JP2020092564A - 回転電機のロータ、及び回転電機 - Google Patents

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智則 佐々木
Tomonori Sasaki
智則 佐々木
満季 浅井
Mitsuki Asai
満季 浅井
謙太 清水
Kenta Shimizu
謙太 清水
慶大 片桐
Keita Katagiri
慶大 片桐
康 佐竹
Yasushi Satake
康 佐竹
渉 牧志
Wataru Makishi
渉 牧志
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Abstract

【課題】筒部材の軸線に沿った割れの伝搬を抑制できる回転電機のロータ、及び回転電機を提供すること。【解決手段】筒部材16と、永久磁石と、筒部材16の軸線m上に設けられ、筒部材16及び永久磁石と一体回転可能な第1軸部材及び第2軸部材と、を備え、筒部材16は、軸方向層及び周方向層40により永久磁石の外周の全域を取り囲むことで構成され、最外周方向層43により永久磁石の外周の全域を取り囲んだ状態で、筒部材16は、軸線mを中心とする外周方向において最外周方向層43を同最外周方向層43に対して固着させるとともに軸線mが延びる方向の全長に亘って設けられている固着部50を有し、軸線mに直交する方向から見て、固着部50は軸線mに交差する方向の成分の形状を有している。【選択図】図4

Description

本発明は、回転電機のロータ、及び回転電機に関する。
従来、特許文献1に記載されるような回転電機のロータ、及び回転電機が知られている。
上記回転電機のロータは、回転軸と、回転軸の外周部分に取り付けられる永久磁石と、永久磁石の外周を被覆する筒部材とを備えている。筒部材は、樹脂を含侵させた繊維を予めシート状に形成した繊維層を芯金に巻き付けることで形成されるものである。
特開平8−107641号公報
ここで、繊維層を巻回することで構成される筒部材は、繊維層の巻き終わりの部分を筒部材の同繊維層に対して圧着させる、もしくは繊維層に熱を加えることで樹脂を溶融させることで同繊維層に固着させることが考えられる。
ところで、繊維層の巻き終わりの部分は、筒部材の軸線に直交する方向から見て筒部材の軸線に沿った直線形状をなすように同繊維層に固着されることがある。当該筒部材で回転電機のロータを構成する永久磁石を被覆するときに、例えば永久磁石を筒部材の内周面に圧入したとすると、繊維層の巻き終わりの部分と同繊維層との固着部に割れが生じ、ひいては割れが筒部材の軸線に沿って伝搬する可能性がある。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、筒部材の軸線に沿った割れの伝搬を抑制できる回転電機のロータ、及び回転電機を提供することにある。
上記課題を解決する回転電機のロータは、筒部材と、前記筒部材の内周面に固定された磁性体と、前記筒部材の軸線上に設けられ、前記筒部材及び前記磁性体と一体回転可能な回転軸と、を備え、前記筒部材は、樹脂により覆われた強化繊維により構成される繊維層が前記軸線を中心として巻回された状態で構成され、前記軸線に直交する方向の外側から前記筒部材を見て、前記筒部材の最外層をなす前記繊維層の端部と前記繊維層との境界部分は、前記繊維層同士を固着する固着部をなし、前記軸線に直交する方向の外側から前記筒部材を見て、前記固着部は、前記筒部材の前記軸線に沿った方向の全長に亘って設けられるとともに前記軸線に交差する方向の成分を有する形状を含んでいる。
これによれば、例えば、筒部材の軸線に直交する方向の外側から筒部材を見て、固着部が筒部材の軸線に沿った直線形状をなしている場合と比較して、繊維層同士が固着する面積が大きくなる。すなわち、繊維層同士が固着する度合いが強くなる。また、固着部は、軸線に交差する方向の成分の形状を有している。そのため、筒部材の固着部に割れが生じ難くなることに加えて、固着部に割れが発生しても筒部材の軸線に沿った割れが伝搬し難くなる。
上記回転電機のロータにおいて、前記軸線に直交する方向の外側から前記筒部材を見て、前記固着部は、前記軸線に交差する方向の成分である曲線形状を含んでいるとよい。
上記回転電機のロータにおいて、前記軸線に直交する方向の外側から前記筒部材を見て、前記固着部は、前記軸線に沿った方向の全長において連続して設けられる曲線形状をなすとよい。
