以下、添付図面に従って本発明に係る情報通信システム、サーバ及び情報通信方法の好ましい実施形態について説明する。
[情報通信システムの構成]
図1は、本発明に係る情報通信システムの概略の構成を示すシステム構成図である。
この情報通信システム1は、サーバ(クラウドサーバ)10、一つ以上の施設20、ユーザ端末100、クライアント端末200から構成され、インターネット等のネットワーク2により相互に通信可能に接続されている。尚、ネットワーク2は、医療情報の安全管理に適したセキュアなネットワークであることが好ましい。
[クラウドサーバ]
図2は、クラウドサーバ10の実施形態を示すブロック図である。
図2に示すようにクラウドサーバ10は、一つ以上の施設20により一包化された分包薬等を管理するサーバであり、主としてCPU(Central Processing Unit)12、データベース14、発番サーバ16、及び通信部18から構成されている。
データベース14は、一包化された分包薬を一包ずつ管理する薬剤データベース14A、分包薬を一包化した薬局や病院の薬剤部等の施設の施設情報を管理する施設データベース14B、及び患者の情報を管理する患者データベース14Cを含む関連データベースである。
CPU12は、クラウドサーバ10の各部を統括制御する部分であり、通信部18を介して入力する各種の情報の解析、データベース14で管理される情報の更新及び読出しの指示、及び通信部18での通信処理等を司る。
発番サーバ16は、本システムを利用する一つ以上の施設20から通信部18を介してユニークID(本例では、GS1(General Specifications One)識別コード)の発番要求を受け付けると、分包薬の分包個数分のユニークIDを発番し、通信部18を介して発番要求元の一つ以上の施設20に送信する。
発番サーバ16は、例えば、発番要求元の一つ以上の施設20に設置されている薬剤分包装置22を一意に特定する製品IDと、製品IDに対応する薬剤分包装置22(図6)により一包化される分包薬の個数の連続番号と、事業者IDとを組み合わせて世界で唯一のIDであるGS1識別コードを発番することができる。
GS1識別コードには、GTIN(Global Trade Item Number)コード、GLN(Global Location Number)コード、GIAI(Global Individual Asset Identifier)コード、SSCC(Serial Shipping Container Code)、GRAI(Global Returnable Asset Identifier)コード、GSRN(Global Service Relation Number)コード、GDTI(Global Document Type Identifier)コード、及びGCN(Global Coupon Number)コードなどがあり、特にGSRNコード及びGIAIコードが好適である。
GSRNコードは、サービスの提供者と利用者を管理するための識別コードであり、9桁のGS1事業者コード、8桁のサービス提供/利用者コードの他、10桁の拡張領域、15桁の任意に定義可能な独自コードの組み合わせで構成される。したがって、例えば、GSRNコードのサービス提供/利用者コードに薬剤分包装置又は薬剤分包監査装置等の製品ID(シリアル番号)を割り当て、拡張領域又は独自コードにその製品IDを有する薬剤分包監査装置又は薬剤分包装置により一包化される分包薬の個数の連続番号、あるいはタイムスタンプを割り当てることにより、GSRNコードを、分包薬を一包ずつ一意に特定するGS1識別コードとすることができる。
また、GIAIコードは、企業の資産を管理するための識別コードであり、9桁のGS1事業者コードと可変長の1〜21桁の資産番号からなる最大30桁のコードである。したがって、GIAIコードの21桁の資産番号に薬剤分包装置又は薬剤分包監査装置等の製品ID及びその製品IDを有する薬剤分包装置により一包化される分包薬の個数の連続番号、あるいはタイムスタンプを割り当てることにより、GIAIコードを、分包薬を一包ずつ一意に特定するGS1識別コードとすることができる。
本システムを利用する一つ以上の施設20から患者毎の処方データを通信部18を介して受け付けると、CPU12又は発番サーバ16は、処方データを解析することで、その処方データに対応する分包薬の分包個数を算出し、発番サーバ16は、算出された分包個数分のGS1識別コードを発番することができる。この場合、一つ以上の施設20から受信する処方データは、GS1識別コードの発番要求に対応する。
また、発番サーバ16により分包個数分のGS1識別コードが発番されると、分包個数分のGS1識別コードに基づいて、データベース14を更新することができる。例えば、一つ以上の施設20から患者毎の処方データを通信部18を介して受信している場合、CPU12は、処方データからデータベース14で管理する情報を抽出し、GS1識別コードに関連付けてデータベース14で管理する情報を更新することができる。
一つ以上の施設20から処方データを受信していない場合でも、一つ以上の施設20から分包個数分のユニークIDの発番要求があると、発番サーバ16は、分包個数分のユニークIDを発番して発番要求元の一つ以上の施設20に送信することができる。また、CPU12は、発番要求元の一つ以上の施設20に対して、データベース14で管理する処方データを要求することができ、分包個数分のユニークIDに関連付けて、処方データをデータベース14にて管理させることができる。尚、この時点では、データベース14におけるGS1識別コードに関連付けられる薬剤情報等は、空欄のままになっている。
また、発番サーバ16により発番される、分包薬を一包ずつ一意に特定するGS1識別コードは、世界で唯一のIDであり、発番サーバ16は、例えば、発番要求元の一つ以上の施設20に設置されている薬剤分包装置22(図6)を一意に特定する製品IDと、製品IDに対応する薬剤分包装置22により一包化される分包薬の個数の連続番号とを組み合わせて、GS1識別コードを発番することができる。また、製品IDとタイムスタンプとを組み合わせてGS1識別コードを発番することができる。尚、このようなGS1識別コードの発番を行い場合、発番要求元の一つ以上の施設20は、発番要求時に製品IDをクラウドサーバ10に通知する必要がある。
また、GS1識別コードは、ハッシュ値によりハッシュ化し、又は暗号化することが好ましい。
図3から図5は、それぞれ薬剤データベース14A、施設データベース14B、及び患者データベース14Cで管理されるデータ構造の一例を示す図である。
