JP2020091683A - ウィンドウ型ウォッチドッグタイマ及び半導体装置 - Google Patents

ウィンドウ型ウォッチドッグタイマ及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】部品点数を削減し、監視対象装置の設計の自由度を向上させる事のできるウィンドウ型ウォッチドッグタイマ及び半導体装置を提供する。【解決手段】ウォッチドッグタイマ10において、分周回路12[1]は、基準クロック信号を分周することで分周クロック信号D[1]を生成する。監視回路14は、分周クロック信号のクロック数をカウントするカウンタを有し、カウント値を用いて、マイクロコンピュータからのクリア信号の入力間隔がスロー判定時間を超えるスローエラー及び入力間隔がファスト判定時間未満となるファストエラーの発生有無を監視する。設定回路15は、分周回路における分周比の可変設定並びにスローエラー及びファストエラーの検出条件の可変設定を通じて、スロー判定時間及びファスト判定時間を可変設定する。【選択図】図6

Description

本発明は、ウィンドウ型ウォッチドッグタイマ及び半導体装置に関する。
図19に、デジタル回路を用いて構成されるウィンドウ型ウォッチドッグタイマ910と、それにより動作が監視される監視対象装置としてのマイクロコンピュータ920と、を備えた演算処理システムの構成例を示す。ウォッチドッグタイマ910に設けられた外部端子913に対し外付け部品930が接続される。外付け部品930は抵抗又はコンデンサである。ウォッチドッグタイマ910には、発振回路911及びカウンタ912が設けられる。発振回路911は、外付け部品930としての抵抗の抵抗値又はコンデンサの静電容量値に応じた周波数を有するクロック信号を生成する。カウンタ912は、発振回路911からのクロック信号(又は当該クロック信号を分周して得られる分周クロック信号)のクロック数をカウントすることでカウント値CNTを得る。
正常に動作しているときのマイクロコンピュータ920は、所定のファスト判定時間よりも長く且つ所定のスロー判定時間よりも短い一定の周期で、ウォッチドッグタイマ910に対しクリア信号(例えばパルス)を出力する。カウント値CNTはクリア信号が入力されるたびにリセットされる。
カウント値CNTに対し、スロー判定時間に対応するスロー判定閾値とファスト判定時間に対応するファスト判定閾値とが定められている。そして、ウォッチドッグタイマ910は、カウント値CNTがスロー判定閾値に達したとき、クリア信号の入力がスロー判定時間以上途絶えていると判断して、リセット信号をマイクロコンピュータ920に出力する。また、ウォッチドッグタイマ910は、クリア信号の入力に応答してカウント値CNTがリセットされてからカウント値CNTがファスト判定閾値に達する前に、再度、クリア信号が入力されてカウント値CNTがリセットされたとき、クリア信号の入力間隔が短すぎると判断してリセット信号をマイクロコンピュータ920に出力する。リセット信号が出力される状態は、マイクロコンピュータ920がフリーズ又は暴走している状態に相当していると考えられ、マイクロコンピュータ920は、リセット信号の入力に応答して再起動する。
特開2018−022256号公報
図19に示す演算処理システムでは、外付け部品930の定数変更を通じてスロー判定時間及びファスト判定時間を変更することができるものの、それらを共通の倍率で増減させることしかできないため、マイクロコンピュータ920の設計(ソフトウェア設計)の自由度に制限が加わる。設計の自由度向上は有益である。また、スロー判定時間及びファスト判定時間を可変とするために外付け部品930が必須であり、外付け部品930を接続するための外部端子913をウォッチドッグタイマ910に設ける必要がある。
また、発振回路911の経年劣化や故障により、発振回路911からのクロック信号の周波数が設計周波数から大きく乖離する異常も発生しうる。ウォッチドッグタイマ910に異常がある状態でマイクロコンピュータ920の動作の監視を継続することは妥当ではないが、図19の演算処理システムでは、そのような異常の有無を判断することができない。異常の有無を判断できれば、上記のような妥当とは言えない動作を停止する、又は、上位システムにその旨を通知するといったことが可能となり、有益である。
本発明は、部品点数の削減又は監視対象装置の設計自由度向上に寄与するウィンドウ型ウォッチドッグタイマ及び半導体装置を提供することを目的とする。また、本発明は、自身の異常の有無を診断する機能を備えたウィンドウ型ウォッチドッグタイマ及び半導体装置を提供することを目的とする。
本発明に係る第1のウィンドウ型ウォッチドッグタイマは、監視対象装置からのクリア制御が第1時間以上途絶える第1エラー、及び、前記監視対象装置からの連続する2つのクリア制御の間隔が前記第1時間未満の第2時間よりも短い第2エラーの発生有無を監視し、前記第1エラー又は前記第2エラーが検出されたときに所定のエラー信号を出力するウィンドウ型ウォッチドッグタイマにおいて、所定の基準クロック信号を生成する発振回路と、前記基準クロック信号を分周することで分周クロック信号を生成する分周回路と、前記分周クロック信号に基づき前記第1エラー及び前記第2エラーの発生有無を監視する監視回路と、前記分周回路における分周比の可変設定、並びに、前記第1エラー及び前記第2エラーの検出条件の可変設定を通じて、前記第1時間及び前記第2時間を可変設定する設定回路と、を備えたことを特徴とする。
具体的には例えば、前記第1のウィンドウ型ウォッチドッグタイマにおいて、前記設定回路により前記第1時間と前記第2時間との比が可変とされると良い。
また具体的には例えば、前記第1のウィンドウ型ウォッチドッグタイマにおいて、前記監視回路は、前記分周クロック信号のクロック数をカウントすることでカウント値を得るカウンタを有し、前記カウント値と前記第1時間に対応する第1閾値とに基づき前記第1エラーの発生有無を監視するとともに、前記カウント値と前記第2時間に対応する第2閾値とに基づき前記第2エラーの発生有無を監視し、前記設定回路は、前記分周比の可変設定、並びに、前記第1閾値及び前記第2閾値の内の少なくとも一方の可変設定を通じて、前記第1時間及び前記第2時間を可変設定すると良い。
より具体的には例えば、前記第1のウィンドウ型ウォッチドッグタイマにおいて、前記第1閾値及び前記第2閾値の何れか一方は予め定められた固定値を有し、前記設定回路は、前記第1閾値と前記第2閾値との比を指定する第1データに基づき、前記第1閾値及び前記第2閾値の内、前記固定値を有する一方の閾値を基準に他方の閾値を設定することで、前記第1時間と前記第2時間との比を設定し、これに加えて、前記第1データとは異なる第2データに基づき前記分周比を設定することで前記第1時間及び前記第2時間を設定し、前記第1データ及び前記第2データを変更可能に記憶するメモリが、当該ウィンドウ型ウォッチドッグタイマに設けられると良い。
また例えば、前記第1のウィンドウ型ウォッチドッグタイマにおいて、前記発振回路は、所定の第1基準クロック信号を生成する第1発振回路と、所定の第2基準クロック信号を生成する第2発振回路と、を含み、前記分周回路は、前記第1基準クロック信号を分周することで前記分周クロック信号としての第1分周クロック信号を生成する第1分周回路と、前記第1基準クロック信号を分周することで第2分周クロック信号を生成する第2分周回路と、前記第2基準クロック信号を分周することで第3分周クロック信号を生成する第3分周回路と、前記第2基準クロック信号を分周することで第4分周クロック信号を生成する第4分周回路と、を含み、前記監視回路は、前記第1分周クロック信号に基づき前記第1エラー及び前記第2エラーの発生有無を監視し、前記設定回路は、前記第1分周回路における分周比の可変設定、並びに、前記第1エラー及び前記第2エラーの検出条件の可変設定を通じて、前記第1時間及び前記第2時間を可変設定し、前記第1分周クロック信号〜前記第4分周クロック信号に基づき前記第1発振回路を含む診断対象回路の異常の有無を判別する自己診断回路が更に設けられ、前記第3分周クロック信号の周波数は前記第1分周クロック信号の周波数よりも低く設定され且つ前記第4分周クロック信号の周波数は前記第2分周クロック信号の周波数よりも高く設定される、或いは、前記第3分周クロック信号の周波数は前記第1分周クロック信号の周波数よりも高く設定され且つ前記第4分周クロック信号の周波数は前記第2分周クロック信号の周波数よりも低く設定されても良い。
本発明に係る第2のウィンドウ型ウォッチドッグタイマは、監視対象装置からのクリア制御が第1時間以上途絶える第1エラー、及び、前記監視対象装置からの連続する2つのクリア制御の間隔が前記第1時間未満の第2時間よりも短い第2エラーの発生有無を監視し、前記第1エラー又は前記第2エラーが検出されたときに所定のエラー信号を出力するウィンドウ型ウォッチドッグタイマにおいて、所定の第1基準クロック信号を生成する第1発振回路と、前記第1基準クロック信号を分周することで第1分周クロック信号を生成する第1分周回路と、前記第1基準クロック信号を分周することで第2分周クロック信号を生成する第2分周回路と、所定の第2基準クロック信号を生成する第2発振回路と、前記第2基準クロック信号を分周することで第3分周クロック信号を生成する第3分周回路と、前記第2基準クロック信号を分周することで第4分周クロック信号を生成する第4分周回路と、前記第1分周クロック信号に基づき前記第1エラー及び前記第2エラーの発生有無を監視する監視回路と、前記第1分周クロック信号〜前記第4分周クロック信号に基づき前記第1発振回路を含む診断対象回路の異常の有無を判別する自己診断回路と、を備え、前記第3分周クロック信号の周波数は前記第1分周クロック信号の周波数よりも低く設定され且つ前記第4分周クロック信号の周波数は前記第2分周クロック信号の周波数よりも高く設定される、或いは、前記第3分周クロック信号の周波数は前記第1分周クロック信号の周波数よりも高く設定され且つ前記第4分周クロック信号の周波数は前記第2分周クロック信号の周波数よりも低く設定されることを特徴とする。
