JP2020100922A - 繊維シート積層体の製造方法、繊維シート積層体、及びコンクリート剥落防止材 - Google Patents

繊維シート積層体の製造方法、繊維シート積層体、及びコンクリート剥落防止材 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便に製造することができ、現場での施工性に優れ、しかも繊維束を構成するフィラメント間にマトリクスとなる材料を容易に含浸させることを可能とする、繊維シート積層体の製造方法を提供する。【解決手段】複数本のモノフィラメントからなる繊維束に、熱融着糸を沿わせるように配置した状態で製織することにより、複数の開口部を有する第1のシート1を作製する工程と、第1のシート1を、不織布、ペーパー、又はフィルムからなる第2のシート10上に積層させ、繊維束が軟化しない温度で加熱プレスすることにより、第1のシート1及び第2のシート10を貼り合わせる工程と、を備える、繊維シート積層体の製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、繊維シート積層体の製造方法、繊維シート積層体、及び該繊維シート積層体を用いたコンクリート剥落防止材に関する。
従来、コンクリート構造物の剥落防止や、補修、あるいはクラック低減を目的として、コンクリート躯体の表面に補強材を貼り付ける方法が知られている。補強材としては、例えば、セメントモルタルや樹脂等のマトリクスの内部に、ガラス繊維束や合成繊維束により構成されるメッシュが埋め込まれてなる剥落防止材が知られている。
下記の特許文献1には、マトリクス樹脂の内部に、メッシュ積層体が埋め込まれてなるコンクリート剥落防止材が開示されている。上記メッシュ積層体は、複数本のフィラメントが束ねられてなる繊維束により構成されるメッシュと、メッシュを覆っている被覆樹脂と、被覆樹脂によりメッシュに接着されている不織布とを備えている。上記被覆樹脂は、メッシュを製織した後に、スプレー法や浸漬法によって塗布することにより形成されている。あるいは、塗布後、さらに乾燥工程を経て形成されている。
特開2018−89822号公報
ところで、コンクリート剥落防止材のような補強材は、施工現場で使用箇所に応じた大きさに切断して用いられることがある。また、垂直面や天井面などの施工が難しい箇所へ貼り付けて用いられることがある。このような場合、補強材を構成するメッシュにおける繊維束間の目止めが弱いと目ずれが生じることがある。そのため、メッシュを使用箇所の大きさに切断する際や、施工面に貼り付ける際のハンドリングでフィラメントが脱落することがあり、施工性が十分でないことがある。また、所定の大きさの開口部が崩れてしまい、メッシュとしての十分な性能を発揮できない場合がある。
また、特許文献1のように被覆樹脂を塗布することにより、繊維束間の目止めをした場合、被覆樹脂により繊維束を構成するフィラメント間が閉塞されることがあり、マトリクスとなる材料がフィラメント間に含浸し難くなる可能性がある。マトリクスとなる材料がフィラメント間に含浸し難いと、メッシュとマトリクスとの接着性が高められないため、メッシュによるマトリクスの補強効果が十分に得られない場合がある。
本発明の目的は、簡便に製造することができ、現場での施工性に優れ、しかも繊維束を構成するフィラメント間にマトリクスとなる材料を容易に含浸させることを可能とする、繊維シートの積層体の製造方法、繊維シート積層体、及び該繊維シート積層体を用いたコンクリート剥落防止材を提供することにある。
本発明に係る繊維シート積層体の製造方法は、複数本のモノフィラメントからなる繊維束に、熱融着糸を沿わせるように配置した状態で製織することにより、複数の開口部を有する第1のシートを作製する工程と、前記第1のシートを、不織布、ペーパー、又はフィルムからなる第2のシート上に積層させ、前記繊維束が軟化しない温度で加熱プレスすることにより、前記第1のシート及び前記第2のシートを貼り合わせる工程と、を備えることを特徴としている。
本発明においては、前記熱融着糸の融点が、70℃以上、160℃以下であることが好ましい。
本発明においては、前記熱融着糸が、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、及びポリオレフィンからなる群から選択された1種により構成されていることが好ましい。
本発明においては、前記熱融着糸の番手が、10dtex以上、500dtex以下であることが好ましい。
本発明においては、前記第1のシートにおける前記繊維束が、カーボン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、及びポリオレフィン繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維により構成されていることが好ましい。より好ましくは、前記第1のシートにおける前記繊維束が、前記ガラス繊維により構成されている。
本発明においては、前記第1のシートの前記開口部の面積が、1mm以上、400mm以下であることが好ましい。