薬剤データベース14Aは、通信部(第1通信部)18を介して受け付けた薬剤(分包薬)のユニーク識別情報と分包薬の詳細情報である薬剤情報とを関連付けて管理するデータベースであり、図3に示す薬剤データベース14Aでは、分包薬の一包毎に付加されたGS1識別コードを主キーとして、GS1識別コードに対応する分包薬の薬剤情報、分包薬の処方年月日、患者ID(identification)、一包化調剤した施設(薬局)を特定する施設ID、分包薬の薬剤を処方した医師を特定する医師ID、一包化調剤した施設の薬剤師を特定する薬剤師ID等が関連付けて管理されている。
本例の分包薬の薬剤情報には、分包袋に収納された分包薬の薬剤毎の薬剤名、会社名(屋号)を示す記号、及び規格を示す薬剤文字又は記号情報と、薬剤画像(分包薬の個々の薬剤の画像、図示しない薬剤監査装置での薬剤監査に使用された分包薬の画像等)とを含んでいる。尚、一包化された包毎の薬剤情報や服用時期及び注意事項等の分包情報を含んでいてもよい。
施設IDは、例えば、GS1識別コードに含まれるGS1事業者コードが適用され、施設を一意に特定する識別情報である。
施設データベース14Bは、通信部18により受け付けたGS1識別コードと施設の情報とを直接的又は間接的に関連付けて管理するデータベースであり、図4に示す施設データベース14Bでは、施設IDを主キーとして、施設に関する情報(施設名、URL(Uniform Resource Locator)、施設端末への接続情報を含む電話番号等)が管理されている。施設IDは、薬剤データベース14AのGS1識別コード(主キー)に対する外部キーであるため、GS1識別コードと施設の情報とは関連付けて管理されていることになる。
患者IDは、患者を一意に特定する識別情報であり、例えば、マイナンバー(個人番号)などが好適である。
患者データベース14Cは、通信部18により受け付けたGS1識別コードと患者の情報とを直接的又は間接的に関連付けて管理するデータベースであり、図5に示す患者データベース14Cでは、患者IDを主キーとして、患者に関する情報(名前、性別、年齢、住所、ユーザ端末への接続情報を含む電話番号等)が管理されている。患者IDは、薬剤データベース14AのGS1識別コード(主キー)に対する外部キーであるため、GS1識別コードと患者の情報とは関連付けて管理されていることになる。
また、クラウドサーバ10は、分包薬のGS1識別コードに関連付けられた医師ID、薬剤師IDに応じて、医師の情報、薬剤師の情報をデータベース14により管理している。
クラウドサーバ10は、施設20(施設端末)、ユーザ端末100又はクライアント端末200からGS1識別コードに基づいて薬剤情報の取得要求等を受け付けると、GS1識別コードに基づいてデータベース14(薬剤データベース14A)からGS1識別コードに関連付けられた薬剤情報を読み出し、施設20(施設端末)、ユーザ端末100又はクライアント端末200に送信(提供)する。
ここで、クラウドサーバ10に対するクライアント端末200は、施設20(施設端末)、及び患者のユーザ端末100以外の端末であり、例えば、分包薬の薬剤を処方した医師、処方にしたがって調剤する薬剤師、患者の介護福祉士、患者の介護支援専門員、患者の訪問介護員、又は患者の看護師の端末を含む。
薬剤データベース14Aでは、GS1識別コードを主キーとして、施設ID、患者ID、医師ID,及び薬剤師ID(外部キー)が関連付けられているため、クラウドサーバ10は、施設データベース14B、患者データベース14Cからそれぞれ施設ID及び患者IDを元に施設情報及び患者情報を読み出し、施設20(施設端末)、患者のユーザ端末100等に送信(提供)することができる。
即ち、第1通信部として機能し得る通信部18及びCPU12は、施設20(施設端末)、ユーザ端末100等から通信部18を介して分包薬に付加されたGS1識別コードと、施設ID又は患者IDを受け付け、GS1識別コードに基づく薬剤情報の閲覧要求、患者情報又は施設情報の取得要求を受け付ける。
クラウドサーバ10は、通信部18を介して受け付けたGS1識別コードに基づいて薬剤データベース14A、施設データベース14B、又は患者データベース14CからGS1識別コードに関連付けられた分包薬の詳細情報、施設の情報、又は患者の情報を読み出し、通信部18を介して施設20の端末、又はユーザ端末100に送信する。即ち、クラウドサーバ10は、GS1識別コードに基づいてGS1識別コードに関連付けられた分包薬の詳細情報、施設の情報、又は患者の情報等を、施設又は患者に提供することができる。
[一包化調剤する施設(薬局)の実施形態]
図6は、一つ以上の施設(薬局)20の内部構成の実施形態を示すブロック図である。
図6に示すように一つ以上の施設(薬局)20には、薬剤分包装置22と、レセプトコンピュータ24とが設置されており、薬剤分包装置22とレセプトコンピュータ24とは一つ以上の施設(薬局)20内のLAN(Local Area Network)26により接続されている。尚、本例では、1台の薬剤分包装置22が設置されているが、複数台の薬剤分包装置22が設置されていてもよい。
一つ以上の施設(薬局)20の薬剤分包装置22、レセプトコンピュータ24及び施設端末30は、通信部22C−2及びネットワーク2(図1)を経由してクラウドサーバ10と通信が可能になっており、一包化された分包薬の薬剤情報等を、GS1識別コードに関連付けて施設20からクラウドサーバ10にアップロードする機能を備えている。
一つ以上の施設(薬局)20で行われる薬剤処方作業は、大別して、薬局担当者(薬局事務、薬剤師等)による処方データ入力作業と、薬剤師によるピッキング作業と分包作業と薬剤監査作業等の調剤とを含む。
処方データ入力作業では、処方箋に記載されている情報(以下、「処方データ」という)を、薬局担当者がレセプトコンピュータ24に入力する。処方データの例として、患者の氏名、年齢等の患者情報、薬剤の薬種、若しくは薬剤の名称、薬剤の分量、薬剤の用法(服用時期)、及び薬剤の用量等の薬剤情報、処方データの発行年月日、処方した病院名、医師名等の病院情報を含む。薬局内の調剤機器連携は、調剤システム処方IF共有仕様であるNSIPS(New Standard Interface of Pharmacy-system Specifications)を使うのが好ましい。
次いで、レセプトコンピュータ24から薬剤分包装置22に対して処方データを出力する。また、薬剤師は、レセプトコンピュータ24、又は処方データが入力された薬剤分包装置22を操作して、処方データや分包情報をクラウドサーバ10に送信する。
ピッキング作業では、処方データに基づき、薬剤師が薬剤棚から薬剤情報に対応する薬剤をピッキングする。薬剤の例として、錠剤又はカプセル等が挙げられる。尚、ピッキング作業には、例えば、レセプトコンピュータ24に入力された処方データに基づき薬剤を自動的にピッキングする自動ピッキング装置を用いてもよい。
