JP2020092098A - 硫化物固体電解質及びその製造方法 - Google Patents

硫化物固体電解質及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程におけるロバスト性が高く、且つ、高いリチウムイオン伝導度を発揮する硫化物固体電解質及びその製造方法を提供する。【解決手段】硫化物固体電解質の製造方法は、Li2S、P2S5、LiI、LiBr及びLi3Nを含有する原料組成物を非晶質化して固体電解質ガラスを得る工程と、前記固体電解質ガラスを加熱する工程と、を備える。前記原料組成物は、Li2S、P2S5、LiI、LiBr及びLi3Nの合計を100mol%として、Li3Nを0mol%超3.82mol%以下含有する。【選択図】図1

Description

本願は、硫化物固体電解質及びその製造方法を開示する。
リチウムイオン電池用の固体電解質として硫化物固体電解質が知られており、その性能を高めるべく種々の研究がなされている。
例えば、特許文献1には、LiS、P、LiI及びLiBrを含有する原料組成物を非晶質化させてガラスとした後で、当該ガラスを熱処理して結晶化させる技術が開示されている。特許文献1においては、原料組成物中にLiBrを添加することで、最終生成物である硫化物固体電解質のリチウムイオン伝導度を向上させている。また、特許文献2には、LiS、P及びLiNを含有する原料組成物を非晶質化させてガラスとした後で、当該ガラスを熱処理して結晶化させる技術が開示されている。特許文献2においては、LiNを硫化物固体電解質におけるリチウム量を増加させるものとして機能させており、LiN中のNをNとして系外へ排出している。或いは、特許文献3に開示されているように、窒化リチウムとハロゲン化リチウムとを混合して熱処理することで所定のイオン伝導性材料を得ることもできる。
特開2015−011898号公報 特開2015−146239号公報 特公昭61−035642号公報
特許文献1に開示されたLiS−P−LiI−LiBr系の硫化物固体電解質は、依然として、リチウムイオン伝導度の向上に改善の余地がある。また、本発明者らの知見では、特許文献1に開示された硫化物固体電解質は、高イオン伝導相が生成する温度が低く、且つ、高イオン伝導相が存在し得る温度領域が狭い。すなわち、特許文献1に開示されたガラスを結晶化温度以上に加熱した場合に、加熱温度が少し高いだけで高イオン伝導相が低イオン伝導相に相転移してしまい、最終生成物である硫化物固体電解質において十分なリチウムイオン伝導度が発揮されない虞がある。これを避けるためには、熱処理における厳密な温度管理が必要となり、硫化物固体電解質の製造において用いられる熱処理装置の制約が大きい。
本発明者は、上記の硫化物固体電解質において構成元素としてNを含有させることで、上記した種々の課題をいずれも解決できることを見出した。
すなわち、本願は、上記課題を解決するための手段の一つとして、
構成元素としてLi、P、S、Br、I及びNを含有する、硫化物固体電解質
を開示する。
本開示の硫化物体電解質は、リチウムイオン伝導度が5.2mS/cm以上であることが好ましい。
本開示の硫化物固体電解質は、例えば、
LiS、P、LiI、LiBr及びLiNを含有する原料組成物を非晶質化して固体電解質ガラスを得る工程と、前記固体電解質ガラスを加熱する工程とを備える硫化物固体電解質の製造方法
により製造することができる。
本開示の製造方法において、原料組成物は、LiS、P5、LiI、LiBr及びLiNの合計を100mol%として、LiNを0mol%超3.82mol%以下含有することが好ましく、0mol%超2.66mol%以下含有することがより好ましい。
本発明者の知見によれば、構成元素としてLi、P、S、Br及びIとともにさらにNを含有させた場合、Nを含有させなかった場合と比較して、硫化物固体電解質のリチウムイオン伝導性が向上する。また、本発明者らの知見によれば、硫化物固体電解質を製造するための原料組成物中にLi、P、S、Br及びIに加えてNを含有させた場合、Nを含有させなかった場合と比較して、当該原料組成物を熱処理した際の高イオン伝導相の生成温度が高温側へシフトし、且つ、高イオン伝導相が存在し得る温度領域も広がる。すなわち、Nの存在によって高イオン伝導相の熱安定性が向上するものと考えられる。これにより、熱処理の際、高イオン伝導相を適切に生成させることができ、リチウムイオン伝導度の高い硫化物固体電解質が得られる。また、熱処理における厳密な温度管理が不要となり、硫化物固体電解質の製造において用いられる熱処理装置の汎用性も広がる。
