JP2020090626A - Rfid用インキ組成物とそれを用いたrfidの導電性パターンの製造方法 - Google Patents

Rfid用インキ組成物とそれを用いたrfidの導電性パターンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜厚を小さくしてもRFIDの導電性パターンに必要な導電性を確保できる、カーボンナノチューブを導電性材料に用いたRFID用インキ組成物とそれを用いたRFIDの導電性パターンの製造方法を提供する。【解決手段】本発明のRFID用インキ組成物は、RFIDの導電性パターンを形成するためのRFID用インキ組成物であって、カーボンナノチューブと、その分散剤として機能する高分子酸を含むカーボンナノチューブ分散液であることを特徴としている。【選択図】なし

Description

本発明は、RFID(radio frequency identifier)の導電性パターンを形成するためのRFID用インキ組成物とそれを用いたRFIDの導電性パターンの製造方法に関する。
電波を用いてRFタグ等のデータを非接触で読み書きするRFIDは、実世界のオブジェクトを、デジタルの仮想世界と結びつけて認識や操作ができるようになるという点が、社会的に様々な波及効果を与えると考えられており、流通、履歴管理、物品管理、図書館での利用、プレゼンス管理、センサーネットワーク等への利用が期待されている。例えば、UHF帯(極超短波)はHF帯(短波帯)に比較して周波数が高いため波長が短く、アンテナの小型化の観点や、多少の障害物があっても通信が可能であり、パッシブタグの中では通信距離を長く取れる周波数でもあることから、大量普及のための技術として注目されている。
従来、RFIDの導電性パターンとしてID情報搭載用の基材にアンテナ回路を形成するための技術は、主に導電性材料に金属粒子を使用している(特許文献1、2等参照)。しかし、金属粒子を使用した場合、後工程で導電性をより良くする加工、例えば熱焼成や加圧焼成が必要となり、コストの増加につながる。銀ペースト等の導電性ペーストを使用したRFIDアンテナが検討されているが、一般にスクリーン印刷によるもので印刷スピードが遅く大量生産には向いていない。アルミエッチングによるRFIDアンテナも検討されているが、酸やアルカリのエッチング廃液が大量に出るため、洗浄コストの増加につながる。
また従来技術では、RFIDの導電性パターンに必要な導電性を確保するためにインキ塗膜を厚くしなければならず、インキコストが高くなる。
導電性インキを用いてRFIDの導電性パターンを製造する際に、グラビア印刷を用いた場合、安価に高速で印刷パターンを得ることが可能である。グラビア印刷は洗浄用のアルコールが少量で済む点でもコストの低減につながる。しかし、グラビア印刷では塗膜厚が例えば1μm未満〜数十μmであり、RFIDの導電性パターンに必要な導電性が得られるインキ塗膜厚を確保することは難しい。
カーボンナノチューブは、各種の産業用途への普及が進んでいる導電性の炭素材料である。しかし、UHF帯RFIDのアンテナに適した表面抵抗率は50Ω/□前後(10〜100Ω/□)といわれているが、カーボンナノチューブの一般的な分散方法で製造したインキでは、グラビア印刷で塗膜を形成すると10〜10Ω/□程度でRFIDの導電性パターンに必要な導電性を確保することは困難である。
特表2014−527375号公報 特開2015−072914号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、膜厚を小さくしてもRFIDの導電性パターンに必要な導電性を確保できる、カーボンナノチューブを導電性材料に用いたRFID用インキ組成物とそれを用いたRFIDの導電性パターンの製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明のRFID用インキ組成物は、RFIDの導電性パターンを形成するためのRFID用インキ組成物であって、カーボンナノチューブと、その分散剤として機能する高分子酸を含むカーボンナノチューブ分散液であることを特徴としている。
本発明のRFIDの導電性パターンの製造方法は、以下の工程を含む:
前記RFID用インキ組成物をID情報搭載用の基材に塗布する工程;および
前記塗布したRFID用インキ組成物を乾燥し、膜厚5μm以下、且つ表面抵抗率100Ω/□以下であるRFIDの導電性パターンを形成する工程。
