JP2020096162A - エッチング液 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、リン酸化合物、ケイ素含有化合物、及び水を含むエッチング液を沸騰させて用いるエッチング方法が提案されている。
特許文献3には、無機酸と、シラン無機酸塩と、溶媒を含むエッチング液を用いる方法が提案されている。
本態様1では、一又は複数の実施形態において、有機ホスホン酸化合物を配合したエッチング液を用いることで、有機ホスホン酸化合物がエッチング工程中に生成したシリカやSiO2膜表面に吸着し、SiO2膜表面に吸着した場合には保護膜作用により析出や付着を抑制し、シリカに付着した場合にはSiO2膜表面に吸着した有機ホスホン酸化合物との反発により付着を抑制すると考えられる。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本態様2では、その他の一又は複数の実施形態において、シリカ及びアルカリを含む溶液を配合したエッチング液を用いることで、シリコン酸化膜の溶解が抑制され、SiN/SiO2選択速度比が向上すると考えられる。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示において、「シリカ及びアルカリを含む溶液と、リン酸と、水とを配合してなる」とは、シリカ及びアルカリを含む溶液、リン酸、及び水だけでなく、必要に応じて任意成分を配合できることを意味する。
また、本開示において、エッチング液における各成分の配合量は、エッチング液中の含有量として読み替えることができる。
本開示のエッチング液は、一態様において、有機ホスホン酸化合物が配合されている。本開示のエッチング液は、その他の態様において、有機ホスホン酸化合物をさらに配合してなるものであってもよい。有機ホスホン酸化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本開示のエッチング液によれば、有機ホスホン酸化合物が配合されることで、SiO2膜への析出、付着を抑制できると考えられる。さらに、本開示のエッチング液によれば、シリカ及びアルカリを含む溶液と有機ホスホン酸化合物とが配合されると、SiN/SiO2選択速度比を向上できるとともに、SiO2膜への析出、付着をより抑制できると考えられる。
リン酸系ポリマーとしては、例えば、ポリビニルホスホン酸(PVPA)等が挙げられる。
アルキルホスホン酸のアルキル基の炭素数は、SiN/SiO2選択速度比の向上、及びSiO2膜への析出、付着抑制の観点から、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、そして、溶解性の観点から、18以下が好ましく、16以下がより好ましい。アルキルホスホン酸のアルキル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。アルキルホスホン酸の具体例としては、ヘキシルホスホン酸、ヘプチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、カプリルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、テトラデカシルホスホン酸等が挙げられる。
アルケニルホスホン酸のアルケニル基の炭素数は、SiN/SiO2選択速度比の向上、及びSiO2膜への析出、付着抑制の観点から、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、そして、溶解性の観点から、18以下が好ましく、16以下がより好ましい。アルケニルホスホン酸のアルケニル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。
アルキルエーテルホスホン酸のアルキル基の炭素数は、SiN/SiO2選択速度比の向上、及びSiO2膜への析出、付着抑制の観点から、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、そして、溶解性の観点から、20以下が好ましく、18以下がより好ましい。アルケニルホスホン酸のアルキル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。アルキルエーテルホスホン酸の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスホン酸等が挙げられる。
これらのなかでも、有機ホスホン酸化合物としては、SiN/SiO2選択速度比の向上、及びSiO2膜への析出、付着抑制の観点から、ポリビニルホスホン酸、アルキルホスホン酸、及びアルキルエーテルホスホン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
<測定条件>
カラム:G4000PWXL+G2500 PWXL(東ソー社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1(体積比)
