JP2020100783A - クリヤー塗料組成物及びクリヤー塗膜の形成方法 - Google Patents

クリヤー塗料組成物及びクリヤー塗膜の形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020100783A
JP2020100783A JP2018241511A JP2018241511A JP2020100783A JP 2020100783 A JP2020100783 A JP 2020100783A JP 2018241511 A JP2018241511 A JP 2018241511A JP 2018241511 A JP2018241511 A JP 2018241511A JP 2020100783 A JP2020100783 A JP 2020100783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clear coating
coating composition
coating film
resin
acrylic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018241511A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6663474B1 (ja
Inventor
英明 奥田
Hideaki Okuda
英明 奥田
晋之介 河野
Shinnosuke Kono
晋之介 河野
水口 克美
Katsumi Mizuguchi
克美 水口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Automotive Coatings Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Automotive Coatings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Automotive Coatings Co Ltd filed Critical Nippon Paint Automotive Coatings Co Ltd
Priority to JP2018241511A priority Critical patent/JP6663474B1/ja
Priority to PCT/JP2019/043063 priority patent/WO2020137161A1/ja
Priority to CN201980085924.7A priority patent/CN113242889A/zh
Application granted granted Critical
Publication of JP6663474B1 publication Critical patent/JP6663474B1/ja
Publication of JP2020100783A publication Critical patent/JP2020100783A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D133/00Coating compositions based on homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D175/00Coating compositions based on polyureas or polyurethanes; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D175/04Polyurethanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D7/00Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
    • C09D7/40Additives
    • C09D7/65Additives macromolecular

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】寒冷地においても優れた耐衝撃性を有するクリヤー塗膜を形成でき、クリヤー塗料組成物の焼き付け工程における焼き付け温度の低温化、焼き付け時間の短縮化を可能にする、クリヤー塗料組成物を提供すること。【解決手段】本発明のクリヤー塗料組成物は、塗膜形成樹脂として、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、非水分散型アクリル樹脂(c−2)と、ジオール樹脂(c−3)と、ポリイソシアネート化合物(c−4)とを含むクリヤー塗料組成物の乾燥塗膜であり、樹脂(c−1)〜(c−4)は所定の物性を有し、ジオール樹脂(c−3)は、ポリカーボネートジオール樹脂、ポリエーテルジオール樹脂、ポリエステルジオール樹脂及びポリカプロラクトンジオール樹脂から選択される少なくとも1種を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、複層塗膜等に用いられるクリヤー塗料組成物及びクリヤー塗膜の形成方法に関する。
近年、自動車等の技術分野において、省エネルギー、二酸化炭素排出量低減という観点から、塗装工程の短縮が求められている。例えば、塗料組成物の焼き付け工程における焼き付け温度の低温化、焼き付け時間の短縮化が要求されている。
更に、自動車等の車体、及びプラスチック製若しくは金属製の自動車用部品等は、種々の使用環境においても適用することが必要とされ、きわめて過酷な環境においても、適応できなければならない。例えば、−20℃程度の寒冷地で使用することも想定されている。
また、近年、自動車等の車体及び自動車用部品等は、デザイン、機能及び軽量化等の観点から金属材料とプラスチック材料が多用されており、塗膜は、種々の被塗物に対して、良好な密着性を示すことも要求されている。
特許文献1は、ヤング率、伸び率、破断強度が特定の範囲内のものである塗料組成物用樹脂粒子が開示されており、樹脂粒子を含有する塗料組成物を使用することによって、耐チッピング性に優れた塗膜を形成することを開示する。
特許文献2は、第一ベース塗料としてヤング率、破壊エネルギーにおいて特定の物性を有する塗料を使用する複層塗膜形成方法を開示する。
特許文献3は、金属板上にプライマー、中塗り塗料、上塗り塗料を塗装する塗装方法を開示する。
特開2007−270014号公報 特開2003−181368号公報 特開2000−204483号公報
しかし、特許文献1〜3のいずれの発明においても、得られた塗膜は、低温(例えば、−20℃)において充分な耐衝撃性を示すものではない。このため、いずれの発明も、低温において耐衝撃性が要求される自動車車体及び自動車用部品へ適用できるものではない。
また、素地の変形に対して、塗膜が損傷することなく追従する性能(塗膜の追従性)も要求されており、十分な性能が得られていない。
更に、依然として、塗料組成物の焼き付け工程における焼き付け温度の低温化、焼き付け時間の短縮化が要求されている。
本発明は、上述したような課題を解決し、塗膜の追従性を備え、寒冷地においても優れた耐衝撃性を有するクリヤー塗膜を形成でき、クリヤー塗料組成物の焼き付け工程における焼き付け温度の低温化、焼き付け時間の短縮化を可能にする、クリヤー塗料組成物を提供することを目的とする。
更に、本発明は、上記効果を奏するクリヤー塗料組成物を含み、優れた外観を備える複層塗膜を形成できる、複層塗膜形成用塗料組成物セットを提供することを目的とする。
また、本発明は、複層塗膜の形成方法を提供する。該形成方法によると、本発明のクリヤー塗料組成物を用いることにより、塗料組成物の硬化時間を大幅に短縮でき、硬化温度もより低い温度で行うことができる。
上記課題を解決するため、本発明は下記態様を提供する。
[1]本開示のクリヤー塗料組成物は、塗膜形成樹脂として、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、非水分散型アクリル樹脂(c−2)と、ジオール樹脂(c−3)と、ポリイソシアネート化合物(c−4)とを含み、
水酸基含有アクリル樹脂(c−1)は、水酸基価が80mgKOH/g以上220mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が4,000以上10,000以下であり、及びガラス転移温度が30℃以上60℃以下であり、
非水分散型アクリル樹脂(c−2)はコアシェル構造を有し、コア部の水酸基価は100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、及びコア部のガラス転移温度は40℃以上80℃以下であり、
ジオール樹脂(c−3)は、水酸基価が80mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、かつ、ジオール樹脂(c−3)は、ポリカーボネートジオール樹脂、ポリエーテルジオール樹脂、ポリエステルジオール樹脂及びポリカプロラクトンジオール樹脂から選択される少なくとも1種を含む、クリヤー塗料組成物である。
[2]ある態様において、本開示に係るクリヤー塗料組成物から形成したクリヤー塗膜の−20℃でのデュポン衝撃強度は4.9J以上である。
[3]ある態様において、本開示に係るプライマー塗料組成物から形成されたプライマー塗膜と、ベース塗料組成物から形成されたベース塗膜と、請求項1または2に記載のクリヤー塗料組成物から形成したクリヤー塗膜とを、有する複層塗膜の−20℃でのデュポン衝撃強度が、4.9J以上である。
[4]ある態様において、本開示に係るクリヤー塗料組成物は、更に、セルロース誘導体を含む。
[5]ある態様において、ジオール樹脂(c−3)は、ポリエステルジオール樹脂である。
[6]ある態様において、イソシアネート化合物(c−4)に含まれるイソシアネート基と、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)および非水分散型アクリル樹脂(c−2)に含まれる水酸基との当量比(NCO/OH)は、0.7以上2.0以下である。
[7]ある対応において、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と非水分散型アクリル樹脂(c−2)の質量比は、((c−1)/(c−2))=90/10〜50/50である。
[8]ある態様において、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)及び非水分散型アクリル樹脂(c−2)の質量の合計と、ジオール樹脂(c−3)との質量比が、((c−1)+(c−2))/(c−3)=100/1〜100/15である。
[9]ある態様において、非水分散型アクリル樹脂(c−2)のコア部は、エステル部位の炭素数が4以上12以下である水酸基含有アクリル酸エステルモノマーを含む。
[10]ある態様において、非水分散型アクリル樹脂(c−2)のコア部は、カルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーと、水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとを含む。
[11]ある態様において、非水分散型アクリル樹脂(c−2)のコア部の酸価が60mgKOH/g以下である。
[12]ある態様において、非水分散型アクリル樹脂(c−2)のシェル部の水酸基価が50mgKOH/g以上160mgKOH/g以下であり、ガラス転移温度が0℃以上80℃以下である。
[13]ある態様において、非水分散型アクリル樹脂(c−2)のシェル部の酸価は30mgKOH/g以下である。
[14]別の態様において、本開示は、被塗物に、上記クリヤー塗料組成物を塗装し、未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、及び、未硬化のクリヤー塗膜を加熱硬化させ、クリヤー塗膜を形成する工程を含む、クリヤー塗膜の形成方法を提供する。
本発明のクリヤー塗料組成物は、寒冷地(例えば、−20℃)においても優れた耐衝撃性を有するクリヤー塗膜を形成できる。より詳細には、本発明のクリヤー塗料組成物は、塗膜の追従性、優れた外観、硬度、初期付着性、耐湿性、耐ガソホール性、耐衝撃性(例えば、−20℃でのデュポン衝撃強度)を有する塗膜を形成できる。
更に本発明のクリヤー塗料組成物は、焼き付け工程における焼き付け温度の低温化、焼き付け時間の短縮化を図ることができ、省エネルギー化、低コスト化を可能とする。
まず、本発明に至る過程を説明する。自動車等の車体、及びプラスチック製若しくは金属製の自動車用部品等は、通常、クリヤー塗膜等で被覆されている。例えば、このような被塗物は、クリヤー塗膜を含む複層塗膜が形成されている。複層塗膜の一例として、プライマー塗料組成物から形成されたプライマー塗膜と、ベース塗料組成物から形成されたベース塗膜と、クリヤー塗料組成物から形成したクリヤー塗膜とを有する複層塗膜が挙げられる。