本発明においては、前記不織布又は前記ペーパーの体積が、20cm/m以上、1000cm/m以下であることが好ましい。
本発明に係る繊維シート積層体は、複数本のモノフィラメントからなる繊維束により構成されており、複数の開口部を有する繊維シート、及び熱融着糸を有する、第1のシートと、不織布、ペーパー、又はフィルムからなる、第2のシートと、を備え、前記熱融着糸が、前記繊維シート及び前記第2のシートの間に介在するように設けられており、前記熱融着糸により、前記第1のシート及び前記第2のシートが貼り合わされていることを特徴としている。
本発明に係るコンクリート剥落防止材は、マトリクスと、本発明に従って構成される繊維シート積層体と、を備えることを特徴としている。
本発明によれば、簡便に製造することができ、現場での施工性に優れ、しかも繊維束を構成するフィラメント間にマトリクスとなる材料を容易に含浸させることを可能とする、繊維シートの積層体の製造方法、繊維シート積層体、及び該繊維シート積層体を用いたコンクリート剥落防止材を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る繊維シート積層体の製造方法で用いる第1のシートを示す模式的平面図である。 図2は、本発明の一実形態に係る繊維シート積層体の製造方法で用いる第1のシートの変形例を示す模式的平面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る繊維シート積層体の製造方法における貼り合わせ工程を説明するための模式的断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る繊維シート積層体の製造方法における加熱プレスの詳細を説明するための模式的断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る繊維シート積層体の製造方法における一例としての効果を説明するための模式的断面図である。 図6は、本発明の他の実施形態に係る繊維シート積層体の製造方法における貼り合わせ工程を説明するための模式的断面図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る繊維シート積層体を示す模式的平面図である。 図8は、図7のA−A線に沿う部分の模式的断面図である。 図9は、本発明の一実施形態に係るコンクリート剥落防止材を示す模式的断面図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
[繊維シート積層体の製造方法]
本発明の繊維シート積層体の製造方法では、まず、複数本のモノフィラメントからなる繊維束に、熱融着糸を沿わせるように配置した状態で製織することにより、複数の開口部を有する第1のシートを作製する(第1のシート作製工程)。次に、作製した第1のシートを、不織布、ペーパー、又はフィルムからなる第2のシート上に積層させ、繊維束が軟化しない温度で加熱プレスすることにより、第1のシート及び第2のシートを貼り合わせる(貼り合わせ工程)。それによって、繊維シート積層体を得ることができる。
以下、第1のシート作製工程と、貼り合わせ工程に分けて、各工程につき詳細に説明する。
(第1のシートの作製工程)
図1は、本発明の一実施形態に係る繊維シート積層体の製造方法で用いる第1のシートを示す模式的平面図である。図2は、本発明の一実形態に係る繊維シート積層体の製造方法で用いる第1のシートの変形例を示す模式的平面図である。
第1のシート1の作製工程では、まず、たて糸2及びよこ糸3を構成する繊維束を用意する。本実施形態においては、たて糸2及びよこ糸3を構成する繊維束が、いずれもガラス繊維束である。ガラス繊維束は、数十本から数百本程度のガラス繊維モノフィラメントを集束することにより得ることができる。
ガラス繊維束は、以下の方法により得られる。まず、ガラス溶融炉内に投入されたガラス原料を溶融して溶融ガラスとし、溶融ガラスを均質な状態とした後に、ブッシングに付設された耐熱性を有するノズルから溶融ガラスを引き出す。その後、引き出された溶融ガラスを冷却してガラス繊維モノフィラメント(ガラス繊維)とする。
次に、このガラス繊維の表面に、サイジング剤を塗布する。サイジング剤が均等に塗布された状態で、そのガラス繊維を数百本から数千本引き揃えて集束し、乾燥させてガラス繊維束を得ることができる。
ガラス繊維束を構成するガラス繊維モノフィラメントは、それぞれ、ガラス組成として、ZrOを12質量%及びRO(RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)を10質量%以上含有することが好ましい。この場合、耐アルカリ性をより一層高めることができ、剛直性をより一層高めることができる。なお、ROが10質量%以上とは、ガラス繊維モノフィラメント中におけるLiO、NaO及びKOの含有量の総和が、10質量%以上であることをいう。
