JP2020090399A - ガラス容器の製造方法及びガラス容器 - Google Patents

ガラス容器の製造方法及びガラス容器 Download PDF

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Abstract

【課題】内周に形成される内栓用の係合部分を高精度に形成することができるガラス容器の製造方法及びガラス容器を提供する。【解決手段】ガラス容器であるガラスビン11の首部16には、飲み口ライン18より下方となる位置に、係合部としての環状凸部21が形成される。環状凸部21は、仕上型工程(二次工程)においてファイナルブローにより仕上型の内周面形状に沿って形成される。そのため、外周側の凸面22と内周側の凹面23との肉厚が一定になり、環状凸部21の寸法精度が高い。このように形成された環状凸部21の凹面23に対し、内栓のための筒状パッキンに形成された爪を係合させることにより、シール性能の高い内栓タイプのガラスビン11を得ることができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、ガラス容器の製造方法及びガラス容器に関する。
従来のガラスビンは、口部の外周にネジ溝を形成するなどして、外栓によって栓をするタイプが主流である。内栓を採用したガラスビンも提供されているが、例えば一升瓶の内栓のように、内栓の弾力のみに依存して栓をするタイプが一般的である。文献上では、単なる弾力のみに依存せずに、ガラスビンの内周に内栓が固定される内ネジを形成する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、ガラスビンは、一般に、口型及び粗型による粗型工程(一次工程)と、仕上型による仕上型工程(二次工程)とを経て成形される。そして、特許文献1では、内栓を固定する内ネジは、口部を成形する一次工程の際に、先端がネジ形状とされる特殊形状のプランジャを用いて成形される。
特公平5−65450号公報
しかしながら、一次工程では、口部の外周形状は口型の内周形状に沿って比較的高精度に成形されるものの、口部の内周形状は比較的低精度になり易い。これは、ブロー成形する場合に大きな風力がビン内部に付与されるため、口部内周の凹凸が十分に固化する前に吹き飛ばされて、凹凸部分がなだらかになってしまうためであると考えられる。
そのため、特許文献1に示される内ネジは寸法精度が低くなる。特に、比較的小さな凹凸によって内ネジその他の係合部をビン内周に形成しようとすれば、係合部が低精度であるがゆえに、製品誤差が大きくなり、シール不良になるビンが多発することも懸念される。このような事情も、内栓タイプより外栓タイプのガラスビンが大半を占める原因の一つになっていると考えられる。
なお、このような問題は、ガラスビン等のガラス容器の成形方法が、ブロー&ブロー成形であっても、プレス&ブロー成形であっても、同様に発生し得る。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、内周に形成される内栓用の係合部分を高精度に形成することができるガラス容器の製造方法及びガラス容器を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明のガラス容器の製造方法は、
口型及び粗型によって、ゴブに対しガラス容器の口部になる部分を形成してパリソンにする粗型工程と、
仕上型によって、前記パリソンの前記口部側から圧縮空気を吹き込んでガラス容器の全体形状を確定する仕上型工程と、
を備え、
前記仕上型の内周面には、前記ガラス容器の首部に対応する位置に、下方又は斜め下方へ向けた下方面を形成しておき、
前記仕上型工程において、前記圧縮空気を吹き込むことにより、前記首部の内周において前記下方面に対応する位置に、前記ガラス容器に内栓を装着するための筒状パッキンが係合される係合面を形成することを特徴とする。
本発明のガラス容器の製造方法によれば、肉厚を一定にしやすい仕上型工程において、仕上型の内周に下方面を形成しておくことにより、首部に内栓を装着するための筒状パッキンが係合される係合面を高精度に製造することができる。