また、ピッキングされた薬剤が処方データと合致しているか否かを監査支援システムにて自動判定し、ピッキングのミスを防止することが好ましい。薬剤は、一般に調剤包装単位コード(バーコード)が付加された、PTP(Press Through Package)シートにて包装
されている。監査支援システムは、ピッキングされたPTPシートがステージに載せられると、PTPシートに付加された薬剤情報を読み取り、また、PTPシートの撮影により薬剤の個数をカウントし、処方データと合致するか否かを判定し、その判定結果を出力する。
薬剤分包装置22は、一回に服用する複数の薬剤を一つの分包袋に収納して一包化する装置であり、装置全体を統括制御するCPU22Aと、薬剤分包部22Bと、通信部22C−1,22C−2と、ラベルプリンタ22Dとを備えている。
この薬剤分包装置22−は、分包薬を一包ずつ一意に特定するユニークID等を、ラベルプリンタ22Dによりラベルに付加(印字)し、ユニークID等が印字されたラベルを分包薬の分包袋に貼付する機能を備えている。尚、本例の薬剤分包装置22は、ラベルプリンタ22Dを内蔵しているが、ラベルプリンタ22Dは、薬剤分包装置22の外部に設けられていてもよい。
薬剤分包装置22を使用した分包作業は、以下のように行われる。ピッキング作業でピッキングされた薬剤を薬剤師が薬剤分包部22Bのトレイ(薬剤マス)に、1包分毎にセットする(手撒き作業)。薬剤分包部22Bは、薬剤マス内の薬剤を、連続している空の分包袋に収納し、その後、分包袋を閉じ、ミシン目等の付与により切り離し可能にすることで分包薬の一包化を行う。尚、この種の薬剤分包部22Bを備えた薬剤分包装置は、公知であるため、薬剤分包部22Bの詳細な構成の説明は省略する。
また、この薬剤分包装置22は、薬剤師による手撒き作業が行われるが、PTPシートをセットすることでPTPシートから薬剤を自動的に除包する機能や、錠剤とカプセルをあらかじめ各々カセットに充填しておく機能を追加し、手撒き作業を省略することができる薬剤分包装置でもよい。薬剤は散薬でもよい。
CPU22Aは、分包作業に先立ってクラウドサーバ10から処方データに対応して発番された分包薬の分包個数分のGS1識別コードを通信部22C−2を介して取得し、また、レセプトコンピュータ24からLAN26及び通信部22C−1を介して処方データを取得する。
CPU22Aは、取得したGS1識別コード及び処方データに基づいて各分包薬に対するプリント用データを作成し、ラベルプリンタ22Dに出力する。
ラベルプリンタ22Dは、入力するプリント用データによりGS1識別コード及び処方データをラベルに印字する。ラベルプリンタ22Dへの印字方法は、感熱ラベルへの感熱印字、一般ラベルへの熱転写やUV((ultraviolet)インクや顔料インクによる印字、IJ(inkjet)ラベルへの染料や顔料インクによるIJ印字等適宜選択できる。
図7は、ラベルプリンタ22Dによりバーコード44及び処方データ等が印字されたラベル40の一例を示す図である。
図7に示すようにラベル40には、ユニークIDの文字情報42及びGS1識別コードを示すバーコード44(一次元バーコード)と、患者の名前(富士太郎)46と、服用時期(昼食後)47と、一包化されている薬剤毎の薬剤名等の薬剤文字情報48とが印字されている。尚、ラベル40には、GS1識別コードの文字情報42、又はユニークIDを示すバーコード44のみを印字してもよい。また、処方データを印字する場合には、服用時期47のみでもよい。更に、ラベル40には、GS1識別コードを示すバーコード44に加えて、分包薬の薬剤情報(薬剤文字情報48)及び患者情報(患者の名前46)のうちの少なくとも一方を印字してもよい。
図7において、薬剤分包部22Bにより一包化された分包袋50には、5種類(4個の錠剤と1個のカプセル)の薬剤52が収納されており、ラベルプリンタ22DによりGS1識別コード及び処方データが印字されたラベル40は、それぞれ対応する分包袋50に貼付される。尚、ラベルプリンタ22Dは、ラベル自動貼付機能を有し、薬剤分包部22Bにより順次一包化された分包薬の分包袋50に対して、それぞれ対応するプリント用データをCPU22Aから取得し、ラベル印字からラベル貼付までを連続して行う。
薬剤監査作業では、薬剤師が分包袋50に分包された薬剤の薬種や個数が正しいか否か(即ち、処方データにしたがったものであるか否か)を目視で確認する薬剤監査を行う。
薬剤師による薬剤監査作業が終了し、薬剤師が監査終了を入力すると、薬剤分包装置22は、GS1識別コードに関連付けて少なくとも分包袋50に収納された分包薬の薬剤情報を、通信部22C−2からネットワーク2を介してクラウドサーバ10にアップロードする。このとき、処方データと分包情報も同時にアップロードするようにしてもよい。
尚、薬剤分包装置22、ラベルプリンタ22DによりGS1識別コード等が印字されたラベルを、分包袋に貼付するようにしたが、これに限らず、例えば、ラベルプリンタ22Dの代わりに熱転写プリンタやIJプリンタを備え、これらのプリンタにより分包袋にユニークID等を直接印字するようにしてもよい。
また、本例では一つ以上の施設(薬局)20の内部構成について説明したが、一つ以上の施設(自動受付管理システム、電子カルテシステム、入院管理システム、医事会計システム、薬局管理システム、診療予約システム等を含む病院情報システムHIS(Hospital Information Systems)で管理された病院薬剤部)20の内部構成も一つ以上の施設(薬局)20の内部構成と同様にすることができる。
また、本システムでは、クラウドサーバ10側に発番サーバ16が設けられているが、施設20側に発番サーバ16に対応する発番部を設けるようにしてもよい。この場合、発番部は、CPU22Aからの発番要求に応じて分包薬の分包個数分のGS1識別コードを発番する。
施設端末30は、施設20内のLAN26により接続されているパーソナルコンピュータであり、LAN26及びネットワーク2を経由してクラウドサーバ10やユーザ端末100と通信可能になっている。尚、施設端末30の詳細については後述する。
図8は、図7に示した一包分の分包薬が複数連続している状態を示す平面図であり、薬剤分包装置22により一包化調剤された一連の分包薬を示している。同図に示すように、分包薬が収納された分包袋50には、それぞれGS1識別コードを示すバーコード等が印字されたラベル40が貼付されている。
薬剤監査作業では、薬剤師が分包袋50に分包された薬剤の薬種や個数が正しいか否か(即ち、処方データにしたがったものであるか否か)を目視で確認する薬剤監査を行う。
更に、薬剤分包装置22の代わりに、分包薬の監査を支援する機能を備えた薬剤分包装置を使用してもよい。
また、図9は、GS1識別コードを示すバーコード及び処方データを示す文字情報等が印字されたラベルが貼付された一包分の分包薬の平面図である。
