JP2020091191A - 熱式センサおよびその製造方法並びに半導体装置 - Google Patents

熱式センサおよびその製造方法並びに半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱式センサの性能向上を図る。【解決手段】熱式湿度センサでは、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間(スペース)に、引張応力を有し、かつ、膜厚方向の厚さがヒータ11の厚さよりも小さい絶縁膜30と、圧縮応力を有する絶縁膜6の一部とが埋め込まれている。【選択図】図9

Description

本発明は、熱式センサおよびその製造技術並びに半導体装置に関し、例えば、湿度を測定する湿度センサおよびその製造方法並びに湿度センサを含む半導体装置に適用して有効な技術に関する。
特開2010−133897号公報(特許文献1)には、微細加工された発熱抵抗体の下方に位置する絶縁膜を圧縮応力膜と引張応力膜との積層膜から形成することにより、ダイヤフラムの応力不均衡を抑制して、気体流量の測定精度を向上できる流量センサに関する技術が記載されている。
特開2014−16177号公報(特許文献2)には、加熱を必要とするセンサにおいて、熱応力によるクラックの発生を防止するために、絶縁膜よりも熱伝導率の高い熱応力緩和膜をヒータ部と接触させる技術が記載されている。
特開2010−133897号公報 特開2014−16177号公報
近年、自動車などの内燃機関において、燃費向上のために電子制御された燃料噴射装置が設けられている。そして、この燃料噴射装置には、吸入空気量や吸入空気の圧力や湿度を検出する各種熱式センサが組み込まれている。このような熱式センサとして、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)技術により製造されたMEMSセンサがある。このMEMSセンサは、応答性に優れ、かつ、低電力での駆動が可能であり、さらにコスト低減を図ることができるという利点を有している。
このようなMEMSセンサからなる熱式センサでは、熱を利用して物理量を計測する。特に、熱式センサでは、抵抗配線を利用して加熱源となるヒータを構成したり、抵抗配線の抵抗変化を利用して物理量を測定するために抵抗配線が使用される。
ここで、例えば、抵抗配線は、絶縁膜で覆われるが、本発明者の検討によると、抵抗配線を覆う絶縁膜に種類によっては、抵抗配線を覆う絶縁膜と抵抗配線との線膨張率の相違から、抵抗配線から発生する熱に起因して塑性変形が生じることを新規に見出した。
そして、抵抗配線を覆う絶縁膜に塑性変形が生じると、絶縁膜で覆われている抵抗配線にたわみが生じて、抵抗配線の抵抗が経時的に変化する。たわみに伴う抵抗配線の抵抗変化は、熱式センサにおける物理量の測定精度の低下を招くことに繋がる。したがって、抵抗配線の経時的な抵抗変化を抑制することが望まれている。特に、抵抗配線のたわみによって、抵抗配線の経時的な抵抗変化が引き起こされることを考慮すると、抵抗配線のたわみを引き起こす原因となる絶縁膜の塑性変形を低減する工夫が望まれている。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態における熱式センサは、第1方向に延在する第1部分とこの第1部分と並行する第2部分とを含む抵抗配線を有する。このとき、熱式センサは、第1部分と第2部分との間に形成され、かつ、引張応力を有し、かつ、膜厚方向の厚さが抵抗配線の厚さよりも小さい応力調整膜を有する。
一実施の形態によれば、熱式センサの性能向上を図ることができる。
実施の形態における熱式湿度センサが組み込まれたセンサモジュールを示す模式図であり、実施の形態におけるセンサモジュールの表面カバーを透過して内部を示す模式図である。 図1のA−A線で切断した断面図である。 熱式湿度センサを構成する半導体チップのレイアウト構成を示す図である。 図3のA−A線で切断した断面図である。 関連技術の熱式湿度センサにおいて、ダイヤフラム上に形成されている上層部の一部を拡大して示す断面図である。 上層部に撓みが発生する状態を模式的に示す図である。 対策案を具現化した構造を示す断面図である。 対策案の改良を示す断面図である。 実施の形態における熱式湿度センサの部分構成を示す断面図である。 実施の形態における熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 図10に続く熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 図11に続く熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 図12に続く熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 変形例1における熱式湿度センサの上層部を示す模式図である。 ヒータによる加熱の前後における表面段差変化量を示すグラフである。 熱式湿度センサ(半導体チップ)を500℃に加熱した状態で、ヒータに電流を流して、所定の時間毎にヒータの抵抗値を測定した結果を示すグラフである。 変形例1における熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 図17に続く熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 図18に続く熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 図19に続く熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 図20に続く熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 図21に続く熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 図22に続く熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 図23に続く熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 図24に続く熱式湿度センサの製造工程を示す断面図である。 変形例2における熱式湿度センサの構成を示す模式図である。 変形例3における熱式湿度センサの構成を示す模式図である。 変形例4における熱式湿度センサの構成を示す模式図である。
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
<センサモジュールの構成>
本実施の形態におけるセンサモジュール(半導体装置)は、熱式センサが組み込まれたセンサモジュールである。熱式センサの適用箇所に制限はないが、この熱式センサは、例えば、各種センサとともにセンサモジュールに組み込むことができる。
本実施の形態では、センサモジュールに組み込まれる熱式センサとして、湿度センサを例に挙げて説明する。図1および図2は、本実施の形態における熱式湿度センサが組み込まれたセンサモジュールを示す模式図である。特に、図1は、本実施の形態におけるセンサモジュールの表面カバーを透過して内部を示す模式図であり、図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。
図1において、本実施の形態におけるセンサモジュール100は、気体が流れる吸気管101に装着されており、支持基板102を有する。この支持基板102は、例えば、配線が印刷されたプリント基板から構成され、支持基板102上には、様々な種類の部品が搭載されている。具体的に、支持基板102上には、例えば、吸気管101を流れる気体の流量を測定する流量センサが形成された半導体チップ103と、気体の湿度を測定する熱式湿度センサが形成された半導体チップ104と、流量センサおよび熱式湿度センサを制御回路が形成された半導体チップ105とが搭載されている。このように構成されている支持基板102は、コネクタ106と接続されている。
センサモジュール100のボディ107は、表面カバーや内壁を有し、表面カバーや内壁によって、ボディの内部空間は、流量センサが形成された半導体チップ103と制御回路が形成された半導体チップ105とが配置された制御空間107Aと、熱式湿度センサが形成された半導体チップ104が配置された検出空間107Bとに区画されている。
また、センサモジュール100のボディ107には、副流路108が設けられており、流量センサが形成されている半導体チップ103の一部は、副流路108と接している。
さらに、センサモジュール100のボディ107によって区画された検出空間107Bは、気体入れ替え口109と連通している。この気体入れ替え口109は、気体の流れの影響を受けないように気体が流れる下流側に設けられている。そして、気体入れ替え口109の開口面積は、副流路108と比べて小さく、クランク形状から構成されている。特に、検出空間107Bの内部に配置されている熱式湿度センサ(半導体チップ104)に急激な流れの気体が接すると、熱式湿度センサの温度分布に悪影響を及ぼして、熱式湿度センサの検出精度が低下する。このことから、上述した気体入れ替え口109を介して、検出空間107Bを吸気管101の内部と連通させる構成が採用されている。
次に、図2に示すように、センサモジュール100のボディ107によって、制御回路が形成された半導体チップ105が配置されている制御空間107Aと、熱式湿度センサが形成された半導体チップ104が配置されている検出空間107Bとが分離されている。そして、検出空間107Bは、気体入れ替え口109と連通している。
図2において、例えば、熱式湿度センサが形成された半導体チップ104は、ワイヤ110Aを介して、支持基板102の表面に形成されている配線と電気的に接続されている。同様に、例えば、制御回路が形成された半導体チップ105は、ワイヤ110Bを介して、支持基板102の表面に形成されている配線と電気的に接続されている。このとき、ワイヤ110Aやワイヤ110Bは、腐食から保護するため、保護材111で覆われるように構成されていてもよい。図2では、一例として、ワイヤ110Aが保護材111で覆われている構成が図示されている。
以上のようにして、本実施の形態におけるセンサモジュール100が構成されている。なお、本実施の形態におけるセンサモジュール100は、上述した構成に限らず、例えば、圧力センサが配置された他の検出空間を備えるように構成することもできる。すなわち、本実施の形態におけるセンサモジュール100では、流量センサと熱式湿度センサとを組み合わせたセンサモジュールについて説明しているが、これに限らず、例えば、圧力センサや他のガスセンサと熱式湿度センサとを組み合わせたセンサモジュールや、熱式湿度センサ単体のセンサモジュールとすることもできる。
<センサモジュールの動作>
本実施の形態におけるセンサモジュール100は、上記のように構成されており、以下に、その動作について簡単に説明する。
まず、図1において、吸気管101の内部に取り込まれた気体(例えば、空気)は、副流路108を通る。このとき、副流路108と接するように設けられた流量センサ(半導体チップ103)により、気体の流量が測定され、気体の流量に対応づけられた電気信号が流量センサ(半導体チップ103)から出力される。また、気体は、気体入れ替え口109から検出空間107Bに流入する。この結果、検出空間107Bの内部に設けられている熱式湿度センサ(半導体チップ104)によって、気体の湿度が測定され、気体の湿度に対応づけられた電気信号が湿度センサ(半導体チップ104)から出力される。