具体的には例えば、前記第2のウィンドウ型ウォッチドッグタイマにおいて、前記自己診断回路は、前記第1、第2、第3、第4分周クロック信号のクロック数をカウントすることで、第1、第2、第3、第4カウント値を得るカウンタ部を有し、前記第1カウント値と前記第3カウント値との関係、及び、前記第2カウント値と前記第4カウント値との関係に基づき、前記診断対象回路の異常の有無を判別すると良い。
より具体的には例えば、前記第2のウィンドウ型ウォッチドッグタイマにおいて、前記第3分周クロック信号の周波数は前記第1分周クロック信号の周波数よりも低く設定され且つ前記第4分周クロック信号の周波数は前記第2分周クロック信号の周波数よりも高く設定され、前記自己診断回路は、前記第1カウント値が所定の第1基準値に達するまでに前記第3カウント値が所定の第1判定値に達していない場合、又は、前記第4カウント値が所定の第2基準値に達するまでに前記第2カウント値が所定の第2判定値に達していない場合、前記診断対象回路に異常があると判断すると良い。
或いは具体的には例えば、前記第2のウィンドウ型ウォッチドッグタイマにおいて、前記第3分周クロック信号の周波数は前記第1分周クロック信号の周波数よりも高く設定され且つ前記第4分周クロック信号の周波数は前記第2分周クロック信号の周波数よりも低く設定され、前記自己診断回路は、前記第3カウント値が所定の第1基準値に達するまでに前記第1カウント値が所定の第1判定値に達していない場合、又は、前記第2カウント値が所定の第2基準値に達するまでに前記第4カウント値が所定の第2判定値に達していない場合、前記診断対象回路に異常があると判断しても良い。
また例えば、前記第2のウィンドウ型ウォッチドッグタイマにおいて、制御回路と、第1処理〜第3処理を含む起動時診断処理を実行する起動時診断回路と、を更に備え、前記自己診断回路は、前記診断対象回路に異常があると判断したときに所定の異常信号を出力し、前記診断対象回路に異常があると判断しなかったときに所定の正常信号を出力し、前記第2発振回路は、前記第2基準クロック信号の周波数を、所定の基準周波数、前記基準周波数よりも高い高シフト周波数、及び、前記基準周波数よりも低い低シフト周波数の何れかにすることが可能に構成され、前記起動時診断回路は、前記第1処理において、前記第2基準クロック信号の周波数を前記高シフト周波数に設定し、その状態で前記自己診断回路から前記異常信号が出力されるかを確認し、前記第2処理において、前記第2基準クロック信号の周波数を前記基準周波数に設定し、その状態で前記自己診断回路から前記正常信号が出力されるかを確認し、前記第3処理において、前記第2基準クロック信号の周波数を前記低シフト周波数に設定し、その状態で前記自己診断回路から前記異常信号が出力されるかを確認し、前記制御回路は、前記第1処理にて前記異常信号が出力され且つ前記第2処理にて前記正常信号が出力され且つ前記第3処理にて前記異常信号が出力された場合、前記第2基準クロック信号の周波数を前記基準周波数に設定した上で前記監視回路による前記監視を含む通常動作を開始させ、それ以外の場合、所定の異常対応処理を実行しても良い。
本発明に係る半導体装置は、上記の第1又は第2のウィンドウ型ウォッチドッグタイマを備えた半導体装置であって、前記ウィンドウ型ウォッチドッグタイマは半導体集積回路により構成されることを特徴とする。
本発明によれば、部品点数の削減又は監視対象装置の設計自由度向上に寄与するウィンドウ型ウォッチドッグタイマ及び半導体装置を提供することが可能である。或いは、本発明によれば、自身の異常の有無を診断する機能を備えたウィンドウ型ウォッチドッグタイマ及び半導体装置を提供することが可能である。
本発明の第1実施形態に係る演算処理システムの全体構成図である。 図1のマイクロコンピュータによる監視装置への出力信号の波形例を示す図である。 図1の監視装置によるマイクロコンピュータへの出力信号の波形例を示す図である。 図1の監視装置の外観斜視図である。 本発明の第1実施形態に係り、ウォッチドッグタイマにて発生が監視されるスローエラー及びファストエラーの説明図である。 本発明の第1実施形態に係るウォッチドッグタイマの構成図である。 本発明の第2実施形態に係る監視回路の内部構成図である。 本発明の第2実施形態に係り、監視回路に関わる分周クロック信号、カウント値及びクリア信号の関係を示す図である。 本発明の第2実施形態に係り、メモリに記憶されるデータの説明図である。 本発明の第2実施形態に係り、閾値設定データに基づくファスト判定時間及びスロー判定時間の設定方法を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係る自己診断回路の内部構成図である。 本発明の第3実施形態に係り、カウントトリガ信号と単位カウント区間との関係図である。 本発明の第3実施形態に係り、各クロック信号の周波数の具体例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係り、各クロック信号の周波数の他の具体例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係り、サブ発振回路に周波数調整回路が内包されている様子を示す図である。 本発明の第4実施形態に係り、サブ発振回路から出力されるクロック信号の周波数が、周波数調整回路の状態に依存して変化する様子を示す図である。 本発明の第4実施形態に係り、監視装置の全体フローチャートである。 本発明の第4実施形態に係り、起動時診断処理のフローチャートである。 従来の演算処理システムの概略構成図である。
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、素子又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、素子又は部材等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“CLK”によって参照されるメイン基準クロック信号は(図6参照)、メイン基準クロック信号CLKと表記されることもあるし、基準クロック信号CLK又はクロック信号CLKと略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。
まず、本実施形態の記述にて用いられる幾つかの用語について説明を設ける。レベルとは電位のレベルを指し、任意の信号又は電圧についてハイレベルはローレベルよりも高い電位を有する。任意の信号又は電圧において、ローレベルからハイレベルへの切り替わりをアップエッジと称し、ハイレベルからローレベルへの切り替わりをダウンエッジと称する。周期的にレベルがローレベルとハイレベルとの間で切り替わる任意の信号又は電圧について、当該信号又は電圧の1周期分の区間の長さに対する、当該信号又は電圧のレベルがハイレベルとなる区間の長さの割合を、デューティと称する。
<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る演算処理システムの全体構成図である。演算処理システムは、監視装置1と、監視対象装置の例であるマイクロコンピュータ2(以下、マイコン2と表記する)と、ホスト装置3と、を備える。
監視装置1には、入力端子TM1、出力端子TM2及び通信用端子TM3を含む複数の端子が設けられている。監視装置1は、入力端子TM1及び出力端子TM2を介してマイコン2に接続されており、通信用端子TM3を介してホスト装置3に接続されている。通信用端子TM3は複数の端子にて構成されていて良い。
マイコン2は、所定のプログラムを実行することで該プログラムに従った演算処理を実行する。この際、マイコン2は監視装置1に対して定期的に所定のクリア制御を行うように構成されている。クリア制御はマイコン2から出力される信号WDINを用いて行われる。信号WDINは入力端子TM1に入力される。
図2(a)に信号WDINの波形例を示す。マイコン2の正常動作時において、マイコン2は、50%のデューティを有する矩形波信号を信号WDINとして出力する。この際、信号WDINのレベルをローレベルからハイレベルに切り替えることがクリア制御に相当し、信号WDINのレベルをハイレベルからローレベルに切り替えることもクリア制御に相当する。但し、信号WDINのアップエッジの発生のみがクリア制御に相当するように、又は、信号WDINのダウンエッジの発生のみがクリア制御に相当するようにしても良く、この場合、図2(b)に示す如く、マイコン2は定期的にパルスを信号WDINに含めれば良い。パルスとは、信号レベルがローレベルからハイレベルに切り替わった後、所定の微小時間を経て信号レベルがハイレベルからローレベルに戻る矩形波を指す。
クリア制御の実行は監視装置1に対するクリア信号の入力に相当すると解される。即ち例えば、図2(a)の波形に関して、信号WDINのアップエッジの発生はクリア信号の入力に相当し、信号WDINのダウンエッジの発生もクリア信号の入力に相当する。図2(b)の波形に関しては、信号WDINのアップエッジの発生及び信号WDINのダウンエッジの発生の何れか一方のみがクリア信号の入力に相当する。
監視装置1は、信号WDINに基づきマイコン2が正常に動作しているかを監視し(マイコン2が暴走していないかを監視し)、その監視結果を信号WDOUTとして出力端子TM2から出力する。監視装置1は、マイコン2が正常に動作していないと判断した場合、所定のエラー信号を信号WDOUTに含めて出力端子TM2から出力する。