図9に示す分包袋50−2は、薬剤分包部22Bにより一回に服用する複数の薬剤52−2が収納され、GS1識別コードを示すバーコード等が印字されたラベル40−2が貼付されて構成されている。
ラベル40−2には、GS1識別コード(本例では、GS1識別コードの一つであるGSRNコード)を示す二次元のバーコード44−2(例えば、QRコード(登録商標))と、患者の名前(富士太郎)46−2と、服用時期(朝食後)47−2と、一包化されている薬剤毎の薬剤名等の薬剤文字情報48−2とが印字されている。尚、処方データを示す文字情報を印字する場合には、服用時期47−2のみでもよい。また、ラベル40−2には、バーコード44−2に加えて、分包薬の薬剤情報(薬剤文字情報48−2)及び患者情報(患者の名前46−2)のうちの少なくとも一方を印字してもよい。
[情報管理方法の第1実施形態]
図10は、情報管理方法の第1実施形態を示すフローチャートである。
図10に示す第1実施形態の情報管理方法は、前述したクラウドサーバ10と図6に示した一つ以上の施設(薬局)20とを含む情報管理システムに適用される。
一つ以上の施設(薬局)20の薬剤分包装置22は、レセプトコンピュータ24から処方データを受信し(ステップS10)、受信した処方データをクラウドサーバ10に送信する(ステップS12)。尚、処方データは、レセプトコンピュータ24からクラウドサーバ10に送信するようにしてもよい。
クラウドサーバ10は、受信した処方データから薬剤を一包化する場合の分包薬の分包個数を算出する(ステップS14)。クラウドサーバ10の発番サーバ16は、分包個数分のGS1識別コードを発番し、通信部18は、発番サーバ16により発番された分包個数分のGS1識別コードを一つ以上の施設(薬局)20に送信する(ステップS16)。尚、本例では、クラウドサーバ10が、一つ以上の施設(薬局)20から受信した処方データに基づいて分包薬の分包個数を算出するが、一つ以上の施設(薬局)20側で処方データに基づいて分包薬の分包個数を自動的に算出し、又は手動で入力し、一つ以上の施設(薬局)20側が算出又は入力した分包個数分のGS1識別コードの発番をクラウドサーバ10に要求するようにしてもよい。また、一つ以上の施設(薬局)20は、発番サーバ16がGS1識別コードを発番するために使用する情報として、一包化調剤する薬剤分包装置22の製品IDをクラウドサーバ10に送信することが好ましい。
薬剤分包装置22のラベルプリンタ22Dは、クラウドサーバ10から受信した分包個数分のGS1識別コードを示すバーコード、分包袋に収納される分包薬の薬剤情報、服用する患者情報等をラベルに印字し(ステップS18)、印字したラベルを分包袋に貼付する(ステップS20)。
薬剤分包装置22の薬剤分包部22Bは、処方データにしたがって分包袋に薬剤を投入して一包化する(ステップS22)。尚、本例では、空の分包袋にGS1識別コード等が印字されたラベルを貼付し、その後、分包袋に薬剤を投入して一包化するようにしているが、一包化された分包袋にGS1識別コード等が印字されたラベルを貼付するようにしてもよい。
一人分の一包化調剤が完了すると、薬剤分包装置22はGS1識別コードに関連付けて分包薬の薬剤情報等を、通信部22C−2からネットワーク2を介してクラウドサーバ10にアップロードする(ステップS24)。
クラウドサーバ10は、一つ以上の施設(薬局)20からアップロードされたGS1識別コードに関連付けられた分包薬の薬剤情報等をデータベース14に新規登録し、データベース14を更新する(ステップS26)。
これにより、クラウドサーバ10は、一つ以上の施設(薬局)により一包化された分包薬を一包ずつ一元管理することができる。
[情報管理方法の第2実施形態]
図11は、情報管理方法の第2実施形態を示すフローチャートである。
第2実施形態が適用される薬剤分包装置は、装置自体が発番部を備え、その発番部から発番されたGS1識別コードを取得する点で、図6に示した薬剤分包装置22と相違する。
図11において、一つ以上の施設(薬局)20の薬剤分包装置は、レセプトコンピュータ24から処方データを受信し(ステップS30)、薬剤分包部は、処方データにしたがって分包袋に薬剤を投入して一包化する(ステップS32)。
薬剤分包装置に設けられた発番部は、薬剤分包部により薬剤が一包化される毎に、その一包化された分包薬に対してGS1識別コードを、発番サーバ16と同様にして発番する(ステップS34)。
薬剤分包装置に設けられたラベルプリンタは、発番されたユニークID等をラベルに印字し(ステップS36)、GS1識別コード等が印字されたラベルを分包袋に貼付する(ステップS38)。
薬剤分包装置は、一人分の分包が終了したか否かを判別し(ステップS40)、一人分の分包が終了していないと判別されると(「No」の場合)、ステップS32に戻り、ステップS32からステップS40の処理を繰り返す。一方、一人分の分包が終了したと判別されると(「Yes」の場合)、ステップS42に遷移する。
ステップS42では、薬剤分包装置はGS1識別コードに関連付けて分包薬の薬剤情報等を、LAN26及びネットワーク2を介してクラウドサーバ10にアップロードする。
クラウドサーバ10は、一つ以上の施設(薬局)20からアップロードされたユニークIDに関連付けられた分包薬の薬剤情報等をデータベース14に新規登録し、データベース14を更新する(ステップS44)。
これにより、クラウドサーバ10は、一つ以上の施設(薬局)により一包化された分包薬を一包ずつ一元管理することができる。
[施設端末]
図12は、図6に示した施設20内の端末(施設端末)30のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図12に示す施設端末30としては、前述したようにパーソナルコンピュータを使用することができ、主として第2通信部として機能する通信部31と、カメラ部32と、記憶部33と、操作部34と、CPU35と、RAM(Random Access Memory)36と、ROM(Read Only Memory)37と、表示部38とから構成されている。
通信部31は、LAN26及びネットワーク2を介してクラウドサーバ10及びユーザ端末100との間で通信を行う部分であり、ユーザ端末100との間で相手(患者)を確認できる手段(本例では、テレビ電話)によるオンライン服薬指導する場合には、音声及び映像を送受信する通信部として機能する。ここで、電話は、キャリアを介して通信を行う通常の電話の他に、IP(Internet Protocol)電話を含む。
カメラ部32は、施設端末30に内蔵されたカメラでもよいし、図示しないインターフェースを介して接続される外部カメラでもよい。カメラ部32は、テレビ電話によるオンライン服薬指導を行い場合に、薬剤師又は医師の映像を撮影するために使用される。また、カメラ部32は、バーコードリーダ用のアプリケーションソフトにより、分包薬の分包袋50に付加されたバーコード44(図7)を読み取る第1読取部として機能する。