流量センサ(半導体チップ105)から出力された電気信号と、熱式湿度センサ(半導体チップ104)から出力された電気信号は、制御回路が形成された半導体チップ105に入力される。そして、制御回路によって、気体の流量に対応づけられた電気信号に基づいて気体の流量が算出されて、気体の流量を示す流量データが、制御回路が形成された半導体チップ105からコネクタ106を介して、外部機器に出力される。同様に、制御回路によって、気体の湿度に対応づけられた電気信号に基づいて気体の湿度が算出されて、気体の湿度を示す湿度データが、制御回路が形成された半導体チップ105からコネクタ106を介して、外部機器に出力される。以上のようにして、本実施の形態におけるセンサモジュール100を動作させることができる。
例えば、このように構成されているセンサモジュール100を自動車などの内燃機関に組み込んで、吸入空気量、吸入空気の圧力や湿度を検出して、最適な量の燃料を内燃機関に噴霧することにより、内燃機関の燃費を向上することができる。
<熱式湿度センサの構成>
次に、センサモジュール100に組み込まれている熱式湿度センサについて説明する。
図3は、熱式湿度センサを構成する半導体チップ104のレイアウト構成を示す模式図である。図3において、半導体チップ104の平面形状は、矩形形状をしている。この半導体チップ104の裏面には、例えば、四角形状からなるダイヤフラム10が形成されている。図3では、破線によってダイヤフラム10が図示されている。
具体的に、このダイヤフラム10の平面形状は、例えば、一辺が600μmの四角形形状から構成されている。ダイヤフラム10は、その他の半導体チップの部分よりも厚さの薄い薄肉部として定義される。
続いて、図3に示すように、半導体チップ104の表面には、平面視において、ダイヤフラム10に内包されるように、ヒータ形成領域が設けられており、このヒータ形成領域にヒータ11が形成されている。例えば、ヒータ形成領域は、90μm角の四角形状をしている。このようなヒータ形成領域に形成されているヒータ11は、例えば、折り返し形状を有する抵抗配線から構成されている。具体的に、ヒータ11は、y方向に延在する第1部分11aと、第1部分11aと並行してy方向に延在する第2部分11bと、第1部分11aと第2部分11bとを接続する接続部分11cとを有する。
そして、ヒータ11の一端は、引き出し配線であるリード配線12aと接続されている一方、ヒータ11の他端は、引き出し配線であるリード配線12bと接続されている。そして、リード配線12aは、プラグ14aを介して、外部接続端子として機能する電極13aと電気的に接続されている。同様に、リード配線12bは、プラグ14bを介して、外部接続端子として機能する電極13bと電気的に接続されている。
このように構成されている半導体チップ104では、電極13aと電極13bとの間に電流を流すことにより、電極13aと電極13bとを接続するヒータ11に電流を流すことができる。この結果、ヒータ11を構成する抵抗配線からジュール熱を発生させることができる。このとき、図3に示すように、平面視において、ヒータ11は、厚さの薄い薄肉部であるダイヤフラム10に内包されるように設けられているため、ヒータ11の加熱特性を向上することができる。すなわち、ダイヤフラム10は、ヒータ11の加熱特性を向上するために形成されているということができる。
次に、図4は、図3のA−A線で切断した断面図である。
図4において、熱式湿度センサを構成する半導体チップ104は、大まかにいうと、下層部20aと上層部20bの2つの部位を有する。
図4に示すように、下層部20aは、開口部1aが形成された支持体である半導体基板1と、半導体基板1に開口部1aを形成する際にマスクとして使用された絶縁膜2から構成されている。半導体基板1は、例えば、単結晶シリコンから構成されており、半導体基板1の裏面に形成されている絶縁膜2は、例えば、酸化シリコン膜から形成されている。
続いて、図4に示すように、下層部20a上には、上層部20bが設けられており、この上層部20bは、複数の膜(積層膜)から構成されている。
具体的に、まず、上層部20bは、開口部1aが形成された半導体基板1上に形成された絶縁膜3を有する。この絶縁膜3は、酸化シリコン膜から形成されている。そして、上層部20bは、絶縁膜3上に形成された絶縁膜4と、絶縁膜4上に形成された絶縁膜5とを有する。このとき、絶縁膜4は、窒化シリコン膜から形成されている一方、絶縁膜5は、酸化シリコン膜から形成されている。
次に、図4に示すように、上層部20bは、絶縁膜5上に形成された抵抗配線(ヒータ用配線)からなるヒータ11を有する。このヒータ11は、湿度センサの発熱抵抗体として機能する。ヒータ11は、電流を流すことができるように導電性材料から構成されている。特に、ヒータ11は、電流が流れることにより発生するジュール熱が大きい導電性材料を使用することが望ましく、さらに、耐熱性も考慮して、例えば、高融点金属材料から構成することが望ましい。高融点金属材料としては、例えば、モリブデン(Mo)やタングステン(W)を挙げることができる。
続いて、上層部20bは、ヒータ11を覆うように絶縁膜5上に形成された絶縁膜6と、絶縁膜6上に形成された絶縁膜7と、絶縁膜7上に形成された絶縁膜8とを有する。このとき、絶縁膜6は、酸化シリコン膜から形成されている一方、絶縁膜7は、窒化シリコン膜から形成されている。また、絶縁膜8は、酸化シリコン膜から形成されている。
ここで、図4に示すように、半導体基板1に形成された開口部1a上には、上層部20bを構成する積層膜(絶縁膜3〜8およびヒータ11)だけが形成されている。このことから、半導体基板1に形成された開口部1a上の厚さ(上層部20bだけの厚さ)は、開口部1a以外の部位の厚さ(下層部20a+上層部20bの厚さ)よりも薄くなる。この結果、半導体チップ104には、半導体基板1に開口部1aを形成することによって、薄肉部となるダイヤフラム10が形成されることになる。
<熱式湿度センサの動作>
以上のようにして、熱式湿度センサを構成する半導体チップ104が構成されており、以下では、熱式湿度センサの動作について、図面を参照しながら説明することにする。
まず、制御回路が形成された図1に示す半導体チップ105は、熱式湿度センサが形成された半導体チップ104と電気的に接続されている。そして、半導体チップ105に形成されている制御回路は、CPU(中央演算処理部)とメモリとを有しており、CPUの制御によって、図3に示す半導体チップ104(熱式湿度センサ)に形成されている電極13aと電極13bとの間に電圧(電位差)が印加される。例えば、電極13aに接地電位(0V)が印加される一方、電極13bに電源電位(例えば、5V)が印加される。この結果、電極13aと電極13bとに接続されている抵抗配線からなるヒータ11に電流が流れる。これにより、ヒータ11では、ジュール熱が発生して、ヒータ11は、発熱することになる。このとき、例えば、ヒータ11に流れる電流が一定となるように、CPUは、定電流制御を行なうことによって、例えば、ヒータ11が形成されているヒータ形成領域の温度を500℃程度に維持する。
ここで、図4に示すように、ヒータ11が発熱すると、ヒータ11の上方および下方に存在する気体が加熱されて、気体に含まれる水分が蒸発(気化)する。このとき、ヒータ11から発生した熱の一部が、気体に含まれる水分の蒸発に必要とされる気化熱に消費される。すなわち、ヒータ11に供給された電力の一部が、気化熱に消費されるが、この気化熱のために消費される電力は、気体に含まれる水分量によって変化する。例えば、気体に含まれる水分が多くなると、水分の蒸発に必要とされる電力は大きくなる。一方、気体に含まれる水分が少なくなると、水分の蒸発に必要とされる電力は小さくなる。このことは、気体の湿度に応じて、水分の蒸発に必要とされる電力が変化することを意味する。そして、ここでは、CPUによって、ヒータ11を流れる電流を一定にする定電流制御が行なわれていることから、水分の蒸発に消費される電力の変化は、電極13aと電極13bとの間の電位差の変化として現れる。したがって、電極13aと電極13bとの間の電位差の変化を検出することによって、気体の湿度を測定することができる。
具体的に、半導体チップ104における電極13aと電極13bとの間の電位差の変化は、半導体チップ105に含まれるCPUによって監視されている。そして、CPUは、電極13aと電極13bとの間の電位差に対応した電気信号を熱式湿度センサから入力すると、例えば、予め電気信号の電圧値と気体の湿度(湿度データ)とを対応付けたテーブルを記憶しているメモリにアクセスして、熱式湿度センサから入力した電気信号の電圧値に対応した気体の湿度(湿度データ)を取得する。その後、CPUは、取得した気体の湿度(湿度データ)を外部に出力する。このようにして、気体の湿度を測定できる。
このようにヒータ11を使用して絶対湿度を測定する熱式湿度センサは、例えば、感湿膜を使用して、感湿膜の抵抗値や容量値の変化から相対湿度を測定する湿度センサに比べて、湿度の検出感度が高いという利点を有している。なぜなら、例えば、感湿膜は、水分を吸着することにより抵抗値や容量値が変化するが、水分を吸着する量に限界があり、湿度が高い環境においては、感湿膜に吸着する水分の量が飽和して、湿度に対応した抵抗値や容量値の変化が起こらなくなってしまうからである。これに対し、熱式湿度センサでは、水分の蒸発に必要な熱量の大小によってヒータ11の両端の電位差が変化すること利用して気体の湿度を測定しているため、たとえ、湿度が高い状態でも検出精度を確保することができる。つまり、熱式湿度センサは、感湿膜による水分の吸着を利用する湿度センサではないため、感湿膜による水分吸着の飽和に起因する湿度の検出感度の低下を招くことがない。このことから、熱式湿度センサは、感湿膜を使用する湿度センサに比べて、気体の湿度の検出精度が高いという利点を有しているのである。したがって、特に、熱式湿度センサは、高温高湿環境の湿度検出に優れているということができる。
例えば、熱式湿度センサでは、ヒータ11の温度を500℃以上にすると、湿度の検出感度が良好であり、空気だけでなく、一酸化炭素(CO)や他のガスにおいて適切な検出感度を得ることができる。さらには、熱式湿度センサでは、600℃以上でも精度良く、かつ、多様なガスに対応する湿度センサを実現することができる。
ところが、本発明者が検討したところ、熱式湿度センサには、熱を利用することに起因して、改善の余地が存在することが明らかになった。そこで、以下では、熱式湿度センサに存在する改善の余地について、関連技術を使用しながら説明する。
<改善の検討>
本明細書でいう「関連技術」は、新規に発明者が見出した課題を有する技術であって、公知である従来技術ではないが、新規な技術的思想の前提技術(未公知技術)を意図して記載された技術である。
図5は、関連技術の熱式湿度センサにおいて、ダイヤフラム(図5では図示されず)上に形成されている上層部20bの一部を拡大して示す断面図である。
図5に示すように、関連技術における湿度センサは、絶縁膜3と、絶縁膜3上に形成された絶縁膜4と、絶縁膜4上に形成された絶縁膜5とを有する。そして、関連技術における湿度センサは、絶縁膜5上に、ヒータ11を有する。このヒータ11は、少なくとも、互いに隣接する第1部分11aと第2部分11bとを含んでいる。そして、関連技術における熱式湿度センサは、さらに、ヒータ11を覆うように形成された絶縁膜6と、絶縁膜6上に形成された絶縁膜7と、絶縁膜7上に形成された絶縁膜8とを有する。
このとき、図5に示すように、関連技術における熱式湿度センサでは、例えば、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間に絶縁膜6が埋め込まれている。ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間に埋め込まれている絶縁膜6は、例えば、酸化シリコン膜から構成される。