本発明のRFID用インキ組成物とそれを用いたRFIDの導電性パターンの製造方法によれば、膜厚を小さくしてもRFIDの導電性パターンに必要な導電性を確保できる。
実施例1で作製したインキにおける、インキ濃度、膜厚による抵抗値の変化を示すグラフである。 実施例1で作製したインキにおける、重ね塗布の回数による抵抗値の変化を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の記述においては、「カーボンナノチューブ」を「CNT」ともいう。
(RFID用インキ組成物)
本発明のRFID用インキ組成物は、CNTと、その分散剤として機能する高分子酸を含む。本発明のRFID用インキ組成物は、CNTネットワークにおける電気的な接続を良好にして、電気性能に優れる。そのため、膜厚を小さくしても、RFIDアンテナに必要な導電性を確保できる。従って、グラビア印刷等のように、インキ塗膜の膜厚が小さく高速な印刷方法が適用でき、製造コストの低減が可能である。
本発明のRFID用インキ組成物は、調製する際の分散性が良いため、インキ製造時の効率化を図り、製造コストの低減が可能である。
本発明のRFID用インキ組成物は、耐摩耗性が高く塗膜強度が強い。そのため、アンテナ等の導電性パターンを印刷後の後工程でアンテナ等の損傷を抑制できる。
更に、高分子酸が少量でCNTを均一に分散し、均質な複合膜を得ることができるうえ、製膜後分散剤を除去することなく導電性膜とすることができ、後処理工程が簡単となり製造プロセス上有利である。また、高分子酸自体がドーピング効果を示すため別途ドーパントを追加する必要がないうえに、高分子酸は安定で揮発性もないため、長期的に安定な導電性を示す導電膜が得られる。更に、CNTのみならず高分子酸も分子構造が柔軟であるため、極めて曲げに強い膜を得ることができる。
本発明のRFID用インキ組成物であるCNT分散液は、CNT同士が接合する領域を除いて、高分子酸がCNTの周囲を囲み、CNTの単体又はCNTのバンドルの周囲を取り巻くように付着する。
本発明の一例において、CNT分散液中のCNTと高分子酸は、高分子酸が付着しているCNTの部分ではCNT同士の接合が生じずによく分散した状態になる。一方、高分子酸が付着していないCNTの部分ではCNT同士がファンデルワールス力により凝集しやすくなり、より強い接合となる。そのため、CNT分散液において、以下の3つの局所状態が存在するものと推察される。
A 高分子酸がCNTに付着し、CNT同士が接触しない状態(安定的な分散状態)
CNT同士が直接接触せず、CNT分散液中での分子間力が弱く、CNTが接合しにくい。
B CNT同士が接触した状態(CNTの凝集状態)
CNTの不安定な分散状態であり、CNTの分子間カが強く、CNTが接合している。
C 高分子酸がCNTの一部に付着し、CNT同士が接触した状態
CNT同士が接触した部分ではCNTの安定な凝集状態となり、高分子酸が付着した部分ではCNTの安定な分散状態となる。CNT同士が接触した部分では分子間力が強く、CNTが接合している。
CNT分散液において、CNTのバンドルは、CNTが凝集した束状の構造体であり、局所的にCNT同士が配向しているが、部分的にCNT同士が分離した構造を有してもよい。また、CNT同士が接触する部分、CNTのバンドル同士が接触する部分、及びCNTとCNTのバンドルが接触する部分の一つ以上を有する。これにより、CNTは、全体としてネットワークを構成する。
一方、CNTがいずれかの状態をとってCNT分散液をCNT複合膜とする段階(溶剤が乾燥、除去される)で、CNTの分子間力により、CNT同士も選択的に、高分子酸が付着していない部分で接合する。
本発明のRFID用インキ組成物において、CNTの種類は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、単層CNT(SWNT)、二層CNT(DWNT)、多層CNT(MWNT)、ロープ状CNT、リボン状CNTのいずれも用いることができる。また、金属性のCNT、半導体性のCNTの分離工程を経た金属性のCNT又は半導体性のCNTを単独で用いることも可能である。
CNTの長さや直径は特に限定されないが、高導電性のCNT複合膜を得るには、直径0.4nm以上2.0nm以下、長さ0.5μm以上20μm以下が好ましい。また、単層CNTで、結晶性が優れ、長さが長いものが好ましい。更に、直噴熱分解合成(DIPS)法により合成した高品質の単層CNT等を用いると、より均質な分散液が得られるため、高導電性の複合膜を得るには好ましい。
