JP2995495B2 - 炭素吸着剤およびその製造方法とガス分離法およびその装置 - Google Patents

炭素吸着剤およびその製造方法とガス分離法およびその装置

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JP2995495B2 JP8532370A JP53237096A JP2995495B2 JP 2995495 B2 JP2995495 B2 JP 2995495B2 JP 8532370 A JP8532370 A JP 8532370A JP 53237096 A JP53237096 A JP 53237096A JP 2995495 B2 JP2995495 B2 JP 2995495B2
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琢志 大崎
隆 乾
勝吉 柳田
政嘉 林田
修康 富田
総夫 中村
智 澤口
章 若泉
博之 三宅
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日本酸素株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、工業的なガスの分離精製の分野に関する。
このような分野としては、たとえば、空気中の酸素と窒
素を分離して窒素を製造、メタノール分解ガスから二酸
化炭素等を除去して水素ガスを製造、コークス炉ガスか
らメタン等を除去して水素ガスを製造、燃焼排ガスから
二酸化炭素を濃縮して二酸化炭素を製造すること等が行
われている。本発明は、これらのガス分離において使用
される分子ふるい炭素や活性炭からなる炭素吸着剤の製
造方法と、当該炭素吸着剤を使用した圧力変動吸着式分
離方法ならびに分離装置に関する。
背景技術 分子ふるい炭素や活性炭は、コークス、石炭、木炭、
やし殻炭等の炭素化合物、あるいは、フェノール樹脂、
フラン樹脂、塩化ビニリデン共重合体などの各種樹脂を
乾留して得た炭素化合物から製造される。本発明では、
炭素化合物を乾留して得たものを乾留炭という。
空気を酸素と窒素とに分離する吸着剤として分子ふる
い炭素(モレキュラー・シーブィング・カーボン、略称
MSC、または、カーボン・モレキュラー・シーブ、略称C
MS)が知られている。
分子ふるい炭素は、分子径の小さい酸素の方が窒素よ
り吸着速度が速いことを利用する速度分離型吸着剤であ
る。
分子ふるい炭素は、原料の炭素材(たとえば活性炭)
内部の細孔径の大きさを種々の方法により調整すること
により得られる。
これまでに提案されてきた分子ふるい炭素の製造方法
としては、特公昭52−18675号公報、特開昭59−64514号
公報、特公昭61−8004号公報、特開昭62−176908号公
報、特開昭60−171212号公報、米国特許5,098,880号明
細書、特開昭62−176908号公報、特開昭62−132543号公
報、特開昭62−108722号公報、特公昭49−18555号公
報、特公昭61−8004号公報、特開平4−310209号公報、
等に記載されているものがある。
特公昭52−18675号公報は、5%までの揮発性成分を
含有するコークスに熱分解によりカーボンを放出する炭
化水素を添加して600〜900℃で処理する方法を開示して
いる。特開昭60−171212号公報は、市販の炭素吸着剤に
熱分解性炭化水素を添着することにより、活性炭内部の
細孔径の大きさを調整する方法を開示している。米国特
許5,098,880号明細書は、市販の原料活性炭に二種類の
揮発性炭化水素を二度に分けて加熱下で接触させること
により、活性炭内部の細孔径の大きさを調整する方法を
開示している。
分子ふるい炭素を使用して空気を分離する従来の圧力
変動式吸着分離方法としては、米国特許2,944,627号明
細書、特公昭53−44160号公報、特公昭54−8200号公
報、特開昭59−182215号公報が知られている。
混合ガス中の二酸化炭素やメタンの分離法としては、
溶液吸収法、液化分離法などがあるが、PSA(Pressure
Swing Adsorption)法と呼ばれる圧力変動式吸着分離法
が多用されている。圧力変動式吸着分離法では吸着剤と
して、ゼオライトや活性炭が使用されている。
特開平3−98641号公報には、炭素材料または活性炭
を酸素を含む賦活性雰囲気中で約600℃以下で燃焼しな
いような条件で処理することにより、二酸化炭素吸着に
優れた活性炭が得られることが開示されている。
特開平4−200742号公報には、アミンおよび水を含有
した活性炭は低温で二酸化炭素を吸着し高温で放出する
のに適していることが記載されている。
特公昭52−47758号公報には、サラン廃棄物を乾留、
粉砕し、コールタールなどの焼結剤を配合し、さらにア
ビセルなどの造粒剤を配合して造粒し、400〜900℃に乾
留することにより、メタンは吸着しないが二酸化炭素は
吸着する炭素材が得られることが開示されている。
特開平6−100309号公報には、5.5〜12の平均ミクロ
孔径を有する炭素質基材を、650〜850℃に加熱した処理
炉中で、芳香族炭化水素および/または脂環式化水素を
含む不活性ガスを供給して熱分解炭素をミクロ孔に蒸着
することを特等とする分子ふるい炭素は、メタンと二酸
化炭素の平衡吸着量差が大きいことが開示されている。
混合ガス中の二酸化炭素を活性炭を使用した圧力変動
式吸着分離法で分離する例としては、特開昭60−241931
号公報、特開平3−98641号公報などがある。
活性炭による二酸化炭素の吸着等温線のデータとして
はつぎの例がある。河添ら、生産研究、25,11、513頁、
1973、[8.5g/100g=43mlSTP/g(20℃、1atm)]。矢野
ら、化学工学、25,9、654頁、1961、[30ccSTP/g(30
℃、1atm)]。化学工学便覧、589頁、1992、[40cm3NT
P/g(37.7℃、1atm)]。
また、活性炭によるメタン吸着のデータとしてはつぎ
の例がある。NITTAら、J.Chem.Eng.Jpn.,Vol25,No.2、1
76頁、1992、[1mol/kg=22.4mlSTP/g(25℃、1at
m)]。KIMBERLYら、Chem.Eng.Science、Vol.47、No.
