形成されるものである。貫通孔31aは、作業装置に設けられた取付軸100(昇降装置20に取り付けられる部分)を挿通可能に形成される。
このように形成された連結部材31は、作業装置が昇降装置20に連結される際に、貫通孔31aに作業装置の取付軸100が挿通される。そして、連結部材31は、貫通孔31aに取付軸100を挿通した状態で、ロアーリンク22のフック部22aに嵌合される。これにより、作業装置をロアーリンク22に連結させることができる。
図5に示すリンチピン32は、作業装置の取付軸100が連結部材31から抜けるのを防止するものである。リンチピン32は、軸部32a、頭部32b及び止め輪32cを具備する。
軸部32aは、作業装置の取付軸100(に設けられた貫通孔)に挿通される部分である。軸部32aは、円柱状に形成される。
頭部32bは、軸部32aの一端に形成される部分である。頭部32bは、軸線方向視における外形が、軸部32aの外形よりも大きくなるように形成される。また、頭部32bは、軸部32aが作業装置の取付軸100(に設けられた貫通孔)から抜けないように、軸線方向視における外形が当該貫通孔の外形(径)よりも大きくなるように形成される。
止め輪32cは、軸部32aを作業装置の取付軸100にロックするものである。止め輪32cは、弾性を有する線状の材料をリング状に曲げて形成される。止め輪32cの両端は、頭部32bに挿通されている。止め輪32cは、止め輪32cの中央部(頭部32bから最も遠い部分)が軸部32aに押し付けられた(当接した)状態と、軸部32aから離間した状態とに切り替え可能に回動可能に形成される。
このように形成されたリンチピン32は、軸部32aを作業装置の取付軸100(に設けられた貫通孔)に挿通した状態で、止め輪32cを軸部32aに押し付けられた状態となるように回動させることにより、図5に示すように止め輪32cに取付軸100が挿通された状態とすることができる。これにより、軸部32a(リンチピン32)を取付軸100にロックすることができる。このように、リンチピン32を取付軸100に固定することで、連結部材31が取付軸100から脱落する(抜ける)のを防止することができる。
以上のように連結部材31及びリンチピン32を用いて、ロアーリンク22に作業装置の取付軸100を連結させることができ、ひいては、昇降装置20(トラクタ1)に作業装置を装着することができる。一方で、作業装置を装着しない場合には、連結部材31及びリンチピン32は、保管部40に保管される。以下では、図6から図8を用いて、保管部40の構成、及び保管部40に連結部材31及びリンチピン32が保管された状態について説明する。なお、図6及び図7は、保管部40に連結部材31及びリンチピン32が保管された状態を示しており、図8は、保管部40に連結部材31及びリンチピン32が保管されていない状態を示している。
保管部40は、連結部材31及びリンチピン32を保管するものである。保管部40は、PTO軸カバー41、ピン保管部42、連結部材保管部43及び係止ピン44を具備する。
図6から図8に示すPTO軸カバー41は、PTO軸16を保護するものである。PTO軸カバー41は、PTO軸16の上方及び両側方を覆うように形成される。PTO軸カバー41は、主として天井部41a、左側部41b及び右側部41cを具備する。
天井部41aは、PTO軸カバー41の上方に位置する部分である。天井部41aは、平面視略矩形板状に形成される。天井部41aは、板面を上下方向に、長手方向を左右方向に向けて形成される。
左側部41bは、PTO軸カバー41の左側方に位置する部分である。左側部41bは、天井部41aの左端部から下方に延びるように形成される。
図6及び図8に示す右側部41cは、PTO軸カバー41の右側方に位置する部分である。右側部41cは、天井部41aの右端部から下方に延びるように形成される。
左側部41b及び右側部41cは、ボルト等により車体に固定される(図8参照)。
図6から図8に示すピン保管部42は、昇降装置20に作業装置を装着しない場合に、リンチピン32を保管するもの(置いておく場所)である。ピン保管部42は、平板部42a、貫通孔42b及び面取り部42cを具備する。