このようなガラス繊維モノフィラメントとしては、例えば、ガラス組成として、質量%で、SiO 54〜65%、ZrO 12〜25%、LiO 0〜5%、NaO 10〜17%、KO 0〜8%、R’O(ただし、R’は、Mg、Ca、Sr、Ba、Znを表す)0〜10%、TiO 0〜10%、Al 0〜2%を含み、好ましくは、質量%で、SiO 57〜64%、ZrO 14〜24%、LiO 0〜3%、NaO 10〜17%、KO 0〜5%、R’O(ただし、R’は、Mg、Ca、Sr、Ba、Znを表す)0.2〜8%、TiO 0.5〜9%、Al 0〜1%を含むものを用いることができる。
ガラス繊維モノフィラメントの平均径は、好ましくは13μm以上、より好ましくは15μm以上であり、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下である。ガラス繊維モノフィラメントの平均径が上記の下限値以上である場合、剛直性をより一層高めることができる。ガラス繊維モノフィラメントの平均径が上記の上限値以下である場合、表面積をより一層大きくすることができ、マトリクスとなる樹脂やセメントとの接着性をより一層高めることができる。
ガラス繊維モノフィラメントを集束する際の集束剤としては、例えば、ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、飽和ポリエステル樹脂であってもよく、不飽和ポリエステル樹脂であってもよい。また、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂であってもよい。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
また、集束剤は、上記成分以外にもさらにシランカップリング剤を含んでいることが好ましい。上記シランカップリング剤としては、例えばアミノシラン、エポキシシラン、ビニルシラン、アクリルシラン、クロルシラン、メルカプトシラン、ウレイドシランなどが使用できる。なお、シランカップリング剤を添加することで、マトリクスとなる樹脂やセメントとの接着性をより一層高めることができる。
また、集束剤中には、上述のシランカップリング剤以外に、潤滑剤、ノニオン系の界面活性剤、水溶性高分子、帯電防止剤等の各成分を含むことができ、それぞれの成分の配合比は、必要に応じて決定すればよい。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリビニルピロリドンなどを用いることができる。
集束剤の塗布量は、ガラス繊維束の強熱減量が0.5〜2.0質量%となるように調整することが好ましい。なお、強熱減量は、JIS R3420(2013年)に従い測定できる。
もっとも、たて糸2及びよこ糸3を構成する繊維束はガラス繊維束に限定されるものではなく、合成繊維束であってもよい。また、たて糸2及びよこ糸3は、本実施形態のように同じ繊維束により構成されていてもよく、異なる繊維束により構成されていてもよい。また、複数の繊維を組み合わせて構成されていても良い。例えば、たて糸2がガラス繊維束であり、よこ糸3が合成繊維束であってもよい。たて糸2が合成繊維束であり、よこ糸3がガラス繊維束であってもよい。もっとも、剛直性をより一層高める観点から、ガラス繊維束が含まれることが好ましい。
合成繊維束を構成する繊維としては、例えば、カーボン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維等が挙げられる。これらの繊維は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。なかでも、カーボン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリオレフィン繊維であることが好ましい。耐熱性をより一層高める観点から、ポリオレフィン繊維は、ポリプロピレン繊維であることが好ましい。
たて糸2及びよこ糸3を構成する繊維束の番手は、特に限定されないが、100tex以上、3000tex以下であることが好ましい。繊維束の番手が上記の範囲内にある場合、繊維シート1の剛直性をより一層高めることができる。
繊維束の軟化温度は、120℃以上であることが好ましい。この場合、加熱プレスの際により一層破れ難くすることができる。
次に、得られた繊維束をたて糸2及びよこ糸3として用いて、平織りにより製織する。この際、図1に示すように、熱融着糸4をたて糸2に沿わせるように配置し、たて糸2と同様にして織り込ませることにより製織する。これにより、複数の開口部5を有する第1のシート1を得ることができる。なお、製織方法は、特に限定されず、絡み織りや模紗織りであってもよい。もっとも、後述するマトリクスとなる材料を、繊維束を構成するフィラメント間により一層含浸させ易くする観点からは、平織りであることが好ましい。
なお、熱融着糸4は、加熱により融着する糸である。本実施形態においては、複数本のたて糸2のうち全てのたて糸2に沿わせるように、それぞれ、熱融着糸4が配置されている。もっとも、複数本のたて糸2のうち、一部のたて糸2に沿わせるように熱融着糸4を配置してもよい。
