JP3846252B2 - 補強用織物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合材料の補強基材として使用される補強用織物に関し、特にハンドレイアップ成形によるコンクリート構造体の表面に貼り付けて補強するのに最適な補強用織物に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、コンクリートの中性化によりコンクリート表面が劣化し、高架橋のコンクリート面が剥落する事故が生じている。
【0003】
その対策として、例えばコンクリート表面に炭素繊維を含む繊維強化プラスチック(FRP)を接着する補強方法が採られている。
【0004】
この方法は、補強効果も高く、耐久性にも優れ、また補強作業も簡単であることから広く用いられている。
【0005】
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)をコンクリート面に接着させる工法は地震対策のための橋脚や、交通増大による床版補強で行われていたが、コンクリート面の剥離防止については、コンクリート片が落下するのを防げばよいことから繊維強化プラスチックを構成する炭素繊維は僅かな量で十分であり、低目付の炭素繊維織物が要求される。
【0006】
しかしながら、低目付の炭素繊維織物は、糸値の高い細い炭素繊維糸で構成されているために非常に高価な織物となり。補強工事費が高くなる問題があった。
【0007】
また、コンクリートの全面を炭素繊維織物で貼り付けると、炭素繊維は光を透過しないので、貼り付け後のひび割れの発生やひび割れの進展状態が観察できない問題があり、炭素繊維を用いて、かつコンクリートの劣化状態が観察可能な補強方法が望まれている。
【0008】
一方、太い炭素繊維糸を用いて、織糸の間隔を大きくしたメッシュ織物にすることにより織糸間の大きな隙間からひび割れ発生を観察することが可能であり、また炭素繊維は太いほど安価であることから安価な織物の提供が可能となる。
【0009】
しかしながら、太い炭素繊維糸で低目付織物を得ようとすると織糸間隔の大きなメッシュ織物となるためにたて糸とよこ糸の交錯による拘束力が無く、非常にルーズな織物で取り扱い性が悪くてコンクリート面に炭素繊維糸を真っ直ぐな状態に接着させることができず、炭素繊維の有する高強度を十分に発揮させることが出来ないし、また貼り付け作業に時間を要する問題がある。
【0010】
メッシュ織物において、たて糸とよこ糸の交点での拘束力を得る手段として、絡み織や、模紗織などが提案されているが、たて糸とよこ糸の交点においてはたて糸とよこ糸の拘束力によって保持されるが、たて糸とよこ糸の交点間においては炭素繊維束が単独で長く延びているだけであるからその部分は剛性がなく、織物としては変形し易いものである。ハンドレイアップで成形するコンクリートの補強用としては使いづらい織物であり、取り扱い性の優れた安価な織物の提供が望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、効率よく簡単に施工することができ、かつ、施工後のメンテナンスが容易なコンクリート表面の補修・補強用織物を提供せんとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の補強用織物は、150〜7000Texの炭素繊維糸からなるたて糸とよこ糸とが、メッシュ状に配列され、かつ、該たて糸と該よこ糸との間に、樹脂が含浸したときに透明性を示す繊維糸を複数配列して織物が組織されており、該織物の目付が50〜300g/m 2 、炭素繊維の目付が40〜150g/m 2 であり、樹脂が含浸したときに透明性を示す繊維糸が以下の(A)〜(C)の要件を満足することを特徴とするものである。
(A)該たて糸と該よこ糸との間の少なくともたて糸方向に、樹脂を含浸したときに透明性を示す繊維糸として、少なくともガラスロービングの補強糸が用いられている。
(B)前記ガラスロービングの補強糸が、炭素繊維糸の見かけ太さと同等で、150〜2500Texの繊度であり、かつ、炭素繊維糸の間に1〜3本が等間隔に配列している。
