以下、添付図面に従って本発明に係る情報提供システム、情報提供サーバ、情報提供方法、情報提供ソフトウエア、及び対話型ソフトウエアの好ましい実施形態について説明する。
[情報提供システムの構成]
図1は、本発明に係る情報提供システムの概略の構成を示すシステム構成図である。
この情報提供システム1は、情報提供サーバ10、一つ以上の対話エージェント端末100、対話エージェントサーバ200、各種のサービスサーバ(電子お薬手帳サーバ310、服薬支援サーバ320、薬歴管理サーバ330、医療トレーサビリティサーバ340、医療系SNS(Social Networking Service)サーバ350等)、及び調剤情報管理サーバ371等を含む地域医療連携ネットワークシステム370から構成され、インターネット等のネットワーク2により通信可能に接続されている。尚、地域医療連携ネットワークシステム370では、医療情報の安全管理に適したVPN(virtual private network)等のセキュアなネットワーク2-1であることが好ましい。
[情報提供サーバ10]
図2は、情報提供サーバ10の実施形態を示すブロック図である。
図2に示すように情報提供サーバ10は、医薬品又は医療機器を含む医療商品に関する情報(少なくとも医療商品の詳細情報を含む医療商品情報)を登録及び管理し、医療商品情報を対話エージェント端末100等に提供するサーバであり、主としてCPU(Central Processing Unit)12、データベース14、情報提供部16、及び通信部18から構成されている。
データベース14は、医療商品情報を管理する商品データベース(商品DB(Data Base))14A、事業者の情報を管理する事業者データベース14B、及び顧客の情報を管理する顧客データベース14Cを含む関連データベースである。
CPU12は、情報提供サーバ10の各部を統括制御する部分であり、通信部18を介して入力する各種の情報の解析、データベース14で管理される情報の更新及び読出しの指示、及び通信部18での通信処理等を司る。
図3から図5は、それぞれ商品データベース14A、事業者データベース14B、及び顧客データベース14Cで管理されるデータ構造の一例を示す図である。
商品データベース14Aは、第1の受付部により受け付けた商品識別情報と医療商品の詳細情報とを関連付けて管理するデータベースであり、図3に示す商品データベース14Aでは、医療商品(本例では、分包薬の一包)毎に付された商品識別情報(GS1(General Specifications One)識別コード)を主キーとして、GS1識別コードに対応する分包薬の薬剤情報(医薬品情報)、分包薬の処方年月日、事業者ID(identification)、顧客ID、処方した病院情報、一包化調剤した施設(薬局)の施設情報等の医療機関情報が関連付けて管理されている。
本例の分包薬の薬剤情報には、分包袋に収納された分包薬の薬剤毎の薬剤名、会社名(屋号)を示す記号、及び規格を示す薬剤文字または記号情報と、後述する薬剤分包監査装置22(図6)での薬剤監査に使用された画像(薬剤画像)とを含んでいる。尚、一包化された包毎の薬剤情報や服用時期及び注意事項等の分包情報を含んでいてもよい。
事業者IDは、例えば、GS1識別コードに含まれるGS1事業者コードが適用され、事業者を一意に特定する識別情報である。
事業者データベース14Bは、第1の受付部により受け付けたGS1識別コードと事業者の情報とを直接的又は間接的に関連付けて管理するデータベースであり、図4に示す事業者データベース14Bでは、事業者IDを主キーとして、事業者に関する情報(事業者名、URL(Uniform Resource Locator)、電話番号等)が管理されている。事業者IDは、商品データベース14AのGS1識別コード(主キー)に対する外部キーであるため、GS1識別コードと事業者の情報とは関連付けて管理されていることになる。
顧客IDは、顧客(患者、医師、薬剤師、看護師、介護士、その他のユーザ)を一意に特定する識別情報であり、例えば、マイナンバー(個人番号)などが好適である。
顧客データベース14Cは、第2の受付部により受け付けたGS1識別コードと顧客の情報とを直接的又は間接的に関連付けて管理するデータベースであり、図5に示す顧客データベース14Cでは、顧客IDを主キーとして、顧客に関する情報(名前、性別、年齢、住所、電話番号等)が管理されている。顧客IDは、商品データベース14AのGS1識別コード(主キー)に対する外部キーであるため、GS1識別コードと事業者の情報とは関連付けて管理されていることになる。
病院情報には、処方した医師の所属する病院名の他、医師の名前を含めることができ、施設情報には、施設名(施設が薬局の場合には薬局名、病院薬剤部の場合には病院薬剤部の情報)の他、薬剤監査した薬剤師の名前を含めることができる。
情報提供サーバ10は、対話エージェント端末100又は事業者端末400からGS1識別コードに基づいて医療商品情報の取得要求を受け付けると、GS1識別コードに基づいてデータベース14(商品データベース14A)からGS1識別コードに関連付けられた医療商品情報を読み出し、対話エージェント端末100又は事業者端末400に送信(提供)する。
また、商品データベース14Aでは、GS1識別コードを主キーとして、事業者ID、顧客ID(外部キー)が関連付けられているため、情報提供サーバ10は、事業者データベース14B及び顧客データベース14Cからそれぞれ事業者ID及び顧客IDを元に事業者情報及び顧客情報を読み出し、対話エージェント端末100又は事業者端末400に送信(提供)することができる。
即ち、第1の受付部として機能し得る通信部18及びCPU12は、事業者端末400(図6に示す施設20を含む)から通信部18を介して医療商品を特定する商品識別情報、医療商品の詳細情報、および事業者の情報を受け付ける。また、第2の受付部として機能し得る通信部18及びCPU12は、事業者端末400または対話エージェント端末100から通信部18を介して顧客が使用する医療商品の商品識別情報と顧客の情報とを受け付ける。更に、第3の受付部として機能し得る通信部18及びCPU12は、事業者端末400または対話エージェント端末100から商品識別情報(GS1識別コード)に基づく情報の閲覧要求を受け付ける。
情報提供部16は、第3の受付部により受け付けたGS1識別コードに基づいて商品データベース14A、事業者データベース14B、または顧客データベース14CからGS1識別コードに関連付けられた医療商品の詳細情報、事業者の情報、または顧客の情報を読み出し、通信部18を介して事業者端末400または対話エージェント端末100に送信する。即ち、情報提供サーバ10は、GS1識別コードに基づいてGS1識別コードに関連付けられた医療商品の詳細情報、事業者の情報、または顧客の情報を、事業者または顧客に提供することができる。
[一包化調剤する施設(薬局)の実施形態]
図6は、一つ以上の施設(薬局)20の内部構成の実施形態を示すブロック図である。
図6に示すように一つ以上の施設(薬局)20には、薬剤分包監査装置22と、レセプトコンピュータ24とが設置されており、薬剤分包監査装置22とレセプトコンピュータ24とは一つ以上の施設(薬局)20内のLAN(Local Area Network)26により接続されている。尚、本例では、1台の薬剤分包監査装置22が設置されているが、複数台の薬剤分包監査装置22が設置されていてもよい。