熱融着糸4の融点は、70℃以上、160℃以下であることが好ましい。熱融着糸4の融点が上記下限値以上である場合、より一層広範な種類の材料を用いることができる。また、熱融着糸4の融点が、上記上限値以下である場合、繊維シート7や第2のシート10をより一層破れ難くすることができる。
熱融着糸4は、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリオレフィンなどにより構成することができる。なかでも、低融点がより一層容易であることから、ポリエステル、ポリアミド又はポリオレフィンにより構成されていることが好ましい。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
熱融着糸4の番手は、特に限定されないが、好ましくは10dtex以上、より好ましくは50dtex以上であり、好ましくは500dtex以下であり、より好ましくは350dtex以下とすることができる。熱融着糸4の太さが上記下限値以上である場合、繊維シート7や第2のシート10との接着性をより一層高めることができる。また、熱融着糸4の太さが上記上限値以下である場合、繊維束を構成する複数のフィラメント間に熱融着糸4がより一層浸入し難く、マトリクスとなる材料をフィラメント間により一層含浸させ易くすることができる。
また、熱融着糸4の体積は、後述する第2のシート10の主面10aの面積に対して、0.1cm/cm以上、35.0cm/cm以下とすることが好ましい。この場合、マトリクスとなる材料をフィラメント間により一層含浸し易くすることができ、かつ貼り合わせ強度をより一層高めることができる。熱融着糸4の体積は、より好ましくは1.0cm/cm以上、さらに好ましくは3.0cm/cm以上であり、より好ましくは30.0cm/cm以下、さらに好ましくは15.0cm/cm以下である。
図2に示す変形例の第1のシート1Aのように、さらによこ糸3に沿うように熱融着糸4Aを配置してもよい。第1シート1Aでは、複数本のよこ糸3のうち一本おきに、熱融着糸4Aが配置されている。なお、よこ糸3においても、全てのよこ糸3に沿わせるように、熱融着糸4Aを配置してもよいし、一部のよこ糸3に沿わせるように熱融着糸4Aを配置してもよい。また、よこ糸3のみに沿わせるように、熱融着糸4Aを配置してもよい。複数本のたて糸2及び複数本のよこ糸3のうち少なくとも1本の繊維束に沿わせるように、熱融着糸4,4Aを配置すればよい。もっとも、図1に示す実施形態のように、一方向における全ての繊維束(全てのたて糸2)に沿わせるように、それぞれ、熱融着糸4を配置させることが好ましい。この場合、貼り合わせ工程において第1のシート1及び第2のシート10をより一層確実に貼り合わせることができ、しかも後述するマトリクスとなる材料を、繊維束を構成するフィラメント間により一層含浸させ易くすることができる。
また、本実施形態では、たて糸2及びよこ糸3(繊維束)にそれぞれ平行に延びるように熱融着糸4,4Aが配置されている。もっとも、熱融着糸4,4Aは、繊維束に絡ませてもよい。後述するマトリクスとなる材料を、繊維束を構成するフィラメント間により一層含浸させ易くする観点からは、本実施形態のように繊維束に平行に延びるように熱融着糸4,4Aを配置することが好ましい。また、その際、熱融着糸4,4Aを繊維束に接触するように配置することが望ましい。もっとも、熱融着糸4,4Aの一部が繊維束に接触していてもよく、完全に接触していてもよい。
本実施形態においては、第1のシート1における開口部5の面積が、1mm以上、400mm以下であることが好ましい。開口部5の面積が上記下限値以上である場合、後述するマトリクスとなる材料をより一層通り易くすることができ、マトリクスとなる材料と繊維シート積層体との接着性をより一層高めることができる。また、開口部5の面積が上記上限値以下である場合、第1のシート1を構成する繊維束の面積割合をより一層大きくすることができるので、貼り合わせ工程において、第1のシート1及び第2のシート10をより一層確実に貼り合わせることができる。
また、第1のシート1の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.2mm以上、1mm以下とすることができる。
(貼り合わせ工程)
図3は、本発明の一実施形態に係る繊維シート積層体の製造方法における貼り合わせ工程を説明するための模式的断面図である。図4は、本発明の一実施形態に係る繊維シート積層体の製造方法における加熱プレスの方法を説明するための模式的断面図である。また、図5は、本発明の一実施形態に係る繊維シート積層体の製造方法における効果を説明するための模式的断面図である。
貼り合わせ工程においては、まず、第2のシート10を用意する。本実施形態において、第2のシート10は、不織布である。なお、第2のシート10は、ペーパーやフィルムであってもよい。第2のシート10は、連続シートであることが好ましい。
