JP2020089833A - ガス吸着装置及びガス吸着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一過式のガス吸着カラムに充填したガス吸着材の性能を最大限に引き出すことの可能なガス吸着装置を提供する。【解決手段】 ガス処理装置1は、プロパンガスボンベ2と、このプロパンガスボンベ2とガス吸着カラム4とを連通する燃料ガス供給配管3A及びガス吸着カラム4からの排出配管3Bとを備える。ガス吸着カラム4には冷却手段5が付設されており、これらガス吸着カラム4と冷却手段5とにより、ガス吸着装置が構成される。そして、燃料ガス供給配管3Aの基端側には流量計6が設けられており、さらにプロパンガスGの吸着を確認するために後述するパージ領域Aの下流側には供給ガスのカロリー計7が設けられている一方、排出配管3Bには排出ガスのカロリー計8がそれぞれ設けられている。【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス吸着材を充填した一過式のガス吸着カラムを備えたガス吸着装置及びこれを用いたガス吸着方法に関し、特に一過式のガス吸着カラムに充填したガス吸着材の性能を最大限に引き出すことの可能なガス吸着装置及びこれを用いたガス吸着方法に関する。
従来、都市ガスのガスメータの交換やプロパンガスボンベの交換などの処理では、配管内に燃料ガスが残存しているため、そのまま処理すると燃焼性の燃料ガスを大気に放散させたり、付臭ガス成分が拡散したりするため好ましくない。また、これとは逆に燃料ガスの配管に対しパージ処理を行う際には、配管内を燃料ガスで置換してやる必要があり、所定のカロリーとなるまで燃料ガスと管内空気との混合ガスを排出する必要がある。このような場合において、都市ガスの成分であるメタンガスは空気よりも軽い一方、プロパンガスは空気より重いため、高層マンションでの燃料ガスの漏洩は作業階だけでなくその上下の階層にも配慮する必要があり、地上階においては近隣周辺にも配慮する必要がある。そこで、従来はガス吸着材を充填した減圧ガス吸着容器を接続して、このガス吸収容器に燃料ガスを吸収させることで、燃料ガスの漏洩を防止することが行われている。
この減圧容器に燃料ガスを吸収させる方法では、燃料ガスだけでなく、混合ガス成分や空気なども一緒に吸収し、容器内が常圧になるとそれ以上吸収できなくなるため、この減圧容器は、十分な量の燃料ガスを吸収させるために大型の容器で減圧容器としての耐圧性を備えたものとする必要があり、さらに多量のガス吸着材を充填することになるので、重量の増大に伴い持ち運び等の作業性が良好でない。
このように減圧容器に燃料ガスを吸収させる方法では、減圧容器が大容量とならざるを得ないので、最近では小型化が可能であることから、燃料ガスがガス吸着材を通過する際に対象となる燃料ガス成分を選択的に吸着する一過式のガス吸着カラムも開発されつつある。このようなガス吸着材としては、活性炭やゼオライトが用いられるが、これらの吸着材はその吸着能に温度依存性があり、温度が高くなると吸着能は低下する。
上述したように一過式のガス吸着カラムは、減圧容器方式と比べて小型である点に特徴があるので収容できるガス吸着材の量には制限がある。その一方で、活性炭やゼオライトなどのガス吸着材は、ガス成分を吸着すると吸着熱が発生する。これによりガス吸着材自身の温度も上昇するため、そのガス吸着量が低下し、ガス吸着材の性能を十分に引き出すことができない、という問題点がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、一過式のガス吸着カラムに充填したガス吸着材の性能を最大限に引き出すことの可能なガス吸着装置及びこれを用いたガス吸着方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第一に本発明は、細粒状多孔質ガス吸着材を充填してなり、吸着対象となるガスの入口と処理後のガスの出口とを有するガス吸着カラムと、前記ガス吸着カラム内の細粒状多孔質ガス吸着材を冷却する冷却手段とを備える、ガス吸着装置を提供する(発明1)。