一つ以上の施設(薬局)20の薬剤分包監査装置22及びレセプトコンピュータ24は、通信部22C-2及びネットワーク2(図1)を経由して情報提供サーバ10と通信が可能になっており、一包化された分包薬の薬剤情報を、商品識別情報(GS1識別コード)に関連付けて施設から情報提供サーバ10にアップロードする機能を備えている。
一つ以上の施設(薬局)20で行われる薬剤処方作業は、大別して、薬局担当者(薬局事務、薬剤師等)による処方データ入力作業と、薬剤師によるピッキング作業と分包作業と薬剤監査作業等の調剤とを含む。
処方データ入力作業では、処方箋に記載されている情報(以下、「処方データ」という)を、薬局担当者がレセプトコンピュータ24に入力する。処方データの例として、患者の氏名、年齢等の患者情報、薬剤の薬種、若しくは薬剤の名称、薬剤の分量、薬剤の用法(服用時期)、及び薬剤の用量等の薬剤情報、処方データの発行年月日、処方した病院名、医師名等の病院情報を含む。薬局内の調剤機器連携は、調剤システム処方IF共有仕様であるNSIPS(New Standard Interface of Pharmacy-system Specifications)を使うのが好ましい。
次いで、レセプトコンピュータ24から薬剤分包監査装置22に対して処方データを出力する。また、薬剤師は、レセプトコンピュータ24、又は処方データが入力された薬剤分包監査装置22を操作して、処方データや分包情報を情報提供サーバ10に送信する。
ピッキング作業では、処方データに基づき、薬剤師が薬剤棚から薬剤情報に対応する薬剤をピッキングする。薬剤の例として、錠剤又はカプセル等が挙げられる。尚、ピッキング作業には、例えば、レセプトコンピュータ24に入力された処方データに基づき薬剤を自動的にピッキングする自動ピッキング装置を用いてもよい。
また、ピッキングされた薬剤が処方データと合致しているか否かを監査支援システムにて自動判定し、ピッキングのミスを防止することが好ましい。薬剤は、一般に調剤包装単位コード(バーコード)が付加された、PTP(Press Through Package)シートにて包装されている。監査支援システムは、ピッキングされたPTPシートがステージに載せられると、PTPシートに付加された薬剤情報を読み取り、また、PTPシートの撮影により薬剤の個数をカウントし、処方データと合致するか否かを判定し、その判定結果を出力する。
薬剤分包監査装置22は、一回に服用する複数の薬剤を一つの分包袋に収納して一包化する機能と分包薬を監査する機能とを含み、主として装置全体を統括制御するCPU22A、薬剤分包部22B、通信部22C-1、22C-2、撮像部22E、薬剤監査部22F、発番部22G、情報付加部として機能するプリンタ22H、表示部22I、及び操作部22Jを備えている。
この薬剤分包監査装置22は、分包薬を一包ずつ一意に特定するGS1識別コードを示すバーコードを、プリンタ(ラベルプリンタ)22Hによりラベルに付加(印字)し、GS1識別コード等が印字されたラベルを分包薬の分包袋に貼付する機能を備えている。尚、本例の薬剤分包監査装置22は、プリンタ22Hを内蔵しているが、プリンタ22Hは、薬剤分包監査装置22の外部に設けられていてもよい。
薬剤分包監査装置22を使用した分包作業は、以下のように行われる。ピッキング作業でピッキングされた薬剤を薬剤師が薬剤分包部22Bのトレイ(薬剤マス)に、1包分毎にセットする(手撒き作業)。薬剤分包部22Bは、薬剤マス内の薬剤を、連続している空の分包袋に収納し、その後、分包袋を閉じ、ミシン目等の付与により切り離し可能にすることで分包薬の一包化を行う。尚、この種の薬剤分包部22Bを備えた薬剤分包装置は、公知であるため、薬剤分包部22Bの詳細な構成の説明は省略する。
また、この薬剤分包監査装置22は、薬剤師による手撒き作業が行われるが、PTPシートをセットすることでPTPシートから薬剤を自動的に除包する機能や、錠剤とカプセルをあらかじめ各々カセットに充填しておく機能を追加し、手撒き作業を省略することができる薬剤分包監査装置でもよい。薬剤は散薬でもよい。
発番部22Gは、CPU22A又は薬剤分包部22Bからの発番要求に応じて、分包薬を一包ずつ一意に特定するGS1識別コードを発番する。尚、発番要求は、薬剤分包部22Bでの分包タイミング、又はプリンタ22Hでの印字タイミングに合わせて一包ずつ出すことができる。
発番部22Gは、例えば、発番要求元の一つ以上の施設20に設置されている薬剤分包監査装置22を一意に特定する製品IDと、製品IDに対応する薬剤分包監査装置22により一包化される分包薬の個数の連続番号と、事業者IDとを組み合わせて世界で唯一のIDであるGS1識別コードを発番することができる。
GS1識別コードには、GTIN(Global Trade Item Number)コード、GLN(Global Location Number)コード、GIAI(Global Individual Asset Identifier)コード、SSCC(Serial Shipping Container Code)、GRAI(Global Returnable Asset Identifier)コード、GSRN(Global Service Relation Number)コード、GDTI(Global Document Type Identifier)コード、及びGCN(Global Coupon Number)コードなどがあり、特にGSRNコード及びGIAIコードが好適である。
GSRNコードは、サービスの提供者と利用者を管理するための識別コードであり、9桁のGS1事業者コード、8桁のサービス提供/利用者コードの他、10桁の拡張領域、15桁の任意に定義可能な独自コードの組み合わせで構成される。したがって、例えば、GSRNコードのサービス提供/利用者コードに薬剤分包装置又は薬剤分包監査装置等の製品ID(シリアル番号)を割り当て、拡張領域又は独自コードにその製品IDを有する薬剤分包監査装置又は薬剤分包装置により一包化される分包薬の個数の連続番号、あるいはタイムスタンプを割り当てることにより、GSRNコードを、分包薬を一包ずつ一意に特定するユニーク識別情報(ユニークID)とすることができる。
また、GIAIコードは、企業の資産を管理するための識別コードであり、9桁のGS1事業者コードと可変長の1~21桁の資産番号からなる最大30桁のコードである。したがって、GIAIコードの21桁の資産番号に薬剤分包装置又は薬剤分包監査装置等の製品ID及びその製品IDを有する薬剤分包装置又は薬剤分包監査装置により一包化される分包薬の個数の連続番号、あるいはタイムスタンプを割り当てることにより、GIAIコードを、分包薬を一包ずつ一意に特定するユニークIDとすることができる。
CPU22Aは、レセプトコンピュータ24からLAN26及び通信部22C-1を介して処方データを取得する。発番部22Gは、CPU22Aからの発番要求に応じて、分包薬の分包個数分のGS1識別コードを発番する。
CPU22Aは、取得した処方データ及び発番部22Gにより発番されたGS1識別コードに基づいて各分包薬に対するプリント用データを作成し、プリンタ22Hに出力する。
プリンタ22Hは、入力するプリント用データによりGS1識別コードを示すバーコード及び処方データを示す文字情報をラベルに印字する。プリンタ22Hの印字方法は、感熱ラベルへの感熱印字、一般ラベルへの熱転写やUV(ultraviolet)インクや顔料インクによる印字、IJ(inkjet)ラベルへの染料や顔料インクによるIJ印字等適宜選択できる。