本発明のRFID用インキ組成物において、CNT分散液中のCNTの濃度は特に限定されないが、膜厚を小さくしてもRFIDの導電性パターンに必要な導電性を確保できる点等を考慮すると、0.005重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上が更に好ましく、0.25重量%以上が特に好ましい。また、1重量%以下が好ましく、0.9重量%以下がより好ましく、0.75重量%以下が更に好ましく、0.6重量%以下が特に好ましい。
本発明のRFID用インキ組成物において、高分子酸としては、カルボン酸基を有するモノマー、スルホン酸基を有するモノマー、リン酸基を有するモノマー等の酸性基を有するモノマーを含む原料モノマーを(共)重合させて得られる(共)重合体等が挙げられる。酸性基を有するモノマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルボン酸基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
スルホン酸基を有するモノマーとしては、例えば、p−スチレンスルホン酸等のスチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリロキシ−1−プロパンスルホン酸、イソプレンスルホン酸等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、p−スチレンスルホン酸が好ましい。
高分子酸は、酸性基を有するモノマー以外の他のモノマーに由来する構造単位が含まれていてもよいが、好ましくは、その他のモノマーのモノマー比は1%以下であり、実質的に他のモノマーに由来する構造単位を含まないことが好ましい。
高分子酸としては、高分子カルボン酸、高分子スルホン酸が好ましい。ここで高分子カルボン酸、高分子スルホン酸は、好ましくは、カルボン酸基を有するモノマー、スルホン酸基を有するモノマーのモノマー比が97%以上、好ましくは100%の(共)重合体である。ここでモノマー比とは、(共)重合体を構成する全モノマーに由来する構造単位を100モル%としたときに、(共)重合体中に含まれるカルボン酸基を有するモノマー、スルホン酸基を有するモノマーに由来する構造単位の割合(モル%)をさす。
これらの中でも、高分子カルボン酸としてポリアクリル酸、ポリメタクリル酸が好ましく、高分子スルホン酸としてポリ(p−スチレンスルホン酸)が好ましい。
本発明のRFID用インキ組成物において、高分子酸の重量平均分子量は、特に限定されないが、分子量が大きい高分子酸のほうがCNTをよく分散し、分散時間を短縮できると共に、塗膜強度の向上によって耐摩耗性が向上する。RFID用インキにおいては、分散時間が早いと大量生産においてコストメリットがある。RFIDの導電性パターン、例えばアンテナは、印刷後の後工程で損傷が起きないように塗膜強度は高いほうが望ましい。一方、分子量の小さい高分子酸のほうが、ドーピング効果が大きい傾向があり、分子量が小さいほうが高導電化において望ましい。RFID用インキにおける求められるこれらの特性のバランスの観点より、高分子酸(特にポリアクリル酸)の重量平均分子量は、500以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、2,000以上が更に好ましく、4,000以上が殊更好ましく、10,000以上が特に好ましく、20,000以上が最も好ましい。また500,000以下が好ましく、250,000以下がより好ましく、100,000以下が更に好ましく、50,000以下が殊更好ましく、30,000以下が最も好ましい。
なお、上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC法)による標準ポリマー(例えば標準ポリアクリル酸)換算の値が参照される。ここで標準ポリマーとは、測定対象と同一又は近似する構造で分子量既知の分子量分布の狭いポリマーが参照される。
本発明のRFID用インキ組成物において、CNT分散液中の高分子酸の濃度は特に限定されないが、膜厚を小さくしてもRFIDの導電性パターンに必要な導電性を確保できる点等を考慮すると、0.005重量%以上が好ましく、0.075重量%以上がより好ましく、0.15重量%以上が更に好ましく、0.4重量%以上が特に好ましい。また、5重量%以下が好ましく、4.5重量%以下がより好ましく、3重量%以下が更に好ましく、1重量%以下が特に好ましい。