かかる発明(発明1)によれば、細粒状多孔質ガス吸着材がガス成分を吸着すると吸着熱が発生するが、冷却手段で細粒状多孔質ガス吸着材を冷却することにより、ガス吸着材のガス吸着量の低下を防止し、その性能を最大限に引き出すことができる。
上記発明(発明1)においては、前記冷却手段が、前記ガス吸着カラムに付設された空冷機構、水冷機構、ペルチェ素子、冷媒による冷却装置又は吸熱装置のいずれかであることが好ましい(発明2)。
かかる発明(発明2)によれば、これらの冷却手段は汎用的なものであり、既存の一過式ガス吸着カラムにこれらを付設するだけでガス吸着装置を構成することができる。
上記発明(発明1)においては、前記冷却手段が、前記ガス吸着カラム内の細粒状多孔質ガス吸着材に水分を吸収させることが好ましい(発明3)。
かかる発明(発明3)によれば、ガス成分の吸着により細粒状多孔質ガス吸着材が吸着熱により発熱しても、細粒状多孔質ガス吸着材に吸収させた水分が気化することで気化熱を奪うことにより、細粒状多孔質ガス吸着材が冷却されるので、既存の一過式ガス吸着カラムに簡単な操作を加えるだけでガス吸着材のガス吸着量の低下を防止し、その性能を最大限に引き出すことができる。
上記発明(発明1〜3)においては、前記吸着対象となるガスが、メタンガス、プロパンガス、ブタンガス、またはこれらのガスを主成分とする混合ガスであることが好ましい(発明4)。
かかる発明(発明4)によれば、このガス吸着装置は、一般に流通しているメタンガス、プロパンガス、ブタンガス、またはこれらのガスを主成分とする混合ガスなどの燃料ガスの吸着に好適に対応することができる。
上記発明(発明1〜4)においては、前記細粒状多孔質ガス吸着材が、炭素系多孔質材料、ゼオライト、シリカゲル、又は多孔質アルミナから選ばれたものであることが好ましい(発明5)。
かかる発明(発明5)によれば、これらの細粒状多孔質ガス吸着材は、ガス成分に対して高い吸着能を発揮する一方で、温度上昇によりガス吸着能の低下が顕著であるので、この細粒状多孔質ガス吸着材を冷却することで、その性能を最大限に引き出すことができる。
また、第二に本発明は、細粒状多孔質ガス吸着材を充填してなり、吸着対象となるガスの入口と処理後のガスの出口とを有するガス吸着カラムを備えるガス吸着装置の入口側から吸着対象となるガスを流通し、前記ガス吸着カラムの出口側から処理後のガスを放出するガス吸着方法であって、前記ガスの吸着時に前記ガス吸着カラム内の細粒状多孔質ガス吸着材を冷却する、ガス吸着方法を提供する(発明6)。
かかる発明(発明6)によれば、細粒状多孔質ガス吸着材がガス成分を吸着すると吸着熱が発生するが、冷却手段で細粒状多孔質ガス吸着材を冷却することにより、ガス吸着材のガス吸着量の低下を防止し、その性能を最大限に引き出すことができる。
上記発明(発明6)においては、前記細粒状多孔質ガス吸着材を30℃以下に冷却することが好ましい(発明7)。
かかる発明(発明7)によれば、細粒状多孔質ガス吸着材の性能をほぼ維持することができるので、そのガス吸着能を特に最大限に引き出すことができる。
本発明のガス吸着装置は、ガス吸着カラム内の細粒状多孔質ガス吸着材を冷却する冷却手段を有するものであるので、ガス吸着に伴うガス吸着材のガス吸着量の低下を防止し、その性能を最大限に引き出すことができる。
本発明の第一の実施形態によるガス吸着装置を示す概略図である。 臭素添着活性炭の温度とプロパンガスの吸着能との関係を示すグラフである。
以下、本発明の第一の実施形態のガス吸着装置について詳細に説明する。
〔ガス処理装置〕
図1は、本実施形態のガス吸着装置を用いた燃料ガスとしてのプロパンガスGを処理するガス処理装置を示している。図1において、ガス処理装置1は、プロパンガスボンベ2と、ガス吸着カラム4と、このプロパンガスボンベ2とガス吸着カラム4とを連通する燃料ガス供給配管3Aと、ガス吸着カラム4からの排出配管3Bとを備える。ガス吸着カラム4には冷却手段5が付設されており、これらガス吸着カラム4と冷却手段5とにより、ガス吸着装置が構成される。そして、本実施形態においては、燃料ガス供給配管3Aの基端側(プロパンガスボンベ2側)には流量計6が設けられており、さらにプロパンガスGの吸着を確認するために後述するパージ領域Aの下流側には供給ガスのカロリー計(入口側カロリー計)7が設けられている一方、排出配管3Bには排出ガスのカロリー計(出口側カロリー計)8がそれぞれ設けられている。
