JP7096800B2 - エッチング液 - Google Patents
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特許文献2には、リン酸化合物、ケイ素含有化合物、及び水を含むエッチング液を沸騰させて用いるエッチング方法が提案されている。
特許文献3には、無機酸と、シラン無機酸塩と、溶媒を含むエッチング液を用いる方法が提案されている。
特許文献4には、リン酸と、リン酸の第1酸解離指数pKaよりも小さい酸解離指数を有する酸と、ケイ酸化合物と、水とを含み、リン酸と酸との質量比(リン酸/酸)は0.82以上725以下であるエッチング液が提案されている。
特許文献5には、3~20重量%のフッ酸と、5~40重量%の硝酸と、10~60重量%の酢酸と、2~20重量%の促進剤と、残部の水と、を含み、促進剤は、アンモニウム系化合物及びスルホン酸系化合物から選択されるいずれか一つまたは二つ以上である、半導体基板用のエッチング液が提案されている。
特許文献6には、水とリン酸を有するリン酸水溶液と、該リン酸水溶液に可溶な有機化合物の塩と、を含有するエッチング液が提案されている。
本態様1では、一又は複数の実施形態において、エッチング液に配合されたpKa2以下の高温安定化剤が、エッチング工程中に生成されるケイ酸由来の析出物(例えば、シリカ)の表面にイオン結合することで、該ケイ酸由来の析出物の凝集が抑制され、エッチング液の循環使用におけるフィルタの閉塞を抑制できると考えられる。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本態様2では、その他の一又は複数の実施形態において、シリカ及びアルカリを含む溶液を配合したエッチング液を用いることで、シリコン酸化膜の溶解が抑制され、SiN/SiO2選択速度比が向上すると考えられる。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示において、「シリカ及びアルカリを含む溶液と、リン酸と、水とを配合してなる」とは、シリカ及びアルカリを含む溶液、リン酸、及び水だけでなく、必要に応じて任意成分を配合できることを意味する。
また、本開示において、エッチング液における各成分の配合量は、エッチング液中の含有量として読み替えることができる。
本開示のエッチング液は、一態様において、高温安定化剤が配合されている。本開示のエッチング液は、その他の態様において、高温安定化剤をさらに配合してなるものであってもよい。高温安定化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本開示のエッチング液は、一又は複数の実施形態において、リン酸が配合されている。
本開示のエッチング液におけるリン酸の配合量は、SiN/SiO2選択速度比の向上の観点から、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が更に好ましい。より具体的には、本開示のエッチング液中におけるリン酸の配合量は、50質量%以上95質量%以下が好ましく、70質量%以上90質量%以下がより好ましく、80質量%以上85質量%以下が更に好ましい。
本開示のエッチング液は、一又は複数の実施形態において、水が配合されている。本開示のエッチング液に含まれる水としては、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が挙げられる。
本開示のエッチング液は、一態様において、SiN/SiO2選択速度比の向上、及び循環使用におけるフィルタの閉塞を抑制する観点から、珪素化合物を含む溶液をさらに配合してなるものとすることができる。珪素化合物としては、珪素を含む無機珪素化合物、又は、珪素を含む有機珪素化合物が挙げられる。無機珪素化合物としては、例えば、シリカ、無機シラン化合物等が挙げられる。有機珪素化合物としては、例えば、有機シラン化合物等が挙げられる。SiN/SiO2選択速度比の向上、及び循環使用におけるフィルタの閉塞を抑制する観点から、珪素化合物を含む溶液は、シリカ及びアルカリを含む溶液が好ましい。したがって、本開示のエッチング液は、一態様において、シリカ及びアルカリを含む溶液をさらに配合してなる。本開示のエッチング液は、その他の態様において、シリカ及びアルカリを含む溶液が配合されている。
本開示のシリカ溶解液の調製に用いられるシリカ(溶解前のシリカ)としては、例えば、結晶性シリカ、非晶質シリカ、フュームドシリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられ、SiN/SiO2選択速度比の向上、及び循環使用におけるフィルタの閉塞を抑制する観点から、フュームドシリカ及びコロイダルシリカが好ましい。コロイダルシリカとしては、例えば、珪酸アルカリ水溶液を原料とした粒子成長による方法(以下、「水ガラス法」ともいう)、及び、アルコキシシランの加水分解物の縮合による方法(以下、「ゾルゲル法」ともいう)により得たものが挙げられる。水ガラス法及びゾルゲル法により得られるシリカ粒子は、従来から公知の方法によって製造できる。シリカは、1種又は2種以上を併用して用いることができる。