本発明のRFID用インキ組成物において、CNTと高分子酸との重量比は、膜厚を小さくしてもRFIDの導電性パターンに必要な導電性を確保できる点等を考慮すると、1:0.8以上が好ましく、1:1以上がより好ましい。また、1:5以下が好ましく、1:4以下が好ましく、1:3以下が更に好ましい。高分子酸とCNTとの重量比がこの範囲であると、本発明のRFID用インキ組成物を塗布することによって得られるCNT複合膜において、CNTとCNTとの電気的接触、バンドルとバンドルとの電気的接触及びCNTとCNTのバンドルとの電気的接触が高分子酸によって妨げられにくい。この範囲では、高分子酸がCNT又はCNTバンドルの周囲を覆うように吸着し、CNTを良好に分散するが、CNT又はCNTバンドルの表面を高分子酸がすべて覆い尽くすことができず、CNT又はCNTバンドルが露出する部分が生じる。そのため、CNT同士又はCNTバンドル同士の電気的接触を妨げないため、CNT複合膜が良好な導電性を示す。
本発明のRFID用インキ組成物において、高分子酸とCNTを分散させる溶媒としては、特に限定されないが、水、有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、例えば、アルコール系有機溶剤(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、グリセリン、エチレングリコール等)、ケトン系有機溶剤(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル系有機溶剤(例えば、ジエチルエーテル、THF等)、エステル系有機溶剤(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル等)、炭化水素系有機溶剤(トルエン、メチルシクロヘキサン等)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その中でも、分散性、環境問題への対応や、インキ組成物の印刷適性や乾燥性等を考慮すると、水、アルコール系有機溶剤もしくはこれらの混合溶媒が好ましく、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、水とエタノールの混合夜、エタノールと2−プロパノールの混合液等が挙げられる。
本発明のRFID用インキ組成物は、上記したCNT、高分子酸、溶媒以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、他の成分を配合することができる。
本発明のRFID用インキ組成物は、例えば、以下のように製造することができる。
(1)プレドーピング工程
酸化剤等のドーパントを溶解した溶液にCNT粉末を加え、マグネチックスターラー等で数10分〜1日程度激しく攪拌する。その後、分散液をろ過し、ろ紙上に残ったCNT粉末を洗浄して、ドーピングされたCNT粉末を得る。なお、プレドーピング工程は、本発明のRFID用インキ組成物を製造するに際して任意に実施される工程である。
溶剤に分散させる前に酸や酸化剤等を用いてCNTにプレドーピングすることにより、CNTの導電性を向上させることもできる。プレドーピング工程には、硝酸、塩酸、硫酸、ヨワ素、臭素、クロロスルホン酸(超酸)、ヨウ化水素酸、臭化水素酸及びこれらの混合物からなる群から選択されるドーパントを用いることができる。
ドーパントを溶解する溶媒としては、上述した高分子酸とCNTを分散させる溶媒を用いることができる。また、ろ紙上に残ったCNT粉末の洗浄においても、これらの溶媒を用いることができる。
(2)プレ分散工程
分散剤である高分子酸を溶解した溶液にCNT粉末を加え、マグネチックスターラーなどで数10分〜1日程度激しく境持する。CNTを分散させる溶媒には、上述した溶媒を用いることができる。プレ分散工程は、本発明のRFID用インキ組成物を製造するに際して、主には必須となる工程である。
(3)本分散工程
プレ分散を行った液を用いて、超音波ホモジナイザーや超音波バス、ジェットミル高圧分散などにより更に細かくCNTを分散させ、CNTが容易に凝集・沈降しないCNT分散液を得る。本分散工程は、本発明のRFID用インキ組成物を製造するに際して、主には必須となる工程である。