また、このようなクリヤー塗膜、又はクリヤー塗膜を含む複層塗膜が形成された車体及び部品は、寒冷地での使用も想定されており、これらを被覆するクリヤー塗膜等の塗膜も、寒冷地での使用に適した物性が求められている。
例えば、クリヤー塗膜、好ましくは、クリヤー塗膜を含む複層塗膜は、寒冷地においても、優れた耐衝撃性を有することが求められている。その上、クリヤー塗膜は、優れた外観を満たすことも必要である。
さらに、省エネルギー、低コスト化の観点から、塗膜形成に必要な時間を短縮させることも配慮しなければならない。例えば、車体及び部品に用いる様々な部材、様々な形態に対して、優れた意匠性を示し諸物性に優れた塗膜を、より短時間で形成する要求がある。
そこで、本発明者等は、寒冷地においても、優れた耐衝撃性を有するクリヤー塗膜を形成できるクリヤー塗料組成物であって、かつ、塗料組成物の加熱硬化に要する時間を短縮できるクリヤー塗料組成物に着目した。
しかし、従来の塗料組成物の加熱硬化時間を短くすると、得られたクリヤー塗膜の耐衝撃性が劣るおそれがある。更に、クリヤー塗膜のタック性、研ぎ性なども劣り、塗膜物性だけでなく、塗膜外観についても見劣りしたクリヤー塗膜となってしまう。
別の対策として、硬化触媒を選択し、塗料組成物の乾燥時間を短縮することは可能である。しかし、この場合、ポットライフが短くなり、塗装効率が悪くなるといった問題が生じてしまう。
このような課題を解決すべく、本発明者は、鋭意検討した結果、本発明に係る特定のクリヤー塗料組成物であれば、寒冷地においても十分に使用可能な、低温での耐衝撃性(例えば、−20℃でのデュポン衝撃強度)を有するクリヤー塗膜を形成できることを見出した。さらに、本発明のクリヤー塗料組成物は、上記特徴に加え、優れた外観、硬度、初期付着性、耐湿性、耐溶剤性(例えば、耐ガソホール性)、良好な塗膜追従性を有する塗膜を形成できる。その上、本発明のクリヤー塗料組成物は、適切なポットライフを有し、広範囲の塗装時における作業性にも優れ、加熱硬化に要する時間を短縮および低温化させることができる。
このような効果は、例えば、プライマー塗膜と、ベース塗膜と、本発明のクリヤー塗料組成物から形成したクリヤー塗膜とを有する複層塗膜についても、奏することができる。
更に、本発明の別の態様である、本発明に係る特定のクリヤー塗料組成物を含む複層塗膜形成用塗料組成物セットは、寒冷地においても十分に使用可能な、低温での耐衝撃性(例えば、−20℃でのデュポン衝撃強度)を有する複層塗膜を形成でき、優れた外観、硬度、初期付着性、耐湿性、耐溶剤性(例えば、耐ガソホール性)及び良好な塗膜追従性を有する塗膜を形成できる。
その上、本発明の複層塗膜形成用塗料組成物セットは、適切なポットライフを有し、広範囲の塗装時における作業性にも優れ、加熱硬化に要する時間を短縮および低温化させることができ、複層塗膜全体の作業時間、作業温度を低減できる。
加えて、本発明の別の態様である複層塗膜の形成方法によると、本発明に係る特定のクリヤー塗料組成物を用いて複層塗膜を形成することで、塗膜形成組成物の加熱硬化時間を大幅に短縮でき、複層塗膜の製造時間を大幅に短縮できる。その上、得られる複層塗膜は上記物性を備えることができる。その結果、複層塗膜の形成において、省エネルギー化、低コスト化を可能とし、例えば、寒冷地においても十分に使用可能な、低温での耐衝撃性(例えば、−20℃でのデュポン衝撃強度)を有する複層塗膜を形成できる。
このような効果を有する、本発明のクリヤー塗料組成物は、
塗膜形成樹脂として、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、非水分散型アクリル樹脂(c−2)と、ジオール樹脂(c−3)と、ポリイソシアネート化合物(c−4)とを含むクリヤー塗料組成物であって、
水酸基含有アクリル樹脂(c−1)は、水酸基価が80mgKOH/g以上220mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が4,000以上10,000以下であり、及びガラス転移温度が30℃以上60℃以下であり、
非水分散型アクリル樹脂(c−2)はコアシェル構造を有し、コア部の水酸基価は100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、及びコア部のガラス転移温度は40℃以上80℃以下であり、
ジオール樹脂(c−3)は、水酸基価が80mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、かつ、ジオール樹脂(c−3)は、ポリカーボネートジオール樹脂、ポリエーテルジオール樹脂、ポリエステルジオール樹脂及びポリカプロラクトンジオール樹脂から選択される少なくとも1種を含む。
本開示のクリヤー塗料組成物から形成したクリヤー塗膜の−20℃でのデュポン衝撃強度は4.9J以上である。
別の態様において、プライマー塗料組成物から形成されたプライマー塗膜と、ベース塗料組成物から形成されたベース塗膜と、本開示に係るクリヤー塗料組成物から形成したクリヤー塗膜とを、有する複層塗膜の−20℃でのデュポン衝撃強度は、4.9J以上である。
このような特性を有する本開示のクリヤー塗料組成物は、欧州、中国等の寒冷地において、スノーバンクとぶつかった場合にも、車体、自動車用部品等の破損を大きく低減できる。
また、本発明のクリヤー塗料組成物から形成されるクリヤー塗膜を有する複層塗膜において、低温耐衝撃性が上記範囲内であることにより、薄肉部を有する基材に対しても、良好な低温耐衝撃性を付与できる。
ここで、本発明に係る、塗膜形成樹脂は、特定のパラメータを有する特定の樹脂の組合せ、特に、本発明に係るジオール樹脂(c−3)を含むので、短時間の焼付けであっても、塗膜硬化を可能にする。更に、得られた塗膜は、短時間で焼付け硬化した場合でも、優れた塗膜硬度を有し、低温で優れた耐衝撃性を有する。
また、本発明に係る、塗膜形成樹脂は、塗膜形成樹脂として、非水分散型アクリル樹脂(c−2)を有するので、例えば、本発明に係るジオール樹脂(c−3)との相乗効果により、短時間の焼付けであっても、塗膜硬化を可能にする。更に、得られた塗膜は、短時間で焼付け硬化した場合でも、優れた塗膜硬度を有し、低温で優れた耐衝撃性を有する。
その上、このような種々の効果は、本発明のクリヤー塗料組成物から形成されるクリヤー塗膜を有する複層塗膜であれば、奏することができる。
上記−20℃でのデュポン衝撃強度は、後述する実施例において詳述した方法によって測定できる。また、当業者であれば、本明細書、例えば、実施例の記載に基づき、クリヤー塗膜に関する−20℃でのデュポン衝撃強度を測定でき、更に、複層塗膜に関する−20℃でのデュポン衝撃強度を測定できる。
また、本発明の別の態様である複層塗膜形成用塗料組成物セット及び複層塗膜の形成方法は、上記特徴を有するクリヤー塗膜を有する。
以下、本発明を詳細に説明する。
[クリヤー塗料組成物]
本開示のクリヤー塗料組成物は、塗膜形成樹脂として、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、非水分散型アクリル樹脂(c−2)と、ジオール樹脂(c−3)と、ポリイソシアネート化合物(c−4)とを含む。
水酸基含有アクリル樹脂(c−1)
水酸基含有アクリル樹脂(c−1)は、水酸基価が80mgKOH/g以上220mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が4,000以上10,000以下であり、およびガラス転移温度が30℃以上60℃以下である。
本発明において「アクリル樹脂」とは、アクリル酸およびそのエステル、メタクリル酸およびそのエステルのうちの少なくとも一つのモノマーを含むモノマー組成物を重合して得られるポリマーを指す。
水酸基含有アクリル樹脂(c−1)は、水酸基価(OHV)が80mgKOH/g以上220mgKOH/g以下であり、ある態様において、水酸基価は80mgKOH/g以上210mgKOH/g以下であり、例えば、水酸基価は80mgKOH/g以上205mgKOH/g以下である。別の態様においては、水酸基価は110mgKOH/g以上180mgKOH/g以下である。
水酸基価がこのような範囲内であることにより、クリヤー塗膜に良好な架橋密度を付与でき、クリヤー塗膜および複層塗膜に優れた耐ガソホール性及び耐候性等を付与できる。さらに、塗膜の親水化を抑制でき、クリヤー塗膜および複層塗膜に優れた耐水性、耐湿性を有することができる。
なお、水酸基価は、JIS K 0070に記載されている水酸化カリウム水溶液を用いる中和滴定法により求めることができる。
水酸基含有アクリル樹脂(c−1)の重量平均分子量は、4,000以上10,000以下であってよく、ある態様においては4,000以上8,000以下であり、別の態様において、4,000以上6,000以下、例えば4,000以上5,500以下である。
水酸基含有アクリル樹脂(c−1)の重量平均分子量がこのような範囲内であることにより、例えば、クリヤー塗膜形成組成物をベース塗膜上又は未硬化のベース塗膜上に塗装したときに、クリヤー塗膜形成組成物とベース塗膜との混相の発生を抑制でき、良好なクリヤー塗膜の外観(仕上がり外観)を得ることができる。また、クリヤー塗膜形成組成物の速乾性を向上させることが出来る。
その上、クリヤー塗料組成物は適度な粘度を有することができ、クリヤー塗膜形成組成物の塗装時の粘度を低下させる溶剤の使用を低減でき、揮発性有機化合物(VOC)の増加を抑制できる。さらに、得られた塗膜は、優れた耐ガソホール性、耐候性および外観を有することができる。
本明細書における重量平均分子量は、東ソー株式会社製 HLC−8200を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した値である。測定条件は以下の通りである。
カラム TSgel Super Multipore HZ−M 3本
展開溶媒 テトラヒドロフラン
カラム注入口オーブン 40℃
流量 0.35ml
検出器 RI
標準ポリスチレン 東ソー株式会社製PSオリゴマーキット
水酸基含有アクリル樹脂(c−1)のガラス転移温度は、30℃以上60℃以下であり、ある態様においては30℃以上55℃以下であり、例えば、30℃以上50℃以下である。ガラス転移温度がこのような範囲内であることにより、クリヤー塗膜は、優れた耐汚染性、耐擦り傷性、及び硬度を有することができ、加えて、クリヤー塗膜形成組成物の速乾性が向上する。その上、優れた外観を有することができる。
本明細書におけるガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)(熱分析装置SSC5200(セイコー電子製))にて以下の工程により測定した値を用いた。具体的には、昇温速度10℃/minにて20℃から150℃に昇温する工程(工程1)、降温速度10℃/minにて150℃から−50℃に降温する工程(工程2)、昇温速度10℃/minにて−50℃から150℃に昇温する工程(工程3)において、工程3の昇温時のチャートから得られる値をガラス転移温度とした。
水酸基含有アクリル樹脂(c−1)の固形分酸価(AV)は、ある態様において、2mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、例えば、5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下である。別の態様において、5mgKOH/g15mgKOH/g以下である。水酸基含有アクリル樹脂(c−1)の酸価がこのような範囲内にあることにより、優れた外観を有するクリヤー塗膜を形成できる。
また、例えば、クリヤー塗膜に隣接してベース塗膜を形成する態様において、本開示に係るクリヤー塗料組成物とベース塗料組成物(ベース塗膜)との混層を防止でき、優れた意匠性を有するクリヤー塗膜を形成できる。
本発明に係る水酸基含有アクリル樹脂(c−1)を構成でき、上記条件を満たす好適なモノマー組成物としては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の、水酸基を含有するアクリル酸ヒドロキシエステル;メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル等の、水酸基を含有するメタクリル酸ヒドロキシエステル;のうちの少なくとも1つを含み、さらに、必要に応じて、アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソボロニル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸イソボロニル等のメタクリル酸エステル;スチレン等の芳香環を有するエチレン性不飽和モノマー;等のうちの少なくとも1つを含む組成物が挙げられる。モノマー組成物の組成は、水酸基含有アクリル樹脂に求められる各種物性に応じて適宜調節すればよい。