上述したようなガス処理装置1において、ガス吸着カラム4に付設する冷却手段5としては、冷却フィン及び冷却ファンからなる空冷機構、水冷機構、ペルチェ素子、液体窒素などの冷媒による冷却装置又はサーモペレットなどの吸熱装置などを用いることができる。
〔燃料ガス〕
本実施形態において、吸着対象となる燃料ガスとしてプロパンガスGを用いているが、メタンガス、ブタンガスなどの他の炭化水素系のガス、またはこれらのガスを主成分とする混合ガスも同様に適用することができる。特に安全性のために着臭剤を含有しているものに対して好適に適用することができる。これらの中では、プロパンガス及びメタンガスが好適である。
(細粒状多孔質ガス吸着材)
本実施形態において細粒状多孔質ガス吸着材としては、ガス吸着能を有する多孔質材料であれば特に制限はなく、無機多孔質材料や炭素系多孔質材料を好適に用いることができる。
無機多孔質材料としては、多孔質シリカ、金属ポーラス構造体、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ゼオライト、多孔質アルミナ、酸化チタン、アパタイト、多孔質ガラス、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム等を用いることができる。また、炭素系多孔質材料としては、細粒状活性炭を用いることができる。
これらの無機多孔質材料及び炭素系多孔質材料は単独で用いてもよいし、2種類以上の素材を併用してもよい。これらの中では、炭素系多孔質材料、ゼオライト、シリカゲル又は多孔質アルミナが好ましく、特に細粒状炭素系多孔質材料が好ましい。
この細粒状炭素系多孔質材料は、一般に細孔径と極性とによって、吸着可能な分子の選択性を有する。したがって、細孔径と極性を調整することによってメタンガス、プロパンガス、ブタンガスなどの吸着対象の燃料ガスに対して好適なものとすることができる。具体的には細粒状炭素系吸着材は、平均細孔径が20Å以下であることが好ましい。平均細孔径が20Åより大きいと吸着した燃料ガスを保持するのが困難となる。なお、平均細孔径の下限については、4Åより小さい平均細孔径とするのは困難である。この細粒状炭素系吸着材は、0.3mm未満では、燃料ガスを通気した際の圧損が大きくなりすぎる一方、5mmを超えると燃料ガスが透過しやすくなるため、平均粒径0.3〜5mmであることが好ましい。なお、細粒状炭素系吸着材は、その表面積が100〜1000m/g、好ましくは200〜800m/gであることが好ましい。これら比表面積、細孔容積及び平均細孔径は、例えばマイクロトラック・ベル社製「BELSORP−max」(商品名)により測定した値である。
また、細粒状炭素系吸着材は、プロパンガス、ブタンガスなどの極性のある燃料ガスを吸着する場合には、その表面官能基を調整して極性を付与したものであることが好ましい。この細粒状炭素系吸着材の表面官能基の調整は、細粒状炭素系吸着材を炭酸ガス、窒素ガス又はアルゴンガスで賦活処理を行うことにより行うことができる。具体的には、未処理(初期状態)の細粒状炭素系吸着材の表面は、カルボキシル基やフェノール系水酸基であるが、炭酸ガスで賦活化することにより、その全部または一部を−CH末端とすることができる。特に細粒状炭素系吸着材の表面に臭素を添着して臭素添着担持活性炭とすることで、燃料ガスの選択的吸着性及び着臭気剤の吸着性を向上させることができて好ましい。
この臭素添着担持活性炭は、例えば活性炭を酸素不存在下で350〜900℃で熱処理することにより、活性炭に含まれる水分及び塩化物を除去し、得られた活性炭に臭素を1〜15重量%程度添着することにより得ることができる。
〔ガス吸着方法〕
次に上述したようなガス吸着装置を用いたガス吸着方法について説明する。
