JP7047485B2 - 硫化物固体電解質 - Google Patents

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Description

本開示は、硫化物固体電解質に関する。
パソコン、ビデオカメラ及び携帯電話などの情報関連機器及び通信機器等の近年の急速な普及に伴って、それらの電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業においては、電気自動車用又はハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。そのような種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウムイオン電池が注目されている。
さらに、リチウムイオン電池の中でも、電解質として固体電解質を用いる全固体リチウムイオン電池は、電池内に液体である有機溶媒を用いないため、装置の簡素化を図ることが可能であり、また出力特性等において優れると考えられている。
このような固体電解質層に用いられる固体電解質として、硫化物固体電解質が知られている。例えば特許文献1には、LiS、P、LiI、及びLiBrを少なくとも含有する硫化物固体電解質の製造方法において、非結晶化工程及び加熱工程を行うことによって、Liイオン伝導性が高い硫化物固体電解質を得ることが開示されている。
特許文献2では、固体電解質にアルカリ性化合物を混合することが記載されており、固体電解質に含まれるLiのモル量に対するアルカリ性化合物に含まれるアルカリ金属のモル量の比が1/1000以上1/25以下であることによって、硫化水素の発生及びイオン伝導度の低下が抑制されることが開示されている。当該文献では、アルカリ性化合物は、Li、Na及びKの少なくとも1種を含み、さらにOを含むことが好ましいとしている。
特開2015-011898号公報 特開2017-120728号公報
硫化物固体電解質は、イオン伝導性が高いため、電池の高出力化を図るうえで有用である。しかしながら、硫化物固体電解質には、大気曝露により硫化水素(HS)が発生するという問題がある。すなわち、硫化物固体電解質は、水分と接触した場合に硫化水素を発生する。
硫化水素の発生を抑えるために添加される抑制材は、一般に、硫化物固体電解質のイオン伝導度の低下を引き起こす。そのため、硫化水素の発生が抑えられていると同時に高いイオン伝導度を示す硫化物固体電解質を提供することは困難であった。特に、酸素元素(O)が含まれるアルカリ性化合物を硫化水素の抑制材として使用すると、イオン伝導度が大幅に低下してしまうおそれがある。
本開示は上記の問題に鑑みてなされたものであり、硫化水素の発生が抑制されており、かつ高いイオン伝導度を保持している硫化物固体電解質を提供することが目的である。
本開示は、以下の手段によって上記の目的を達成するものである。
LiS-P-LiI-LiBr系の硫化物固体電解質において、LiSの一部がKSに置換されており、LiS及びKSの合計のモル量に対するKSの割合が、3.0mol%以下である、硫化物固体電解質。
本開示によれば、硫化水素の発生が抑制されており、かつ高いイオン伝導度を保持している硫化物固体電解質が提供される。
図1は、KSによる置換割合と、硫化物固体電解質の硫化水素発生速度との関係をプロットしたものである。 図2は、KSによる置換割合と、硫化物固体電解質のイオン伝導度との関係をプロットしたものである。
本開示の硫化物固体電解質では、LiSの一部がKSに置換されており、LiS及びKSの合計のモル量に対するKSの割合が、3.0mol%以下である。
上述したように、硫化水素の発生を抑制するために硫化物固体電解質に添加される抑制材は、一般に、イオン伝導度の低下をもたらす。特に、酸化物であるアルカリ化合物が抑制材として使用される場合には、酸素とリンとの親和力が高いため、硫化物固体電解質中のリンと酸化物との間での反応によってP-O結合が優先的に形成し、イオン伝導度の低下につながると考えられる。
本開示の発明者らは、LiSの特定の割合をKSで置換することによって、硫化物固体電解質のイオン伝導度を大幅に低下させることなく、硫化物固体電解質における硫化水素の発生が効果的に抑制されることを見出した。
本開示の硫化物固体電解質においては、LiSの一部が強塩基性のKSで置換されていることによって、硫化物固体電解質の塩基性度が向上し、その結果、硫化水素の発生が抑制されていると考えられる。すなわち、KSによって一部が置換された硫化物固体電解質では、水分と接触した場合に硫化物固体電解質表面に形成される潮解液層の塩基性度が向上する。硫化水素は水溶液において酸性を示すため、発生した硫化水素がこのアルカリ性の潮解液によって中和されて、その結果として、硫化水素の系外拡散が抑制されると考えられる。
