JP4355101B2 - 多軸繊維シート及びそれを基材とした樹脂複合材料 - Google Patents

多軸繊維シート及びそれを基材とした樹脂複合材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多軸繊維シート及びそれを基材とした樹脂複合材料に関する。当該樹脂複合材料は例えばコンクリート、モルタル等のセメントを結合剤として造られる各種構造物、そのような構造物の補修用材料、コンクリート構造物の表面保護用材料又はセメント補強材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは上記の技術分野、特にセメント構造物のセメント補強材料、セメント構造物の補修用材料について鋭意検討した結果、コンクリート構造物の劣化防止、特にコンクリート表面保護や、コンクリート構造物の強度を長期間にわたり維持するためにはこのような材料を構成する繊維乃至布帛は、1軸もしくは2軸繊維であるよりも3軸もしくは4軸の多軸繊維シートが好ましいことを知見した。
もっとも、3軸繊維シートや4軸繊維シート、そのものは従来公知である。
【0003】
2軸を越える多軸繊維状(物)シートは、一方向の糸条を配列させた状態にしておき、それと異なる方向の糸条を同様に配列させた状態でさらに2方向を越える方向で重ねて、接着性の溶液、粉末を付与させるか、糸でステッチして一体化させるか、もしくは一方向の糸条にあらかじめ吹付けにより熱接着性を付与させるかして多方向の糸条と固定することによって製造する。
【0004】
これらの製法はいずれも糸条を一方向及び他方向に引き揃える設備と接着時に引き揃えた状態の糸条を維持するために各糸条を固定する装置を要し大掛かりで極めて複雑な製造装置が必要となる(特許公報昭62−54904、特許公報昭47−6585)。
即ち従来技術は、
▲1▼特殊な大掛かりで複雑な装置を必要としたり、
▲2▼一台の装置で多種品を製造するには糸条の切替え等の手間がかかり、いわゆる品種切替えロスが発生する、又
▲3▼各方向の糸条を一体化させて基材を製造するためには、接着剤を使用する場合は、通常仕上げ基材との重量比で10%以上の接着剤を糸条全体に付与させるために出来上がった基材は風合いが硬くなったり、糸条の表面全体にわたり接着剤による強固なフィルムが形成されるため、樹脂との適合性に欠ける。またステッチ加工したものは、基材を所定寸法に切って使用する時にステッチ糸がほつれ易くなるとか、糸条のピッチ間隔が狭い場合は、ステッチにより、基材密度が高くなり、樹脂の基材への含浸速度が遅れる、
などの問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者ら、例えば3軸又は4軸間等の多軸繊維状シートを製造するに当り、特殊で大掛かりで且つ複雑な製造装置を使用せず、上記従来技術の持つ問題点を解決する、例えばコンクリート補強材料、補修材料として有用な多軸繊維シート又はそれを基材とする樹脂複合材料を創製するために鋭意検討した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の多軸繊維シートが下記構成を採用すれば繊維織物分野で汎用で簡便な織機と加熱積層装置を使用することによって、上記従来技術の問題点が一挙に解決されることを知見した。即ち本発明は(1)タテ方向とヨコ方向の糸条がそれぞれ複合材料として補強効果のある繊維である織物(A)とタテ方向又はヨコ方向の糸条が複合材料として補強効果のある繊維を混入させてもよい熱融着性繊維でヨコ方向又はタテ方向の糸条が複合材料として補強効果のある繊維である織物(B)との少なくとも一枚の(A)及び一枚の(B)の織物を0〜90°の角度で交差させて加熱積層したことを特徴とする多軸繊維シート、(2)織物(A)又は/及び織物(B)のタテ方向の糸条とヨコ方向の糸条交差角が15〜75°であることを特徴とする前記(1)記載の多軸繊維シート、(3)織物(A)と織物(B)に使用されている複合材料として補強効果のある繊維糸条にさらに熱融着性繊維が混入していることを特徴とする