7、1569頁、[0.7〜1.1mmol/g=15.7〜24.6mlSTP/g(25
℃、1atm)]。化学工学便覧、589頁、1992、[21cm3NT
P/g(37.7℃、1atm)]。
従来の方法により製造された分子ふるい炭素は、酸素
の吸着容量および酸素と窒素の分離係数が不十分であっ
た。このため、圧力変動式吸着分離による空気分離で
は、単位製品窒素ガス量あたりの分子ふるい炭素量が多
く必要であった。また窒素収率が不十分であるため、単
位窒素ガス量当たりの分離エネルギーが高かった。
活性炭を使用した圧力変動式吸着分離法による、二酸
化炭素やメタンの分離は実用されている。しかし、その
吸着容量は十分に満足できるものではなく、二酸化炭素
やメタンの吸着性能がより優れた活性炭の提供が強く望
まれていた。
発明の開示 本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、酸素吸着
量が多く、酸素と窒素の分離能力にも優れた分子ふるい
炭素およびその製造方法、ならびに、二酸化炭素やメタ
ンの吸着性能がより優れた活性炭およびその製造方法の
提供を目的としている。更に、本発明は、当該分子ふる
い炭素や活性炭を吸着剤とする圧力変動式吸着分離方法
およびその装置を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、乾留炭をハロゲンガスに接触
させてハロゲン化乾留炭を得るハロゲン化処理の工程
と、該ハロゲン化乾留炭中のハロゲンの一部または全部
を脱離させて多孔性炭素材を得る脱ハロゲン処理の工程
と、該多孔性炭素材を熱分解性炭化水素と接触させる細
孔調整処理の工程とを備えたことを特徴とする炭素吸着
剤の製造方法である。
本発明の第2の態様は、乾留炭をハロゲンガスに接触
させてハロゲン化乾留炭を得るハロゲン化処理の工程
と、該ハロゲン化乾留炭中のハロゲンの一部または全部
を脱離させて多孔性炭素材を得る脱ハロゲン処理の工程
と、該多孔性炭素材を賦活する賦活処理の工程とを備え
たことを特徴とする炭素吸収剤の製造方法である。
前記第1または第2の態様において、前記ハロゲンガ
スは、塩素および臭素からなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲンを含有するものでよい。
また、前記第1または第2の態様において、前記ハロ
ゲン化処理は、不活性ガスで希釈したハロゲンガス中35
0〜1000℃の温度で加熱する処理でよい。
また、前記第1または第2の態様において、前記脱ハ
ロゲン処理が、不活性ガス中600〜1300℃の温度で加熱
する処理と、不活性ガスで希釈した水素化合物ガス中60
0〜850℃の温度で加熱する処理とを備えた処理でよい。
ここで前記水素化合物ガスは、水(水蒸気)および低級
炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合
物を含有するものでよい。
また、前記第1または第2の態様において、前記乾留
炭は、やし殻炭およびフェノール樹脂からなる群より選
ばれる少なくとも一種の炭素化合物を乾留したものでよ
い。
前記第1の態様において、前記細孔調整処理は、不活
性ガスで希釈した熱分解性炭化水素中600〜850℃の温度
で加熱する処理でよい。ここで前記熱分解性炭化水素
は、ベンゼンおよびトルエンからなる群より選ばれる少
なくとも一種の化合物を含有するものでよい。
前記第2の態様において、前記賦活処理は、不活性ガ
スで希釈した酸化性ガス中650〜1150℃で加熱する処理
でよい。
本発明の第3の態様は、第1の態様の製造方法により
得られる炭素吸着剤であって、25℃かつ1気圧のときの
酸素吸着量が9〜14cc/gであり、酸素と窒素の分離係数
が40〜80であることを特徴とする炭素吸着剤である。
本発明の第4の態様は、第2の態様の製造方法により
得られる炭素吸着剤であって、25℃かつ1気圧のときの
二酸化炭素吸着量が86〜100cc/gまたは、25℃かつ1気
圧のときのメタン吸着量が30〜45cc/gであることを特徴
とする炭素吸着剤である。
前記第4の態様において、前記炭素吸着剤は、比表面
積が400〜2000m2/g、かつ細孔容積が0.1〜0.7cm3/gとす
ることができる。
本発明の第5の態様は、前記第3または第4の態様の
炭素吸着剤を充填した吸着筒に原料混合ガスを供給する
工程と、該吸着剤によって原料混合ガスの一部の成分ガ
スを吸着分離する工程とを備えたことを特徴とするガス
吸着分離法である。
前記第5の態様において、前記原料混合ガスとして二
酸化炭素およびメタンからなる群より選ばれる少なくと
も一種の成分ガスを含む混合ガスを用いて、前記成分ガ
スを圧力変動式吸着分離法によって吸着分離するができ
る。
本発明の第6の態様は、圧力変動式吸着分離により空
気から窒素を分離するに際し、前記第3の炭素吸着剤を
使用することを特徴とする空気から窒素を分離する方法
である。
本発明の第7の態様は、原料混合ガスの供給手段に接
続されたガス供給部と、非吸着ガスを導出する排気部と
が設けられた吸着筒を備え、該吸着筒に原料混合ガスの
一部の成分ガスを吸着分離する吸着剤が充填されたガス
吸着分離装置において、前記吸着剤が前記第3または第
4の態様のの炭素吸着剤であることを特徴とするガス吸
着分離装置である。
図面の簡単な説明 図1は本発明の分子ふるい炭素の製造工程図である。
図2は本発明の活性炭の製造工程図である。
図3は本発明の実施例で使用した炭素吸着剤の製造装
置の概略図である。
図4は比較例と実施例における分子ふるい炭素の酸素
吸着量と分離係数の関係図である。
図5は2筒式圧力変動式吸着分離装置の系統図であ
る。
図6は本発明の実施例の結果を示す二酸化炭素の吸着
等温線図である。
図7は本発明の実施例の結果を示すメタンの吸着等温
線図である。
図8は3筒式圧力変動式吸着分離装置の系統図であ
る。
図9は本発明の実施例の結果を示すH2+CO2混合ガス
分離の水素純度と収率の関係図である。
発明を実施するための最良の形態 以下の記載において、ハロゲン処理に使用するハロゲ
ンガスとして主に塩素ガスを例にして説明するが、同じ
技術的思想で、臭素などの他のハロゲンガスにも適用す
ることができる。
本発明の一つの実施の形態である炭素吸着剤(分子ふ
るい炭素)の製造方法は、乾留炭にハロゲン処理を施
し、得られた多孔性炭素材を分子ふるい炭素前駆体とし
て、熱分解性炭化水素と接触させて細孔調整処理を行う
ことを特徴としている。図1に本発明の分子ふるい炭素
の製造工程を示す。
本発明のもう一つの実施の形態である炭素吸着剤(活
性炭)の製造方法は、乾留炭にハロゲン処理を施し、得
られた多孔性炭素材を酸化性のガスと接触させて賦活処
理することを特徴としている。図2に本発明の活性炭の
製造工程を示す。
本発明のハロゲン処理は、乾留炭を、ハロゲンガスに
接触させてハロゲン化乾留炭を得るハロゲン化処理と、
しかる後該ハロゲン化乾留炭のハロゲンの一部または全
部を離脱させる脱ハロゲン処理とを備えた処理である。
塩素を例にすれば、塩素化乾留炭の塩素化の程度は、
塩素と炭素の原子数比(Cl/C)で表される。当該原子数
比は、塩素化処理前の乾留炭の重量を炭素の重量として
求められる炭素の原子数と、塩素化処理における重量増
加を塩素の重量として求められる塩素の原始数とを用い
て、塩素の原子数を炭素の原子数で割って求められる。
また、脱塩素の程度は、脱塩素処理後に残留する塩素と
炭素の原子数比で表される。この原子数比は、脱塩素処
理による重量減少を塩素の減量として原子数に換算し
て、これを塩素化乾留炭の塩素原子数から減じた値を、
塩素化処理前の炭素の原子数で割って求められる。