(C)前記ガラスヤーンの補助糸が、20〜150Texの繊度であり、かつ、炭素繊維糸の間に2〜8本が配列している。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題、つまり、効率よく簡単に施工することができ、かつ、施工後のメンテナンスが容易な織物、すなわち、製造コストの安価な太い炭素繊維糸を用いた低目付の織物であっても、剛性を有した取り扱い性の優れた織物であって、かつ、コンクリート表面に貼り付けて補強した後にコンクリート表面の劣化を観察することができるコンクリート表面の補修・補強用織物について、鋭意検討し、炭素繊維糸のメッシュ織物のたて糸と該よこ糸の間に、樹脂を含浸したときに透明性を示す繊維糸を複数配列して織物を構成してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0014】
かかる樹脂が含浸したときに透明性を示す繊維糸としては、該炭素繊維糸のメッシュ織物のたて糸とよこ糸との少なくともたて糸方向には、ガラスロービングの補強糸が含まれている。
【0015】
ガラス繊維糸は空気中では乱反射により白色であるが、樹脂が含浸さるとガラスと樹脂の屈折率がほぼ同じであるから透明となり、コンクリート面に樹脂で貼り付けられた後においてコンクリート面の劣化を観察することが出来る。
【0016】
また、ガラスロービングの補強糸は、ガラスロービング糸自身が高い剛性を有しているので、織物に剛性が付与され、施工時に炭素繊維糸を真っ直ぐな状態にしてコンクリート面に貼り付けることが出来、信頼性のある補強を行うことが可能であるし、ガラスロービング糸自身も補強効果を発揮するのでより一層高い補強効果が得られる。
【0017】
かかる透明性を示す繊維糸は、ガラスロービングの補強糸とガラスヤーンの補助糸との2種類で構成される。
【0018】
ガラスロービング糸を増やすことによって、織物の剛性が一層高めることが出来るが、ガラス繊維は比重が大きいために織物の重量が極端に増大し、織物を拡げ、織物の角を掴んで持ち上げた際に織物の自重で中央部が垂れ下がり、よこ糸が曲がった状態で貼り付けられる問題がある。ガラスロービング糸に比べて細いガラスヤーンの補助糸と併用し、ガラスヤーンとの交錯による拘束力で織物の剛性を付与する方法により、織物重量を増大させることなく織物の剛性を高めることができる。
【0019】
かかるガラスヤーンの補助糸においては、好ましくは低融点ポリマーを付着させておいて、この低融点ポリマーを、補助糸と交錯するたて糸および/またはよこ糸の交点で接着固定させたものがよい。
【0020】
補助糸と交錯するたて糸および/またはよこ糸の交点を低融点ポリマーにより接着固定させることによって、炭素繊維糸が目ずれすることなく、また織物の剪断変形が抑制されるので、織物を少々乱暴に扱っても炭素繊維糸の配向が乱れることがなく、信頼性のある補強が行える。
【0021】
本発明の補強用織物においては、該炭素繊維糸が20〜100mmの間隔でメッシュ織物を構成していることが好ましい。ガラスロービングの補強糸の太さが150〜2500Texであり、ガラスヤーンの補助糸の太さが20〜150Texである。また、かかる補強用織物の目付としては50〜300g/m2であることが好ましい。
【0022】
炭素繊維糸の間隔が20mm未満であると、炭素繊維糸間できる隙間が小さために、コンクリート面に貼り付けた後にコンクリート面の劣化状態を観察する際、観察し難い問題がある。一方、炭素繊維糸の間隔が100mmを越えるとコンクリート面の劣化は観察し易いが、織物の剛性が不足するためにガラスロービング糸やガラスヤーンの補助糸を沢山使用せねばならず、コストが高くつく問題があり、炭素繊維糸の間隔は20〜100mmであることが好ましい。
【0023】
ガラスロービング糸の太さは、使用する炭素繊維糸の見かけ太さと同程度または少し細い太さであると、コンクリート面に貼り付けた際にガラスロービング糸の箇所が大きく盛り上がることがないので好ましものであるが、ガラスロービング糸の太さが150Tex以下では織物剛性付与効果が小さい問題がある。
【0024】