前記(1)又は(2)のいずれかに記載の多軸繊維シート、(4)織物(A)又は/及び織物(B)が絡み織又は平織からなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の多軸繊維シート、(5)複合材料として補強効果のある繊維がガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、その他の合成繊維又は天然繊維であり、熱融着性繊維が50〜200℃で溶融接着することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の多軸繊維シート、及び(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の多軸繊維シートを樹脂処理した樹脂複合材料、に関する。
【0007】
このような本発明の多軸繊維シート及びそれを基材として製造される樹脂複合材料は種々の用途を有するが、これらは、例えばコンクリート構造物の補強材料又は補修材料として使用するとき、引っ張り強度の方向におけるバランス、引き裂き強度、耐衝撃性に優れている上、耐アルカリ性が良好であるので、セメントのアルカリ性環境下において耐えることに加え、セメントとの付着性が良好であり、さらに糸条としてガラス繊維又はビニロン繊維を糸条として用いるとき、過度に存在する水を適度に吸水するから、コンクリート構造物の補強材料、補修材料として最適である。
【0008】
本発明で織物(A)又は/及び織物(B)に使用される複合材料として補強効果のある繊維糸条としては、具体的には、ガラス繊維、カーボン繊維、例えばアラミド繊維等の強度の強い合成繊維、ステンレス繊維等の金属繊維、天然繊維等が挙げられるが、好ましくはガラス繊維であるが、強度の大きい繊維であれば特段の限定はない。
【0009】
次に、本願発明に使用されるガラス繊維は特別の性能を持っているものに限られるものではなく、通常の方法で造られているものを使用することができる。ガラス繊維には、電気的、機械的性質に優れた所謂Eガラス、耐薬品性に優れているCガラス、Cガラスのアルカリ含有量を下げ、チタンと亜鉛系融剤を用いたECRガラス、更にはAガラス、Lガラス、Sガラス、YM31−Aガラス等から造られるものがあるがいずれのものであってもよい。
【0010】
ガラス繊維フィラメントは通常直径が10から20マイクロメータのフィラメントとして紡糸されているので、これを適宜の本数、束にしたものを他の繊維との合撚に供することができる。しかしながら、必ずしも束にしたものを使用することに限定されるものではなく、フィラメント状態での合撚であってもよい。
【0011】
更には、上記ガラス繊維を、更に耐アルカリ性を向上させた繊維に加工して使用に供することも可能である。斯かる場合における耐アルカリ性向上のための加工の一つとして、例えばジルコニウムアルコキシドを使用して、酸化ジルコニウムの薄膜を当該繊維の表面に形成する方法がある。このような加工を施されたものもガラス繊維として使用される。
【0012】
繊維長についても特に制限はないけれども、遠心法、吹付法で造られる短繊維はそれ自体公知の方法で固めて長くしたものが、ロッド式、ポット式紡糸により造られる長繊維はそのままで又は複数本固めたものを使用する。
【0013】
本願発明に使用されるガラス繊維は、長繊維の場合は適宜の数だけ引き揃えて固めたものを使用することができるが、短繊維のものは撚りをかけて、つなぎ合わせた糸即ち、紡績糸を使用する。使用される両繊維の太さは20TEXから400TEXのものを用途に合わせて適宜選択して用いるとよい。
【0014】
上記したガラス繊維糸条以外にビニロン繊維糸条で製造した多軸繊維シートが本発明の特に好ましい実施態様である、ビニロン繊維を素材として用いて製造される多軸繊維シートは、耐アルカリ性に優れているのみならず、強度(特に引っ張り強度)に十分な効果があるので、コンクリート構造物の補修用材料、表面保護材料、セメント補強材料として有用である。ビニロン繊維はポリビニルアルコール系合成繊維であればどのようなものでも好都合に使用される。通常は、酢酸ビニルをラジカル重合してポリ酢酸ビニルを合成しアルカリで完全ケン化又は部分ケン化して生成するポリビニルアルコールをホルムアルデヒドでアセタル化処理して耐水性の繊維である。ビニロン繊維の太さは約26TEX〜360TEXのものを用途に合わせて選択して用いることができる。