さらに、本開示の発明者は、LiSをKSに置換する置換割合を検討した。その結果、KSの割合を、LiS及びKSの合計のモル量に対して3.0mol%以下とすることによって、硫化物固体電解質の高イオン伝導度を保持しつつ、硫化水素の発生を効果的に抑制できることを見出した。
以上のように、本開示によれば、硫化水素の発生が抑制されており、かつ高いイオン伝導度を保持している硫化物固体電解質が提供される。
以下、本開示の硫化物固体電解質の実施の形態を説明する。
本開示の硫化物固体電解質では、LiSの一部がKSに置換されている。
〈置換の割合〉
LiSがKSに置換される割合は、LiS及びKSの合計のモル量に対して3.0mol%以下であり、例えば、2.5mol%以下、2.0mol%以下、若しくは1.0mol%以下であってよく、かつ/又は0.1mol%以上、0.3mol%以上、若しくは0.5mol%以上であってよい。
本開示に係る、LiSの一部がKSに置換された硫化物固体電解質は、例えば、硫化物固体電解質の製造過程において、LiSを含む出発原料にKSを添加することによって得ることができる。
〈硫化物固体電解質〉
本開示における硫化物固体電解質は、LiS-P-LiI-LiBr系の硫化物固体電解質である。本開示の硫化物固体電解質及びその製造については、下記の記載と併せて特許文献1の記載を参照できる。
本開示に係る、LiSの一部がKSで置換された硫化物固体電解質は、例えば、以下のような方法によって製造される。まず、LiS、LiI及びLiBrを少なくとも含有するリチウム組成物、KS、並びにPを含む原料組成物を用意する。次に、これらの原料に対して非晶質化処理を行うことで、硫化物ガラスとしての硫化物固体電解質を得る。場合によっては、作成された硫化物ガラスに熱処理を行うことによって、結晶化硫化物ガラスとしての硫化物固体電解質を得る。
非晶質化処理としては、例えば、メカニカルミリング及び溶融急冷法を挙げることができ、中でもメカニカルミリングが好ましい。それによって、常温での処理が可能になり、製造工程の簡略化を図ることができるからである。メカニカルミリングは、原料組成物を、機械的エネルギーを付与しながら混合する方法であれば、特に限定されるものではない。メカニカルミリングは、例えば、ボールミル、振動ミル、ターボミル、メカノフュージョン、及びディスクミル等を挙げることができ、中でもボールミルが好ましく、特に遊星型ボールミルが好ましい。所望の硫化物ガラスを効率良く得ることができるからである。
また、メカニカルミリングの種々の条件は、所望の硫化物ガラスを得ることができるように設定する。例えば、遊星型ボールミルによって硫化物固体電解質を作成する場合は、ポット内に、原料組成物及び粉砕用ボールを加え、所定の回転数及び時間で処理を行う。一般的に、回転数が大きいほど、硫化物固体電解質の生成速度が速くなり、処理時間が長いほど、原料組成物から硫化物ガラスへの転化率が高くなる。
遊星型ボールミルを行う際の回転数は、例えば200rpm~500rpmの範囲内であることが好ましい。また、遊星型ボールミルを行う際の処理時間は、例えば1時間~100時間の範囲内、特には1時間~50時間の範囲内であることが好ましい。また、ボールミルに用いられる容器及び粉砕用ボールの材料としては、例えばZrO及びAl等を挙げることができる。また、粉砕用ボールの径は、例えば1mm~20mmの範囲内である。
必要に応じて行われる熱処理の熱処理温度は、所望の結晶化硫化物ガラスを得ることができる温度であれば特に限定されないが、例えば、160℃以上、180℃以上、195℃以上、若しくは200℃以上であり、かつ/又は、320℃以下、300℃以下、250℃以下、若しくは220℃以下である。熱処理時間は、例えば1分間~24時間の範囲内であることが好ましい。また、熱処理は、不活性ガス雰囲気(例えばArガス雰囲気)又は減圧雰囲気(特に真空)で行うことが好ましい。熱処理の方法は、特に限定されないが、例えば、焼成炉を用いる方法を挙げることができる。
原料組成物における化合物それぞれの割合は、特に限定されるものではない。例えば、LiS、P、LiI及びLiBrを含有する原料組成物を用いて硫化物固体電解質を作製する場合には、LiS及びPの合計に対するLiSの割合が、70mol%~80mol%の範囲内であることが好ましい。化学的安定性の高い硫化物固体電解質を得ることができるからである。
原料組成物におけるLiI及びLiBrの合計の割合は、所望の硫化物固体電解質を得ることができる割合であれば、特に限定されるものではないが、例えば10mol%~35mol%の範囲内であることが好ましく、10mol%~30mol%の範囲内であることがより好ましく、15mol%~25mol%の範囲内であることがさらに好ましい。