硫化物固体電解質の製造方法の流れを説明するための図である。 硫化物固体電解質を製造するための原料組成物におけるLiNの量と、硫化物固体電解質のリチウムイオン伝導度との関係を示す図である。 硫化物固体電解質を製造するための原料組成物におけるLiNの量と、高イオン伝導度を示す熱処理温度との関係を示す図である。
1.硫化物固体電解質
本開示の硫化物固体電解質は、構成元素としてLi、P、S、Br、I及びNを含有することを特徴とする。この場合、例えば、5.2mS/cm以上の高いリチウムイオン伝導度を達成できる。
本開示の硫化物固体電解質において、各構成元素の少なくとも一部は、互いにランダムに結合した非晶質相を構成し、各構成元素の少なくとも一部は、結晶相として高イオン伝導相を構成している。本発明者の知見によれば、これら構成元素により構成された高イオン伝導相は、Li10GeP12相に類似する結晶相である。本開示の硫化物固体電解質においては、構成元素としてNが含まれることで、詳細なメカニズムは未解明であるものの、高イオン伝導相の熱安定性が向上し、より高温且つより広い温度領域において、高イオン伝導相が維持される。このように、本開示の硫化物固体電解質は、製造工程におけるロバスト性が高く、且つ、高いリチウムイオン伝導度を発揮できる。
本開示の硫化物固体電解質において、各構成元素の元素濃度は、上記したリチウムイオン伝導度を発揮できる範囲で調整される。各構成元素の元素濃度は、後述の原料組成物における組成比に依存する。
本開示の硫化物固体電解質の形状については特に限定されるものではない。例えば、粒子状や塊状とすることができる。また、成形手段を用いて各種形状に成形することもできる。硫化物固体電解質の形状については、当業者にとって自明な事項であるため、詳細な説明を省略する。
2.硫化物固体電解質の製造方法
本開示の硫化物固体電解質は、例えば、図1に示す方法により製造することができる。
すなわち、LiS、P、LiI、LiBr及びLiNを含有する原料組成物を非晶質化して固体電解質ガラスを得る工程S1と、固体電解質ガラスを加熱する工程S2とを備える硫化物固体電解質の製造方法S10である。
2.1.工程S1
工程S1は、LiS、P、LiI、LiBr及びLiNを含有する原料組成物を非晶質化して固体電解質ガラスを得る工程である。原料組成物は、原料としてLiS、P、LiI、LiBr及びLiNを少なくとも含有していればよく、所望の効果を発揮できる範囲で、これら原料に加えて、その他の原料を含有していてもよい。
原料組成物においては、特にLiNの含有比を調整することで、製造される硫化物固体電解質のリチウムイオン伝導度が一層高まる。具体的には、原料組成物は、LiS、P、LiI、LiBr及びLiNの合計を100mol%として、LiNを0mol%超3.82mol%以下含有することが好ましく、0mol%超2.66mol%以下含有することより好ましい。下限は特に好ましくは1.13mol%以上である。
尚、本発明者の知見では、原料組成物中にLiNがわずかでも含まれていれば、製造される硫化物固体電解質のリチウムイオン伝導度が顕著に高まる。一方で、本発明者が確認した限りでは、原料組成物中のLiNの含有量が多すぎる場合は当該リチウムイオン伝導度がやや低下する傾向にある。ただし、LiNの含有量を増加させた場合においても、それ以外の各原料の含有比や熱処理温度等を調整することで、リチウムイオン伝導度の高い硫化物固体電解質を製造できるものと考えられる。
原料組成物におけるLiN以外の原料の含有比は特に限定されるものではない。例えば、原料組成物は、LiS、P、LiI、LiBr及びLiNの合計を基準(100mol%)として、LiSを好ましくは53.01mol%以上56.25mol%以下、より好ましくは53.94mol%以上54.87mol%以下含有し、Pを好ましくは18.75mol%以上19.00mol%以下、より好ましくは18.86mol%以上18.93mol%以下含有し、LiIを好ましくは10.00mol%以上10.13mol%以下、より好ましくは10.06mol%以上10.09mol%以下含有し、LiBrを好ましくは15.00mol%以上15.20mol%以下、より好ましくは15.08mol%以上15.14mol%以下含有する。