前記下方面は、前記首部の周方向へ環状に形成されていることが好ましい。このようにすれば、周方向の一部に係合面を形成する場合に比べ、係合面の寸法精度が一層高くなる。また、係合面が環状に形成されることから、筒状パッキン側に周方向の方向性がなくなる利点もある。
また、前記筒状パッキンに、前記係合面に係合される爪部を設けておき、前記仕上型工程による成形後に、前記筒状パッキンを前記口部より圧入して、前記爪部を前記係合面に係合させる工程を更に備えることが好ましい。このようにすれば、ガラス容器に筒状パッキンを圧入することにより、ガラス容器の係合面と筒状パッキンの爪部との間をシールすることができ、筒状パッキンと内栓とが別体である場合には、筒状パッキンを含むガラス容器にシール性能を付与することができる。
本発明のガラス容器は、
口部と、首部と、肩部と、胴部と、底部と、を備えるガラス容器であって、
内栓を装着するための筒状パッキンが係合される係合面が、前記首部の内周面のうち飲み口ラインより下方となる位置に一体形成されており、
前記係合面に対応する前記首部の厚みは、前記首部のうち前記係合面が形成されていない部分とほぼ同一の厚みであり、
前記筒状パッキンに設けられた爪部が、前記係合面に係合されることを特徴とする。
本発明のガラス容器によれば、首部のうち飲み口ラインより下方となる位置に係合面が形成されており、そこに筒状パッキンを装着することにより、ガラス容器の係合面と筒状パッキンとの間をシールすることができる。首部のうち係合面に対応する位置もそれ以外の位置もほぼ同一の厚みになっており、この形状はガラス容器の仕上型工程(二次工程)におけるブロー成形で形成されているといえるため、係合面の寸法精度が高く、ガラス容器に高いシール効果を付与することができる。
前記筒状パッキンの外周面には、前記首部を介して当該ガラス容器の外部から視認可能な情報が表示されていることが好ましい。これにより、従来はガラス容器の外周側に貼付物をつけたり、首部にPOPをぶら下げたり、外栓に印刷を施したりして情報を表示するしかなかったが、利用者が目視可能でありつつも、アクセスしにくい容器内側に表示をすることができる。
また、前記爪部は前記筒状パッキンの下端部に設けられており、前記爪部と前記係合面とにより、当該ガラス容器の内周と前記筒状パッキンの外周との間がシールされていることが好ましい。これにより、ガラス容器の内周と前記筒状パッキンの外周との隙間に、液体等の内容物がしみ込んでこないので、ガラス容器の見栄えが悪化するのを抑制することができ、筒状パッキンの外周面に情報表示を行う場合にはその表示領域を広くとることができるようになる。
ガラスビンの正面図。 (a)はガラスビン、筒状パッキン及び内栓を個別に示す正面図、(b)はこれらを組み合わせた状態を示す断面図。 ガラスビンの成形工程を示す工程説明図。 ガラスビン、筒状パッキン及び内栓の他の実施形態を示す断面図。 筒状パッキンの他の実施形態を示す平面図並びにガラスビン及び筒状パッキンの他の実施形態を示す断面図。
以下、図面を参照しながら、実施形態を説明する。
<ガラスビン11>
図1に示すように、ガラス容器の代表例であるガラスビン11は、透明又は半透明のガラスによって形成され、ビン外部からビン内部を視認することができるようになっている。ガラスビン11は、筒状の胴部12と、胴部12の下端側から連続する裾部13と、裾部13の下端を閉塞する底部14とが一体形成されている。胴部12の上端側からは、上方へ向かうほど径が小さくなる肩部15が一体形成されている。肩部15の上端側からは、後述する環状凸部21を除いてほぼ同一径のまま上方へ延びる首部16が一体形成されている。首部16の上端には、内周側が首部16とほぼ同一径とされ、外周側が首部16よりも大径となる口部17が一体形成されている。口部17と首部16との境界付近には、ガラスビン11の製造過程で形成される飲み口ライン18が発現している。