図3に信号WDOUTの波形例を示す。信号WDOUTは原則としてローレベルに維持されており、図3のエラー信号は信号WDOUTに含められるハイレベルの信号に相当する。この場合において、マイコン2が正常に動作していないと判断されたとき、監視装置1は、例えば、信号WDOUTのレベルをローレベルからハイレベルに切り替えることでエラー信号を出力し、所定時間の経過後、エラー信号の出力を停止する(即ち、信号WDOUTのレベルをローレベルに戻す)。或いは、エラー信号の出力は、マイコン2又はホスト装置3から所定信号が入力されるまで継続されても良い。上述のエラー信号は例に過ぎず、エラー信号の形態は任意であって良い。
エラー信号はマイコン2を再起動させるためのリセット信号としてマイコン2に入力されて良い。マイコン2がリセット信号の入力を受けると、マイコン2の動作が一旦停止されてマイコン2が再起動する。即ち、マイコン2が所定のプログラムの実行中にリセット信号の入力を受けると、当該プログラムの実行が終了されて当該プログラムが最初から再度実行開始される。尚、図1に示す状況とは異なるが、エラー信号を含み得る信号WDOUTはホスト装置3に出力されても良い。
監視装置1及びホスト装置3は通信用端子TM3を介して双方向通信が可能となっている。ここでは、監視装置1及びホスト装置3間で、通信用端子TM3を介し、SPI(Serial Peripheral Interface)通信による信号の送受信が可能であるとする。但し、通信の方式はSPIに限定されない。
図4に監視装置1の外観の例を示す。監視装置1を構成する各回路は半導体にて集積化されている、即ち半導体集積回路により構成されている。監視装置1は、当該半導体集積回路を樹脂にて構成された筐体(パッケージ)内に封入することで形成された半導体装置(電子部品)に相当する、又は、当該半導体装置の構成要素に含まれる。監視装置1を含む半導体装置の筐体には、半導体装置の外部に対し筐体から露出した外部端子が複数設けられている。その複数の外部端子に、上述の入力端子TM1、出力端子TM2及び通信用端子TM3が含まれる。尚、図4に示される外部端子の数は例示に過ぎないし、上記筐体の種類は任意である。また、監視装置1を構成する回路の任意の一部又は全部をディスクリート部品を用いて構成するようにしても良い。
監視装置1は、ウォッチドッグタイマ(以下、WDTと称する)10を内蔵しており、WDT10によりマイコン2が正常に動作しているか否かを監視する。監視装置1におけるWDT10は、いわゆるウィンドウ型WDTである。故に、WDT10は、以下のスローエラー及びファストエラーの発生有無を監視し、スローエラー又はファストエラーが検出されたときにエラー信号を出力端子TM2から出力する。
スローエラーは、図5(a)に示す如く、マイコン2からのクリア制御が所定のスロー判定時間TSLW以上途絶えるエラーを指す(図5(a)では、図2(a)に示すタイプの信号WDINが入力されると仮定;後述の図5(b)でも同様)。故に、WDT10は、マイコン2からのクリア信号の入力を受けた後、次回のクリア信号の入力を待機し、所定のスロー判定時間TSLWが経過しても次回のクリア信号が入力されないとき、スローエラーが発生していると判断及び検出する。
ファストエラーは、図5(b)に示す如く、マイコン2からの連続する2つのクリア制御の間隔が所定のファスト判定時間TFSTよりも短いエラーを指す。故に、WDT10は、マイコン2からのクリア信号の入力を受けた後、次回のクリア信号の入力を待機し、所定のファスト判定時間TFSTが経過する前に次回のクリア信号が入力されたとき、ファストエラーが発生していると判断及び検出する。
スロー判定時間TSLWはファスト判定時間TFSTよりも長い。マイコン2が正常動作しているとき、マイコン2は、スロー判定時間TSLWよりも短く且ファスト判定時間TFSTよりも長い一定の間隔でクリア制御を監視装置1に対して実行する。このため、マイコン2が正常動作しているときには、スローエラーもファストエラーも検知されない。しかしながら、プログラムのフリーズ又は暴走等が発生すると、スローエラー又はファストエラーが検知される。
図6に、WDT10の構成ブロック図を示す。WDT10は、メイン発振回路11Mと、サブ発振回路11Sと、分周回路12[1]〜12[4]と、処理ブロック13と、を備える。
メイン発振回路11Mは、所定の第1基準周波数を有するメイン基準クロック信号CLKを生成及び出力する。サブ発振回路11Sは、所定の第2基準周波数を有するサブ基準クロック信号CLKを生成及び出力する。クロック信号CLK及びCLKを含む任意のクロック信号は、信号レベルが交互にローレベル及びハイレベルとなる矩形波信号であって、通常、50%のデューティを有する。第1基準周波数と第2基準周波数とは互いに一致していても良いし、互いに異なっていても良い。
分周回路12[1]はメイン基準クロック信号CLKを分周することで分周クロック信号D[1]を生成する。分周回路12[2]はメイン基準クロック信号CLKを分周することで分周クロック信号D[2]を生成する。分周回路12[1]及び12[2]の分周比は互いに異なっているが、これについては後述される。分周回路12[1]及び12[2]の内、一方の分周回路の分周比が“1”となることがあっても良い。分周回路12[1]の分周比が“1”であるとき、分周クロック信号D[1]はメイン基準クロック信号CLKと同じ周波数を持つ(分周回路12[2]についても同様)。
分周回路12[3]はサブ基準クロック信号CLKを分周することで分周クロック信号D[3]を生成する。分周回路12[4]はサブ基準クロック信号CLKを分周することで分周クロック信号D[4]を生成する。分周回路12[3]及び12[4]の分周比は互いに異なっているが、これについては後述される。分周回路12[3]及び12[4]の内、一方の分周回路の分周比が“1”となることがあっても良い。分周回路12[3]の分周比が“1”であるとき、分周クロック信号D[3]はサブ基準クロック信号CLKと同じ周波数を持つ(分周回路12[4]についても同様)。
処理ブロック13は、監視回路14と、設定回路15と、メモリ16と、制御回路17と、自己診断回路18と、起動時診断回路19と、出荷時調整データ格納部20と、を備える。
監視回路14は、信号WDIN及び分周クロック信号D[1]に基づきスローエラー及びファストエラーの発生有無を監視し、その監視結果に基づく信号WDOUTを出力する。スローエラー又はファストエラーの発生が検出されたときには、上述の如くエラー信号が信号WDOUTに含められて出力端子TM2から出力される。
制御回路17は処理ブロック13内の動作を統括的に制御する。設定回路15、メモリ16、自己診断回路18、起動時診断回路19及び出荷時調整データ格納部20の機能については後述される。
上述の構成及び動作の詳細例や応用例、変形例を、以下の第2〜第5実施形態の中で説明する。第1実施形態において上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の第2〜第5実施形態に適用される。以下の各実施形態において、上述と矛盾する事項については以下の各実施形態での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、第1〜第5実施形態の内、任意の実施形態に記載した事項を、他の任意の実施形態に適用することもできる(即ち複数の実施形態の内の任意の2以上の実施形態を組み合わせることも可能である)。
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、スロー判定時間TSLW及びファスト判定時間TFSTを可変設定する方法を説明する。本方法を実現することだけを目的とした場合、サブ発振回路11S、分周回路12[2]〜12[4]、自己診断回路18及び起動時診断回路19は不要であって、それらはWDT10から削除されて良い。
設定回路15は、メモリ16の記憶内容に基づき、分周回路12[1]の分周比を可変設定すると共に監視回路14によるスローエラー及びファストエラーの検出条件を可変設定し、これによってスロー判定時間TSLW及びファスト判定時間TFSTを可変設定する。この際例えば、スロー判定時間TSLW及びファスト判定時間TFST間の比も可変とされると良い。これらの実現方法を具体的に説明する。
図7に示す如く、監視回路14にはカウンタ31が設けられている。カウンタ31は、分周クロック信号D[1]のクロック数をカウントし、カウントしたクロック数をカウント値C[1]として生成する。
分周クロック信号D[1]を含む任意のクロック信号に関し、クロック数とは、当該クロック信号において生じるアップエッジの個数を表す、又は、当該クロック信号において生じるダウンエッジの個数を表す。ここでは、説明の具体化のため、クロック信号において生じるアップエッジの個数によりクロック数が表されるものとする(後述の任意のクロック数についても同様)。そうすると、分周クロック信号D[1]においてアップエッジが生じるたびに、カウント値C[1]に“1”が加算される。
カウンタ31には信号WDINが供給される。カウンタ31は、信号WDINを参照し、クリア信号の入力に応答してカウント値C[1]をリセットする。カウント値C[1]を含む任意のカウント値に関し、カウント値をリセットするとはカウント値に“0”を代入することを意味する。故に、クリア信号が入力される度にカウント値C[1]には“0”が代入される。
図8に、分周クロック信号D[1]とカウント値C[1]とクリア信号との関係を示す。カウント値C[1]に対して、スロー判定時間TSLWに対応するスロー判定閾値THSLWと、ファスト判定時間TFSTに対応するファスト判定閾値THFSTが定められている。