ここで、関連技術における熱式湿度センサを動作させると、ヒータ11に電流が流れる。この結果、ヒータ11においてジュール熱が発生して、ヒータ11の温度は高くなる。このとき、熱式湿度センサでは、ヒータ11の設定温度を高くするほど、湿度センサによる湿度の検出感度が高くなる。なぜなら、ヒータ11の温度を高くするということは、ヒータ11の両端に印加する電位差が大きくなることを意味し、気体に含まれる水分の蒸発(気化)に消費される熱量に対応する電圧変化(ΔV)が大きくなるからである。例えば、ヒータ11の両端に印加する電位差が「2V」である場合に、気体に含まれる水分の蒸発に消費される熱量に対応する電圧変化(ΔV)が0.2Vであるとすると、ヒータ11の両端に印加する電位差が「3V」である場合には、気体に含まれる水分の蒸発に消費される熱量に対応する電圧変化(ΔV)が0.3Vとなる(0.2V/2V=0.3V/3V)。つまり、ヒータ11の両端に印加する電位差が「2V」の場合、検出すべき電圧信号の絶対値は、0.2Vとなる一方、ヒータ11の両端に印加する電位差が「3V」の場合、検出すべき電圧信号の絶対値は、0.3Vとなる。そして、例えば、検出系の背景ノイズが「0.01V」であるとすると、ヒータ11の両端に印加する電位差が「2V」の場合のS/N比(シグナル/ノイズ比)は、「0.2V/0.01V=20」となる。これに対し、ヒータ11の両端に印加する電位差が「3V」の場合のS/N比(シグナル/ノイズ比)は、「0.3V/0.01V=30」となる。したがって、ヒータ11の両端に印加する電位差が大きくなると、S/N比が大きくなることになり、このことは、ヒータ11の両端に印加する電位差が大きくなると検出感度が向上することを意味する。以上のことから、熱式湿度センサでは、ヒータ11の設定温度を高くするほど、湿度センサによる湿度の検出感度が高くなるのである。
したがって、例えば、関連技術における熱式湿度センサにおいては、その他の流量センサに代表される熱式センサに比べて、ヒータ11の設定温度が高めとなっている。具体的に、熱式湿度センサにおいて、ヒータ11の温度は、300℃〜600℃程度に設定されている。この場合、関連技術における熱式湿度センサでは、改善の余地が顕在化する。
具体的に、図5に示すように、関連技術における熱式湿度センサでは、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間に酸化シリコン膜からなる絶縁膜6が埋め込まれている。このとき、ヒータ11は、例えば、モリブデン(Mo)やタングステン(W)に代表される高融点金属材料から構成されており、例えば、モリブデン(Mo)の線膨張係数は、約5.1×10−6/Kである。一方、絶縁膜6を構成する酸化シリコンの線膨張係数は、約0.7×10−6/Kである。したがって、ヒータ11を構成する第1部分11aや第2部分11bの線膨張率と、第1部分11aと第2部分11bとの間に埋め込まれた絶縁膜6との線膨張率は、相違することになる。そして、ヒータ11を構成するモリブデン(Mo)の線膨張係数が約5.1×10−6/Kである一方、絶縁膜6を構成する酸化シリコンの線膨張係数が約0.7×10−6/Kであることを考慮すると、ヒータ11を加熱した場合、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bには、引張応力となる熱応力が加わる。一方、第1部分11aと第2部分11bに埋め込まれた絶縁膜6(酸化シリコン膜)には、圧縮応力となる熱応力が加わる。
ここで、関連技術における熱式湿度センサでは、ヒータ11の温度が300℃〜600℃程度の高温となることから、ヒータ11を覆う絶縁膜6(特に、第1部分11aと第2部分11bに埋め込まれた絶縁膜6)も高温となる。そして、絶縁膜6は、酸化シリコン膜から構成されており、この酸化シリコン膜は、300℃〜600℃程度の高温が加わると軟化する性質を有している(ガラス転移)。したがって、ヒータ11を加熱すると、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間に埋め込まれた絶縁膜6には、圧縮応力となる熱応力が加わるとともに軟化する。この結果、例えば、図6に示すように、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間に埋め込まれた絶縁膜6は、塑性変形することになる。特に、第1部分11aと第2部分11bとの間に埋め込まれた絶縁膜6の塑性変形は、経時的に進む。これにより、図6に示すように、絶縁膜3〜8の積層膜から構成される上層部20bに撓みが発生する。このことは、上層部20bに埋め込まれているヒータ11にも撓みが生じることを意味する。そして、ヒータ11に撓みが発生するということは、ヒータ11の抵抗値が変化することを意味する。特に、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間に埋め込まれた絶縁膜6に経時的な塑性変形が生じることは、ヒータ11に生じる撓みも経時変化することを意味し、これによって、ヒータ11の抵抗値は経時変化することになる。
このとき、関連技術における熱式湿度センサでは、ヒータ11に流れる電流を一定にする定電流制御が行なわれており、気体の湿度によってヒータ11の両端の間の電位差が変動することを利用して、気体の湿度を測定している。ところが、定電流制御において、ヒータ11の抵抗値が経時的に変化するということは、たとえ、気体の湿度が同じであっても、ヒータ11の両端間の電位差が変動することを意味する。このことは、関連技術における熱式湿度センサでは、気体の湿度を検出する精度が低下することを意味する。つまり、ヒータ11の抵抗値が経時的に変化するということは、長期間にわたる気体の湿度の検出精度を維持することが困難となることを意味する。言い換えれば、ヒータ11の抵抗値が経時的に変化するということは、関連技術における熱式湿度センサの長期信頼性を確保できなくなることを意味するのである。このように、ヒータ11の温度が高温となる関連技術における熱式湿度センサでは、ヒータ11の第1部分11aと第2部分11bとの間に挟まれた絶縁膜6に塑性変形が生じることに起因して、ヒータ11の抵抗値が経時変化する。この結果、関連技術における熱式湿度センサでは、長期間にわたる気体の湿度の検出精度を確保することが困難となるという改善の余地が顕在化するのである。
<対策案>
上述したメカニズムによると、熱式湿度センサにおいて長期間にわたる気体の湿度の検出精度を確保するためには、ヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制することが重要であることがわかる。そして、ヒータ11の抵抗値の経時変化を引き起こす原因は、ヒータ11の第1部分11aと第2部分11bとの間に挟まれた絶縁膜6に塑性変形が生じることにある。この塑性変形は、ヒータの温度が高温になると軟化する性質と、ヒータ11を構成する高融点金属材料との線膨張率の相違から圧縮応力となる熱応力が加わる性質とによって引き起こされる。したがって、熱式湿度センサにおいて長期間にわたる気体の湿度の検出精度を確保するためには、ヒータ11の第1部分11aと第2部分11bとの間に埋め込まれる絶縁膜6として、ヒータ11の温度が300℃〜600℃程度の高温となる場合でも塑性変形を生じにくい絶縁膜を使用すればよいと考えられる。すなわち、対策案としては、ヒータ11の第1部分11aと第2部分11bとの間に埋め込まれる絶縁膜6として、ヒータの温度が高温になっても軟化しにくい性質と、圧縮応力ではなく、ヒータ11を構成する高融点金属材料との線膨張率の相違から引張応力となる熱応力が加わる性質とを有する絶縁膜を使用することが考えられる。
図7は、上述した対策案を具現化した構造を示す断面図である。図7において、対策案では、ヒータ11を覆うように絶縁膜30が形成されている。これにより、例えば、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間には、絶縁膜6ではなくて、絶縁膜30が埋め込まれることになる。ここで、絶縁膜6は、酸化シリコン膜であり、ヒータ11の温度が300℃〜600℃程度の高温となると、軟化する性質と圧縮応力となる熱応力が加わる膜である。したがって、図5に示す関連技術のように、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間に酸化シリコン膜からなる絶縁膜6が埋め込まれる場合、ヒータ11の温度が300℃〜600℃程度の高温となると塑性変形が生じる(図6参照)。これに対し、図7に示す対策案において、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間に埋め込まれている絶縁膜30は、例えば、窒化シリコン膜から構成されている。この窒化シリコン膜は、ヒータ11の温度が300℃〜600℃程度の高温となっても軟化しにくく、かつ、ヒータ11を構成する高融点金属材料との線膨張率の相違から引張応力となる熱応力が加わる膜である。このため、図7に示す対策案では、たとえ、ヒータ11の温度が300℃〜600℃程度の高温となる場合であっても、第1部分11aと第2部分11bとの間に埋め込まれた絶縁膜30に塑性変形が生じない。この結果、対策案では、塑性変形に起因するヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制することができると考えることができる。
ところが、上述した対策案では、絶縁膜30の塑性変形を抑制することはできても、別の要因によって、ヒータ11の抵抗値の経時変化が大きくなる。すなわち、図7に示すように、対策案では、ヒータ11の全体を覆うように一体的な絶縁膜30が形成されている。言い換えれば、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間を埋め込むように絶縁膜30が形成されているだけでなく、第1部分11aや第2部分11bの上部も覆うように絶縁膜30が形成されている。この場合、ヒータ11の温度が高温となると、図7に示すように、一体的な絶縁膜30には、大きな引張応力が加わることになる。そして、この絶縁膜30に加わる大きな引張応力によって、ヒータ11が形成されているヒータ形成領域全体にわたって反りが発生し、これによって、ヒータ11に歪みが発生する。この結果、歪みの影響によって、ヒータ11の抵抗値が変動することになる。このため、対策案では、ヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制する観点から不充分である。
この点に関し、対策案の改良として、例えば、図8に示すように、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間にだけ絶縁膜30を形成することが考えられる。すなわち、図7に示すように、ヒータ11全体を覆うように一体的な絶縁膜30を形成するのではなく、図8に示すように、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間にだけ絶縁膜30を形成する。これにより、ヒータ11の隙間に埋め込まれた絶縁膜30が分断されるため、絶縁膜30による引張応力の大きさを小さくすることができる。これにより、図8に示す対策案の改良では、ヒータ11が形成されているヒータ形成領域全体にわたる反りの発生を抑制することができる。ただし、図8に示す対策案の改良においても、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間全体に絶縁膜30が埋め込まれているため、絶縁膜30に起因する引張応力によって、ヒータ11を構成する第1部分11aや第2部分11bに歪みが発生する。ヒータ11を構成する第1部分11aや第2部分11bに歪みが発生するということは、歪みの影響によって、ヒータ11の抵抗値が変動することを意味する。したがって、図8に示す対策案の改良においても、ヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制する観点から不充分であることがわかる。このように、絶縁膜30として、ヒータの温度が高温になっても軟化しにくい性質と、圧縮応力ではなく、ヒータ11を構成する高融点金属材料との線膨張率の相違から引張応力となる熱応力が加わる性質とを有する絶縁膜を使用する対策案は、ヒータ11の抵抗値の変動を抑制して、長期間にわたる気体の湿度の検出精度を確保する観点から不充分な対策であるということができる。