これらによれば、筒部材の軸線に直交する方向の外側から筒部材を見て、固着部が軸線に交差する方向の成分である曲線形状を有していれば、繊維層同士が固着する面積を大きくする点において優れている。すなわち、繊維層同士が固着する度合いを強くしやすい。また、例えば固着部に割れが発生したとしても、固着部が曲線形状を有していることにより割れが伝搬する方向は変化する。よって、固着部が曲線形状を有していることにより筒部材の固着部に割れが生じることを好適に抑制でき、且つ固着部に割れが発生しても筒部材の軸線に沿った割れが伝搬し難くなる。
上記課題を解決する回転電機は、ステータと、上記の回転電機のロータと、を備える。
この発明によれば、筒部材の軸線に沿った割れの伝搬を抑制できる。
回転電機の概略断面図。 ロータの筒部材の斜視図。 筒部材の断面図。 筒部材の側面図。 変更例における筒部材の側面図。 変更例における筒部材の側面図。 変更例における筒部材の側面図。
以下、回転電機のロータ、及び回転電機を具体化した実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。なお、説明の便宜上、回転電機について説明し、その後回転電機のロータについて説明する。
図1に示すように、回転電機10は、筒状のハウジング11に収容されている。ハウジング11は、有底筒状の第1ハウジング構成体12と、第1ハウジング構成体12に連結される板状の第2ハウジング構成体13と、を備えている。第1ハウジング構成体12に連結される板状の第2ハウジング構成体13と、を備えている。第1ハウジング構成体12及び第2ハウジング構成体13は金属材料製であり、例えばアルミニウム製である。
第1ハウジング構成体12は、板状の底壁12aと、底壁12aの外周部から筒状に延びる周壁12bと、を有している。第2ハウジング構成体13は、周壁12bにおける底壁12aとは反対側の開口を閉塞した状態で第1ハウジング構成体12に連結されている。
第1ハウジング構成体12の底壁12aの内面には、円筒状のボス部12cが突設されている。ボス部12cの軸線は、第1ハウジング構成体12の周壁12bの軸線と一致している。また、第2ハウジング構成体13の内面には、円筒状のボス部13cが突設されている。ボス部13cは、第1ハウジング構成体12の周壁12bの軸線と一致している。よって、両ボス部12c,13cの軸線は互いに一致している。
回転電機10は、ステータ14と、ロータ15とを備えている。ステータ14は、第1ハウジング構成体12の周壁12bの内周面に固定される円筒状のステータコア14aと、ステータコア14aに巻回されるコイル14bとを有している。
ロータ15は、筒部材16と、磁性体である永久磁石17と、回転軸としての第1軸部材18及び回転軸としての第2軸部材19とを備えている。筒部材16は、軸線が直線状に延びる円筒状である。筒部材16は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から構成される。
永久磁石17は、中実円柱状である。永久磁石17は、径方向に着磁されている。永久磁石17は、筒部材16の内周面16aに圧入されることにより固定されている。永久磁石17の軸線L10は、筒部材16の軸線mと一致している。永久磁石17における軸線L10に沿った方向(永久磁石17の軸方向)の長さは、筒部材16における軸線mに沿った方向(筒部材16の軸方向)の長さより短い。
第1軸部材18及び第2軸部材19は、筒部材16の軸方向両端にそれぞれ設けられている。第1軸部材18は、第1圧入部18a、第1フランジ部18b、及び第1軸部18cを有している。第1圧入部18aは、円柱状をなしている。第1圧入部18aは、筒部材16の内周面16aにおける軸方向の一端部16bに圧入されている。よって、第1軸部材18は、筒部材16及び永久磁石17と一体回転可能である。
第1フランジ部18bは、第1圧入部18aに連続するとともに第1圧入部18aよりも外径が大きい円環状をなしている。第1軸部18cは、円柱状をなしている。第1軸部18cは、第1フランジ部18bにおける第1圧入部18aとは反対側の端部に連続している。第1軸部18cの外径は、第1圧入部18aの外径と同じである。
第2軸部材19は、第2圧入部19a、第2フランジ部19b、及び第2軸部19cを有している。第2圧入部19aは、円柱状をなしている。第2圧入部19aは、筒部材16の内周面16aにおける軸方向の他端部16cに圧入されている。よって、第2軸部材19は、筒部材16及び永久磁石17と一体回転可能である。
第2フランジ部19bは、第2圧入部19aに連続するとともに第2圧入部19aよりも外径が大きい円環状をなしている。第2軸部19cは、円柱状をなしている。第2軸部19cは、第2フランジ部19bにおける第2圧入部19aとは反対側の端部に連続している。第2軸部19cの外径は、第2圧入部19aの外径と同じである。