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料サイズ:5mg/mL
検出器:RI
標準物質:ポリエチレングリコール
本開示のエッチング液は、一又は複数の実施形態において、リン酸が配合されている。
本開示のエッチング液におけるリン酸の配合量は、SiN/SiO2選択速度比の向上の観点から、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が更に好ましい。より具体的には、本開示のエッチング液中におけるリン酸の配合量は、50質量%以上95質量%以下が好ましく、70質量%以上90質量%以下がより好ましく、80質量%以上85質量%以下が更に好ましい。
本開示のエッチング液は、一又は複数の実施形態において、水が配合されている。本開示のエッチング液に含まれる水としては、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が挙げられる。
本開示のエッチング液は、一態様において、シリカ及びアルカリを含む溶液をさらに配合してなる。本開示のエッチング液は、その他の態様において、シリカ及びアルカリを含む溶液が配合されている。
本開示のエッチング液の調製に用いられるシリカ及びアルカリを含む溶液は、SiN/SiO2選択速度比の向上、及びSiO2膜への析出、付着抑制の観点から、シリカの少なくとも一部をアルカリで溶解したシリカ溶解液(以下、「本開示のシリカ溶解液」ともいう)であることが好ましい。本開示のシリカ溶解液は、一又は複数の実施形態において、シリカが各種粒径測定機や外観で検出限界以下まで溶解しているシリカ溶解液である。なお、後述するように、シリカ溶解液は、未溶解のシリカを含んでいてもよい。本開示のシリカ溶解液は、例えば、シリカとアルカリとを混合し、シリカを溶解させることにより得られる。シリカの溶解方法としては、例えば、加温処理、加圧処理、又は機械的粉砕処理等が挙げられ、これらを組み合わせて用いてもよい。加温条件としては、例えば、60〜100℃と設定することができる。加圧条件としては、例えば、0〜3MPaと設定することができる。機械的粉砕は、例えば、ボールミル等を用いて行うことができる。また、シリカをアルカリに溶解させる際に、超音波振動が付与されていてもよい。アルカリと混合される前のシリカの状態は、特に限定されなくてもよく、例えば、粉末状、ゾル状、又はゲル状が挙げられる。
本開示のシリカ溶解液の調製に用いられるシリカ(溶解前のシリカ)としては、例えば、結晶性シリカ、非晶質シリカ、フュームドシリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられ、SiN/SiO2選択速度比の向上、及びSiO2膜への析出、付着抑制の観点から、フュームドシリカ及びコロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種が好ましい。コロイダルシリカとしては、例えば、珪酸アルカリ水溶液を原料とした粒子成長による方法(以下、「水ガラス法」ともいう)、及び、アルコキシシランの加水分解物の縮合による方法(以下、「ゾルゲル法」ともいう)により得たものが挙げられる。水ガラス法及びゾルゲル法により得られるシリカ粒子は、従来から公知の方法によって製造できる。シリカは、1種又は2種以上を併用して用いることができる。
本開示のシリカ溶解液の調製に用いられるアルカリとしては、一又は複数の実施形態において、有機アルカリ又は無機アルカリが挙げられる。
本開示のシリカ溶解液の調製に用いられる有機アルカリは、シリカを溶解できるものであればよく、例えば、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド(ETMAH)、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシドから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、SiN/SiO2選択速度比の向上の観点から、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)及びトリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド(ETMAH)の少なくとも一方が好ましく、TMAHがより好ましい。
本開示のシリカ溶解液の調製に用いられる無機アルカリは、シリカを溶解できるものであればよく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