そこで、本実施の形態では、ヒータ11の抵抗値の変動を抑制して、長期間にわたる気体の湿度の検出精度を確保する熱式湿度センサを提供するための工夫を施している。以下では、この工夫を施した本実施の形態における技術的思想について説明する。
<実施の形態における熱式湿度センサの構成>
図9は、本実施の形態における熱式湿度センサの部分構成を示す断面図である。
図9では、本実施の形態の熱式湿度センサにおいて、図4に示すダイヤフラム10上の上層部20bに対応する構成が図示されている。図9に示すように、本実施の形態における熱式湿度センサは、ダイヤフラム(図9では図示されず)上に形成された絶縁膜3と、絶縁膜3上に形成された絶縁膜4と、絶縁膜4上に形成された絶縁膜5とを有する。そして、本実施の形態における熱式湿度センサは、絶縁膜5上に形成されたヒータ11を有する。このヒータ11は、折り返された抵抗配線から構成されており(図3参照)、少なくとも、互いに離間して並んで配置された第1部分11aと第2部分11bとを有する。この第1部分11aと第2部分11bとの間には、隙間(スペース)が設けられており、この隙間には、絶縁膜30(半絶縁性膜およびワイドギャップ半導体膜も含む概念で使用される)と絶縁膜6とが埋め込まれている。この絶縁膜6は、ヒータ11を覆うように、ヒータ11の上方にも形成されている。なお、絶縁膜30は、ヒータ11に撓みを発生させる要因となる応力を緩和する応力緩和膜である。
さらに、本実施の形態における熱式湿度センサは、絶縁膜6上に形成された絶縁膜7と、絶縁膜7上に形成された絶縁膜8とを有する。ここで、絶縁膜3は、酸化シリコン膜から構成されており、絶縁膜4は、窒化シリコン膜から形成されている。また、絶縁膜5は、酸化シリコン膜から形成されている。さらに、絶縁膜6も酸化シリコン膜から構成されている一方、絶縁膜7は、窒化シリコン膜から構成されている。また、絶縁膜8は、酸化シリコン膜から構成されている。一方、絶縁膜30は、窒化アルミニウム膜や窒化シリコン膜から構成されている。
ここで、酸化シリコン膜は、圧縮応力を有する膜であり、窒化シリコン膜よりも軟らかい膜である。一方、窒化アルミニウム膜は、引張応力を有する膜であり、酸化シリコン膜よりも硬い膜である。ここでいう「圧縮応力」および「引張応力」は、シリコンと接する場合を基準として規定されている。すなわち、酸化シリコン膜をシリコン(基板)と接触させた場合、酸化シリコン膜の線膨張率とシリコンの線膨張率の相違から酸化シリコン膜には、圧縮応力が加わる。一方、窒化アルミニウム膜をシリコン(基板)と接触させた場合、窒化アルミニウム膜の線膨張率とシリコンの線膨張率の相違から窒化アルミニウム膜には、引張応力が加わる。同様に、窒化シリコン膜をシリコン(基板)と接触させた場合、窒化シリコン膜の線膨張率とシリコンの線膨張率の相違から窒化シリコン膜には、引張応力が加わる。さらに言えば、酸化シリコン膜と窒化アルミニウム膜とを接触させた場合、酸化シリコン膜には、圧縮応力が加わる一方、窒化アルミニウム膜には、引張応力が加わる。同様に、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜とを接触させた場合、酸化シリコン膜には、圧縮応力が加わる一方、窒化シリコン膜には、引張応力が加わる。
図9において、図9では図示しないダイヤフラム上に絶縁膜3と絶縁膜4と絶縁膜5とからなる積層膜を形成しているが、これは以下の理由による。すなわち、ダイヤフラム上に、例えば、酸化シリコン膜だけを形成する場合、酸化シリコン膜は、圧縮応力膜として機能することから、酸化シリコン膜の下方に形成されるダイヤフラムに大きな熱応力が加わることになり、これによって、ダイヤフラムは破損するおそれがある。そこで、図9に示すように、ダイヤフラム上に酸化シリコン膜(絶縁膜3)と窒化シリコン膜(絶縁膜4)と酸化シリコン膜(絶縁膜5)からなる積層膜を形成している。この場合、酸化シリコン膜は、圧縮応力膜として機能する一方、窒化シリコン膜は、引張応力膜として機能する。このことから、積層膜全体としての熱応力は、圧縮応力と引張応力との打ち消し合いによって小さくなる。このことは、ダイヤフラムに加わる熱応力が小さくなることを意味する。この結果、ダイヤフラムの破損を抑制することができる。つまり、ダイヤフラム上に絶縁膜3と絶縁膜4と絶縁膜5からなる積層膜を形成する技術的意義は、熱応力に起因するダイヤフラムの破損を抑制することにある。これにより、熱式湿度センサの信頼性向上を図ることができる。
次に、図9において、ヒータ11上に絶縁膜6と絶縁膜7と絶縁膜8からなる積層膜を形成している理由について説明する。例えば、絶縁膜6は、酸化シリコン膜から形成され、かつ、絶縁膜7は、窒化シリコン膜から形成され、かつ、絶縁膜7は、酸化シリコン膜から形成されている。ここで、酸化シリコン膜は、窒化シリコン膜よりも軟らかい性質を有し、かつ、クラックが入りにくい性質を有している。一方、窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜よりも硬い性質を有するが、硬いがゆえにクラックが入りやすいという性質を有している。したがって、ヒータ11を覆う絶縁膜として酸化シリコン膜単体を使用する場合には、クラック耐性には優れているが、軟らかいため、強度が弱くなる。一方、ヒータ11を覆う絶縁膜として窒化シリコン膜単体を使用する場合、硬いため、強度を確保できるが、クラック耐性が劣化することになる。そこで、ヒータ11を覆う絶縁膜として、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜を使用することにより、クラック耐性に優れているという酸化シリコン膜の利点と、外部衝撃からの強度を確保できるという窒化シリコン膜の利点とを得ることができる。つまり、ヒータ11を覆う絶縁膜として、絶縁膜6と絶縁膜7と絶縁膜8からなる積層膜を使用する技術的意義は、クラック耐性の向上と強度の確保とを両立させることにある。これにより、熱式湿度センサの信頼性を向上できる。
さらに言えば、窒化シリコン膜は、緻密な膜であり、水分の浸入を防止するバリア膜として機能する。このことから、図9に示すように、ヒータ11を挟むように、上下に窒化シリコン膜(絶縁膜4と絶縁膜7)を設けることにより、ヒータ11に達する水分の浸入を抑制することができ、これによって、金属材料から構成されるヒータ11の水分による腐食の発生を抑制することができる。この観点からも、熱式湿度センサの信頼性を向上することができる。
続いて、図9に示すように、本実施の形態における熱式湿度センサでは、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間(スペース)に、引張応力を有し、かつ、膜厚方向の厚さがヒータ11の厚さよりも小さな絶縁膜30が形成されている。言い換えれば、本実施の形態における熱式湿度センサでは、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間(スペース)に、線膨張係数が1.0×10−6/K以上9.0×10−6/K以下であり、かつ、膜厚方向の厚さがヒータ11の厚さよりも小さな絶縁膜30が形成されているということもできる。そして、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間(スペース)には、上述した絶縁膜30の他に、圧縮応力を有する絶縁膜6も埋め込まれている。
このとき、絶縁膜30は、絶縁膜5上に形成されており、絶縁膜30は、絶縁膜5と接している。そして、例えば、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間(スペース)に形成されている絶縁膜30の占有体積は、この隙間(スペース)の体積の1/3以上である。また、例えば、図9に示すように、ヒータ11を構成する第1部分11aの幅(x方向)Lは、第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間(スペース)の幅(x方向)Sよりも大きくなっている。
次に、例えば、図3に示すように、熱式湿度センサ(半導体チップ104)は、平面視において、ヒータ11が形成されているヒータ形成領域と、ヒータ形成領域の外側の外側領域とを有している。このとき、図9に示すように、絶縁膜30は、ヒータ形成領域内に形成されている。
以上のようにして、本実施の形態における熱式湿度センサが構成されている。
<実施の形態における特徴>
続いて、本実施の形態における熱式湿度センサの特徴点について説明する。
本実施の形態における第1特徴点は、例えば、図9に示すように、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間(スペース)に、引張応力を有し、かつ、膜厚方向の厚さがヒータ11の厚さよりも小さい絶縁膜30と、圧縮応力を有する絶縁膜6の一部とが埋め込まれている点にある。これにより、本実施の形態における熱式湿度センサによれば、ヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制することができ、これによって、熱式湿度センサの長期間にわたる気体湿度の検出精度を確保することができる。
以下に、この理由について説明する。
例えば、上述した関連技術のように、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間に、圧縮応力を有する絶縁膜6である酸化シリコン膜だけを埋め込む場合、熱式湿度センサを動作させるために、ヒータ11の温度を300℃〜600℃程度の高温にすると、第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間に埋め込まれた酸化シリコン膜も高温となる。そして、この酸化シリコン膜は、300℃〜600℃程度の高温が加わると軟化する性質を有している。したがって、ヒータ11を加熱すると、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間に埋め込まれた酸化シリコン膜には、圧縮応力となる熱応力が加わるとともに軟化する。この結果、例えば、図6に示すように、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間に埋め込まれた酸化シリコン膜は、塑性変形することになる。これにより、図6に示すように、ヒータ11に撓みが生じる。そして、ヒータ11に撓みが発生するということは、ヒータ11の抵抗値が変化することを意味する。したがって、例えば、関連技術のように、第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間に、圧縮応力を有する酸化シリコン膜だけを埋め込む構成では、酸化シリコン膜に塑性変形が生じる結果、ヒータ11の抵抗値が経時変化してしまう。