不織布又はペーパーを構成する繊維は、特に限定されないが、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、レーヨン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリ乳酸繊維等が挙げられる。これらの繊維は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
なお、不織布は、これらの繊維を織らずに絡み合わせたシート状のものである。また、ペーパーは、これらの繊維からなる繊維ペーパーである。
不織布又はペーパーの体積は、特に限定されないが、20cm/m以上、1000cm/m以下であることが好ましい。不織布又はペーパーの体積が上記下限値以上である場合、連続シートとしての強度をより一層高めることができ、加熱プレスの際により一層破れ難くすることができる。また、不織布又はペーパーの体積が上記上限値以下である場合、マトリクスとなる材料をより一層透過させ易くすることができ、マトリクスとの接着性をより一層高めることができる。
不織布又はペーパーの厚みとしては、特に限定されないが、好ましくは0.02mm以上、1mm以下である。不織布又はペーパーの厚みが、上記範囲内にある場合、連続シートとしての強度をより一層高めることができ、加熱プレスの際により一層破れ難くなる。
また、フィルムとしては、特に限定されないが、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、あるいはポリエチレンテレフタレートフィルム、フッ素系フィルム等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
フィルムの目付は、特に限定されないが、5g/m以上、200g/m以下であることが好ましい。フィルムの目付が、上記範囲内にある場合、連続シートとしての強度をより一層高めることができ、加熱プレスの際により一層破れ難くなる。フィルムの目付は、より好ましくは20g/m以上、100g/m以下である。
フィルムの厚みとしては、特に限定されないが、好ましくは10μm以上、100μm以下である。フィルムの厚みが、上記範囲内にある場合、連続シートとしての強度をより一層高めることができ、加熱プレスの際により一層破れ難くなる。
フィルムは、透明なフィルムであることが好ましい。なお、本明細書において、「透明」であるとは、波長450nm〜700nmにおける可視波長域の光透過率が70%以上であることをいう。
また、不織布、ペーパー、及びフィルムの軟化温度は、120℃以上であることが好ましい。この場合、加熱プレスの際により一層破れ難くすることができる。
次に、図3に示すように、第2のシート10の主面10a上に、上述した第1のシート1を積層させる。そして、第2のシート10上に第1のシート1を積層させた状態で、加熱プレスする。それによって、第1のシート1及び第2のシート10を貼り合わせ、繊維シート積層体を得ることができる。なお、図3において、熱融着糸4などの第1のシート1の詳細は描画を省略している。
加熱プレスは、例えば、熱ロールプレスや、熱金型プレスにより行うことができる。また、加熱プレスは、第1のシート1を構成する繊維束(たて糸2及びよこ糸3)が軟化しない温度で行うものとする。また、第2のシート10についても軟化しない温度で行うことが望ましい。なお、「軟化しない温度」とは、軟化点を有する材料の場合は軟化点より低い温度のことをいい、軟化点を有さない材料の場合は軟化点に準ずる温度以下の温度のことをいうものとする。
加熱プレスの温度は、繊維束を構成する材料の種類にもよるが、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上であり、好ましくは250℃以下、より好ましくは160℃以下とすることができる。また、加熱プレスの圧力は、好ましくは5N/cm以上、より好ましくは7N/cm以上であり、好ましくは40N/cm以下、より好ましくは15N/cm以下とすることができる。
なお、第1のシート1を構成する繊維束がポリオレフィン繊維の一種であるポリプロピレン繊維である場合、繊維束は、加熱プレスにより収縮してしまい、たて糸2またはよこ糸3が蛇行することがある。このように、ポリプロピレン繊維はこの熱プレスによって収縮し、メッシュの特によこ糸に蛇行が生じることがあるため、製織前に予備加熱を行ってもよい。予備加熱を行うと、熱プレス加工を行っても蛇行がより一層生じ難い。予備加熱の条件は、特に限定されないが、具体的には引張試験における破断伸度の低下率が1〜15%である予備加熱が好ましい。
本実施形態においては、第2のシート10上に第1のシート1を積層させた状態で、加熱プレスすることにより、熱融着糸4を融解させる。その状態で、図4に示すX方向(積層体の厚み方向)にプレスすることにより、第1のシート1を構成するたて糸2及びよこ糸3を目止めしつつ、第1のシート1及び第2のシート10を貼り合わせることができる。
