JP5849382B2 - 硫化物固体電解質材料 - Google Patents

硫化物固体電解質材料 Download PDF

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Description

本発明は、抵抗の低い硫化物固体電解質材料に関するものである。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶剤を溶媒とする有機電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造・材料面での改善が必要となる。
これに対し、液体電解質を固体電解質材料に変えて、電池を全固体化した全固体型リチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
このような全固体リチウム電池に用いられる固体電解質層としては、LiS−P等の硫化物固体電解質材料を含む硫化物固体電解質材料を用いるものが知られている。
例えば、特許文献1では、硫化物系リチウムイオン伝導性固体電解質にα‐アルミナを混合してなるリチウムイオン伝導性固体電解質が開示されている。
特開2009−64645号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、高出力化の観点から、抵抗の低い硫化物固体電解質材料を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、非晶質の硫化物固体電解質材料および酸化物を含む原料組成物を加熱し、上記非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化してなるものであり、上記酸化物の含有量が40質量%以下であることを特徴とする硫化物固体電解質材料を提供する。
本発明によれば、上記酸化物を所定量混合した状態で上記非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化することにより、リチウムイオン伝導性が高いもの、すなわち、抵抗の低いものとすることができる。
本発明は、酸化物を含むLiS−P系硫化物固体電解質材料であって、CuKα線を用いたX線回折測定結果として2θ=29.8°、29.2°、27.7°、25.2°にピークを有し、2θ=29.8°におけるピークの半値幅が、0.3°以上であることを特徴とする硫化物固体電解質材料を提供する。
本発明によれば、酸化物を含み、かつ、X線回折測定により上記のピークを示すことにより、リチウムイオン伝導性が高いもの、すなわち、抵抗の低いものとすることができる。
本発明においては、上記酸化物の含有量が40質量%以下であることが好ましい。特に抵抗の低いものとすることができるからである。
本発明は、非晶質の硫化物固体電解質材料および酸化物を含む原料組成物を調製する原料組成物調製工程と、上記原料組成物を加熱し、上記非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化する結晶化工程と、を有し、上記原料組成物における上記酸化物の含有量が40質量%以下であることを特徴とする硫化物固体電解質材料の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記酸化物を所定量混合した状態で非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化することにより、抵抗の低い硫化物固体電解質材料を得ることができる。
本発明は、抵抗の低い硫化物固体電解質材料を提供することができるという効果を奏する。
本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法の一例を示す工程図である。 実施例および比較例で得られた硫化物固体電解質材料の抵抗値の測定結果である。 実施例および比較例で得られた固体電解質材料のXRD測定結果である。
本発明は、硫化物固体電解質材料およびその製造方法に関するものである。
以下、本発明の硫化物固体電解質材料および硫化物固体電解質材料の製造方法について詳細に説明する。
A.硫化物固体電解質材料
まず、本発明の硫化物固体電解質材料について説明する。
本発明の硫化物固体電解質材料は、2つの実施態様に大別することができる。以下、本発明の硫化物固体電解質材料について、第一実施態様および第二実施態様に分けて説明する。
1.第一実施態様
まず、本発明の硫化物固体電解質材料の第一実施態様について説明する。本態様の硫化物固体電解質材料は、非晶質の硫化物固体電解質材料および酸化物を含む原料組成物を加熱し、上記非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化してなるものであり、上記酸化物の含有量が40質量%以下であることを特徴とするものである。
本態様によれば、上記酸化物を所定量混合した状態で上記非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化することにより、アモルファスライクな結晶とすることができる。その結果、結晶の界面の状態が良好なものとすることができ、粒界抵抗の低いものとすることができる。このため、リチウムイオン伝導性が高いもの、すなわち、抵抗の低いものとすることができる。
本態様の硫化物固体電解質材料は、上記原料組成物を加熱してなるものである。以下、このような硫化物固体電解質材料の各構成について説明する。
(1)原料組成物
本態様に用いられる原料組成物は、上記非晶質の硫化物固体電解質材料および酸化物を含むものである。
(a)非晶質の硫化物固体電解質材料