一方、ガラスロービングの補強糸の太さを2500Tex以上となると織物の剛性付与効果は大きいが、織物の重量が増大してかえって取り扱い難くなるため、ガラスロービングの補強糸の太さは150〜2500Texである。
【0025】
ガラスヤーンの補助糸は、たて糸とよこ糸との交錯による拘束力により織物に剛性を付与するものであるが、ガラスヤーン自身の剛性も効いており、20Tex以下ではガラスヤーンの剛性が小さくて織物の剛性付与させる拘束力が得られない。ガラスヤーンの補助糸の太さを150Tex以上とすることで、高い拘束力で織物剛性が大きく向上するが、織物重量が増大する問題がありガラスヤーンの補助糸の太さは20〜150Texである。
【0026】
本発明の補強織物は、コンクリート面の剥落防止用であるから比較的低目付の織物で十分であり、実際に補強効果を発揮する炭素繊維糸の目付は40〜150g/m2 である。ガラス繊維糸を含んだ織物目付が50g/m2以下では剥落防止のために十分な補強効果が得られない問題がある。織物目付が300g/m2以上では高い補強効果が得られるが、剥落防止用としては300g/m2以下で十分である。また、織物目付が300g/m2 を越えると炭素繊維糸の使用量も増大し、炭素繊維糸間の透明部の面積が小さくなり、コンクリート面の劣化状態が観察しづらい問題がある。
【0027】
本発明の織物はコンクリート構造体の補強に用いて好適である。
【0028】
以下、本発明の補強用織物について図面を参照しながら詳述する。
【0029】
図1は本発明の実施態様に係る補強用織物を示している。
【0030】
図1において、1a、1bは炭素繊維糸のたて糸、2a、2bは炭素繊維糸のよこ糸でそれぞれ大きな間隔で配列されている。
【0031】
3はガラスロービングの補強糸のたて糸、4はガラスロービングの補強糸のよこ糸、5a、5b・・はガラスヤーンからなる補助糸のたて糸、6a、6b・・はガラスヤーンからなる補助糸のよこ糸で、共に前記炭素繊維糸1a、1bの間で配列している。
【0032】
また、ガラスロービングの補強糸3,4は炭素繊維糸1a、1b、または2a、2bのほぼ中間に配列し、両者の間にガラスヤーンの補助糸5a、5b、・・または6a、6b・・が配列し平織で組織されている。
【0033】
図2は、炭素繊維糸のたて糸1a、1bの間にはガラスロービングの補強糸3とガラスヤーンの補助糸5a、5b・・が配列し、炭素繊維糸のよこ糸間にはガラスヤーンの補助糸6a、6b・・だけが配列して平織で組織された別の実施態様を示したものである。
【0034】
図3は図2に示す本発明の織物に樹脂を含浸させた際の様子を示すもので、炭素繊維糸1a,1b、または2a、2b間に配列した点線で示すガラスロービングの補強糸とガラスヤーンからなる補助糸は樹脂が含浸されることにより透明となるので、たて糸とよこ糸の各炭素繊維糸間に出来る大きな矩形面Sは透明となり、コンクリート表面に貼り付けても前記矩形面Sからコンクリートの劣化状況を観察することが出来る。
【0035】
本発明の補強用織物を構成する炭素繊維糸はコンクリート表面の剥離を防ぐものであるから高強度で破断伸度の高い特性を有することが好ましく、破断強度が3GPa以上で破断伸度が1.5%以上とすることにより、少ない使用量で高い補強効果が得られる。
【0036】
そのような特性を有した炭素繊維糸を用いることにより、コンクリート表面の剥離防止においては補強用織物1枚当たりの炭素繊維量は40〜150g/m2 程度で十分な補強効果を発揮させることが出来る。
【0037】
炭素繊維は、繊度が大きい程安価であることから出来る限り太い炭素繊維糸であることが好ましく、150〜7000Texの太繊度であることが好ましい。さらには、350〜1800Texの繊度であることが好ましい。
【0038】
繊度が7000Tex以上のさらに太い炭素繊維糸にすることでさらに低コストが可能となるが、そのような太繊度で低目付織物にしようとすと炭素繊維の配列ピッチが非常に大きくなり、織物として剛性が小さくなるために取り扱い性が悪い織物となる。
【0039】
大きな間隔の炭素繊維糸間に補助糸を沢山配列して組織させ、織物の剛性を高める手段も考えられるが、補助糸を沢山使用すると材料費がアップするし、織物の生産速度がダウンすることから織物価格がアップする問題がある。