首部16には、その上下方向中間位置であって飲み口ライン18よりも下方となる位置に、ガラスビン11の外周側へ凸となる環状凸部21が一体形成されている。環状凸部21に対応するガラスビン11の外周面は外側からみて凸面22になっており、環状凸部21に対応するガラスビン11の内周面は内側からみて凹面23になっている。凹面23のうち上部が、斜め下方に向いた係合面である。凸面22と凹面23との間隔である環状凸部21の厚みは、首部16や胴部12など、口部17以外の周面とほぼ同一の厚みに形成されている。なお、以上の説明において、同一とせずに、ほぼ同一としているのは、ガラスビン11の製造上、肉厚や径が完全に同一になることは不可能であるためである。
図2に示すように、ガラスビン11の内周側には、筒状パッキン31が取り付けられる。筒状パッキン31は、ガラスビン11との間をシールしつつ、内栓41を取り付けるためのものである。筒状パッキン31は、ポリエチレンやシリコンゴム等の弾性を有する合成樹脂材料によって形成されている。筒状パッキン31は、外径が口部17及び首部16の内径と同一か若干小さく形成された本体筒部32を備えており、口部17の開口より上方からガラスビン11の内部に圧入される。本体筒部32の上端部には、外周方向へ突出するフランジ部33が一体形成されており、筒状パッキン31の圧入時に口部17の上面に当接して、それ以上、筒状パッキン31がビン内部に入り込まないようにしている。
本体筒部32の下端部には、外周方向へ突出する爪部34が一体形成されている。爪部34は、上下方向の下部において、下方ほど外径が小さくなっている第1テーパ面35を有しており、爪部34の下端部の外径は口部17の内径と同一かそれより小さい径とされる。これにより、筒状パッキン31をガラスビン11の内部に圧入する際、第1テーパ面35が口部17の内周側に入り込むため、筒状パッキン31が口部17に引っ掛からず、かつ本体筒部32及び爪部34を内周側へ弾性変形させることができる。
爪部34は、上下方向の上部において、下方ほど外径が大きくなっている第2テーパ面36を有している。第2テーパ面36の下端は第1テーパ面35の上端と接続され、第2テーパ面36の上端は本体筒部32の外周面と接続されている。第2テーパ面36が凹面23の上部に当接した位置において、フランジ部33が口部17の上端に当接する位置関係となるように、フランジ部33と爪部34との間隔が予め設定されている。
凹面23の上部は、下方ほどガラスビン11の内径を大きくするようにして、斜め下方へ延びる形で形成されており、フランジ部33が口部17の上端に当接した状態では、爪部34の第2テーパ面36と凹面23の上部との接触部分において、予圧がかけられた状態となる。したがって、ガラスビン11と筒状パッキン31との間が、爪部34の第2テーパ面36と凹面23の上部との間でシールされ、それらの間のシール部分より上方へはガラスビン11の内容物が入り込まないようになっている。そのため、本体筒部32を主体とする筒状パッキン31の外周面に、広告や懸賞等の情報を案内する案内表示37を印刷等によって行った場合、ガラスビン11を介して、ガラスビン11の内容物が邪魔になることなく、案内表示37を外部から視認することができるようになる。
内栓41は、筒状パッキン31に対して上方から押し込まれる。内栓41は、本体筒部32に入り込む一定の弾力をもった円柱形状の封止部42と、封止部42の上端から外周側に延びるフランジ形状の操作部43とを備えている。内栓41を筒状パッキン31に対し上方から下方へ向けて押し込むことにより、封止部42の外周面と本体筒部32の内周面とが弾力によって密着する。これにより、内栓41と筒状パッキン31との間から、ガラスビン11の内容物が漏れ出ないようになっている。内栓41を筒状パッキン31に押し込んだ場合、操作部43はフランジ部33の上面に当接した位置で位置決めされる。操作部43は、ガラスビン11の内部へ内栓41が没入することを防止しながら、開封時に内栓41を引き抜く場合には手で引っ張ることのできる操作対象となる。なお、内栓41の固定状態で封止部42の上端が筒状パッキン31の上端よりも上方に配置されている等、他の開封方法がある場合には、操作部43は必須ではない。
<ガラスビン11の製造方法>
次に、図3を参照しながら、上記のように構成されるガラスビン11の製造方法を、その製造に用いる金型等の製造装置とともに説明する。本実施形態では、ブロー&ブロー成形によってガラスビン11が製造されるが、プレス&ブロー成形によって製造するものであってもよい。