本開示の硫化物固体電解質は、原料組成物をガラス化することによって得られる硫化物ガラスであって良く、又は、その硫化物ガラスを熱処理することによって得られる結晶化硫化物ガラスであっても良い。硫化物ガラスは、結晶化硫化物ガラスに比べて柔らかいため、全固体電池を作製した際に活物質の膨張収縮を吸収でき、サイクル特性が優れていると考えられる。一方、結晶化硫化物ガラスは、硫化物ガラスに比べて、Liイオン伝導度が高くなる可能性がある。
本開示の硫化物固体電解質は、例えば、Li、P、及びSを有するイオン伝導体、並びにLiI及びLiBrを有していることが好ましい。LiI及びLiBrの少なくとも一部が、それぞれLiI成分及びLiBr成分としてイオン伝導体の構造中に取り込まれた状態で存在することが好ましい。また、本開示の硫化物固体電解質は、X線回折測定において、LiIのピークを有していても良く、有していなくても良いが、後者が好ましい。Liイオン伝導性が高いからである。この点については、LiBrについても同様である。
上記イオン伝導体は、例えば、Li、P、及びSを有している。イオン伝導体は、オルト組成を有することが好ましい。それによって、硫化物固体電解質の化学的安定性が高くなるためである。ここで、オルトとは、一般的に、同じ酸化物を水和して得られるオキソ酸の中で、最も水和度の高いものをいう。本開示においては、硫化物で最もLiSが付加している結晶組成をオルト組成という。例えば、LiS-P系ではLiPSがオルト組成に該当する。なお、LiS-P系の硫化物固体電解質の場合、オルト組成を得るLiS及びPの割合は、モル基準で、LiS:P=75:25である。
また、本開示において、「オルト組成を有する」という表現は、厳密なオルト組成だけではなく、その近傍の組成をも含むことを意味している。具体的には、上記イオン伝導体が、オルト組成のアニオン構造(PS 3-構造)を主体として含有していることが好ましい。オルト組成のアニオン構造の割合は、イオン伝導体における全アニオン構造に対して、60mol%以上であることが好ましく、70mol%以上であることがより好ましく、80mol%以上であることがさらに好ましく、90mol%以上であることが特に好ましい。なお、オルト組成のアニオン構造の割合は、ラマン分光法、NMR、XPS等によって決定することができる。
硫化物固体電解質は、LiS及び架橋硫黄を実質的に含有しないことが好ましい。それによって、硫化水素発生量の少ない硫化物固体電解質とすることができるからである。「LiSを実質的に含有しない」ことは、X線回折により確認することができる。具体的には、LiSのピーク(2θ=27.0°、31.2°、44.8°、53.1°)を有しない場合は、LiSを実質的に含有しないと判断することができる。架橋硫黄とは、LiSとPとが反応することによって生成する化合物における架橋硫黄をいう。例えば、LiS及びPが反応することで形成されるSP-S-PS構造の架橋硫黄が、これに該当する。このような架橋硫黄は、水と反応しやすく、硫化水素が発生しやすい。「架橋硫黄を実質的に含有しない」ことは、ラマン分光スペクトルの測定によって確認することができる。例えば、LiS-P系の硫化物固体電解質の場合、SP-S-PS構造のピークが、通常402cm-1に表れる。そのため、このピークが検出されないことが好ましい。また、PS 3-構造のピークは、通常417cm-1に表れる。本開示の発明においては、402cm-1における強度I402が、417cm-1における強度I417よりも小さいことが好ましい。より具体的には、強度I417に対して、強度I402は、例えば70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、35%以下であることがさらに好ましい。
硫化物固体電解質の形状としては、例えば、粒子状を挙げることができる。硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば、0.1μm~50μmの範囲内であることが好ましい。また、硫化物固体電解質は、Liイオン伝導度が高いことが好ましく、常温におけるLiイオン伝導度が、例えば1×10-4S/cm以上であることが好ましく、1×10-3S/cm以上であることがより好ましい。
なお、本開示の発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有しており、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本開示の発明をさらに具体的に説明する。