【0040】
また、余りに太い炭素繊維糸を用いると、その炭素繊維糸の箇所が厚みが大きくなり、コンクリート面に貼り付けた表面を平滑にさせようとすると沢山の樹脂が必要となり、施工費用もアップする問題がある。
【0041】
炭素繊維糸は無よりの糸束断面が扁平な糸を用い、撚りが入らないように織物にすることで、炭素繊維糸同士の交錯部での厚みが低減でき、より平滑に成形することができるので好ましい。
【0042】
例えば、扁平状としてはフィラメント数が6,000本の炭素繊維糸では糸幅が3〜6mm、12,000フィラメント数では4〜10mm程度である。
【0043】
炭素繊維糸の配列間隔、すなわち炭素繊維糸のメッシュ間隔は用いる炭素繊維糸の太さと補強に必要な炭素繊維の量により決まるものであるが、上記および以下の目的からメッシュ間隔は20〜100mmと大きな間隔のメッシュ状に配列させることが好ましい。
【0044】
すなわち、メッシュ間隔が小さいとコンクリート表面が光を透過しない炭素繊維で覆われることになるので、コンクリートの表面状態を観察出来ないことになり、貼り付けられた後のひび割れ発生やひび割れの進展状態などコンクリートの劣化状態が把握できないことになる。
【0045】
一方、本発明で提案するように炭素繊維のメッシュ間隔を20〜100mmと大きくしておくことにより炭素繊維糸間に出来る大きな隙間からコンクリートの劣化状態を観察することができ、補強した後においても危険を予知することが可能となる。
【0046】
例えば、補強後に炭素繊維間に出来る透明な部分からひび割れ、またはひび割れの進展状態が観察されてコンクリート構造体を補修・補強する必要があると診断された際には、本発明の織物で補強したCFRPを剥がし、ひび割れ内に樹脂注入するなどの補修を行った後に必要な補強を行うことが出来る。
【0047】
さらに、炭素繊維のメッシュ間隔を大きくすることにより、太い炭素繊維糸を用いても炭素繊維糸は殆どクリンプを有しない織物構造となるので炭素繊維の有する高強度が十分に発揮される。
【0048】
本発明の補強用織物は、配列された炭素繊維糸のたて糸とよこ糸間には樹脂が含浸された状態で透明性となる繊維糸が複数本配列されている。
【0049】
樹脂が含浸された状態で透明性となる繊維糸としては、空気中では繊維表面が乱反射して透明性はないが、樹脂を含浸して繊維表面が樹脂で覆われることで透明となる繊維であり、例えばガラス繊維であればコンクリートの補修・補強に用いられているエポキシ樹脂と屈折率がほぼ同じであるので樹脂が含浸されることにより透明性となり、また熱収縮が小さい点からも好ましい。
【0050】
樹脂に顔料などを混ぜて樹脂に色が付けられる場合があるが、本願補強方法においては透明性が阻害されるので色が付けられていない無色の樹脂を用いるのが好ましい。
【0051】
ここで、樹脂が含浸された状態で透明性を示すことは、例えば本発明の織物1枚に樹脂をさせて硬化板を作製し、その硬化板を新聞の上載せた際に新聞の印字が読みとれる程度の透明性を有することである。
【0052】
前記透明性を発揮する繊維糸を炭素繊維糸間に配列して組織することにより、織物に剛性を付与させることができるので施工時の織物の取り扱い性が優れ、織物に皺が入ったりすることなくコンクリート面に貼り付けることが出来、炭素繊維を真っ直ぐな状態にして補強することが出来る。
【0053】
また、上記繊維糸は、樹脂が含浸された状態で透明性となる繊維糸であるから、貼り付け後においても互いに隣接する炭素繊維糸の間からコンクリートの表面状態を観察することが可能である。
【0054】
樹脂が含浸された状態で透明となる繊維糸をたて糸とよこ糸として配列するが、たて糸とよこ糸とのどちらか一方にガラスロービングの補強糸はを含める。
【0055】
炭素繊維糸間に配列する繊維糸は織物に剛性を付与させることが目的であるから細い繊維糸を高密度に配列して組織させることより剛性を得ることができるが、織物の生産性が低くなり、高価な織物になる問題がある。
【0056】
本発明は、例えば配列された炭素繊維間の中間に炭素繊維糸の見掛け太さと同等太さのガラスロービング糸を配列することによって、ガラスロービング糸自身の高い曲げ剛性が付加されて、高い剛性を有した織物を安価に得ることができる。
