JP2023019668A - 補強用メッシュの製造方法及び補強用メッシュ巻回体 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023019668000001
【課題】巻回体にしたときに巻き癖が生じ難く、施工性に優れる、補強用メッシュの製造方法を提供する。
【解決手段】経糸4及び緯糸5から構成される二軸の補強用メッシュの製造方法において、経糸4及び緯糸5のうち少なくとも一方に対して、熱可塑性樹脂繊維を含む熱融着糸を絡ませるように製織することによりメッシュ織物1を得る工程と、メッシュ織物1に加熱及び加圧処理をすることにより、経糸4及び緯糸5を圧着させる工程と、圧着後のメッシュ織物1に、二次バインダーを塗布することにより、補強用メッシュを得る工程とを備える、補強用メッシュの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、補強用メッシュの製造方法及び補強用メッシュ巻回体に関する。
セメント製品や建物の外壁等に使用されるモルタルは、乾燥収縮によりクラックが発生しやすく、このようなクラックを長期間に亘って放置すると、水が浸入して漏水したり、強度等が低下してモルタルが劣化したりすることがある。そのため、モルタルまたはコンクリート中に補強用メッシュを埋設し、それによってクラックの拡大を防止することが試みられている。
このような補強用メッシュの一例として、下記の特許文献1には、第1の糸と該第1の糸より長さが短い第2の糸とがネット状に組み合わさったネット状体である、セメント硬化体のひび割れ抑制材が開示されている。特許文献1では、ネット状体における(第1の糸の引張剛性)/(第2の糸の引張剛性)が、1.5~30とされている。
特開2009-126730号公報
特許文献1のような補強用メッシュは、モルタル中に直に挿入されることが想定されており、メッシュの開口部が大きいほど、マトリクスにおける骨材の影響を受けにくく施工しやすい。また、モルタルの打設においては、バイブレーターなどの機器を使用して打設するため、そのような環境下でもメッシュにおける経糸や緯糸が外れない強固な目止め処理が必要となる。また、繊維が解れて引張強度が低下しないように繊維自体の保護も必要となる。
このような問題を解決するためには、通常、目止め処理を行う二次バインダーの塗布量を多くする方法が考えられるが、二次バインダーの塗布量を多くすると、メッシュ自体が硬くなったり、巻回体の形態で使用したときに、巻き癖が生じて施工が困難になったりする場合がある。また、二次バインダーの組成そのものを柔らかくする方法も考えられるが、この場合二次バインダー皮膜に粘着性が生じることから、巻回体の形態で使用したときにブロッキングが生じて、巻回体から解舒し難くなる場合がある。
また、特許文献1のように、一軸方向に多量の繊維を配置し、かつ開口部を大きくしたメッシュの二次バインダー塗布工程では、メッシュが不安定となり、経糸や緯糸が蛇行して目止めされ、所望の引張強度が得られない場合がある。
本発明の目的は、巻回体にしたときに巻き癖が生じ難く、施工性に優れる、補強用メッシュの製造方法及び該補強用メッシュが巻き取られてなる、補強用メッシュ巻回体を提供することにある。
本発明に係る補強用メッシュの製造方法は、経糸及び緯糸から構成される二軸の補強用メッシュの製造方法において、経糸及び緯糸のうち少なくとも一方に対して、熱可塑性樹脂繊維を含む熱融着糸を絡ませるように製織することによりメッシュ織物を得る工程と、前記メッシュ織物に加熱及び加圧処理をすることにより、前記経糸及び緯糸を圧着させる工程と、前記圧着後の前記メッシュ織物に、二次バインダーを塗布することにより、補強用メッシュを得る工程とを備えることを特徴としている。
本発明においては、前記補強用メッシュを得る工程において、前記二次バインダーを、前記補強用メッシュの強熱減量が0.5質量%~10.0質量%となるように塗布することが好ましい。
本発明においては、前記メッシュ織物を得る工程において、第1の熱可塑性樹脂繊維を含む第1の熱融着糸を、前記経糸及び緯糸のうち少なくとも一方に沿って絡ませ、第2の熱可塑性樹脂繊維を含む第2の熱融着糸を、前記経糸、前記緯糸、及び前記第1の熱融着糸のうち少なくとも1つの糸に対し、周回して巻き付かせることによって絡ませることが好ましい。前記第2の熱融着糸が、無機繊維をさらに含むことが好ましい。前記第2の熱融着糸中において、前記第2の熱可塑性樹脂繊維と前記無機繊維との含有量の比が、質量比で、3:7~7:3であることがより好ましい。
本発明においては、前記メッシュ織物を得る工程において、前記経糸及び緯糸を平織りにより製織し、前記経糸及び緯糸の交差箇所において、前記第2の熱融着糸を、前記メッシュ織物の一方側主面から他方側主面に向かうように絡ませるとともに、前記メッシュ織物の前記他方側主面から前記一方側主面に戻るように絡ませることが好ましい。
本発明に係る補強用メッシュ巻回体は、経糸及び緯糸から構成される二軸の補強用メッシュが巻き取られてなる、補強用メッシュ巻回体であって、前記補強用メッシュは、二次バインダーを含み、前記補強用メッシュ巻回体から前記補強用メッシュを巻き取り方向に対して500mm切り出して平坦面に載置したときに、前記補強用メッシュの巻き取り方向における両端を結ぶ最短距離が、400mm以上であることを特徴としている。
本発明においては、前記補強用メッシュの強熱減量が、0.5質量%~10.0質量%であることが好ましい。
本発明においては、前記経糸又は緯糸により構成される列間の最大間隔が、20mm以上、60mm以下であることが好ましい。
本発明においては、前記経糸又は緯糸により構成される1列の引張強度が、800N/列以上であることが好ましい。