本態様に用いられる非晶質の硫化物固体電解質材料としては、硫黄成分を含有し、Liイオン伝導性を有するものであり、結晶化によりLiイオン伝導性が低下するものであれば特に限定されるものではない。非晶質の硫化物固体電解質材料の原料としては、具体的には、Li、S、および第三成分を有するもの等を挙げることができる。第三成分としては、例えばP、Ge、B、Si、I、Al、GaおよびAsからなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。このような非晶質の硫化物固体電解質材料としては、具体的には、架橋硫黄およびLiSを実質的に含有しない、LiS−P系硫化物固体電解質材料やLiS−SiS系硫化物固体電解質材料等を挙げることができる。
本態様においては、なかでも、LiS−P系硫化物固体電解質材料を好ましく用いることができる。硫化水素の発生が少なく安定なものとすることができるからである。
なお、LiS−P系硫化物固体電解質材料やLiS−SiS系硫化物固体電解質材料等としては、LiSおよびPやLiSおよびSiS等を主原料として含むものであれば良く、これらに他の材料を含むものも含むものである。
ここで、「架橋硫黄」とは、上記LiS−P系硫化物固体電解質材料においては、原料であるLiSおよびPが反応してなるSP−S−PSの架橋硫黄を指すものである。このような架橋硫黄は、水と反応しやすく、硫化水素が発生しやすい。本態様においては、上記非晶質の硫化物固体電解質材料の原料におけるLiSの割合が小さすぎると、上記非晶質の硫化物固体電解質材料が架橋硫黄を含むことになる。さらに、「架橋硫黄を実質的に含有しない」ことは、ラマン分光スペクトルの測定により、確認することができる。
P−S−PSのピークは、通常402cm−1に表れる。そのため、本態様においては、このピークが検出されないことが好ましい。また、PSのピークは、通常417cm−1に表れる。本態様においては、402cm−1における強度I402が、417cm−1における強度I417よりも小さいことが好ましい。より具体的には、強度I417に対して、強度I402は、例えば70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、35%以下であることがさらに好ましい。
一方、「LiSを実質的に含有しない」とは、上記LiS−P系硫化物固体電解質材料の原料に由来するLiSを実質的に含有しないことをいう。LiSは水と反応しやすく、硫化水素が発生しやすい。本態様においては、上記LiS−Pの原料におけるLiSの割合が大きすぎると、上記非晶質の硫化物固体電解質材料がLiSを含むことになる。さらに、「LiSを実質的に含有しない」ことは、X線回折により、確認することができる。具体的には、LiSのピーク(2θ=27.0°、31.2°、44.8°、53.1°)を有しない場合は、LiSを実質的に含有しないと判断することができる。
本態様においては、上記非晶質の硫化物固体電解質材料がLiS−P系硫化物固体電解質材料である場合における、上記LiSのLiSおよびPの合計に対する割合(モル%)としては、例えば72モル%〜78モル%の範囲内であることが好ましい。LiSの含有比率の範囲を、オルト組成を得る値(75モル%)およびその近傍を含む範囲とすることで、架橋硫黄およびLiSを実質的に含有しない非晶質の硫化物固体電解質材料を安定的に調製とすることができ、上記非晶質の硫化物固体電解質材料を硫化水素発生量の少ないものとすることができるからである。
本態様に用いられる非晶質の硫化物固体電解質材料の調製方法としては、非晶質の硫化物固体電解質材料を得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、上記非晶質の硫化物固体電解質材料の原料に対して、遊星型ボールミルでガラス化させる方法、または溶融急冷でガラス化させる方法等を挙げることができる。
(b)酸化物
本態様に用いられる酸化物としては、上記原料組成物を加熱し、上記非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化させた後に、所望の抵抗の硫化物固体電解質材料とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、用途等に応じて異なるものである。
本態様においては、本態様の硫化物固体電解質材料が全固体電池における固体電解質層に用いられる場合には、電子伝導性を有さないもの、すなわち、絶縁性を有するものであることが好ましい。
このような絶縁性を有する酸化物としては、例えば、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al),酸化ジルコニウム(ZrO)、五酸化二リン(P),酸化ホウ素(B)等を挙げることができ、なかでも、SiO、Alを好ましく用いることができ、特に、SiOを好ましく用いることができる。化学的に安定であるからである。
本態様に用いられる酸化物の形状は、通常、粉末状であり、その粒径としては、0.001μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、0.01μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、特に、0.01μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。上記酸化物の粒径が上述の範囲内であることにより、界面の状態をより良好なものとすることができ、低抵抗化を図ることができるからである。
本態様に用いられる酸化物の本態様の硫化物固体電解質材料における含有量、すなわち、上記原料組成物における含有量は、40質量%以下である。
結晶化前の段階である上記非晶質の硫化物固体電解質材料および酸化物を含む原料組成物は、酸化物を含まない硫化物固体電解質材料と比較し、上記酸化物を含有することにより抵抗が増加する傾向がある。
本態様においては、本態様の硫化物固体電解質材料を、上記非晶質の硫化物固体電解質材料および酸化物を含む原料組成物よりも抵抗の少ないものとすることができるという観点から、15質量%〜35質量%の範囲内であることが好ましく、特に20質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましい。上記酸化物の含有量が上述の範囲内であることにより、特に上記原料組成物より抵抗の低いものとすることができるからである。