記憶部33は、ハードディスク装置、フラッシュメモリ等から構成される記憶部であり、オペレーティングシステム、及びオンライン服薬指導用のアプリケーションソフトの他、オンライン服薬指導中の会話、映像、通話日時、通話時間等のテレビ電話による通話履歴を記憶する記憶部として機能する。
操作部34は、コンピュータに有線接続又は無線接続されるキーボード及びマウス等が用いられ、オンライン服薬指導に当たって各種の操作入力を受け付ける。
CPU35は、記憶部33又はROM37等に記憶された各種のプログラムを読み出し、各種の処理を実行する。RAM36は、CPU35の作業領域として使用され、読み出されたプログラムや各種のデータを一時的に記憶する記憶部として用いられる。
表示部38は、コンピュータに接続可能な液晶モニタ等の各種モニタが用いられ、操作部34とともに、ユーザインターフェースの一部として使用される。
上記構成の施設端末30は、操作部34からの指示入力によりCPU35が、記憶部33又はROM37に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムを実行することにより、第1情報取得部として機能する通信部31及びCPU35は、GS1識別コードに基づいてテレビ電話によるオンライン服薬指導するために必要な各種の情報をクラウドサーバ10から取得し、また、オンライン服薬指導する患者(ユーザ)のユーザ端末100との間でテレビ電話によるオンライン服薬指導を可能にする。
図13は、オンライン服薬指導を行う場合の本システムの動作を示すフローチャートである。
例えば、施設20の薬剤師が、施設端末30を使用して患者にオンライン服薬指導を行う場合、まず、分包薬の分包袋に付加されたバーコードをカメラ部32により読み取る(ステップS100)。
施設端末30は、読み取ったバーコードが表すGS1識別コード及び薬剤師の薬剤師IDをクラウドサーバ10に送信する(ステップS102)。
クラウドサーバ10は、受信したGS1識別コードに基づいてデータベース14から薬剤情報及び患者情報を施設端末30に送信する。尚、クラウドサーバ10には、前述したように施設20からGS1識別コードに関連付けて分包薬の薬剤情報等がアップロードされ、データベース14で管理されている。また、患者情報は、秘密保持すべき個人情報であるが、薬剤師IDにより特定される薬剤師が、その分包薬を処方にしたがって調剤した薬剤師の場合、クラウドサーバ10は、患者情報も施設端末30に送信する。
施設端末30は、受診した薬剤情報及び患者情報に基づいて表示部38の表示画面に薬剤情報及び患者情報を表示させる(ステップS106)。
図14は、施設端末30の表示部38の表示画面の一例を示す図である。
図14に示す表示画面39には、患者情報39Aとして名前、性別及び年齢が表示され、薬剤情報39Bとして分包薬(4つの薬剤)の表裏の薬剤画像、各薬剤の名称及び薬剤の分量が表示されている。尚、表示画面39に表示される患者情報39A及び薬剤情報39Bは、図13に示した例に限定されず、データベース14で管理されている種々の情報を表示することが可能である。
続いて、患者情報に含まれるユーザ端末への接続情報に基づいてユーザ端末との間でテレビ電話を行うための接続を行う(ステップS108)。この電話接続は、アプリケーションソフトがユーザ端末への接続情報に基づいて自動的に行ってもよいし、接続情報(例えば、電話番号)を薬剤師が操作部34で入力することで行うようにしてもよい。
続いて、薬剤師は、施設端末30とユーザ端末100とがテレビ電話による接続が行われたか否かを判別する(ステップS110)。
図14において、表示領域39Cは、相手(患者)の映像が表示される領域であり、表示領域39Dは、カメラ部32により撮影されている薬剤師の映像が表示される領域である。本例では、ピクチャーインピクチャーにより薬剤師の映像を表示しているが、患者の映像と薬剤師の映像とは別画面で表示するようにしてもよいし、患者の映像のみを表示するようにしてもよい。
薬剤師は、表示領域39Cに相手(患者)の映像が表示されたか否かによりテレビ電話による接続が行われたか否かを判別することができる。音声の接続ができ、映像の接続ができない場合、薬剤師は、音声によりテレビ電話機能をオンするように指示することができる。また、後述するようにユーザ端末100のアプリケーションソフトが、自動的にインカメラをオンにし、テレビ電話による接続を行うようにすることが好ましい。
施設端末30とユーザ端末100との間でテレビ電話による接続が行われると、薬剤師は、患者に対してテレビ電話によるオンライン服薬指導を行う(ステップS112)。この場合、患者の手元には、まだ分包薬が届けられていないため、施設端末30から薬剤情報をユーザ端末100に送信し、ユーザ端末100の画面に薬剤情報も表示させることが好ましい。また、施設端末30からユーザ端末100にGS1識別コードを送信し、ユーザ端末100が受信したGS1識別コードに基づいてクラウドサーバ10から薬剤情報を取得してもよい。
続いて、薬剤師は、オンライン服薬指導が終了したか否かを判別する(ステップS114)。オンライン服薬指導が終了し、薬剤師はテレビ電話を切ると、施設端末30は、オンライン服薬指導中の会話、映像、通話日時、通話時間等のテレビ電話による通話履歴を記憶部33に保存し、オンライン服薬指導を終了する(ステップS116)。
このようにしてオンライン服薬指導が行われると、分包薬は、患者の家族、患者の介護福祉士等に手渡され、あるいは郵送等で患者に送り届けられる。
また、分包薬が患者側にある場合、施設端末30は、その後、分包薬の分包袋に付加されたGS1識別コードを読み取ることができなくなる。
そこで、施設端末30は、例えば、分包薬の分包袋に付加されたGS1識別コードを読み取ってオンライン服薬指導をした場合、読み取ったGS1識別コードとクラウドサーバ10から取得した患者情報の全部又は一部を記憶部33に記憶させ、又は図示しないプリンタ又はラベルプリンタ22Dにより、別の紙に印字して保管しておくことが好ましい。
施設20の薬剤師が、患者に対して継続的にオンライン服薬指導を行う場合、薬剤師は、別の紙に印字されたGS1識別コードを施設端末30により読み取らせ、又は記憶部33から読み出したGS1識別コードを表示部38又は外部の画面表示装置に表示させ、表示させたGS1識別コードを施設端末30により読み取らせる。これにより、施設端末30は、クラウドサーバ10から薬剤情報及び接続情報を含む患者情報を取得することができ、施設20の薬剤師は、テレビ電話によるオンライン服薬指導を患者に対して継続的に行うことができる。
[ユーザ端末]
図15はユーザ端末100の外観図であり、本例では、ユーザ端末100としてスマートフォンが使用されている。