図7は、プリンタ22HによりGS1識別コードを示すバーコード及び処方データを示す文字情報が印字されたラベル40の一例を示す図である。
図7に示すようにラベル40には、GS1識別コードの数字情報42及びGS1識別コードを示すバーコード44(一次元バーコード)と、患者の名前(富士太郎)46と、服用時期(昼食後)47と、一包化されている薬剤毎の薬剤名等の薬剤文字情報48等とが印字されている。尚、ラベル40には、GS1識別コードの数字情報42、又はGS1識別コードを示すバーコード44のみを印字してもよい。また、処方データの文字情報を印字する場合には、服用時期47のみでもよい。
図7において、薬剤分包部22Bにより一包化された分包袋50には、5種類(4個の錠剤と1個のカプセル)の薬剤52が収納されており、プリンタ22HによりGS1識別コードを示すバーコード44等が印字されたラベル40は、それぞれ対応する分包袋50に貼付される。尚、プリンタ22Hは、ラベル自動貼付機能を有し、薬剤分包部22Bにより順次一包化された分包薬の分包袋50に対して、それぞれ対応するプリント用データをCPU22Aから取得し、ラベル印字からラベル貼付までを連続して行う。
図8は、図7に示した一包分の分包薬が複数連続している状態を示す平面図であり、薬剤分包監査装置22により一包化調剤された一連の分包薬を示している。同図に示すように、分包薬が収納された分包袋50には、それぞれGS1識別コードを示すバーコード等が印字されたラベル40が貼付されている。
薬剤監査作業では、薬剤師が分包袋50に分包された薬剤の薬種や個数が正しいか否か(即ち、処方データにしたがったものであるか否か)を目視で確認する薬剤監査を行う。
撮像部22E及び薬剤監査部22Fは、薬剤師による分包薬の監査を支援する機能を担う。
撮像部22Eは、薬剤分包部22Bにより一包化された分包薬(分包袋)を、表側から撮像する第1撮像部と裏側から撮像する第2撮像部とにより構成されている。これは、薬剤の形状、刻印等を正確に把握するためである。尚、撮像部22Eは、一包化される前の分包薬(例えば、薬剤分包部22Bのトレイ(薬剤マス)にセットされた分包薬、又は薬剤マスから薬剤撮像用トレイに落下させられた分包薬)を撮像するようにしてもよい。
薬剤監査部22Fは、レセプトコンピュータ24からLAN26及び通信部22C-1を介して処方データが入力されると、撮像部22Eにより撮像された分包薬の画像(本例では、一包化された分包薬(分包袋)の表側から撮像された画像と裏側から撮像された画像)を入力し、入力した処方データと分包薬の画像とに基づいて各分包袋に収納された分包薬が正しいか否かの判定等を行う。
例えば、処方データと分包薬の画像を画像解析して得られる情報(分包袋内の薬剤の数量、薬剤の形状、寸法、色、及び刻印等から得られる薬剤情報)とを照合し、分包薬が正しいか否かを判定する方法、あるいは分包袋内の薬剤のマスタ画像を取得し、マスタ画像と撮像された分包薬の画像とを1錠ずつ比較して分包薬が正しいか否かを判定する方法等が考えられる。マスタ画像としては、薬剤情報に対応して予め準備された画像を使用し、あるいは一包目(最初)の分包袋を撮像した画像を使用することが考えられる。
また、薬剤監査部22Fは、薬剤師が分包薬の監査を容易にする監査用の画像を生成する機能も含む。薬剤監査部22Fは、監査結果を表示部22Iに表示させ、あるいは監査用の画像を表示させる。
薬剤師による薬剤監査作業が終了し、薬剤師が監査終了を入力すると、薬剤分包監査装置22は、GS1識別コードに関連付けて少なくとも分包袋50に収納された分包薬の薬剤情報を、通信部22C-2からネットワーク2を介して情報提供サーバ10にアップロードする。このとき、処方データと分包情報も同時にアップロードするようにしてもよい。
尚、薬剤分包監査装置22は、プリンタ22HによりGS1識別コードを示すバーコード等が印字されたラベルを、分包袋に貼付するようにしたが、これに限らず、例えば、熱転写プリンタやIJプリンタを備え、これらのプリンタにより分包袋にGS1識別コードを示すバーコード等を直接印字するようにしてもよい。
また、本例では一つ以上の施設(薬局)20の内部構成について説明したが、一つ以上の施設(自動受付管理システム、電子カルテシステム、入院管理システム、医事会計システム、薬局管理システム、診療予約システム等を含む病院情報システムHIS(Hospital Information Systems)で管理された病院薬剤部)20の内部構成も一つ以上の施設(薬局)20の内部構成と同様にすることができる。
更に、薬剤分包監査装置22の代わりに、分包薬の監査を支援する機能を備えていない薬剤分包装置を使用してもよい。
また、図9は、GS1識別コードを示すバーコード及び処方データを示す文字情報が印字されたラベルが貼付された一包分の分包薬の平面図である。
図9に示す分包袋50-2は、薬剤分包部22Bにより一回に服用する複数の薬剤52-2が収納され、プリンタ22Hにより商品識別情報を示すバーコード等が印字されたラベル40-2が貼付されて構成されている。
ラベル40-2には、商品識別情報(本例では、GS1識別コードの一つであるGSRNコード)を示す二次元のバーコード44-2(例えば、QRコード(登録商標))と、顧客(患者)の名前(富士太郎)46-2と、服用時期(朝食後)47-2と、一包化されている薬剤毎の薬剤名等の薬剤文字情報48-2とが印字されている。尚、処方データを示す文字情報を印字する場合には、服用時期47-2のみでもよい。また、ラベル40-2には、バーコード44-2に加えて、分包薬の薬剤情報(薬剤文字情報48-2)及び顧客情報(名前46-2)のうちの少なくとも一方を印字してもよい。
尚、本例の情報提供サーバ10の商品データベース14Aにより管理される医療商品は、本例の分包薬に限らず、PTP(Press Through Package)シートの薬剤、その他の医薬品、又は手術具、医療器具、医療材料等の医療機器を含む。
PTPシートの薬剤、その他の医薬品の詳細情報を含む医療商品情報及び商品識別情報は、製薬会社、医薬品販売業者等の事業者端末から情報提供サーバ10にアップロードし、手術具、医療器具等の詳細情報を含む医療商品情報及び商品識別情報は、医療器具メーカ、医療器具販売会社の事業者端末から情報提供サーバ10にアップロードすることで、これらの医療商品を情報提供サーバ10にて一元管理することができる。
[対話エージェント端末]
図10は、情報提供システム1に適用可能な対話エージェント端末100の外観図であり、本例では、対話エージェント端末100としてスマートフォンを使用している。
<対話エージェント端末の構成>
図10に示す対話エージェント端末100は、平板状の筐体102を有し、筐体102の一方の面に表示部としての表示パネル121と、入力部としての操作パネル122とが一体となって形成される表示入力部120が設けられる。また、その筐体102は、スピーカ131と、マイクロホン132と、操作部140と、カメラ部141(カメラ)とを備える。尚、筐体102の構成はこれに限定されず、例えば、表示部と入力部とが独立して設けられる構成を採用したり、折り畳み構造やスライド機構を有する構成、対話エージェント端末からWi-FiやBluetooth等の通信手段を介してコミュニケーション機構を有するロボット等を採用することもできる。