本発明によれば、巻回体にしたときに巻き癖が生じ難く、施工性に優れる、補強用メッシュの製造方法及び該補強用メッシュが巻き取られてなる、補強用メッシュ巻回体を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物を示す模式的平面図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物の一部を拡大して示す模式的平面図である。 図3は、本発明の第2の実施形態に係る補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物の一部を拡大して示す模式的平面図である。 図4は、本発明の第3の実施形態に係る補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物の一部を拡大して示す模式的平面図である。 図5は、本発明の第4の実施形態に係る補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物を示す模式的平面図である。 図6は、本発明の第4の実施形態に係る補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物の一部を拡大して示す模式的平面図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る補強用メッシュ巻回体を示す模式図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る補強用メッシュ巻回体を構成する補強用メッシュを示す模式的平面図である。 図9は、補強用メッシュにおける巻き癖の評価方法を説明するための図である。 図10は、補強用メッシュにおける目止め強度の評価方法を説明するための図である。 図11は、実施例1,2で作製したメッシュ織物の構造を説明するための模式図である。 図12は、実施例3,5で作製したメッシュ織物の構造を説明するための模式図である。 図13は、実施例4で作製したメッシュ織物の構造を説明するための模式図である。 図14は、比較例1における補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物の一部を拡大して示す模式的平面図である。 図15は、比較例2における補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物の一部を拡大して示す模式的平面図である。 図16は、比較例3及び比較例4における補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物の一部を拡大して示す模式的平面図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
[補強用メッシュの製造方法]
本発明の補強用メッシュの製造方法では、まず、経糸及び緯糸のうち少なくとも一方に対して、熱可塑性樹脂繊維を含む熱融着糸を絡ませるように製織することによりメッシュ織物を得る(メッシュ織物形成工程)。次に、メッシュ織物に加熱及び加圧処理をすることにより、経糸及び緯糸を圧着させる(圧着工程)。次に、圧着後のメッシュ織物に、二次バインダーを塗布する(二次バインダー塗布工程)。それによって、経糸及び緯糸から構成される二軸の補強用メッシュを得ることができる。
本発明の補強用メッシュの製造方法では、経糸及び緯糸のうち少なくとも一方に対して、熱可塑性樹脂繊維を含む熱融着糸を絡ませるように製織した後に、加熱及び加圧処理をするので、経糸及び緯糸の目止め強度を高めることができ、機械的強度を高めることができる。また、経糸及び緯糸の目止め強度を高めることができるので、後工程における二次バインダーの量を少なくすることができる。これにより、補強用メッシュの柔軟性を高めることができ、巻き癖を生じ難くすることができる。従って、開口部が大きく、1列の引張強度が高い一軸強化メッシュとした場合においても、施工性を向上させることができる。また、二次バインダーを塗布することによって、コンクリート打設時における繊維自体の損傷を防止することができるので、所望の引張強度を得ることができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物を示す模式的平面図である。図2は、図1のメッシュ織物の一部を拡大して示す模式的平面図である。
<メッシュ織物形成工程>
メッシュ織物1の形成工程では、まず、経糸4及び緯糸5を用意する。本実施形態においては、経糸4及び緯糸5を構成する繊維束が、いずれもガラス繊維束である。ガラス繊維束は、数十本から数千本程度のガラス繊維モノフィラメントを集束することにより得ることができる。
より具体的には、ガラス繊維束は、以下の方法により得ることができる。まず、ガラス溶融炉内に投入されたガラス原料を溶融して溶融ガラスとし、溶融ガラスを均質な状態とした後に、ブッシングに付設された耐熱性を有するノズルから溶融ガラスを引き出す。その後、引き出された溶融ガラスを冷却してガラス繊維モノフィラメント(ガラス繊維)とする。
次に、このガラス繊維の表面に、集束剤を塗布する。集束剤が均等に塗布された状態で、そのガラス繊維を数十本から数千本引き揃えて集束し、乾燥させてガラス繊維束を得ることができる。
ガラス繊維束を構成するガラス繊維モノフィラメントは、それぞれ、ガラス組成として、ZrOを12質量%以上及びRO(RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)を10質量%以上含有することが好ましい。この場合、耐アルカリ性をより一層高めることができ、剛直性をより一層高めることができる。なお、ROが10質量%以上とは、ガラス繊維モノフィラメント中におけるLiO、NaO及びKOの含有量の総和が、10質量%以上であることをいう。
このようなガラス繊維モノフィラメントとしては、例えば、ガラス組成として、質量%で、SiO 54~65%、ZrO 12~25%、LiO 0~5%、NaO 10~17%、KO 0~8%、R’O(ただし、R’は、Mg、Ca、Sr、Ba、Znを表す) 0~10%、TiO 0~10%、Al 0~2%を含み、好ましくは、質量%で、SiO 57~64%、ZrO 14~24%、LiO 0~3%、NaO 10~17%、KO 0~5%、R’O(ただし、R’は、Mg、Ca、Sr、Ba、Znを表す) 0.2~8%、TiO 0.5~9%、Al 0~1%を含むものを用いることができる。