ハロゲンガスとして臭素を用いる場合の原子数比(Br
/C)も上記塩素の場合と同様に求められる。
このように定義したハロゲンと炭素の原子数比は、乾
留または賦活作用(炭素のガス化)があるため、負の値
になることがある。
(ハロゲン化処理) 好適な実施態様において、塩素化処理は、乾留炭を窒
素などの不活性ガスで希釈した塩素ガス中350〜1000
℃、好ましくは400〜700℃、もっとも好ましくは500〜7
00℃の温度で加熱する処理である。
塩素化処理の加熱処理温度が1000℃を越える場合、乾
留が進行して水素原子の量が低下するため、塩素化の程
度(Cl/C)が小さくなり、好ましくない。また、塩素化
処理の加熱処理温度が350℃未満の場合、塩素と未組織
炭素の反応速度がおそすぎるので、塩素化処理に長時間
を要し、好ましくない。
塩素ガスの供給速度は、塩素の濃度が約10容量%のと
き、空塔速度で0.2〜0.3L/(min・cm2)程度である。塩
素化処理の時間は、当該温度範囲の高温域の場合は30分
程度であるが、400℃に近い低温域の場合は120分程度必
要である。なお、Lはほぼ大気圧室温でのガスの体積を
表す(以下同じ)。
ハロゲン化処理として臭素化処理を行う場合も、塩素
ガスに代えて臭素ガスを用いるほかは、上記と同じ条件
で処理を行うことができる。
塩素化処理においては、主として、乾留炭中の水素原
子が塩素原子に置換されるので、排ガス中に塩化水素
(HCl)が検出される。同様に、臭素化処理において
は、臭化水素(HBr)が検出される。
上記塩素化処理により、塩素と炭素の原子数比(Cl/
C)が好ましくは0.03以上、より好ましくは0.07以上の
塩素化乾留炭が得られる。なお、この原子数比が0.03未
満の場合、ミクロ孔形成への寄与が小さいので好ましく
ない。
また、上記原子数比の上限は、乾留炭中の水素原子の
量、すなわち、乾留温度により決まるが、0.315以下で
あれば本発明の所望の効果が得られることがわかってい
る。
臭素化処理においては、臭素と炭素の原子数比(Br/
C)が0.01程度であっても本発明の効果が得られる。
(脱ハロゲン処理) 好適な実施態様において、脱ハロゲン処理は高温脱ハ
ロゲン処理と低温脱ハロゲン処理とを順次行う処理であ
る。
脱塩素処理を行う場合、脱塩素の程度は、前記原子数
比(Cl/C)が0.02以下であることが好ましいが、必ずし
も完全に塩素を脱離させる必要はない。また、臭素処理
を行う場合、脱臭素の程度は、原子数比(Br/C)が0.01
以下であることが好ましいが、必ずしも完全に臭素を脱
離させる必要はない。
脱塩素処理においては乾留炭中の塩素は、主として、
塩化水素として脱離するので、排ガス中に塩化水素が検
出される。同様に、脱臭素処理においては臭化水素が検
出される。
好適な高温脱塩素処理は、真空排気下または不活性ガ
ス中600〜1300℃、好ましくは900〜1100℃、もっとも好
ましくは900〜1000℃の温度で行う加熱処理である。加
熱処理の時間は、20〜30分で脱塩素の目的がほぼ達成さ
れるが、好適な酸素/窒素速度分離型炭素分子ふるい前
駆体を製造するためには、60〜150分程度とするのが望
ましい。
高温脱塩素処理では、乾留炭中の塩素が完全に脱離せ
ず、一部が残留する。
真空排気の程度は特に限定されることはなく、たとえ
ば10Torr程度の減圧雰囲気下で良い。
高温脱臭素処理も、上記高温脱塩素処理と同じ条件で
行うことができる。高温脱臭素処理後は、乾留炭中の臭
素が完全に脱離せず、一部が残留する。
好適な低温脱塩素処理は、水素化合物ガス中または不
活性ガスで希釈した水素化合物ガス中600〜850℃、好ま
しくは、650〜750℃、もっとも好ましくは675〜725℃の
温度での加熱処理である。加熱処理の時間は、20〜30分
程度で充分である。
低温脱塩素処理では、乾留炭中の塩素がほぼ完全に脱
離される。
ここで水素化合物ガスとは、水蒸気(H2O)、水素、
もしくはメタン(CH4)、エタン(C2H6)、エチレン(C
2H4)、プロパン(C3H8)、プロピレン(C3H6)、ブタ
ン(C4H10)、ブチレン(C4H8)などの低級炭化水素、
およびこれらの混合ガスである。不活性ガス中の水素化
合物としては、LPG(液化石油ガス)が不完全燃焼した
ときの排ガスが、工業的に好適に利用することができ
る。前記排ガスの組成は、水蒸気13〜17容量%、炭酸ガ
ス9〜12容量%、一酸化炭素0.01〜1容量%、窒素68〜
74容量%、未燃分低級炭化水素0.01〜3容量%程度であ
る。
前記水素化合物が水蒸気である場合、水蒸気の濃度は
特に限定されないが、空塔速度が0.05〜0.15L/(min・c
m2)のとき、3容量%程度であれば充分である。
なお、850℃以上の温度で加熱処理すると、水蒸気に
よる賦活作用が進行しすぎるため、炭素収率が低下する
上、本発明の効果が低下する。
前記水素化合物がメタン等の低級炭化水素である場
合、低級炭化水素の濃度は特に限定されないが、空塔速
度が0.05〜0.15L/(min・cm2)のとき、20容量%程度あ
れば充分である。
なお、前記水素化合物が低級炭化水素である場合、85
0℃を越える温度で加熱処理すると、低級炭化水素の熱
分解による炭素の添着作用を生じ、細孔が閉塞するの
で、本発明の効果が低下する。
前記水素化合物が水素である場合は賦活作用がないの
で、上記の上限温度の制約はない。
前記水素化合物が水蒸気または低級炭化水素のいずれ
の場合も、600℃未満の温度で加熱処理すると、脱塩素
の速度が遅く、また充分に脱塩素を行うことができな
い。
低温脱臭素処理も、上記低温脱塩素処理と同じ条件で
行うことができる。低温脱臭素処理では、乾留炭中の臭
素がほぼ完全に脱離する。
脱ハロゲンのための処理方法としては、高温脱ハロゲ
ンのみの処理を行う方法と、低温脱ハロゲンのみの処理
を行う方法と、それらを組み合わせた方法として、高温
脱ハロゲン処理と低温脱ハロゲン処理とを順次行う処理
方法、低温脱ハロゲン処理と高温脱ハロゲン処理とを順
次行う処理方法、高温脱ハロゲン処理と低温脱ハロゲン
処理と高温脱ハロゲン処理とを順次行う処理方法の五つ
ある。これらを表1に示す。
以上説明した脱ハロゲンの処理方法のうち、高温脱ハ
ロゲン処理と低温脱ハロゲン処理とを順次行う処理を採
用し、水素化合物が水蒸気または水蒸気と低級炭化水素
の混合ガスであるとき、本発明の効果がもっともよく発
現する。
以上のハロゲン処理により得た多孔性炭素材は、25
℃、1atmにおける酸素および窒素吸着量が12.5〜20cc/g
であり、従来の炭素材のそれと比較して、15〜50%も増
加する分子ふるい炭素前駆体を得ることができる。
(細孔調整処理) 細孔調整処理は、分子ふるい炭素前駆体の細孔径を調
整するために行うものであって、熱分解性炭化水素の種
類、処理温度、処理時間を適切に選定することにより、
所望の大きさの細孔径とすることができる。これによ
り、吸着ガスの分子径の大きさに応じて、吸着速度を制
御することできる。
本発明の細孔調整処理は、ハロゲン処理して得た分子
ふるい炭素前駆体を好ましくは不活性ガスで希釈した熱
分解性炭化水素中600〜850℃、より好ましくは700〜750
℃の温度の加熱処理とすることができる。850℃を越え
ると熱分解した炭素がミクロ孔内部に添着し、吸着量を
低下させるので好ましくなく、600℃未満では熱分解速
度が遅く細孔調整に長時間を必要とするので好ましくな
い。
本発明の分子ふるい炭素の製造方法では、ハロゲン処
理して得た分子ふるい炭素前駆体を細孔調整するための
熱分解性炭化水素が、ベンゼンまたはトルエンが好適に
用いられる。
上記分子ふるい炭素の製造方法は、種々の乾留炭に適