図11は、図10に示した対話エージェント端末100の内部構成を示すブロック図である。
図11に示すように、対話エージェント端末100の主たる構成要素として、無線通信部110と、表示入力部120と、通話部130と、操作部140と、カメラ部141と、記憶部150と、外部入出力部160(出力部)と、GPS(global positioning system)受信部170と、モーションセンサ部180と、電源部190と、主制御部101とを備える。また、対話エージェント端末100の主たる機能として、基地局装置と移動通信網とを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
無線通信部110は、主制御部101の指示に従って、移動通信網に接続された基地局装置との間で無線通信を行う。その無線通信が使用されて、音声データ及び画像データ等の各種ファイルデータや電子メールデータなどの送受信、及びウェブデータやストリーミングデータなどの受信が行われる。
表示入力部120は、表示パネル121の画面上に配設された操作パネル122を備えたいわゆるタッチパネルであり、主制御部101の制御により、画像(静止画及び動画)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達し、また表示した情報に対するユーザ操作を検出する。尚、操作パネル122を便宜上、タッチパネルとも称す。
表示パネル121は、LCD(Liquid Crystal Display)又はOELD(Organic Electro-Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いる。操作パネル122は、表示パネル121の表示面上に表示される画像が視認可能な状態で設けられ、ユーザの指や尖筆によって操作される1又は複数の座標を検出するデバイスである。そのデバイスがユーザの指や尖筆によって操作されると、操作パネル122は、操作に起因して発生する検出信号を主制御部101に出力する。次いで、主制御部101は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル121上の操作位置(座標)を検出する。
図10に例示される対話エージェント端末100の表示パネル121と操作パネル122とは一体となって表示入力部120を構成し、操作パネル122が表示パネル121を完全に覆うような配置となっている。その配置を採用した場合、操作パネル122は、表示パネル121外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル122は、表示パネル121に重なる重畳部分についての検出領域(以下、「表示領域」という)と、それ以外の表示パネル121に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、「非表示領域」という)とを備えていてもよい。
尚、表示領域の大きさと表示パネル121の大きさとを完全に一致させてもよいが、両者を必ずしも一致させる必要はない。また、操作パネル122が、外縁部分及びそれ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。更に、その外縁部分の幅は、筐体102の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル122で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、及び静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式が採用されてもよい。
通話部130は、スピーカ131及びマイクロホン132を備え、マイクロホン132を通じて入力されたユーザの音声を主制御部101にて処理可能な音声データに変換して主制御部101に出力したり、無線通信部110或いは外部入出力部160により受信された音声データを復号してスピーカ131から出力したりする。また、図10に示すように、例えば、スピーカ131及びマイクロホン132を表示入力部120が設けられた面と同じ面に搭載することができる。
操作部140は、キースイッチなどを用いたハードウエアキーであって、ユーザからの指示を受け付ける。例えば、図10に示すように、操作部140は、対話エージェント端末100の筐体102の側面に搭載され、指などで押下されるとスイッチオン状態となり、指を離すとバネなどの復元力によってスイッチオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
記憶部150は、主制御部101の制御プログラムや制御データ、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、ウェブブラウジングによりダウンロードしたウェブデータ、及びダウンロードしたコンテンツデータ等を記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶する。
また、記憶部150は、内部記憶部151と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部152とにより構成される。尚、記憶部150を構成する内部記憶部151及び外部記憶部152のそれぞれは、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ、RAM(Random Access Memory)、或いはROM(Read Only Memory)などの格納媒体を用いて実現される。
外部入出力部160は、対話エージェント端末100に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たし、通信等(例えば、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394など)又はネットワーク(例えば、無線LAN(Local Area Network)、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)など)により他の外部機器に直接的又は間接的に接続する。
対話エージェント端末100に連結される外部機器としては、例えば、有線/無線ヘッドセット、有線/無線外部充電器、有線/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)やSIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオビデオ機器、有線/無線接続される外部オーディオビデオ機器、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、及びイヤホンなどがある。外部入出力部160は、このような外部機器から伝送を受けたデータを対話エージェント端末100の内部の各構成要素に伝達したり、対話エージェント端末100の内部のデータが外部機器に伝送されたりするように構成されてもよい。