図15に示すようにユーザ端末100は、平板状の筐体102を有し、筐体102の一方の面に表示部としての表示パネル121と、入力部としての操作パネル122とが一体となって形成される表示入力部120が設けられる。また、その筐体102は、スピーカ131と、マイクロホン132と、操作部140と、インカメラとしてのカメラ部141とを備える。尚、筐体102の構成はこれに限定されず、例えば、表示部と入力部とが独立して設けられる構成を採用したり、折り畳み構造やスライド機構を有する構成のものでもよい。
図16は、図15に示したユーザ端末100の内部構成を示すブロック図である。
図16に示すように、ユーザ端末100の主たる構成要素として、無線通信部(第3通信部)110と、表示入力部120と、通話部130と、操作部140と、カメラ部141と、記憶部150と、外部入出力部160(出力部)と、GPS(global positioning system)受信部170と、モーションセンサ部180と、電源部190と、主制御部101とを備える。また、ユーザ端末100の主たる機能として、基地局装置と移動通信網とを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
無線通信部110は、主制御部101の指示に従って、移動通信網に接続された基地局装置との間で無線通信を行う。その無線通信が使用されて、音声データ及び画像データ等の各種ファイルデータや電子メールデータなどの送受信、及びウェブデータやストリーミングデータなどの受信が行われる。
表示入力部120は、表示パネル121の画面上に配設された操作パネル122を備えたいわゆるタッチパネルであり、主制御部101の制御により、画像(静止画像及び動画像)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達し、また表示した情報に対するユーザ操作を検出する。尚、操作パネル122を便宜上、タッチパネルとも称す。
表示パネル121は、LCD(Liquid Crystal Display)又はOELD(Organic Electro-Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いる。操作パネル122は、表示パネル121の表示面上に表示される画像が視認可能な状態で設けられ、ユーザの指や尖筆によって操作される1又は複数の座標を検出するデバイスである。そのデバイスがユーザの指や尖筆によって操作されると、操作パネル122は、操作に起因して発生する検出信号を主制御部101に出力する。次いで、主制御部101は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル121上の操作位置(座標)を検出する。
図15に例示されるユーザ端末100の表示パネル121と操作パネル122とは一体となって表示入力部120を構成し、操作パネル122が表示パネル121を完全に覆うような配置となっている。その配置を採用した場合、操作パネル122は、表示パネル121外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル122は、表示パネル121に重なる重畳部分についての検出領域(以下、「表示領域」という)と、それ以外の表示パネル121に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、「非表示領域」という)とを備えていてもよい。
尚、表示領域の大きさと表示パネル121の大きさとを完全に一致させてもよいが、両者を必ずしも一致させる必要はない。また、操作パネル122が、外縁部分及びそれ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。更に、その外縁部分の幅は、筐体102の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル122で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、及び静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式が採用されてもよい。
通話部130は、スピーカ131及びマイクロホン132を備え、マイクロホン132を通じて入力されたユーザの音声を主制御部101にて処理可能な音声データに変換して主制御部101に出力したり、無線通信部110或いは外部入出力部160により受信された音声データを復号してスピーカ131から出力したりする。また、図15に示すように、例えば、スピーカ131及びマイクロホン132を表示入力部120が設けられた面と同じ面に搭載することができる。
操作部140は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付ける。例えば、図15に示すように、操作部140は、ユーザ端末100の筐体102の側面に搭載され、指などで押下されるとスイッチオン状態となり、指を離すとバネなどの復元力によってスイッチオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
記憶部150は、主制御部101の制御プログラムや制御データ、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、ウェブブラウジングによりダウンロードしたウェブデータ、及びダウンロードしたコンテンツデータ等を記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶する。
また、記憶部150は、内部記憶部151と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部152とにより構成される。尚、記憶部150を構成する内部記憶部151及び外部記憶部152のそれぞれは、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ、RAM(Random Access Memory)、或いはROM(Read Only Memory)などの格納媒体を用いて実現される。
外部入出力部160は、ユーザ端末100に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たし、通信等(例えば、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394など)又はネットワーク(例えば、無線LAN(Local Area Network)、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)など)により他の外部機器に直接的又は間接的に接続する。