ガラス繊維モノフィラメントの平均径は、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上であり、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下である。ガラス繊維モノフィラメントの平均径が上述した下限値以上である場合、剛直性をより一層高めることができる。ガラス繊維モノフィラメントの平均径が上述した上限値以下である場合、表面積をより一層大きくすることができ、セメント等との接着性をより一層高めることができる。
ガラス繊維モノフィラメントを集束する際の集束剤としては、例えば、ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、飽和ポリエステル樹脂であってもよく、不飽和ポリエステル樹脂であってもよい。また、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂であってもよい。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
また、集束剤は、上記成分以外にもさらにシランカップリング剤を含んでいることが好ましい。上記シランカップリング剤としては、例えばアミノシラン、エポキシシラン、ビニルシラン、アクリルシラン、クロルシラン、メルカプトシラン、ウレイドシランなどが使用できる。なお、シランカップリング剤を添加することで、マトリクスとしてのセメント等との接着性をより一層高めることができる。
また、集束剤中には、上述のシランカップリング剤以外に、潤滑剤、ノニオン系の界面活性剤、水溶性高分子、帯電防止剤等の各成分を含むことができ、それぞれの成分の配合比は、必要に応じて決定すればよい。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリビニルピロリドンなどを用いることができる。
集束剤の塗布量は、ガラス繊維束の強熱減量が0.5質量%~2.0質量%となるように調整することが好ましい。なお、強熱減量は、JIS R3420(2013年)に従い測定できる。
もっとも、経糸4及び緯糸5を構成する繊維束はガラス繊維束に限定されるものではなく、合成繊維束であってもよい。また、経糸4及び緯糸5は、本実施形態のように同じ繊維束により構成されていてもよく、異なる繊維束により構成されていてもよい。また、複数の繊維を組み合わせて構成されていてもよい。例えば、経糸4がガラス繊維束であり、緯糸5が合成繊維束であってもよい。経糸4が合成繊維束であり、緯糸5がガラス繊維束であってもよい。もっとも、剛直性をより一層高める観点から、経糸4及び緯糸5の少なくとも一方にガラス繊維束が含まれることが好ましい。
合成繊維束を構成する繊維としては、例えば、カーボン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維等が挙げられる。これらの繊維は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。なかでも、カーボン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリオレフィン繊維であることが好ましい。耐熱性をより一層高める観点から、ポリオレフィン繊維は、ポリプロピレン繊維であることが好ましい。
経糸4及び緯糸5を構成する繊維束の番手は、特に限定されないが、100tex以上、3000tex以下であることが好ましい。繊維束の番手が上述した範囲内にある場合、得られる補強用メッシュの剛直性をより一層高めることができる。
次に、得られた繊維束を経糸4及び緯糸5として用いて、平織りにより製織する。この際、図1及び図2に示すように、2本の経糸4a,4bからなる経糸4を1列の経糸列2とし、1本の緯糸5を1列の緯糸列3として製織する。その後、図2に示すように、第1の熱融着糸6を経糸4a,4bに沿って平行に延びるように引き揃えることにより絡ませ、第2の熱融着糸7を、経糸4を構成する2本の経糸4a,4bに対し、経糸4の延びる方向において周回して巻き付かせるように絡ませて製織する。このようにして、メッシュ織物1を得ることができる。なお、図1では、第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7の記載は省略している。
なお、第2の熱融着糸7は、経糸4及び緯糸5の交差箇所8において、メッシュ織物1の一方の主面から他方の主面に向かうように絡ませるとともに、メッシュ織物1の他方の主面から一方の主面に戻るように絡ませることが好ましい。このようにすることで、第2の熱融着糸7を、経糸4a,4bに対して規則的に巻き付けることができるとともに、緯糸5と第2の熱融着糸7との接触面積を増やすことができ、経糸及び緯糸の目止め強度をより一層高めることができる。
第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7は、加熱により融着する糸である。なお、第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7は、いずれか一方が設けられればよいが、双方が設けられることが好ましい。この場合、後工程における二次バインダーの量をより一層少なくすることができる。
第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7の融点は、それぞれ、70℃以上、160℃以下であることが好ましい。第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7の融点が上述した下限値以上である場合、比較的低温で目止めを実行できる。また、第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7の融点が、上述した上限値以下である場合、メッシュ織物1の柔軟性をより確実に確保することができる。
第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7は、それぞれ、熱可塑性樹脂繊維を含んでいる。第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7は、同じ熱可塑性樹脂繊維により構成されていてもよく、他の熱可塑性樹脂繊維により構成されていてもよい。