一又は複数の実施形態において、本開示のシリカ溶解液の調製に用いられるアルカリとしては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)、及びトリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド(ETMAH)、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、SiN/SiO2選択速度比の向上の観点から、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド(ETMAH)、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本開示のエッチング液は、一又は複数の実施形態において、SiN/SiO2選択速度比を維持しつつ循環使用におけるフィルタの閉塞を抑制する観点から、スルホン酸化合物をさらに含有又は配合してなるものであってもよい。スルホン酸化合物としては、例えば、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。スルホン酸化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本開示のエッチング液は、本開示の効果が損なわれない範囲で、その他の成分をさらに配合してなるものであってもよい。その他の成分としては、リン酸以外の酸、キレート剤、界面活性剤、可溶化剤、防腐剤、防錆剤、殺菌剤、抗菌剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本開示のエッチング液は、一態様において、有機ホスホン酸化合物、リン酸、及び水を配合することにより得られる。したがって、本開示は、一態様において、少なくとも有機ホスホン酸化合物、リン酸及び水を配合する工程を含む、エッチング液の製造方法(以下、「本態様1のエッチング液製造方法」ともいう)に関する。
本開示において「少なくとも有機ホスホン酸化合物、リン酸及び水を配合する」とは、一又は複数の実施形態において、有機ホスホン酸化合物、リン酸、水、並びに必要に応じて上述した任意成分を同時に又は順に混合することを含む。混合する順序は、特に限定されなくてもよい。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。
本開示において「配合する」とは、その他の一又は複数の実施形態において、シリカ及びアルカリを含む溶液、リン酸、水、並びに必要に応じて上述した任意成分を同時に又は順に混合することを含む。混合する順序は、特に限定されなくてもよい。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。
本開示は、その他の態様において、本開示のエッチング液を製造するためのキット(以下、「本開示のキット」ともいう)に関する。
本開示のキットとしては、一態様において、例えば、有機ホスホン酸化合物を含む溶液(a液)と、リン酸を含む溶液(b液)とを相互に混合されない状態で含み、これらが使用時に混合されるキット(2液型エッチング液)が挙げられる。該キットは、シリカ及びアルカリを含む溶液(c液)をさらに含むもの(3液型)であってもよいし、a液又はb液のいずれかにc液が配合されていてもよい。a液とb液とが混合された後、必要に応じて水又はリン酸水溶液を用いて希釈されてもよい。a液又はb液には、エッチング液の調製に使用する水の全量又は一部が含まれていてもよい。b液に含まれるリン酸は、エッチング液の調製に使用するリン酸の全量でもよいし、一部でもよい。a液及びb液にはそれぞれ必要に応じて、上述した任意成分が含まれていてもよい。本態様のキットによれば、エッチング工程中に生成されるシリカのSiO2膜への析出、付着を抑制可能なエッチング液が得られうる。
本開示のキットとしては、その他の態様において、例えば、シリカ及びアルカリを含む溶液(第1液)と、リン酸を含む溶液(第2液)とを相互に混合されない状態で含み、これらが使用時に混合されるキット(2液型エッチング液)が挙げられる。前記第1液と前記第2液とが混合された後、必要に応じて水又はリン酸水溶液を用いて希釈されてもよい。前記第1液又は第2液には、エッチング液の調製に使用する水の全量又は一部が含まれていてもよい。第2液に含まれるリン酸は、エッチング液の調製に使用するリン酸の全量でもよいし、一部でもよい。前記第1液及び前記第2液にはそれぞれ必要に応じて、上述した任意成分が含まれていてもよい。本態様のキットによれば、SiN/SiO2選択速度比を向上可能なエッチング液が得られうる。
本開示のエッチング液を用いてエッチング処理される被処理基板は、一又は複数の実施形態において、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板である。基板としては、例えば、半導体、フラットパネルディスプレイに使用される基板等が挙げられる。シリコン窒化膜としては、例えば、低圧化学気相成長法(LPCVD法)、プラズマ化学気相成長法(PECVD法)、原子層堆積法(ALD法)等により形成された窒化膜が挙げられる。シリコン酸化膜としては、例えば、熱酸化法、LPCVD法、PECVD法、ALD法等により形成された酸化膜が挙げられる。
本開示は、一態様において、本態様1のエッチング液を用いて、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程(以下、「本開示のエッチング工程」ともいう)を含む、半導体基板の製造方法(以下、「本態様1の半導体基板製造方法」ともいう)に関する。本態様1の半導体基板製造方法によれば、エッチング工程中に生成されるシリカのSiO2膜への析出、付着を抑制できる。したがって、本態様1の半導体基板製造方法によれば、品質が向上した半導体基板を効率よく製造できるという効果が奏されうる。