カウント値C[1]がスロー判定閾値THSLWに達することは、マイコン2からのクリア制御(クリア信号の入力)が所定のスロー判定時間TSLW以上途絶えていることを表す。故に、監視回路14は、カウント値C[1]がスロー判定閾値THSLWに達したとき、スローエラーが発生していると判断する。この際、上述の如くエラー信号が信号WDOUTに含められて出力端子TM2から出力される。
カウント値C[1]がファスト判定閾値THSLWに達する前にカウント値C[1]がリセットされることは、マイコン2からの連続する2つのクリア制御の間隔(隣接する2つのクリア信号の入力間隔)が所定のファスト判定時間TFSTよりも短いことを表す。故に、監視回路14は、クリア信号の入力に応答してカウント値C[1]がリセットされてからカウント値C[1]がファスト判定閾値THSLWに達する前に、再度、クリア信号が入力されてカウント値C[1]がリセットされたとき、ファストエラーが発生していると判断する。この際、上述の如くエラー信号が信号WDOUTに含められて出力端子TM2から出力される。
上述の説明から理解されるように、スロー判定時間TSLWは分周クロック信号D[1]の周期とスロー判定閾値THSLWとの積で表され、ファスト判定時間TFSTは分周クロック信号D[1]の周期とファスト判定閾値THFSTとの積で表される。
分周回路12[1]は、メイン基準クロック信号CLKから分周クロック信号D[1]を生成する際の分周比が可変となるように構成されており、設定回路15は、メモリ16に記憶された分周比設定データDTaに基づき(図9参照)、分周回路12[1]の分周比を制御及び設定する。分周比設定データDTaは分周回路12[1]の分周比を指定するデータである。分周される前のクロック信号(分周回路12[1]についてはメイン基準クロック信号CLK)の周波数と、分周された後のクロック信号(分周回路12[1]については分周クロック信号D[1])の周波数との比が、“N:1”で表される場合、当該分周における分周比は“N”である(Nは2以上の整数)。分周回路12[1]の分周比が変更されれば、スロー判定時間TSLW及びファスト判定時間TFST間の比が固定されたままで、スロー判定時間TSLW及びファスト判定時間TFSTが変化する。
更に、設定回路15は、メモリ16に記憶された閾値設定データDTbに基づき(図9参照)、スロー判定閾値THSLW及びファスト判定閾値THFSTの内、少なくとも一方を可変設定する。これにより、スロー判定時間TSLW及びファスト判定時間TFST間の比が可変設定される。
ホスト装置3は、通信用端子TM3を介して所定の設定信号を監視装置1に送信することにより、メモリ16に記憶される分周比設定データDTa及び閾値設定データDTbを自由に変更することができる。メモリ16は、データDTa及びDTbを変更可能に記憶する記憶手段であれば任意であり、レジスタのような揮発性メモリであっても良いし、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような不揮発性メモリであっても良い。
閾値設定データDTbは、判定閾値THSLW及びTHFST間の比(換言すれば判定時間TSLW及びTFST間の比)を指定するデータであっても良い。判定閾値THSLW及びTHFST間の比を指定するデータを閾値設定データDTbとする方法を、便宜上、比データ設定方法と称する。
図10に、比データ設定方法が用いられるときであって且つ上記比が4段階で可変されるときの判定時間TSLW及びTFST間の関係例を示す。図10の例において、判定閾値THFSTは予め定められた固定値を持ち、且つ、閾値設定データDTbは、2ビット分のデジタルデータにより構成され、二進数表記で“00”、“01”、“10”、“11”の何れかの値をとる。そして、
閾値設定データDTbが“00”であるときには、判定閾値THFSTと判定閾値THSLWとの比が“1:2”に設定されることで、判定時間TFSTと判定時間TSLWとの比が“1:2”に設定され、
閾値設定データDTbが“01”であるときには、判定閾値THFSTと判定閾値THSLWとの比が“1:4”に設定されることで、判定時間TFSTと判定時間TSLWとの比が“1:4”に設定され、
閾値設定データDTbが“10”であるときには、判定閾値THFSTと判定閾値THSLWとの比が“1:8”に設定されることで、判定時間TFSTと判定時間TSLWとの比が“1:8”に設定され、
閾値設定データDTbが“11”であるときには、判定閾値THFSTと判定閾値THSLWとの比が“1:16”に設定されることで、判定時間TFSTと判定時間TSLWとの比が“1:16”に設定される。
このような比データ設定方法を用いれば、効率的な設定が可能となり、メモリ16の必要容量を小さく抑えることもできる。
比データ設定方法の実現方法は図10に示す例に限定されない。故に、比データ設定方法が用いられるときの判定時間TSLW及びTFST間の比の可変段階数は4段階以外でも良いし、その比の可変のさせ方も、図10に示すような、2のべき乗を利用する方法に限定されない。即ち例えば、閾値設定データDTbに応じて、判定時間TFSTと判定時間TSLWとの比が、“1:2”、“1:3”、“1:4”、“1:5”及び“1:6”の何れかとなるように監視回路14及び設定回路15が構成されていても良い。
また、比データ設定方法が用いられるときにおいて、図10の例のようにファスト判定閾値THFSTが予め定められた固定値を持つ場合には、閾値設定データDTbに応じ、ファスト判定閾値THFSTを基準にスロー判定閾値THSLWが可変設定されることになるが、ファスト判定閾値THFSTではなくスロー判定閾値THSLWに予め定められた固定値を持たせた上で、閾値設定データDTbに応じ、スロー判定閾値THSLWを基準にファスト判定閾値THFSTを可変設定するようにしても良い。
即ちまとめると、比データ設定方法が用いられるとき、スロー判定閾値THSLW及びファスト判定閾値THFSTの何れか一方は予め定められた固定値を有し、設定回路15は、判定閾値THSLW及びTHFST間の比を指定する閾値設定データDTbに基づき、判定閾値THSLW及びTHFSTの内、固定値を有する一方の判定閾値を基準に他方の判定閾値を設定することで、判定時間TSLW及びTFST間の比を可変設定する。これに加えて、設定回路15は、分周比設定データDTaに基づき分周回路12[1]の分周比を制御及び設定し、これによって判定時間TSLW及びTFSTを設定する(即ち判定時間TSLW及びTFSTの夫々の長さを定める)。
設定回路15は、比データ設定方法に分類されない方法を用いても良い。即ち例えば、閾値設定データDTbは判定閾値THSLW及びTHFSTを個別に指定するデータであっても良く、この場合、閾値設定データDTbに従って設定回路15は、判定閾値THSLW及びTHFSTを個別に可変設定することになる。
第2実施形態によれば、抵抗やコンデンサのような外付け部品を必要とすることなく(故に、外付け部品を接続するための外部端子を必要とすることなく)、スローエラー及びファストエラーを判定するためのスロー判定時間及びファスト判定時間を容易に可変設定することが可能となる。抵抗やコンデンサのような外付け部品を用いてウィンドウ型WDTを構成した場合において、抵抗の抵抗値又はコンデンサの静電容量値を可変することでもスロー判定時間及びファスト判定時間は可変となるが、この場合には、スロー判定時間及びファスト判定時間が共通の倍率にて増減することになり、スロー判定時間及びファスト判定時間間の比は不変である。これに対し、第2実施形態の方法を用いれば、スロー判定時間及びファスト判定時間間の比も可変となり、マイコン2の設計の自由度が増す、又は、マイコン2を含むシステム全体の設計の自由度が増す。
<<第3実施形態>>
本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態では、図6の自己診断回路18にて実行される自己診断処理について説明する。自己診断処理は分周クロック信号D[1]〜D[4]に基づき診断対象回路の異常の有無を判別する処理であり、自己診断回路18は、WDT10を含む監視装置1の起動後、継続的に自己診断処理を実行することができる。診断対象回路の異常の有無の判別は、換言すれば、診断対象回路の正常又は異常の判別である。
診断対象回路は少なくともメイン発振回路11Mを含む。メイン発振回路11Mの経年劣化や故障などにより、メイン基準クロック信号CLKの周波数が、設計された所望の周波数(即ち上記第1基準周波数)から問題が生じる程度にずれてくると、WDT10によるマイコン2の動作の監視を正しく行うことができない。自己診断処理では、このようなずれの有無を診断することができる。但し、この診断では、後述されるようにサブ発振回路11Sが利用され、仮にメイン発振回路11Mが正常である一方でサブ発振回路11Sに異常がある場合でも、診断対象回路に異常があると判断されうる。故に、サブ発振回路11Sも診断対象回路に含まれると考えることもできる。更に、自己診断処理は分周クロック信号D[1]〜D[4]に基づいて実行されるため、分周回路12[1]〜12[4]の何れかにおいて異常が生じている場合でも、診断対象回路に異常があると判断されうる。故に、分周回路12[1]〜12[4]も診断対象回路に含まれると考えることもできる。
図11に示す如く、自己診断回路18には、カウンタ41[1]〜41[4]を含むカウンタ部40が設けられている。カウンタ部40におけるカウンタは、対応する分周クロック信号のクロック数をカウントし、カウントしたクロック数をカウント値として生成する。カウンタ41[1]〜41[4]に対応する分周クロック信号は、夫々、分周クロック信号D[1]〜D[4]である。即ち、カウンタ41[i]は、分周クロック信号D[i]のクロック数をカウントし、カウントしたクロック数をカウント値Ca[i]として生成する(iは整数)。