第1圧入部18aの外径と第2圧入部19aの外径とは同じである。また、第1フランジ部18bの外径と第2フランジ部19bの外径とは同じである。さらに、第1軸部18cの外径と第2軸部19cの外径とは同じである。第1軸部材18及び第2軸部材19は、第1軸部材18の軸線L11及び第2軸部材19の軸線L12が筒部材16の軸線mに一致した状態で、筒部材16の軸方向両側にそれぞれ設けられている。したがって、第1軸部材18の軸線L11及び第2軸部材19の軸線L12は、永久磁石17の軸線L10に一致している。筒部材16は、永久磁石17、第1軸部材18、及び第2軸部材19の同時状態を担保する。
第1フランジ部18bにおける第1圧入部18a側の端面は、筒部材16の一端部16bに当接している。第2フランジ部19bにおける第2圧入部19a側の端面は、筒部材16の他端部16cに当接している。そして、第1フランジ部18bの端面における筒部材16の一端部16bに対する当接、及び第2フランジ部19bの端面における筒部材16の他端部16cに対する当接によって、筒部材16における軸方向に移動が規制されている。
第1軸部材18の第1軸部18cは、ボス部13cの内側を通過するとともに第2ハウジング構成体13を貫通してハウジング11外へ突出している。ボス部13cの内周面と第1軸部18cの外周面との間には、第1軸受21が設けられている。そして、第1軸部材18は、第1軸部18cが第1軸受21を介してボス部13cに支持されることにより、ハウジング11に回転可能に支持されている。
第2軸部材19の第2軸部19cは、ボス部12cの内側に挿入されている。ボス部12cの内周面と第2軸部19cの外周面との間には、第2軸受22が設けられている。そして、第2軸部材19は、第2軸部19cが第2軸受22を介してボス部13cに支持されることにより、ハウジング11に回転可能に支持されている。
上記構成のロータ15において、図示しない駆動回路によって制御された電力がコイル14bに供給されると、永久磁石17が回転しようとし、永久磁石17が圧入されている筒部材16が永久磁石17と一体的に回転する。そして、筒部材16と第1軸部材18との圧入部分においてトルクが筒部材16から第1軸部材18に伝達されるとともに、筒部材16と第2軸部材19との圧入部分においてトルクが筒部材16から第2軸部材19に伝達され、ロータ15が回転する。筒部材16は、ロータ15の回転によって遠心力を受ける永久磁石17の変形を抑制する。
次に、筒部材16について詳細に説明する。
図2に示すように、筒部材16は、強化繊維としての複数の第1繊維16dと、強化繊維としての複数の第2繊維16eと、第1繊維16d及び第2繊維16eを覆う樹脂16fとにより構成されている。第1繊維16dは、筒部材16の軸線mに沿った方向である第1方向Aに延びている。第1方向Aとは、具体的には筒部材16の軸方向を示している。第2繊維16eは、筒部材16の軸線mを中心とする筒部材16の外縁に沿った方向である第3方向Cに延びている。筒部材16が円筒状をなしているため、第3方向Cは具体的には筒部材16の周方向のことである。筒部材16は、複数の第1繊維16d及び複数の第2繊維16eが樹脂16f(マトリックス樹脂)中に複合化されることにより形成されている。なお、樹脂16fは、熱硬化性樹脂で構成され、第1繊維16d及び第2繊維16eは、同じ炭素繊維で構成されている。
図3に示すように、筒部材16は、樹脂16fにより覆われた第1繊維16d及び第2繊維16eにより構成される繊維層としての軸方向層30と繊維層としての周方向層40とが筒部材16の軸線mを中心として(第3方向Cに沿って)巻回された状態で構成されている。筒部材16は、軸線mに直交する方向である第2方向Bに軸方向層30と周方向層40とが積層されることで構成されている。第2方向Bとは、筒部材16が円筒状をなしているため、具体的には筒部材16の径方向のことを示し、また軸方向層30と周方向層40とが積層されている方向を示す。軸方向層30は、第1繊維16dと、第1繊維16dを覆う樹脂16fとにより構成されている。軸方向層30を構成する第1繊維16dは、第1方向Aに沿って配向されている。周方向層40は、第2繊維16eと、第2繊維16eを覆う樹脂16fとで構成されている。周方向層40を構成する第2繊維16eは、第3方向Cに沿って配向されている。周方向層40は、筒部材16の最内層及び筒部材16の最外層をなすとともに最内層と最外層とが常に連続するように第3方向Cに沿って巻回された状態で構成されている。