モノマー組成物は、例えば酢酸ブチル等の溶剤を用いて重合できる。また、溶剤の種類、重合時のモノマー組成物の濃度、或いは重合開始剤の種類、量、重合温度、重合時間等の重合条件は、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)に求められる各種物性に応じて適宜調節できる。したがって、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)の製造方法は特に限定されるものではなく、市販の水酸基含有アクリル樹脂(c−1)を用いてもよい。
水酸基含有アクリル樹脂(c−1)の量は、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、非水分散型アクリル樹脂(c−2)と、ジオール樹脂(c−3)とを含むクリヤー塗料組成物の樹脂固形分の合計100質量部に対して、50質量%以上、90質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上、90質量%以下であることがさらに好ましい。このような量であることにより、クリヤー塗膜、例えば、ベース塗膜(b)上に形成されるクリヤー塗膜の平滑性を良好に保つことが出来る。また、クリヤー塗料組成物の乾燥性にも優れ、クリヤー塗料組成物は、良好な取り扱い性を有することができる。
(非水分散型アクリル樹脂(c−2))
非水分散型アクリル樹脂(c−2)は、コアシェル構造を有し、前記コア部の水酸基価は100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、前記コア部のガラス転移温度は40℃以上80℃以下である。
また、アクリル樹脂(c−2)は、非水分散体(Non Aqueous Dispersion)である。
非水分散型アクリル樹脂(c−2)はクリヤー塗料組成物中において粒子状で存在すると考えられ、非水分散型アクリル樹脂(c−2)を用いることにより、高分子量であるにもかかわらず低粘度の塗料組成物とすることができる。非水分散型アクリル樹脂(c−2)は加熱硬化(焼付け)工程時に線状高分子となり、乾燥性が向上する。また、非水分散型アクリル樹脂(c−2)はクリヤー塗料組成物中で粒子状となっていると考えられるので、クリヤー塗料組成物中で官能基(カルボキシル基および水酸基)とポリイソシアネート化合物とを、加熱硬化(焼付け)工程を行うまで分離した状態としておくことができる。上記官能基とポリイソシアネート化合物とは焼き付け工程時に反応する。従って、塗料組成物のポットライフの長期化と反応性の向上とを両立させることができる。
その上、非水分散型アクリル樹脂(c−2)を含むことにより、硬化収縮を抑制でき、優れた塗膜外観を有する塗膜を形成できる。
また、焼き付け工程(加熱硬化工程)における焼き付け温度の低温化、焼き付け時間の短縮化を図ることができる。さらに、補修性にも優れ、組み付け性、取り扱い性を確保できる等、塗装作業性及び生産技術性に優れている。
前記コア部の水酸基価は100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、ある態様においては、110mgKOH/g以上、200mgKOH/g以下であり、例えば、120mgKOH/g以上、200mgKOH/g以下である。
コア部の水酸基価が上記範囲内であることにより、クリヤー塗膜に含まれる塗膜形成樹脂の架橋が充分になされ、クリヤー塗料組成物を、例えば、ベース塗膜または未硬化のベース塗膜上に塗装し、加熱硬化(焼き付け)してなる塗膜に対して、優れた耐ガソホール性および耐候性を付与できる。また、塗膜が親水化することを抑制でき、耐水性が低下することを防ぐことができる。更に、上記構成の非水分散体を用いることにより、加熱硬化(焼付け)直後の乾燥性を向上でき、および塗料組成物のポットライフを向上できる。
前記コア部のガラス転移温度は40℃以上80℃以下であり、ある態様では45℃以上80℃以下であり、例えば50℃以上80℃以下である。コア部のガラス転移温度がこのような範囲内であることにより、クリヤー塗料組成物は良好な乾燥性を保持できる。例えば、クリヤー塗料組成物をベース塗膜または未硬化のベース塗膜上に塗装し、加熱硬化(焼付け)してなる塗膜に対する乾燥性を向上できる。更に、クリヤー塗膜形成に必要な焼付を、従来と比べて短時間で行え、その上、要求される塗膜硬度と外観性能を確保できる。また、得られるクリヤー塗膜は、優れた平滑性および柔軟性を有することができる。
コア部の酸価(AV)は、ある態様において、60mgKOH/g以下であり、例えば、50mgKOH/g以下であり、好ましくは40mgKOH/g以下である。下限値は0mgKOH/g以上である。コア部の酸価が上記範囲内であることにより、クリヤー塗料組成物をベース塗膜上に塗装し焼き付けてなる複層塗膜は、良好な耐水性を有することができる。
コア部は、分子量が十数万程度と高分子量であり、焼き付け工程時に溶剤が揮発することによって粒子構造が崩れて線状高分子となってもよい。また、コア部は、架橋構造を有していてもよい。
非水分散型アクリル樹脂(c−2)は、例えば、(i)コア部に、高反応性水酸基を有し、エステル部位の炭素数が4以上、12以下である、水酸基含有アクリル酸エステルモノマーを含むことが好ましい。このようなエステルモノマーを含むことにより、低温短時間焼付をより効果的に行うことができる。
別の態様において、非水分散型アクリル樹脂(c−2)は、(ii)コア部に、カルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーと、水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとを含んでもよい。
(i)のモノマーを含むコア部
コア部に含まれる水酸基含有アクリル酸エステルモノマー(以下、長鎖水酸基含有モノマーと記載する場合がある)は、水酸基を有し、好ましくは、エステル部位の末端に水酸基を有し、エステル部位の炭素数が4以上、12以下のアクリル酸エステルモノマーであり得る。好ましくは、エステル部位の炭素数は、4以上8以下である。
例えば、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA)、CH=C(R)COO(CHO[CO(CH)mO]nH(式中、Rは水素または炭素数が6以下の低級アルキル基、m,nは「(CHO[CO(CH)mO]n」部位の炭素数が4以上、12以下となる自然数)等が挙げられる。
また、水酸基含有アクリル酸エステルモノマーとして、市販品を用いてもよい。
コア部が水酸基含有アクリル酸エステルモノマーを含む場合において、当該コア部は、さらに、カルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーと、水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマー(以下、短鎖水酸基含有モノマーと記載する場合がある)とを含んでいてもよい。
ある態様において、さらに、コア部は、必要に応じて、アクリル酸;アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル;ビニル基を1つまたは2つ有するモノマー;イソシアネート基を有するモノマー;アリル基を有するモノマー;エポキシ基を有するモノマー;ビニル基を1つまたは2つ有する酸無水物;を含んでいてもよい。
コア部に含まれるカルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマー(以下、COOH含有モノマーと記載する場合がある)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
コア部に含まれる水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、水酸基を含有し、エステル部位の炭素数が1〜3或いは13以上のアクリル酸エステルモノマーが挙げられ、このうち、エステル部位の炭素数が1〜3のアクリル酸エステルモノマーがより好ましく、具体的には、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の、水酸基を含有するアクリル酸ヒドロキシエステル;メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等の、水酸基を含有するメタクリル酸ヒドロキシエステル;等が挙げられる。
(ii) のモノマーを含むコア部
コア部に含まれるカルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
コア部に含まれる水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、水酸基を含有し、エステル部位の炭素数が1〜3或いは13以上のアクリル酸エステルモノマーが挙げられ、このうち、エステル部位の炭素数が1〜3のアクリル酸エステルモノマーがより好ましく、具体的には、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の、水酸基を含有するアクリル酸ヒドロキシエステル;メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等の、水酸基を含有するメタクリル酸ヒドロキシエステル;等が挙げられる。
さらに、当該コア部は、必要に応じて、アクリル酸;アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル;ビニル基を1つまたは2つ有するモノマー;イソシアネート基を有するモノマー;アリル基を有するモノマー;エポキシ基を有するモノマー;ビニル基を1つまたは2つ有する酸無水物;を含んでいてもよい。
本開示に係る非水分散型アクリル樹脂(c−2)におけるコア部について、エステル部位の炭素数が4以上、12以下の水酸基含有アクリル酸エステルモノマーを含む場合((i) のコア部)と、当該水酸基含有アクリル酸エステルモノマーを含まない場合((ii)のコア部)を例示できる。
さらに、エステル部位の炭素数が4以上、12以下の水酸基含有アクリル酸エステルモノマーを含む場合、上記(ii)のコア部に含まれる、カルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーおよび水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーをさらに含んでもよい。即ち、本発明におけるコア部には、(I) 上記水酸基含有アクリル酸エステルモノマーを含む場合、(II)上記水酸基含有アクリル酸エステルモノマーと、カルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーおよび水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとを含む場合、(III) 上記水酸基含有アクリル酸エステルモノマーを含まず、カルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーおよび水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーを含む場合、の3通りのモノマー組成が存在し得る。
コア部に含まれるカルボキシル基と長鎖水酸基含有モノマーの水酸基との合計量は、ある態様においては、0.1mmol/g以上、1.5mmol/g以下であり、例えば、0.2mmol/g以上、1.4mmol/g以下である。コア部に含まれるカルボキシル基と長鎖水酸基含有モノマーの水酸基との合計量がこのような範囲内であることにより、クリヤー塗料組成物を、例えば、ベース塗膜または未硬化のベース塗膜上に塗装したときの乾燥性が良好であり、優れた取り扱い性を示す。また、塗膜の架橋が充分となり、クリヤー塗膜及び複層塗膜の耐ガソホール性、耐候性を良好なものとできる。また、クリヤー塗料組成物を焼き付ける加熱硬化工程(焼付け工程)において、ポリイソシアネート化合物(c−4)との反応速度を適切な範囲に保持でき、形成されるクリヤー塗膜及び複層塗膜の硬化収縮を抑制でき、クリヤー塗膜(複層塗膜)の外観(仕上がり外観)を良好なものに出来る。
シェル部
非水分散型アクリル樹脂(c−2)におけるシェル部(分散樹脂)は、水酸基含有アクリル樹脂で形成されていることが好ましく、水酸基価が50mgKOH/g以上、160mgKOH/g以下、ガラス転移温度が0℃以上、80℃以下、酸価が30mgKOH/g以下(下限値は0mgKOH/g)であるという条件を満たしていることがより好ましい。