熱可塑性樹脂繊維としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリオレフィンなどにより構成することができる。なかでも、より一層低融点であることから、ポリエステル、ポリアミド又はポリオレフィンにより構成されていることが好ましい。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7の番手は、特に限定されないが、それぞれ、好ましくは10dtex以上、より好ましくは50dtex以上であり、好ましくは600dtex以下、より好ましくは350dtex以下とすることができる。第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7の番手が上述した範囲内にある場合、後工程における二次バインダーの量をより一層少なくすることができる。
第2の熱融着糸7は、無機繊維をさらに含むことが好ましい。無機繊維としては、特に限定されないが、第2の熱融着糸7の加熱温度において溶融しない繊維であることが好ましい。このような無機繊維としては、特に限定されず、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、鉱物繊維を挙げることができ、ガラス繊維であることが好ましい。この場合、経糸4及び緯糸5の目止め強度をより一層大きくすることができる。また、無機繊維は熱可塑性樹脂繊維と比較して伸度が小さく(0.1%以上、5%以下)、経糸4及び緯糸5に絡みやすい。
なお、第2の熱融着糸7が無機繊維も含む場合、無機繊維と熱可塑性樹脂繊維は合撚糸であってもよいし、単に無機繊維と熱可塑性樹脂繊維とを引き揃えたものであってもよい。
また、第2の熱融着糸7中において、熱可塑性樹脂繊維と無機繊維との含有量の比は、質量比で、3:7~7:3であることが好ましい。この場合、経糸4及び緯糸5の目止め強度をより一層向上させることができる。
なお、メッシュ織物1における開口部9の面積は、例えば、250mm以上、2500mm以下となるように製織すればよい。経糸列2の列間の最大間隔は、例えば、20mm以上、60mm以下となるように製織すればよい。緯糸列3の列間の最大間隔は、例えば、20mm以上、60mm以下となるように製織すればよい。また、メッシュ織物1の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.2mm以上、1mm以下となるように製織すればよい。
<圧着工程>
次に、メッシュ織物1に加熱及び加圧処理をすることにより、経糸4及び緯糸5を熱圧着する。
加熱及び加圧処理は、例えば、熱ロールプレスや、熱金型プレスなどの加熱プレスにより行うことができる。また、加熱プレスは、メッシュ織物1を構成する繊維束(経糸4及び緯糸5)が軟化しない温度で行うことが好ましい。なお、「軟化しない温度」とは、軟化点を有する材料の場合は軟化点より低い温度のことをいい、軟化点を有さない材料の場合は軟化点に準ずる温度以下の温度のことをいうものとする。
加熱プレスの温度は、繊維束を構成する材料の種類にもよるが、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上であり、好ましくは250℃以下、より好ましくは160℃以下とすることができる。また、加熱プレスの圧力は、好ましくは5N/cm以上、より好ましくは7N/cm以上であり、好ましくは40N/cm以下、より好ましくは15N/cm以下とすることができる。
<二次バインダー塗布工程>
次に、圧着後のメッシュ織物1に、二次バインダーを塗布することにより、補強用メッシュを得る。二次バインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレア樹脂、塩ビ樹脂などを用いることができる。二次バインダーは、1種類を単独で用いてもよく、複数種類を併用してもよい。
二次バインダーのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、好ましくは-12℃以上、より好ましくは-10℃以上であり、好ましくは35℃以下、より好ましくは15℃以下である。この場合、巻回体にしたときに巻き癖をより一層生じ難くすることができる。なお、二次バインダーは、ガラス転移温度の異なる複数種類の化合物を用いることが好ましい。
二次バインダーは、得られる補強用メッシュの強熱減量が0.5質量%~10.0質量%となるように塗布することが好ましい。この場合、得られる補強用メッシュの柔軟性をより一層高めることができ、巻き癖をより一層生じ難くすることができる。また、少量の二次バインダーを塗布することによっても、コンクリート打設時における繊維自体の損傷を防止することができ、所望の引張強度もより確実に得ることができる。
二次バインダーの強熱減量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上であり、好ましくは8.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下となるように調整することが望ましい。なお、強熱減量は、JIS R3420(2013年)に従い測定できる。
本実施形態においては、経糸4に対して、第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7を絡ませるように製織した後に、加熱及び加圧処理するので、経糸4及び緯糸5の目止め強度を高めることができ、機械的強度を高めることができる。また、経糸4及び緯糸5の目止め強度を高めることができるので、後工程における二次バインダーの量を少なくすることができる。これにより、得られる補強用メッシュの柔軟性を高めることができ、巻き癖を生じ難くすることもできる。従って、開口部9が大きく、1列の引張強度が高い一軸強化メッシュとした場合においても、施工性を向上させることができる。また、二次バインダーを塗布することによっても、コンクリート打設時における繊維自体の損傷を防止することができ、所望の引張強度も得ることができる。