〈比較例1:置換なし〉
(硫化物ガラスの調製)
出発原料組成物としてのLiS(フルウチ化学)0.5503g、P(アルドリッチ)0.8874g、LiI(高純度化学)0.2850g、及びLiBr(高純度化学)0.2773gを、5mm径のジルコニアボールの入ったジルコニアポット(45ml)に投入し、脱水ヘプタン(関東化学工業)4gを添加し、蓋をした。これを遊星型ボールミル装置(Fritch P-7)に取り付け、20時間にわたって、メカニカルミリングを行った。その後ヘプタンを除去し、硫化物ガラスを得た。
(小粒径の硫化物ガラスの調製)
次に、この硫化物ガラス2gを、0.3mm径のジルコニアボールの入ったジルコニアポットに再度投入し、ジブチルエーテル(キシダ化学)2g、ヘプタン6gを加えて、20時間にわたって攪拌して、小粒径の硫化物ガラスを得た。
(結晶化硫化物ガラスの調製)
さらに、得られた小粒径の硫化物ガラスを、不活性雰囲気下で、結晶化温度以上の温度で3時間にわたって加熱することによって焼成した。結果として、結晶化硫化物ガラスである硫化物固体電解質を得た。
〈実施例1~3及び比較例2〉
出発原料組成物を下記の表1でのように変更したことを除いて、上記の比較例1と同様の方法によって、結晶化硫化物ガラスである硫化物固体電解質を作成した。なお、実施例1~3及び比較例2では、KS(高純度化学)を使用した。
Figure 0007047485000001
〈硫化水素発生試験〉
上記のようにして得られた各試料に関して、硫化水素の発生試験を行った。具体的には、まず、内部にファンの付いた1.7Lの曝露用デシケータ内に、水が10cc入った20ccるつぼを置き、飽和水蒸気量になるまで放置した。試料100mgを、10ccのガラスシャーレに入れ、ガラスシャーレをパラフィンフィルムで覆った。このガラスシャーレをデシケータ内に配置し、硫化水素センサーを起動させた後に、パラフィンフイルムを取り除いて曝露測定を開始した。曝露時間と硫化水素濃度の関係から傾きを計算し、硫化水素発生速度を算出した。比較例1及び2、並びに実施例1~3に関する実験結果を、図1に示す。
〈イオン伝導度測定〉
上記のようにして得られた各試料のイオン伝導度を測定した。具体的には、試料100mgに対して、ペレット成型機を用いた6tプレスを行って、伝導度セルを作製した。そして、交流インピーダンス測定によって得られた抵抗とペレットの厚みから、イオン伝導度を算出した。比較例1及び2、並びに実施例1~3に関する実験結果を、図2に示す。
〈実験結果〉
比較例1及び2、並びに実施例1~3に関する実験結果を、図1及び2に示す。
図1は、LiS及びKSの合計のモル量に対するKSの割合(KSによる置換割合)と、硫化物固体電解質の硫化水素発生速度との関係をプロットしたものである。図1で見ることができるように、KSによる置換割合が0.7mol%、1.3mol%、及び2.7mol%である実施例1、2及び3では、置換を行わなかった比較例1と比較して、硫化水素発生速度が低減していたことが確認された。これらの実施例のうちで最も良好な効果を示したのは実施例3であり、硫化水素の発生速度が、比較例1における硫化水素の発生速度と比較して、約62%低減していた。
一方で、図1によると、KSによる置換割合が4.0mol%である比較例2では、置換を行わなかった比較例1と比較して、硫化水素発生速度が増加していたことが確認された。
図2は、KSによる置換割合と、硫化物固体電解質のイオン伝導度との関係をプロットしたものである。図2で見ることができるように、KSによる置換割合が0.7mol%、1.3mol%、及び2.7mol%である実施例1、2及び3では、置換を行っていない比較例1と比較して、イオン伝導度の低下がわずかであったことが確認された。一方で、KSによる置換割合が4.0mol%である比較例2では、置換を行っていない比較例1と比較して、イオン伝導度が大幅に低下していたことが確認された。
従って、KSによる置換割合が0.7mol%、1.3mol%、及び2.7mol%である硫化物固体電解質は、高い硫化水素発生抑制効果を示すとともに、高いイオン伝導度を保持していたことが確認された。
本開示の実施の形態を、上記において図面を用いて詳しく説明したが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれる。

Claims (1)

  1. LiS-P-LiI-LiBr系の硫化物固体電解質において、LiSの一部がKSに置換されており、LiS及びKSの合計のモル量に対するKSの割合が、0.7mol%以上3.0mol%以下である、硫化物固体電解質。
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