カウンタ41[1]〜41[4]にはカウントトリガ信号が同時に入力される。カウンタ41[1]〜41[4]の動作は互いに同じであるため、カウンタ41[1]〜41[4]の何れかを指すカウンタ41[i]に注目してカウンタの動作を説明する(iは整数)。カウンタ41[i]は、カウントトリガ信号の入力に応答してカウント値Ca[i]をリセットし(即ちカウント値Ca[i]に“0”を代入し)、その後、分周クロック信号D[i]においてアップエッジが生じるたびにカウント値Ca[i]に“1”を加算する。
図12に示すように、カウントトリガ信号は周期的に繰り返しカウンタ41[1]〜41[4]に入力され、カウントトリガ信号が入力されるたびに上述のカウント動作が実行される。或るカウントトリガ信号の入力タイミングから、次のカウントトリガ信号の入力タイミングまでの区間を、便宜上、単位カウント区間と称する。自己診断回路18は、クロック信号CLK、CLK及びD[1]〜D[4]に基づいて、又は、それらとは異なるクロック信号に基づいて、カウントトリガ信号を発生させることができる。或いは、信号WDINにおけるクリア信号に基づきカウントトリガ信号が生成されても良い。
自己診断回路18は、カウント値Ca[1]とカウント値Ca[3]との関係及びカウント値Ca[2]とカウント値Ca[4]との関係に基づき診断対象回路の異常の有無を判別し(換言すれば診断対象回路の正常又は異常を判別し)、診断対象回路の異常の有無の判別結果を示す診断結果信号Sig1を出力する。自己診断回路18は、このような判別及び診断結果信号Sig1の出力を単位カウント区間ごとに実行して良い。診断結果信号Sig1は異常信号と正常信号の何れかを表す。ここでは、診断結果信号Sig1は1ビットデジタル信号であるとし、ハイレベルの診断結果信号Sig1は異常信号を表し、ローレベルの診断結果信号Sig1は正常信号を表すものとする(図11参照)。診断結果信号Sig1は処理ブロック13内の制御回路17(図6参照)に入力される。制御回路17は、診断結果信号Sig1に基づいて所定の処理を実行することができる(詳細は他の実施形態にて後述)。
自己診断処理の実現するためには、後述の第1周波数条件及び第2周波数条件の何れかを満たす必要があり、上記の判別の具体的な方法は、第1周波数条件が満たされるときと第2周波数条件が満たされるときとで互いに異なる。故に、当該方法の説明の具体化のため、第1周波数条件を満たす実施例EX3_1と第2周波数条件を満たす実施例EX3_2とを分けて説明する。
[実施例EX3_1]
実施例EX3_1を説明する。実施例EX3_1では、第1周波数条件を満たした上で自己診断処理が実行される。第1周波数条件は、分周クロック信号D[3]の周波数が分周クロック信号D[1]の周波数よりも低く設定され、且つ、分周クロック信号D[4]の周波数が分周クロック信号D[2]の周波数よりも高く設定されるという条件である。
図13を参照し、具体的な数値例を挙げて実施例EX3_1に係る自己診断処理を説明する。図13には、発振回路11M及び11S並びに分周回路12[1]〜12[4]に何ら異常が無く、それらが設計通りに動作しているときの、各クロック信号の周波数の具体例が示されている。ここでは、メイン基準クロック信号CLKの周波数の設計値である第1基準周波数、及び、サブ基準クロック信号CLKの周波数の設計値である第2基準周波数が、共に、2.2MHz(メガヘルツ)であるとする。但し、それらの設計値は互いに異なっても良い。
実施例EX3_1において、分周回路12[1]〜12[4]の分周比は上述の第1周波数条件を満たすように設定される。ここでは、分周回路12[1]〜12[4]の分周比が、夫々、2、4、4、2、であることを想定する。そうすると、分周クロック信号D[1]〜D[4]の周波数の設計値は、夫々、1.1MHz、0.55MHz、0.55MHz、1.1MHz、となる。
第3実施形態を第2実施形態と組み合わせて実施するか否かは任意である。第2実施形態と第3実施形態との組み合わせを考慮しない場合にあっては、分周回路12[1]〜12[4]の分周比は固定されていて良い。但し、第2実施形態に示す方法と第3実施形態に示す方法の双方をWDT10で実現する場合にあっては、分周回路12[1]の分周比が第2実施形態に示す如く分周比設定データDTaに基づき可変設定される。故に、分周回路12[1]の分周比の可変設定を実現した上で第1周波数条件を満たすべく、分周回路12[2]〜12[4]の分周比も夫々に可変となるように分周回路12[2]〜12[4]を構成しておくと良い。例えば、図13の状況とは異なり、分周回路12[1]の分周比が分周比設定データDTaに基づき“4”に設定されている状況では、分周回路12[2]〜12[4]の分周比を、夫々、“8”、“8”、“4”に設定すれば良い。この際、分周回路12[1]〜12[4]の分周比の制御及び設定は、設定回路15により実現される。
自己診断回路18は、各単位カウント区間において、カウント値Ca[1]とカウント値Ca[3]との関係に基づき、診断対象回路の異常の有無を判別できる。具体的には、自己診断回路18は、カウント値Ca[1]を所定の第1基準値VALA1と対比する機能とカウント値Ca[3]を所定の第1判定値VALB1と対比する機能を備え、各単位カウント区間において、カウント値Ca[1]が第1基準値VALA1に達するまでにカウント値Ca[3]が第1判定値VALB1に達していない場合、診断対象回路に異常があると判断する。
診断対象回路が正常である場合、図13に示した周波数の設計値の例では、各単位カウント区間において、カウント値Ca[1]はカウント値Ca[3]の2倍程度になるはずである。故に例えば、(VALA1,VALB1)=(1000,490)とされる。
各単位カウント区間において、カウント値Ca[1]が第1基準値VALA1に達するまでにカウント値Ca[3]が第1判定値VALB1に達していない場合、診断対象回路には、メインファスト異常及びサブスロー異常の何れかが発生していると推測される。メインファスト異常は、メイン基準クロック信号CLKの周波数が、設計値である第1基準周波数(ここでは2.2MHz)よりも高くなりすぎる異常である。サブスロー異常は、サブ基準クロック信号CLKの周波数が、設計値である第2基準周波数(ここでは2.2MHz)よりも低くなりすぎる異常である。自己診断回路18は、それらの内、どちらの異常が発生しているのかまでは判別できないが、メインファスト異常の可能性がある状況下ではマイコン2の動作の監視を正しく行うことができないので、カウント値Ca[1]及びCa[3]の関係に基づき診断対象回路に異常があると判断した場合には、診断結果信号Sig1として異常信号を出力する。
また、自己診断回路18は、各単位カウント区間において、カウント値Ca[2]とカウント値Ca[4]との関係に基づき、診断対象回路の異常の有無を判別できる。具体的には、自己診断回路18は、カウント値Ca[4]を所定の第2基準値VALA2と対比する機能とカウント値Ca[2]を所定の第2判定値VALB2と対比する機能を備え、各単位カウント区間において、カウント値Ca[4]が第2基準値VALA2に達するまでにカウント値Ca[2]が第2判定値VALB2に達していない場合、診断対象回路に異常があると判断する。
診断対象回路が正常である場合、図13に示した周波数の設計値の例では、各単位カウント区間において、カウント値Ca[4]はカウント値Ca[2]の2倍程度になるはずである。故に例えば、(VALA2,VALB2)=(1000,490)とされる。第2基準値VALA2は上述の第1基準値VALA1と同じものであっても良いし、第1基準値VALA1と異なっていても良い(後述の実施例EX3_2でも同様)。これに類似して、第2判定値VALB2は上述の第1判定値VALB1と同じものであっても良いし、第1判定値VALB1と異なっていても良い(後述の実施例EX3_2でも同様)。
各単位カウント区間において、カウント値Ca[4]が第2基準値VALA2に達するまでにカウント値Ca[2]が第2判定値VALB2に達していない場合、診断対象回路には、メインスロー異常及びサブファスト異常の何れかが発生していると推測される。メインスロー異常は、メイン基準クロック信号CLKの周波数が、設計値である第1基準周波数(ここでは2.2MHz)よりも低くなりすぎる異常である。サブファスト異常は、サブ基準クロック信号CLKの周波数が、設計値である第2基準周波数(ここでは2.2MHz)よりも高くなりすぎる異常である。自己診断回路18は、それらの内、どちらの異常が発生しているのかまでは判別できないが、メインスロー異常の可能性がある状況下ではマイコン2の動作の監視を正しく行うことができないので、カウント値Ca[2]及びCa[4]の関係に基づき診断対象回路に異常があると判断した場合には、診断結果信号Sig1として異常信号を出力する。
自己診断回路18は、カウント値Ca[1]及びCa[3]の関係に基づき診断対象回路に異常があると判断せず且つカウント値Ca[2]及びCa[4]の関係に基づき診断対象回路に異常があると判断しなかった場合には、診断結果信号Sig1として正常信号を出力する。即ち、或る単位カウント区間において、カウント値Ca[1]が第1基準値VALA1に達するまでにカウント値Ca[3]が第1判定値VALB1に達しており且つカウント値Ca[4]が第2基準値VALA2に達するまでにカウント値Ca[2]が第2判定値VALB2に達している場合、自己診断回路18は、当該単位カウント区間に対する診断結果信号Sig1として正常信号を出力する。
[実施例EX3_2]
実施例EX3_2を説明する。実施例EX3_2では、第2周波数条件を満たした上で自己診断処理が実行される。第2周波数条件は、分周クロック信号D[3]の周波数が分周クロック信号D[1]の周波数よりも高く設定され、且つ、分周クロック信号D[4]の周波数が分周クロック信号D[2]の周波数よりも低く設定されるという条件である。