なお、本実施形態では、経糸4に対して、第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7を絡ませるように製織しているが、緯糸5に対して、第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7を絡ませるように製織してもよい。
より具体的には、第1の熱融着糸6は、経糸4及び緯糸5のうち少なくとも一方に沿って絡ませればよく、第2の熱融着糸7は、経糸4、緯糸5、及び第1の熱融着糸6のうち少なくとも1つの糸に対して絡ませればよい。
なお、本発明においては、第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7のうち一方の熱融着糸は設けなくてもよく、少なくとも1本の熱融着糸を設ければよい。その場合においても、本発明の効果を享受することができる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物の一部を拡大して示す模式的平面図である。
第2の実施形態の製造方法では、メッシュ織物形成工程において、図3に示すように、6本の経糸4a,4bを1列の経糸列2とし、1本の緯糸5を1列の緯糸列3として、メッシュ織物21を製織する。また、図3に示すように、第1の熱融着糸6を経糸4a,4bに沿って平行に延びるように絡ませた後、経糸4a,4bと緯糸5とを平織りにより製織しつつ、第2の熱融着糸7を経糸4a,4bに対し、周回して巻き付かせるように絡ませて製織する。従って、本実施形態では、第2の熱融着糸7を絡ませた経糸4a,4bを3組設けることにより、経糸列2を構成する。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態においても、経糸4に対して、第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7を絡ませるように製織した後に、加熱及び加圧処理する。そのため、得られる補強用メッシュは、巻回体にしたときに巻き癖が生じ難く、施工性に優れ、しかも機械的強度に優れている。
従って、第2の実施形態のように、第2の熱融着糸7を絡ませた経糸4a,4bが、複数組設けられることにより、経糸列2が構成されていてもよい。このように、経糸4a,4bと緯糸5との製織と、第2の熱融着糸7の巻き付けをほぼ同時に行うことにより、メッシュ織物形成工程の時間短縮を図れる。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態に係る補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物の一部を拡大して示す模式的平面図である。
第3の実施形態の製造方法では、メッシュ織物形成工程において、図4に示すように、1本の経糸4を1列の経糸列2とし、1本の緯糸5を1列の緯糸列3として、メッシュ織物31を製織する。また、図4に示すように、第1の熱融着糸6を経糸4に沿って平行に延びるように絡ませ、第2の熱融着糸7を、経糸4に対し、周回して巻き付かせるように絡ませて製織する。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
第3の実施形態においても、経糸4に対して、第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7を絡ませるように製織した後に、加熱及び加圧処理する。そのため、得られる補強用メッシュは、巻回体にしたときに巻き癖が生じ難く、施工性に優れ、しかも機械的強度に優れている。
従って、第3の実施形態のように、1本の経糸4に第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7を絡ませることにより、経糸列2が構成されていてもよい。
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態に係る補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物を示す模式的平面図である。図6は、本発明の第4の実施形態に係る補強用メッシュの製造方法で用いるメッシュ織物の一部を拡大して示す模式的平面図である。
第4の実施形態では、メッシュ織物形成工程において、第1の実施形態と同様にして用意したガラス繊維束を用い、図5に示すように、絡み織りにより製織してメッシュ織物41を得る。この際、図5及び図6に示すように、第1のストランド44a及び第2のストランド44bを絡み合わせることによって経糸44を形成し、緯糸45を経糸44に織り込むことによって製織する。また、図6に示すように、第1の熱融着糸46を第1のストランド44aに沿わせるように引き揃えて絡ませ、第2の熱融着糸47を第2のストランド44bに沿わせるように引き揃えて絡ませて製織する。その他の点は、第1の実施形態と同様である。なお、図5では、第1の熱融着糸46及び第2の熱融着糸47の記載は省略している。
第4の実施形態においても、経糸44に対して、第1の熱融着糸46及び第2の熱融着糸47を絡ませるように製織した後に、加熱及び加圧処理する。そのため、得られる補強用メッシュは、巻回体にしたときに巻き癖が生じ難く、施工性に優れ、しかも機械的強度に優れている。
従って、第4の実施形態のように、絡み織りにより製織してメッシュ織物41を得てもよい。もっとも、熱融着糸により接着させる表面積をより一層大きくすることができるので、第1~第3の実施形態のように平織りにより製織してメッシュ織物を得ることが好ましい。
[補強用メッシュ巻回体]
図7は、本発明の一実施形態に係る補強用メッシュ巻回体を示す模式的図である。また、図8は、本発明の一実施形態に係る補強用メッシュ巻回体を構成する補強用メッシュを示す模式的平面図である。
図7に示す補強用メッシュ巻回体10は、図8に示す補強用メッシュ11が巻き取られることにより構成されている。補強用メッシュ11は、例えば、上述した本発明の補強用メッシュの製造方法により製造することができる。従って、補強用メッシュ11は、二次バインダーを含んでいる。なお、補強用メッシュ11は、補強用メッシュの製造方法の欄で説明したものを適宜用いて構成することができる。なお、図8では、第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7の記載は省略している。