また、本態様においては、本態様の硫化物固体電解質材料を酸化物を含まない硫化物固体電解質材料を結晶化したもの、すなわち、酸化物の含有量が0質量%のものよりも、抵抗の低いものとすることができるという観点から、上記原料組成物における上記酸化物の含有量が、25質量%以下であることが好ましく、特に15質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。酸化物の含有量が0質量%のものよりも特に抵抗の低いものとすることができるからである。
(c)原料組成物
本態様における原料組成物は、上記非晶質の硫化物固体電解質材料および酸化物を少なくとも含むものである。
このような原料組成物の調製方法としては、上記非晶質の硫化物固体電解質材料および酸化物を均一に混合したものとすることができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、上記非晶質の硫化物固体電解質材料の原料と上記酸化物とを混合する方法であっても良く、上記非晶質の硫化物固体電解質材料を調製した後、上記酸化物とを混合する方法であっても良い。なお、上記原料と上記酸化物とを混合する場合には、上記酸化物を含んだ状態で、上記原料から上記非晶質の硫化物固体電解質材料を調製することになる。
(2)硫化物固体電解質材料
本態様の硫化物固体電解質材料は、上記原料組成物を加熱し、上記原料組成物に含まれる非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化させたものである。
本態様において、上記原料組成物を加熱する方法としては、上記原料組成物に含まれる非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化させることができる方法であれば特に限定されるものではなく、全固体電池の分野における一般的な方法を用いることができる。
本態様においては、結晶化温度以上で上記原料組成物を加熱する方法であれば良く、例えば、上記非晶質の硫化物固体電解質材料がLiS−P系硫化物固体電解質材料である場合には、加熱温度を150℃〜300℃の範囲内で、加熱時間を1分〜2時間の範囲内とすることができる。
本態様の硫化物固体電解質材料の用途としては、例えば、リチウム電池用途を挙げることができる。上記リチウム電池は、固体電解質層を有する全固体リチウム電池であっても良く、電解液を有するリチウム電池であっても良い。
また、上記硫化物固体電解質材料は、正極層や負極層に用いられるものであっても良く、上記正極層および負極層に挟持される電解質層に用いられるものであっても良い。
2.第二実施態様
次に、本発明の硫化物固体電解質材料の第二実施態様について説明する。
本態様の硫化物固体電解質材料は、酸化物を含むLiS−P系硫化物固体電解質材料であって、CuKα線を用いたX線回折測定結果として2θ=29.8°、29.2°、27.7°、25.2°にピークを有し、2θ=29.8°におけるピークの半値幅が、0.3°以上であることを特徴とするものである。
本態様によれば、酸化物を含み、かつ、X線回折測定により上記のピークを示すことにより、界面の状態が良好なものとすることができ、粒界抵抗の低いものとすることができる。このため、リチウムイオン伝導性が高いもの、すなわち、抵抗の低いものとすることができる。
本態様の硫化物固体電解質材料は、CuKα線を用いたX線回折(XRD)測定結果として2θ=29.8°、29.2°、27.7°、25.2°にピークを有するものである。また、2θ=29.8°におけるピークの半値幅が、0.3°以上のものである。本態様においては、なかでも、上記半値幅が、0.3°〜0.6°の範囲内であることが好ましい。上記ピーク半値幅が上述の範囲内であることにより、結晶の界面の状態が良好なものとすることができ、低抵抗なものとすることができるからである。
本態様の硫化物固体電解質材料の製造方法としては、上述のピークを有するものとすることができる方法であれば特に限定されるものではないが、具体的には、後述する「B.硫化物固体電解質材料の製造方法」を用いることができる。
B.硫化物固体電解質材料の製造方法
次に、本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法について説明する。
本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法は、非晶質の硫化物固体電解質材料および酸化物を含む原料組成物を調製する原料組成物調製工程と、上記原料組成物を加熱し、上記非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化する結晶化工程と、を有し、上記原料組成物における上記酸化物の含有量が40質量%以下であることを特徴とするものである。
このような本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法を図を参照して説明する。図1は、本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法の一例を説明する説明図である。図1において例示する製造方法においては、まず、出発原料として、非晶質の硫化物固体電解質材料および酸化物を準備し、両者が均一となるように混合し、原料組成物を調製する(原料組成物調製工程)。次に、これらの原料組成物を加熱し、上記非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化する(結晶化工程)。これにより、上記原料組成物から、上記硫化物固体電解質材料を得る。
本発明によれば、上記酸化物を所定量混合した状態で非晶質の硫化物固体電解質を結晶化することにより、アモルファスライクな結晶を有する硫化物固体電解質材料を得ることができる。ここで、アモルファスライクな結晶を有するものとすることにより、界面の状態が良好なものとすることができ、粒界抵抗の低いものとすることができる。このため、リチウムイオン伝導性が高いもの、すなわち、抵抗の低いものとすることができる。