ユーザ端末100に連結される外部機器としては、例えば、有線/無線ヘッドセット、有線/無線外部充電器、有線/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)やSIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオビデオ機器、有線/無線接続される外部オーディオビデオ機器、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、及びイヤホンなどがある。外部入出力部160は、このような外部機器から伝送を受けたデータをユーザ端末100の内部の各構成要素に伝達したり、ユーザ端末100の内部のデータが外部機器に伝送されたりするように構成されてもよい。
GPS受信部170は、主制御部101の指示に従って、GPS衛星ST1、ST2〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、ユーザ端末100の緯度、経度及び高度によって特定される位置情報(GPS情報)を取得する。GPS受信部170は、無線通信部110及び/又は外部入出力部160(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる場合には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
モーションセンサ部180は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部101の指示に従って、ユーザ端末100の物理的な動きを検出する。ユーザ端末100の物理的な動きを検出することにより、ユーザ端末100の動く方向や加速度が検出される。その検出の結果は、主制御部101に出力される。
電源部190は、主制御部101の指示に従って、ユーザ端末100の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給する。
主制御部101は、マイクロプロセッサを備え、記憶部150が記憶する制御プログラムや制御データに従って動作し、ユーザ端末100の各部を統括して制御する。また、主制御部101は、無線通信部110を通じて音声通信及びデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能とを備える。
アプリケーション処理機能は、記憶部150が記憶するアプリケーションソフトに従って主制御部101が動作することにより実現される。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部160を制御することで対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、及びウェブページを閲覧するウェブブラウジング機能の他、オンライン服薬指導を受けたり、薬剤情報を取得するための機能などがある。オンライン服薬指導を受けるための機能は、クラウドサーバ10又は情報通信システム1を運営する事業所のサイト等から対応するアプリケーションソフトをダウンロードすることにより実現することができる。
また、主制御部101は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画像や動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部120に表示する等の画像処理機能を備える。
更に、主制御部101は、表示パネル121に対する表示制御と、操作部140や操作パネル122を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御とを実行する。
表示制御の実行により、主制御部101は、オンライン服薬指導を受けるためのアプリケーションソフトを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウェアキーを表示したり、或いは電子メールを作成するためのウィンドウを表示する。尚、スクロールバーとは、表示パネル121の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
また、操作検出制御の実行により、主制御部101は、操作部140を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル122を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、或いはスクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
更に、操作検出制御の実行により主制御部101は、操作パネル122に対する操作位置が、表示パネル121に重なる重畳部分(表示領域)に該当するか、或いはそれ以外の表示パネル121に重ならない外縁部分(非表示領域)に該当するかを判定し、操作パネル122の感応領域やソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
また、主制御部101は、操作パネル122に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、或いはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
カメラ部141は、主制御部101の制御により、撮像によって得た動画や静止画を圧縮して記憶部150に記録したり、外部入出力部160や無線通信部110を通じて出力したりすることができる。図15に示すようにユーザ端末100において、カメラ部141は表示入力部120と同じ面に搭載されているインカメラであるが、図示しないアウトカメラ(表示入力部120の背面側に設けられたカメラ)も備えている。
また、カメラ部141はユーザ端末100の各種機能に利用することができる。例えば、カメラ部141で取得した画像が表示パネル121に表示されてもよいし、操作パネル122の操作入力手法の一つとして、カメラ部141で撮像取得される画像が利用されてもよく、本例では、アウトカメラは、分包袋に付加されたGS1識別コードを示すバーコード(一次元バーコード又は二次元バーコード)の読み取りに利用される。また、GPS受信部170が位置を検出する際に、カメラ部141からの画像が参照されて位置が検出されてもよい。更には、カメラ部141からの画像が参照されて、3軸の加速度センサを用いずに、或いは、3軸の加速度センサと併用して、ユーザ端末100のカメラ部141の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部141からの画像をアプリケーションソフト内で利用することもできる。