まず、ガス処理装置1において、燃料ガス供給配管3Aの領域AをプロパンガスGで置換するために、図示しない開閉バルブを開いてプロパンガスボンベ2からプロパンガスGを供給する。このときプロパンガスGの流量を流量計6で計測するとともに、入口側カロリー計7によりプロパンガスGを含む流通ガスの熱量を計測する。このプロパンガスGは、燃料ガス供給配管3Aを通ってガス吸着カラム4に流入し、ガス吸着カラム4中の細粒状多孔質ガス吸着材4Aを通過することにより、プロパン成分や着臭成分が吸着され、排出配管3Bから排出ガスG1として吐出される。そして、排出ガスG1の熱量を出口側カロリー計8で計測して、プロパンガスGの漏洩がないことを確認した上で排出する。このような操作を少なくともプロパンガスGでパージすることが必要な領域Aが完全にプロパンガスGに置換されるまで継続する。このプロパンガスGによるパージが完了したかどうかは、例えば入口側カロリー計7を通過する排出ガスG1の熱量が上昇傾向を示さず一定となった時点を持って判断することができる。
上述したようなプロパンガスGの吸着工程において、細粒状多孔質ガス吸着材4AがプロパンガスGを吸着すると、その吸着熱により細粒状多孔質ガス吸着材4A自身が加熱され、これに伴い細粒状多孔質ガス吸着材4AのプロパンガスGの吸着能が低下する。しかしながら、本実施形態においては、冷却手段5によりガス吸着カラム4とともに細粒状多孔質ガス吸着材4Aを冷却することにより、細粒状多孔質ガス吸着材4AのプロパンガスGの吸着能の低下を抑制することができるようになっている。この冷却手段により、細粒状多孔質ガス吸着材4Aを60℃以下、特に50℃以下、さらに30℃以下にまで冷却することが好ましい。細粒状多孔質ガス吸着材4Aを60℃以下とすることにより、細粒状多孔質ガス吸着材4Aの吸着能の低下を10%程度に抑えることができ、30℃以下とすることにより細粒状多孔質ガス吸着材4Aの吸着能の低下をほぼなくすことができる。
次に本発明の第二の実施形態のガス吸着装置について説明する。第二の実施形態のガス吸着装置は、図1に示すガス処理装置1において、冷却手段5を有しないものであるので、必要に応じて図1を用いて説明する。
(細粒状多孔質ガス吸着材)
本実施形態において細粒状多孔質ガス吸着材としては、第一の実施形態における細粒状多孔質ガス吸着材4Aと同じものを用いることができる。ただし、本実施形態においては、細粒状多孔質ガス吸着材4Aに水分をあらかじめ吸収させる。この水分の吸収量は、細粒状多孔質ガス吸着材との合計100重量%に対して10〜50重量%、特に10〜30重量%とするのが好ましい。水分の吸収量10重量%未満では、細粒状多孔質ガス吸着材の温度上昇の抑制効果が十分に得られない一方、50重量%を超えると水分が多すぎて、かえってガス吸着能が低下するため好ましくない。
〔ガス吸着方法〕
次に上述したようなガス吸着装置を用いたガス吸着方法について説明する。
まず、ガス処理装置1において、燃料ガス供給配管3Aの領域AをプロパンガスGで置換するために、図示しない開閉バルブを開いてプロパンガスボンベ2からプロパンガスGを供給する。このときプロパンガスGの流量を流量計6で計測するとともに、入口側カロリー計7によりプロパンガスGを含む流通ガスの熱量を計測する。このプロパンガスGは、燃料ガス供給配管3Aを通ってガス吸着カラム4に流入し、ガス吸着カラム4中の細粒状多孔質ガス吸着材4Aを通過することにより、プロパン成分や着臭成分が吸着され、排出配管3Bから排出ガスG1として吐出される。そして、排出ガスG1の熱量を出口側カロリー計8で計測して、プロパンガスGの漏洩がないことを確認した上で排出する。このような操作を少なくともプロパンガスGでパージすることが必要な領域Aが完全にプロパンガスGに置換されるまで継続する。このプロパンガスGによるパージが完了したかどうかは、例えば入口側カロリー計7を通過する排出ガスG1の熱量が上昇傾向を示さず一定となった時点を持って判断することができる。