本分散工程には、超音波ホモジナイザーはCNTを強力に分散するが、時間をかけすぎるとCNTや高分子酸を損傷する虞がある。また、CNT分散液を作製する時に、高分子酸溶液が加熱されると、CNT分散液中で高分子酸が一部自己凝集し、高分子酸がCNTと接触する面積が減少して、ドーピング効果が小さくなると推察される。一般的に、超音波ホモジナイザーによるCNTの分散処理では、溶媒分子や高分子酸分子を振動させることにより、局在的に高熱が発生するため、高分子酸が激しく凝集する。そうなると、ドーピング効果が小さくなると共に、CNT同士の接触も妨げる。
このため、超音波ホモジナイザーでの処理時間を必要最小限にする、又はプレ分散を行った液を冷却しながら超音波を照射することが有効である。たとえば、プレ分散を12時間程度行うことにより、本分散における超音波ホモジナイザー照射の時間を短縮しでも均一な分散液を得ることができ、超音波ホモジナイザー照射によるCNTや高分子酸の損傷を最低限に抑えることができる。また、このように均一な分散液を得ることができた場合には、次の超遠心処理を省略することができ、製造プロセス上たいへんに有利である。また、超音波ホモジナイザーでの処理時間を短縮するために、超音波ホモジナイザーでの処理に先立って、超音波バスでの処理を行うことも有効である。
(4)遠心分離工程
本分散を行ったCNT分散液を超遠心分離装置により遠心分離を行い、得られた上澄みを製膜に用いる分散液とする。遠心分離工程は、本発明のRFID用インキ組成物を製造するに際して任意に実施される工程である。
遠心分離において、ローターの回転数は好ましくは2,000rpm以上60,000rpm以下、より好ましくは45,000rpm、遠心分離時間は2時間程度である。なお、高品質なSWNTを用いてCNT分散液を作製した場合には、均質なCNT分散液を作製することができるため、超遠心処理を省略することも可能である。
(RFIDの導電性パターンの製造方法)
以上に説明した本発明のRFID用インキ組成物を用いてRFIDの導電性パターンを製造する際には、本発明のRFID用インキ組成物をID情報搭載用の基材に塗布し、塗布したRFID用インキ組成物を乾燥する。
塗布する方法は特に限定されないが、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、キャスト法、ディップコート法、スピンコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコーティング法、スプレーコート法、インクジェット法等が挙げられる。
これらの中でも、産業的観点では、グラビア印刷が好ましい。グラビア印刷を用いた場合、安価に高速で印刷パターンを得ることが可能である。グラビア印刷は洗浄用のアルコールが少量で済む点でもコストの低減につながる。グラビア印刷では一般的に塗膜厚が小さくなるが、本発明のRFID用インキ組成物によれば、膜厚を小さくしてもRFIDの導電性パターンに必要な導電性を確保できる。
グラビア印刷では、例えば、本発明のRFID用インキ組成物の印刷時に、印刷時の雰囲気温度において、印刷条件に応じて適切な粘度となるように、必要に応じて希釈し、基材に印刷する。グラビア印刷は、グラビア版胴に供給されたインキを被印刷材に転写して行われる。例えば、グラビア印刷装置は、インキパンの下部に設けられたインキ導入口からインキが導入される。そして、常に一定の高さのインキ液面が維持されるように、余剰のインキはインキ排出口から排出される。グラビア版胴は、その下部がインキ液面下に浸漬するように設けられ、回転するグラビア版胴の表面がインキ中に浸漬することによって、インキがグラビア版胴表面に供給される。そして、グラビア版胴表面に供給されたインキのうち、過剰分は、ドクターによって掻き落とされ、適正量のインキがグラビア版胴の上部にて、圧胴との間に供給された被印刷材に転写して印刷される。
上記のような方法で印刷した塗膜は、必要に応じて加熱を行い乾燥し、CNT複合膜としてRFIDの導電性パターンが得られる。
RFIDの導電性パターンは、任意に次の工程に供してもよい。
(5)洗浄工程
導電性のCNT複合膜を得たい場合には、分散剤がCNTの導電性を妨げることもある。この場合には、洗浄等の方法でCNT複合膜から分散剤を除去する。洗浄工程は、本発明においては、任意の工程である。