図7及び図8に示す平板部42aは、ピン保管部42の主たる構造体を構成する部分である。平板部42aは、平面視略矩形状に形成される。図8に示すように、平板部42aは、板面を上下方向に向けて、長手方向を前後方向に向けて配置される。平板部42aは、その一辺においてPTO軸カバー41の左側部41bに固定される。より詳細には、平板部42aは、左側部41bの上端部近傍かつ後端部近傍に固定される。また、平板部42aは、前後方向において連結部材保管部43と重複する位置に設けられる。これにより、平板部42aは、PTO軸カバー41の左側部41bの当該位置から左方に突出するように形成される。
図8に示す貫通孔42bは、リンチピン32が挿通される部分である。貫通孔42bは、ピン保管部42を板厚方向に貫通するように形成される。貫通孔42bは、リンチピン32の軸部32aを挿通可能な大きさに形成される。貫通孔42bは、ピン保管部42の4つの角部のうち、突出側(左端側)の2つの角部の近傍にそれぞれ形成される。
図7及び図8に示す面取り部42cは、ピン保管部42の角が面取りされた部分である。面取り部42cは、ピン保管部42の4つの角部のうち、突出側(左端側)の2つの角部、すなわち貫通孔42bの近傍の角部が面取りされるように形成される。
このように形成されたピン保管部42には、昇降装置20に作業装置を装着しない場合に、リンチピン32が保持される。2つのリンチピン32はそれぞれ、ピン保管部42の2つの貫通孔42bに取り付けられる(挿通される)。その際、後側の貫通孔42bに取り付けられたリンチピン32は、止め輪32cが軸部32aの左後方において回動するように斜めに向けた状態で、軸部32aが当該貫通孔42bに挿通される。また、前側の貫通孔42bに取り付けられたリンチピン32は、止め輪32cが軸部32aの左前方において回動するように斜めに向けた状態で、軸部32aが当該貫通孔42bに挿通される。
そして、リンチピン32の軸部32aを貫通孔42bに挿通した状態で、止め輪32cを軸部32aに押し付けられた状態となるように回動させる。このように、止め輪32cを回動させることで、図6及び図7に示すように当該止め輪32cを平板部42aの角部に引っ掛けて(止め輪32cの内側に平板部42aの角部を挿通した状態として)ロックすることができるので、リンチピン32をピン保管部42から脱落しない状態で保管することができる。このとき、図7に示すように、リンチピン32の頭部32bは、PTO軸カバー41の天井部41aから僅かに突出している。また、後側のリンチピン32の止め輪32cは、PTO軸カバー41の後端面から後方に突出していない(当該後端面よりも前方に位置している)。
図6から図8に示す連結部材保管部43は、昇降装置20に作業装置を装着しない場合に、連結部材31を保管するもの(置いておく場所)である。連結部材保管部43は、軸方向を上下方向に向けた棒状(円柱状)に形成される。連結部材保管部43は、PTO軸カバー41の天井部41aから上方に延びるように形成される。連結部材保管部43は、天井部41aの左右中央よりも左側(左端近傍)に形成される。つまり、連結部材保管部43は、天井部41aの、ピン保管部42が形成された左側部41bに近い側に設けられる。連結部材保管部43は、3つの連結部材31を挿通可能な長さに形成されている。連結部材保管部43は、上側貫通孔43a及び下側貫通孔43bを具備する。
図8に示す上側貫通孔43aは、リンチピン32を挿通可能に構成される部分である。上側貫通孔43aは、連結部材保管部43を径方向(より詳細には、左右方向)に貫通するように形成される。上側貫通孔43aは、連結部材保管部43に3つの連結部材31を挿通した場合に、これら3つの連結部材31よりも上方となる位置に形成される。
図8に示す下側貫通孔43bは、後述する係止ピン44を挿通可能に構成される部分である。下側貫通孔43bは、連結部材保管部43を径方向(より詳細には、左右方向)に貫通するように形成される。下側貫通孔43bは、連結部材保管部43の上下中途部に、上側貫通孔43aよりも下方に形成される。下側貫通孔43bは、連結部材保管部43に2つの連結部材31を挿通した場合に、これら2つの連結部材31よりも上方となる位置に形成される。
図6及び図7に示す係止ピン44は、連結部材31が連結部材保管部43から抜けないようにするためのものである。係止ピン44は、下側貫通孔43bに挿通される。係止ピン44は、先端部に抜止め部材が挿通されることで、下側貫通孔43bから脱落しないようにされている。