そこで、例えば、図7や図8に示す対策案(改良も含む)のように、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間に、引張応力を有する窒化シリコン膜だけを埋め込む構成を採用すると、塑性変形に起因するヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制できる一方、強すぎる引張応力によって、ヒータ11を構成する第1部分11aおよび第2部分11bに歪みが発生する。この結果、ヒータ11の抵抗値が経時変化する。したがって、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間に、酸化シリコン膜単体を埋め込む構成(関連技術)と、窒化シリコン膜単体を埋め込む構成(対策案)のいずれの構成であっても、ヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制することは困難となる。
この点に関し、本実施の形態における第1特徴点によれば、例えば、図9に示すように、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間(スペース)に、引張応力を有し、かつ、膜厚方向の厚さがヒータ11の厚さよりも小さい絶縁膜30と、圧縮応力を有する絶縁膜6の一部とが埋め込まれている。この構成では、ヒータ11の温度を300℃〜600℃程度の高温にすると、隙間に埋め込まれている酸化シリコン膜(絶縁膜6)が軟化して塑性変形しようとするが、この隙間には、軟化しない絶縁膜30も埋め込まれている。このことから、この絶縁膜30によって、隙間のサイズ(間隔)が固定されるため、たとえ、隙間の一部に埋め込まれている酸化シリコン膜(絶縁膜6)が軟化しても、塑性変形することが阻害される。つまり、本実施の形態における第1特徴点を採用すると、隙間に埋め込まれている絶縁膜30が存在することによって、絶縁膜30とともに隙間に埋め込まれている酸化シリコン膜の塑性変形が抑制される。これにより、本実施の形態における第1特徴点によれば、酸化シリコン膜の塑性変形に起因するヒータ11の抵抗値の変動を抑制することができる。
さらに、本実施の形態における第1特徴点によれば、隙間に埋め込まれている絶縁膜30は、引張応力を有する一方、隙間に埋め込まれている酸化シリコン膜(絶縁膜6)は、圧縮応力を有する。したがって、隙間に埋め込まれている絶縁膜3と酸化シリコン膜(絶縁膜6)に加わる熱応力が逆特性であることから、隙間に埋め込まれている絶縁膜30と酸化シリコン膜(絶縁膜6)の組み合わせた積層膜に働く応力の絶対値は小さくなる。この結果、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bのそれぞれに生じる歪みは、例えば、図7および図8に示す対応案のように、隙間に引張応力を有する絶縁膜30単体を埋め込む構成に比べて、第1部分11aおよび第2部分11bに生じる歪みを低減することができる。このことは、本実施の形態における第1特徴点によれば、ヒータ11を構成する第1部分11aおよび第2部分11bに生じる歪みに起因するヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制できることを意味する。
以上のことから、本実施の形態における第1特徴点を有する熱式湿度センサは、ヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制する観点から、関連技術における熱式湿度センサや対策案における熱式湿度センサに比べて、優位性を有していることがわかる。つまり、本実施の形態1における第1特徴点を採用することにより、今までの技術では実現困難であった熱式湿度センサにおけるヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制することができる。この結果、本実施の形態における熱式湿度センサによれば、長期間にわたる気体湿度の検出精度を確保することができる。言い換えれば、本実施の形態によれば、熱式湿度センサの性能向上を図ることができる。
ここで、隙間に埋め込まれている絶縁膜30の占有体積は、隙間の体積(容積)の1/3以上であることが望ましい。なぜなら、隙間に埋め込まれている絶縁膜30の占有体積が隙間の体積の1/3を下回ると、絶縁膜30が隙間のサイズ(間隔)を固定するという機能を充分に発揮することが困難となるからである。すなわち、隙間に埋め込まれている絶縁膜30の占有体積が隙間の体積の1/3を下回ると、圧縮応力を有する酸化シリコン膜の軟化によって塑性変形が生じることを抑制できにくくなるからである。
なお、隙間に埋め込まれている絶縁膜30の占有体積は、隙間に埋め込まれている酸化シリコン膜(絶縁膜6)との関係で決定することが望ましい。具体的には、隙間に埋め込まれている酸化シリコン膜(絶縁膜6)は圧縮応力を有する一方、隙間に埋め込まれている絶縁膜30は、引張応力を有する。このとき、酸化シリコン膜に加わる圧縮応力と絶縁膜30に加わる引張応力とが互いに相殺すると、隙間に埋め込まれた酸化シリコン膜(絶縁膜6)と絶縁膜30との合わせたトータルの熱応力が非常に小さくなる。この場合、ヒータ11を構成する第1部分11aおよび第2部分11bに歪みが発生しにくくなり、これによって、ヒータ11の抵抗値の経時変化を効果的に抑制することができるからである。したがって、隙間に埋め込まれている絶縁膜30の占有体積は、隙間の体積(容積)の1/3以上であることを前提として、隙間に埋め込まれている酸化シリコン膜(絶縁膜6)に加わる圧縮応力を打ち消す大きさの引張応力を有するように決定することが望ましい。さらに言えば、ヒータ11を構成する第1部分11aおよび第2部分11bに歪みを与えない観点から、絶縁膜30の線膨張率は、ヒータ11を構成する金属材料の線膨張係数に近いことが望ましい。
絶縁膜30は、例えば、窒化アルミニウム膜や窒化シリコン膜から構成することができる。ここで、例えば、絶縁膜30を窒化アルミニウム膜から構成する場合、窒化アルミニウム膜は熱伝導率が高い性質を有することから、ヒータ11が形成されているヒータ形成領域内の温度分布のばらつきを抑制することができる。例えば、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間に温度差が生じている場合であっても、第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間に埋め込まれた熱伝導率の高い窒化アルミニウム膜(絶縁膜30)によって、第1部分11aと第2部分11bとの間の温度差が緩和される。これにより、ヒータ11が形成されているヒータ形成領域内の温度分布を均一に近づけることができる。このことは、気体の水分蒸発による電圧ばらつきが小さくなることを意味し、これによって、本実施の形態における熱式湿度センサによれば、湿度の測定精度を向上することができる。一方、絶縁膜30を窒化シリコン膜から構成する場合、窒化シリコンは、シリコンデバイスの製造技術において頻繁に使用されて、シリコンとの親和性の高い材料であることから、シリコンデバイスである熱式湿度センサに適用することが容易であるという利点が得られる。
次に、本実施の形態における第2特徴点は、例えば、図9に示すように、絶縁膜30がヒータ形成領域内にだけ形成されている点にある。これは、以下に示す理由による。すなわち、絶縁膜30として、例えば、窒化アルミニウム膜が使用されるが、上述したように、この窒化アルミニウム膜は、熱伝導率が高いという性質がある。したがって、例えば、絶縁膜30をヒータ形成領域内だけでなく、ヒータ形成領域の外側領域にも形成すると、ヒータ11で発生した熱が、熱伝導率の高い窒化アルミニウム膜によって、ヒータ形成領域の外側領域に容易に逃げてしまう。このことは、ヒータ形成領域を所定の温度にまでに上昇させる電力が大きくなることを意味する。つまり、絶縁膜30をヒータ形成領域内だけでなく、ヒータ形成領域の外側領域にまで形成すると、電力の消費効率が低下して、熱式湿度センサの消費電力が必要以上に大きくなってしまう。この点に関し、絶縁膜30をヒータ形成領域内にだけ形成するという本実施の形態における第2特徴点によれば、長期間にわたる気体湿度の検出精度を確保しながらも、熱式湿度センサの低消費電力化を図ることができるという利点が得られる。
<実施の形態における熱式湿度センサの製造方法>
続いて、本実施の形態における熱式湿度センサの製造方法について、図面を参照しながら説明する。まず、図10に示すように、絶縁膜3と絶縁膜4と絶縁膜5からなる積層膜を形成する。このとき、絶縁膜3は、例えば、酸化シリコン膜から形成されており、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を使用することにより形成することができる。また、絶縁膜4は、例えば、窒化シリコン膜から形成されており、例えば、CVD法を使用することができ、絶縁膜5は、例えば、酸化シリコン膜から形成されており、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。その後、絶縁膜5上に、例えば、モリブデン(Mo)やタングステンに代表される高融点金属材料からなる金属膜を形成する。この金属膜は、例えば、スパッタリング法を使用することにより形成できる。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、金属膜をパターニングして、抵抗配線からなるヒータ11を形成する。このヒータ11は、折り返し形状に加工された抵抗配線から構成され、少なくとも、第1方向に延在する第1部分11aと、第1部分11aと並行しながら第1方向に延在する第2部分11bとを含む。このとき、第1部分11aと第2部分11bとの間には、隙間(スペース)が形成される。
次に、図11に示すように、ヒータ11を覆うように、絶縁膜5上に絶縁膜30を形成する。この絶縁膜30は、例えば、窒化アルミニウム膜や窒化シリコン膜から形成される。窒化アルミニウム膜は、例えば、スパッタリング法を使用することにより形成される。一方、窒化シリコン膜は、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。ここで、絶縁膜30は、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bの間の隙間に形成されるとともに、第1部分11aの上面および第2部分11bの上面にも形成される。そして、絶縁膜50の膜厚は、ヒータ11の膜厚よりも小さくなっている。
続いて、図12に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、絶縁膜30をパターニングする。絶縁膜30のパターニングは、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bの間の隙間にだけ絶縁膜30が残存するように行なわれる。
次に、図13に示すように、ヒータ11上および絶縁膜30上を含む絶縁膜5上に、絶縁膜6を形成する。絶縁膜6は、例えば、酸化シリコン膜から形成されており、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。このとき、絶縁膜6の一部は、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間に埋め込まれる。この結果、第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間には、絶縁膜30と絶縁膜6とが埋め込まれる。具体的に、隙間には、窒化アルミニウム膜と酸化シリコン膜が埋め込まれる。
その後の工程は、省略する。以上のようにして、本実施の形態における熱式湿度センサを製造することができる。
<変形例1>
次に、実施の形態における変形例1について説明する。
<<熱式湿度センサの構成>>
図14は、本変形例1における熱式湿度センサの一部分(上層部)を示す模式図である。