補強用メッシュ巻回体10は、補強用メッシュ11を巻き取り方向に対して500mm切り出して平坦面に置いたときに、補強用メッシュ11の巻き取り方向における両端を結ぶ最短距離が、400mm以上である。
具体的には、図9に示すように、補強用メッシュ11を平坦面50に載置したときに、補強用メッシュ11の平坦面50側の主面11aにおいて、巻き取り方向Xにおける主面11aの両端を結ぶ距離Lが400mm以上であることが好ましい。この場合、巻回体にしたときに巻き癖をより一層生じ難くすることができ、施工性をより一層向上させることができる。
巻回体にしたときに巻き癖をより一層生じ難くし、施工性をより一層向上させる観点から、距離Lは、より好ましくは420mm以上、さらに好ましくは470mm以上である。なお、距離Lは、最大の500mmであってもよい。
補強用メッシュ11の強熱減量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上であり、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、さらに好ましくは6.0質量%以下である。補強用メッシュ11の強熱減量が上述した範囲内にある場合、巻回体にしたときに巻き癖をより一層生じ難くし、施工性をより一層高めることができる。また、機械的強度をより一層高めることもできる。
また、経糸列2又は緯糸列3により構成される列間の最大間隔Wは、好ましくは20mm以上、より好ましくは25mm以上、好ましくは60mm以下、より好ましくは55mm以下である。この場合、補強用メッシュ11の施工性をより一層向上させることができる。
経糸列2又は緯糸列3により構成される1列の引張強度は、好ましくは800N/列以上、より好ましくは1000N/列以上、好ましくは1500N/列以下である。この場合、補強用メッシュ11の機械的強度をより一層向上させることができる。なお、引張強度は、JIS L1015(2010年)に準拠して測定することができる。
本実施形態の補強用メッシュ巻回体10によれば、巻き癖が生じ難く、施工性に優れ、しかも機械的強度に優れる、補強用メッシュ11を提供することができる。
また、補強用メッシュ巻回体10及び補強用メッシュ11は、コンクリート・モルタル中に埋設して用いることが好ましく、セメント補強用メッシュとして好適に用いることができる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
まず、SiO 58.6質量%、ZrO 17.3質量%、LiO 0.1質量%、NaO 15.2質量%、KO 0.4質量%、CaO 0.6質量%、TiO 7.6質量%、Al 0.2質量%の組成を有するガラスとなるように原料を調製し、溶融した溶融ガラスを、数百~数千のノズルを有するブッシングからガラス繊維モノフィラメントを引き出した。
次に、得られたガラス繊維モノフィラメントの表面に、アミノシラン、エポキシ樹脂、及び潤滑剤を水に分散させた集束剤を、強熱減量が0.7質量%となるようにアプリケーターにより調整して塗布し、ガラス繊維を束ねた後、集束剤を乾燥させることでガラス繊維束を製造した。
次に、図11に示す構造を有するメッシュ織物を作製した。具体的には、図6に示すように、上記の方法で得られたガラス繊維束からなる第1のストランド44a及び第2のストランド44bを絡み合わせることによって経糸44を形成し、この経糸44を3組設けて、図11に示す1列の経糸列2とした。また、1本の緯糸45を図11に示す1列の緯糸列3とし、この緯糸列3を経糸列2に織り込むことによって、絡み織りにより製織した。なお、図6に示すように、第1の熱融着糸46を第1のストランド44aに沿わせるように引き揃えて絡ませ、第2の熱融着糸47を第2のストランド44bに沿わせるように引き揃えて絡ませて製織した。
第1の熱融着糸46及び第2の熱融着糸47としては、熱可塑性樹脂繊維としてのナイロン繊維からなる熱融着糸(番手:330dtex)を用いた。
なお、経糸44及び緯糸45の番手は、1100texとした。また、経糸密度は、5.0本/inchとし、緯糸密度は、0.83本/inchとした。経糸列2の熱融着糸(経熱融着糸)の本数は2本/列とし、緯糸列3の熱融着糸(緯熱融着糸)の本数は0本/列とした。また、経糸列2及び緯糸列3における列間の間隔aは、30mmとし、メッシュ織物の幅bは、210mmとした。
次に、得られたメッシュ織物を温度120℃及び圧力10N/cmで加熱ローラーにより加熱プレスして熱圧着した。しかる後、得られたメッシュ織物を二次バインダー中に浸漬させた。二次バインダーとしては、ガラス転移温度が14℃のアクリル樹脂と-10℃のアクリル樹脂を混合したものを用いた。浸漬後、メッシュ織物を乾燥させて補強用メッシュを得た。なお、二次バインダーは、補強用メッシュの強熱減量が3.0質量%となるように塗布した。強熱減量は、JIS R3420(2013年)に記載の方法で測定した。得られた補強用メッシュの目付は、307g/mであった。
(実施例2)
実施例2では、実施例1と同様にして得られたガラス繊維束を用い、図11に示す構造を有するメッシュ織物を作製した。具体的には、図3に示すように、2本の経糸4a,4bからなる経糸4を3組設けて1列の経糸列2とし、1本の緯糸5を1列の緯糸列3として、平織りにより製織した。また、図3に示すように、第1の熱融着糸6を各経糸4a,4bに沿って平行に延びるように絡ませ、第2の熱融着糸7を、各経糸4に対し、周回して巻き付かせるように絡ませて製織した。
第1の熱融着糸6としては、熱可塑性樹脂繊維としてのナイロン樹脂からなる熱融着糸(番手:330dtex)を用いた。第2の熱融着糸7としては、熱可塑性樹脂繊維としてのナイロン樹脂を69質量%と、無機繊維としてのガラス繊維を31質量%含む熱融着糸(番手:555dtex)を用いた。
なお、経糸列2の熱融着糸(経熱融着糸)の本数は3本とし、緯糸列3の熱融着糸(緯熱融着糸)の本数は0本とした。また、二次バインダーは、補強用メッシュの強熱減量が2.0質量%となるように塗布した。その他の点は、実施例1と同様にして、補強用メッシュを得た。得られた補強用メッシュの目付は、298g/mであった。