具体的には、シェル部の水酸基価は、ある態様においては、50mgKOH/g以上、160mgKOH/g以下であり、例えば、60mgKOH/g以上、150mgKOH/g以下であり、一態様においては70mgKOH/g以上、140mgKOH/g以下である。シェル部の水酸基価がこのような範囲内であることにより、クリヤー塗膜に含まれる塗膜形成樹脂の架橋が十分となり、クリヤー塗料組成物を、例えば、ベース塗膜または未硬化のベース塗膜上に塗装し、加熱硬化(焼付け)してなる塗膜は、耐ガソホール性および耐候性に優れた塗膜となる。また、クリヤー塗膜が親水化し、耐水性が低下することを抑制できる。
シェル部のガラス転移温度は、ある態様においては、0℃以上、80℃以下であり、例えば、10℃以上、80℃以下であり、一態様においては、20℃以上、70℃以下である。シェル部のガラス転移温度がこのような範囲内であることにより、クリヤー塗料組成物を、例えば、ベース塗膜または未硬化のベース塗膜上に塗装し、加熱硬化する際の乾燥性を良好にできる。また、形成されるクリヤー塗膜の硬度が優れたものとなる。さらに、クリヤー塗料組成物を、例えば、ベース塗膜または未硬化のベース塗膜上に塗装する時の粘度(塗装時粘度)が上昇することを抑制でき、クリヤー塗膜の外観(仕上がり外観)を良好なものとすることができる。また、塗装時の粘度を低下させるために溶剤使用量を低減でき、クリヤー塗料組成物の加熱硬化(焼付け)工程における揮発性有機化合物(VOC)を低減できる。
非水分散型アクリル樹脂(c−2)におけるシェル部の酸価は、ある態様においては、30mgKOH/g以下であり、例えば、20mgKOH/g以下であり、別の態様においては10mgKOH/g以下である。シェル部の酸価がこのような範囲内であることにより、クリヤー塗料組成物を、例えば、ベース塗膜または未硬化のベース塗膜上に塗装し焼き付けてなるクリヤー塗膜が親水化し、耐水性が低下することを抑制できる。
非水分散型アクリル樹脂(c−2)のシェル部を製造するのに好適なモノマー組成物としては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の、水酸基を含有するアクリル酸ヒドロキシエステル;メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル等の、水酸基を含有するメタクリル酸ヒドロキシエステル;のうちの少なくとも1つを含み、さらに、必要に応じて、アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソボロニル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸イソボロニル等のメタクリル酸エステル;スチレン等の芳香環を有するエチレン性不飽和モノマー;等のうちの少なくとも1つを含む組成物が挙げられる。モノマー組成物の組成は、シェル部に求められる各種物性に応じて適宜調節すればよい。
さらに、当該モノマー組成物は、必要に応じて、ビニル基を1つまたは2つ有するモノマー;イソシアネート基を有するモノマー;アリル基を有するモノマー;エポキシ基を有するモノマー;ビニル基を1つまたは2つ有する酸無水物;を含んでいてもよい。
シェル部を形成するモノマー組成物は例えば酢酸ブチル等の溶剤を用いて重合できる。
溶剤の種類、重合時のモノマー組成物の濃度、或いは重合開始剤の種類、量、重合温度、重合時間等の重合条件は、シェル部に求められる各種物性に応じて適宜調節できる。従って、シェル部の製造方法は特に限定されるものではなく、市販のものを用いてもよい。
(コアシェル構造を有する非水分散型アクリル樹脂(c−2)の製造)
例えば、上記シェル部と、上記コア部を形成する水酸基含有アクリル酸エステルモノマーおよび/またはα,β−エチレン性不飽和モノマー等のモノマーとを、コア部を形成するモノマーは溶解するが、ポリマーは溶解しない溶剤中で重合することにより、非水分散型アクリル樹脂(c−2)を製造できる。
非水分散型アクリル樹脂(c−2)は、コア部とシェル部に存在する、水酸基、エステル基、カルボキシル基等の相互作用により溶剤中に安定化して存在している。例えば、コア部に長鎖水酸基含有モノマーを配合することで、非水分散型アクリル樹脂(c−2)の安定性がより向上することが期待できる。これは、長鎖水酸基のエステル部位の炭素数が4以上と長く、フレキシブルな構造であるため、シェル部の水酸基やエステル基、カルボキシル基等との相互作用の効率が高まるためであると考えられる。
コア部への長鎖水酸基含有モノマーの配合以外にも、非水分散型アクリル樹脂(c−2)の安定性をより向上させるために、コア部とシェル部をグラフトしてもよく、またはコア部の架橋を実施してもよく、さらにこれらとコア部への長鎖水酸基含有モノマーの配合とを併用してもよい。
上記グラフト重合においては、アクリル基やメタクリル基と、シェル部やコア部に必要に応じて含まれているモノマーが有するビニル基やイソシアネート基、アリル基、エポキシ基、酸無水物基との間でグラフト構造や架橋構造を形成してもよい。これら官能基の量を調節することにより、架橋の度合いを調節することができる。
また、グラフト重合においては例えば酢酸ブチル等の溶剤を用いればよい。溶剤の種類、重合時のシェル部およびコア部の濃度、或いは重合開始剤の種類、量、重合温度、重合時間等の重合条件は、非水分散型アクリル樹脂(c−2)に求められる各種物性に応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではない。
ある態様においては、上記水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、非水分散型アクリル樹脂(c−2)の質量比は、((c−1)/(c−2))=90/10〜50/50であり、好ましくは、((c−1)/(c−2))=85/15〜60/40であり、例えば、((c−1)/(c−2))=80/20〜65/35である。
本発明に係る水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、本発明に係る非水分散型アクリル樹脂(c−2)の質量比がこのような範囲内であることにより、クリヤー塗料組成物を焼付後、クリヤー塗膜は、塗膜硬度と良好な外観を維持できる。また、一般的に使用されるクリヤー塗料組成物と比べて、より低温、短時間の焼付で、クリヤー塗膜に要求される塗膜硬度と外観性能を確保でき、環境に対する負荷を低減できる。
クリヤー塗料組成物に占める非水分散型アクリル樹脂(c−2)の量は、クリヤー塗膜形成樹脂として、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、非水分散型アクリル樹脂(c−2)と、ジオール樹脂(c−3)と、を含むクリヤー塗料組成物の樹脂固形分の合計100質量部に対して、例えば、10質量%以上、50質量%以下であり、ある態様においては、10質量%以上、40質量%以下である。非水分散型アクリル樹脂(c−2)の量がこのような範囲内であることにより、クリヤー塗料組成物の乾燥性を良好にでき、取り扱い性に優れた組成物を得ることができる。また、形成されるクリヤー塗膜の平滑性を良好にできる。
(ジオール樹脂(c−3))
本発明に係るクリヤー塗料組成物は、塗膜形成樹脂としてジオール樹脂(c−3)を含む。ジオール樹脂(c−3)は、水酸基価が80mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である。更に、ジオール樹脂(c−3)は、ポリカーボネートジオール樹脂、ポリエーテルジオール樹脂、ポリエステルジオール樹脂及びポリカプロラクトンジオール樹脂から選択される少なくとも1種を含む。ジオール樹脂は、室温20℃で液状であることが好ましい。
ジオール樹脂(c−3)が、このような特性を有することにより、クリヤー塗料組成の焼付後の硬化塗膜(クリヤー塗膜)は、優れた塗膜性能と、デュポン衝撃強度とを確保できる。例えば、より優れた、低温でのデュポン衝撃強度を備えることができる。
また、低粘度のためフロー性向上、外観向上を図ることができる。
ある態様において、ジオール樹脂(c−3)の水酸基価は80mgKOH/g以上180mgKOH/g以下であり、例えば、水酸基価は80mgKOH/g以上160mgKOH/g以下である。別の態様において、ジオール樹脂(c−3)の水酸基価は90mgKOH/g以上180mgKOH/g以下であり、例えば、ジオール樹脂(c−3)の水酸基価は90mgKOH/g以上170mgKOH/g以下である。
ジオール樹脂(c−3)の水酸基価がこのような範囲内であることにより、クリヤー塗料組成の焼付後の硬化塗膜(クリヤー塗膜)は、より優れた塗膜性能と、デュポン衝撃強度とを確保できる。例えば、より優れた、低温でのデュポン衝撃強度を備えることができる。
ある態様において、ジオール樹脂(c−3)のガラス転移温度は0℃以下であり、例えば、−20℃以下である。ある態様において、ジオール樹脂(c−3)のガラス転移温は、−50℃以下である。
ジオール樹脂(c−3)のガラス転移温度がこのような範囲であることにより、低温、例えば、−20℃でのデュポン衝撃強度を、より良好にできる。
ジオール樹脂(c−3)は、例えば、ポリカーボネートジオール樹脂、ポリエーテルジオール樹脂、ポリエステルジオール樹脂及びポリカプロラクトンジオール樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂であってよい。例えば、ジオール樹脂(c−3)は、ポリエステルジオール樹脂である。ジオール樹脂(c−3)がポリエステルジオール樹脂であることにより、より良好に、低温でのデュポン衝撃強度を備えることができる。
ポリエステルジオール樹脂は、通常の重合方法によって製造できる。例えば、ポリエステルジオール樹脂は、アルコール化合物と酸を縮合反応して製造することができる。具体的には、メチルプロパンジオール、ジエチレングリコールなどのアルコール化合物とアジピン酸、イソフタル酸などの酸を縮合反応して製造することができる。
クリヤー塗料組成物(但し、溶剤を除いた固形分)に占めるジオール樹脂(c−3)の量は、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、非水分散型アクリル樹脂(c−2)との樹脂固形分の合計100質量部に対して、例えば1質量部以上15質量部以下であり、ある態様においては1質量部以上10質量部以下である。
ジオール樹脂(c−3)の量がこのような範囲内であることにより、焼付け後、低温でのデュポン衝撃強度が優れ、その上、クリヤー塗膜に要求される塗膜硬度をバランスよく備えることができる。
さらに、本発明に係るジオール樹脂(c−3)を上記範囲内で含むことにより、本開示に係る特定の水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、本開示に係る特定の非水分散型アクリル樹脂(c−2)と、ポリイソシアネート化合物(c−4)の組み合わせを有する、本開示に係るクリヤー塗料組成物は、さらに短時間で焼付けを行うことができる。
(ポリイソシアネート化合物(c−4))
本発明に係るクリヤー塗膜(c)は、塗膜形成樹脂として、ポリイソシアネート化合物(c−4)を含む。ポリイソシアネート化合物(c−4)を用いることにより、クリヤー塗料組成物の硬化反応速度を向上させることができる。
例えば、非水分散型アクリル樹脂(c−2)のコア部が水酸基含有アクリル酸エステルモノマーを含む場合、ポリイソシアネート化合物(c−4)を用いることにより、クリヤー塗料組成物の硬化反応速度を更に向上できる。
本発明に係るクリヤー塗料組成物は、塗膜形成樹脂として、ポリイソシアネート化合物(c−4)を含むことにより、クリヤー塗料組成物を塗装するときに、例えば、下層となり得るベース塗膜または未硬化のベース塗膜へ、ポリイソシアネート化合物(c−4)の一部が浸透し得るので、ベース塗膜(b)とクリヤー塗膜(c)との架橋性が向上する。
ポリイソシアネート化合物(c−4)としては、イソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート等の芳香族のもの;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族のもの;イソホロンジイソシアネート等の脂環族のもの;その単量体及びそのビュレットタイプ、ヌレートタイプ、アダクトタイプ等の多量体等を挙げることができる。例えば、イソシアヌレートおよびウレトジオン構造を有していることがさらに好ましい。
ポリイソシアネート化合物の市販品としては、デュラネート24A−90PX(NCO:23.6%、商品名、旭化成社製)、スミジュールN−3200−90M(商品名、住化バイエルウレタン社製)、タケネートD165N−90X(商品名、三井武田ケミカル社製)、スミジュールN−3300、スミジュールN−3500(いずれも商品名、住化バイエルウレタン社製)、デュラネートTHA−100(商品名、旭化成社製)等を挙げることができる。また、必要に応じてこれらをブロックしたブロックイソシアネートを使用することもできる。