このように、本実施形態の製造方法では、熱融着糸4を介在させることにより、第1のシート1を構成するたて糸2及びよこ糸3を目止めしつつ、第1のシート1及び第2のシート10を貼り合わせることができる。そのため、繊維シート積層体を簡便に製造することができ、現場での施工性に優れ、しかも繊維束を構成するフィラメント間にマトリクスとなる材料を容易に含浸させることができる。これについて、以下、従来の製造方法と比較して詳細に説明する。 従来、メッシュ織物を不織布などのシートに貼り合わせて繊維シート積層体を製造する際には、まず、メッシュ織物を製織した後に、二次バインダーとしての被覆樹脂を塗布していた。さらに、必要に応じて乾燥工程を経た後、不織布などのシートと貼り合わせ、繊維シート積層体を得ていた。
これに対して、本実施形態の製造方法では、製織時にたて糸2などの繊維束とともに熱融着糸4を織り込み、さらに不織布などのシートを積層させた状態で加熱プレスすることにより繊維シート積層体を得ている。そのため、従来の製造方法のように、被覆樹脂の塗布工程や乾燥工程などの煩雑な工程を必要としない。繊維束とともに熱融着糸4を織り込んだ第1のシート1を第2のシート10上に積層させた状態で、加熱プレスすることにより、簡便に繊維シート積層体を得ることができる。
また、図4に示すように、熱融着糸4を介在させた加熱プレスにより、第1のシート1を構成するたて糸2及びよこ糸3の目止めを行うとともに、第1のシート1及び第2のシート10の貼り合わせが行われる。そのため、第2のシート10も介在させて、たて糸2及びよこ糸3を確実に目止めすることができる。従って、得られた繊維シート積層体では目ずれが生じ難いことから、現場において、繊維シート積層体を切断する際や、施工面に貼り付ける際のハンドリングでフィラメントが脱落することを抑制することができる。よって、得られた繊維シート積層体は、現場での施工性にも優れている。また、所定のサイズの開口部5が崩れ難いことから、繊維シート積層体としての十分な性能を発揮することができる。
また、本実施形態の製造方法では、第1のシート1を構成する繊維束の一部に熱融着糸4を融着させることにより、繊維束間の目止めや第2のシート10との貼り合わせを行っている。そのため、被覆樹脂を塗布する従来の製造方法のように、繊維束を構成する複数のフィラメント間が閉塞され難い。従って、例えば、図5に示すように、マトリクスとなる樹脂6に繊維シート積層体を埋め込む際に、繊維束を構成するフィラメント間にマトリクスとなる樹脂6を確実に含浸させることができる。そのため、マトリクスとなる樹脂6と繊維シート積層体の接着性を高めることができ、繊維シート積層体によるマトリクスの補強効果を高めることができる。なお、マトリクスとなる樹脂6に埋め込まれた繊維シート積層体は、例えば、図5に示すコンクリート躯体32等に貼り付けて用いることができる。
また、二次バインダーを用いないため、繊維束を構成するフィラメント間が閉塞されず、フィラメント間にマトリクスとなる樹脂6を容易に含浸させることができるので、本実施形態のように、繊維束がガラス繊維により構成される場合、より透明化を図ることができる。従って、得られた繊維シート積層体は、例えば、コンクリート構造物の表面に貼り付けた際に、コンクリート構造物の表面状態を目視にて観察し易くすることができる。
図6は、本発明の他の実施形態に係る繊維シート積層体の製造方法における貼り合わせ工程を説明するための模式的断面図である。
図6に示す他の実施形態の製造方法では、第1のシート1の両側の主面1a,1b上にそれぞれ第2のシート10を積層させた状態で加熱プレスする。それによって、第1のシート1及び第2のシート10を貼り合わせ、2枚の第2のシート10により第1のシート1が挟み込まれた繊維シート積層体を製造する。その他の点は、図3に示す実施形態と同様である。なお、図6においても、熱融着糸4などの第1のシート1の詳細は描画を省略している。
このように、第1のシート1の両側の主面1a,1bにそれぞれ第2のシート10を貼り合わせてもよい。この場合においても、熱融着糸4を介在させることにより、第1のシート1を構成するたて糸2及びよこ糸3を目止めしつつ、第1のシート1及び第2のシート10を貼り合わせることができる。そのため、繊維シート積層体を簡便に製造することができ、現場での施工性に優れ、しかも繊維束を構成するフィラメント間にマトリクスとなる材料を容易に含浸させることができる。
また、第1のシート1の両側の主面1a,1bにそれぞれ第2のシート10を貼り合わせる場合は、第2のシート10によってマトリックスとなる樹脂をより一層吸収することができ、樹脂垂れをより一層抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る製造方法で製造した一例としての繊維シート積層体について詳細に説明する。
[繊維シート積層体]
図7は、本発明の一実施形態に係る繊維シート積層体を示す模式的平面図である。また、図8は、図7のA−A線に沿う部分の模式的断面図である。なお、図7においては、熱融着糸4の描画を省略している。