その他、GPS受信部170により取得された位置情報、マイクロホン132により取得された音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)、及びモーションセンサ部180により取得された姿勢情報等などを静止画又は動画の画像データに付加して得られるデータを、記憶部150に記録したり、外部入出力部160や無線通信部110を通じて出力したりすることもできる。
[患者側から薬の相談をする(オンライン服薬指導を受ける)場合]
この場合、患者は、手元の分包薬の分包袋に付加されたGS1識別コードを、ユーザ端末100のアウトカメラ(第2読取部)で読み取る。
ユーザ端末100は、読み取ったGS1識別コードとともに、分包薬の薬剤情報等の取得要求をクラウドサーバ10に送信する。クラウドサーバ10は、受信したGS1識別コードに基づいてデータベース14で管理されている薬剤情報を検索し、GS1識別コードに対応して管理されている分包薬の薬剤情報を取得する。尚、薬剤情報の他に、処方年月日、服用時期等の処方データの取得も可能である。
クラウドサーバ10は、GS1識別コードに基づいて取得した薬剤情報等を、要求元のユーザ端末100に送信する。
ユーザ端末100の第2情報取得部として機能する主制御部101及び無線通信部110は、GS1識別コードに基づいてクラウドサーバ10から分包薬の薬剤情報等を取得する。ユーザ端末100は、ユーザ端末100の表示パネル121に、GS1識別コードに基づいて取得した分包薬の薬剤情報等を表示させる。これにより、患者は、分包薬の薬剤情報等を確認することができる。
また、ユーザ端末100において、オンライン服薬指導を受けるためのアイコン等が操作され、オンライン服薬指導を受けるためのアプリケーションソフトが起動されている場合、手元の分包薬の分包袋に付加されたGS1識別コードを、ユーザ端末100のアウトカメラで読み取ると、ユーザ端末100を含む本システムは、以下の動作を行う。
ユーザ端末100は、読み取ったGS1識別コードとともに、分包薬の薬剤情報、施設情報等の取得要求をクラウドサーバ10に送信する。クラウドサーバ10は、受信したGS1識別コードに基づいてデータベース14で管理されている薬剤情報及び施設情報を検索し、GS1識別コードに対応して管理されている分包薬の薬剤情報及び分包薬を一包化した施設の施設情報を取得し、ユーザ端末100に送信する。
ユーザ端末100は、クラウドサーバ10から受信した施設情報に含まれる接続情報に基づいて施設情報に対応する施設端末30と通信し、施設端末30との間でテレビ電話によるオンライン服薬指導を受ける音声及び映像を送受信することができる。
この場合、ユーザ端末100は、施設端末30から送信される薬剤師の映像やクラウドサーバ10から取得した分包薬の薬剤情報を表示パネル121の画面に表示することができる。
また、ユーザ端末100は、クラウドサーバ10から受信した薬剤情報及び患者情報を施設端末30に送信する。これにより、施設端末30の表示画面39には、図14に示したように患者情報39Aや薬剤情報39Bを表示させることができる。尚、ユーザ端末100は、分包薬の分包袋に付加されたGS1識別コードを施設端末30に送信し、施設端末30が受信したGS1識別コードに基づいてクラウドサーバ10から薬剤情報及び患者情報を取得するようにしてもよい。
[その他]
本実施形態の施設端末30は、固定式のパーソナルコンピュータに限らず、例えば、スマートフォン、カメラ機能を有するタブレット端末、携帯電話、あるいはPDA(personal digital assistant)等を使用することができる。
また、図1に示したクライアント端末200は、クラウドサーバ10にアクセス可能な施設端末30及びユーザ端末100を含む端末であり、分包薬を服用する患者や処方にしたがって調剤する薬剤師が使用する端末に限らず、患者の介護福祉士、患者の介護支援専門員、患者の訪問介護員、患者の看護師、分包薬の薬剤を処方する医師が使用する端末を含む。
この場合、クラウドサーバ10は、クライアント端末を使用してアクセスするアクセス者に応じて送受信する情報に制限をかける情報制限部を備えることが好ましい。医師又は薬剤師でなければオンライン服薬指導ができないため、オンライン服薬指導のためのユーザ端末との接続は、オンライン服薬指導ができる資格を有するアクセス者のみにすることが好ましい。
即ち、クラウドサーバ10は、図示しない認証サーバと連携し、クラウドサーバ10にアクセスするクライアント端末200のクライアント(アクセス者)に対して、データベース14で管理されている情報に閲覧制限を設けることが可能である。例えば、医師又は薬剤師の場合は、GS1識別コードに関連付けて登録された分包薬の薬剤情報の他に、患者情報、施設情報等の閲覧を可能にし、患者の場合には、薬剤情報、及び自分自身の情報に制限された患者情報、施設情報の閲覧を可能にし、個人情報の閲覧を制限することができる。尚、医師又は薬剤師の認証は、例えば、医療従事者に発行されているHPKI(Healthcare Public Key Infrastructure)等の医療IDカードを使用して行うことができ、これにより「なりすまし」を回避することができる。
更に、一つ以上の施設(薬局)20の薬剤師は、GS1識別コードに関連付けて分包薬の薬剤情報等をクラウドサーバ10にアップロードする際に、例えば、HPKIカードを使って電子署名することで、アップロードした薬剤情報等を証明できるようにすることが好ましい。
また、本実施形態では、クラウドサーバ10内に設けられたデータベース14により各種の情報を管理するようにしたが、これに限らず、一つ以上の施設(薬局)20のPC(personal computer)の記憶部にデータベース(例えば、その施設により一包化された分包薬に関するデータベース)を構築し、クラウドサーバ10が、一つ以上の施設に分散したデータベースを1つのデータベースとして取り扱うことができる分散型データベースとしてもよい。
また、本実施形態において、例えば、クラウドサーバ10のCPU12、薬剤分包装置22のCPU22Aの各処理部のハードウエア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、あるいはCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウエア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。更に、これらの各種のプロセッサのハードウエア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
更に、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。