ある態様において、ポリイソシアネート化合物(c−4)に含まれるイソシアネート基と、前記水酸基含有アクリル樹脂(c−1)、非水分散型アクリル樹脂(c−2)およびジオール樹脂(c−3)に含まれる水酸基との当量比(NCO/OH)は、0.7以上2.0以下であり、好ましくは(NCO/OH)は、0.7以上1.8以下であり、例えば、(NCO/OH)は、0.8以上1.5以下であり、ある態様では0.8以上1.0未満である。上記当量比(NCO/OH)がこのような範囲内であることにより、充分な架橋密度を有し、優れた強度を有するクリヤー塗膜を得ることができる。更に、優れた耐候性、硬度を有する塗膜を形成できる。好ましくは、ポリイソシアネート化合物(c−4)は、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)および非水分散型アクリル樹脂(c−2)との間で、上記のような当量比を有する量で、クリヤー塗料組成物に含まれる。
なお、本明細書において、特に記載の無い限り、単に当量比(NCO/OH)と記載する場合、ポリイソシアネート化合物(c−4)に含まれるイソシアネート基と、前記水酸基含有アクリル樹脂(c−1)、非水分散型アクリル樹脂(c−2)およびジオール樹脂(c−3)に含まれる水酸基との当量比を意味する。
(セルロース誘導体)
本開示のクリヤー塗料組成物は、更にセルロース誘導体を含み得る。セルロース誘導体を含むことにより、本開示のクリヤー塗料組成物は、従来よりも低温、短時間での焼付が可能となり、その上、低温、短時間での焼付でありながらも、クリヤー塗膜に要求される塗膜硬度と外観性能とを確保できる。
セルロース誘導体は、特に限定されるものではない。例えば、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートからなる群から選ばれた一つ以上のセルロース誘導体を挙げることができる。セルロース誘導体として、塗膜形成樹脂との溶解性、粘性の発現等の観点からセルロースアセテートブチレートであることが更に好ましい。
例えば、ASTM−D−817に記載された測定法によるアセチル化度が、1〜34質量%、ブチリル化度が16〜60質量%、ASTM−D−1343に記載された測定法による粘度が0.005〜20秒の範囲に入るものが特に好ましい。
セルロースアセテートブチレートの一例として、例えば、イーストマンケミカルプロダクト社の、CAB−551−0.01(粘度=0.01秒、ブチリル基含有量=53%)、CAB−551−0.2(粘度=0.20秒、ブチリル基含有量=52%)、CAB−531−1(粘度=1.90秒、ブチリル基含有量=50%)、CAB−500−1(粘度=1.00秒、ブチリル基含有量=51%)、CAB−500−5(粘度=5.00秒、ブチリル基含有量=51%)、CAB−553−0.4(粘度=0.30秒、ブチリル基含有量=46%)、CAB−381−0.1(粘度=0.10秒、ブチリル基含有量=38%)、CAB−381−0.5(粘度=0.50秒、ブチリル基含有量=38%)、CAB−381−2(粘度=2.00秒、ブチリル基含有量=38%)、CAB−321−0.1(粘度=0.10秒、ブチリル基含有量=31.2%)、CAB−171−15S(粘度=15.00秒、ブチリル基含有量=17%)等が挙げられる。
上記セルロースアセテートブチレートは、1種または2種以上を併用してもよい。
クリヤー塗料組成物がセルロース誘導体を含む態様において、量は、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、非水分散型アクリル樹脂(c−2)と、ジオール樹脂(c−3)とを、含むクリヤー塗料組成物の樹脂固形分の合計100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であり、例えば、0.2質量部以上7質量部以下であり、ある態様において、0.5質量部以上5質量部以下である。セルロース誘導体を、このような範囲内で含むことにより、クリヤー塗料組成物の塗装作業性をも更に向上させることができる。
(その他の添加剤)
クリヤー塗膜を形成するクリヤー塗料組成物は、上述した成分以外に、塗料分野において一般的に配合される添加剤を配合するものであってもよい。例えば、透明性を阻害しない範囲において、ベースカラー顔料、メタリック顔料を含有させることができる。さらに、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、酸化防止剤、架橋樹脂粒子、表面調整剤等を配合することもできる。
クリヤー塗料組成物は、例えば、その製造時に使用し得る酢酸ブチル等の溶剤を含んでもよい。クリヤー塗料組成物の濃度は、取り扱い性に優れた濃度であればよく、必要に応じて、酢酸ブチル等の溶剤を用いて希釈すればよい。
クリヤー塗料組成物は、既知の触媒を含んでもよい。例えば、錫触媒を含んでもよい。クリヤー 塗料組成物中の錫触媒の配合量は、クリヤー塗料組成分中に配合される水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、非水分散型アクリル樹脂(c−2)の樹脂固形分の合計100質量部に対して、0質量部以上0.05質量部以下、ある態様においては、0.01質量部以上0.02質量部以下であることが好ましい。錫触媒の配合量がこのような範囲内で配合されることにより、クリヤー塗料組成物を焼き付ける工程において、クリヤー塗料組成物に含まれる塗膜形成樹脂との反応速度を好適な範囲にでき、塗料組成物の乾燥性をより良好にすることができる。また、得られるクリヤー塗膜は、より充分な硬度、塗膜外観等を得ることができる。さらに、触媒の配合量を適宜選択することにより、クリヤー塗料組成物のポットライフ調整できるので、車体、大型化した自動車部品、例えばバンパー部品等にも良好な作業性を示し得る。
(クリヤー塗膜の形成)
クリヤー塗膜は、塗膜形成樹脂として、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、非水分散型アクリル樹脂(c−2)と、ジオール樹脂(c−3)と、ポリイソシアネート化合物(c−4)とを含むクリヤー塗料組成物の乾燥塗膜である。
クリヤー塗膜の厚みは、15〜50μmであることが好ましい。15μm未満では下地の凹凸が隠蔽できないという問題を生じるおそれがあり、50μmを超えると塗装時にワキ・タレなどの不具合が起こるという問題を生じるおそれがある。好ましくは20μm以上45μm以下である。上記乾燥膜厚は、SANKO社製SDM−miniRを用いて測定することができる。
(複層塗膜形成用塗料組成物セット)
本開示は、一態様において、複層塗膜形成用塗料組成物セットを提供する。
本開示に係る複層塗膜形成用塗料組成物セットは、
プライマー塗膜を形成するプライマー塗料組成物と、ベース塗膜を形成するベース塗料組成物と、クリヤー塗膜を形成する、本開示に係るクリヤー塗料組成物(c)とを含む、複層塗膜形成用塗料組成物セットであって、
プライマー塗料組成物の乾燥塗膜の−20℃での引張伸度が5〜35%であり、
ベース塗料組成物は、着色剤を含む。
複層塗膜形成用塗料組成物セットが、本開示に係る特定の塗料組成物を有することにより、複層塗膜形成用塗料組成物セットを用いて形成された複層塗膜は、寒冷地(例えば、−20℃)においても優れた耐衝撃性を有する。
更に、本発明に係る複層塗膜形成用塗料組成物セットであれば、優れた外観、硬度、初期付着性、耐ガソホール性、耐湿性、耐ガソホール性、耐衝撃性(例えば、−20℃でのデュポン衝撃強度)を有する複層塗膜を得ることができる。更に、良好な塗膜の追従性を有する。
例えば、複層塗膜は、プライマー塗膜を形成するプライマー塗料組成物(a)と、ベース塗膜を形成するベース塗料組成物(b)と、クリヤー塗膜を形成するクリヤー塗料組成物(c)をこの順で、被塗物に塗装し、加熱硬化(焼付)させることにより得られる。
以下において、各塗料組成物(a)及び(b)、並びに複層塗膜について説明する。
なお、本開示に係るクリヤー塗料組成物(c)は、上述のクリヤー塗料組成物に関連する記載を援用できる。
ある態様において、プライマー塗膜と、ベース塗膜と、クリヤー塗膜とを有する複層塗膜の、−20℃でのデュポン衝撃強度は、4.9J以上である。これにより、寒冷地(例えば、−20℃)においても、より優れた耐衝撃性を有することができる。
(プライマー塗料組成物(a))
本発明に係るプライマー塗料組成物(a)は、プライマー塗料組成物(a)の乾燥塗膜の−20℃での引張伸度が、5〜35%であることが好ましい。例えば、引張伸度は10〜30%であってもよい。
本明細書において、引張伸度は、以下に示した方法によって測定した値である。
(引張伸度の測定方法)
(i)塗膜がハクリ可能な塗板上に乾燥膜厚が30μmになるように塗装し、塗装後に80℃で25分間乾燥させて塗膜を形成する。
(ii)縦10mm×横50mmの大きさに試験片を作製し、両端にマスキングテープを貼りつけ、マスキングテープの残り半分を裏面へ折り返す。
(iii)島津オートグラフ(AG-IS)にてマイナス20℃の環境下、5mm/minの引張り速度で測定する。
(iv)5サンプル測定してその平均値を算出する。
プライマー塗膜(a)の引張伸度がこのような範囲内であることにより、例えば、低温時(例えば−20℃)の衝撃強度に優れる。また、良好な塗膜の追従性を有する。
上記プライマー塗料組成物としては、上述した引張伸度を満たすものであれば特に限定されない。
ある態様において、被塗物としてのプラスチック基材に導電性を付与することができる導電性プライマーが好ましい。なかでも、水性導電プライマーであることが好ましく、例えば、プライマー用樹脂及び導電剤(カーボンブラック、アンチモンドープ酸化スズ処理酸化チタン等)、さらに必要に応じて白色顔料、その他の原料を含んだものを挙げることができる。
上記水性導電プライマー中の水の配合割合は、導電プライマー全体に対して、好ましくは45〜90質量%、さらに好ましくは50〜80質量%である。水の配合割合が45質量%未満であると、粘度が高くなり、貯蔵安定性、塗装作業性が低下する。他方、水の配合割合が90質量%を超えると、不揮発分量の割合が低下し、塗装効率が悪くなり、タレ、ワキなどの外観異常が生じやすくなる。上記水性導電プライマーは、有機溶剤をさらに含んでもよく、その配合割合は、通常、含まれる水に対して40質量%以下である。
上記水性導電プライマーのプライマー用樹脂成分としては、酸変性ポリプロピレン、酸変性塩素化ポリオレフィン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂;水性アルキッド樹脂、水溶性アクリル樹脂等の顔料分散樹脂などを用いることが好ましい。これらのすべてを含有するものであってもよい。
プライマー塗膜を形成するプライマー塗料組成物(a)は、例えば、スプレー塗装またはベル塗装などの手法で塗ることができる。上記基材は、必要に応じて、洗浄、脱脂しておいてもよい。
プライマー塗膜は、乾燥膜厚で5〜30μmであることが好ましい。5μm未満では隠ぺい性不足となり、30μmを超えるとワキ及びタレが発生し易くなる。好ましくは10〜20μmである。上記乾燥膜厚は、SANKO社製SDM−miniRを用いて測定することができる。
プライマー塗料組成物から形成した塗膜伸び率は、プライマー塗料組成物に含まれる組成の調整、使用する樹脂の組成を既知の方法で調整することによって調整できる。また、塗料用アルキド樹脂、塗料用ポリエステル樹脂、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びその混合物等のソフトナーを使用して調整してもよい。
(ベース塗料組成物(b))
本発明におけるベース塗料組成物は、着色剤を含む。このようなベース塗料組成物は特に限定されず、公知の塗料組成物であってよい。着色剤も公知の無機顔料、有機顔料等であってよい。その配合量も特に限定されるものではない。ベース塗料組成物は水性であっても、溶剤系であってもよい。また、着色ベース層及びマイカベース層の2層を形成する複数の塗料組成物を含んでもよい。ベース塗料組成物から形成されるベース塗膜の厚みは、10μm以上30μm以下であることが好ましい。10μm未満では隠蔽性が不足するという問題を生じるおそれがあり、30μmを超えるとタレ、ワキ等の不具合が発生するおそれがある。好ましくは15μm以上20μm以下である。上記乾燥膜厚は、SANKO社製SDM−miniRを用いて測定することができる。
ベース塗料組成物は、溶剤系一液型ベース塗料組成物、溶剤系二液型ベース塗料組成物又は水性一液型ベース塗料組成物から形成された塗膜であることが好ましい。これらのいずれの形態のものであっても、本発明の目的に好適に使用できる。
ベース塗膜は、ベース塗料組成物(b)から、既知の方法により形成できる。
ある態様において、本開示の複層塗膜形成用塗料組成物セットは、プライマー塗料組成物から形成したプライマー塗膜を形成と、ベース塗料組成物から形成したベース塗膜と、本開示に係るクリヤー塗料組成物から形成したクリヤー塗膜を有する複層塗膜を形成でき、得られる複層塗膜の−20℃でのデュポン衝撃強度は4.9J以上である。