図14に示す本変形例1における熱式湿度センサの構成は、例えば、図9に示す実施の形態における熱式湿度センサの構成とほぼ同様の構成をしているため、相違点を中心に説明する。図14において、本変形例1における熱式湿度センサは、ヒータ11を覆う絶縁膜30を有している。特に、本変形例1では、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間に絶縁膜30を形成するだけでなく、第1部分11a上および第2部分11b上にも絶縁膜30が形成されている。すなわち、本変形例1における絶縁膜30は、ヒータ11の有する凹凸形状に合わせて、凹凸形状を有する一体的な膜として形成されている。このように構成されている本変形例1における熱式湿度センサでも、隙間に絶縁膜30(引張応力を有する膜)と絶縁膜6(圧縮応力を有する膜)とを設けるという実施の形態における第1特徴点が採用されている。このため、本変形例1における熱式湿度センサでも、実施の形態における熱式湿度センサと同様に、ヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制することができる。
ここで、本変形例1における絶縁膜30は、ヒータ11の凹凸形状に合わせて、凹凸形状を有する一体的な膜から形成されているが、例えば、図7に示す対策案とは異なり、ヒータ11の凹凸形状を反映している膜である。このため、図14に示すように、例えば、第1部分11a上に形成されている絶縁膜30の部分と、第2部分11b上に形成されている絶縁膜30の部分とは離間しており、引張応力は分散される。したがって、本変形例1における絶縁膜30を形成しても、図7に示す対策案とは異なり、絶縁膜30の引張応力が反りを発生させるほどに大きくならない。このため、本変形例1における熱式湿度センサ(図14参照)は、実施の形態における熱式湿度センサ(図9参照)と同様にヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制することができる。以下では、この点を説明する。
<<変形例1における効果>>
図15は、ヒータによる加熱の前後における表面段差変化量を示すグラフである。
ここで、表面段差は、ダイヤフラム上の上層部の表面における段差を示している。そして、本変形例1では、触針式の段差計を使用して、ヒータ11による加熱前と、ヒータ11による加熱後(500℃で1000時間)の変化量を測定している。
図15において、横軸は、ヒータ11の中心からの距離を示しており、縦軸は、加熱前と加熱後の表面段差変化量を示している。そして、グラフ(1)は、本変形例1における加熱後の測定結果を示している一方、グラフ(2)は、図5に示す関連技術における加熱後の測定結果を示している。なお、ヒータ形成領域は、中心±45μmの範囲である。
図15のグラフ(2)に着目すると、関連技術では、ヒータ形成領域の外側領域(約±100μm)から中心に向かって、表面が下方に変形していることがわかる。具体的に、ヒータ11の中心では約−0.13μmの変化が生じていることがわかる。これは、関連技術における熱式湿度センサでは、ヒータ形成領域の中心部が塑性変形していることを意味している。これに対し、図15のグラフ(1)に着目すると、本変形例1では、加熱後においても、表面段差変化量がほとんどないことがわかる。この結果から、本変形例1における熱式湿度センサでは、膜の塑性変形が抑制されることが裏付けられている。
図16は、熱式湿度センサ(半導体チップ)を500℃に加熱した状態で、ヒータ11に電流を流して、所定の時間毎にヒータ11の抵抗値を測定(加速試験)した結果を示すグラフである。図16において、横軸は、加熱時間(通電時間)(時)を示しており、縦軸は、ヒータ抵抗変化率(%)を示している。そして、グラフ(1)は、本変形例1における測定結果を示している一方、グラフ(2)は、図5に示す関連技術における測定結果を示している。
図16のグラフ(2)に着目すると、関連技術では、加熱時間が数時間で0.1%以上、加熱時間が1000時間で約0.4%の抵抗値の変化(変化率)が見られることがわかる。このヒータ11の抵抗値の変化量は、絶対湿度の誤差に換算すると、約20g/mであり、室温における湿度が約10%も相違することになってしまう。
これに対し、図16のグラフ(1)に着目すると、本変形例1では、加熱時間の初期に約0.02%変化するが、加熱時間が1000時間まで最大でもヒータ11の抵抗値の変化率は、約0.03%であり、ヒータの抵抗値の経時変化が抑制されていることがわかる。
図15および図16の結果から、ヒータの抵抗値の変化は、ヒータ形成領域での塑性変形に大きく関係していることがわかる。すなわち、ヒータ11をモリブデン(Mo)から構成する場合、その線膨張係数は、約5.1×10−6/Kである。また、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間には、酸化シリコン膜が埋め込まれており、その線膨張係数は、約0.7×10−6/Kである。このような線膨張係数の相違によって、関連技術では、長時間加熱すると、熱応力に起因する塑性変形が酸化シリコン膜に生じる。この結果、関連技術では、ヒータ11自体も変形して、ヒータ11の抵抗値が大きく変化することになる。
これに対し、本変形例1においては、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間に酸化シリコン膜だけではなく、線膨張係数が4.5×10−6/Kの窒化アルミニウム膜が埋め込まれている。これにより、隙間に埋め込まれている材料の線膨張係数が平均化される。この結果、応力の分散効果を得ることができるため、酸化シリコン膜の塑性変形が抑制される。したがって、酸化シリコン膜の塑性変形に起因するヒータ11の抵抗値の経時変化が抑制されることから、熱式湿度センサの長期信頼性を確保することができる。
<<熱式湿度センサの製造方法>>
次に、本変形例1における熱式湿度センサの製造方法について説明する。
まず、図17に示すように、半導体基板1を準備する。半導体基板1としては、例えば、単結晶シリコン基板(シリコンウェハ)を用いることができる。単結晶シリコン基板は、例えば、<100>の結晶方位のシリコン(Si)からなる。
続いて、図18に示すように、半導体基板1上に、3層の絶縁膜を形成する。具体的には、半導体基板1上に、酸化シリコン膜からなる絶縁膜3を形成する。例えば、絶縁膜3は、半導体基板1を熱酸化することにより形成することができる。例えば、酸化シリコン膜からなる絶縁膜3は、熱酸化炉に酸素または水蒸気を導入して、1000℃以上の熱を加えることにより形成することができる。熱酸化法によって形成された酸化シリコン膜は、圧縮応力を有する膜となる。なお、本工程では、半導体基板1の上面だけでなく、半導体基板1の下面にも酸化シリコン膜からなる絶縁膜2が形成される。ただし、半導体基板1の上面に形成される絶縁膜3と、半導体基板1の下面に形成される絶縁膜2は、異なる工程で形成することもできる。その後、絶縁膜3上に絶縁膜4を形成する。絶縁膜4は、窒化シリコン膜からなり、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を使用することにより形成することができる。窒化シリコン膜は、CVD法で形成した場合、引張応力を有する膜となる。そして、絶縁膜4上に絶縁膜5を形成する。絶縁膜5は、酸化シリコン膜からなり、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。CVD法で形成された酸化シリコン膜は、圧縮応力を有する膜となる。
このように、圧縮応力を有する膜と引張応力を有する膜とを積層することにより、膜応力が低減される結果、湿度センサ自体に不所望な応力が加わることを防止できる。
本変形例では、3層の絶縁膜(絶縁膜3と絶縁膜4と絶縁膜5)を積層する構成について説明したが、この構成に限らず、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜とを追加してもよい。さらに、3層の絶縁膜を形成した時点で、例えば、窒素雰囲気において、例えば、1000℃の加熱処理を実施することにより、膜応力の安定化を図ることもできる。
次に、酸化シリコン膜からなる絶縁膜5の表面をわずかにエッチングすることにより、絶縁膜5の表面を改質する。具体的には、例えば、アルゴンガス(Arガス)を使用したスパッタエッチングにより、絶縁膜5の表面を15nm程度エッチングする。その後、図19に示すように、表面を改質した絶縁膜5上に金属膜(導電性膜)15を形成する。例えば、絶縁膜5上に、スパッタリング法を使用して高融点金属膜を形成する。ここでは、高融点金属膜として、モリブデン膜(Mo膜)を160nm形成する。なお、モリブデン膜に替えて、タングステン膜(W膜)を使用することもできる。
続いて、図20に示すように、金属膜15をパターニングする。具体的には、金属膜15上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布した後、フォトレジスト膜に対して露光・現像処理を施すことにより、フォトレジスト膜をパターニングする。そして、パターニングしたフォトレジスト膜をマスクにして、金属膜15をドライエッチングする。これにより、金属膜15がパターニングされて、金属膜15からなるヒータ11およびリード配線(図3に示すリード配線12aとリード配線12b)を形成することができる。その後、パターニングしたフォトレジスト膜を除去する。
このようにして、ヒータ11とリード配線12a、12bとは、同層に形成される。同層に形成されるとは、同じ材料を用いて同じ工程で形成されることを意味する。
なお、耐熱性向上のため、モリブデン膜からなる金属膜15を形成した後、窒素雰囲気において、熱式湿度センサを使用する際の加熱温度である500℃以上、望ましくは1000℃の熱処理を行う。これにより、金属膜15の粒成長を促して、長時間にわたるヒータ加熱に対しても、ヒータの抵抗値の変動を抑制することができる。ここで、モリブデン膜(金属膜15)の線膨張係数は、5.1×10−6/Kであり、酸化シリコン膜の約0.7×10−6/Kと比較して大きいことから、モリブデン膜は引張応力を有する膜となる。
次に、図21に示すように、ヒータ11を覆うように応力調整膜として機能する絶縁膜30を形成する。例えば、絶縁膜30は、窒化アルミニウム膜から構成され、例えば、スパッタリング法を使用することより形成することができる。このとき、窒化アルミニウム膜からなる絶縁膜30の膜厚は、モリブデン膜からなるヒータ11の膜厚よりも薄い150nmである。したがって、絶縁膜30は、ヒータ11の有する凹凸形状に合わせて、凹凸形状を有する一体的な膜として形成される。窒化アルミニウム膜の線膨張係数は、4.5×10−6/Kであり、モリブデン膜の線膨張係数とほぼ等しいことから、引張応力を有する膜となる。ここで、窒化アルミニウム膜は、熱伝導率が高いという性質がある。したがって、例えば、絶縁膜30をヒータ形成領域内だけでなく、ヒータ形成領域の外側領域にも形成したままであると、ヒータ11で発生した熱が、熱伝導率の高い窒化アルミニウム膜によって、ヒータ形成領域の外側領域に容易に逃げてしまう。このことは、ヒータ形成領域を所定の温度にまでに上昇させる電力が大きくなることを意味する。つまり、絶縁膜30をヒータ形成領域内だけでなく、ヒータ形成領域の外側領域にまで形成すると、電力の消費効率が低下して、熱式湿度センサの消費電力が必要以上に大きくなってしまう。
このことから、図22に示すように、フォトレジスト膜をマスクとして、ヒータ形成領域にだけ絶縁膜30が残るようにパターニングする。これにより、本変形例1においても、絶縁膜30をヒータ形成領域内にだけ形成することができる。
なお、応力調整膜として機能する絶縁膜30の安定化のために、熱式湿度センサを使用する際の加熱温度である500℃以上、望ましくは1000℃の熱処理を、絶縁膜30のパターニング工程の前後のいずれかに行うことが望ましい。