尚、上述の通り、原料組成物はLiNを増加させるほど、LiN以外の原料の含有比率が相対的に小さくなる。この点、LiN以外の原料のうちLiSの含有量を小さくし、その分、LiNを含有させることが好ましい。これにより、硫化物固体電解質全体としてのリチウム量を維持しつつ、Nを含ませることができる。また、焼成温度に対する伝導度の感度が鈍化することから、焼成温度におけるロバスト性が向上するという効果も奏する。
原料組成物の非晶質化は、例えば、メカニカルミリングや溶融急冷法等によって実施することができる。特にメカニカルミリングが好ましい。常温での処理が可能であり、製造工程の簡略化を図ることができるためである。また、溶融急冷法は、反応雰囲気や反応容器に制限があるものの、メカニカルミリングは、目的とする固体電解質ガラスを簡便に合成できるという利点がある。メカニカルミリングは、乾式であってもよいし、各種溶媒を用いた湿式であってもよいが、特に湿式が好ましい。容器等の壁面に原料組成物が固着することができるとともに、原料組成物をより均一に混合でき、原料組成物全体をより適切に非晶質化することができるためである。メカニカルミリングは、原料組成物を、機械的エネルギーを付与しながら混合する方法であれば特に限定されるものではないが、例えばボールミル、振動ミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等を挙げることができ、中でもボールミルが好ましく、特に遊星型ボールミルが好ましい。所望の固体電解質ガラスを効率良く得ることができるためである。メカニカルミリングの各種条件は、原料組成物を非晶質化できるように設定すればよい。
S1によって得られる固体電解質ガラスの形状は特に限定されるものではない。例えば、粒子状や塊状とすることができる。後述のS2において、固体電解質ガラスの全体を均一に加熱でき、高イオン伝導相をより適切に生成できる観点からは、粒子状が好ましい。
粒子状の固体電解質ガラスは、例えば、上記の非晶質化のためのメカニカルミリングとは条件を変更して、粉砕を目的としたメカニカルミリングを行うこと等によって、容易に得ることができる。
2.2.S2
S2は、固体電解質ガラスを加熱する工程である。本発明者の知見では、原料組成物中にLi、P、S、Br及びIに加えてNを含有させた場合、Nを含有させなかった場合と比較して、当該原料組成物を熱処理した際の高イオン伝導相の生成温度が高温側へシフトし、且つ、高イオン伝導相が存在し得る温度領域も広がる。すなわち、Nの存在によって、高イオン伝導相の熱安定性が向上する。そのため、S2においては、加熱温度を厳密に管理する必要がなく、また、固体電解質ガラスを従来よりも高温で加熱することも可能である。
本発明者の知見では、原料組成物を加熱した場合における高イオン伝導相の生成温度は、原料組成物に含まれるLiNの量が増加するほど高温側にシフトし、且つ、高イオン伝導相が存在し得る温度領域も変化する。すなわち、S2における原料組成物に含まれるLiNの量に応じて、S2における加熱温度を決定するとよい。例えば、S2における加熱温度は、LiNの添加量に応じて、215℃以上270℃以下の範囲内で決定することが好ましい。尚、原料組成物におけるLiNの添加量xと加熱温度の下限温度Tminとの関係、及び、LiNの添加量x(mol%)と加熱温度の上限温度Tmaxとの関係をあらかじめ数式化しておき、当該数式に基づいてS2における加熱温度を決定することもできる。
S2における加熱時間は、所望の高イオン伝導相を生成できる時間であれば特に限定されるものではないが、例えば1分間〜24時間の範囲内であり、中でも、1分間〜10時間の範囲内であることが好ましい。
S2における加熱雰囲気は、不活性ガス雰囲気(例えばArガス雰囲気)または減圧雰囲気(特に真空中)で行うことが好ましい。硫化物固体電解質の劣化(例えば酸化)を防止できるためである。
S2における加熱手段は特に限定されるものではない。上述したように、厳密な温度管理が不要であることから、種々の加熱手段を採用可能である。例えば、一般的な加熱炉を用いることができる。