また、軸方向層30は、周方向層40に挟み込まれるように設けられている。このとき、軸方向層30は、周方向層40の間において第3方向Cに沿って常に連続した状態となっている。すなわち、軸方向層30及び周方向層40のそれぞれは、第3方向Cに沿って一筆書きに巻回される様態をなしている。本実施形態において、軸方向層30は、第3方向Cに沿って約1.5周している。また、周方向層40は、第3方向Cに沿って約3.5周している。また、筒部材16では、軸方向層30の巻回され始める第1端部P1と、周方向層40が巻回され始める第2端部P2とが軸線mを挟んで反対側となるように設定されている。筒部材16の構成の特性上、軸方向層30及び周方向層40は各端部P1,P2を乗り越えるように巻回される。ここで筒部材16の軸方向層30及び周方向層40は、周方向層40の間に軸方向層30を挟み込みつつ第3方向Cに沿って常に連続する様態を有している。そのため、軸方向層30及び周方向層40は、第3方向Cに沿って巻回されるときに第2方向Bにおいて各端部P1,P2に対応する部分を軸方向層30及び周方向層40が通過する度に配置される位置が第2方向Bの外側に向けてずれていく。なお、本実施形態の軸方向層30及び周方向層40は、第2方向Bにおいて同じ厚さを有している。筒部材16をロータ15に適用した場合を考えると、軸方向層30及び周方向層40の厚さが厚すぎると、樹脂16fに発生する応力が強くなり、ひいては軸方向層30及び周方向層40の樹脂16fに割れが発生する可能性がある。そのため、本実施形態の筒部材16の軸方向層30及び周方向層40の厚さは、筒部材16をロータ15に適用したときに樹脂16fに割れが発生しうる応力が発生しない程度に設定されている。
筒部材16の最内層に位置する周方向層40を最内周方向層41、最内周方向層41とともに軸方向層30を挟み込む周方向層40を次最内周方向層としての中間層42とする。中間層42は、最内周方向層41が第2方向Bの外側に変形することにより形成されている。また、筒部材16の最外層に位置する周方向層40を最外周方向層43とする。ここで、最外周方向層43とともに軸方向層30を挟み込む中間層42は、次最外周方向層の一例でもある。なお、本実施形態では、中間層42は、筒部材16の最内層及び最外層に位置する周方向層40以外の部分を示している。
筒部材16の第2方向Bにおいて、筒部材16には、最内周方向層41の外面41aと中間層42の内面42aとが互いに重なり合う第1重なり部51が形成されている。また、筒部材16の第2方向Bにおいて、筒部材16には、最外周方向層43の内面43aと中間層42の外面42bとが互いに重なり合う第2重なり部52が形成されている。
上述したように、筒部材16の軸方向層30及び周方向層40は、軸方向層30の第1端部P1及び周方向層40の第2端部P2を乗り越えるように構成されている。そのため、軸方向層30及び周方向層40は、筒部材16の第2方向Bの外側に変形する部分が形成される。具体的に、最内周方向層41が第2方向Bの外側に向けて変形する境界部分を第1境界部B1とする。また、中間層42が軸方向層30を最内周方向層41とともに挟み込むべく第2方向Bの外側に向けて変形する境界部分を第2境界部B2とする。最外周方向層43と中間層42との間に挟まれている軸方向層30の第3方向Cにおける端部31は、第2方向Bにおいて第1境界部B1に一致するように配置されている。最外周方向層43の第3方向Cにおける端部44は、第2方向Bにおいて第2境界部B2に一致するように配置されている。なお、筒部材16は加熱されることで樹脂16fが熱硬化し、軸方向層30と周方向層40とが永久磁石17の外周と取り囲んだ状態で維持される。また、樹脂16fが熱硬化すると同時に軸方向層30及び周方向層40のそれぞれが互いに重なりあっている部分の樹脂16fが若干溶融するため、溶着された状態になる。筒部材16には、各端部P1,P2の近傍に隙間が形成されることが考えられるが、上記の溶融した樹脂16fが当該隙間に入り込むことで、筒部材16の最内層は滑らかな曲面を有する内周面16aとなり、且つ筒部材16の軸方向層30及び周方向層40の重なりにより形成されうる隙間が存在しない状態となる。
軸方向層30及び周方向層40が筒部材16の軸線mを中心として巻回された状態で、筒部材16の第3方向Cにおいて最外周方向層43の端部44が同最外周方向層43に対して固着させられている。筒部材16の軸線mに直交する方向(第2方向B)の外側から筒部材16を見て、筒部材16の最外層をなす最外周方向層43の端部44と同最外周方向層43との境界部分は、最外周方向層43同士を固着する固着部50をなしている。固着部50は、上記した溶融した樹脂16fにより最外周方向層43の端部44と同最外周方向層43とを溶着させることで構成されている。