他の複合材料として補強効果のある繊維は、それぞれ公知のものから適宜用途に応じて、選択することができる。
【0015】
本発明で使用される熱融着性繊維しては、具体的には、ポリアミド低融点マルチフィラメント(例えばユニチカ(株)製のフロール−Mなどの共重合ナイロンを素材としたマルチフィラメントなど)等が挙げられるが、この例示に限ることなく、融点が比較的低い、具体的には約50〜200℃、好ましくは約50〜150℃の融点範囲内の繊維であればどのようなものでもよい。
【0016】
上記複合材料として補強効果のある繊維に熱融着性繊維を混入させてもよい。両繊維を混入させる手段として、具体的には、単なる引き揃え、合撚などが挙げられる。
撚り数は特に制限がないが、編成用には100センチメートル当たり40回から200回、織成用には100センチメートル当たり40回から300回のものを使用するとよい。
【0017】
撚り方向として公知の右撚り(S撚り)、左撚り(Z撚り)いずれのものであってもよい。片撚り糸、諸撚り糸、ビッコ諸撚り糸、強ねん糸、壁撚り糸、駒撚り糸等いずれのものであってもよい。
又さらに、織物(B)で使用される熱融着性繊維糸条に複合材料として補強効果のある繊維を混合させてよい。混入させる手段としては、異種繊維の単なる引き揃え、合撚等が挙げられる。
【0018】
このような糸条を使用して、織物(A)と織物(B)とを作成する。織物としては例えば平織り、綾織り、繻子織り、横縞織り、からみ織り等があり、編物としては例えば平編み、ゴム編み、シングルデンピー編み、レース編み、更にはメッシュ等いずれであってもよい。
【0019】
このようにして製造される織物(A)と織物(B)とを積層する前に、織物(A)と織物(B)のそれぞれにおいて、タテ方向の糸条とヨコ方向の糸条との交差角が90°である場合、例えば各織物のいずれか又は両方をヨコ方向の角度調整装置に通過させることにより容易にタテ方向の糸条とヨコ方向の糸条の交差角を例えば約45°にすることができ、そのまま巻き上げればよい。
【0020】
このようにして製造された織物(A)と織物(B)とを積層させて、本発明の多軸繊維シートを製造する。織物(A)と織物(B)はそれぞれ一又は複数枚使用することができ、所望によっては他種類の織物も一緒に積層することができる。織物(A)と織物(B)はとの面としての交差角はそれぞれのヨコ糸又はタテ糸を基準にして約0〜90°であるが、好ましくは約0°又は90°である。
織物(A)と織物(B)とを交差角をつけて加熱積層すると、織物(B)に使用されている熱融着性繊維糸条に複合材料として補強効果のある繊維糸条が混入していない場合又は混入している場合には、それぞれ3軸繊維シート又は4軸繊維シートが得られる。
【0021】
より具体的な例を挙げると、タテ方向の糸条とヨコ方向の糸条として複合材料補強効果のある繊維(例えばビニロン繊維)を使用してからみ織で織った織物(A)をヨコ方向の角度調整装置に通過させてタテ方向の糸条とヨコ方向の糸条の交差角を45°にした織物(A)を得る。次いで、ヨコ方向の糸条として複合材料補強効果のある繊維(例えばビニロン繊維)を使用し、タテ方向の糸条として熱融着性繊維(例えば上述のフロール−M)を使用して平織で織った織物(B)を上記と同様にしてヨコ方向の糸条の角度調整装置に通過させてタテ方向の糸条とヨコ方向の糸条の交差角を45°にした織物(B)を得る。次いで織物(A)と織物(B)とのいずれか片方を裏返し、織物(A)のタテ方向の糸条と織物(B)のタテ方向の糸条の交差角が0°となるよう重ねて加熱積層処理すると、加熱により織物(B)のタテ方向の糸条が溶融し織物(A)と織物(B)とが接着され、3本の複合材料として補強効果のある繊維糸条からなる3軸繊維シートが得られる。