一般に、非導電性分散剤を用いた場合にはCNT同士又はCNTバンドル同士の電気的接触を設け、CNT複合膜に導電性を発揮させるためには、製膜後にCNT複合膜の非導電性分散剤を除去する必要がある。これには、たとえば、溶剤に浸潰して除去する、などの方法が考えられる。しかしながら本発明では、分散に用いる高分子酸は非導電性であるにもかかわらず、少量で分散が可能であるためCNTに対する高分子酸の重量が数倍程度までの場合は、除去することなくそのままでCNTの高い導電性が発揮される。
(6)ポストドーピング工程
上記の方法で得られたCNT複合膜に対し、酸化剤の蒸気にさらす、あるいは酸化剤を含む溶液に浸潰することによりドーピングを行う。ポストドーピング工程は、本発明においては、任意の工程である。
また、一般に、CNTのみからなる膜の導電性は十分ではないため、硝酸などの酸化剤などを用いてドーピングを行う方法がよく採用される。この際一般に、酸化剤の溶液に膜を浸潰したり、酸化剤の蒸気にさらしたりする工程が必要となる。また、硝酸などの揮発性の酸化剤を用いた場合には得られた膜の導電性が不安定である。しかしながら、本発明においては、分散剤である高分子酸そのものがドーピング剤として機能するため、製膜後に改めてドーピングの工程を経る必要がなく、また、高分子酸は不揮発性であるため、得られたCNT複合膜の導電性は極めて安定である。
本発明においては、分散剤である高分子酸はCNTに対して1対1〜5対1程度とごく少量添加するだけでよく、更に高分子酸自体がドーパントとなるため、通常必要とされる上記(5)洗浄工程および(6)ポストドーピング工程を省略することができ、製造プロセス上、有利である。また、本発明のRFID用インキ組成物の製造に際して上記(2)プレ分散工程や(3)本分散工程の最適化により、(4)遠心分離工程を省略することもできるので、製造プロセス上、有利である。更に得られた膜の導電性は長期間安定である。
上述のように、本発明においては、製膜後、分散剤である高分子酸を除去することなく高導電性の膜を得ることができるが、必要に応じて製膜後に高分子酸の一部又は全部を除去することもできる。高分子酸の除去の方法は特に制限されないが、熱焼成(加熱処理)、パルス光焼成(加熱処理)、溶剤による洗浄、アルカリ現像液(アルカリ処理)による洗浄等が挙げられる。
本発明においてRFIDは、ID(identification)情報を搭載したRFタグから、電磁界や電波等を用いた近距離(周波数帯によって数cm〜数m)の無線通信によって情報をやりとりするもの、および技術全般を包含する。またタグとリーダとの間の無線通信技術の他、タグを様々な物や人に取り付け、それらの位置や動きをリアルタイムで把握するという運用システム全般を包含する。RFIDは、ワンチップのIC(集積回路)にID情報を搭載した用いたICタグ、その中でも特にパッシブタイプのICタグの他、パッシブタグ(受動タグ)とアクティブタグ(能動タグ)、双方を組み合わせたセミアクティブタグ(起動型能動タグ)等であってもよい。RFIDと同様の技術を用いた非接触ICカードも、本発明においてRFIDに包含される。
本発明のRFID用インキ組成物を塗布するID情報搭載用の基材としては、特に限定されず、フレキシブルな基材であってもよく、剛性の基材であってもよい。例えば、紙、厚紙等のセルロース性基体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂製基材、ガラス製基材等が挙げられる。
本発明の製造方法によって得られるRFIDの導電性パターンにおいて、導電性パターンを形成するCNT複合膜は、高分子酸とCNTとを含む。高分子酸は、ファンデルワールス力により、CNTの単体又はCNTのバンドルの周囲を取り巻くように付着する。CNTのバンドルは、CNTが凝集した束状の構造体であり、局所的にCNT同士が配向しているが、部分的にCNT同士が分離した構造を有してもよい。また、CNT同士が接合する部分、CNTのバンドル同士が接合する部分、及びCNTとCNTのバンドルが接合する部分の一つ以上を有する。これにより、CNTは、全体としてネットワークを構成する。このCNTのネットワークにおいては、接触部においてCNTとCNTとの電気的接触、バンドルとバンドルとの電気的接触及びCNTとCNTのバンドルとの電気的接触を提供し、ネットワーク全体に導電性を付与する。