本開示のシリカ溶解液の調製に用いられるアルカリとしては、一又は複数の実施形態において、有機アルカリ又は無機アルカリが挙げられる。
本開示のシリカ溶解液の調製に用いられる有機アルカリは、シリカを溶解できるものであればよく、例えば、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)、及びトリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド(ETMAH)から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、SiN/SiO2選択速度比の向上、及び循環使用におけるフィルタの閉塞を抑制する観点から、TMAHが好ましい。
本開示のシリカ溶解液の調製に用いられる無機アルカリは、シリカを溶解できるものであればよく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
一又は複数の実施形態において、本開示のシリカ溶解液の調製に用いられるアルカリとしては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド(ETMAH)、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本開示のエッチング液は、一又は複数の実施形態において、リン酸系ポリマーをさらに配合してなるものであってもよい。リン酸系ポリマーとしては、ポリビニルホスホン酸(PVPA)等が挙げられる。リン酸系ポリマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本開示のエッチング液は、本開示の効果が損なわれない範囲で、その他の成分をさらに配合してなるものであってもよい。その他の成分としては、リン酸以外の酸、キレート剤、界面活性剤、可溶化剤、防腐剤、防錆剤、殺菌剤、抗菌剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本開示のエッチング液は、一態様において、高温安定化剤、リン酸、水、並びに、所望により上述した任意成分を公知の方法で配合することにより得られる。したがって、本開示は、一態様において、少なくとも高温安定化剤、リン酸及び水を配合する工程を含む、エッチング液の製造方法(以下、「本態様1のエッチング液製造方法」ともいう)に関する。
本開示において「少なくとも高温安定化剤、リン酸及び水を配合する」とは、一又は複数の実施形態において、高温安定化剤、リン酸、水、並びに必要に応じて上述した任意成分を同時に又は順に混合することを含む。混合する順序は、特に限定されなくてもよい。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。
本開示において「配合する」とは、その他の一又は複数の実施形態において、シリカ及びアルカリを含む溶液、リン酸、水、並びに必要に応じて上述した任意成分を同時に又は順に混合することを含む。混合する順序は、特に限定されなくてもよい。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。
本開示は、その他の態様において、本開示のエッチング液を製造するためのキット(以下、「本開示のキット」ともいう)に関する。
本開示のエッチング液を用いてエッチング処理される被処理基板は、一又は複数の実施形態において、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板である。基板としては、例えば、半導体、フラットパネルディスプレイに使用される基板等が挙げられる。シリコン窒化膜としては、例えば、低圧化学気相成長法(LPCVD法)、プラズマ化学気相成長法(PECVD法)、原子層堆積法(ALD法)等により形成された窒化膜が挙げられる。シリコン酸化膜としては、例えば、熱酸化法、LPCVD法、PECVD法、ALD法等により形成された酸化膜が挙げられる。
本開示は、一態様において、本態様1のエッチング液を用いて、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程(エッチング工程)を含む、半導体基板の製造方法(以下、「本態様1の半導体基板製造方法」ともいう)に関する。本態様1の半導体基板製造方法によれば、一又は複数の実施形態において、エッチング液の循環使用におけるフィルタの閉塞を抑制可能である。さらに、本態様1の半導体基板製造方法によれば、一又は複数の実施形態において、SiN/SiO2選択速度比を維持できる。したがって、本態様1の半導体基板製造方法によれば、品質が向上した半導体基板を効率よく製造できるという効果が奏されうる。