上述したようなプロパンガスGの吸着工程において、細粒状多孔質ガス吸着材4AがプロパンガスGを吸着すると、その吸着熱により細粒状多孔質ガス吸着材4A自身が加熱され、これに伴い細粒状多孔質ガス吸着材4AのプロパンガスGの吸着能が低下する。しかしながら、本実施形態においては、細粒状多孔質ガス吸着材4Aに水分をあらかじめ吸収させているので、細粒状多孔質ガス吸着材4Aの温度上昇に伴い、この水分が気化して細粒状多孔質ガス吸着材4Aから気化熱を奪うことで冷却され、細粒状多孔質ガス吸着材4AのプロパンガスGの吸着能の低下を抑制することができるようになっている。この水分の気化により、細粒状多孔質ガス吸着材4Aを60℃以下、特に50℃以下、さらに30℃以下にまで冷却することが好ましい。細粒状多孔質ガス吸着材4Aを60℃以下とすることにより、細粒状多孔質ガス吸着材4Aの吸着能の低下を10%程度に抑えることができ、30℃以下とすることにより細粒状多孔質ガス吸着材4Aの吸着能の低下をほぼなくすことができる。
以上、本実施形態のガス吸着装置について説明してきたが、本発明はガス吸着カラム内の細粒状多孔質ガス吸着材のガス吸着に伴う温度上昇を抑制する機能を備えていればよく、種々の変形実施が可能である。例えば、前記第一及び第二の実施形態においては、プロパンガスやメタンガスなどの燃料ガスの場合について説明してきたが、燃料ガスに限らず、硫化水素ガス、塩素ガス、二酸化炭素など燃料ガス以外のガス吸着装置にも適用可能である。そして、これら吸着対象のガスに応じて好適な細粒状多孔質ガス吸着材4Aを選定すればよい。また、冷却手段としては、種々の冷却手段を適用することができる。
以下の具体的実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(参考例)
細粒状多孔質ガス吸着材4Aとして臭素添着活性炭(平均粒径4mm、平均細孔径15Å)を用意し、この臭素添着活性炭を25℃、60℃及び80℃に維持した状態で、圧力を変動させながらプロパンガスGを吸着させ、吸着等温線をそれぞれ作成した。この吸着等温線を図2に示す。
図2から明らかな通り、この臭素添着活性炭は、相対圧力(P/P0)1の条件では、25℃で104mg/LのプロパンガスGを吸着できたが、60℃では96mg/L、80℃では84mg/Lであり、25℃と80℃では約20%、25℃と60℃では約10%吸着能が低下し、同じプロパンガス吸着量とするためには、20%及び10%程度ガス吸着カラムを大きくする必要があることが確認できた。
(実施例1)
細粒状多孔質ガス吸着材4Aとして臭素添着活性炭(平均粒径4mm、平均細孔径15Å)を充填した3Lのガス吸着カラム4に冷却手段5として冷却フィン及び冷却ファンによる空冷機構を設けてガス吸着装置とした。このガス吸着装置を用いて図1に示すガス処理装置1を構成した。このガス処理装置1のプロパンガスボンベ2から所定の流量のプロパンガスGを燃料ガス供給配管3A(内径9.5mmΦ、長さ5m)からガス吸着カラム4に供給し、臭素添着活性炭に吸着させた。このとき冷却フィン及び冷却ファンによる冷却手段5により、臭素添着活性炭が30℃以下となるように制御した。そして、入口側カロリー計7を通過するガスの熱量を計測して、領域A(長さ約3m)が完全にプロパンガスGに置換されるまでプロパンガスGの供給を継続し、そのときの排出ガスG1の熱量を出口側カロリー計8で計測したところ、熱量の上昇はほとんどなく、プロパンガスGの漏洩は認められなかった。
(比較例1)
実施例1において、冷却フィン及び冷却ファンによる空冷機構を設けなかった以外は同様にしてガス処理装置1を構成した。このガス処理装置1のプロパンガスボンベ2から所定量のプロパンガスGをガス吸着カラム4に供給し、臭素添着活性炭に吸着させた。そして、入口側カロリー計7を通過するガスの熱量を計測して、領域Aが完全にプロパンガスGに置換されるまでプロパンガスGの供給を継続し、排出ガスG1の熱量を出口側カロリー計8で計測したところ、熱量が上昇しており、プロパンガスGの漏洩が認められた。このとき臭素添着活性炭の温度は約80℃にまで上昇していた。これらのことから、臭素添着活性炭がプロパンガスGを吸着した際の吸着熱により温度が上昇し、吸着能が低下したと考えられる。
(実施例2)