このように形成された連結部材保管部43には、昇降装置20に作業装置を装着しない場合に、連結部材31の貫通孔31aに連結部材保管部43を挿通させることで、連結部材保管部43に連結部材31が保持される。そして、係止ピン44が下側貫通孔43bに挿通されることにより、2つの連結部材31を保管する場合、連結部材31が連結部材保管部43から脱落するのを防止することができる。
このように、ピン保管部42及び連結部材保管部43が設けられることにより、昇降装置20に作業装置を装着しない場合に、2つの連結部材31及びリンチピン32を車体から脱落しないようにして保管(保持)しておくことができる。
また、ピン保管部42においては、貫通孔42bを平板部42aの突出側の角部近傍に形成している。仮に貫通孔42bが前記角部近傍でない位置(例えば、平板部42aの平面視中央部)に形成されている場合、軸部32aを貫通孔42bに挿通した状態で止め輪32cを回動させると、止め輪32c(の中央部)が軸部32aに押し当てられる前に、平板部42aに当接してしまうため、ロックすることができない。これに対して、本実施形態においては、貫通孔42bを平板部42aの突出側の角部近傍に形成したことにより、リンチピン32の軸部32aを貫通孔42bに挿通した状態で、止め輪32cを軸部32aに押し付けられた状態となるように回動させることができる。このように、止め輪32cを回動させることで、当該止め輪32cを平板部42aの角部に引っ掛けてロックすることができるので、リンチピン32をピン保管部42から脱落しない状態で保管することができる。
また、ピン保管部42に面取り部42cを設けたことにより、止め輪32cが回動の途中で平板部42aに当接し難く、また、その作業者の指が平板部42aに当たり難い。このため、止め輪32cを回動し易く、ひいてはピン保管部42へのリンチピン32のロック及びロックの解除の作業性を向上させることができる。
以上の如く、本実施形態に係るトラクタ1(作業車)は、作業装置を装着可能な昇降装置20と、前記作業装置の取付軸100を挿通した状態で前記昇降装置20に取付けられることで、前記作業装置を前記昇降装置20に連結する連結部材31と、前記作業装置の前記取付軸100に対して径方向に挿通される軸部32a、前記軸部32aの一端に形成された頭部32b、及び前記軸部32aを前記取付軸100にロックするように回動可能な止め輪32cを有し、前記取付軸100が前記連結部材31から抜けるのを防止するためのリンチピン32と、前記昇降装置20に前記作業装置を装着しない場合に、前記リンチピン32を保管するピン保管部42と、を具備し、前記ピン保管部42は、多角形板状に形成され、PTO軸カバー41(車体)から突出する平板部42aと、前記平板部42aの突出側の角部近傍に、前記リンチピン32の前記軸部32aを挿通できるように、前記平板部42aを厚さ方向に貫通する貫通孔42b(第一貫通孔)と、を具備するものである。
このように構成することにより、リンチピン32の軸部32aを貫通孔42bに挿通した状態で、止め輪32cを回動させることで平板部42aの角部に引っ掛けてロックすることができるので、リンチピン32をピン保管部42から脱落しない状態で保管することができる。
また、前記平板部42aは、矩形板状に形成されるとともに、当該平板部42aの一辺において前記PTO軸カバー41に固定され、前記貫通孔42bは、前記平板部42aの突出側の両方の角部近傍に形成されているものである。
このように構成することにより、2つのリンチピン32をピン保管部42に保管することができる。
また、前記平板部42aの前記角部は面取りされているものである。
このように構成することにより、リンチピン32の止め輪32cを回動させ易くなるので、ピン保管部42へのリンチピン32のロック及びロックの解除の作業性を向上させることができる。
また、前記平板部42aは、板面を上下方向に向けて形成されているものである。
このように構成することにより、リンチピン32を頭部32bを上にした状態で、ピン保管部42の貫通孔42bに上方から挿通することにより、重力によってリンチピン32がピン保管部42から脱落し難くすることができる。
また、本実施形態に係るトラクタ1は、前記昇降装置20に前記作業装置を装着しない場合に、前記連結部材31を保管する連結部材保管部43と、PTO軸16の上方を覆うように形成された天井部41a、及び前記PTO軸16の側方を覆うように前記天井部41aの左右端部から下方に延びる左側部41b(側部)及び右側部41c(側部)を有するPTO軸カバー41と、を具備し、前記ピン保管部42は、前記左側部41b(側部)から左右方向外側に突出するように形成されており、前記連結部材保管部43は、前記天井部41aの、前記ピン保管部42が形成された左側部41b(側部)に近い側に設けられているものである。