このような特定の複層塗膜を形成できる、本開示の複層塗膜形成用塗料組成物セットは、寒冷地においても優れた耐衝撃性を有する複層塗膜を形成でき、さらに、優れた外観を有する複層塗膜を形成できる。その上、例えば、クリヤー塗料組成物の焼き付け工程における焼き付け温度の低温化、焼き付け時間の短縮化を可能にできる。
複層塗膜に関する、−20℃でのデュポン衝撃強度の測定は、後述の実施例の記載を参照することにより測定できる。
(複層塗膜の形成方法)
別の態様において、本開示は、以下の、複層塗膜の形成方法を開示する。
本開示の複層塗膜の形成方法は、本開示に係るクリヤー塗料組成物を塗装し、未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、及び、
未硬化のクリヤー塗膜を加熱硬化させ、クリヤー塗膜を形成する工程を含む。
本開示の複層塗膜の形成方法であれば、特定のクリヤー塗料組成物を用いるので、例えば、クリヤー塗料組成物の硬化時間を大幅に短縮でき、さらには、複層塗膜の硬化時間を大幅に短縮できる。その上、硬化温度も大きく低減できる。
また、本開示の形成方法により得られる複層塗膜は、寒冷地においても優れた耐衝撃性を有する複層塗膜を形成でき、さらに、優れた外観を有する複層塗膜を形成できる。
本開示の複層塗膜の形成方法においては、未硬化の塗膜を加熱硬化させ、複層塗膜を形成する工程を含む。未硬化の塗膜の加熱硬化は、例えば、焼き付けにより行える。
ある態様において、加熱硬化の条件は、65℃以上90℃以下、5分以上45分以下である。加熱硬化の条件は、例えば、70℃以上80℃以下であってよい。
例えば、加熱硬化をこのような範囲とすることにより、迅速な塗膜硬化とプラスチック成型品の変形防止を両立できる。さらに、耐湿性、低温耐衝撃性(例えば、−20℃でのデュポン衝撃強度)において優れる塗膜を形成できる。
ここで、本発明の製造方法によると、例えば、従来は80℃で20分程度必要であった焼き付け時間を、同じ焼き付け温度であっても、約半分程度にまで短縮できる。さらに、大型の被塗物、例えば車両、バンパーなどに対しても、複層塗膜を、従来と比べて短時間で形成できる。これは、本発明の方法に係る、特定の樹脂の組合せを含むクリヤー塗料組成物が、大きく貢献していると考えられる。
このような加熱硬化(焼付け)時間であっても、塗膜の硬化を充分に行え、優れた耐水性及び耐ガソホール性を有する複層塗膜を形成できる。更に、従来と比べて、加熱硬化時間を短縮しながらも、タック性および研ぎ性に優れた複層塗膜(硬化塗膜)を形成できる。
なお、この加熱硬化(焼付け)時間は、基材表面が実際に目的の焼き付け温度を保持しつづけている時間を意味し、より具体的には、目的の焼き付け温度に達するまでの時間は考慮せず、目的の温度に達してから該温度を保持しつづけているときの時間を意味する。
塗料組成物の未硬化膜を同時に焼き付けるのに用いる加熱装置として、例えば、熱風、電気、ガス、赤外線などの加熱源を利用した乾燥炉などが挙げられる。また、これら加熱源を2種以上併用した乾燥炉を用いると、乾燥時間が短縮されるため好ましい。
ある態様において、本開示の複層塗膜の形成方法は、被塗物に、プライマー塗料組成物を塗装し、未硬化のプライマー塗膜を形成する工程、
未硬化のプライマー塗膜上に、ベース塗料組成物を塗装し、未硬化のベース塗膜を形成する工程、
未硬化のベース塗膜上に、本開示に係るクリヤー塗料組成物を塗装し、未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、並びに
これらの未硬化の塗膜を加熱硬化させ、複層塗膜を形成する工程を含む。
ある態様において、本開示に係る複層塗膜形成方法により得られる複層塗膜の−20℃でのデュポン衝撃強度は、4.9J以上である。
本開示に係る複層塗膜形成方法により得られる複層塗膜は、例えば、−20℃でのデュポン衝撃強度が4.9J以上である。これは、本発明の方法に係る、特定のパラメータを有する特定の樹脂の組合せを含むクリヤー塗料組成物が、大きく貢献していると考えられる。
本開示の複層塗膜の形成方法において、用いることができるプライマー塗料組成物、ベース塗料組成物及びクリヤー塗料組成物は、上述の各組成物に関する記載を援用できる。
複層塗膜の形成方法は、例えば、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、通常の塗装方法を適宜採用できる。
(被塗物)
被塗物は、用途、機能などに応じて適宜選択できる。
ある態様において、被塗物として、通電可能な種々の被塗物を用いることができる。使用できる被塗物として例えば、冷延鋼板、熱延鋼板、ステンレス、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金系めっき鋼板、亜鉛−鉄合金系めっき鋼板、亜鉛−マグネシウム合金系めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金系めっき鋼板、アルミニウム系めっき鋼板、アルミニウム−シリコン合金系めっき鋼板、錫系めっき鋼板などが挙げられる。
これら被塗物は、既知の化成処理などを施した被塗物であってもよい。
ある態様において、被塗物としてプラスチック基材を用いることができる。例えば、自動車用部品に使用する、プラスチック基材であってよい。例えば、プラスチック基材は、ポリプロピレンやポリオレフィンまたはエラストマー変性ポリプロピレン樹脂を含む。エラストマー変性ポリプロピレン樹脂は、特に限定されず、公知の市販のものを使用することができる。更に、樹脂以外に必要に応じて添加剤を添加したものであってもよい。また、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂製の被塗物を用いてもよい。
上記−20℃でのデュポン衝撃強度は、以下の実施例において詳述した方法によって測定したものである。
以下、本発明を実施例によって説明する。実施例中、配合割合において%とあるのは特に言及がない限り質量%を意味する。本発明は以下に記載した実施例に限定されるものではない。
(合成例C−1−1)
水酸基含有アクリル樹脂Ac(1)の製造
温度調節器、攪拌翼、還流管、窒素導入口を備えた2Lのセパラブルフラスコに、酢酸ブチル444.27gを仕込み、フラスコ内部を窒素雰囲気下にした後、温度を130℃に昇温して一定に保った。一方、スチレン(ST)255g、メタクリル酸(MAA)8.5g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)394.4g、アクリル酸2−エチルヘキシル(EHA)117.47g、メタクリル酸イソブチル(iBMA)74.72g、およびカヤエステルO 102gの混合液を滴下ロートに入れて、3時間かけて滴下した。
次いで、1時間反応を継続した後、後開始剤として、酢酸ブチル204g、カヤエステルO 20.4gの混合液を30分間かけて滴下し、更に1時間反応を継続して固形分60%の水酸基含有アクリル樹脂Ac(1)を得た。水酸基含有アクリル樹脂Ac(1)の配合量および物性を表1に示す。
(合成例C−1−2〜C−1−9)
水酸基含有アクリル樹脂Ac(2)〜Ac(9)の合成
合成例(C−1−1)で用いた設備と同様の設備を用いて、表1に記載の配合量となるように溶剤、モノマー、開始剤、重合温度に変更した以外は合成例(C−1−1)の合成手順、操作と同様の合成手順、操作を行い、表1に記載の水酸基含有アクリル樹脂Ac(2)〜Ac(9)を得た。物性も合わせて表1に示す。
(水酸基価(OHV))
水酸基価は、JIS K 0070に記載されている水酸化カリウム水溶液を用いる中和滴定法により求めた。
(ガラス転移温度)
水酸基含有アクリル樹脂Ac(1)〜Ac(9)のガラス転移温度(Tg)は、下記方法で測定した。即ち、重合によって得られた水酸基含有アクリル樹脂から溶剤を減圧蒸留して除去した後、示差走査熱量計(DSC)(セイコー電子工業株式会社製;熱分析装置SSC/5200H)を用いて下記工程1〜3
第1工程:20℃→100℃(昇温速度10℃/min)
第2工程:100℃→−50℃(降温速度10℃/min)
第3工程:−50℃→100℃(昇温速度10℃/min)
を行い、第3工程の昇温時から水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度を、特開2015−168693号公報に記載の方法により測定した。
(重量平均分子量)
水酸基含有アクリル樹脂Ac(1)〜Ac(9)の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定した値であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(固形分酸価(AV)の測定)
酸価の測定は、JIS. K. 5601−2−1に則して測定した。
Figure 2020100783
(合成例C−2−1)
非水分散型アクリル樹脂(NAD−1)の製造
非水分散型アクリル樹脂のシェル部(非水分散型樹脂シェルAc(1))の合成
温度調節器、攪拌翼、還流管、窒素導入口を備えた1Lのセパラブルフラスコに、酢酸ブチル376.8gを仕込み、フラスコ内部を窒素雰囲気下にした後、温度を110℃に昇温して一定に保った。一方、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル9.36g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル91g、メタクリル酸ラウリル100g、メタクリル酸メチル55g、メタクリル酸4g、メタクリル酸イソボロニル140.64g、およびカヤエステルO 12gの混合液を滴下ロートに入れて、3時間かけて滴下した。
次いで、1時間反応を継続した後、後開始剤として、酢酸ブチル40g、カヤエステルO 4.8gの混合液を30分間かけて滴下し、更に1時間反応を継続して固形分50%の非分散樹脂シェルAc(1)を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は20,000であった。
非水分散型アクリル樹脂(NAD(1))の合成
温度調節器、攪拌翼、還流管、窒素導入口を備えた500mLのセパラブルフラスコに、上記で調製した非水分散型樹脂シェルAc(1)133.33g、酢酸ブチル174.98gを仕込み、フラスコ内部を窒素雰囲気下にした後、温度を110℃に昇温して一定に保った。
次に、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)39.44g、スチレン(ST)2.83g、メタクリル酸メチル(MMA)52.5g、アクリル酸-2-エチルヘキシル(EHA)4.59g、アクリル酸(AA)0.64g、およびカヤエステルO 1.0gの混合液を滴下ロートに入れて、3時間かけて滴下した。
次いで、1時間反応を継続した後、後開始剤として、酢酸ブチル10g、カヤエステルO 0.1gの混合液を30分間かけて滴下し、更に1時間反応を継続して固形分50%の非水分散型アクリル樹脂(NAD(1))を得た。得られた非水分散型アクリル樹脂(NAD−1)に凝集物は見られなかった。非水分散型アクリル樹脂(NAD(1))の配合量および物性を表2に示す。
(合成例C−2−2〜合成例C−2−9)
合成例(C−2−1)で用いた設備と同様の設備を用いて、表2に記載の配合量となるように分散樹脂、溶剤、モノマー、開始剤、重合温度を変更する以外は合成例(C−2−1)の合成手順、操作と同様の合成手順、操作を行い、表2に記載の非水分散型アクリル樹脂(NAD(2))〜非水分散型アクリル樹脂(NAD(9))を得た。また、非水分散型アクリル樹脂(NAD(2))〜非水分散型アクリル樹脂(NAD(9))の物性を表2に示す。
表2中、4HBAは、アクリル酸4−ヒドロキシブチルを意味する。また、プラクセルFM1は、(ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類)である。これらは、いずれも、水酸基を有し、エステル部位の炭素数が4以上、12以下である、水酸基含有アクリル酸エステルモノマーを示す。
非水分散型アクリル樹脂(NAD(1))〜非水分散型アクリル樹脂(NAD(9))のガラス転移温度、水酸基価、および酸価は、水酸基含有アクリル樹脂と同様にして測定した。
Figure 2020100783
(実施例1)
(クリヤー塗膜の形成)
以下の表3に記載した配合であり、酢酸ブチルを用いて希釈したクリヤー塗料組成物を、スプレーガン(アネスト岩田株式会社製;W−101−134G)を用いて、乾燥膜厚が35μmになるように、ポリプロピレン基材上に塗装し、試験片は、温度20±5℃、相対湿度78%以下の塗装環境下で10分間放置した。
実施例1で用いたジオール樹脂(c−3)は、ベッコライトWHF348(DIC社製、ポリエステルジオール樹脂)であり、水酸基価110mg KOH/g、ガラス転移温度(Tg)は室温(20℃)以下であった。