以上の通り、工程S1及びS2を備える製造方法S10により、生産面でのロバスト性が高く、且つ、リチウムイオン伝導度の高い硫化物固体電解質を得ることができる。
尚、製造方法S10により製造される硫化物固体電解質は、構成元素として、原料由来のLi、P、S、Br、I及びNを含有するものである。ここで、例えば、原料組成物に含まれるLiNについては、工程S1及びS2を経ることで、Nの一部が気化して系外に排出される可能性があるものの、少なくとも一部のNが硫化物固体電解質中に残存することとなる。この点、原料組成物におけるLi、P、S、Br、I及びNの各含有量(各元素濃度)と、最終生成物である硫化物固体電解質におけるLi、P、S、Br、I及びNの各含有量(各元素濃度)とは、必ずしも一致している必要はない。
以下、実施例を示しつつ本開示の硫化物固体電解質による効果についてさらに説明する。
1.比較例1
1.1.原料組成物の非晶質化
LiS(フルウチ化学社製)0.5503gと、P(アルドリッチ社製)0.8874gと、LiI(日宝化学社製)0.2850gと、LiBr(高純度化学社製)0.2773gとからなる原料組成物を、5mm径のジルコニアボールの入ったジルコニアポット(45ml)に投入し、その後、脱水ヘプタン(関東化学工業社製)を4g入れ、蓋をした。これを遊星型ボールミル装置(Fritch P-7)にセットし、回転速度500rpmで、20時間メカニカルミリングすることで、固体電解質ガラスを得た。
1.2.固体電解質ガラスの加熱
得られた固体電解質ガラスを不活性ガス雰囲気下、結晶化温度以上の温度で3時間加熱させることで、硫化物固体電解質を得た。
2.実施例1
2.1.原料組成物の非晶質化
LiSを0.5360gと、Pを0.8910gと、LiIを0.2861gと、LiBrを0.2785gと、LiN(高純度化学社製)0.0084gとからなる原料組成物(LiS、P、LiI、LiBr及びLiNの合計を基準(100mol%)として、LiNを1.13mol%含む原料組成物)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして粒子状の固体電解質ガラスを得た。
2.2.固体電解質ガラスの加熱
得られた固体電解質ガラスを不活性ガス雰囲気下、結晶化温度以上の温度で3時間加熱させることで、硫化物固体電解質を得た。
3.実施例2
3.1.原料組成物の非晶質化
LiSを0.5264gと、Pを0.8935gと、LiIを0.2869gと、LiBrを0.2792gと、LiNを0.0140gとからなる原料組成物(LiS、PS5、LiI、LiBr及びLiNの合計を基準(100mol%)として、LiNを1.89mol%含む原料組成物)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして粒子状の固体電解質ガラスを得た。
3.2.固体電解質ガラスの加熱
得られた固体電解質ガラスを不活性ガス雰囲気下、結晶化温度以上の温度で3時間加熱させることで、硫化物固体電解質を得た。
4.実施例3
4.1.原料組成物の非晶質化
LiSを0.5167gと、Pを0.8959gと、LiIを0.2877gと、LiBrを0.2785gと、LiNを0.0197gとからなる原料組成物(LiS、P、LiI、LiBr及びLiNの合計を基準(100mol%)として、LiNを2.66mol%含む原料組成物)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして粒子状の固体電解質ガラスを得た。
4.2.固体電解質ガラスの加熱
得られた固体電解質ガラスを不活性ガス雰囲気下、結晶化温度以上の温度で3時間加熱させることで、硫化物固体電解質を得た。
5.実施例4
5.1.原料組成物の非晶質化
LiSを0.5021gと、Pを0.8996gと、LiIを0.2889gと、LiBrを0.2812gと、LiNを0.0282gとからなる原料組成物(LiS、P、LiI、LiBr及びLiNの合計を基準(100mol%)として、LiNを3.82mol%含む原料組成物)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして粒子状の固体電解質ガラスを得た。
5.2.固体電解質ガラスの加熱