続いて、図23に示すように、ヒータ11を覆う絶縁膜30上および絶縁膜5上にわたって、3層の絶縁膜を形成する。具体的に、まず、ヒータ11を覆う絶縁膜30上および絶縁膜5上にわたって絶縁膜6を形成する。この絶縁膜6は、例えば、酸化シリコン膜からなり、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。絶縁膜6の膜厚は、例えば、600nm程度である。このとき、絶縁膜6の一部は、ヒータ11の隙間に埋め込まれる。この結果、ヒータ11の隙間には、絶縁膜30と絶縁膜6とが埋め込まれる。具体的に、隙間には、窒化アルミニウム膜と酸化シリコン膜が埋め込まれる。
その後、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法を使用することにより、絶縁膜6の表面を平坦化する。そして、平坦化された絶縁膜6上に絶縁膜7を形成する。絶縁膜7は、窒化シリコン膜から形成され、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。次に、絶縁膜7上に絶縁膜8を形成する。絶縁膜8は、酸化シリコン膜からなり、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。
このように、酸化シリコン膜からなる絶縁膜6の表面を平坦化することにより、絶縁膜6上に形成される絶縁膜7と絶縁膜8とが平坦な積層膜として形成される。これにより、熱式湿度センサ自体に不所望な応力が加わることを抑制できる。
なお、絶縁膜6〜8のそれぞれの応力を調整するため、それぞれの絶縁膜6〜8を形成した後に熱処理を行なうこともできる。また、窒化シリコン膜からなる絶縁膜4と、窒化シリコン膜からなる絶縁膜7は、ヒータ11が発熱した際に、ヒータ11を覆う絶縁膜30が熱応力で降伏状態まで伸縮しないように制限する機能も有している。
ここで、例えば、図23に示すように、本変形例1において、窒化シリコン膜からなる絶縁膜7は、絶縁膜30の上方に形成され、かつ、引張応力を有し、かつ、表面が平坦な膜である。これにより、窒化シリコン膜からなる絶縁膜7に備わる引張応力によって、例えば、ヒータ11を覆う絶縁膜30の角部に加わる熱応力が緩和される。このことは、ヒータ11を覆う絶縁膜30の角部にクラックは発生することを抑制できることを意味する。すなわち、本変形例1において、窒化シリコン膜からなる絶縁膜7は、さらに、ヒータ11を覆うように形成された絶縁膜30の角部に発生するクラックを抑制するという技術的意義も有していることになる。
次に、例えば、図3および図23を参考にしながら、プラグ14aを介してリード配線12aと電気的に接続される電極13aと、プラグ14bを介してリード配線12bと電気的に接続される電極13bとの形成工程を説明する。ここで、以下では、例えば、リード配線(12a、12b)のように、図3に示されている符号は、(符号)で記載する。
まず、図23において、ヒータ11を覆うように絶縁膜6〜8が形成されているが、ヒータ11とリード配線(12a、12b)は、同層に形成されている。このため、リード配線(12a、12b)上にも絶縁膜6〜8が形成されている。
このことを前提として、まず、絶縁膜8上にフォトレジスト膜を塗布した後、フォトレジスト膜に対して露光・現像処理を施すことにより、コンタクトホール形成領域を開口するフォトレジスト膜を形成する(フォトレジスト膜のパターニング)。そして、パターニングしたフォトレジスト膜をマスクにして、絶縁膜8と絶縁膜7と絶縁膜6とを順次ドライエッチングすることにより、リード配線(12a、12b)のそれぞれに達するコンタクトホールを形成する。これらのコンタクトホールの底部には、リード配線(12a、12b)の表面が露出する。その後、パターニングしたフォトレジスト膜を除去する。
続いて、絶縁膜8の表面と、コンタクトホールから露出するリード配線(12a、12b)の表面をわずかにエッチングすることにより、これらの表面を改質する。具体的に、例えば、アルゴンガス(Arガス)を使用したスパッタエッチングにより15nm程度エッチングする。
その後、リード配線(12a、12b)と電気的に接続される電極(13a、13b)を形成する。具体的に、まず、コンタクトホール内を含む絶縁膜8上に金属膜(導電性膜)を形成する。例えば、コンタクトホール内を含む絶縁膜8上に、スパッタリング法を使用して、バリアメタル膜を形成し、このバリアメタル膜上に主金属膜を形成する。ここでは、例えば、バリアメタル膜として、チタン膜(Ti膜)を20nm〜200nm形成した後、主金属膜として、アルミニウム膜(Al膜)をバリアメタル膜よりも厚い膜厚で形成する。これにより、コンタクトホールの内部は、バリアメタル膜と主金属膜とによって埋め込まれて、プラグ(14a、14b)が形成される。
なお、バリアメタル膜は、チタン膜の他、例えば、窒化チタン膜(TiN膜)や窒化タングステン膜(TiW膜)を使用することもできるし、バリアメタル膜として、これらの積層膜を使用することもできる。一方、主金属膜は、アルミニウム膜に限らず、例えば、アルミニウム(Al)を主成分とするアルミニウム合金膜を使用することもできる。
次に、主金属膜上にフォトレジスト膜を塗布して、フォトレジスト膜に対して、露光・現像処理を施すことにより、電極(13a、13b)を形成する電極形成領域を覆うようにフォトレジスト膜をパターニングする。そして、パターニングしたフォトレジスト膜をマスクにして、主金属膜とバリアメタル膜をドライエッチングすることにより、電極(13a、13b)を形成する。これにより、電極(13a)は、コンタクトホール内のプラグ(14a)を介してリード配線(12a)と電気的に接続される。同様に、電極(13b)は、コンタクトホール内のプラグ(14b)を介してリード配線(12b)と電気的に接続される。この後、パターニングしたフォトレジスト膜は除去される。
続いて、図24に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、半導体基板1の裏面に形成されている酸化シリコン膜からなる絶縁膜2をパターニングする。絶縁膜2のパターニングは、ダイヤフラム形成領域を開口するように行なわれる。その後、図25に示すように、パターニングした絶縁膜2をマスクとして、半導体基板1を絶縁膜3が露出するまでウェットエッチングすることにより、半導体基板1にダイヤフラム(薄肉部)10を形成する。例えば、KOH(水酸化カリウム)溶液またはTMAH(テトラメチルアミド)溶液を使用してウェットエッチングを行なう。ただし、ウェットエッチングに限らず、例えば、フッ素系ガスを使用したドライエッチングにより、半導体基板1にダイヤフラム10を形成することもできる。
ここでは、半導体基板1の裏面に形成された酸化シリコン膜からなる絶縁膜2をハードマスクとして利用しているが、これに限らず、例えば、絶縁膜2上に他の膜を積層した積層膜(例えば、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜)をハードマスクとして利用することもできる。さらには、半導体基板1の上面側の処理が終了した後(例えば、電極(13a、13bを形成した後)、半導体基板1の裏面に別途絶縁膜を形成して、この絶縁膜をマスクに使用することもできる。
なお、半導体基板1にダイヤフラム10を形成した後、絶縁膜8および電極(13a、13b)を覆うように保護絶縁膜を形成し、電極(13a、13b)上に形成されている保護絶縁膜に開口部を形成することにより、電極(13a、13b)の一部を露出させたパッドを形成することもできる。このようにして、パッドを形成した後、例えば、半導体ウェハ状態(シリコンウェハ状態)の半導体基板1をダイシングすることにより、本変形例1における熱式湿度センサ(半導体チップ)を形成することができる。なお、例えば、熱式湿度センサとなる半導体チップに形成されているパッドは、ボンディングワイヤを使用して、配線基板(プリント基板)の配線(端子)と電気的に接続される。
<変形例2>
続いて、実施の形態における変形例2について説明する。
<<熱式湿度センサの構成>>
図26は、本変形例2における熱式湿度センサの模式的な構成を示す断面図である。
図26において、本変形例2における熱式湿度センサでは、ヒータ11と絶縁膜30との間に中間膜40が設けられている。その他の構成は、変形例1における熱式湿度センサの構成と同様である。
例えば、ヒータ11を覆うように形成される絶縁膜30は、窒化アルミニウム膜や窒化シリコン膜から構成される。ここで、窒化シリコン膜は、ヒータ11を構成する高融点金属膜(例えば、モリブデン膜)との密着性がそれほど良好ではないという性質がある。例えば、絶縁膜30を窒化シリコン膜から構成する場合、ヒータ11を構成する高融点金属膜と、絶縁膜30を構成する窒化シリコン膜とが密着することになるが、高融点金属膜と窒化シリコン膜との密着力が弱いため、製造工程中において加えられる熱処理などによって、絶縁膜30がヒータ11から剥離する可能性がある。
この点に関し、本変形例2では、ヒータ11と絶縁膜30との間に、例えば、酸化シリコン膜からなる中間膜40を挿入している。この場合、ヒータ11を構成する高融点金属膜と、中間膜40を構成する酸化シリコン膜との密着性は良好であるため、ヒータ11からの絶縁膜30の剥離を抑制することができる。さらには、中間膜40を構成する酸化シリコン膜と、絶縁膜30を構成する窒化シリコン膜との密着性も良好であるため、中間膜40と絶縁膜30との密着性も向上することができる。
以上のことから、本変形例2では、ヒータ11と絶縁膜30との間に中間膜40を設けることにより、ヒータ11と中間膜40との密着力の向上と、中間膜40と絶縁膜30との密着力の向上の両方を実現することができる。これにより、本変形例2によれば、信頼性の高い熱式湿度センサを提供することができる。
<<熱式湿度センサの製造方法>>
本変形例2では、ヒータ11を形成した後、ヒータ11よりも膜厚の小さい中間膜40を形成する。中間膜40は、例えば、プラズマCVD法を使用することにより形成された酸化シリコン膜から構成される。このとき、中間膜40を構成する酸化シリコン膜の膜厚は、例えば、約50nmである。その後、中間膜40上に、例えば、窒化シリコン膜からなる絶縁膜30を形成する。この窒化シリコン膜の膜厚は、約100nmである。
以降の工程は、変形例1における熱式湿度センサの製造方法とほぼ同様である。以上のようにして、本変形例2における熱式湿度センサを製造することができる。
なお、中間膜40は、酸化シリコン膜に限らず、例えば、窒素を含有する酸化シリコン膜、炭素を含有する酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、非導電性を有する金属酸化物膜などから構成することもできる。特に、中間膜40は、例えば、融点が1000℃以上の耐熱性に優れた膜から構成することが望ましい。
<変形例3>
次に、実施の形態における変形例3について説明する。
<<熱式湿度センサの構成>>
図27は、本変形例3における熱式湿度センサの模式的な構成を示す断面図である。
図27において、本変形例3における熱式湿度センサでは、ヒータ11の下層に、ヒータ11を構成する高融点金属の線膨張係数に近い線膨張係数を有する絶縁膜45が形成されている。すなわち、ヒータ11の下層に引張応力を有する絶縁膜45が形成されている。この絶縁膜45は、ヒータ11を覆うように形成されている絶縁膜30と同じ材料から構成され、例えば、絶縁膜45の膜厚は、絶縁膜30の膜厚よりも薄くなっている。その他の構成は、変形例1における熱式湿度センサの構成と同様である。このように本変形例3における熱式湿度センサでは、絶縁膜30の下方に形成され、かつ、引張応力を有し、かつ、表面が平坦な絶縁膜45がヒータ11の下層に形成されている。