このようにして得られる3軸繊維シートに、タテ方向の糸条が熱融着性繊維で、ヨコ方向の糸条が複合材料として補強効果のある糸条である織物(C)を上記と同様にして、積層すると4軸繊維シートが得られる。
【0022】
さらに積層する織物のタテ方向の糸条とヨコ方向の糸条の交差角を調整したり、枚数を増加させることによって、容易に5軸繊維シート以上のより高次多軸繊維シートが得られる。
なお、織物(A)と織物(B)とを重ねて積層するに際して、織物(A)のタテ方向糸条の織り密度が低く、タテ方向糸条とそれに隣接するタテ方向糸条との間の隙間が大きい場合、例えばタテ方向糸条の糸条幅の2倍以上の隙間がある場合には、織物(B)のタテ方向糸条を熱融着性樹脂繊維のみとするのが好ましい。
【0023】
織物(A)と織物(B)とを積層は、通常は加熱圧着により行われる。そのために自体公知の手段、装置例えばカレンダー方式熱圧着装置が有利に使用させる。加熱温度は一概に云えないが上記熱融着性繊維の融点以上、例えば50〜250℃、好ましくは50〜200℃に加熱する。加熱圧着によって熱融着性繊維糸条が溶融することによって、織物(A)と織物(B)とが積層される。なお、積層前、積層と同時又は積層後に織物又は積層物を自体公知の少量の接着剤(例えばポリビニルアルコール系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤など)で処理してもよい。
又、織物又は多軸繊維シートを自体公知の風合調整剤(例えばポリビニルアルコール液)で処理してもよい。
このようにして製造される多軸繊維シートはそのまま、例えばコンクリート補強材料又は補修材料として使用されてもよいが、さらに樹脂で処理して樹脂複合材料として使用してもよい。
【0024】
樹脂の種類は、多軸繊維シートを上記コンクリート補強材、補修材あるいは床材、壁材、火花受け等工事用シートとして使用する場合、ポリオレフィン系樹脂、オレフィン系ゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。
樹脂処理は、例えば多軸繊維シートを樹脂液に浸漬し、マングル等で巻き上げることによってあるいは多軸繊維シートに樹脂液を噴霧又は塗布することによって容易に行われるる。
【0025】
以下に実施例を記載して、本発明を更に詳細に説明する。
【実施例】
タテ方向の糸条としてビニロン繊維、商品名1000d22a(ユニチカ(株)製)を、ヨコ方向の糸条として、ビニロン繊維、商品名1800dHM1(ユニチカ(株)製)を使用して、タテ方向の織り密度を1.8本×2/25mmヨコ方向の織り密度を1.7本/25mmの絡み織りで構成される織物(A)とタテ方向の糸条としてポリアミド低融点マルチフィラメント繊維、商品名フロール−M(ユニチカ(株)製)をヨコ方向の糸条として、ビニロン繊維、商品名1800dHMl(ユニチカ(株)製)を使用して、タテ方向の密度を1.8本×2/25mm、ヨコ方向の織り密度を1.7本/25mmの絡み織りで構成される織物(B)を通常の織機にて織り、それぞれをヨコ方向糸条をタテ方向糸条に対して60°の交差角度になるように 角度調整装置に通過させ巻上げる。
【0026】
次に、このヨコ糸角度調整された織物(A)はそのままの形態が送り出されるように送り出し装置にセットし、もう一方のヨコ糸角度調整された織物(B)は送り出される時のヨコ糸方向が、織物(A)のヨコ糸方向とは対称になるよう巻上げた時の織物表面が裏面になるように送り出し装置にセットして、A、Bが上下又は下上に重なるようにして送り出す。
このAB重ねた状態で風合調整液付塗布装置を通過後、温度95〜125℃に調整されたドラム式回転加熱ローラに接着加圧して、A、B2つの織物を積層接着させた。
この時に使用した風合調整液はポリビニールアルコールの0.3%水溶液であり、この方法で得られた織物積層基材は織物(B)のタテ糸である熱融着性繊維が融けて織物(B)のヨコ糸と織物(A)とを点接着させる効果があり、この熱融着性繊維は連続した繊維としては残らず、仮に部分的に短く細い繊維状として残っても後の樹脂補強効果には影響を与えない。