ガラスビン11のブロー&ブロー成形工程は、粗型工程(一次工程)と仕上型工程(二次工程)とからなる。粗型工程は、ゴブイン工程、セッツルブロー工程、カウンターブロー工程を含む。粗型工程の後、仕上型工程に移行するインバート工程が実行される。仕上型工程は、ファイナルブロー工程を含む。以下、各工程について説明する。
(a)ゴブイン工程
図3(a)に示すように、上下方向に貫通する筒状に形成された粗型51の下端部には、口型52が配置されている。口型52は環状に形成されており、口型52の内周には口部17の外周形状に合わせた口部形成凹部53が環状に形成されている。口型52の内周側には、下方からプランジャ54が差し込まれている。プランジャ54の最先端部はドーム状に形成されており、最先端部を除く先端部の外周径は口部17の内周径と同一になるようにして形成されている。一方、粗型51の上端部には、漏斗形状のファンネル55が配置されている。
ゴブイン工程では、プランジャ54が、口部形成凹部53より下方位置において口型52の内周面に接しており、口型52とプランジャ54とによって粗型51のキャビティを下方において閉じている。この状態で、ガラスを溶融してなる高温のゴブ(ガラス塊)Gがファンネル55に案内された後、粗型51のキャビティ内に投入される(ゴブイン)。ゴブGは、下端がプランジャ54の最先端部に支えられた状態で粗型51のキャビティ内にとどまる。
(b)セッツルブロー工程
ゴブイン工程の次に、セッツルブロー工程が実行される。この工程では、図3(b)に示すように、ファンネル55の上端にバッフル56が配置される。そして、バッフル56に形成された空気通路を介して、図示しないコンプレッサから圧縮空気が粗型51内に吹き入れられること(セッツルブロー)により、粗型51内のゴブGが下方へ押し付けられて変形する。その押し付けにより、口部形成凹部53とプランジャ54との間に入り込んだゴブGの下端部によって口部17が概ね形成される。
(c)カウンターブロー工程
セッツルブロー工程の次に、カウンターブロー工程が実行される。この工程では、図3(c)に示すように、ファンネル55が粗型51の上端部から退避し、バッフル56が粗型51の上端部に配置される。この状態では、バッフル56の下面によって粗型51のキャビティ上部が閉塞されている。
一方、プランジャ54が口型52よりも下方へ一定距離退避することにより、プランジャ54と口型52との間に空気通路が形成される。この空気通路を介して図示しないコンプレッサから圧縮空気を粗型51内に吹き入れること(カウンターブロー)により、粗型51内のゴブGが粗型51及びバッフル56の下面によって形成されたキャビティに沿い、かつ、下方に開口するビン形状の原型となるパリソンPが形成される。
(d)インバート工程
本工程により、粗型工程(一次工程)から仕上型工程(二次工程)に移行させる。インバート工程は、粗型工程によって形成されたパリソンPを仕上型61に投入する工程である。詳細には、図3(a)〜図3(c)に示すように、カウンターブロー工程までに用いた口型52を、粗型工程において、反転装置62の口型ホルダ63によって把持させておく。
粗型工程の終了後、バッフル56を退避させるとともに粗型51を型開きし、反転装置62の水平軸である回転軸64を180度回転させる。これにより、口型ホルダ63及び口型52とともにパリソンPも180度反転し、図3(d)に示すように、パリソンPを仕上型61のキャビティ内に投入(インバート)することができる。なお、仕上型61のキャビティ形状は、仕上型61の内周形状と、仕上型61の下端に設置された底型65の上面形状とによって規定される。
(e)ファイナルブロー工程
インバート工程の終了後、口型52を型開きし、口型ホルダ63を口型52とともに仕上型61から退避させる。その後、図4(e)に示すように、仕上型61の上面にブローヘッド66が装着される。ブローヘッド66には上下方向に貫通する空気通路が形成されている。この空気通路を介して図示しないコンプレッサから圧縮空気を、仕上型61のキャビティに収容されたパリソンP内に吹き入れる(ファイナルブロー)。これにより、パリソンPが仕上型61のキャビティ形状(姿面)に沿うまで膨張し、図4(f)に示すように、口部17を除く箇所の肉厚を概ね均一にした高温のガラスビン11が形成される。