ポリイソシアネート化合物として、N3300(コベストロ社製、NCO%=22)を用いた。
次いで、乾燥機を用いて素材が80℃まで昇温後、80℃下で、10分間乾燥及び加熱硬化させて、基材とクリヤー塗膜とを有する試験片を得た。
得られたクリヤー塗膜に関する配合、各種物性、評価結果を表3に示す。
(実施例2〜11、比較例1〜13)
実施例1で用いた成分以外に、実施例及び比較例において用いた各成分の詳細は、次のとおりである。
合成例(C−3−1)3官能ポリオールの製造
温度調節器、攪拌翼、還流管、窒素導入口を備えた1Lのセパラブルフラスコにトリメチロールプロパン36.8g、ε−カプロラクトン563.2g、ジブチル錫ラウレート0.3gを仕込み、160℃で6時間反応を継続した。得られた樹脂の分岐数は3、水酸基当量は730で、室温20℃で液状であった。
ジオール成分
・クラレポリオールP−1010(株式会社クラレ社製)(P−1010)
分子量1000のポリエステルジオール、水酸基価110mg KOH/g、融点−71℃
・クラレポリオールP−2010(株式会社クラレ社製)(P−2010)
分子量2000のポリエステルジオール、水酸基価55mg KOH/g、融点−67℃
・プラクセル210(株式会社ダイセル社製)(PCL−210)
分子量1000のポリカプロラクトンジオール、水酸基価110mg KOH/g、ガラス転移温度(Tg)は20℃以下
・デュラノールT5651(旭化成社製)(T−5651)
数平均分子量1000のポリカプロラクトンジオール、水酸基価110mg KOH/g、融点−5℃以下
セルロース誘導体
・イーストマンCAB 551−0.01(イーストマンケミカル社製)
分子量16000のブチル化53%のセルロース誘導体
(塗装物品の物性評価)
表3に示す配合で、実施例2〜11のクリヤー塗料組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にクリヤー塗膜を形成した。
また、表4に示す配合で、比較例1〜13の塗料組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にクリヤー塗膜を形成した。
実施例及び比較例に係るクリヤー塗膜について、各種物性を評価した。各種物性の評価方法及び評価基準を以下に示す。
(外観)
クリヤー塗膜を有する試験片の60°光沢度を、鏡面光沢度計を用い、JIS K−5600−4−7に準拠して測定して、下記基準によって評価した。
「○」:60°光沢度が85以上、かつ、フクレ、割れ、ピンホール、ゆず肌等の塗膜表面異常が認められない。
「×」:60°光沢度が85未満、若しくは、フクレ、割れ、ピンホール、ゆず肌等の塗膜表面異常が少なくとも1つ認められる。
(硬度)
クリヤー塗膜を有する試験片の硬度を、JIS K−5600−5−4に基づいて測定した。その測定値が「B」以上であるものを「○」と評価し、「2B」以下であるものを「×」と評価した。
(初期付着性)
クリヤー塗膜を有する試験片の塗面上に、JIS K−5600−5−6にて規定される単一刃切り込み工具を垂直に当て、素地(基材)にまで達する切込みを入れた平行線1を平行に11本引いた。その平行線1に垂直に交わり、平行線1と同一間隔で、素地にまで達する切込みを入れた平行線2を11本引き、4本の直線に囲まれた正方形100個の碁盤目部を作った。平行線1,2の間隔は2mmとした。上記碁盤目部にJIS K−5600−5−6にて規定される透明感圧着テープを、塗面との間に気泡が含まれないように密着させた。その後、当該テープを、0.5〜1.0秒の間に一気に剥がし、碁盤目部の剥離状態を目視にて評価した(碁盤目密着性試験)。そして、剥離が全く認められない場合を「○」と評価し、剥離が認められる場合を「×」と評価した。
(耐湿性)
JIS K−5600−7−2に準拠して評価した。具体的には、クリヤー塗膜を有する試験片を温度50±2℃、湿度98±2%の雰囲気下に240時間放置した後、1時間以内に塗膜表面の観察および碁盤目密着性試験を行った。碁盤目密着性試験は上記「初期付着性」に記載の碁盤目密着性試験と同様にして行った。そして、塗膜表面に異常が認められず、かつ、剥離が全く認められない場合を「○」と評価し、塗膜表面に異常が認められるか、若しくは剥離が認められる場合を「×」と評価した。
(耐候性)
サンシャインウエザーメーター(スガ試験機株式会社製)を用いてクリヤー塗膜を有する試験片の耐候性試験を行い、1200時間経過後の密着性および外観を評価した。密着性は、上記「初期付着性」に記載の碁盤目密着性試験と同様の碁盤目密着性試験を行って評価した。外観は、目視、色差、および光沢値で評価した。そして、剥離が全く認められず、目視による著しい異状が認められず、初期状態(耐候性試験前)との色差(ΔE)が3.0以下であり、かつ、光沢が80以上の場合を「○」と評価し、これら4つの項目のうち1つを満足しない場合を「△」と評価し、これら4つの項目のうち2つ以上を満足しない場合を「×」と評価した。
(デュポン衝撃強度)
JIS K 5600−5−3をベースに撃ち型半径6.35±0.03、受け台直径4.8cm、板厚2mmの円筒で、塗膜の温度を−20℃に保ち評価した。
落下おもりは500gのものを用い、被塗物であるポリプロピレン素材が破壊されない限界値を測定し、以下の基準で評価を行った。
〇:4.9J以上
×:4.9J未満
(耐ガソホール性)
クリヤー塗膜を形成したポリプロピレン樹脂基材片(3cm×3cm)を、レギュラーガソリンにエタノールを10容量%添加して得られるガソホール(20℃)に浸漬した後、30分でハガレのないものを「○」、それ未満を「×」とした。
Figure 2020100783
Figure 2020100783
(複層塗膜の形成)
(実施例12)
複層塗膜を有する試験片を以下のようにして作製した。試験片は、温度20±5℃、相対湿度78%以下の塗装環境下にて作製した。
基材である脱脂済みのポリプロピレン樹脂基材(150mm×100mm、厚み2mm:バンパーグレード)に、ポリプロピレン樹脂用プライマー塗料組成物として日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製BR-116CDをスプレーガン(アネスト岩田株式会社製;W−101−134G)を用いて乾燥膜厚が7μmになるように塗装した後、上記塗装環境下で1分間放置した。なお、1分間放置した状態では、塗膜は未硬化であった。
次いで、着色剤を含むベース塗料組成物として日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製R−301S シルバーを、スプレーガン(アネスト岩田株式会社製;W−101−134G)を用いて乾燥膜厚が15μmになるように塗装した。上記塗装環境下で更に1分間放置した。なお、1分間放置した状態では、塗膜は未硬化であった。
更に、実施例1で作成したクリヤー塗料組成物を、上記スプレーガンを用いて乾燥膜厚が何れも35μmになるように、上記未硬化のベース塗膜上に塗装し、上記塗装環境下で10分間放置した。
次いで、乾燥機を用いて素材が80℃まで昇温後、80℃下で、10分間乾燥及び加熱硬化させて、プラスチック基材と複層塗膜とを有する試験片(自動車用部品)を得た。
得られた自動車用部品に含まれる複層塗膜について、上記クリヤー塗膜と同様に試験を行った。その結果、外観、硬度、初期付着性、耐湿性、耐候性、デュポン衝撃強度、耐ガソホール性のいずれにおいても、評価結果は、「○」であり、上記物性について優れた複層塗膜が得られた。
本発明に係るクリヤー塗料組成物であれば、外観、硬度、初期付着性、耐湿性、耐候性、デュポン衝撃強度(低温)及び耐ガソホール性のいずれにおいても、優れた結果を示す。
更に、本発明に係るクリヤー塗料組成物であれば、大型の被塗物への塗装に適したポットライフを有するので、作業性が向上している。その上、得られる塗膜の追従性も備えている。
また、本発明クリヤー塗料組成物は、一般に使用されるクリヤー塗料組成物と比べて、大幅に短い硬化時間でありながら、特に、耐湿性、低温耐衝撃性(例えば、−20℃でのデュポン衝撃強度)において優れた効果を有するものである。
例えば、実施例1における複層塗膜について、タック性、ポリッシュ性、研ぎ性の適否について検討したところ、いずれの物性も良好であった。
一方、比較例1〜4は、非水分散型アクリル樹脂が本発明の範囲外である。このため、比較例1は、硬度、耐湿性、耐候性及び耐ガソホール性が悪く、比較例2は、デュポン衝撃強度が悪く、比較例3は、耐湿性、耐候性、デュポン衝撃強度が悪く、比較例4は、耐湿性、耐候性及び耐ガソホール性が悪い。
また、比較例5〜10は、水酸基含有アクリル樹脂が本発明の範囲外である。このため、比較例5は、硬度、初期付着性、耐湿性及び耐候性が悪く、比較例6は、耐湿性、耐候性及び耐ガソホール性が悪く、比較例7は、外観、デュポン衝撃強度が悪く、比較例8及び9は、硬度、耐湿性、耐候性及び耐ガソホール性が悪く、比較例10は、外観、デュポン衝撃強度が悪い。
比較例11〜13は、ジオール樹脂を含まない、又はジオール樹脂が本発明の範囲外である。比較例11〜13は、いずれも、外観が悪く、デュポン衝撃強度も不十分である。
本発明のクリヤー塗料組成物は、例えば、自動車車両、自動車用部品において好適に使用することができる。

Claims (14)

  1. 塗膜形成樹脂として、水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と、非水分散型アクリル樹脂(c−2)と、ジオール樹脂(c−3)と、ポリイソシアネート化合物(c−4)とを含むクリヤー塗料組成物であって、
    前記水酸基含有アクリル樹脂(c−1)は、水酸基価が80mgKOH/g以上220mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が4,000以上10,000以下であり、及びガラス転移温度が30℃以上60℃以下であり、
    前記非水分散型アクリル樹脂(c−2)はコアシェル構造を有し、前記コア部の水酸基価は100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、及び前記コア部のガラス転移温度は40℃以上80℃以下であり、
    前記ジオール樹脂(c−3)は、水酸基価が80mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、かつ、前記ジオール樹脂(c−3)は、ポリカーボネートジオール樹脂、ポリエーテルジオール樹脂、ポリエステルジオール樹脂及びポリカプロラクトンジオール樹脂から選択される少なくとも1種を含む、
    クリヤー塗料組成物。
  2. 請求項1記載のクリヤー塗料組成物から形成したクリヤー塗膜の−20℃でのデュポン衝撃強度が、4.9J以上である、請求項1に記載のクリヤー塗料組成物。
  3. プライマー塗料組成物から形成されたプライマー塗膜と、ベース塗料組成物から形成されたベース塗膜と、請求項1または2に記載のクリヤー塗料組成物から形成したクリヤー塗膜とを有する複層塗膜の−20℃でのデュポン衝撃強度が、4.9J以上である、請求項1又は2に記載のクリヤー塗料組成物。
  4. 更に、セルロース誘導体を含む、請求項1から3のいずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
  5. 前記ジオール樹脂(c−3)は、ポリエステルジオール樹脂である、請求項1から4のいずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
  6. 前記イソシアネート化合物(c−4)に含まれるイソシアネート基と、前記水酸基含有アクリル樹脂(c−1)および非水分散型アクリル樹脂(c−2)に含まれる水酸基との当量比(NCO/OH)が、0.7以上2.0以下である、請求項1から5のいずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
  7. 前記水酸基含有アクリル樹脂(c−1)と前記非水分散型アクリル樹脂(c−2)の質量比が、((c−1)/(c−2))=90/10〜50/50である、請求項1から6のいずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
  8. 前記水酸基含有アクリル樹脂(c−1)及び前記非水分散型アクリル樹脂(c−2)の質量の合計と、前記ジオール樹脂(c−3)との質量比が、((c−1)+(c−2))/(c−3)=100/1〜100/15である、請求項1から7のいずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
  9. 前記非水分散型アクリル樹脂(c−2)の前記コア部は、エステル部位の炭素数が4以上12以下である水酸基含有アクリル酸エステルモノマーを含む、請求項1から8のいずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