GPS受信部170は、主制御部101の指示に従って、GPS衛星ST1、ST2~STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、対話エージェント端末100の緯度、経度及び高度によって特定される位置情報(GPS情報)を取得する。GPS受信部170は、無線通信部110及び/又は外部入出力部160(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる場合には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
モーションセンサ部180は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部101の指示に従って、対話エージェント端末100の物理的な動きを検出する。対話エージェント端末100の物理的な動きを検出することにより、対話エージェント端末100の動く方向や加速度が検出される。その検出の結果は、主制御部101に出力される。
電源部190は、主制御部101の指示に従って、対話エージェント端末100の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給する。
主制御部101は、マイクロプロセッサを備え、記憶部150が記憶する制御プログラムや制御データに従って動作し、対話エージェント端末100の各部を統括して制御する。また、主制御部101は、無線通信部110を通じて音声通信及びデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、ソフトウエア処理機能とを備える。
ソフトウエア処理機能は、記憶部150が記憶するソフトウエアに従って主制御部101が動作することにより実現されるソフトウエア処理機能としては、例えば、外部入出力部160を制御することで対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、及びウェブページを閲覧するウェブブラウジング機能の他、本発明に係る情報提供システムを利用するための機能などがある。本発明に係る情報提供システムを利用するための機能は、情報提供サーバ10又は情報提供システム1を運営する事業者のサイト等から対応する情報提供ソフトウエアをダウンロードすることにより実現することができる。
ここで、情報提供ソフトウエアとは、既知の対話型ソフトウエアと同様の機能を含むものの他に、既知の対話型ソフトウエアに対してモジュール(プログラム部品)として組み込まれたものを含む。
また、主制御部101は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画や動画のデータ)に基づいて、映像を表示入力部120に表示する等の画像処理機能を備える。
更に、主制御部101は、表示パネル121に対する表示制御と、操作部140や操作パネル122を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御とを実行する。
表示制御の実行により、主制御部101は、情報提供ソフトウエア等のソフトウエアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウエアキーを表示したり、或いは電子メールを作成するためのウィンドウを表示する。尚、スクロールバーとは、表示パネル121の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウエアキーのことをいう。
また、操作検出制御の実行により、主制御部101は、操作部140を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル122を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、或いはスクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
更に、操作検出制御の実行により主制御部101は、操作パネル122に対する操作位置が、表示パネル121に重なる重畳部分(表示領域)に該当するか、或いはそれ以外の表示パネル121に重ならない外縁部分(非表示領域)に該当するかを判定し、操作パネル122の感応領域やソフトウエアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
また、主制御部101は、操作パネル122に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、或いはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも一つについて軌跡を描く操作を意味する。
カメラ部141は、主制御部101の制御により、撮像によって得た画像データを例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)などの圧縮した画像データに変換し、その画像データを記憶部150に記録したり、外部入出力部160や無線通信部110を通じて出力したりすることができる。
図10に示すように対話エージェント端末100において、カメラ部141は表示入力部120と同じ面に搭載されているが、カメラ部141の搭載位置はこれに限らず、表示入力部120が設けられる筐体102の表面ではなく筐体102の背面にカメラ部141が搭載されてもよいし、或いは複数のカメラ部141が筐体102に搭載されてもよい。尚、複数のカメラ部141が搭載されている場合には、撮像に供するカメラ部141を切り替えて単独のカメラ部141によって撮像が行われてもよいし、或いは複数のカメラ部141を同時に使用して撮像が行われてもよい。
また、カメラ部141は対話エージェント端末100の各種機能に利用することができる。例えば、カメラ部141で取得した画像が表示パネル121に表示されてもよいし、操作パネル122の操作入力手法の一つとして、カメラ部141で撮像取得される画像が利用されてもよく、本例では、分包袋に付加されたGS1識別コードを示すバーコード(一次元バーコード又は二次元バーコード)の読み取りに利用される。また、GPS受信部170が位置を検出する際に、カメラ部141からの画像が参照されて位置が検出されてもよい。更には、カメラ部141からの画像が参照されて、3軸の加速度センサを用いずに、或いは、3軸の加速度センサと併用して、対話エージェント端末100のカメラ部141の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部141からの画像をソフトウエア内で利用することもできる。
その他、GPS受信部170により取得された位置情報、マイクロホン132により取得された音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)、及びモーションセンサ部180により取得された姿勢情報等などを静止画又は動画の画像データに付加して得られるデータを、記憶部150に記録したり、外部入出力部160や無線通信部110を通じて出力したりすることもできる。
[対話システム]
図12は、対話エージェント端末100及び対話エージェントサーバ200からなる対話システムの概要を示す概略図である。尚、図12に示す対話エージェント端末100において、図10及び図11に示した対話エージェント端末100と同じ部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図12に示す対話システムは、対話エージェント端末100と対話エージェントサーバ200との間でネットワーク2を介して対話型のコミュニケーションを実現するシステムであり、例えば、自治体が高齢者向けの対話サービスを行うシステムなどが考えられる。