本開示は、その他の態様において、本態様2のエッチング液を用いて、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程(エッチング工程)を含む、半導体基板の製造方法(以下、「本態様2の半導体基板製造方法」ともいう)に関する。本態様2の半導体基板製造方法によれば、SiN/SiO2選択速度比の向上が可能である。したがって、本態様2の半導体基板製造方法によれば、品質が向上した半導体基板を効率よく製造できるという効果が奏されうる。
本開示は、一態様において、本態様1のエッチング液を用いて、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程(エッチング工程)を含む、エッチング方法(以下、「本態様1のエッチング方法」ともいう)に関する。本態様1のエッチング方法を使用することにより、一又は複数の実施形態において、エッチング液の循環使用におけるフィルタの閉塞を抑制可能である。さらに、本態様1のエッチング方法を使用することにより、一または複数の実施形態において、SiN/SiO2選択速度比を維持できる。したがって、本態様1のエッチング方法によれば、品質が向上した半導体基板の生産性を向上できるという効果が奏されうる。
本開示は、その他の態様において、本態様2のエッチング液を用いて、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程(エッチング工程)を含む、エッチング方法(以下、「本態様2のエッチング方法」ともいう)に関する。本態様2のエッチング方法を使用することにより、SiN/SiO2選択速度比の向上が可能である。したがって、本態様2のエッチング方法によれば、品質が向上した半導体基板の生産性を向上できるという効果が奏されうる。
具体的なエッチングの方法及び条件は、上述した本開示の半導体基板の製造方法と同じようにすることができる。
(実施例1)
シリカ水溶液(シリカ:表1に示すA1)とアルカリ水溶液(アルカリ:TMAH)と水を混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、得られたシリカ溶解液とリン酸水溶液と高温安定化剤であるスルホン酸化合物水溶液(スルホン酸化合物:PTS)とを配合して実施例1のエッチング液(pH0.45)を得た。実施例1のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)及びシリカ溶解量(質量%)を表1に示した。
(実施例2~4)
質量比M2/M1が表1に示す質量比となるように高温安定化剤の配合量を変更したこと以外、実施例1と同様にして、実施例2~4のエッチング液(pH0.45)を得た。
(実施例5~7)
高温安定化剤の種類を、表1に示す高温安定化剤に変更したこと以外、実施例1と同様にして、実施例5~7のエッチング液(pH0.45)を得た。
(実施例8)
シリカ水溶液(シリカ:表1に示すA1)とアルカリ水溶液(アルカリ:ETMAH)と水を混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、得られたシリカ溶解液とリン酸水溶液と高温安定化剤であるスルホン酸化合物水溶液(スルホン酸化合物:PTSとを配合して実施例8のエッチング液(pH0.45)を得た。
(実施例9)
質量比M2/M1が表1に示す質量比となるように高温安定化剤の配合量を変更したこと以外、実施例8と同様にして、実施例9のエッチング液(pH0.45)を得た。
(実施例10)
シリカ水溶液(シリカ:表1に示すA1)とアルカリ水溶液(アルカリ:NaOH)と水を混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、得られたシリカ溶解液とリン酸水溶液と高温安定化剤であるスルホン酸化合物水溶液(スルホン酸化合物:PTS)とを配合して実施例10のエッチング液(pH0.45)を得た。
(実施例11)
シリカ水溶液(シリカ:表1に示すA1)とアルカリ水溶液(アルカリ:KOH)と水を混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、得られたシリカ溶解液とリン酸水溶液と高温安定化剤であるスルホン酸化合物水溶液(スルホン酸化合物:PTS)とを配合して実施例11のエッチング液(pH0.45)を得た。
(実施例12)
シリカ水溶液(シリカ:表1に示すA2)とアルカリ水溶液(アルカリ:TMAH)と水を混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
上記得られたシリカ溶解液を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例12のエッチング液(pH0.45)を得た。
(実施例15~16)
珪酸化合物を含む溶液(珪酸化合物:表1に示すA6~7)と、リン酸水溶液と、高温安定化剤であるスルホン酸化合物水溶液(スルホン酸化合物:PTS)と、を配合して実施例15~16のエッチング液(pH0.45)を得た。