用することができるが、特に、やし殻炭またはフェノー
ル樹脂を乾留して得た乾留炭を原料とすることが好まし
い。
上記製造方法により得られる分子ふるい炭素は、25℃
かつ1気圧のときの酸素吸着量が9〜14cc/gであり、か
つ、酸素と窒素の分離係数が40〜80である。
(分離係数) 分離係数(K)は、次に示す吸着速度式から定義され
るもので、速度分離型吸着剤の分離性能を表す。
dp/dt=k(q−q) ここで、qは平衡吸着量、qは時刻tにおける吸着
量、kは吸着速度定数を表す。分離係数Kは、吸着速度
定数の比として次式のように定義される。
K=kA/kB=ln(1−qAr)/ln(1−qBr) qr=q/q ここで、添え字A、Bはガス(被吸着質)の種類を表
す。本発明では、吸着初期のqr≪1の時間領域における
吸着量は、時間に比例すると近似し、下記簡便式を用い
て分離係数Kを求めた。
qA=at、qB=bt KqA/qB=a/b=tA/tB ここで、a、bは比例定数、tAとtBは、qA(tA)=qB
(tB)を満足させる時間である。
(活性炭の製造) 図2は本発明による活性炭の製造工程を示すものであ
る。すなわち、本発明の活性炭は、乾留炭にハロゲン化
処理と、脱ハロゲン処理と、賦活処理を順次施すことに
より製造することができる。
本発明による活性炭の製造方法は、種々の炭素化合物
を原料として得られる乾留炭に適用することができ、や
し殻炭またはフェノール樹脂を乾留したものが好適であ
る。
(賦活処理) 賦活処理とは、たとえば、二酸化炭素、水蒸気、空気
などの酸化性ガスとの接触により多孔性を発達させる処
理である。賦活処理は不活性ガスで希釈した酸化性ガス
中650〜1150℃の温度で加熱して賦活する処理である。
この賦活処理において、加熱時間を調節すると賦活収
率を変えることができる。賦活収率(%)は、(賦活後
の重量)÷(賦活前の重量)×100で表す。
また、前記酸化性ガスとは、二酸化炭素、水蒸気、酸
素などのガスを言う。
たとえば、二酸化炭素賦活では、温度が700〜1150
℃、好ましくは800〜1000℃であり、処理時間が10〜300
min、好ましくは30〜180minである。賦活収率は、50〜9
5%が好ましい。
また、水蒸気賦活では、温度が650〜1100℃、好まし
くは700〜1000℃であり、処理時間が10〜300min、好ま
しくは30〜180minである。賦活収率としては、50〜95%
が好ましい。
本発明による活性炭は、前記方法によって製造され、
比表面積は400〜2000m2/g、細孔容積は0.1〜0.7cm3/gと
することができる。この賦活処理する製造方法で得られ
る活性炭は、25℃かつ1気圧のときの二酸化炭素吸着量
が86〜100cm3/gである。また、25℃かつ1気圧のときの
メタン吸着量が30〜45cm3/gであり、従来の活性炭のそ
れと比較して、約35〜100%も増加している。
二酸化炭素やメタンの吸着特性は、原材料、乾留、ハ
ロゲン処理、賦活の各条件により調整することが可能で
ある。
(ハロゲン化処理以前の工程) 分子ふるい炭素と活性炭の製造工程の概要は図1と図
2に示すが、ハロゲン化処理以前の共通する工程の概要
は次のとおりである。
炭素化合物のうち、フェノール樹脂を原料として用い
る場合、まずフェノール樹脂を硬化させ、それを粉砕す
る。
粉砕は、それ以降の処理が均一になされることを目的
に、たとえば振動ボールミルによって平均粒径が数μm
〜十数μm程度になるように炭素化合物(硬化樹脂)を
微粉砕する。
混練は、次工程である造粒をするために、粉砕した炭
素化合物に、例えばコールタール、クレオソート、また
はフェノール樹脂などの1種または複数種類を混合した
バインダーを添加して混練する。
造粒は、前記混練された材料(粉砕した炭素化合物と
バインダーの混合物)を、例えばデイスクペレッターで
小円柱状(ペレット)に造粒する。
乾燥は、作製した造粒物を140〜200℃、好ましくは16
0℃程度に加熱してバインダーに含まれる低沸点の揮発
分を除き造粒品の強度を高め、次の乾留を好適に行うこ
とを目的としている。
乾留は、前記乾燥品を、例えば不活性ガス雰囲気下で
550〜1000℃、好ましくは600℃程度に加熱し、主として
バインダーに含まれる揮発分を除く処理である。
(圧力変動式吸着分離) 本発明の別の形態は、圧力変動式吸着分離により空気
から窒素を分離する方法において、使用する吸着剤がハ
ロゲン処理して得た多孔性炭素材に細孔調整処理を施し
た分子ふるい炭素であることを特徴としている。また、
圧力変動式吸着分離により、二酸化炭素またはメタンを
含むガスから二酸化炭素またはメタンを分離する方法に
おいて、使用する吸着剤がハロゲン処理して得た多孔性
炭素材に賦活処理を施した活性炭であることを特徴とし
ている。
本発明の更に別の形態は、圧力変動式吸着分離により
空気から窒素を分離する装置において、使用する吸着剤
がハロゲン処理して得た多孔性炭素材に細孔調整処理を
施した分子ふるい炭素であることを特徴としている。ま
た、圧力変動式吸着分離により、二酸化炭素またはメタ
ンを含むガスから二酸化炭素またはメタンを分離する装
置において、使用する吸着剤がハロゲン処理して得た多
孔性炭素材に賦活処理を施した活性炭であることを特徴
としている。
本発明で使用する分子ふるい炭素は、従来の分子ふる
い炭素に比べ、酸素吸着量が飛躍的に向上し、分離係数
も向上したものである。このため、基本的には従来と同
じ圧力変動式吸着分離方法および装置であっても、本発
明の分子ふるい炭素を用いることにより、吸着筒容積あ
たり窒素発生量を35〜63%増加させ、窒素収率を10〜24
%増加させることができる。
また、本発明の活性炭は、従来の活性炭に比べ、二酸
化炭素とメタンの吸着量が飛躍的に向上したものであ
る。このため、基本的には従来と同じ、圧力変動式吸着
分離法および装置に本発明の活性炭を使用することによ
って、ガス吸着性能を向上させ、分離すべきガスの発生
量や収率を向上させることが可能である。
以下、本発明の作用について説明する。
分子ふるい炭素や活性炭は難黒鉛化性炭素に分類され
る。難黒鉛化性炭素は、微晶質炭素(結晶子または炭素
六員環網面ともいう)、未組織炭素、などから成り立っ
ている。難黒鉛化性炭素は、結晶子が、乱雑に積層した
構造をとっており、これら結晶子の間隙には、ミクロ孔
からマクロ孔までの広範な細孔が形成されている。
本発明であるハロゲン処理の作用を塩素処理を例に説
明すれば、塩素化処理では、乾留炭に接触した塩素は未
組織炭素と反応する。これらの反応には、炭素二重結合
への塩素付加反応、未組織炭素に結合している水素原子
と塩素原子の交換反応(塩素と等モルの塩化水素が発生
する)、脱水素化反応(塩素の二倍の塩化水素が発生す
る)、などがある。
脱塩素処理では、上記未組織炭素に結合した塩素が脱
離する。塩素化処理および脱塩素処理により次式に示す
反応により、新たな炭素原子−炭素原子の結合(以下炭
素結合)が形成されたものと推測される。Cの横に|を
付したのは未組織炭素であることを示す。
C|−Cl+C|−H→C−C+HCl なお、乾留炭に臭素ガスを接触させた場合も、塩素に
代えて臭素が反応に関与する以外は、上記と同様の反応
により、炭素網面または結晶子のグラファイト構造の欠
陥を修復する作用、結晶子の成長作用、結晶子の集合状
態を変える作用、などの作用を果たすと考えられるが、
詳細は不明である。しかしながら、これらの作用によ
り、窒素、酸素などの分子径の小さいガスを吸着するの
に好適な、ミクロ孔(0.8〜2nm)およびまたはサブミク
ロ孔(<0.8nm)が多数形成されるものと推定される。