対話エージェントサーバ200は、顧客に対して対話型のコミュニケーションサービスを提供するサーバであり、主として通信部210、CPU220、対話データベース230及びメモリ240を備えている。
対話データベース230には、複数の対話エージェントが用意されている。複数の対話エージェントとしては、仮想の薬剤師(医師)、役所職員、店員、その他、世間話をするための話し相手等が考えられる。本例では、対話エージェント端末100を操作する顧客と、対話エージェントサーバ200上の対話エージェントとは、対話エージェント端末100の表示入力部120での表示及びタッチ操作によるオンスクリーン対話方式により対話が行われる。
対話データベース230には、対話エージェントに応じた「シナリオ」が用意されており、「シナリオ」は、対話エージェント端末100での顧客の対話応答により、対話が進む仕様になっている。尚、「シナリオ」は、適宜修正、追加が可能である。
メモリ240は、対話型のコミュニケーションサービスを提供するプログラムが格納される記憶部、及びCPU220の作業領域となる部分を含む。
CPU220は、対話エージェントサーバ200の各部を統括制御する部分であり、対話型のコミュニケーションサービスを提供するプログラムの内容をメモリ240上に展開し、展開されたプログラムに沿って処理を行うことで、通信部210を介して入力する対話エージェント端末100からの要求指示、対話応答の解析、対話データベース230に登録されている「シナリオ」の読出しの指示、及び通信部210での通信処理等を司る。
対話エージェント端末100の主制御部101は、記憶部150(図11)に記憶されている対話型ソフトウエアを実行することで、対話処理部101A、情報取得部101B、及び情報受渡部101Cとして機能し得る。
本例の対話型ソフトウエアは、対話エージェント端末100に予めインストールされている別の対話型ソフトウエア(対話処理部101Aに対応する機能)に、情報取得部101B及び情報受渡部101Cに対応する機能を、対話エージェント端末100に実現させる情報提供ソフトウエアが、モジュール(プログラム部品)として組み込まれたものである。尚、本発明に係る情報提供ソフトウエアは、情報取得部101B及び情報受渡部101Cに対応する機能の他に対話処理部101Aに対応する機能を、対話エージェント端末100に実現させるものでもよい。
対話処理部101Aは、表示入力部120及び操作部140を対話型インターフェースとして機能させ、顧客が対話エージェントとコミュニケーションを行うための主要な部分であり、対話エージェントからの顧客に対する質問、応答メッセージなどを表示入力部120に表示させ、また、顧客から対話方式で情報を受け付ける。
本例では、対話エージェントの対話の「シナリオ」に沿った質問及びその質問に対する応答の候補を、複数の選択項目で表示入力部120に表示させ、表示入力部120上の操作パネル(タッチパネル)で、顧客により所望の選択項目が選択(タッチ)されると、その情報を受け付ける。対話処理部101Aは、上記のようにして受けた情報を対話エージェントサーバ200に送信する。これを繰り返すことで、対話を進行させることができる。
尚、本例の対話システムでは、音声による会話(対話)は行われていないが、音声による対話を行うものでもよいし、音声と文字情報とを併用した対話を行うものでもよい。音声による対話を行う場合、対話エージェント端末100又は対話エージェントサーバ200は、顧客から発話された音声を文字情報に変換する音声認識AI(Artificial Intelligence)を備えることが好ましい。また、この場合、対話エージェントサーバ200は、音声から変換された文字情報の意味を理解するAI(例えば、チャットボット)を備えることが好ましい。
また、対話処理部101A及びカメラ部141は、対話応答に基づいて医療商品を特定する商品識別情報(GS1識別コード)を受け付ける受付部として機能する。例えば、顧客が持っている薬(分包薬)の詳細情報を知りたい場合、対話エージェントから「カメラで手持ちの薬に付加されているバーコードを読んで下さい」というメッセージを受け取り、このメッセージにしたがって顧客がカメラ部141を操作し、分包薬に付されたバーコードを読み取ることで、その分包薬を一意に特定するGS1識別コードを取得することができる。この場合、カメラ部141は、バーコードリーダとして機能する。また、バーコードとともに、GS1識別コードを示す数字が印刷されている場合、カメラ部141によりGS1識別コードを読み取る場合に限らず、操作部140によりGS1識別コードの数字を打ち込むことで、GS1識別コードを取得するようにしてもよい。
情報取得部101Bは、受付部として機能するカメラ部141等を動作可能にし、カメラ部141等により受け付けた商品識別情報(GS1識別コード)を、無線通信部110及びネットワーク2を介して情報提供サーバ10(図1、図2)に送信し、情報提供サーバ10からGS1識別コードに関連付けられた医療商品の詳細情報を含む医療商品情報を取得する。
前述したように情報提供サーバ10は、対話エージェント端末100からGS1識別コードを受信すると、GS1識別コードに基づいてデータベース14(商品データベース14A)からGS1識別コードに関連付けられた医療商品情報を読み出し、対話エージェント端末100に返送(提供)する。
情報受渡部101Cは、情報取得部101Bが取得した医療商品情報を、医療商品情報を必要とするソフトウエアに受け渡す部分である。
ここで、医療商品情報を必要とするソフトウエアとは、電子お薬手帳ソフトウエア、服薬支援ソフトウエア、薬歴管理ソフトウエア、医療トレーサビリティソフトウエア、及び医療系SNSソフトウエアなどが考えられる。尚、医療商品情報を必要とするソフトウエアは、上記の例に限らず、例えば、オンライン診療ソフトウエア、オンライン服薬指導ソフトウエアを含んでいてもよい。
対話エージェント端末100には、電子お薬手帳ソフトウエア、服薬支援ソフトウエア、薬歴管理ソフトウエア、医療トレーサビリティソフトウエア、及び医療系SNSソフトウエアのうちの少なくとも一つ以上がインストールされているものとする。また、これらのソフトウエアとしては、公知のものが適用できる。更に、対話エージェント端末100にインストールされるソフトウエアは、上記の例に限らず、オンライン診療ソフトウエア、オンライン服薬指導ソフトウエアを含んでいてもよい。
対話エージェント端末100は、電子お薬手帳ソフトウエアを実行することで、顧客は、電子お薬手帳サーバ310(図1)が提供するサービスを受けることができる。電子お薬手帳サーバ310では、顧客に処方された薬剤に関する情報(「薬剤の名前」「用法・用量」「薬剤を渡した日」等)を記録及び管理したり、服薬を支援するサービスを提供するものもがある。
対話エージェント端末100は、服薬支援ソフトウエアを実行することで、顧客は、服薬支援サーバ320(図1)が提供するサービスを受けることができる。服薬支援サーバ320は、顧客に処方された薬剤が正しく服用されるように支援するもので、どの薬をいつ服用するかを通知したり、服用カレンダーへの服用記録などを行うサービスを提供する。