なお、経糸4の番手及び緯糸5の番手は、実施例1における経糸44の番手及び緯糸45の番手と同じである。
(実施例3)
実施例3では、実施例1と同様にして得られたガラス繊維束を用い、図12に示す構造を有するメッシュ織物を作製した。具体的には、図1及び図2に示すように、2本の経糸4a,4bからなる経糸4を1列の経糸列2とし、1本の緯糸5を1列の緯糸列3として、平織りにより製織した。また、図2に示すように、第1の熱融着糸6を経糸4a,4bに沿って平行に延びるように引き揃えて絡ませ、第2の熱融着糸7を、経糸列2を構成する経糸4に対し、周回して巻き付かせるように絡ませて製織した。
第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7としては、実施例2の第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7と同じものを用いた。
なお、経糸4の番手は、155texとし、緯糸5の番手は、320texとした。また、経糸密度は、10本/inchとし、緯糸密度は、5本/inchとした。経糸列2の熱融着糸(経熱融着糸)の本数は3本/列とし、緯糸列3の熱融着糸(緯熱融着糸)の本数は0本/列とした。経糸列2及び緯糸列3における列間の間隔aは、5mmとし、メッシュ織物の幅は、210mmとした。また、二次バインダーは、補強用メッシュの強熱減量が5.0質量%となるように塗布した。その他の点は、実施例1と同様にして、補強用メッシュを得た。得られた補強用メッシュの目付は、135g/mであった。
(実施例4)
実施例4では、実施例1と同様にして得られたガラス繊維束を用い、図13に示す構造を有するメッシュ織物を作製した。具体的には、図4に示すように、1本の経糸4を1列の経糸列2とし、1本の緯糸5を1列の緯糸列3として、平織りにより製織した。また、図4に示すように、第1の熱融着糸6を経糸4に沿って平行に延びるように引き揃えて絡ませ、第2の熱融着糸7を、経糸4に対し、周回して巻き付かせるように絡ませて製織した。
第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7としては、実施例2の第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7と同じものを用いた。
なお、経糸4及び緯糸5の番手は、320texとした。また、経糸密度及び緯糸密度は、5本/inchとした。経糸列2の熱融着糸(経熱融着糸)の本数は2本/列とし、緯糸列3の熱融着糸(緯熱融着糸)の本数は0本/列とした。経糸列2及び緯糸列3における列間の間隔aは、5mmとし、メッシュ織物の幅は、210mmとした。また、二次バインダーは、補強用メッシュの強熱減量が4.0質量%となるように塗布した。その他の点は、実施例1と同様にして、補強用メッシュを得た。得られた補強用メッシュの目付は、130g/mであった。
(実施例5)
実施例5では、実施例1と同様にして得られたガラス繊維束を用い、図12に示す構造を有するメッシュ織物を作製した。具体的には、図1及び図2に示すように、2本の経糸4a,4bからなる経糸4を1列の経糸列2とし、1本の緯糸5を1列の緯糸列3として、平織りにより製織した。また、図2に示すように、第1の熱融着糸6を経糸4a,4bに沿って平行に延びるように引き揃えて絡ませ、第2の熱融着糸7を、経糸列2を構成する経糸4に対し、周回して巻き付かせるように絡ませて製織した。
第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7としては、実施例2の第1の熱融着糸6及び第2の熱融着糸7と同じものを用いた。
なお、経糸4の番手は、640texとした。また緯糸5の番手は、1400texとした。経糸密度は、2.4本/inchとした。また、緯糸密度は、1.2本/inchとした。経糸列2の熱融着糸(経熱融着糸)の本数は3本/列とし、緯糸列3の熱融着糸(緯熱融着糸)の本数は1本/列とした。経糸列2及び緯糸列3における列間の間隔aは、20mmとし、メッシュ織物の幅は、210mmとした。また、二次バインダーは、補強用メッシュの強熱減量が8.0質量%となるように塗布した。その他の点は、実施例1と同様にして、補強用メッシュを得た。得られた補強用メッシュの目付は、132g/mであった。
(比較例1)
比較例1では、実施例1と同様にして得られたガラス繊維束を用い、図14に示すメッシュ織物71を作製した。具体的には、1本の経糸74を1列の経糸列とし、1本の緯糸75を1列の緯糸列として、平織りにより製織した。また、図14に示すように、綿糸76を、経糸74に対し、周回して巻き付かせるように絡ませて製織した。
なお、経糸密度は、2.25本/inchとし、緯糸密度は、1.88本/inchとした。経糸列及び緯糸列における列間の間隔は、11mm×13mmとし、メッシュ織物の幅は、210mmとした。また、二次バインダーは、補強用メッシュの強熱減量が21.0質量%となるように塗布した。また、比較例1では、加熱及び加圧処理を行なわなかった。その他の点は、実施例1と同様にして、補強用メッシュを得た。得られた補強用メッシュの目付は、220g/mであった。
(比較例2)
比較例2では、実施例1と同様にして得られたガラス繊維束を用い、図15に示すメッシュ織物81を作製した。具体的には、3本の経糸84を1列の経糸列とし、1本の緯糸85を1列の緯糸列として、平織りにより製織した。また、図15に示すように、綿糸86を、各経糸84に対し、周回して巻き付かせるように絡ませて製織した。
なお、経糸密度は、5.0本/inchとし、緯糸密度は、0.83本/inchとした。経糸列及び緯糸列における列間の間隔は、30mmとし、メッシュ織物の幅は、210mmとした。また、二次バインダーは、補強用メッシュの強熱減量が20.0質量%となるように塗布した。また、比較例2では、加熱及び加圧処理を行なわなかった。その他の点は、実施例1と同様にして、補強用メッシュを得た。得られた補強用メッシュの目付は、332g/mであった。
(比較例3)