例えば、圧縮応力を有する絶縁膜5(酸化シリコン膜)がヒータ11と接触するようにヒータ11の下層に形成されていると、ヒータ11を加熱する際、ヒータ11と絶縁膜5との接触部分で大きな熱応力が発生する。この熱応力は、ヒータ11の抵抗値の変動を引き起こす要因となるため、小さくすることが望ましい。
この点に関し、本変形例3では、引張応力を有する絶縁膜45をヒータ11と接触するようにヒータ11の下層に形成している。これにより、ヒータ11を加熱する際、ヒータ11自体に引張応力が加わるとともに、ヒータ11の下層に位置する絶縁膜45にも引張応力が加わる。したがって、ヒータ11と絶縁膜45との接触部分における熱応力を小さくすることができる。この結果、本変形例3によれば、ヒータ11の抵抗値の変動を抑制することができる。
さらに、絶縁膜45は、熱伝導率の高い材料から構成されることが望ましい。なぜなら、ヒータ11の下層に位置する絶縁膜45を熱伝導率の高い材料から構成することにより、ヒータ形成領域内の温度分布を均一化することができるからである。このことは、高温となりやすいヒータ形成領域の中心部での塑性変形を抑制できやすくなることを意味し、これによって、長期間にわたる熱式湿度センサの検出精度を維持することができる。
<<熱式湿度センサの製造方法>>
本変形例3では、酸化シリコン膜からなる絶縁膜5を形成した後、絶縁膜5上に絶縁膜45を形成する。この絶縁膜45は、例えば、窒化アルミニウム膜から形成され、例えば、スパッタリング法を使用することにより形成することができる。絶縁膜45の膜厚は、例えば、約50nmである。次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、絶縁膜45をパターニングする。絶縁膜45のパターニングは、ヒータ形成領域にだけ絶縁膜45が残存するように行なわれる。これは、窒化アルミニウム膜から構成される絶縁膜45の熱伝導率が高いため、ヒータ形成領域の外側領域にまで延在するように形成すると、ヒータ形成領域に形成されているヒータから発生した熱が、ヒータ形成領域の外側領域まで容易に拡散して(熱逃げ)、消費電力の増大を抑制することを考慮したものである。以降の工程は、変形例1における熱式湿度センサの製造方法とほぼ同様である。以上のようにして、本変形例3における熱式湿度センサを製造することができる。
なお、絶縁膜45の膜厚は、ヒータ11の膜厚よりも薄く、かつ、ヒータ11を覆う絶縁膜30の膜厚よりも薄いことが望ましい。なぜなら、絶縁膜45の膜厚が厚くなると、絶縁膜45の線膨張に起因する熱応力が大きくなりすぎるからである。
<変形例4>
続いて、実施の形態における変形例4について説明する。
<<熱式湿度センサの構成>>
図28は、本変形例4における熱式湿度センサの模式的な構成を示す断面図である。
図28において、本変形例4における熱式湿度センサでは、絶縁膜30が、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間に形成された第1膜部位30aと、第1部分11a上および第2部分11b上に形成された第2膜部位30bから構成されており、第1膜部位30aと第2膜部位30bとが分離されている。言い換えれば、本変形例4における熱式湿度センサでは、ヒータ11を構成する第1部分11aの側壁および第2部分11bの側壁に絶縁膜30が形成されていない。その他の構成は、変形例1における熱式湿度センサの構成と同様である。
このように構成されている本変形例4における熱式湿度センサでは、ヒータ11を構成する第1部分11aの側壁および第2部分11bの側壁に絶縁膜30が形成されないことから、第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間の距離を小さくしても、この隙間に引張応力を有する絶縁膜30(第1膜部位30a)と圧縮応力を有する絶縁膜6の一部を埋め込むことができる。そして、本変形例4では、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間に埋め込まれる絶縁膜6の体積を低減することができる。このことは、塑性変形しやすい絶縁膜6の体積を低減できるということは、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間自体が塑性変形しにくくなることを意味し、これによって、ヒータ11の撓みを抑制することができる。したがって、本変形例4では、さらに、圧縮応力を有する絶縁膜6の塑性変形に起因するヒータ11の抵抗値の経時変化を抑制することができる。また、ヒータ11を構成する第1部分11aと第2部分11bとの間の隙間の体積(容積)を小さくできるということは、ヒータ11の発熱部位(例えば、第1部分11aや第2部分11b)の占有密度を向上できることを意味し、これによって、ヒータ11の発熱効率を向上することができる。そして、ヒータ11の発熱効率を向上できるということは、熱式湿度センサの低消費電力化を図ることができることを意味する。以上のことから、本変形例4における熱式湿度センサによれば、低消費電力化を図りながら、長期間にわたる熱式湿度センサの検出精度を維持できる。
<<熱式湿度センサの製造方法>>
本変形例4では、ヒータ11を形成した後、絶縁膜30を形成する。具体的に、フォトリソグラフィ技術を利用して、フォトレジスト膜に対して、ヒータ形成領域だけを開口するようにパターニングする。そして、パターニングしたフォトレジスト膜をマスクにして、指向性の高いロングスロースパッタリング法により、例えば、窒化アルミニウム膜からなる第1膜部位30aおよび第2膜部位30bからなる絶縁膜30を形成する。すなわち、ロングスロースパッタリング法を使用した場合、ヒータ11を構成する第1部分11aの側壁および第2部分11bの側壁には、ほとんど窒化アルミニウム膜が形成されない。以降の工程は、変形例1における熱式湿度センサの製造方法とほぼ同様である。以上のようにして、本変形例4における熱式湿度センサを製造することができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
実施の形態では、熱式センサの一例として、熱式湿度センサを例に挙げて、実施の形態における技術的思想を説明したが、実施の形態における技術的思想は、これに限らず、例えば、熱式流量センサや熱式ガスセンサに代表される幅広い熱式センサに適用できる。なぜなら、例えば、熱式流量センサは、ヒータを使用して気体を温め、温めた気体の上流側の温度と下流側の温度との温度差が気体の流量に応じて変化することを利用して、気体の流量を測定するセンサであり、ヒータを使用するからである。また、熱式ガスセンサでは、例えば、ヒータによる加熱によって吸着したガス分子を開放するリセット動作が行なわれるため、必然的に、ヒータが使用されるからである。
前記実施の形態は、以下の形態を含む。
(付記1)
支持基板と、
前記支持基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された抵抗配線と、
を備える、熱式センサであって、
前記抵抗配線は、
第1方向に延在する第1部分と、
前記第1部分と並行する第2部分と、
を含み、
前記熱式センサは、前記第1部分と前記第2部分との間に形成され、かつ、膜厚方向の厚さが前記抵抗配線の厚さよりも小さい第1膜を有し、
前記第1膜は、線膨張係数が1.0×10−6/K以上9.0×10−6/K以下の膜である、熱式センサ。
1 半導体基板
2 絶縁膜
3 絶縁膜
4 絶縁膜
5 絶縁膜
6 絶縁膜
7 絶縁膜
8 絶縁膜
10 ダイヤフラム
11 ヒータ
11a 第1部分
11b 第2部分
30 絶縁膜
30a 第1膜部位
30b 第2膜部位
40 中間膜
45 絶縁膜

Claims (15)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成された抵抗配線と、
    を備える、熱式センサであって、
    前記抵抗配線は、
    第1方向に延在する第1部分と、
    前記第1部分と並行する第2部分と、
    を含み、
    前記熱式センサは、前記第1部分と前記第2部分との間に形成され、かつ、引張応力を有し、かつ、膜厚方向の厚さが前記抵抗配線の厚さよりも小さい第1膜を有する、熱式センサ。
  2. 請求項1に記載の熱式センサにおいて、
    前記第1膜は、前記絶縁膜と接する、熱式センサ。
  3. 請求項1に記載の熱式センサにおいて、
    前記第1部分と前記第2部分との間に形成された前記第1膜の占有体積は、前記第1部分と前記第2部分との間の体積の1/3以上である、熱式センサ。
  4. 請求項1に記載の熱式センサにおいて、
    前記第1膜は、前記第1部分上および前記第2部分上にも形成されている、熱式センサ。
  5. 請求項1に記載の熱式センサにおいて、
    前記熱式センサは、前記抵抗配線と前記第1膜との間に中間膜を有する、熱式センサ。
  6. 請求項1に記載の熱式センサにおいて、
    前記熱式センサは、さらに、前記第1膜の上方に形成され、かつ、引張応力を有し、かつ、表面が平坦な第2膜を含む、熱式センサ。
  7. 請求項1に記載の熱式センサにおいて、
    前記熱式センサは、さらに、前記第1膜の下方に形成され、かつ、引張応力を有し、かつ、表面が平坦な第3膜を含む、熱式センサ。
  8. 請求項1に記載の熱式センサにおいて、
    前記熱式センサは、
    平面視において、前記抵抗配線が形成された第1領域と、
    平面視において、前記第1領域の外側の第2領域と、
    を含み、
    前記第1膜は、平面視において、前記第1領域内に形成されている、熱式センサ。
  9. 請求項1に記載の熱式センサにおいて、
    前記第1膜は、前記抵抗配線に撓みを発生させる要因となる応力を緩和する応力緩和膜である、熱式センサ。
  10. 請求項1に記載の熱式センサにおいて、
    前記第1膜は、窒化アルミニウム膜、または、窒化シリコン膜である、熱式センサ。
  11. 請求項1に記載の熱式センサにおいて、
    前記第1方向と直交する第2方向における前記抵抗配線の幅は、前記第1部分と前記第2部分との間の距離よりも大きい、熱式センサ。
  12. 請求項1に記載の熱式センサにおいて、
    前記熱式センサは、湿度センサである、熱式センサ。
  13. (a)支持基板上に絶縁膜を形成する工程、
    (b)絶縁膜上に抵抗配線を形成する工程、
    (c)前記抵抗配線を覆う第1膜を形成する工程、
    を備える、熱式センサの製造方法であって、
    前記抵抗配線は、
    第1方向に延在する第1部分と、
    前記第1部分と並行する第2部分と、
    を含み、
    前記第1膜は、引張応力を有し、かつ、膜厚方向の厚さが前記抵抗配線の厚さよりも小さい、熱式センサの製造方法。
  14. 熱式センサが形成された第1半導体チップと、
    前記熱式センサを制御する制御回路が形成された第2半導体チップと、
    を有する、半導体装置であって、
    前記第1半導体チップは、
    支持基板と、
    前記支持基板上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成された抵抗配線と、
    を備え、
    前記抵抗配線は、
    第1方向に延在する第1部分と、
    前記第1部分と並行する第2部分と、
    を含み、
    前記第1半導体チップは、前記第1部分と前記第2部分との間に形成され、かつ、引張応力を有し、かつ、膜厚方向の厚さが前記抵抗配線の厚さよりも小さい第1膜を有する、半導体装置。
  15. 請求項14に記載の半導体装置において、
    前記半導体装置は、内燃機関に組み込み可能なセンサモジュールである、半導体装置。
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