図7及び図8に示すように、繊維シート積層体20は、第1のシート1と、第2のシート10とを備える。第1のシート1は、繊維シート7と、熱融着糸4とを有する。繊維シート7は、上述のたて糸2及びよこ糸3が製織されたメッシュ織物である。繊維シート7は、第1のシート1のうち、熱融着糸4を除く部分である。
熱融着糸4は、たて糸2及びよこ糸3とともに織り込まれている。また、熱融着糸4は、繊維シート7及び第2のシート10の間に介在するように設けられている。特に、本実施形態では、熱融着糸4が、繊維シート7の主面7aと第2のシート10の主面10aとの間に介在するように設けられている。それによって、熱融着糸4により第1のシート1及び第2のシート10が貼り合わされている。
繊維シート積層体20は、たて糸2などの繊維束とともに熱融着糸4を織り込んだ第1のシート1を第2のシート10上に積層させた状態で、加熱プレスすることにより、簡便に製造することができる。
また、熱融着糸4を介在させた加熱プレスにより、第2のシート10の貼り合わせとともに、第1のシート1を構成するたて糸2及びよこ糸3の目止めが行われるので、確実に目止めされている。そのため、目ずれが生じ難いことから現場での施工性にも優れている。
また、熱融着糸4により貼り合わされていることから、たて糸2などの繊維束を構成するフィラメント間にマトリクスとなる材料を容易に含浸させることができるので、マトリクスとなる材料と繊維シート積層体20の接着性を高めることができ、繊維シート積層体20によりマトリクスの補強効果を得ることもできる。
[コンクリート剥落防止材]
図9は、本発明の一実施形態に係るコンクリート剥落防止材を示す模式的断面図である。図9に示すように、コンクリート剥落防止材31は、繊維シート積層体20と、マトリクス樹脂33とを備える。繊維シート積層体20は、上述の一実施形態に係る繊維シート積層体20である。メッシュ積層体20は、マトリクス樹脂33の内部に埋め込まれている。コンクリート剥落防止材31は、コンクリート躯体32上に設けられている。
このように、コンクリート剥落防止材31においては、繊維シート積層体20が、マトリクス樹脂33の内部に埋め込まれている。繊維シート積層体20では、上述したようにマトリクス樹脂33に埋め込む際に、繊維束を構成するフィラメント間にマトリクス樹脂33を確実に含浸させることができる。そのため、マトリクス樹脂33と繊維シート積層体20との接着性を高めることができ、繊維シート積層体20によるマトリクス樹脂の補強効果を高めることができる。また、繊維束を構成するフィラメント間にマトリクス樹脂33を容易に含浸させることができるので、本実施形態のように、繊維束がガラス繊維により構成される場合、より透明化を図ることができる。従って、繊維シート積層体20によれば、コンクリート躯体32の表面状態を目視にて観察し易い。
なお、本実施形態では、第1のシート1側がコンクリート躯体32側に配置されている。もっとも、本実施形態のように、第1のシート1側がコンクリート躯体32側に配置されていることが望ましいが、第2のシート10側がコンクリート躯体32側に配置されていてもよい。
マトリクス樹脂33としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂又はシリコン樹脂が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
コンクリート剥落防止材31は、例えば、コンクリート躯体32上にプライマー及び下塗り樹脂を塗布した後、繊維シート積層体20を貼り合わせることにより形成することができる。また、繊維シート積層体20を貼り合わせた後、さらに上塗り樹脂を塗布してもよい。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
まず、SiO 57.9質量%、ZrO 17.2質量%、LiO 0.5質量%、NaO 14.8質量%、KO 1.3質量%、CaO 0.9質量%、TiO 7.4質量%の組成を有するガラスとなるように原料を調製し、溶融した溶融ガラスを、数百〜数千のノズルを有するブッシングからガラス繊維モノフィラメントを引き出した。
次に、得られたガラス繊維モノフィラメントの表面に、ビニルシラン、飽和ポリエステル樹脂、及び潤滑剤を水に分散させたサイジング剤を、強熱減量が0.7質量%となるようにアプリケーターにより調整して塗布し、ガラス繊維を束ねた後、サイジング剤を乾燥させることでガラス繊維束(番手:320tex)を製造した。
次に、図1に示す第1のシート1を作製した。具体的には、上記のようにして得られた
ガラス繊維束をたて糸2及びよこ糸3として用い、たて糸2に熱融着糸4としてのポリエステル糸(融点:110℃、番手:110dtex)を沿わせるように配置し、たてよこ9本/25mmにて製織し、230g/mの平織りにより製織して、第1のシート1を得た。