対話エージェント端末100は、薬歴管理ソフトウエアを実行することで、顧客(特に薬剤師、介護士)は、薬歴管理サーバ330(図1)が提供するサービスを受けることができる。薬歴管理サーバ330は、患者(被介護者)の医薬品の服用歴の作成及び管理する機能を備える。
対話エージェント端末100は、医療トレーサビリティソフトウエアを実行することで、顧客(特に医療関係者)は、医療トレーサビリティサーバ340(図1)が提供するサービスを受けることができる。医療トレーサビリティサーバ340は、医薬品及び医療機器に関するデータ(安全性やリスク管理)を収集及び蓄積し、医療関係者が共同で利用できる機能を備える。
対話エージェント端末100は、医療系SNSソフトウエアを実行することで、顧客は、医療系SNSサーバ350(図1)が提供するサービスを受けることができる。医療系SNSサーバ350は、手配されている医師や薬剤師が、顧客からメールやチャットにより薬の相談を含む医療の相談を受け付け、その回答をするサービスや、医師と医師で臨床症例を相談しあうサービスを実現する。
情報受渡部101Cは、情報取得部101Bが取得した医療商品情報を、対話エージェント端末100にインストールされている電子お薬手帳ソフトウエア、服薬支援ソフトウエア、薬歴管理ソフトウエア、医療トレーサビリティソフトウエア、及び医療系SNSソフトウエアのうちの少なくとも一つ以上に受け渡し、これらのソフトウエアを通じて対応するサーバに医療商品情報をアップロードすることができる。
ここで、情報受渡部101Cは、電子お薬手帳ソフトウエア、服薬支援ソフトウエア、薬歴管理ソフトウエア、医療トレーサビリティソフトウエア、又は医療系SNSソフトウエアに対して、各ソフトウエアが取得可能な形式の情報として出力する(受け渡す)ことが好ましい。
また、図1に示す地域医療連携ネットワークシステム370は、調剤情報管理サーバ371と、自治体などの地域の病院372、歯科医院374、薬局376及び介護施設378とがVPN等のネットワーク2-1で接続された構成され、医師、歯科医師、薬剤師、看護師などが地域の患者の診療情報を共有できるシステムである。
本例の対話エージェント端末100の情報受渡部101Cは、情報提供サーバ10から取得した医療商品情報(患者情報を含む)を、地域医療連携ネットワークシステム370を利用するためのソフトウエアに受け渡すことも可能である。
[情報提供方法]
図13及び図14は、本発明に係る情報提供方法の実施形態を示すフローチャートである。
図13及び図14に示す情報提供方法は、前述した対話エージェント端末100、対話エージェントサーバ200、及び情報提供サーバ10を含む情報提供システム1に適用される。
図13において、図12に示した対話システムを利用する場合、顧客は、対話エージェント端末100を操作し、対話エージェント端末100にインストールされている対話型ソフトウエアを起動させる(ステップS100)。
対話型ソフトウエアが起動すると、対話エージェント端末100の表示入力部120には、対話エージェントを選択するための画面が表示される。顧客は、対話エージェント端末100の表示入力部120の画面上で、話し相手(対話エージェント)を選択する(ステップS102)。
図15は、対話エージェントを選択するための表示入力部120の画面の一例を示す図である。
図15に示す表示入力部120の画面には、「誰と話がしたいですか?話し相手を選んで下さい」というメッセージと、複数の対話エージェントを示すアイコンボタンA1、A2、A3、及び「終了」ボタン124等が表示される。
これらのアイコンボタンA1、A2、A3が示す対話エージェントは、それぞれ「薬剤師」、「役所職員」、「店員」である。
対話エージェントの選択は、対話エージェントに対応するアイコンボタンをタッチ(タップ)することで行うことができる。また、アイコンボタンをスクロールさせるボタンを操作することで、他の対話エージェント(例えば、世間話をする相手)の選択も可能である。
顧客は、薬に関する相談をしたい場合には、対話エージェントとして「薬剤師」を選択し、行政に関する相談をしたい場合には、対話エージェントとして「役所職員」を選択し、買い物の代行サービスを受けたい場合には、対話エージェントとして「店員」を選択する。
以下、対話エージェントとして「薬剤師」を選択した場合について説明する。
対話エージェント端末100により、対話エージェントとして「薬剤師」が選択されると、選択された対話エージェント(薬剤師)を示す情報が対話エージェントサーバ200に通知される。
対話エージェントサーバ200は、対話エージェント(薬剤師)の選択結果を示す通知を受け付けると、顧客と薬剤師とが対話するための「シナリオ」を選択し、選択した「シナリオ」に応じた応答メッセージを生成し(ステップS202)、生成した応答メッセージを対話エージェント端末100に送信する。
応答メッセージを受け付けた対話エージェント端末100は、表示入力部120の画面に応答メッセージを表示するとともに、顧客が選択可能な複数の選択肢を表示する(ステップS104)。
図16は、ステップS104における表示入力部120の画面の一例を示す図である。同図に示す表示入力部120の画面には、「どうしましたか?相談内容を選んで下さい」という応答メッセージと、複数の選択肢を示すアイコンボタンB1~B4、「戻る」ボタン126及び「終了」ボタン124等が表示される。尚、「戻る」ボタン126は、一つ前の画面に戻るための操作ボタンである。
顧客は、複数の選択肢に対応するアイコンボタンB1~B4から一つのアイコンボタンをタッチすることで、所望の選択肢(知りたい情報)を選ぶことができる(ステップS106)。
本例では、ステップS106において、顧客により、「手持ちの薬の情報が知りたい」を示すアイコンボタンB3がタッチされたものとする。この場合、アイコンボタンB3に対応する選択肢「手持ちの薬の情報が知りたい」を示す情報が対話エージェントサーバ200に送信される。
対話エージェントサーバ200は、「手持ちの薬の情報が知りたい」を示す情報(選択結果)を受け付けると、顧客と薬剤師とが対話するための「シナリオ」から、「手持ちの薬の情報が知りたい」に対応する応答メッセージ(カメラ操作指示)を生成し(ステップS204)、生成した応答メッセージを対話エージェント端末100に送信する。
応答メッセージを受け付けた対話エージェント端末100は、図17に示すように表示入力部120の画面に応答メッセージ(カメラ操作指示)を表示するとともに、カメラを示すアイコンボタンCを表示する(ステップS108)。
図17は、ステップS108における表示入力部120の画面の一例を示す図である。同図に示す表示入力部120の画面には、「カメラで手持ちの薬に付加されたバーコードを読んで下さい」という応答メッセージと、対話エージェント端末100のカメラ部141をバーコードリーダとして起動させるアイコンボタンC、「戻る」ボタン126及び「終了」ボタン124等が表示される。
顧客は、手持ちの薬を準備するとともに、カメラのアイコンボタンCをタッチしてカメラ部141をバーコードリーダとして起動させ、カメラ部141により手持ちの薬に付加されたバーコードを撮像することで、そのバーコードの情報(GS1識別コード)を読み取らせる(ステップS110)。