【0057】
また、ガラスロービング糸は補強糸として補強効果を発揮するものである。ガラス繊維はコンクリートが有するアルカリに対して劣化されやすい問題があるが、炭素繊維の使用量を強度設計の基準にすることにより解消される。
【0058】
炭素繊維糸間に配列するガラスロービングの補強糸の配列本数は炭素繊維糸の配列間隔により適宜決めればよく、例えば炭素繊維糸の間隔が20〜40mmであればガラスロービングを1本、間隔が40〜100mmであれば2〜3本を等間隔に配列するのが好ましい。
【0059】
また、ガラスロービングの補強糸の繊度としては用いる炭素繊維糸のみかけ太さと同等にすることにより、炭素繊維糸同士の交点、ガラスロービングの補強糸同士または炭素繊維糸とガラスロービングの補強糸との交点のそれぞれの厚さが同等となり、コンクリート面に貼り付け後の凹凸が小さく抑えられる。
【0060】
ガラスロービングの補強糸の繊度としては150〜2500Texである。好ましくは500〜1500Texの繊度である。
【0061】
また、ガラスロービングの補強糸は、たて糸とよこ糸とに配列することにより一層剛性が得られるので好ましいが、たて糸とよこ糸とのどちらか一方であっても十分で、織物製造面からはたて糸のみに配列させることにより、よこ糸を切り換えることなく製造できるので簡単であり、また織物を長く引き出した際、たて糸方向の剛性が高められているので織物が曲がったりすることなくコンクリート面に貼り付けることが出来る。
【0062】
上記ガラスロービング糸を炭素繊維糸の間に配列させることによりガラスロービング自身の剛性により織物に剛性を得ることができるが、ガラスロービングの補強糸を沢山用いると織物目付が増大する問題がある。
【0063】
織物目付が大きくなると織物の端部を持った際に織物の自重で織物中央部が垂れ下がるために、コンクリート面に炭素繊維糸を真っ直ぐな状態で貼り付けられない問題がある。従って、炭素繊維糸間に配列するガラスロービングの補強糸を1〜3本に抑え、炭素繊維糸間とガラスロービングの補強糸の間に樹脂が含浸された状態で透明性となる繊維糸であるガラスヤーンの補助糸を複数配列させて組織させることが好ましい。
【0064】
そうすることにより、たて糸とよこ糸の交点における拘束力が大きくなり、織物の剛性がさらに増大するし、また炭素繊維糸がずれたりすることがなく形態安定した補強用織物が得られる。また、コンクリートに樹脂を含浸させて貼り付けられた後でも
炭素繊維糸間は透明であるからコンクリート面の劣化を容易に観察することが可能である。
【0065】
ガラスヤーンの補助糸の太さとしては20〜150Texの細繊度糸である。好ましい範囲としては60〜150Texの繊度である。
【0066】
ガラスヤーンの補助糸の配列は炭素繊維糸の間隔やガラスロービングの補強糸の配列本数によるが、炭素繊維糸の間に2〜8本配列する。
【0067】
また、補助糸は強度を担うものではなく炭素繊維糸のたて糸とよこ糸との交錯点での拘束力を得るためのものであるから、引張弾性率が7.5GPaと高いガラスヤーンが好ましい。
【0068】
前記配列されたたて糸とよこ糸の炭素繊維糸、ガラスロービング糸およびガラスヤーンの補助糸はそれぞれ平織で組織されている。
【0069】
平織はたて糸とよこ糸が1本交互に交錯し合うのでたて糸とよこ糸の交点での拘束力が高く、織物の形態安定性が増し、取り扱い性の優れた織物となる。
【0070】
前記ガラスヤーンの補助糸に低融点ポリマーが付着し、補助糸と交錯するたて糸および/またはよこ糸の交点で接着されていることが好ましい。
【0071】
その様にたて糸とよこ糸の交点を接着させることにより、織物としての剛性が付与され、織物取り扱い時に炭素繊維糸が曲がったり、目ずれを起こすことなく炭素繊維糸を真っ直ぐに配向させた状態でコンクリート面に貼り付けることが出来、一層高い補強効果を発揮することが可能である。
【0072】
補助糸に低融点ポリマーを付着させる方法としては、ガラスヤーンの補助糸を芯糸とし、低融点の熱可塑性ポリマー糸の被覆糸を用い、織物にした後、ヒータで前記熱可塑性ポリマー糸の融点以上に加熱することにより、織糸の交点を簡単に接着させることが出来、好ましい方法である。