図4に示すように、筒部材16の軸線mに直交する第2方向Bの外側から筒部材16を見て、固着部50は、第1方向Aの全長に亘って設けられている。第2方向Bの外側から筒部材16を見て、固着部50は、軸線mに交差する方向の成分の形状を有している。具体的には、固着部50は、筒部材16の軸線mに沿った方向(第1方向A)の全長において連続して設けられる曲線形状Csをなしている。固着部50は、筒部材16の軸方向における一端面S1及び他端面S2に対して曲線形状Csで接続されている。固着部50における筒部材16の一端面S1及び他端面S2との間の部分は、筒部材16の外周面を第3方向Cにおいて複数回往復するように複数の曲線形状Csが繋がることで構成されている。なお、固着部50は、第3方向Cにおいて所定領域Rの範囲内に設けられている。所定領域Rとは、微小な範囲であり、最外周方向層43と中間層42との間に挟み込まれている軸方向層30が筒部材16の外部に露出しない程度の範囲となっている。
本実施形態では以下の作用及び効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、例えば、筒部材16の第2方向Bの外側から筒部材16を見て、固着部が筒部材16の軸線mに沿った直線形状をなしている場合と比較して、最外周方向層43同士が固着する面積が大きくなる。すなわち、最外周方向層43同士が固着する度合いが強くなる。また、固着部50は、軸線mに交差する方向の成分の形状を有している。そのため、筒部材16の固着部50に割れが生じ難くなることに加えて、固着部50に割れが発生しても筒部材16の軸線mに沿った割れが伝搬し難くなる。
(2)本実施形態では、筒部材16の第2方向Bの外側から筒部材16を見て、固着部50が軸線mに交差する方向の成分である曲線形状Csを有していれば、最外周方向層43同士が固着する面積を大きくする点において優れている。すなわち、最外周方向層43同士が固着する度合いを強くしやすい。また、例えば固着部50に割れが発生したとしても、固着部50が曲線形状Csを有していることにより割れが伝搬する方向は変化する。よって、固着部50が曲線形状Csを有していることにより筒部材16の固着部50に割れが生じることを好適に抑制でき、且つ固着部50に割れが発生しても筒部材16の軸線mに沿った割れが伝搬し難くなる。
(3)本実施形態では、筒部材16の最内層及び最外層が周方向層40により構成されているため、筒部材16の割れを抑制することができる。
(4)筒部材16を構成する軸方向層30により第1軸部材18及び第2軸部材19の軸線mに対する曲げ方向の剛性が高くなる。したがって、ロータ15全体における第1軸部材18及び第2軸部材19の軸線L11,L12に対する曲げ方向の剛性が高まるため、ロータ15に共振が発生し難くなる。したがって、ロータ15全体が第1軸部材18及び第2軸部材19の軸線L11,L12に対して撓むことを抑制できる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
〇 本実施形態では、固着部50は、軸線mの延びる方向の全長において連続的に設けられている曲線形状Csを有していたが、これに限らず以下のように変更してもよい。
図5に示すように、固着部50は、筒部材16の第2方向Bの外側から筒部材16を見て筒部材16の第3方向Cに往復するように軸線mに交差する直線形状D1が連続的に繋がることで構成されていてもよい。このように変更しても、上記(1)及び(2)と同様の効果が得られる。
〇 また、図6に示すように、固着部50は、筒部材16の一端面S1及び他端面S2と曲線形状Csによって繋がっており、固着部50の各曲線形状Csの間の部分は、軸線mに沿って延びる直線形状D2によって繋がっていてもよい。
〇 また、例えば、図7に示すように、固着部50は、筒部材16の一端面S1及び他端面S2に対して軸線mに交差する方向の成分を有する直線形状D3によって繋がっており、固着部50の各直線形状D3の間の部分は、軸線mに沿って延びる直線形状D2によって繋がっていてもよい。
〇 周方向層40が筒部材16の最内層及び最外層をなすように構成されていたが、例えば、筒部材16の最内層及び最外層を軸方向層30としてもよい。