このため、本発明の分子ふるい炭素前駆体は、酸素お
よび窒素吸着量が、従来の炭素材より15〜50%も大き
く、吸着速度もきわめて早い。前駆体に適切な細孔調整
を行うと、酸素の吸着速度と吸着量はあまり減少させず
に窒素の吸着速度を遅くすることができる。細孔調整の
メカニズムについての定説は確立されていないが、熱分
解された炭素がミクロ孔の入口およびまたはサブミクロ
孔、およびメソ孔(20〜50nm)の一部を狭隘化する結
果、分子径のわずかに大きな窒素は吸着時の抵抗が増え
るため速度を遅くし、速度分離能が発現するものと推測
される。本発明になる前駆体のミクロ孔の大きさは、従
来の製造方法で得られる前駆体に比べて揃っているた
め、狭隘化されたミクロ孔のおおきさも揃っており、こ
れが分離性能を向上させるように作用しているものと推
測される。
本発明の方法で製造した分子ふるい炭素は、主として
酸素と窒素の分離を目的として、その性能を向上させた
ものであるが、他のガス混合物の分離、例えば、アルゴ
ンを含む混合ガスの分離にも有効に使用することができ
る。
賦活処理は、炭素が賦活剤(酸化性ガス)により酸
化、浸食(炭素はガス化)されることにより、炭素材に
新しい孔を形成したり、すでに開孔している孔をさらに
大きくしたりする作用がある。その結果、吸着量が増加
するものと推定される。
本発明の方法で製造した活性炭は、主として二酸化炭
素とメタンの少なくとも一方の吸着分離を目的として、
その性能を向上させたものであるが、上記活性炭の製造
条件を変えることにより他のガス混合物の分離、例え
ば、エタン、プロパン、ブタンなどの低級炭化水素の吸
着分離、或いは空気中の窒素の吸着分離(窒素製造)に
も有効に使用することができる。
また、以下に記す実施例では、二酸化炭素を除去し、
高純度の水素ガスを製造する場合を示すが、二酸化炭素
を製品として回収することにも応用することができ、メ
タンの貯蔵にも使用可能である。
以下に、本発明を実施例および比較例に基づいてさら
に詳細に説明する。
(原料乾留炭) 本実施例では、原料乾留炭およびその製造方法を次の
記号で示す。
乾留炭A;フィリピン産やし殻炭を微粉砕(粉砕機:中
央化工機(株)製MB−1型)し、コールタールをバイン
ダーとして2mmφ×5〜6mmのペレットに成形(成形機:
不二パウダル(株)製PV−5型)し、窒素ガス気流下60
0℃で乾留したもの。
乾留炭B;フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製PGA
−4560商品名レヂトップ)を160℃で硬化させ、微粉砕
した後、レヂトップをバインダーとして2mmφ×5〜6mm
のペレットに成形し、窒素ガス気流下で乾留したもの。
乾留温度は断りのある場合以外は600℃である。
(ハロゲン処理) 本発明では、実施例で断り書きのない場合は、原料乾
留炭に次のハロゲン処理を施して、分子ふるい炭素前駆
体または賦活処理を施すための炭素材とした。乾留炭A
(15g)を550℃の温度に加熱し、窒素0.9L/minにハロゲ
ン(塩素または臭素)0.1L/minを混合したガスを流し込
みハロゲン化した(60分)。次に、窒素ガス気流下(3L
/min)1000℃の温度で60分間加熱処理し、更に、室温で
水蒸気を飽和させた窒素ガスを700℃の温度の炉に流し
て30分間加熱処理し、ハロゲンを脱離した。
乾留炭B(15g)の場合は、ハロゲン化の温度を500℃
とした以外は、乾留炭Aと同じ条件でハロゲン処理し
た。
(賦活処理) 二酸化炭素で賦活処理を行う場合は、塩素処理炭(15
g)を、950℃に加熱し、窒素ガスと二酸化炭素の混合ガ
ス3.5NL/min(二酸化炭素濃度29%)を流した。水蒸気
で賦活処理を行う場合は、25℃の飽和水蒸気を含む窒素
ガスとし、温度は900℃とした。賦活処理時間は、所望
の賦活収率になるように調節した。なお、NLは標準状態
(0℃、1気圧)に換算したガスの容積を表す(以下同
じ)。
(吸着量、比表面積および細孔容積の測定) 以下の実施例における窒素吸着量の測定法は、容量法
(機器:日本ベル(株)製BELSORP 28)により、25℃、
1気圧の条件で測定した。吸着温度の測定は、吸着開始
後5秒、15秒、30秒、60秒、120秒、180秒、300秒経過
したときの吸着量を求めることにより行った。二酸化炭
素、メタンの吸着量も、容量法(機器:前記に同じ)に
より、25℃、で測定した。以下、吸着量をcc/gで表す
が、ccは25℃、1atmの体積、gは活性炭の重量である。
測定前、試料を100℃で2時間真空排気して脱ガスし
た。
重量は、電子天秤((株)島津製作所製LIBROR EB−4
30HW)で測定した。
比表面積は、活性炭の−196℃における窒素の吸着を
測定し、BET(Brunauer−Emett−Teller)式から求め
た。測定機器は、(株)島津製作所製アキュソーブ2100
−02型を使用した。
細孔容積は、活性炭に25℃の飽和ベンゼンを含む窒素
を供給し重量変化からベンゼンの吸着量を求め、液体ベ
ンゼンの密度(0.879g/cm3)で割って求めた。
(ハロゲン処理、細孔調整および賦活処理設備) ハロゲン処理、細孔調整および賦活処理を行う設備の
概略を図3に示す。なお、塩素を例にするが、臭素など
のハロゲンガスについても同じ手段が適用できる。図中
で、1は温度制御機能付き管状電気炉(管状炉:(株)
吉田製作所、温度制御装置:(株)チノーMODEL SU、熱
電対JIS R)、2は石英管、3は炭素材容器(ガス透過
性)、4は炭素材、5は窒素ガス供給管、6は塩素、水
蒸気、熱分解性炭化水素または酸化性ガス供給管、7は
ガス排出管、8はゴム栓である。
塩素化処理では管5から窒素と管6から塩素ガスを所
定量流す。高温脱塩素処理では管5から窒素ガスを所定
量流す。低温脱塩素処理では管6から水蒸気を含む窒素
ガスまたはLPG不完全燃焼排ガスを所定量流す。細孔調
整処理では、管5から窒素を、管6から熱分解性炭素を
所定量流す。賦活処理では管5から窒素ガスと管6から
酸化性ガスを所定量流す。流量は、フロート形面積流量
計(塩素ガス:流体工業(株)製PGF−N型、その他ガ
ス:日本フローセル(株)製ST−4型)で測定した。
(比較例1;従来の分子ふるい炭素) 従来品の分子ふるい炭素、a、bの酸素と窒素の
吸着速度を測定した。吸着開始300秒後の酸素吸着量
(平衡酸素吸着量にほぼ等しい、以下同じ)は、7.3c
c/g、8.5cc/g、分離係数Kは、43.0、44.0であっ
た。
(比較例2;メタンによる細孔調整、乾留炭A) 乾留炭Aに塩素処理して分子ふるい炭素前駆体を得
た。この前駆体6gを細孔調整設備にセットし、750℃の
温度に加熱した。窒素ガス2.4L/minとメタン0.6L/minの
混合ガスを流し込み、細孔調整を行った。細孔調整の処
理時間が、60分、90分、120分のときの三つの試
料を作製し、それぞれの試料の重量増加量と酸素と窒素
の吸着速度を測定した。炭素の添着による重量増加は、
3.5wt%、3.9wt%、5.0wt%であった。分離係数
Kは、<3、<3、<6であった。メタンでは細
孔調整できなかった。
(比較例3;キシレンによる細孔調整、乾留炭A) 乾留炭Aに塩素処理して分子ふるい炭素前駆体を得
た。この前駆体6gを細孔調整設備にセットし、730℃の
温度に加熱した。窒素ガス3.0L/minを20℃の液体キシレ
ン中をバブリングすることにより得た混合ガス(キシレ
ン濃度約0.8容量%)を流し込み、細孔調整を行った。
細孔調整の処理時間が、10分、20分、30分、40
分のときの四つの試料を作製し、それぞれ試料の重量増
加量と酸素と窒素の吸着速度を測定した。重量増加は、