得られた固体電解質ガラスを不活性ガス雰囲気下、結晶化温度以上の温度で3時間加熱させることで、硫化物固体電解質を得た。
6.伝導度測定
比較例1及び実施例1〜4に係る硫化物固体電解質をそれぞれ100mg秤量し、ペレット成型機にて4tプレスを行い、リチウムイオン伝導度を測定するためのペレットを作製した。各ペレットについて交流インピーダンス測定を行って抵抗を測定し、測定された抵抗とペレット厚みとから、リチウムイオン伝導度を算出した。図2に、原料組成物におけるLiNの量と、最終生成物である硫化物固体電解質のリチウムイオン伝導度との関係を示す。
図2に示す結果から明らかなように、構成元素としてLi、P、S、Br、I及びNを含有する実施例1〜4に係る硫化物固体電解質は、Nを含有しない比較例1に係る硫化物固体電解質よりも、リチウムイオン伝導度を向上させることができた。具体的には、原料組成物においてLiNを含有させたことで、最終生成物である硫化物固体電解質のリチウムイオン伝導度が5.2mS/cm以上の高い値となった。
7.熱処理温度の下限温度及び上限温度の評価
比較例1及び実施例1〜4のそれぞれについて、固体電解質ガラスの加熱温度を種々変化させ、最終生成物である硫化物固体電解質が高イオン伝導性(5.0mS/cm以上)を発現可能な熱処理温度領域を確認した。結果を下記表1及び図3に示す。尚、表1における「最低温度」は、最終生成物である硫化物固体電解質が高イオン伝導性を発現可能な熱処理温度の下限をいい、「最高温度」は、最終生成物である硫化物固体電解質が高イオン伝導性を発現可能な熱処理温度の上限をいう。また、図3において、最終生成物である硫化物固体電解質が高イオン伝導性を発現可能な熱処理温度領域を両矢印で示した。
Figure 2020092098
表1及び図3に示す結果から明らかなように、比較例1においては、高イオン伝導相の生成温度が低く、且つ、高イオン伝導相が存在し得る温度領域も狭く、固体電解質ガラスを高温で加熱した場合に高イオン伝導相が低イオン伝導相に相転移してしまうことが分かった。すなわち、熱処理における厳密な温度管理が必要となり、硫化物固体電解質の製造において用いられる熱処理装置の制約が大きいことが分かった。
一方、実施例1〜4のように、原料組成物におけるLiNの含有量が増加するほど、高イオン伝導相の生成温度が高温側にシフトすることが分かった。さらに、LiNの添加により、高イオン伝導相が存在し得る温度領域を拡大することもできた。すなわち、LiS、P、LiI、LiBr及びLiNを含有する原料組成物を非晶質化して固体電解質ガラスを得る工程と、得られた固体電解質ガラスを加熱する工程とにより、生産面でのロバスト性の高い硫化物固体電解質を得ることができることが分かった。
本開示の硫化物固体電解質は、例えば、全固体リチウムイオン電池用の固体電解質として適用可能である。当該全固体リチウムイオン電池は、車載用の大型電源として利用可能である。また、非常用電源、民生用電池としても応用可能である。

Claims (4)

  1. LiS、P、LiI、LiBr及びLiNを含有する原料組成物を非晶質化して固体電解質ガラスを得る工程と、
    前記固体電解質ガラスを加熱する工程と、
    を備える硫化物固体電解質の製造方法。
  2. 前記原料組成物は、LiS、P、LiI、LiBr及びLiNの合計を100mol%として、LiNを0mol%超3.82mol%以下含有する、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記原料組成物は、LiS、P、LiI、LiBr及びLiNの合計を100mol%として、LiNを0mol%超2.66mol%以下含有する、
    請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記原料組成物として、LiSを53.01mol%以上56.25mol%以下、Pを18.75mol%以上19.00mol%以下、LiNを0mol%超3.82mol%以下、LiIを10.00mol%以上10.13mol%以下、及び、LiBrを15.00mol%以上15.20mol%以下、で含む、請求項1に記載の製造方法。
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