その後、仕上型61を開き、例えばテイクアウトトング等の把持機構によってガラスビン11の口部17を持ち上げ、冷却その他の搬送工程へと移送させる。なお、一次工程においてパリソンPを成形するに際して口型52によって口部17を概ね形成しておき、その後、二次工程において口部17以外をファイナルブローによって形成するため、口型52によって拘束されていた部分とファイナルブローによって均一の肉厚に形成される部分との間に、飲み口ライン18が形成されることになる。
ここで、仕上型61の内周面のうち、ガラスビン11の環状凸部21に対応する位置には、環状凸部21を形成するために、凸面22と同じ内周形状となる環状溝67が形成されている。環状溝67のうち上部を形成する斜め下方を向いた面が下方面である。環状溝67の内周面では、ファイナルブローによって環状凸部21が形成されることから、口部17を除く他の部位とほぼ同じ肉厚かつ均一の肉厚に形成される。その結果、環状凸部21は、設計通りの高精度な寸法になる。また、環状凸部21はファイナルブローによって形成されるため、飲み口ライン18より下方に位置する。
ガラスビン11の仕上型工程が完了した後、ガラスビン11の製造工場又は他の工場において、口部17側から筒状パッキン31を圧入してシールするシール工程と、ガラスビン11に内容物(例えばジュース等の飲み物)を充填する充填工程と、内栓41を装着して封止する封止工程とが実施される。なお、充填工程は、シール工程より前に行われてもいいし、後に行われてもよい。
<本実施形態から得られる効果>
以上説明したガラスビン11及びその製造方法によれば、以下に示す効果が得られる。
首部16のうち飲み口ライン18より下方となる部分に、筒状パッキン31を係合させる係合部として環状凸部21を形成した。これにより、ガラスビン11に製品誤差の少ない範囲で内栓41を採用できる。また、環状凸部21及び爪部34がいずれも周方向全域に同一形状となる環状に形成されているため、筒状パッキン31の装着に際して方向性がなくなる利点がある。
従来の係合部は粗型工程においてプランジャの形状を工夫することにより形成していたことから、係合部の寸法精度が低いという問題があった。この点、仕上型61に環状溝67を形成しておき、仕上型工程においてファイナルブローによって係合部である環状凸部21を形成するようにしたことにより、肉厚が一定となる寸法精度の高い環状凸部21を形成することができる。そのため、環状凸部21や爪部34が比較的小さいものであっても寸法誤差が小さくなり、両者間を確実にシールすることができる。また、仕上型61の内周形状を変更するだけで、従来のガラスビン11の成形工程と全く同じ工程で環状凸部21を成形することができ、製造ラインの大きな変更を伴わない利点もある。
筒状パッキン31の外周面には、透明性のあるガラスビン11の外部から視認可能な案内表示37を印刷等によって付与することができる。しかも、環状凸部21と爪部34とにより、首部16と筒状パッキン31との間がシールされているため、ガラスビン11の内容物が案内表示37に干渉することがない。さらに、ガラスビン11との間でシールポイントを形成する爪部34が筒状パッキン31の下端部に設けられているため、案内表示37のための領域を広くとることができる。したがって、従来のようにガラスビン11の外周に行っていた各種表示の一部を、ガラスビン11の内周側に付与することができる。ガラスビン11の内周側において行われる表示に対してはアクセスが容易ではないことから、案内表示37を改変される等の問題が発生しにくい利点もある。
<ガラスビン11、筒状パッキン31、内栓41の変形例>
以下、上記ガラスビン11、筒状パッキン31、内栓41の変形例を説明する。
(1)上記実施形態では、筒状パッキン31と内栓41とを別体とした例を示したが、これらを一体にしてもよい。例えば、図4(a)に示すように、筒状パッキン31の本体筒部32の上面を封止部71によって封止して、パッキンとしても機能する内栓72を構成してもよい。