このように構成することにより、連結部材31及びリンチピン32が比較的近い位置に保管されているため、昇降装置20に作業装置を装着する際に、連結部材31及びリンチピン32を取り出しやすくすることができる。
また、前記連結部材保管部43は、挿通された2つの連結部材31よりも上方、かつ、前記上側貫通孔43aよりも下方において、係止ピン44(前記リンチピン32と異なるピン)を挿通可能な下側貫通孔43b(第三貫通孔)を具備するものである。
このように構成することにより、連結部材31を2つ保管する場合、下側貫通孔43bに挿通した係止ピン44により連結部材保管部43から連結部材31が脱落するのを防止することができる。
なお、本実施形態に係るトラクタ1は、本発明に係る作業車の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る貫通孔42bは、本発明に係る第一貫通孔の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る上側貫通孔43aは、本発明に係る第二貫通孔の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る下側貫通孔43bは、本発明に係る第三貫通孔の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る係止ピン44は、本発明に係る「リンチピン32と異なるピン」の実施の一形態である。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態に係る作業車はトラクタ1であるものとしたが、本発明に係る作業車の種類はこれに限定されるものでない。本発明に係る作業車は、その他の農業車両、建設車両、産業車両等であってもよい。
また、本実施形態においては、後輪8が車輪(タイヤ)であるものとしたが、後輪8の代わりにクローラ式の走行装置を採用するものであってもよい。
また、本実施形態においては、ピン保管部42は、平面視において矩形状に形成されるものとしたが、これに限定されるものではなく、多角形状であればよい。また、「多角形状」とは、1以上の角部を有していれば、厳密に多角形状である必要はなく、例えば途中に曲線状の部分を含んでいてもよい。
また、本実施形態においては、作業装置の連結時に、リンチピン32の止め輪32cを回動させて軸部32aに押し付けられた状態とすることにより、当該軸部32aを作業装置の取付軸100(リンチピン32の保管時には、ピン保管部42)にロック(固定)するものとしたが、必ずしも止め輪32cが軸部32aに押し付けられていなくてもよく、止め輪32cと軸部32aとの間に隙間があっても、リンチピン32が脱落しないように軸部32aがロックされていればよい。
また、本実施形態において、平板部42aの「角部の近傍」とは、リンチピン32の軸部32aを平板部42aの貫通孔42bに挿通した状態で止め輪32cを回動可能であり、軸部32aをロック可能となる位置であればよい。
また、本実施形態においては、ピン保管部42は、PTO軸カバー41の左側部41bに固定されるものとしたが、ピン保管部42が設けられる箇所はこれに限定されず、例えば、右側部41cに固定されるものであってもよく、PTO軸カバー41とは別の部材に固定されるものであってもよい。
また、本実施形態においては、連結部材31は、左右のロアーリンク22と作業装置との連結に用いるもの(すなわち、作業装置の装着に2つの連結部材31及びリンチピン32を用いるもの)としたが、さらにトップリンク21と作業装置との連結に用いるもの(すなわち、作業装置の装着に3つの連結部材31及びリンチピン32を用いるもの)としてもよい。
この場合、図9に示すように、3つの連結部材31が連結部材保管部43に保持される。そして、前述の如く2つのリンチピン32がピン保管部42に保持されるとともに、1つのリンチピン32が連結部材保管部43の上側貫通孔43aに保持(挿通)される。上側貫通孔43aに保持(挿通)されたリンチピン32は、軸部32aを上側貫通孔43aに挿通した状態で、止め輪32cを軸部32aに押し付けられた状態(止め輪32cの内側に連結部材保管部43が挿通された状態)となるように回動させることにより、軸部32a(リンチピン32)を連結部材保管部43にロックすることができる。このように、リンチピン32を連結部材保管部43に固定することで、連結部材31が連結部材保管部43から脱落する(抜ける)のを防止することができる。