【0073】
また、溶融状態にした熱可塑性ポリマーを補助糸の周りに連続的に付着させたコーテング糸を作製し、その糸を用いて織物にした後、加熱して交点を接着させることも可能である。
【0074】
この時、熱可塑性ポリマーの付着量としては補助糸に対して、5〜40重量%付着させることが好ましい。
【0075】
本発明の織物は、コンクリート表面に生じたひび割れが進展し、剥落するのを防止することが目的であるから、炭素繊維糸を沢山使用する必要はなく、炭素繊維糸の目付で40〜150g/m2もあれば十分で、ガラスロービングの補強糸とガラスヤーンの補助糸とをあわせて50〜300g/m2 である。
【0076】
本発明はコンクリート構造体の表面に樹脂を塗布し、その上から本発明の補強用織物を貼り付けると同時に織物を構成する各繊維糸に樹脂含浸させて補強する補強方法が含まれる。
【0077】
また、同織物に樹脂を含浸し、炭素繊維強化樹脂(CFRP)として用いることもできる。
【0078】
コンクリート構造体の補強方法としては、コンクリート面の凸部を削り落とし、次いでコンクリート面とCFRPとの接着性を向上させるためにエポキシ系のプライマーを塗布する。プライマーが硬化した後、コンクリート面に常温硬化型で、粘度が40〜200ポイズのエポキシ樹脂を塗布し、その上に本発明の織物を置き、その上から含浸ローラにより織物に樹脂を含浸させる。さらに、その上から前記エポキシ樹脂を塗布して表面を平滑に仕上げることにより補強を行うことができる。
【0079】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
【0080】
実施例1
補強糸として、フィラメント数が12,000本(繊度:800Tex)、引張強度が5GPa、破断伸度が2.1%の無よりの高強度炭素繊維糸と、繊度が1150Texのガラスロービング糸を用い、補助糸として繊度が67.5Texのガラスヤーンに低融点ナイロン5.6TexをS方向に200T/mのより数でシングル巻回の被覆糸を用いた。
【0081】
炭素繊維糸をたて糸とよこ糸に32mmの間隔で配列し、配列された炭素繊維糸のたて糸間の中央にガラスロービング糸を1本配列させ、その炭素繊維糸とガラスロービング糸の間にガラスヤーンの補助糸を2本ずつ配列させた。
【0082】
そして、炭素繊維糸のよこ糸間には低融点ナイロンを被覆したガラスヤーンの補助糸を5本を均等な間隔に配列させて図2に示す織物構造である平組織で1m幅の織物を製織し、織物の巻き取りロールまでの間で織機上に取り付けた遠赤外線ヒータで織物を加熱して低融点ナイロンを溶融させて織糸の交点を低融点ナイロンで接着させた。
【0083】
炭素繊維の目付は50g/m2 で、織物全体の目付は107g/m2 であった。
【0084】
得られた織物は、炭素繊維糸の間隔が32mmと大きいにも係わらず、たて糸の炭素繊維糸の間に剛性のあるガラスロービング糸を配列し、しかも炭素繊維糸とガラスロービング糸との間にガラスヤーンの補助糸を配列してよこ糸の炭素繊維糸と交錯しているので非常に剛性を有した取り扱い性の良好な織物であった。
【0085】
また、炭素繊維糸は補助糸との交錯部で低融点熱可塑性ポリマーで接着されているので炭素繊維糸がずれて蛇行するようなことはなかった。
【0086】
同織物をエポキシ樹脂を用いてスレート板に貼り付け実験を行ったところ、炭素繊維糸の部分はスレート板の表面が見えないが、炭素繊維糸間に配列したガラスロービング糸とガラスヤーンの箇所はっきりとスレート面を観察することができた。
【0087】
比較例1
実施例と同様に、炭素繊維糸をたて糸とよこ糸に32mmの間隔で配列し、平組織で製織した。
【0088】
たて糸とよこ糸の交点の接着方法は、たて糸およびよこ糸の炭素繊維糸に低融点ナイロン糸を引き揃えて供給し、織物にした後、ヒータで溶融して交点を接着を試みた。 製織時において、たて糸の炭素繊維糸の密度が粗いためにたて糸が開口した際に既に打ち込まれたよこ糸を屈曲させ、よこ糸が大きく蛇行した織物になった。
【0089】