本開示は、一態様において、本態様2のエッチング液を用いて、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程(以下、「本開示のエッチング工程」ともいう)を含む、半導体基板の製造方法(以下、「本態様2の半導体基板製造方法」ともいう)に関する。本態様2の半導体基板製造方法によれば、SiN/SiO2選択速度比の向上が可能である。したがって、本態様2の半導体基板製造方法によれば、品質が向上した半導体基板を効率よく製造できるという効果が奏されうる。
本開示は、一態様において、本態様1のエッチング液を用いて、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程(エッチング工程)を含む、エッチング方法(以下、「本態様1のエッチング方法」ともいう)に関する。本態様1のエッチング方法を使用することにより、エッチング工程中に生成されるシリカのSiO2膜への析出、付着を抑制できる。したがって、本態様1のエッチング方法によれば、品質が向上した半導体基板の生産性を向上できるという効果が奏されうる。
本開示は、その他の態様において、本態様2のエッチング液を用いて、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程(エッチング工程)を含む、エッチング方法(以下、「本態様2のエッチング方法」ともいう)に関する。本態様2のエッチング方法を使用することにより、SiN/SiO2選択速度比の向上が可能である。したがって、本態様2のエッチング方法によれば、品質が向上した半導体基板の生産性を向上できるという効果が奏されうる。
具体的なエッチングの方法及び条件は、上述した本開示の半導体基板の製造方法と同じようにすることができる。
(実施例1〜2)
リン酸及びPVPAが表1に示す配合量(質量%、有効分)で配合された実施例1〜2のエッチング液を得た。
(実施例3〜7)
シリカ水溶液(シリカ:表2に示すA1)とアルカリ水溶液(アルカリ:TMAH)と水を混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液とリン酸系ポリマー水溶液(リン酸系ポリマー:PVPA)とを配合して実施例3〜7のエッチング液(pH0.45)を得た。実施例3〜7のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)、シリカ溶解量を表2に示した。
(実施例8〜9)
シリカ水溶液(シリカ:表2に示すA1)とアルカリ水溶液(アルカリ:ETMAH)と水とを混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液とリン酸系ポリマー水溶液(リン酸系ポリマー:PVPA)とを配合して実施例8〜9のエッチング液(pH0.45)を得た。実施例8〜9のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)、シリカ溶解量を表2に示した。
(実施例10)
シリカ水溶液(シリカ:表2に示すA1)とアルカリ水溶液(アルカリ:NaOH)と水とを混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液とリン酸系ポリマー水溶液(リン酸系ポリマー:PVPA)とを配合して実施例10のエッチング液(pH0.45)を得た。実施例10のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)、シリカ溶解量を表2に示した。
(実施例11)
シリカ水溶液(シリカ:表2に示すA1)とアルカリ水溶液(アルカリ:KOH)と水とを混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液とリン酸系ポリマー水溶液(リン酸系ポリマー:PVPA)とを配合して実施例11のエッチング液(pH0.45)を得た。実施例11のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)、シリカ溶解量を表2に示した。
(実施例12)
シリカ水溶液(シリカ:表2に示すA2)とアルカリ水溶液(アルカリ:TMAH)と水とを混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液とリン酸系ポリマー水溶液(リン酸系ポリマー:PVPA)とを配合して実施例12のエッチング液(pH0.45)を得た。実施例12のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)、シリカ溶解量を表2に示した。
(実施例15〜17)