以上の如く、前記連結部材保管部43は、3つ以上の前記連結部材31を挿通できるように、前記天井部41aから略上方に延びる棒状に形成されているものである。
このように構成することにより、作業装置の連結に通常用いられる2つの連結部材31と、オプションで用いられる1つ以上の連結部材31とを保管することができる。
また、前記連結部材保管部43は、挿通された前記3つ以上の連結部材31よりも上方において、前記リンチピン32の前記軸部32aを挿通できるように形成された上側貫通孔43a(第二貫通孔)を具備するものである。
このように構成することにより、連結部材保管部43にもリンチピン32を保管することができ、かつ、当該リンチピン32により連結部材保管部43から連結部材31が脱落するのを防止することができる。
1 トラクタ
20 昇降装置
31 連結部材
32 リンチピン
32a 軸部
32b 頭部
32c 止め輪
41 PTO軸カバー
41a 天井部
41b 左側部
42 ピン保管部
42a 平板部
42b 貫通孔
43 連結部材保管部
43a 上側貫通孔
43b 下側貫通孔
44 係止ピン
100 取付軸

Claims (8)

  1. 作業装置を装着可能な昇降装置と、
    前記作業装置の取付軸を挿通した状態で前記昇降装置に取付けられることで、前記作業装置を前記昇降装置に連結する連結部材と、
    前記作業装置の前記取付軸に対して径方向に挿通される軸部、前記軸部の一端に形成された頭部、及び前記軸部を前記取付軸にロックするように回動可能な止め輪を有し、前記取付軸が前記連結部材から抜けるのを防止するためのリンチピンと、
    前記昇降装置に前記作業装置を装着しない場合に、前記リンチピンを保管するピン保管部と、
    を具備し、
    前記ピン保管部は、
    多角形板状に形成され、車体から突出する平板部と、
    前記平板部の突出側の角部近傍に、前記リンチピンの前記軸部を挿通できるように、前記平板部を厚さ方向に貫通する第一貫通孔と、
    を具備する、
    作業車。
  2. 前記平板部は、
    矩形板状に形成されるとともに、当該平板部の一辺において前記車体に固定され、
    前記第一貫通孔は、
    前記平板部の突出側の両方の角部近傍に形成されている、
    請求項1に記載の作業車。
  3. 前記平板部の前記角部は面取りされている、
    請求項1又は請求項2に記載の作業車。
  4. 前記平板部は、
    板面を上下方向に向けて形成されている、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の作業車。
  5. 前記昇降装置に前記作業装置を装着しない場合に、前記連結部材を保管する連結部材保管部と、
    PTO軸の上方を覆うように形成された天井部、及び前記PTO軸の側方を覆うように前記天井部の左右端部から下方に延びる側部を有するPTO軸カバーと、
    を具備し、
    前記ピン保管部は、
    前記側部から左右方向外側に突出するように形成されており、
    前記連結部材保管部は、
    前記天井部の、前記ピン保管部が形成された側部に近い側に設けられている、
    請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の作業車。
  6. 前記連結部材保管部は、
    3つ以上の前記連結部材を挿通できるように、前記天井部から略上方に延びる棒状に形成されている、
    請求項5に記載の作業車。
  7. 前記連結部材保管部は、
    挿通された前記3つ以上の連結部材よりも上方において、前記リンチピンの前記軸部を挿通できるように形成された第二貫通孔を具備する、
    請求項6に記載の作業車。
  8. 前記連結部材保管部は、
    挿通された2つの連結部材よりも上方、かつ、前記第二貫通孔よりも下方において、前記リンチピンと異なるピンを挿通可能な第三貫通孔を具備する、
    請求項7に記載の作業車。
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