また、織物のたて糸方向とよこ糸方向共に粗密度で炭素繊維糸が配向しているだけであるから、形態が非常に不安定で、ハンドレイアップ成形する際に取り扱い難い結果であった。
【0090】
【発明の効果】
本発明は、150〜7000Texの太い炭素繊維糸をメッシュ状に配列し、その炭素繊維糸間に樹脂が含浸した状態で透明性を示す繊維糸を複数配列して組織させ、前記樹脂が含浸した状態で透明性を示す繊維糸のたて糸とよこ糸との少なくともたて糸に、太い炭素繊維糸と見かけ太さが同等でかつ150〜2500Texの繊度であるガラスロービングの補強糸を炭素繊維の間に1〜3本を等間隔に配列させ、20〜150Texの繊度であるガラスヤーンの補助糸を炭素繊維の間に2〜8本を配列させているので、炭素繊維自身はメッシュ状の構成をなしていても織物に剛性が付与され、取り扱い性に優れ、炭素繊維糸を真っ直ぐに配向した状態でコンクリート面に貼り付けることができる。
【0091】
また、コンクリート面に貼り付けた後において、炭素繊維糸間に大きな面積の透明箇所が存在するので、コンクリート表面に発生するひび割れやひび割れの進展状態を観察することができ、コンクリート構造体のメンテナンスが容易にできる。
【0092】
さらに、このため、糸値の安価な150〜7000Texの太い炭素繊維糸をメッシュ状に配列させているので炭素繊維の使用量が少なく、非常に安価で高い補強効果を発揮する補強織物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補強用織物の実施例を示す正面図である。
【図2】本発明の補強用織物の他の実施例を示す正面図である。
【図3】本発明の補強用織物に樹脂を含浸した際の実施例を示す正面図である。
【符号の説明】
1a、1b:たて糸の炭素繊維糸
2a、2b:よこ糸の炭素繊維糸
3 :たて糸のガラスロービング糸
4 :よこ糸のガラスロービング糸
5a、5b、・・:たて糸の補助糸
6a、6b、・・:よこ糸の補助糸
Claims (7)
- 150〜7000Texの炭素繊維糸からなるたて糸とよこ糸とが、メッシュ状に配列され、かつ、該たて糸と該よこ糸との間に、樹脂が含浸したときに透明性を示す繊維糸を複数配列して織物が組織されており、該織物の目付が50〜300g/m 2 、炭素繊維糸の目付が40〜150g/m 2 であり、樹脂が含浸したときに透明性を示す繊維糸が以下の(A)〜(C)の要件を満足することを特徴とする補強用織物。
(A)該たて糸と該よこ糸との間の少なくともたて糸方向に、少なくともガラスロービングの補強糸と、ガラスヤーンの補助糸とが用いられている。
(B)前記ガラスロービングの補強糸が、炭素繊維糸の見かけ太さと同等で、150〜2500Texの繊度であり、かつ、炭素繊維糸の間に1〜3本が等間隔に配列している。
(C)前記ガラスヤーンの補助糸が、20〜150Texの繊度であり、かつ、炭素繊維糸の間に2〜8本が配列している。 - 前記ガラスヤーンの補助糸に低融点ポリマーが付着されており、かつ、該低融点ポリマーが、補助糸と交錯するたて糸および/またはよこ糸の交点を接着固定していることを特徴とする請求項1に記載の補強用織物。
- 前記樹脂を含浸したときに透明性を示す繊維糸が、該炭素繊維糸の間に2〜10本配列されていることを特徴とする請求項1または2に記載の補強用織物。
- 前記炭素繊維糸が、20〜100mmの間隔で配列されてメッシュを構成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の補強用織物。
- 前記織物が、平織で組織されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の補強用織物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の補強用織物を用いてコンクリート構造体の補修・補強をすることを特徴とするコンクリート構造体の補強方法。
- 前記補強部分が、コンクリート構造体の表面である請求項6に記載のコンクリート構造体の補強方法。
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