図14を参照し、具体的な数値例を挙げて実施例EX3_2に係る自己診断処理を説明する。図14には、発振回路11M及び11S並びに分周回路12[1]〜12[4]に何ら異常が無く、それらが設計通りに動作しているときの、各クロック信号の周波数の具体例が示されている。実施例EX3_1と同様、ここでは、メイン基準クロック信号CLKの周波数の設計値である第1基準周波数、及び、サブ基準クロック信号CLKの周波数の設計値である第2基準周波数が、共に、2.2MHz(メガヘルツ)であるとする。但し、それらの設計値は互いに異なっても良い。
実施例EX3_2において、分周回路12[1]〜12[4]の分周比は上述の第2周波数条件を満たすように設定される。ここでは、分周回路12[1]〜12[4]の分周比が、夫々、4、2、2、4、であることを想定する。そうすると、分周クロック信号D[1]〜D[4]の周波数の設計値は、夫々、0.55MHz、1.1MHz、1.1MHz、0.55MHz、となる。
実施例EX3_1でも述べたように第3実施形態を第2実施形態と組み合わせて実施するか否かは任意である。第2実施形態と第3実施形態との組み合わせを考慮しない場合にあっては、分周回路12[1]〜12[4]の分周比は固定されていて良い。但し、第2実施形態に示す方法と第3実施形態に示す方法の双方をWDT10で実現する場合にあっては、分周回路12[1]の分周比が第2実施形態に示す如く分周比設定データDTaに基づき可変設定される。故に、分周回路12[1]の分周比の可変設定を実現した上で第2周波数条件を満たすべく、分周回路12[2]〜12[4]の分周比も夫々に可変となるように分周回路12[2]〜12[4]を構成しておくと良い。例えば、図14の状況とは異なり、分周回路12[1]の分周比が分周比設定データDTaに基づき“8”に設定されている状況では、分周回路12[2]〜12[4]の分周比を、夫々、“4”、“4”、“8”に設定すれば良い。この際、分周回路12[1]〜12[4]の分周比の制御及び設定は、設定回路15により実現される。
自己診断回路18は、各単位カウント区間において、カウント値Ca[1]とカウント値Ca[3]との関係に基づき、診断対象回路の異常の有無を判別できる。具体的には、自己診断回路18は、カウント値Ca[3]を所定の第1基準値VALA1と対比する機能とカウント値Ca[1]を所定の第1判定値VALB1と対比する機能を備え、各単位カウント区間において、カウント値Ca[3]が第1基準値VALA1に達するまでにカウント値Ca[1]が第1判定値VALB1に達していない場合、診断対象回路に異常があると判断する。
診断対象回路が正常である場合、図14に示した周波数の設計値の例では、各単位カウント区間において、カウント値Ca[3]はカウント値Ca[1]の2倍程度になるはずである。故に例えば、(VALA1,VALB1)=(1000,490)とされる。
各単位カウント区間において、カウント値Ca[3]が第1基準値VALA1に達するまでにカウント値Ca[1]が第1判定値VALB1に達していない場合、診断対象回路には、メインスロー異常及びサブファスト異常の何れかが発生していると推測される。メインスロー異常及びサブファスト異常の意義は上述した通りである。自己診断回路18は、それらの内、どちらの異常が発生しているのかまでは判別できないが、メインスロー異常の可能性がある状況下ではマイコン2の動作の監視を正しく行うことができないので、カウント値Ca[1]及びCa[3]の関係に基づき診断対象回路に異常があると判断した場合には、診断結果信号Sig1として異常信号を出力する。
また、自己診断回路18は、各単位カウント区間において、カウント値Ca[2]とカウント値Ca[4]との関係に基づき、診断対象回路の異常の有無を判別できる。具体的には、自己診断回路18は、カウント値Ca[2]を所定の第2基準値VALA2と対比する機能とカウント値Ca[4]を所定の第2判定値VALB2と対比する機能を備え、各単位カウント区間において、カウント値Ca[2]が第2基準値VALA2に達するまでにカウント値Ca[4]が第2判定値VALB2に達していない場合、診断対象回路に異常があると判断する。
診断対象回路が正常である場合、図14に示した周波数の設計値の例では、各単位カウント区間において、カウント値Ca[2]はカウント値Ca[4]の2倍程度になるはずである。故に例えば、(VALA2,VALB2)=(1000,490)とされる。
各単位カウント区間において、カウント値Ca[2]が第2基準値VALA2に達するまでにカウント値Ca[4]が第2判定値VALB2に達していない場合、診断対象回路には、メインファスト異常及びサブスロー異常の何れかが発生していると推測される。メインファスト異常及びサブスロー異常の意義は上述した通りである。自己診断回路18は、それらの内、どちらの異常が発生しているのかまでは判別できないが、メインファスト異常の可能性がある状況下ではマイコン2の動作の監視を正しく行うことができないので、カウント値Ca[2]及びCa[4]の関係に基づき診断対象回路に異常があると判断した場合には、診断結果信号Sig1として異常信号を出力する。
自己診断回路18は、カウント値Ca[1]及びCa[3]の関係に基づき診断対象回路に異常があると判断せず且つカウント値Ca[2]及びCa[4]の関係に基づき診断対象回路に異常があると判断しなかった場合には、診断結果信号Sig1として正常信号を出力する。即ち、或る単位カウント区間において、カウント値Ca[3]が第1基準値VALA1に達するまでにカウント値Ca[1]が第1判定値VALB1に達しており且つカウント値Ca[2]が第2基準値VALA2に達するまでにカウント値Ca[4]が第2判定値VALB2に達している場合、自己診断回路18は、当該単位カウント区間に対する診断結果信号Sig1として正常信号を出力する。
<<第4実施形態>>
本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態では、第3実施形態と組み合わせて実施される起動時診断処理を説明する。起動時診断処理では、監視装置1の起動時において監視回路14による監視処理を開始する前に、意図的にサブ基準クロック信号CLKの周波数を異常にすることで第3実施形態に示した自己診断処理の機能が正常に働くかどうかを確認する。以下、これについて詳説する。
起動時診断処理では、サブ発振回路11Sに設けられる周波数調整回路50Sが利用される(図15参照)。周波数調整回路50Sは、サブ発振回路11Sから出力されるサブ基準クロック信号CLKの周波数を複数段階に調整可能な回路である。監視装置1の出荷調整工程において、サブ基準クロック信号CLKの周波数を、それの設計値である第2基準周波数(例えば2.2MHz)に合わせこむために周波数調整回路50Sが設けられている。周波数調整回路50Sの状態は第1〜第m調整状態の何れかとなる。mは3以上の整数であって、ここでは“m=256”であるとする。図16に示す如く、任意の自然数jに関して、周波数調整回路50Sの状態が第j調整状態であるときよりも、周波数調整回路50Sの状態が第(j+1)調整状態であるときの方が、クロック信号CLKの周波数は高いものとする。
発振回路の出力クロック信号の周波数を調整する構成は周知であるため詳細な図示を割愛する。例えば、コンデンサ及び抵抗から成るCR回路をアンプの帰還ループに配置した構成によってクロック信号CLKを生成するようサブ発振回路11Sが形成されている場合にあっては、コンデンサの静電容量値又は抵抗の抵抗値を変更することでクロック信号CLKの周波数が変更されるので、コンデンサの静電容量値又は抵抗の抵抗値をm段階で変更可能な回路を周波数調整回路50Sに設けておけば良い。或いは例えば、サブ発振回路11Sに定電流回路が設けられていて、当該定電流回路に流れる定電流値を変更することでクロック信号CLKの周波数が変更される構成が発振回路11Sに含まれている場合にあっては、その定電流値をm段階で変更可能な回路を周波数調整回路50Sに設けておけば良い。
特に図示しないが、周波数調整回路50Sと同様の周波数調整回路50Mがメイン発振回路11Mに設けられている。監視装置1の出荷調整工程において、周波数調整回路50Mを用い、メイン基準クロック信号CLKの周波数は、それの設計値である第1基準周波数(例えば2.2MHz)に合わせ込まれている(但し、上述の如く、クロック信号CLKの周波数は設計値からずれうる)。
今、監視装置1の出荷調整工程において、クロック信号CLKの周波数を、それの設計値である第2基準周波数(例えば2.2MHz)に合わせこむためには、周波数調整回路50Sの状態を第m状態にすることが最適であると判断されたとする。この場合、出荷調整工程において、“m”の値を示す出荷時調整データが、処理ブロック13に設けられた不揮発性メモリである出荷時調整データ格納部20(図6参照)に書き込まれる。この書き込みの後は、監視装置1の起動のたびに格納部20内の出荷時調整データが読み出され、周波数調整回路50Sの状態を第m状態にすることができる。メイン発振回路11Mにおける周波数調整回路50Mも同様であって良い。
レーザカット法などを利用して周波数調整回路50Sの状態を第m状態にて固定する方法もあるが、出荷調整工程の後も、周波数調整回路50Sの状態を第1〜第m調整状態の何れにも設定できるよう周波数調整回路50Sが構成されているものとする。
また、“m”は、必ず1より大きく且つmより小さな整数であるとする。即ち、“m=1”が非成立となるように且つ“m=m”が非成立となるように周波数調整回路50Sが設計されているものとする。故に、第m状態と比べて、クロック信号CLKの周波数を高くすることも低くすることもできる。