CNT複合膜は、高分子酸とCNTのネットワークを含み、CNTの周囲に高分子酸が配置されながらCNT同士の接触も確保されている。従って、CNT複合膜においては、CNTとCNTとの電気的接触、バンドルとバンドルとの電気的接触及びCNTとCNTのバンドルとの電気的接触が高分子酸によって妨げられない。そのため、CNT複合膜はCNTネットワークにおける電気的な接合を良好にして、電気性能に優れる。
本発明のRFIDの導電性パターンの製造方法によって得られる導電性パターンは、グラビア印刷の適用やコスト面等を考慮すると、乾燥後の膜厚が、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下である。また、RFIDに必要な導電性等を考慮すると、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上である。
また本発明のRFIDの導電性パターンの製造方法によって得られる導電性パターンの表面抵抗率は、UHF帯RFIDのアンテナ等に適している点等を考慮すると、好ましくは100Ω/□以下である。また、好ましくは10Ω/□以上である。
本発明のRFIDの導電性パターンの製造方法において、前記RFIDの導電性パターンを形成する工程および前記塗布したRFID用インキ組成物を乾燥する工程を繰り返して行ってもよい。例えば、これらの工程を少なくとも各々2回行い、膜厚5μm以下、且つ表面抵抗率100Ω/□以下であるRFIDの導電性パターンを形成することもできる。このように塗布と乾燥を繰り返し、重ねて塗布することで、更に高導電化することが可能となり、RFIDの導電性パターンに適した抵抗値へ容易に調整できる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の比較例、実施例において、抵抗値は次の構成で測定した。
表面抵抗測定装置 型式:Loresta−GP MCP−T600
抵抗計(三菱ケミカルアナリテック(株))
コート器具 バーコーター(第一理化(株))
Wet膜厚はバーコーターコート膜厚を参考にし、乾燥膜厚は分散液中の固形分量から計算で算出した。
(比較例1)
次の配合でインキを作製した。
溶媒(水:2−プロパノール=5:1) 240g
分散剤(BYK DISPERBYK−190 ブロック共重合物) 5〜10g
MWCNT(ナノシルNC7000) 3.2g
上記材料を混合し、スターラーにて15分間プレ分散した。次に超音波分散機にて90分分散した。完成したインキをPETフィルムへWet膜厚22〜28μmで塗布し表面抵抗率を確認した。
評価結果を表1に示す。
表1より、分散剤を低減しCNTの割合を増やすと高導電化できる。しかし、必要な分散剤量より低減すると分散できなくなるため高導電化に限界がある。
(比較例2)
比較例1において、CNTをマルチウォールCNT(MWCNT)からシングルウォールCNT(SWCNT)に変更し高導電化した。
次の配合でインキを作製した。
溶媒(水:2−プロパノール=5:1) 240g
分散剤(BYK DISPERBYK−190) 6〜10g
SWCNT(オクサイアルTUBALL CNT93%) 0.8g
上記材料を混合し、スターラーにて15分間プレ分散した。次に超音波分散機にて90分分散した。完成したインキをPETフィルムへWet膜厚22〜28μmで塗布し表面抵抗率を確認した。
評価結果を表2に示す。
表2より、SWCNTを使用することで、少ないCNT量でMWCNTと同程度の導電性を確保できることは確認できた。しかし、MWCNTと同様に、必要な分散剤量より低減すると分散できなくなるため高導電化に限界がある。
比較例1、2より、一般的なCNT分散方法(市販の分散剤を使用)で分散し作製したCNTインキでは、グラビア印刷の膜厚で塗布すると10〜10Ω/□代程度でRFIDアンテナに必要な導電性は確保できない。
(実施例1)
次の配合でインキを作製した。
溶媒(2−プロパノール:エタノール=9:1) 150g
PAA(富士フィルム和光純薬 分子量5000) 0.3〜0.9g
SWCNT(オクサイアルTUBALL CNT93%) 0.2〜0.6g
上記材料を混合し、スターラーにて15分間プレ分散した。次に超音波分散機にて90分分散した。完成したインキをPETフィルムへWet膜厚22〜28μmで塗布し表面抵抗値を確認した。
評価結果を表3に示す。インキ濃度、膜厚による表面抵抗率の変化を図1に示す。
UHF帯RFIDのアンテナに適した表面抵抗率は50Ω/□前後(10〜100Ω/□)といわれている。表3より、PAAを分散剤に用いた場合、グラビア印刷における一般的な塗膜厚(1μm未満〜数十μm)で高い導電性が得られ、グラビア印刷等によって安価に高速でRFIDアンテナを作製できる。