したがって、抵抗の低い硫化物固体電解質材料を得ることができるのである。
本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法は、上記原料組成物調製工程および結晶化工程を少なくとも有するものである。
以下、本発明の製造方法の各工程について説明する。
1.原料組成物調製工程
本発明の製造方法における原料組成物調製工程は、上記非晶質の硫化物固体電解質材料および酸化物を含む原料組成物を調製する工程である。
本工程において、上記原料組成物を調製する方法としては、上記非晶質の硫化物固体電解質材料および酸化物が均一に混合したものとすることができる方法であれば良く、例えば、上記「A.硫化物固体電解質材料」の項に記載した内容と同様とすることができる。
また、本工程に用いられる非晶質の硫化物固体電解質材料、酸化物および本工程により得られる原料組成物については、上記「A.硫化物固体電解質材料」の項に記載した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.結晶化工程
本発明の製造方法における結晶化工程は、上記原料組成物調製工程で調製された原料組成物を加熱し、上記非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化する工程である。
本工程において、上記原料組成物を加熱する方法としては、上記非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化することができる方法であれば特に限定されるものではなく、上記「A.硫化物固体電解質材料」の項に記載した内容と同様とすることができる。
また、本工程により得られる硫化物固体電解質材料については、上記「A.硫化物固体電解質材料」の項に記載した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
LiSを0.7656gPを1.2344g、脱水ヘプタン(30ppm以下)を4g秤量し、45ccのZrOの遊星型ボールミルの容器に入れ、5mmφのZrOボールを53gで500rpmで40時間反応させた。その後、150℃で真空乾燥させ、硫化物固体電解質材料を取り出した。
その後、上記硫化物固体電解質材料とSiOとを質量比で80:20となるように秤量し、めのう乳鉢で混合し、100mgでφ11.28mmのペレットを加圧プレスで4.3ton/cmでプレスしペレットを成型した。
次いで、250℃で2h加熱を行い上記硫化物固体電解質材料の結晶化を行った。
このようにして、硫化物固体電解質材料を得た。
[実施例2]
上記硫化物固体電解質材料と、SiOとの質量比を90:10とした以外は実施例1同様にペレットを成型した。
[実施例3]
上記硫化物固体電解質材料と、SiOとの質量比を75:25とした以外は実施例1同様にペレットを成型した。
[実施例4]
上記硫化物固体電解質材料と、SiOとの質量比を70:30とした以外は実施例1同様にペレットを成型した。
[実施例5]
上記硫化物固体電解質材料と、SiOとの質量比を60:40とした以外は実施例1同様にペレットを成型した。
[比較例1]
上記硫化物固体電解質材料と、SiOとの質量比を100:0とした以外は実施例1同様にペレットを成型した。
[評価]
(1)抵抗測定
実施例及び比較例で得られた結晶化前のペレットをSUS電極で挟み、1ton/cmの拘束下で抵抗を交流インピーダンス法により測定した。また、結晶化後のペレット(硫化物固体電解質材料)についても、同様の方法により抵抗を測定した。結果を、下記表1および図2に示す。
Figure 0005849382
(2)XRD測定
実施例2、実施例4および比較例1の結晶化後のペレット(硫化物固体電解質材料)についてCuKα線を用いたX線回折(XRD)測定を行い、ピークおよび2θ=29.8°のピークの半値幅を確認した。結果を下記表2および図3に示す。
Figure 0005849382
(3)結果
表1および図2より、実施例1〜3で作成した硫化物固体電解質材料については比較例1よりも低抵抗となることが確認できた。また、実施例1、3および4で作製した硫化物固体電解質材料については、結晶化前、すなわち、原料組成物よりも低抵抗となることが確認できた。また、実施例5で作製した硫化物固体電解質材料についても、結晶化前である原料組成物とほぼ同等の抵抗のものとすることが確認できた。
また、表2および図3より実施例においてはアモルファスライクな結晶状態であることかが確認できた。

Claims (3)

  1. 非晶質の硫化物固体電解質材料を得た後に酸化物を混合した原料組成物を調製する原料組成物調製工程と、
    前記原料組成物を加熱し、前記非晶質の硫化物固体電解質材料を結晶化する結晶化工程と、
    を有し、
    前記非晶質の硫化物固体電解質材料がLiS−P系硫化物固体電解質材料であり、
    前記原料組成物における前記酸化物の含有量が25質量%以下であることを特徴とする硫化物固体電解質材料の製造方法。
  2. 前記硫化物固体電解質材料が、酸化物を含むLi S−P 系硫化物固体電解質材料であり、CuKα線を用いたX線回折測定結果として2θ=29.8°、29.2°、27.7°、25.2°にピークを有し、2θ=29.8°におけるピークの半値幅が、0.3°以上であることを特徴とする請求項1に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
  3. 前記酸化物が、酸化ケイ素(SiO )、酸化アルミニウム(Al )、酸化ジルコニウム(ZrO )、五酸化二リン(P )または酸化ホウ素(B )であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
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