(比較例1~2)
高温安定化剤の種類を表1に示すように変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較例1~2のエッチング液(pH0.45)を得た。
(参考例4~5)
珪酸化合物を含む溶液(珪酸化合物:表1に示すA6~7)と、リン酸水溶液と、を配合して参考例4~5のエッチング液(pH0.45)を得た。
調製した実施例1~12、15~16及び比較例1~2、参考例4~5のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)、シリカ溶解量(質量%)又は珪素化合物の含有量(質量%)、質量比M2/M1、モル比m2/m1を表1に示した。
(参考例1~3)
シリカ水溶液(シリカ:表2に示すA1~A3)とアルカリ水溶液(アルカリ:TMAH)と水を混合し、60℃で24時間加熱することにより、シリカ溶解液を得た。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液とを配合して参考例1~3のエッチング液(pH0.45)を得た。参考例1~3のエッチング液におけるリン酸の配合量(質量%、有効分)及びシリカ溶解量(質量%)を表2に示した。
(実施例13)
シリカ溶解液には、参考例1と同様のものを用いた。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液とリン酸系ポリマー水溶液(リン酸系ポリマー:PVPA)とスルホン酸化合物水溶液(スルホン酸化合物:PTS)とを配合して実施例13のエッチング液(pH0.45)を得た。実施例13のエッチング液におけるリン酸、PVPA及びPTSの配合量(質量%、有効分)及びシリカ溶解量(質量%)を表2に示した。
(実施例14)
シリカ溶解液には、参考例1と同様のものを用いた。
そして、シリカ溶解液とリン酸水溶液とリン酸系ポリマー水溶液(リン酸系ポリマー:PVPA)とスルホン酸化合物水溶液(スルホン酸化合物:PTS)とを配合して実施例14のエッチング液(pH0.45)を得た。実施例14のエッチング液におけるリン酸、PVPA及びPTSの配合量(質量%、有効分)及びシリカ溶解量(質量%)を表2に示した。
(比較例3)
シラン化合物(表2に示すA4)とアルカリ水溶液(アルカリ:TMAH)とを混合し、60℃で24時間加温することにより、比較例3のエッチング液(pH0.45)を得た。比較例3のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)は、リン酸:83質量%、シラン化合物:1.5質量%、TMAH:0.13質量%である。
(比較例4)
比較例4のエッチング液には、リン酸水溶液(燐化学工業(株)社製)(pH0.45)を用いた。比較例4のエッチング液におけるリン酸の配合量(質量%、有効分)は、83質量%である。
(比較例5)
比較例5のエッチング液には、アルカリ水溶液(アルカリ:塩化テトラメチルアンモニウム、富士フィルム和光純薬(株)社製)とリン酸水溶液との混合液(pH0.45)を用いた。比較例5のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)は、リン酸:83質量%、アルカリ:0.13質量%である。
(比較例6)
比較例6のエッチング液には、シラン化合物(表2に示すA5)を含む水溶液とリン酸水溶液との混合液(pH0.45)を用いた。比較例6のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)は、リン酸:83質量%、シラン化合物:0.02質量%である。
(比較例7)
比較例7のエッチング液には、表2に示すシラン化合物A5と表2に示すアルカリ(富士フィルム和光純薬(株)社製の塩化テトラメチルアンモニウム)を含む水溶液とリン酸水溶液との混合液(pH0.45)を用いた。比較例7のエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)は、リン酸:83質量%、シラン化合物:0.02質量%、アルカリ:0.13質量%である。
(珪素化合物)
A1:フュームドシリカ[平均粒径5nm、トクヤマ社製の「QS30」]
A2:ゾルゲル法コロイダルシリカ[平均粒径6nm、扶桑化学社製の「PL-06」]
A3:水ガラス法コロイダルシリカ[平均粒径7nm、日揮触媒化成社製の「SI-550」]
A4:TEOS(テトラエトキシシラン)[富士フィルム和光純薬社製のオルトけい酸テトラエチル]
A5:シラン無機酸塩[リン酸にTEOSを混合し90℃にて15時間加熱することで合成し得た。]
A6:メチルシリケートオリゴマー[三菱ケミカル(株)社製]
A7:3-[[3-アミノプロピル(ジメチル)シリル]オキシ-ジメチルシリル]]プロパン-1-アミン[富士フィルム和光純薬(株)社製]
(リン酸)
リン酸水溶液[リン酸濃度85%、燐化学工業社製]
(添加剤)
リン酸系ポリマー[ポリビニルホスホン酸(PVPA)、丸善石油化学社製、重量平均分子量10,000]