(実施例2)
4種類のポリアクリル酸(MW=5000、25000、250000、1000000)をそれぞれ用いた場合における、分散時間、粘度、塗膜強度の検証を行った。
次の配合でインキを作製した。
SWCNT OCSiAl TUBALL 93%:0.20g
PAA(ポリアクリル酸) 富士フィルム和光純薬(株):0.30g
IPA(2−プロパノール):135g
エタノール:15g
分散時間、粘度、塗膜強度は次の条件で評価した。
分散時間:任意の分散時間で分散液の一部を用いて机上に塗布し目視にて分散状態、及び抵抗値を確認
粘度:ザーンカップ(離合社)にて測定後CPSに単位換算
塗膜強度:磨耗堅牢度試験機にて耐磨耗性評価 荷重200g 磨耗子カナキン3号 速度毎分30往復
評価結果を表4に示す。
表4より、導電性を評価する場合、分子量の小さいPAAを使用したほうがより高導電化には有利である。しかしながらRFID用アンテナを印刷する観点から、印刷インキとして評価した場合、分子量の大きいPAAを使用したほうが、SWCNTの分散時間の短縮、塗膜強度の向上において利点が見られる。これらの点において、PAA分子量5,000、25,000が最も良好であった。分散時間は分子量25,000が最も早く分散が終了し、インキ作製コストに利点がある。
(実施例3)
実施例1で作製した濃度倍率1倍のインキ(溶媒150g、PAA0.3g、SWCNT0.2g)を用いPETフィルムへWet膜厚22μmで1〜4回重ねて塗布し表面抵抗率を確認した。評価結果を表5に示す。重ね回数による表面抵抗率の変化を図2に示す。
表5より、印刷機によって重ねて塗布することで、更に高導電化でき、RFID用アンテナに適した表面抵抗率への調整が容易である。

Claims (8)

  1. RFIDの導電性パターンを形成するためのRFID用インキ組成物であって、
    カーボンナノチューブと、その分散剤として機能する高分子酸を含むカーボンナノチューブ分散液である、RFID用インキ組成物。
  2. 前記カーボンナノチューブの濃度が0.005重量%以上1重量%以下、前記高分子酸の濃度が0.005重量%以上5重量%以下、且つ前記カーボンナノチューブと前記高分子酸との重量比が1:0.8以上1:5以下である、請求項1に記載のRFID用インキ組成物。
  3. 前記カーボンナノチューブの濃度が0.05重量%以上0.9重量%以下、前記高分子酸の濃度が0.075重量%以上4.5重量%以下、且つ前記カーボンナノチューブと前記高分子酸との重量比が1:1以上1:4以下である、請求項1又は2に記載のRFID用インキ組成物。
  4. 前記高分子酸は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びポリ(p−スチレンスルホン酸)から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のRFID用インキ組成物。
  5. 前記高分子酸はポリアクリル酸であり、その重量平均分子量が500以上250,000以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のRFID用インキ組成物。
  6. 以下の工程を含む、RFIDの導電性パターンの製造方法:
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のRFID用インキ組成物をID情報搭載用の基材に塗布する工程;および
    前記塗布したRFID用インキ組成物を乾燥し、膜厚5μm以下、且つ表面抵抗率100Ω/□以下であるRFIDの導電性パターンを形成する工程。
  7. 前記塗布したRFID用インキ組成物を乾燥し、膜厚1μm以下、且つ表面抵抗率100Ω/□以下であるRFIDの導電性パターンを形成する請求項6に記載のRFIDの導電性パターンの製造方法。
  8. 前記RFIDの導電性パターンを形成する工程および前記塗布したRFID用インキ組成物を乾燥する工程を繰り返して少なくとも各々2回行い、膜厚5μm以下、且つ表面抵抗率100Ω/□以下であるRFIDの導電性パターンを形成する請求項6に記載のRFIDの導電性パターンの製造方法。
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