【0027】
更に、複合材として補強効果のある糸条であるビニロン繊維は、複数の細い繊維束で構成されており、これらの接着剤、風合調整剤は、糸条の複数の細い繊維束を強固に結束されるほどではなく、後の樹脂処理加工時に液体樹脂と一体化させる場合には、液体樹脂が糸条の複数の細い繊維間まで浸透させる作業に手間がかからず、いわゆる樹脂含浸性が良く、R部の形状にもナジミ易い基材である。このことは、得られた樹脂補強複合体の樹脂と基材の界面接着力が、より強固となり樹脂補強複合体としての優れた性能が発揮し易くなる。
このようにして得られた織物積層品は、補強効果糸条のそれぞれの交差角度が60°の等角度で配列された形状の3軸繊維となり、それぞれの方向の糸状ピッチ間隔も比較的規則的に配列されている為、2軸方向基材と比較して強度の方向性による低下が少ない。
【0028】
〔比較例〕
実施例と同じ糸条を使い従来方法に従って、積層品として糸条引揃え3軸繊維シートを製造した。
【0029】
〔対比実験〕
実施例と比較例とで製造した3軸繊維シートを使用して対比実験を行ない下記の結果を得た。
なお、実施例及び比較例を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0004355101
*シート剛柔度は、繊維シートをタテ方向糸条2本が入るように25mm幅、長さ250mmに試料を採取し、高さ40mmの段差がある階段状水平板の高い水平板に試料を置き、250mm長さ方向を低い段差方向にスライドさせ、試料の先端が40mm低い水平板に触れた時のスライド距離(mm)を測定する。この数値が小さい方が風合いはソフトである。
引張強さの測定方法はJIS R 3420に準じて測定した。
【0031】
【発明の効果】
本発明のよれば、多軸繊維シートが特殊で大掛かりで複雑な装置を用いることなく、汎用織機と圧着装置のみを用いることによって、工業的有利に多軸繊維シートが得られる。上記のように多軸繊維シートが工業的に有利に製造できるのみならず、製造工程中、品種(使用糸条の種類)の切替えが簡単に行うことができ、接着剤の使用量も少なく、このようにして得られるシートは一体化された繊維シートに風合い調整が可能で、樹脂含浸性が良好で理想的な多軸繊維シートが提供される。

Claims (6)

  1. タテ方向とヨコ方向の糸条がそれぞれ複合材料として補強効果のある繊維である織物(A)とタテ方向又はヨコ方向の糸条が複合材料として補強効果のある繊維を混入させてもよい熱融着性繊維でヨコ方向又はタテ方向の糸条が複合材料として補強効果のある繊維である織物(B)との少なくとも一枚の(A)及び一枚の(B)の織物を0〜90°の角度で交差させて加熱積層したことを特徴とする多軸繊維シート。
  2. 織物(A)又は/及び織物(B)のタテ方向の糸条とヨコ方向の糸条交差角が15〜75°であることを特徴とする請求項1記載の多軸繊維シート。
  3. 織物(A)と織物(B)に使用されている複合材料として補強効果のある繊維糸条にさらに熱融着性繊維が混入していることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の多軸繊維シート。
  4. 織物(A)又は/及び織物(B)が絡み織又は平織からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多軸繊維シート。
  5. 複合材料として補強効果のある繊維がガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、その他の合成繊維又は天然繊維であり、熱融着性繊維が50〜200℃で溶融接着することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多軸繊維シート。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の多軸繊維シートを樹脂処理した樹脂複合材料。
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