図17に、監視装置1の全体フローチャートを示す。監視装置1に対する電力供給が開始されて監視装置1及びWDT10が起動すると、まずステップS1において、起動時診断回路19(図6参照)により起動時診断処理が実行される。続くステップS2では起動時診断処理の結果が確認される。詳細は後述されるが、起動時診断処理の中でフラグFLGに“0”又は“1”が代入され、ステップS2にてフラグFLGの値が“0”である場合には、起動時診断処理が正常終了したとしてステップS3に進む。一方、ステップS2にてフラグFLGの値が“1”である場合には、起動時診断処理が異常終了したとしてステップS4に進む。フラグFLGは制御回路17又は起動時診断回路19により管理される1ビットフラグである。
ステップS3に進むと、制御回路17は所定の通常動作を開始させる。通常動作は、第1〜第3実施形態で述べた監視装置1における全ての動作を含むと考えて良く、従って、監視回路14によるスローエラー及びファストエラーの発生有無の監視、並びに、その監視結果に基づく信号WDOUTの出力を含む。所定の通常動作を開始させるとは、スローエラー及びファストエラーの発生有無を監視する動作が開始されるよう監視回路14を制御することを指す、と解しても良い。通常動作においては、サブ基準クロック信号CLKの周波数が所定の第2基準周波数に設定されている(但し、故障等により第2基準周波数からずれることもあり得る)。
一方、ステップS4に進むと、上述の通常動作は開始されず、制御回路17は所定の異常対応処理を実行する。ステップS4の異常対応処理は、例えば、ホスト装置3に対して所定の異常対応信号を送信する処理や、上述の診断対象回路に異常があることを示すデータをメモリ16に保存する処理を含む。
図18に、起動時診断処理のフローチャートを示す。ここで、サブ基準クロック信号CLKの周波数を記号“fCLKS”にて表すと共に、通常動作における周波数fCLKSの設計値(目標値)である第2基準周波数を記号“f”により表す。サブ発振回路11Sが正常であれば、周波数調整回路50Sの状態を第m状態に設定することで、クロック信号CLKの周波数は第2基準周波数fとなる(温度等によるずれを無視)。起動時診断処理では、サブ基準クロック信号CLKの周波数fCLKSが意図的に第2基準周波数fからずらされるが、メイン基準クロック信号CLKの周波数は起動時診断処理及び通常動作を通じて、目標の第1基準周波数に固定されているものとする(但し、故障等により第1基準周波数からずれることもあり得る)。
起動時診断処理では、まずステップS10においてフラグFLGに初期値として“1”が代入され、その後、ステップS11に進む。
ステップS11において、起動時診断回路19は、周波数調整回路50Sの状態を第m状態に設定することで、クロック信号CLKの周波数fCLKSを所定の第2基準周波数fよりも高い高シフト周波数fに設定する。ここで“m>m”が成立し、例えば、“m=256”であっても良いし、出荷時調整データを元に(即ちmの値を元に)“m”の値が決定されて良い。何れにせよ、上述の診断対象回路に異常がない状況で周波数fCLKSに高シフト周波数fが設定されれば自己診断回路18から異常信号が出力されることが見込まれるよう、高シフト周波数fは十分に高いものとする。ステップS11に続くステップS12において、起動時診断回路19は、周波数fCLKSが高シフト周波数fに設定された状態で自己診断回路18から異常信号が出力されているかを確認する。異常信号が出力されている場合にはステップS12からステップS13に進む一方で、正常信号が出力されている場合にはステップS12からステップS19に進む。
ステップS13において、起動時診断回路19は、周波数調整回路50Sの状態を第m状態に設定することで、クロック信号CLKの周波数fCLKSを所定の第2基準周波数fに設定する。ステップS13に続くステップS14において、起動時診断回路19は、周波数fCLKSが第2基準周波数fに設定された状態で自己診断回路18から正常信号が出力されているかを確認する。正常信号が出力されている場合にはステップS14からステップS15に進む一方で、異常信号が出力されている場合にはステップS14からステップS19に進む。
ステップS15において、起動時診断回路19は、周波数調整回路50Sの状態を第m状態に設定することで、クロック信号CLKの周波数fCLKSを所定の第2基準周波数fよりも低い低シフト周波数fに設定する。ここで“m<m”が成立し、例えば、“m=1”であっても良いし、出荷時調整データを元に(即ちmの値を元に)“m”の値が決定されて良い。何れにせよ、上述の診断対象回路に異常がない状況で周波数fCLKSに低シフト周波数fが設定されれば自己診断回路18から異常信号が出力されることが見込まれるよう、低シフト周波数fは十分に低いものとする。ステップS15に続くステップS16において、起動時診断回路19は、周波数fCLKSが低シフト周波数fに設定された状態で自己診断回路18から異常信号が出力されているかを確認する。異常信号が出力されている場合にはステップS16からステップS17に進む一方で、正常信号が出力されている場合にはステップS16からステップS19に進む。
ステップS17において、起動時診断回路19は、周波数調整回路50Sの状態を第m状態に設定することで、クロック信号CLKの周波数fCLKSを所定の第2基準周波数fに設定し、その後、ステップS18に進む。
ステップS18に進む状況は起動時診断処理が正常終了したと判断される状況に相当し、ステップS19に進む状況は起動時診断処理が異常終了したと判断される状況に相当する。起動時診断回路19は、ステップS18ではフラグFLGに“0”を代入する一方、ステップS19ではフラグFLGに“1”を代入する。ステップS18又はS19の処理の後、図17のステップS2に進む。
起動時診断処理が異常終了する状況は、何らかの故障等により、第3実施形態にて述べた自己診断処理が正常に機能しない状況に相当し、自己診断処理が正常に機能しない状況で監視回路14による監視処理を行うことは妥当とは言えない。本願実施形態の動作を利用すれば、自己診断処理が正常に機能することが担保された状態で、監視回路14による監視処理を行うことができるためWDT10の信頼性が高まる。
制御回路17は、起動時診断処理の実行中の診断結果信号Sig1(図11参照)に対しては特段の応答動作を行わない。通常動作の実行中にて正常信号が診断結果信号Sig1として出力されている限り、制御回路17は通常動作を継続させ、通常動作の実行中にて異常信号が診断結果信号Sig1として出力された場合には、所定の異常対応処理を実行する。ここにおける異常対応処理は、ステップS4の異常対応処理と同様の又は類似する処理であって良い。また、通常動作の実行中にて異常信号が診断結果信号Sig1として出力された場合、監視回路14は、スローエラー及びファストエラーの発生有無を監視する動作を停止し、信号WDOUTをローレベルに固定すると良い(即ち、クリア信号の入力状況に依らずエラー信号を非出力すると良い)。
図18の起動時診断処理は、ステップS11及びS12から成る第1処理と、ステップS13及びS14から成る第2処理と、ステップS15及びS16から成る第3処理と、を含み、図18のフローチャートでは、第1処理、第2処理、第3処理の順番でそれらが実行されているが、第1処理〜第3処理の実行順序は任意に変更可能である。第1処理〜第3処理の内、第2処理を最後に実行するようにすれば、第2処理の終了段階で周波数fCLKSが第2基準周波数fに設定されることになるため、ステップS17の処理は省略可能となる。
<<第5実施形態>>
本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態では、第1〜第4実施形態に対する変形技術や補足事項を説明する。
上述の自己診断処理の有効性を担保すべく、メイン発振回路11Mとサブ発振回路11Sとは互いに独立に設けられた2つの発振回路であると良い。発振回路11M及び11Sが互いに独立した2つの発振回路である場合、発振回路11M及び11Sの内、何れか一方の発振回路に異常が発生して、その一方の発振回路からの基準クロック信号の周波数が所定の設計周波数から大きく乖離したとしても、その異常は他方の発振回路に影響を与えない。但し、発振回路11M及び11Sを駆動するための電源電圧は、発振回路11M及び11S間で互いに共通であっても良いし、互いに異なっていても良い。
発振回路11M及び11Sからのクロック信号CLK及びCLKは、互いに、非同期であるが、同期していても良い。
監視装置1を含む図1の演算処理システムは任意の装置に組み込まれ、例えば、自動車等の車両に搭載されて良いし、携帯情報端末や家電機器に搭載されても良い。
上述したように(図4参照)、監視装置1は、半導体集積回路を樹脂にて構成された筐体(パッケージ)内に封入することで形成された半導体装置(電子部品)に相当する、又は、当該半導体装置の構成要素に含まれる。この半導体装置又は監視装置1自体は、WDT10によるマイコン2の動作の監視機能に加えて、他の監視機能を有する複合型IC(Integrated Circuit)を構成していても良い。他の監視機能は任意である。
例えば、図1の演算処理システムを自動車等の車両に搭載する際、上記半導体装置又は監視装置1自体に電圧監視機能を設けておいても良い。電圧監視機能は、例えば、車両に設置された電源回路により生成された複数の直流電圧を個別に測定すると共に各直流電圧の電圧値が所定範囲に収まっている否かを監視する機能である。
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
1 監視装置
2 マイクロコンピュータ
3 ホスト装置
10 ウォッチドッグタイマ
11M メイン発振回路
11S サブ発振回路
12[i] 分周回路
13 処理ブロック
14 監視回路
15 設定回路
16 メモリ
17 制御回路
18 自己診断回路
19 起動時診断回路
20 出荷時調整データ格納部

Claims (11)