(2)ガラスビン11の首部16において、筒状パッキン31の爪部34と係合する部分を、図4(b)に示すように、環状凸部21に代えて段差部74としてもよい。段差部74は下方ほど径が大きくなる傾斜がつけられており、首部16は段差部74の上方より段差部74の下方が大径となっている。この段差部74も仕上型工程(二次工程)において、仕上型61の内周形状をこれらの形状に合わせることにより成形される。
(3)ガラスビン11の首部16において、筒状パッキン31の爪部34と係合する部分を、図4(c)に示すように、環状凸部21に代えて環状凹部75としてもよい。環状凹部75はガラスビン11の外周からみて内周側へ凹んだ環状部分によって形成され、ガラスビン11の内周側からみると、内周側へ突出した環状の凸面が形成されている。この環状凹部75も仕上型工程(二次工程)において、仕上型61の内周形状をこれらの形状に合わせることにより成形される。
なお、環状凹部75を採用する場合、筒状パッキン31の外周部において少なくとも環状凹部75と対応する部分の外径を、環状凹部75の最小内径(内周側への最大突出部分の内径)と同一かそれより小さくするとよい。これにより、筒状パッキン31の圧入時の抵抗を減らすことができる。また、この場合、筒状パッキン31の外径を小さくした部分の上端には下方に面を向けた段差面76が形成される。上記実施形態では、フランジ部33と爪部34との間隔によって第2テーパ面36のシール部分に予圧を付与していたが、この変形例では、段差面76と爪部34との間隔によって第2テーパ面36のシール部分に予圧を付与することもできる。この場合、フランジ部33は予圧を付与する機能が不要になる。
(4)図4(d)に示すように、筒状パッキン31として、内周面に内ネジ73を形成したものを用いてもよい。この場合、内栓には外周に外ネジが形成されたものが用いられる。図4(e)は、図4(b)の変形例において内ネジ73を形成した例を示している。図4(f)は、図4(c)の変形例において内ネジ73を形成した例を示し、かつ、フランジ部33に予圧を付与する機能が不要になった場合における、フランジ部33を省略した例を示している。
(5)上記実施形態や上記変形例に示されるように、ガラスビン11の筒状パッキン31との係合部である環状凸部21、段差部74、環状凹部75は、爪部34が係合できるように、内周面に下方に向けた面(係合面)が形成されていればよい。したがって、係合面は斜め下方ではなく真下に向けたものであってもよい。
(6)ガラスビン11の筒状パッキン31との係合部である環状凸部21、段差部74、環状凹部75は、飲み口ライン18より下方となる首部16のいずれかの高さ位置に形成されていればよい。首部16のうち比較的下部に係合部が形成される場合、筒状パッキン31の上下方向の長さが長くなるため、案内表示37の表示領域が大きくなり、広告や内容物の表示など、多様な表示態様を選択することが可能となる。
(7)ガラスビン11の内容物によっては、内栓41に代えて、筒状パッキン31の上面をフィルム等の薄型シールによって塞ぐだけあってもよい。この場合、筒状パッキン31と薄型シールとにより内栓が構成されているといえる。また、内栓は口部17の開口を完全に密封するものでなくてもよく、例えば、錠剤を所定量ずつ排出できるようにした貫通孔をもったような内栓も含む。
(8)ガラスビン11のリサイクルのためには、筒状パッキン31をユーザが工具を使うことなく手で容易に取り外すことができるようになっているとよい。例えば、図5(a)に示すように、筒状パッキン31のフランジ部33から外周側へ突出する摘み部81を一体形成しておく。このようにすれば、内容物がなくなってから、摘み部81の先端側を手でもって摘み部81の基端側へ引っ張ることにより、筒状パッキン31を変形させることができる。そして、筒状パッキン31をある程度変形させた状態で摘み部81を上方へ持ち上げることにより、筒状パッキン31を引き抜くことができる。なお、筒状パッキン31は爪部34においてガラスビン11の内周とシールされているため、筒状パッキン31のうち爪部34より上方位置において、肉厚を薄くした部分や破断部を上下方向に形成して、摘み部81を引っ張った場合に筒状パッキン31の変形が促されるようにしてもよい。