本例では、図7及び図8に示した分包薬の分包袋50に貼付されたラベル40に付された一次元のバーコード44、又は図9に示した分包薬の分包袋50-2に貼付されたラベル40-2に付された二次元のバーコード44-2を読み取ることで、商品識別情報がバーコード化された、バーコード情報としてのGS1識別コードを取得する。
尚、分包薬は、現在服用している分包薬に限らず、残薬(飲み残し薬)でもよい。特に残薬は、その詳細情報(薬の種類、調剤日等)が不明であることが多い。また、PTPシートの薬剤も、そのPTPシートに印刷されているバーコードを読み取ることで、GS1識別コードを取得することができる。
図14に示すように対話エージェント端末100により取得されたGS1識別コードは、対話エージェントサーバ200を通じて情報提供サーバ10に送信される。
情報提供サーバ10は、対話エージェント端末100からGS1識別コードに基づいて医療商品情報の取得要求を受け付けると、GS1識別コードに基づいてデータベース14(商品データベース14A)からGS1識別コードに関連付けられた医療商品情報を検索し、GS1識別コードに対応する医療商品情報を取得する(ステップS12)。
情報提供サーバ10により取得された医療商品情報は、対話エージェントサーバ200を通じて対話エージェント端末100に送信される。
医療商品情報を受信した対話エージェント端末100は、表示入力部120の画面に医療商品情報を表示するとともに、この医療商品情報を別のソフトウエアに受け渡すための処理を実行させるアイコンボタンを表示する(ステップS112)。
図18は、ステップS112~ステップS116における表示入力部120の画面の一例を示す図である。同図に示す表示入力部120の画面には、GS1識別コードが読み取られた分包薬の薬剤画像及び薬剤情報、「戻る」ボタン126、「電子お薬手帳と同期する」ボタン128、及び「終了」ボタン124等が表示される。尚、医療商品情報としては、「薬剤の名前」「用法・用量」「薬剤を渡した日」「副作用」等を更に表示することができ、また、顧客の情報、処方した医師の名前、調剤した薬局等の情報も表示することが可能である。
本例の対話エージェント端末100には、医療商品情報を必要とするソフトウエア(別のソフトウエア)として、電子お薬手帳ソフトウエアがインストールされているため、「電子お薬手帳と同期する」ボタン128が表示されるようになっている。
尚、電子お薬手帳ソフトウエアに限らず、又は電子お薬手帳ソフトウエアとともに、服薬支援ソフトウエア、薬歴管理ソフトウエア、医療トレーサビリティソフトウエア、又は医療系SNSソフトウエア等がインストールされている場合には、複数のソフトウエアと同期するためのアイコンボタンを表示することができる。
顧客は、取得した医療商品情報を、別のソフトウエア(本例では電子お薬手帳ソフトウエア)に受け渡すか否かを判断し、受け渡すことに同意する場合には、表示入力部120の画面上の「電子お薬手帳と同期する」ボタン128にタッチする(ステップS114)。
対話エージェント端末100の情報受渡部101Cは、「電子お薬手帳と同期する」ボタン128がタッチされると、取得した医療商品情報を、別のソフトウエア(本例では電子お薬手帳ソフトウエア)が取得可能な形式の情報として出力する(受け渡す)(ステップS116)。
医療商品情報を受け取った電子お薬手帳ソフトウエアは、受け取った医療商品情報を管理できるように、お薬手帳サーバ310に送信することができる。
尚、電子お薬手帳ソフトウエア、服薬支援ソフトウエア、薬歴管理ソフトウエア、医療トレーサビリティソフトウエア、及び医療系SNSソフトウエア等の複数のソフトウエアがインストールされている場合には、複数のソフトウエアに対応するアイコンボタンのうちの一つ以上が選択されてタッチされると、選択されたソフトウエアに医療商品情報を受け渡すことができる。
また、対話エージェント端末100又は事業者端末400は、対話エージェントサーバ200を経由して、又は対話エージェントサーバ200を経由させずに、医療商品から取得した商品識別情報(GS1識別コード)を情報提供サーバ10に送信することで、医療商品の詳細情報、事業者の情報、または顧客の情報を取得することができる。
更に、情報提供サーバ10は、図示しない認証サーバと連携し、情報提供サーバ10にアクセスする対話エージェント端末100の顧客又は事業者端末400の事業者(アクセス者)に対して、医療商品の詳細情報、事業者の情報、又は顧客の情報に閲覧制限を設けることが可能である。例えば、顧客が医師又は薬剤師の場合は、GS1識別コードに関連付けて登録された医療商品の詳細情報の他に、事業者の情報、顧客(患者)の情報、病院情報又は薬局情報の閲覧を可能にし、顧客が患者の場合、医療商品の詳細情報及び処方年月日の閲覧を可能にし、個人情報の閲覧を制限(自分自身の情報は許可)することができる。尚、医師又は薬剤師の認証は、例えば、医療従事者に発行されているHPKI(Healthcare Public Key Infrastructure)等の医療IDカードを使用して行うことができ、これにより「なりすまし」を回避することができる。
[その他]
本実施形態では、情報提供サーバ10内にデータベース14が設けられているが、これに限らず、一つ以上の施設(薬局)20又は事業者端末400のPC(personal computer)の記憶部にデータベース(例えば、その施設により一包化された分包薬に関する医療商品情報を管理するデータベース、事業者が取り扱っている医療商品の情報、事業者の情報を管理するデータベース)を構築し、情報提供サーバ10が、一つ以上の施設又は事業者に分散したデータベースを一つのデータベースとして取り扱うことができる分散型データベースとしてもよい。
また、本実施形態において、例えば、情報提供サーバ10のCPU12、薬剤分包監査装置22のCPU22A、薬剤監査部22F、発番部22Gの各処理部のハードウエア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
一つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの一つで構成されていてもよいし、同種または異種の二つ以上のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、あるいはCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を一つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を一つのプロセッサで構成する例としては、第1に、一つ以上のCPUとソフトウエアの組合せで一つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を一つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウエア的な構造として、上記各種のプロセッサを一つ以上用いて構成される。更に、これらの各種のプロセッサのハードウエア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
また、本実施形態では、対話エージェント端末100としてスマートフォンを例に説明したが、これに限らず、例えば、タブレット端末、携帯情報端末等を使用することができる。
更に、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。