次に、第2のシート10としてのポリエステル不織布(体積:10cm/m、厚み:0.06mm)の上に、第1のシート1を配置し、熱ロールプレスにより温度120℃、圧力10N/cmで加熱プレスすることによって、実施例1のメッシュシート積層体を得た。
(実施例2)
第2のシート10として、ポリエステル不織布の代わりにガラスペーパー(体積:4cm/m、厚み:0.18mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のメッシュシート積層体を得た。
(実施例3)
上記ガラス繊維とポリプロピレン繊維束(番手:900dtex)をたてよこ同時に6本/25mmにて製織し、197g/mの平織りにより製織したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のメッシュシート積層体を得た。
ただし、ポリプロピレン繊維はこの熱プレスによって収縮し、メッシュの特によこ糸に蛇行が生じるため、製織前に120℃、30分の予備加熱を行った。
(実施例4)
上記ガラス繊維とアラミド繊維束(番手:1670dtex)をたてよこ同時に5本/25mmにて製織し、195g/mの平織りにより製織したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4のメッシュシート積層体を得た。
実施例1〜4において得られたメッシュシート積層体について、たて100mm、よこ100mmのサイズに切断し、10枚のサンプルを作成した。次に、10枚のサンプルにおいて、一方向に引っ張り、第1のシートと第2のシートが分離するか否かで作業性の評価を行った。その結果、各実施例において、第1のシートと第2のシート10が分離した枚数は0枚であった。
また、実施例1〜4において得られたメッシュシート積層体について、上下方向に30mm引っ張ったときにおいて、第1シートの目ずれが発生しなかった。
1,1A…第1のシート
1a,1b…主面
2…たて糸
3…よこ糸
4,4A…熱融着糸
5…開口部
6…樹脂
7…繊維シート
10…第2のシート
20…繊維シート積層体
31…コンクリート剥落防止材
32…コンクリート躯体
33…マトリクス樹脂

Claims (10)

  1. 複数本のモノフィラメントからなる繊維束に、熱融着糸を沿わせるように配置した状態で製織することにより、複数の開口部を有する第1のシートを作製する工程と、
    前記第1のシートを、不織布、ペーパー、又はフィルムからなる第2のシート上に積層させ、前記繊維束が軟化しない温度で加熱プレスすることにより、前記第1のシート及び前記第2のシートを貼り合わせる工程と、
    を備える、繊維シート積層体の製造方法。
  2. 前記熱融着糸の融点が、70℃以上、160℃以下である、請求項1に記載の繊維シート積層体の製造方法。
  3. 前記熱融着糸が、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、及びポリオレフィンからなる群から選択された1種により構成されている、請求項1又は2に記載の繊維シート積層体の製造方法。
  4. 前記熱融着糸の番手が、10dtex以上、500dtex以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維シート積層体の製造方法。
  5. 前記第1のシートにおける前記繊維束が、カーボン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、及びポリオレフィン繊維からなる群から選択された少なくとも1種の繊維により構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維シート積層体の製造方法。
  6. 前記第1のシートにおける前記繊維束が、前記ガラス繊維により構成されている、請求項5に記載の繊維シート積層体の製造方法。
  7. 前記第1のシートの前記開口部の面積が、1mm以上、400mm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維シート積層体の製造方法。
  8. 前記不織布又は前記ペーパーの体積が、20cm/m以上、1000cm/m以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の繊維シート積層体の製造方法。
  9. 複数本のモノフィラメントからなる繊維束により構成されており、複数の開口部を有する繊維シート、及び熱融着糸を有する、第1のシートと、
    不織布、ペーパー、又はフィルムからなる、第2のシートと、
    を備え、
    前記熱融着糸が、前記繊維シート及び前記第2のシートの間に介在するように設けられており、前記熱融着糸により、前記第1のシート及び前記第2のシートが貼り合わされている、繊維シート積層体。
  10. マトリクスと、
    請求項9に記載の繊維シート積層体と、
    を備える、コンクリート剥落防止材。
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