比較例3では、実施例1と同様にして得られたガラス繊維束を用い、図16に示すメッシュ織物91を作製した。具体的には、上記のようにして得られたガラス繊維束からなる第1のストランド94a及び第2のストランド94bを絡み合わせることによって経糸94を形成し、上記のようにして得られたガラス繊維束からなる緯糸95を経糸94に織り込むことによって、絡み織りにより製織した。また、熱融着糸及び綿糸は用いなかった。
なお、経糸94の番手は、155texとし、緯糸95の番手は、320texとした。また、経糸密度は、10本/inchとし、緯糸密度は、5本/inchとした。経糸列及び緯糸列における列間の間隔は、5mmとし、メッシュ織物の幅は、210mmとした。また、二次バインダーは、補強用メッシュの強熱減量が20.0質量%となるように塗布した。また、比較例3では、加熱及び加圧処理を行なわなかった。その他の点は、実施例1と同様にして、補強用メッシュを得た。得られた補強用メッシュの目付は、153g/mであった。
(比較例4)
比較例4では、補強用メッシュの強熱減量が8.7質量%となるように、二次バインダーを塗布したこと以外は、比較例3と同様にして、補強用メッシュを得た。得られた補強用メッシュの目付は、137g/mであった。
[評価]
(引張強度の評価)
実施例1~5及び比較例1~4で得られた補強用メッシュについて、経糸及び緯糸により構成される1列(経糸列及び緯糸列それぞれ1列)の引張強度をそれぞれ測定した。なお、引張強度は、JIS L1015(2010年)に準拠して測定した。
(巻き癖の評価)
実施例1~5及び比較例1~4で得られた補強用メッシュを、巻径150mmまで巻き取りメッシュ巻回体を得た。得られた補強用メッシュ巻回体を40℃で1カ月間保管した。保管された補強用メッシュ巻回体の外層から、幅200mm及び長さ500mmに切り出した。切り出したサンプルを図9に示す補強用メッシュ11とし、平坦面50に載置した。載置後、補強用メッシュ11の平坦面50側の主面11aにおいて、巻き取り方向Xにおける主面11aの両端を結ぶ距離Lを測定した。
(目止め強度の評価)
実施例1~5及び比較例1~4で得られた補強用メッシュから、図10に示すように経糸列2及び緯糸列3の交差箇所8を含むように切り出し、接着剤61で経糸列2及び緯糸列3を台紙60に固定し、交差箇所8における接着強度を測定した。
結果を下記の表1に示した。
Figure 2023019668000002
表1から明らかなように、実施例1~5の補強用メッシュでは、比較例1~4と比較して、巻き癖が生じ難く、施工性に優れていることが確認できた。また、実施例1~5の補強用メッシュでは、目止め強度も大きいことが確認できた。また、経糸の番手と密度、緯糸の番手と密度、目付の値が略同一である実施例1,2と、比較例2とを比較すると、実施例1,2の方が比較例2と比べて引張強度が大きかった。また、経糸の番手と密度、緯糸の番手と密度、目付の値が略同一である実施例3と、比較例3とを比較すると、実施例3の方が引張強度が大きかった。
1,21,31,41…メッシュ織物
2…経糸列
3…緯糸列
4,4a,4b,44…経糸
5,45…緯糸
6,46…第1の熱融着糸
7,47…第2の熱融着糸
8…交差箇所
9…開口部
10…補強用メッシュ巻回体
11…補強用メッシュ
11a…主面
44a…第1のストランド
44b…第2のストランド
50…平坦面
60…台紙
61…接着剤

Claims (10)

  1. 経糸及び緯糸から構成される二軸の補強用メッシュの製造方法において、
    経糸及び緯糸のうち少なくとも一方に対して、熱可塑性樹脂繊維を含む熱融着糸を絡ませるように製織することによりメッシュ織物を得る工程と、
    前記メッシュ織物に加熱及び加圧処理をすることにより、前記経糸及び緯糸を圧着させる工程と、
    前記圧着後の前記メッシュ織物に、二次バインダーを塗布することにより、補強用メッシュを得る工程と、
    を備える、補強用メッシュの製造方法。
  2. 前記補強用メッシュを得る工程において、
    前記二次バインダーを、前記補強用メッシュの強熱減量が0.5質量%~10.0質量%となるように塗布する、請求項1に記載の補強用メッシュの製造方法。
  3. 前記メッシュ織物を得る工程において、
    第1の熱可塑性樹脂繊維を含む第1の熱融着糸を、前記経糸及び緯糸のうち少なくとも一方に沿って絡ませ、
    第2の熱可塑性樹脂繊維を含む第2の熱融着糸を、前記経糸、前記緯糸、及び前記第1の熱融着糸のうち少なくとも1つの糸に対し、周回して巻き付かせることによって絡ませる、請求項1または2に記載の補強用メッシュの製造方法。
  4. 前記第2の熱融着糸が、無機繊維をさらに含む、請求項3に記載の補強用メッシュの製造方法。
  5. 前記第2の熱融着糸中において、前記第2の熱可塑性樹脂繊維と前記無機繊維との含有量の比が、質量比で、3:7~7:3である、請求項4に記載の補強用メッシュの製造方法。
  6. 前記メッシュ織物を得る工程において、
    前記経糸及び緯糸を平織りにより製織し、
    前記経糸及び緯糸の交差箇所において、前記第2の熱融着糸を、前記メッシュ織物の一方側主面から他方側主面に向かうように絡ませるとともに、前記メッシュ織物の前記他方側主面から前記一方側主面に戻るように絡ませる、請求項3~5のいずれか1項に記載の補強用メッシュの製造方法。
  7. 経糸及び緯糸から構成される二軸の補強用メッシュが巻き取られてなる、補強用メッシュ巻回体であって、
    前記補強用メッシュは、二次バインダーを含み、
    前記補強用メッシュ巻回体から前記補強用メッシュを巻き取り方向に対して500mm切り出して平坦面に載置したときに、前記補強用メッシュの巻き取り方向における両端を結ぶ最短距離が、400mm以上である、補強用メッシュ巻回体。
  8. 前記補強用メッシュの強熱減量が、0.5質量%~10.0質量%である、請求項7に記載の補強用メッシュ巻回体。
  9. 前記経糸又は緯糸により構成される列間の最大間隔が、20mm以上、60mm以下である、請求項7又は8に記載の補強用メッシュ巻回体。
  10. 前記経糸又は緯糸により構成される1列の引張強度が、800N/列以上である、請求項7~9のいずれか1項に記載の補強用メッシュ巻回体。
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