2.3wt%、3.2wt%、3.7wt%、3.9wt%であっ
た。分離係数Kは、<1、<3、<3、<6で
あった。キシレンでは細孔調整できなかった。
(比較例4;A、ベンゼンによる細孔調整) 窒素ガス気流下(3L/min)、1000℃で乾留したAを分
子ふるい炭素前駆体とした。これらに窒素ガス1.2L/min
を20℃の液体ベンゼン中をバブリングすることにより得
た混合ガスに、更に、窒素ガス3.8L/minを混合した混合
ガス(ベンゼン濃度約2.4容量%)を流し込み、細孔調
整を行った。細孔調整の処理時間は120分とした。得ら
れた炭素と酸素と窒素の吸着速度を測定したところ、吸
着開始300秒後の酸素吸着量は7.8cc/g、分離係数Kは5
5.0であった。
(比較例5;A、トルエンによる細孔調整) 窒素ガス気流下(3L/min)、1000℃で乾留したAを分
子ふるい炭素前駆体とした。これらに窒素ガス3.0L/min
を20℃の液体トルエン中をバブリングすることにより得
た混合ガスに、更に、窒素ガス1.0L/minを混合した混合
ガス(トルエン濃度約2.2容量%)を流し込み、細孔調
整を行った。細孔調整の処理時間は120分とした。得ら
れた炭素の酸素と窒素の吸着速度を測定したところ、吸
着開始300秒後の酸素吸着量は8.4cc/g、分離係数Kは5
2.3であった。
(実施例1;ベンゼンによる細孔調整、乾留炭A) 乾留炭Aに塩素処理して分子ふるい炭素前駆体を得
た。この前駆体6gを細孔調整設備にセットし、730℃の
温度に加熱した。窒素ガス1.2L/minを20℃の液体ベンゼ
ン中をバブリングすることにより得た混合ガスに、更
に、窒素ガス3.8L/minを混合した混合ガス(ベンゼン濃
度約2.4容量%)を流し込み、細孔調整を行った。細孔
調整の処理時間が120分のとき、重量増加量は6.7%であ
った。得られた炭素の酸素と窒素の吸着速度を測定し
た。吸着開始300秒後の酸素の吸着量は9.9cc/gであっ
た。分離係数Kは60.0であった。ベンゼンにより良好な
細孔調整ができた。
(実施例2;トルエンによる細孔調整、乾留炭A) 乾留炭Aに塩素処理して分子ふるい炭素前駆体を得
た。この前駆体6gを細孔調整設備にセットし、730℃の
温度に加熱した。窒素ガス3.0L/minを20℃の液体トルエ
ン中をパブリングすることにより得た混合ガスに、更
に、窒素ガス1.0L/minを混合した混合ガス(トルエン濃
度約2.2容量%)を流し込み、細孔調整を行った。細孔
調整の処理時間が60分のとき、重量増加量は5.2wt%で
あった。得られた炭素の酸素と窒素の吸着速度を測定し
たところ、吸着開始300秒後の吸着量は10.9cc/gであっ
た。分離係数Kは54.0であった。トルエンにより良好な
細孔調整ができた。
(実施例3;A、ベンゼンによる細孔調整、塩素化温度の
影響) 本実施例の分子ふるい炭素前駆体は、650℃で乾留し
た乾留炭Aを、500℃、600℃、の温度で塩素化した
ものを使用した。細孔調整の処理時間は90分とした。そ
の他の条件は実施例1と同じにした。塩素処理後の窒素
吸着量は、14.2cc/g、14.1cc/gであった。細孔調整
工程における重量増加は、10.7wt%、7.0wt%、吸
着開始300秒後の酸素吸着量は、10.3cc/g、10.6cc/
g、分離係数Kは、42.4、66.6であった。
(実施例4;A、トルエンによる細孔調整、乾留温度の影
響) 本実施例の分子ふるい炭素前駆体は、650℃、700
℃で乾留した乾留炭Aを、600℃の温度で塩素化したも
のを使用した。細孔調整の処理時間は45分とした。その
他の条件は実施例2と同じにした。細孔調整工程におけ
る重量増加は、5.3wt%、4.0wt%、吸着開始300秒
後の酸素吸着量は、11.2cc/g、10.2cc/g、分離係数
Kは、54.0、48.0であった。
(実施例5;ベンゼンによる細孔調整、乾留炭B) 乾留炭Bに塩素処理して分子ふるい炭素前駆体を得
た。この前駆体6gを細孔調整設備にセットし、700℃の
温度に加熱した。窒素ガス1.2L/minを20℃の液体ベンゼ
ン中をバブリングすることにより得た混合ガスに、更
に、窒素ガス3.8L/minを混合した混合ガス(ベンゼン濃
度約2.4容量%)を流し込み、細孔調整を行った。細孔
調整の処理時間が150分のとき、重量増加は15.0wt%で
あった。得られた炭素の酸素と窒素の吸着速度を測定し
た。吸着開始300秒後の酸素の吸着量は11.1cc/gであっ
た。分離係数Kは55.0であった。ベンゼンにより良好な
細孔調整ができた。
(実施例6;B、トルエンによる細孔調整) 本実施例の分子ふるい炭素前駆体は、750℃で乾留し
た乾留炭Bを550℃の温度で塩素処理したものを使用し
た。この前駆体6gを細孔調整設備にセットし、700℃の
温度に加熱した。窒素ガス3.0L/minを20℃の液体トルエ
ン中をバブリングすることにより得た混合ガスに、更
に、窒素ガス1.0L/minを混合した混合ガス(トルエン濃
度約2.2容量%)を流し込み、細孔調整を行った。細孔
調整の処理時間が80分のとき、重量増加は5.5wt%であ
った。得られた炭素の酸素と窒素の吸着速度を測定し
た。吸着開始300秒後の酸素の吸着量は11.5cc/gであっ
た。分離係数Kは48.0であった。トルエンにより良好な
細孔調整ができた。
(実施例7;LPG不完全燃焼排ガスによる脱塩素) 乾留炭A(10g)を700℃の温度に加熱し、窒素0.9L/m
inに塩素0.1L/minを混合したガスを流し込み塩素化した
(60分)。次に窒素ガス気流下(3L/min)1000℃の温度
で60分間加熱処理した。次に、LPG不完全燃焼排ガス
(約3L/min)中700℃で加熱処理して塩素を脱離したも
のを分子ふるい炭素前駆体とした。この前駆体を細孔調
整設備にセットし、730℃の温度に加熱した。窒素ガス
3.0L/minを20℃の液体トルエン中をバブリングすること
により得た混合ガスに、更に、窒素ガス1.0L/minを混合
した混合ガス(トルエン濃度約2.2容量%)を流し込
み、細孔調整を行った。細孔調整の処理時間が60分のと
き、重量増加量は5.2wt%であった。得られた炭素の酸
素と窒素の吸着速度を測定したところ、吸着開始300秒
後の酸素の吸着量は10.8cc/gであった。分離係数Kは5
5.1であった。LPG不完全燃焼排ガスにより脱塩素処理し
た前駆体も良好な細孔調整ができた。
(実施例8;乾留炭B,臭素処理) 乾留炭B(10g)を、臭素ガス8wt%を含む窒素ガス気
流(1L/min)下、試料では500℃の温度で3時間、試
料では600℃の温度で2時間、試料では700℃の温度
で1時間、それぞれ加熱して臭素化処理を行った。次
に、各試料を窒素ガス気流(3L/min)下で1000℃の温度
で30分間加熱し、さらに、25℃の飽和水蒸気を含む窒素
ガス気流(1L/min)下で700℃の温度で15分間加熱して
脱臭素処理を行った。各試料の窒素ガスの吸着量を測定
したところ、17.8cc/g、16.6cc/g、15.0cc/gであ
った。
続いて得られた各試料を前駆体として細孔調整を行な
う。各試料を700℃の温度に加熱した。窒素ガス3.0L/mi
nを20℃の液体トルエン中をバブリングすることにより
得た混合ガスに、更に、窒素ガス1.0L/minを混合した混
合ガス(トルエン濃度約2.2容量%)を流し込み、細孔
調整を行った。細孔調整の処理時間が90分のとき、重量
増加は、4.8wt%、4.5wt%、4.0wt%であった。
得られた炭素の酸素と窒素の吸着速度を測定した。吸着
開始300秒後の酸素の吸着量は、12.6cc/g、12.5cc/
g、11.5cc/gであった。分離係数Kは、65.0、62.