スルホン酸化合物[パラトルエンスルホン酸(PTS)、明友産業社製](高温安定化剤)
ベンゼンスルホン酸[富士フィルム和光純薬社製](高温安定化剤)
マレイン酸[富士フィルム和光純薬社製](高温安定化剤)
シュウ酸[富士フィルム和光純薬社製](高温安定化剤)
トルイル酸[富士フィルム和光純薬社製]
クレゾール[富士フィルム和光純薬社製]
(1)エッチング液のpH
エッチング液の25℃におけるpH値は、pHメータ(東亜ディーケーケー社製)を用いて測定した値であり、pHメータの電極をエッチング液へ浸漬して1分後の数値である。
シリカをイオン交換水で希釈し、シリカ粒子を1質量%含有する分散液を作製した。そして、該分散液を下記測定装置内に投入し、シリカ粒子の体積粒度分布を得た。得られた体積粒度分布の累積体積頻度が50%となる粒径(Z-average値)を二次粒子径とした。
測定機器 :マルバーン ゼータサイザー ナノ「Nano S」
測定条件 :サンプル量 1.5mL
:レーザー He-Ne、3.0mW、633nm
:散乱光検出角 173°
(3)pKa
マレイン酸、シュウ酸、トルイル酸、クレゾールのpKa値は、京都電子工業株式会社製「MCU-710」を用いて全量滴定法により滴定曲線から求めた。滴定液として塩酸を用いて測定した。
パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸のpKa値は、公知文献(Chemicalbook等)を参照した。
[エッチング速度及び選択速度比]
各組成に調製したエッチング液(実施例1~16、参考例1~5及び比較例1~7)に、予めシリコン窒化膜(SiN膜)の厚みを測定した1cm×1cmのシリコン窒化膜ウエハを浸漬させ、160℃~170℃で90分間エッチングさせた。その後、冷却、水洗浄した後に再度、シリコン窒化膜の厚みを測定し、その差分をエッチング量とした。膜厚の測定には、光干渉式膜厚測定装置(SCREEN社、「ランダムエース VM-100」)を用いた。
また、シリコン酸化膜(SiO2膜)としては1.5cm×1cmのLP-TEOSを使用し、シリコン窒化膜と同条件で実施し、シリコン酸化膜のエッチング量を求めた。
そして、下記式により、シリコン窒化膜のエッチング速度、シリコン酸化膜のエッチング速度、選択速度比を算出した。算出結果を表1~2に示した。
シリコン窒化膜(SiN膜)のエッチング速度(Å/min)=シリコン窒化膜エッチング量(Å)/90(min)
シリコン酸化膜(SiO2膜)のエッチング速度(Å/min)=シリコン酸化膜エッチング量(Å)/90(min)
選択速度比=シリコン窒化膜エッチング速度/シリコン酸化膜エッチング速度
実施例1~12、15~16、参考例1、4~5及び比較例1~2のエッチング液の循環安定性の評価を行った。
まず、各組成に調製したエッチング剤を160~170℃で120分間加熱し、その後室温まで冷却させる。そして、0.2μmフィルタ[ADVANTEC社製、「DISMIC」、シリンジフィルタ、材質:親水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)]を用いて、0.25MPaの圧力下における3分間の通液量を測定した。
Claims (7)
- シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程用のエッチング液であって、
pKaが2以下の高温安定化剤と、リン酸と、珪素化合物を含む溶液と、水とを配合してなり、
前記珪素化合物を含む溶液は、シリカの少なくとも一部をアルカリで溶解したシリカ溶解液であり、
高温化安定化剤の配合量が0.1質量%未満であり、
リン酸の配合量が70質量%以上であり、
高温安定化剤の質量(M1)に対するリン酸の質量(M2)の比(質量比M2/M1)が800以上である、エッチング液。 - pKaが2以下の高温安定化剤は、pKaが2以下の有機酸である、請求項1に記載のエッチング液。
- 25℃におけるpHが2以下である、請求項1又は2に記載のエッチング液。
- エッチング温度が110℃以上180℃以下である、請求項1から3のいずれかに記載のエッチング液。
- エッチング液のフィルタ通液量が10g/3分以上である、請求項1から4のいずれかに記載のエッチング液。
- 請求項1から5のいずれかに記載のエッチング液を用いて、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程を含む、エッチング方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載のエッチング液を用いて、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を有する基板からシリコン窒化膜を除去する工程を含む、半導体基板の製造方法。
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