〇 軸方向層30と周方向層40を第3方向Cに沿って連続するように(一筆書きとなるように)していたが、例えば、軸方向層30及び周方向層40を第3方向Cにおいて、一度切断していてもよい。
〇 軸方向層30を周方向層40により挟みこむように、且つ第3方向Cに沿って常に連続するように設けることに限らない。例えば、筒部材16の最内層をなす周方向層40を第3方向Cに沿って巻回された状態で構成し、筒部材16の最内層の外面に第3方向Cに沿って軸方向層30を巻回させた状態に変更してもよい。このように変更しても、例えば筒部材16の最外層に位置する軸方向層30を同軸方向層30に対して固着させる固着部を形成し、第2方向Bの外側から筒部材16を見て当該固着部が軸線mに交差する方向の成分の形状を有していればよい。
〇 筒部材16は、軸方向層30のみで第3方向Cに沿って巻回された状態に構成されるものに変更してもよい。また、筒部材16は、周方向層40のみで第3方向Cに沿って巻回された状態に構成されるものに変更してもよい。このように変更しても軸方向層30と同軸方向層30とを固着させる、又は周方向層40と同周方向層40とを固着させる固着部を形成し、第2方向Bの外側から筒部材16を見て、固着部が軸線mに交差する方向の形状を有していればよい。
〇 繊維層として第1繊維16d及び第2繊維16eを有する軸方向層30及び周方向層40を採用していたが、これに限らない。例えば、樹脂16fにより覆われる強化繊維の軸線mに対して配向される角度は適宜変更してもよい。
〇 強化繊維としては有機繊維や無機繊維を使用してもよいし、異なる種類の有機繊維、異なる種類の無機繊維、又は有機繊維と無機繊維を混繊した混繊繊維を使用してもよい。有機繊維の種類としては、アラミド繊維、ポリ−p−フェニルレンベンゾビスオキサゾール繊維、超分子量ポリエチレン繊維等が挙げられ、無機繊維の種類としては、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等が挙げられる。
〇 回転軸として第1軸部材18及び第2軸部材19が採用されていたが、これに限らない。例えば、永久磁石17を貫通する1本の回転軸を採用してもよい。この場合においても筒部材16は、ロータ15の回転によって遠心力を受ける永久磁石17の変形を抑制するために使用される。
〇 磁性体として永久磁石17が採用されていたが、磁性体として電磁鋼板を積層した積層コアを採用してもよい。
〇 本実施形態の筒部材16の内周面16aには永久磁石17が圧入されることで固定されていたが、例えば筒部材16の内周面16aに永久磁石17を隙間嵌めし、筒部材16の内周面16aと永久磁石17の外周面との間を接着剤等で埋めるようにしてもよい。
10…回転電機、14…ステータ、15…ロータ、16…筒部材、16a…内周面、16d…第1繊維、16e…第2繊維、16f…樹脂、17…永久磁石、18…第1軸部材、19…第2軸部材、30…軸方向層、40…周方向層、43…最外周方向層、50…固着部、Cs…曲線形状、D1,D3…直線形状、m…筒部材の軸線。

Claims (4)

  1. 筒部材と、
    前記筒部材の内周面に固定された磁性体と、
    前記筒部材の軸線上に設けられ、前記筒部材及び前記磁性体と一体回転可能な回転軸と、を備え、
    前記筒部材は、樹脂により覆われた強化繊維により構成される繊維層が前記軸線を中心として巻回された状態で構成され、
    前記軸線に直交する方向の外側から前記筒部材を見て、前記筒部材の最外層をなす前記繊維層の端部と前記繊維層との境界部分は、前記繊維層同士を固着する固着部をなし、
    前記軸線に直交する方向の外側から前記筒部材を見て、前記固着部は、前記筒部材の前記軸線に沿った方向の全長に亘って設けられるとともに前記軸線に交差する方向の成分を有する形状を含んでいることを特徴とする回転電機のロータ。
  2. 前記軸線に直交する方向の外側から前記筒部材を見て、前記固着部は、前記軸線に交差する方向の成分である曲線形状を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のロータ。
  3. 前記軸線に直交する方向の外側から前記筒部材を見て、前記固着部は、前記軸線に沿った方向の全長において連続して設けられる曲線形状をなすことを特徴とする請求項2に記載の回転電機のロータ。
  4. ステータと、
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の回転電機のロータと、を備えることを特徴とする回転電機。
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