実施例1において、細粒状多孔質ガス吸着材4Aとして、25℃で30mL/gのメタン吸着能を有する臭素を添着していない活性炭(平均粒径2.5mm、平均細孔径10Å)を充填した3Lのガス吸着カラム4に冷却手段5として冷却フィン及び冷却ファンによる空冷機構を設けてガス吸着装置とした。さらに、プロパンガスボンベ2の代わりにメタンガスボンベを設置してガス処理装置1を構成し、図1に示すガス処理装置1を構成した。このガス処理装置1のメタンガスボンベから所定量のメタンガスをガス吸着カラム4に供給し、活性炭に吸着させた。このとき冷却フィン及び冷却ファンによる空冷機構により、活性炭が30℃以下となるように制御した。そして、入口側カロリー計7を通過するガスの熱量を計測して、領域Aが完全にメタンガスに置換されるまでプロパンガスGの供給を継続し、そのときの排出ガスG1の熱量を出口側カロリー計8で計測したところ、熱量の上昇はほとんどなく、メタンガスの漏洩は認められなかった。
(比較例2)
実施例2において、冷却フィン及び冷却ファンによる空冷機構を設けなかった以外は同様にしてガス処理装置1を構成した。このガス処理装置1のメタンガスボンベから所定量のメタンガスをガス吸着カラム4に供給し、活性炭に吸着させた。そして、入口側カロリー計7を通過するガスの熱量を計測して、領域Aが完全にメタンガスに置換されるまでメタンガスの供給を継続し、排出ガスG1の熱量を出口側カロリー計8で計測したところ、熱量が上昇しており、プロパンガスGの漏洩が認められた。このとき臭素添着活性炭の温度は約80℃にまで上昇しており、メタンガスの漏洩が認められた。これらのことから、活性炭がメタンガスを吸着した際の吸着熱により温度が上昇し、吸着能が低下したと考えられる。
そして、80℃の活性炭のメタンガス吸着能を計測したところ、20mL/gと約33%の低下が確認され、細粒状多孔質ガス吸着材4Aとしての活性炭を冷却することで活性炭のガス吸着能の低下を回避することができることが確認できた。
1 ガス処理装置
2 プロパンガスボンベ
3A 燃料ガス供給配管
3B 排出配管
4 ガス吸着カラム
4A 細粒状多孔質ガス吸着材
5 冷却手段
6 流量計
7 供給ガスのカロリー計(入口側カロリー計)
8 排出ガスのカロリー計(出口側カロリー計)
G プロパンガス(燃料ガス)
G1 排出ガス

Claims (7)

  1. 細粒状多孔質ガス吸着材を充填してなり、吸着対象となるガスの入口と処理後のガスの出口とを有するガス吸着カラムと、
    前記ガス吸着カラム内の細粒状多孔質ガス吸着材を冷却する冷却手段と
    を備える、ガス吸着装置。
  2. 前記冷却手段が、前記ガス吸着カラムに付設された空冷機構、水冷機構、ペルチェ素子、冷媒による冷却装置又は吸熱装置のいずれかである、請求項1に記載のガス吸着装置。
  3. 前記冷却手段が、前記ガス吸着カラム内の細粒状多孔質ガス吸着材に水分を吸収させる、請求項1に記載のガス吸着装置。
  4. 前記吸着対象となるガスが、メタンガス、プロパンガス、ブタンガス、またはこれらのガスを主成分とする混合ガスである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス吸着装置。
  5. 前記細粒状多孔質ガス吸着材が、炭素系多孔質材料、ゼオライト、シリカゲル、又は多孔質アルミナから選ばれたものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス吸着装置。
  6. 細粒状多孔質ガス吸着材を充填してなり、吸着対象となるガスの入口と処理後のガスの出口とを有するガス吸着カラムを備えるガス吸着装置の入口側から吸着対象となるガスを流通し、前記ガス吸着カラムの出口側から処理後のガスを放出するガス吸着方法であって、
    前記ガスの吸着時に前記ガス吸着カラム内の細粒状多孔質ガス吸着材を冷却する、ガス吸着方法。
  7. 前記細粒状多孔質ガス吸着材を30℃以下に冷却する、請求項6に記載のガス吸着方法。
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