(9)筒状パッキン31に内ネジ73を形成したタイプでは、ガラスビン11の内容物がオイル等の潤滑性のあるものである場合、ガラスビン11に対して筒状パッキン31が回転してしまい、内栓41と筒状パッキン31とが供回りして内栓41を着脱しにくくなる可能性がある。したがって、内ネジ73を形成する場合、ガラスビン11に対して筒状パッキン31が回転しないようにすることもできる。例えば、首部16の横断面(水平方向断面)形状を、四角形等の多角形や楕円形にするなどして、非真円形状にすることが考えられる。この形状に合わせて、筒状パッキン31の本体筒部32を横断面形状が非真円形状となるように形成すれば、ガラスビン11に対して筒状パッキン31が回転しなくなる。
(10)上記変形例(9)では、ガラスビン11の首部16の形状を変更して内栓41と筒状パッキン31との供回りを防止する例を示したが、首部16の形状に依存することなく供回りを防止することもできる。例えば、図5(b)に示すように、ガラスビン11の口部17上面のうち周方向の一部に凸部82を設け、筒状パッキン31のフランジ部33下面には凸部82に嵌まり込む凹部83を設ける。このようなキー溝構造によって、ガラスビン11に対する筒状パッキン31の回り止めを図ることができる。また、図5(c)に示すように、口部17上面のうち周方向の一部に凹部84を設け、フランジ部33下面に凹部84に嵌合する凸部85を設けてもよい。
11…ガラスビン(ガラス容器)、12…胴部、13…裾部、14…底部、15…肩部、16…首部、17…口部、18…飲み口ライン、21…環状凸部、22…凸面、23…凹面(係合面)、31…筒状パッキン、32…本体筒部、33…フランジ部、34…爪部、35…第1テーパ面、36…第2テーパ面、37…案内表示、41…内栓、42…封止部、43…操作部、51…粗型、52…口型、53…口部形成凹部、54…プランジャ、55…ファンネル、56…バッフル、61…仕上型、62…反転装置、63…口型ホルダ、64…回転軸、65…底型、66…ブローヘッド、67…環状溝、71…封止部、72…内栓、73…内ネジ、74…段差部、75…環状凹部、76…段差面、81…摘み部、82…凸部、83…凹部、84…凹部、85…凸部、G…ゴブ、P…パリソン。

Claims (6)

  1. 口型及び粗型によって、ゴブに対しガラス容器の口部になる部分を形成してパリソンにする粗型工程と、
    仕上型によって、前記パリソンの前記口部側から圧縮空気を吹き込んでガラス容器の全体形状を確定する仕上型工程と、
    を備え、
    前記仕上型の内周面には、前記ガラス容器の首部に対応する位置に、下方又は斜め下方へ向けた下方面を形成しておき、
    前記仕上型工程において、前記圧縮空気を吹き込むことにより、前記首部の内周において前記下方面に対応する位置に、前記ガラス容器に内栓を装着するための筒状パッキンが係合される係合面を形成することを特徴とするガラス容器の製造方法。
  2. 前記下方面は、前記首部の周方向へ環状に形成されている請求項1に記載のガラス容器の製造方法。
  3. 前記筒状パッキンに、前記係合面に係合される爪部を設けておき、
    前記仕上型工程による成形後に、前記筒状パッキンを前記口部より圧入して、前記爪部を前記係合面に係合させる工程を更に備える請求項1又は2に記載のガラス容器の製造方法。
  4. 口部と、首部と、肩部と、胴部と、底部と、を備えるガラス容器であって、
    内栓を装着するための筒状パッキンが係合される係合面が、前記首部の内周面のうち飲み口ラインより下方となる位置に一体形成されており、
    前記係合面に対応する前記首部の厚みは、前記首部のうち前記係合面が形成されていない部分とほぼ同一の厚みであり、
    前記筒状パッキンに設けられた爪部が、前記係合面に係合されることを特徴とするガラス容器。
  5. 前記筒状パッキンの外周面には、前記首部を介して当該ガラス容器の外部から視認可能な情報が表示されている請求項4に記載のガラス容器。
  6. 前記爪部は前記筒状パッキンの下端部に設けられており、前記爪部と前記係合面とにより、当該ガラス容器の内周と前記筒状パッキンの外周との間がシールされている請求項4又は5に記載のガラス容器。
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