9、61.1であった。臭素処理炭に細孔調整を施しても
良好な分子ふるい炭素が得られた。
上記実施例および比較例で得られた分子ふるい炭素の
酸素吸着量と分離係数をまとめて表2に示す。
比較例と実施例の、酸素吸着量と分離関数の関係を、
図4に示す。分子ふるい炭素は同図の右上領域にあるほ
ど分離性能に優れている。本発明になる分子ふるい炭素
の酸素吸着量と分離係数は、同図で比較例より右上側に
あり、酸素と窒素を分離するのに適しているのがわか
る。
(空気を分離する圧力変動式吸着分離装置) 本発明の分子ふるい炭素の性能を評価するための圧力
変動式吸着分離装置の系統図を図5に示す。この装置の
吸着分離プロセス工程を表3に示す。以下、図5と表3
に基づいてプロセス工程を説明する。
図5は、本発明の分子ふるい炭素を動的に性能評価す
るための2筒式圧力変動式吸着分離装置の系統図であ
る。
2筒の内、一方の吸着筒11A下部に加圧された原料空
気が導入され、充填されている分子ふるい炭素に酸素が
選択的に吸着除去される。濃縮された窒素は吸着筒上部
より流出し、製品槽12に蓄えられる。その間、他方の吸
着筒11Bは減圧され、大気圧下で製品槽12を介した濃縮
窒素の一部をパージガスとして吸着筒上部より流しなが
ら吸着した酸素を脱着し、分子ふるい炭素の再生を行
う。
規定時間が終了するとそれぞれの切換弁が全開とな
り、吸着筒どうしを均圧するための吸着筒上部と下部の
均圧切換弁のみが全開となる。
均圧操作のための規定時間が終了すると、次に吸着筒
11B下部に加圧された原料空気が導入され、他方吸着筒1
1Aは再生を開始する。
この操作を繰り返しながら、連続的に回収される窒素
を減圧弁で一定圧力に調整し、一定純度の製品窒素とし
て分離する。
窒素収率(%)は、(製品窒素量)÷(原料空気中の
窒素量)×100で表す。
表3は、本発明の分子ふるい炭素を動的に性能評価す
るための圧力変動式吸着分離装置の吸着筒プロセス工程
図である。
以下の実施例に示す圧力変動式吸着分離試験において
使用した装置は、2筒式であり、一筒当たりの分子ふる
い炭素の充填容積は1L、筒の長さは690mmである。
操作条件は、操作温度は25℃、吸着圧力は6.5kgf/cm2
G(ゲージ圧)、吸着時間は120秒、再生圧力は大気圧、
再生時間は120秒、パージ流量は30L/hである。吸着工程
終了後、筒の上部および下部において同時に1秒の均圧
操作を行っている。原料空気は、冷凍式エアドライヤに
より、加圧露点5℃まで除湿した。製品窒素の純度は、
製品窒素出口のニードル弁の開度により調整した。製品
窒素中の酸素濃度は、ジルコニア式酸素濃度計(東レエ
ンジニアリング(株)製、型式LC−800)、製品窒素の
流量は、乾式積算ガスメーター(品川精器(株)製、型
式DC−5)により測定した。
(比較例6) 従来品の分子ふるい炭素aを前記圧力変動式吸着分離
装置に充填し、空気分離試験を行った。製品窒素中の酸
素濃度が0.1%のとき、窒素発生量は80NL/h、窒素収率
は35.5%であった。
(比較例7) 従来品の分子ふるい炭素bを前記圧力変動式吸着分離
装置に充填し、空気分離試験を行った。製品窒素中の酸
素濃度が0.1%のとき、窒素発生量は89NL/h、窒素収率
は38.0%であった。
(実施例9) 実施例4のと同じ条件で製造した分子ふるい炭素を
前記圧力変動式吸着分離装置に充填し、空気分離試験を
行った。製品窒素中の酸素濃度が0.1%のとき、窒素発
生量は120NL/h、窒素収率は42.0%であった。
(実施例10) 実施例6と同じ条件で製造した分子ふるい炭素を前記
圧力変動式吸着分離装置に充填し、空気分離試験を行っ
た。製品窒素中の酸素濃度が0.1%のとき、窒素発生量
は130NL/h、窒素収率は44.0%であった。
比較例6と7、実施例9と10の比較を表4に示す。塩
素処理した前駆体炭素に細孔調整して得た分子ふるい炭
素を使用して圧力変動式吸着分離を行うと、従来品を使
用したときより、窒素発生量と窒素収率がともに大き
く、酸素と窒素を効率よく分離することができた。
表4の結果から、比較例を基準とする実施例の、吸着
筒容積あたりの窒素発生量と窒素収率の増加、および同
一量の窒素を発生さるために必要な吸着筒の容積と空気
量の減少は、表5のようになる。吸着筒の容積は26〜38
%低減でき、空気量は10〜19%低減することができる。
(実施例11;塩素処理炭の賦活) 乾留炭AおよびBに塩素処理を施し、次に、表6に示
す賦活の雰囲気と温度で、同表に示す賦活収率になるよ
うに賦活処理を行った場合に、得られた活性炭の比表面
積と、細孔容積を測定した結果を同表6の同じ欄に示
す。
(実施例12;二酸化炭素の吸着) 市販の活性炭1種類(武田薬品(株)製粒状白鷺)、
および、本発明の活性炭4種類の25℃での二酸化炭素吸
着等温線を図6に示す。
本発明の活性炭の製造方法は次のとおりである。
活性炭A−75 乾留炭Aを塩素処理し賦活収率が75%に
なるように賦活したもの。
活性炭A−65 乾留炭Aを塩素処理し賦活収率が65%に
なるように賦活したもの。
活性炭B−80 乾留炭Bを塩素処理し賦活収率が80%に
なるように賦活したもの。
活性炭B−70 乾留炭Bを塩素処理し賦活収率が70%に
なるように賦活したもの。
図6から明らかなように、本発明の活性炭の二酸化炭
素吸着量は、市販の活性炭より多く、たとえば1atmにお
いては、市販品のおよそ1.7〜1.8倍である。
(実施例13;メタンの吸着) 市販の活性炭1種類(武田薬品(株)製粒状白鷺)、
および、本発明の活性炭2種類の25℃でのメタン吸着等
温線を図7に示す。
本発明の活性炭の製造方法は次のとおりである。
活性炭A−80 乾留炭Aを塩素処理し賦活収率が80%に
なるように賦活したもの。
活性炭A−70 乾留炭Aを塩素処理し賦活収率が70%に
なるように賦活したもの。
図6から明らかなように、本発明の活性炭のメタン吸
着は、市販活性炭より多く、例えば1atmにおいては市販
品のおよそ1.7〜1.8倍である。
(実施例14;臭素処理、二酸化炭素の吸着) 乾留炭A(15g)を8wt%の臭素ガス(Br2)を含む窒
素ガス(1L/min)気流下で、600℃の温度で60分間加熱
して臭素化処理をした。つぎに、窒素ガス気流下(3L/m
in)で900℃の温度で30分間加熱し、さらに、25℃の飽
和水蒸気を含む窒素ガス気流下(1L/min)で700℃の温
度で15分間加熱して脱臭素処理をおこなった。こうして
得られた臭素処理炭を、前記条件の二酸化炭素ガス雰囲
気下で、賦活処理を行った。賦活処理の時間を調節し
て、試料では賦活収率を80%にし、試料では賦活収
率を65%にした。
得られた炭素材の二酸化炭素の吸着量を測定したとこ
ろ、25℃、1atmにおいて、試料は84.5cc/g、試料は
87.1cc/gであった。それに対し、市販品(武田薬品
(株)製粒状白鷺)は50.2cc/gであった。臭素ガスによ