シリカ水溶液(シリカ:表2に示すA1)とアルカリ水溶液(アルカリ:TMAH)と水を混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液と表2に示す有機ホスホン酸化合物とを配合して実施例15〜17のエッチング液(pH0.45)を得た。実施例15〜17のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)、シリカ溶解量を表2に示した。
シリカ水溶液(シリカ:表2に示すA1)とアルカリ水溶液(アルカリ:TMAH)と水を混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液とを配合して参考例1のエッチング液(pH0.45)を得た。参考例1のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)及びシリカ溶解量(質量%)を表2に示した。
(参考例2〜3)
シリカ水溶液(シリカ:表3に示すA2〜A3)とアルカリ水溶液(アルカリ:TMAH)と水とを混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液とを配合して参考例2〜3のエッチング液(pH0.45)を得た。参考例2〜3のエッチング液におけるリン酸の配合量(質量%、有効分)及びシリカ溶解量(質量%)を表3に示した。
シリカ溶解液には、参考例1と同様のものを用いた。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液とリン酸系ポリマー水溶液(リン酸系ポリマー:PVPA)とスルホン酸化合物水溶液(スルホン酸化合物:PTS)とを配合して実施例13のエッチング液(pH0.45)を得た。実施例13のエッチング液におけるリン酸、PVPA及びPTSの配合量(質量%、有効分)及びシリカ溶解量(質量%)を表3に示した。
(実施例14)
シリカ溶解液には、参考例1と同様のものを用いた。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液とリン酸系ポリマー水溶液(リン酸系ポリマー:PVPA)とスルホン酸化合物水溶液(スルホン酸化合物:PTS)とを配合して実施例14のエッチング液(pH0.45)を得た。実施例14のエッチング液におけるリン酸、PVPA及びPTSの配合量(質量%、有効分)及びシリカ溶解量(質量%)を表3に示した。
比較例1のエッチング液には、リン酸水溶液(燐化学工業(株)社製)(pH0.45)を用いた。比較例1のエッチング液におけるリン酸の配合量(質量%、有効分)は、83質量%である。
(比較例2)
シラン化合物(表3に示すA4)とアルカリ水溶液(アルカリ:TMAH)とリン酸水溶液とを混合し、60℃で24時間加温することにより、比較例2のエッチング液(pH0.45)を得た。比較例2のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)は、リン酸:83質量%、シラン化合物:1.5質量%、TMAH:0.13質量%である。
(比較例3)
比較例3のエッチング液には、アルカリ水溶液(アルカリ:塩化テトラメチルアンモニウム、富士フィルム和光純薬(株)社製)とリン酸水溶液との混合液(pH0.45)を用いた。比較例3のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)は、リン酸:83質量%、アルカリ:0.13質量%である。
(比較例4)
比較例4のエッチング液には、シラン化合物(表3に示すA5)を含む水溶液とリン酸水溶液との混合液(pH0.45)を用いた。比較例4のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)は、リン酸:83質量%、シラン化合物:0.02質量%である。
(比較例5)
比較例5のエッチング液には、表3に示すシラン化合物A5と表3に示すアルカリ(富士フィルム和光純薬(株)社製の塩化テトラメチルアンモニウム)を含む水溶液とリン酸水溶液との混合液(pH0.45)を用いた。比較例5のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)は、リン酸:83質量%、シラン化合物:0.02質量%、アルカリ:0.13質量%である。
(シリカ源)
A1:フュームドシリカ[平均粒径5nm、トクヤマ社製の「QS30」]
A2:ゾルゲル法コロイダルシリカ[平均粒径6nm、扶桑化学社製の「PL−06」]
A3:水ガラス法コロイダルシリカ[平均粒径7nm、日揮触媒化成社製の「SI−550」]
(シラン化合物)
A4:TEOS(テトラエトキシシラン)[富士フィルム和光純薬社製のオルトけい酸テトラエチル]
A5:シラン無機酸塩[リン酸にTEOSを混合し90℃にて15時間加熱することで合成し得た。]
(リン酸)
リン酸水溶液[リン酸濃度85%、燐化学工業社製]
(添加剤)
リン酸系ポリマー[ポリビニルホスホン酸(PVPA)、丸善石油化学社製、重量平均分子量10,000](有機ホスホン酸化合物)
オクチルホスホン酸[富士フィルム和光純薬(株)、分子量190]
ドデシルホスホン酸[富士フィルム和光純薬(株)、分子量250]
ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスホン酸〔東邦化学工業(株)社製のフォスファノールRS-610、分子量372〕
スルホン酸化合物[パラトルエンスルホン酸(PTS)、明友産業社製]
(1)エッチング液のpH
エッチング液の25℃におけるpH値は、pHメータ(東亜ディーケーケー社製)を用いて測定した値であり、pHメータの電極をエッチング液へ浸漬して1分後の数値である。
シリカをイオン交換水で希釈し、シリカ粒子を1質量%含有する分散液を作製した。そして、該分散液を下記測定装置内に投入し、シリカ粒子の体積粒度分布を得た。得られた体積粒度分布の累積体積頻度が50%となる粒径(Z-average値)を二次粒子径とした。
測定機器 :マルバーン ゼータサイザー ナノ「Nano S」
測定条件 :サンプル量 1.5mL
:レーザー He−Ne、3.0mW、633nm
:散乱光検出角 173°
[エッチング速度及び選択速度比]
各組成に調製したエッチング液(実施例1〜17、参考例1〜3及び比較例1〜5)に、予めシリコン窒化膜(SiN膜)の厚みを測定した1cm×1cmのシリコン窒化膜ウエハを浸漬させ、160℃〜170℃で90分間エッチングさせた。その後、冷却、水洗浄した後に再度、シリコン窒化膜の厚みを測定し、その差分をエッチング量とした。膜厚の測定には、光干渉式膜厚測定装置(SCREEN社、「ランダムエース VM−100」)を用いた。
また、シリコン酸化膜(SiO2膜)としては1.5cm×1cmのLP−TEOSを使用し、シリコン窒化膜と同条件で実施し、シリコン酸化膜のエッチング量を求めた。
そして、下記式により、シリコン窒化膜のエッチング速度、シリコン酸化膜のエッチング速度、選択速度比を算出した。算出結果を表1〜3に示した。
シリコン窒化膜(SiN膜)のエッチング速度(Å/min)=シリコン窒化膜エッチング量(Å)/90(min)
シリコン酸化膜(SiO2膜)のエッチング速度(Å/min)=シリコン酸化膜エッチング量(Å)/90(min)
選択速度比=シリコン窒化膜エッチング速度/シリコン酸化膜エッチング速度
各組成に調製したエッチング液(実施例1〜12、15〜17、比較例1、参考例1)に、シリコン窒化物粉(平均粒径:30nm、富士フィルム和光純薬社製)を600ppm添加し、超音波で分散させた後、予めSiO2酸化膜の厚みを測定した2cm×1cmの熱酸化膜ウエハを浸漬させる。次に、0.5%フッ酸水溶液で30秒間浸漬、水洗浄させた1cm×1cmのシリコン窒化膜ウエハを浸漬させ、160-170℃で90分間エッチングを行った。その後、冷却、水洗浄した後に、再度SiO2酸化膜の厚みを測定した。膜厚の測定には、光干渉式膜厚測定装置(SCREEN社、「ランダムエース VM−100」)を用いた。
そして、下記式により、SiO2膜への析出、付着量を算出した。算出結果を表1〜2に示した。
シリコン酸化膜への析出、付着量(Å)=(シリコン酸化膜のエッチング液浸漬後の厚み)−(シリコン酸化膜のエッチング液浸漬前の厚み)
Claims (12)
- シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程用のエッチング液であって、
有機ホスホン酸化合物と、リン酸と、水とを配合してなる、エッチング液。 - シリカ及びアルカリを含む溶液をさらに配合してなる、請求項1に記載のエッチング液。
- 前記溶液は、シリカの少なくとも一部をアルカリで溶解したシリカ溶解液である、請求項2に記載のエッチング液。
- アルカリで溶解される前のシリカは、フュームドシリカ及びコロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載のエッチング液。
- エッチング液における溶解したシリカの含有量が、0.0005質量%以上1質量%以下である、請求項3又は4に記載のエッチング液。
- アルカリは、有機アルカリ又は無機アルカリである、請求項2から5のいずれかに記載のエッチング液。
- 有機ホスホン酸化合物の分子量は、150以上である、請求項1から6のいずれかに記載のエッチング液。
- 有機ホスホン酸化合物は、ポリビニルホスホン酸、アルキルホスホン酸、及びアルキルエーテルホスホン酸から選ばれる少なくとも1種である、請求項1から7のいずれかに記載のエッチング液。
- 25℃におけるpHが2以下である、請求項1から8のいずれかに記載のエッチング液。
- エッチング温度が110℃以上180℃以下である、請求項1から9のいずれかに記載のエッチング液。
- 請求項1から10のいずれかに記載のエッチング液を用いて、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程を含む、エッチング方法。
- 請求項1から10のいずれかに記載のエッチング液を用いて、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程を含む、半導体基板の製造方法。
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