  1. 監視対象装置からのクリア制御が第1時間以上途絶える第1エラー、及び、前記監視対象装置からの連続する2つのクリア制御の間隔が前記第1時間未満の第2時間よりも短い第2エラーの発生有無を監視し、前記第1エラー又は前記第2エラーが検出されたときに所定のエラー信号を出力するウィンドウ型ウォッチドッグタイマにおいて、
    所定の基準クロック信号を生成する発振回路と、
    前記基準クロック信号を分周することで分周クロック信号を生成する分周回路と、
    前記分周クロック信号に基づき前記第1エラー及び前記第2エラーの発生有無を監視する監視回路と、
    前記分周回路における分周比の可変設定、並びに、前記第1エラー及び前記第2エラーの検出条件の可変設定を通じて、前記第1時間及び前記第2時間を可変設定する設定回路と、を備えた
    ことを特徴とするウィンドウ型ウォッチドッグタイマ。
  2. 前記設定回路により前記第1時間と前記第2時間との比が可変とされる
    ことを特徴とする請求項1に記載のウィンドウ型ウォッチドッグタイマ。
  3. 前記監視回路は、前記分周クロック信号のクロック数をカウントすることでカウント値を得るカウンタを有し、
    前記カウント値と前記第1時間に対応する第1閾値とに基づき前記第1エラーの発生有無を監視するとともに、前記カウント値と前記第2時間に対応する第2閾値とに基づき前記第2エラーの発生有無を監視し、
    前記設定回路は、前記分周比の可変設定、並びに、前記第1閾値及び前記第2閾値の内の少なくとも一方の可変設定を通じて、前記第1時間及び前記第2時間を可変設定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のウィンドウ型ウォッチドッグタイマ。
  4. 前記第1閾値及び前記第2閾値の何れか一方は予め定められた固定値を有し、
    前記設定回路は、
    前記第1閾値と前記第2閾値との比を指定する第1データに基づき、前記第1閾値及び前記第2閾値の内、前記固定値を有する一方の閾値を基準に他方の閾値を設定することで、前記第1時間と前記第2時間との比を設定し、
    これに加えて、前記第1データとは異なる第2データに基づき前記分周比を設定することで前記第1時間及び前記第2時間を設定し、
    前記第1データ及び前記第2データを変更可能に記憶するメモリが、当該ウィンドウ型ウォッチドッグタイマに設けられる
    ことを特徴とする請求項3に記載のウィンドウ型ウォッチドッグタイマ。
  5. 前記発振回路は、
    所定の第1基準クロック信号を生成する第1発振回路と、
    所定の第2基準クロック信号を生成する第2発振回路と、を含み、
    前記分周回路は、
    前記第1基準クロック信号を分周することで前記分周クロック信号としての第1分周クロック信号を生成する第1分周回路と、
    前記第1基準クロック信号を分周することで第2分周クロック信号を生成する第2分周回路と、
    前記第2基準クロック信号を分周することで第3分周クロック信号を生成する第3分周回路と、
    前記第2基準クロック信号を分周することで第4分周クロック信号を生成する第4分周回路と、を含み、
    前記監視回路は、前記第1分周クロック信号に基づき前記第1エラー及び前記第2エラーの発生有無を監視し、
    前記設定回路は、前記第1分周回路における分周比の可変設定、並びに、前記第1エラー及び前記第2エラーの検出条件の可変設定を通じて、前記第1時間及び前記第2時間を可変設定し、
    前記第1分周クロック信号〜前記第4分周クロック信号に基づき前記第1発振回路を含む診断対象回路の異常の有無を判別する自己診断回路が更に設けられ、
    前記第3分周クロック信号の周波数は前記第1分周クロック信号の周波数よりも低く設定され且つ前記第4分周クロック信号の周波数は前記第2分周クロック信号の周波数よりも高く設定される、或いは、前記第3分周クロック信号の周波数は前記第1分周クロック信号の周波数よりも高く設定され且つ前記第4分周クロック信号の周波数は前記第2分周クロック信号の周波数よりも低く設定される
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のウィンドウ型ウォッチドッグタイマ。
  6. 監視対象装置からのクリア制御が第1時間以上途絶える第1エラー、及び、前記監視対象装置からの連続する2つのクリア制御の間隔が前記第1時間未満の第2時間よりも短い第2エラーの発生有無を監視し、前記第1エラー又は前記第2エラーが検出されたときに所定のエラー信号を出力するウィンドウ型ウォッチドッグタイマにおいて、
    所定の第1基準クロック信号を生成する第1発振回路と、
    前記第1基準クロック信号を分周することで第1分周クロック信号を生成する第1分周回路と、
    前記第1基準クロック信号を分周することで第2分周クロック信号を生成する第2分周回路と、
    所定の第2基準クロック信号を生成する第2発振回路と、
    前記第2基準クロック信号を分周することで第3分周クロック信号を生成する第3分周回路と、
    前記第2基準クロック信号を分周することで第4分周クロック信号を生成する第4分周回路と、
    前記第1分周クロック信号に基づき前記第1エラー及び前記第2エラーの発生有無を監視する監視回路と、
    前記第1分周クロック信号〜前記第4分周クロック信号に基づき前記第1発振回路を含む診断対象回路の異常の有無を判別する自己診断回路と、を備え、
    前記第3分周クロック信号の周波数は前記第1分周クロック信号の周波数よりも低く設定され且つ前記第4分周クロック信号の周波数は前記第2分周クロック信号の周波数よりも高く設定される、或いは、前記第3分周クロック信号の周波数は前記第1分周クロック信号の周波数よりも高く設定され且つ前記第4分周クロック信号の周波数は前記第2分周クロック信号の周波数よりも低く設定される
    ことを特徴とするウィンドウ型ウォッチドッグタイマ。
  7. 前記自己診断回路は、
    前記第1、第2、第3、第4分周クロック信号のクロック数をカウントすることで、第1、第2、第3、第4カウント値を得るカウンタ部を有し、
    前記第1カウント値と前記第3カウント値との関係、及び、前記第2カウント値と前記第4カウント値との関係に基づき、前記診断対象回路の異常の有無を判別する
    ことを特徴とする請求項6に記載のウィンドウ型ウォッチドッグタイマ。
  8. 前記第3分周クロック信号の周波数は前記第1分周クロック信号の周波数よりも低く設定され且つ前記第4分周クロック信号の周波数は前記第2分周クロック信号の周波数よりも高く設定され、
    前記自己診断回路は、前記第1カウント値が所定の第1基準値に達するまでに前記第3カウント値が所定の第1判定値に達していない場合、又は、前記第4カウント値が所定の第2基準値に達するまでに前記第2カウント値が所定の第2判定値に達していない場合、前記診断対象回路に異常があると判断する
    ことを特徴とする請求項7に記載のウィンドウ型ウォッチドッグタイマ。
  9. 前記第3分周クロック信号の周波数は前記第1分周クロック信号の周波数よりも高く設定され且つ前記第4分周クロック信号の周波数は前記第2分周クロック信号の周波数よりも低く設定され、
    前記自己診断回路は、前記第3カウント値が所定の第1基準値に達するまでに前記第1カウント値が所定の第1判定値に達していない場合、又は、前記第2カウント値が所定の第2基準値に達するまでに前記第4カウント値が所定の第2判定値に達していない場合、前記診断対象回路に異常があると判断する
    ことを特徴とする請求項7に記載のウィンドウ型ウォッチドッグタイマ。
  10. 制御回路と、第1処理〜第3処理を含む起動時診断処理を実行する起動時診断回路と、を更に備え、
    前記自己診断回路は、前記診断対象回路に異常があると判断したときに所定の異常信号を出力し、前記診断対象回路に異常があると判断しなかったときに所定の正常信号を出力し、
    前記第2発振回路は、前記第2基準クロック信号の周波数を、所定の基準周波数、前記基準周波数よりも高い高シフト周波数、及び、前記基準周波数よりも低い低シフト周波数の何れかにすることが可能に構成され、
    前記起動時診断回路は、
    前記第1処理において、前記第2基準クロック信号の周波数を前記高シフト周波数に設定し、その状態で前記自己診断回路から前記異常信号が出力されるかを確認し、
    前記第2処理において、前記第2基準クロック信号の周波数を前記基準周波数に設定し、その状態で前記自己診断回路から前記正常信号が出力されるかを確認し、
    前記第3処理において、前記第2基準クロック信号の周波数を前記低シフト周波数に設定し、その状態で前記自己診断回路から前記異常信号が出力されるかを確認し、
    前記制御回路は、前記第1処理にて前記異常信号が出力され且つ前記第2処理にて前記正常信号が出力され且つ前記第3処理にて前記異常信号が出力された場合、前記第2基準クロック信号の周波数を前記基準周波数に設定した上で前記監視回路による前記監視を含む通常動作を開始させ、それ以外の場合、所定の異常対応処理を実行する
    ことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載のウィンドウ型ウォッチドッグタイマ。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載のウィンドウ型ウォッチドッグタイマを備えた半導体装置であって、
    前記ウィンドウ型ウォッチドッグタイマは半導体集積回路により構成される
    ことを特徴とする半導体装置。
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