  10. 前記非水分散型アクリル樹脂(c−2)の前記コア部は、カルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーと、水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとを含む、請求項1から9のいずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
  11. 前記非水分散型アクリル樹脂(c−2)の前記コア部の酸価が60mgKOH/g以下である、請求項1から10のいずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
  12. 前記非水分散型アクリル樹脂(c−2)の前記シェル部の水酸基価が50mgKOH/g以上160mgKOH/g以下であり、ガラス転移温度が0℃以上80℃以下である、請求項1から11のいずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
  13. 前記非水分散型アクリル樹脂(c−2)の前記シェル部の酸価が30mgKOH/g以下である、請求項1から12のいずれかに記載のクリヤー塗料組成物。
  14. 被塗物に、請求項1〜13のいずれかに記載のクリヤー塗料組成物を塗装し、未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、及び、
    未硬化のクリヤー塗膜を加熱硬化させ、クリヤー塗膜を形成する工程を含む、
    クリヤー塗膜の形成方法。
JP2018241511A 2018-12-25 2018-12-25 クリヤー塗料組成物及びクリヤー塗膜の形成方法 Active JP6663474B1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018241511A JP6663474B1 (ja) 2018-12-25 2018-12-25 クリヤー塗料組成物及びクリヤー塗膜の形成方法
PCT/JP2019/043063 WO2020137161A1 (ja) 2018-12-25 2019-11-01 クリヤー塗料組成物及びクリヤー塗膜の形成方法
CN201980085924.7A CN113242889A (zh) 2018-12-25 2019-11-01 透明涂料组合物和透明涂膜的形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018241511A JP6663474B1 (ja) 2018-12-25 2018-12-25 クリヤー塗料組成物及びクリヤー塗膜の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6663474B1 JP6663474B1 (ja) 2020-03-11
JP2020100783A true JP2020100783A (ja) 2020-07-02

Family

ID=69998147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018241511A Active JP6663474B1 (ja) 2018-12-25 2018-12-25 クリヤー塗料組成物及びクリヤー塗膜の形成方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6663474B1 (ja)
CN (1) CN113242889A (ja)
WO (1) WO2020137161A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022211115A1 (ja) 2021-04-02 2022-10-06 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 加飾用積層体、加飾用積層体の製造方法および車両
WO2024039059A1 (ko) * 2022-08-18 2024-02-22 삼성전자주식회사 가전기기용 텍스쳐드 우레탄 분체도장 외장재 및 이를 포함하는 세탁기

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7254012B2 (ja) * 2019-11-22 2023-04-07 本田技研工業株式会社 自動車用外装部品及び自動車用外装部品の製造方法
CN112210048B (zh) * 2020-09-25 2021-04-20 明光科迪新材料有限公司 一种耐醇醚型水性工业漆用纳米炭黑色浆的制备方法
JP7385642B2 (ja) 2021-12-24 2023-11-22 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 塗料組成物
CN117165163A (zh) * 2022-05-27 2023-12-05 Ppg涂料(天津)有限公司 双组份涂料组合物及涂料体系

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009530425A (ja) * 2006-03-15 2009-08-27 関西ペイント株式会社 塗料組成物及び塗膜形成方法
JP2011068864A (ja) * 2009-08-31 2011-04-07 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及び塗膜形成方法
JP2014125558A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及び複層塗膜形成方法
JP2014169434A (ja) * 2013-02-06 2014-09-18 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及び複層塗膜形成方法
WO2016017778A1 (ja) * 2014-07-30 2016-02-04 関西ペイント株式会社 塗料組成物
JP2018061939A (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4139267B2 (ja) * 2003-05-15 2008-08-27 マツダ株式会社 塗膜形成方法
JP2007075791A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Nippon Paint Co Ltd 積層塗膜形成方法および塗装物
US7722931B2 (en) * 2005-10-07 2010-05-25 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method of forming multi-layer coating films on automobile bodies without a primer bake
CN100376607C (zh) * 2005-12-28 2008-03-26 中国化工建设总公司常州涂料化工研究院 具有核壳构型的乳液型含羟基丙烯酸树脂
JP2015502433A (ja) * 2011-12-08 2015-01-22 サン ケミカル コーポレーション 非水性分散物を有するオーバープリントワニス
JP6067006B2 (ja) * 2012-05-24 2017-01-25 関西ペイント株式会社 水性塗料組成物、複層塗膜形成方法及び複層塗膜を有する物品
JP2015168693A (ja) * 2014-03-04 2015-09-28 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 塗料組成物、塗装物品および塗装方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009530425A (ja) * 2006-03-15 2009-08-27 関西ペイント株式会社 塗料組成物及び塗膜形成方法
JP2011068864A (ja) * 2009-08-31 2011-04-07 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及び塗膜形成方法
JP2014125558A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及び複層塗膜形成方法
JP2014169434A (ja) * 2013-02-06 2014-09-18 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及び複層塗膜形成方法
WO2016017778A1 (ja) * 2014-07-30 2016-02-04 関西ペイント株式会社 塗料組成物
JP2018061939A (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022211115A1 (ja) 2021-04-02 2022-10-06 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 加飾用積層体、加飾用積層体の製造方法および車両
WO2024039059A1 (ko) * 2022-08-18 2024-02-22 삼성전자주식회사 가전기기용 텍스쳐드 우레탄 분체도장 외장재 및 이를 포함하는 세탁기

Also Published As

Publication number Publication date
CN113242889A (zh) 2021-08-10
WO2020137161A1 (ja) 2020-07-02
JP6663474B1 (ja) 2020-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6663474B1 (ja) クリヤー塗料組成物及びクリヤー塗膜の形成方法
WO2016158692A1 (ja) 複層塗膜の形成方法
JP2011207953A (ja) 塗料組成物および塗膜
EP2298842B1 (en) Coating composition and coating film formation method using same
JP6690046B1 (ja) 防錆塗料組成物及び防錆塗膜の製造方法
EP2111422A2 (en) Paint compositions
AU2010313555B2 (en) Coating compositions and methods for using the same as a spot blender
JP5826079B2 (ja) 漆黒複層塗膜及びその形成方法
JP2013508514A5 (ja)
EP3486262B1 (en) Active-energy-ray-curable resin composition and metal-thin-film undercoat agent
JP5910804B1 (ja) 常温硬化型塗料組成物、および風力発電機のブレード
JP5685505B2 (ja) 金属めっき用塗膜
KR20110059338A (ko) 플라스틱용 도료 조성물 및 이의 제조방법
JP2017101233A (ja) 中塗り塗料組成物
WO2022224306A1 (ja) 中塗り塗料組成物、それを用いた物品及び物品の製造方法
CN113355002B (zh) 涂料组合物和多层涂膜形成方法
JP7254012B2 (ja) 自動車用外装部品及び自動車用外装部品の製造方法
US11986854B2 (en) Automobile parts
CA2946247C (en) Aqueous dispersion of at least two polymeric resins and aqueous coating composition comprising same for applying a topcoat
WO2005054386A1 (ja) 塗料組成物及びそれを塗工してなる塗装物
JP2011020104A (ja) 複層塗膜形成方法及び複層塗膜
CA3113598C (en) Automobile parts
CN111448229B (zh) (甲基)丙烯酸类改性聚酯树脂、固化性树脂组合物、涂料及涂装钢板
JP5539264B2 (ja) 金属皮膜を積層した樹脂製品の製造方法
CA3240322A1 (en) Clear coating composition

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191217

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6663474

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250