っても本発明の効果が得られた。
(水素を製造する圧力変動式吸着分離装置) 本発明の活性炭の性能を評価するための二酸化炭素と
メタンの少なくとも一方を含む混合ガスから高純度水素
を発生する圧力変動式吸着分離装置の系統図およびプロ
セス工程図を図8と表7に示す。以下、図8と表7に基
づいてプロセス工程を説明する。
図8は、本発明の活性炭を動的に性能評価するための
3筒式圧力変動式吸着分離装置の系統図である。図中、
PRは圧力調整弁、MFCはマスフローコントローラーであ
る。また、符号21A,21B,21Cは、それぞれ独立した吸着
筒を示している。
3筒の内、吸着筒21Aの下部に加圧された原料混合ガ
スが導入され、充填されている吸着剤に水素以外の二酸
化炭素その他の成分が選択的に吸着除去される。濃縮さ
れた水素は吸着筒上部により流出し、製品槽に蓄えられ
る。その間、吸着筒21Bと吸着筒21Cはバルブ操作で連結
されて均圧される。吸着筒21Bは水素ガスで加圧され
る。吸着筒21Cは前記均圧に続けて大気圧まで減圧さ
れ、さらに水素ガスでバージされることにより再生され
る。
以上の工程を順次繰り返すことで、混合原料ガスか
ら、高純度の水素ガスが得られる。高純度水素ガスの取
り出し量は圧力調整弁で調節する。
水素収率(%)は、(製品水素量)÷(原料ガス中の
水素量)×100で表す。
表7は、本発明の活性炭を動的に性能評価するための
図8に示す3筒式圧力変動式吸着分離装置の吸着筒プロ
セス工程図を示すものである。
(実施例15;H2+CO2混合ガスの分離) 水素(H2)75容量%と二酸化炭素(CO2)25容量%の
混合ガスを原料ガスとし、図8に示す3筒式圧力変動式
吸着分離装置により、二酸化炭素を除去して高純度の水
素を発生することで本発明の活性炭の分離性能を試験し
た。
筒の内径は43.0mm、長さは1000mm、内容積は1.45Lで
ある。これに本発明の活性炭(B−70)を充填した。比
較のための活性炭は武田薬品(株)製粒状白鷺である。
操作温度は25℃、吸着圧力は9.5kgf/cm2G(ゲージ
圧)である。高純度水素の取り出し量は圧力調整弁の開
度により調節した。筒の切り替え時間は表7の通りとし
た。
二酸化炭素の濃度は、水素炎イオン化検出器ガスクロ
マトグラフィー((株)柳本製作所、タイプG2800F、以
下の実施例で同じ)で測定した。ガス流量は、マスフロ
ーコントローラー((株)小島製作所、MODEL 3710、以
下の実施例で同じ)で測定した。製品水素の純度と収率
の関係を図9に示す。
原料混合ガスの処理量が20NL/minで、水素の純度が9
9.999容量%(水素中の二酸化炭素濃度が10容量ppm)な
らば、水素収率が、市販活性炭では64.8%であるのに対
し、本発明活性炭では70.2%であり、水素収率が5.4ポ
イント向上した。
原料混合ガスの処理量が15NL/minで、水素の純度が9
9.999容量%(水素中の二酸化炭素濃度が10容量ppm)な
らば、水素収率が、市販活性炭では73.0%であるのに対
し、本発明活性炭では76.5%であり、3.5ポイント向上
した。
(実施例16;メタノール分解ガスからの水素の製造) メタノールと水蒸気の改質ガスを原料とし、図8に示
す3筒式圧力変動式吸着分離装置により、二酸化炭素、
その他の成分を除去して高純度の水素を発生すること
で、本発明の活性炭の分離性能を試験した。
改質ガスの組成は、二酸化炭素(CO2)24.0容量%、
一酸化炭素(CO)1.0容量%、メタン(CH4)4容量pp
m、窒素(N2)80容量ppm、および水分0.5容量%で、水
素は74.5容量%であった。
筒の内径は54.9mm、長さは4000mm、内容積は9.46Lで
ある。筒下部から順に、アルミナゲル(丸谷化工機、AU
TOPUREX MA4B−312)を長さ200mm、本発明活性炭(B−
70)を長さ2800mm、ゼオライト(ユニオン昭和タイプ5
A)を長さ1000mmになるように充填した。原料の改質ガ
スは筒下部から供給される。
比較例として、活性炭のみ市販品(武田薬品(株)製
粒状白鷺)を用い、他は上記に同じとした筒を用いた。
アルミナゲルは水分を、活性炭は二酸化炭素とメタ
ン、ゼオライトは一酸化炭素と窒素を主として吸着す
る。
操作温度は25℃、吸着圧力は9.0kgf/cm2G(ゲージ
圧)とし、高純度水素の取り出し量は圧力調整弁の開度
により調整した。
吸着切り替えは、表7の第1工程を30秒、第2工程を
70秒、第3工程を200秒に設定して行った。
水素ガスの純度は、水素以外の成分をガスクロマトグ
ラフィーで測定し、その合計を除いて表した。窒素は熱
伝導度検出器ガスクロマトグラフィー((株)柳本製作
所、タイプG2800T、以下の実施例で同じ)、二酸化炭
素、一酸化炭素、メタンは水素炎イオン化検出器ガスク
ロマトグラフィーで測定した。ガス流量は、マスフロー
コントローラーで測定した。
結果は下記のとおりであった。
原料改質ガス43.0NL/minを処理し、水素純度が99.999
容量%のとき、 本発明活性炭では、発生量が23.1NL/min、収率が72.2% 市販活性炭では、 発生量が21.5NL/min、収率が67.1% この結果より、本発明活性炭を用いた場合、水素発生
量は1.07倍(7%増)、収率は5.1ポイント増加した。
(実施例17;コークス炉ガスからの水素の製造) コークス炉ガスを原料とし、図8に示す3筒式圧力変
動吸着分離装置により、メタン、二酸化炭素、その他の
成分を除去して高純度の水素を発生することで本発明の
活性炭の分離性能を試験した。
コークス炉ガスには、微量成分としてベンゼンなどの
芳香族化合物、硫化水素などの硫黄化合物、アンモニ
ヤ、タールミスト等が含まれているので、活性炭を充填
した吸着器に通してこれらの微量成分は予め除去して精
製した。精製されたコークス炉ガスの組成は、水素
(H2)60.3容量%、窒素(N2)3.7容量%、酸素(O2
0.3容量%、一酸化炭素(CO)5.3容量%、二酸化炭素
(CO2)2.3容量%、メタン(CH4)25.9容量%、エタン
(C2H6)0.5容量%、エチレン(C2H4)1.7容量%、であ
った。
筒は、内径は54.9mm、長さは2000mm、内容積は4.73L
である。筒下部から順に、本発明活性炭(A−70)を長
さ700mm、ゼオライト(ユニオン昭和タイプ5A)を長さ1
300mm充填した。原料のコークス炉ガスは筒下部から供
給した。
比較例として、活性炭は市販品(カルゴン社BPL)を
充填し、ゼオライトは上記と同じとした。また充填長さ
も上記に同じとした。
活性炭は二酸化炭素と炭化水素を、ゼオライトは一酸
化炭素、窒素、酸素を主として吸着する。
操作温度は25℃、吸着圧力は8.0kgf/cm2G(ゲージ
圧)、高純度水素の取り出し量は圧力調整弁の開度によ
り調節した。
吸着筒切り替えは、表7の第1工程を10秒、第2工程
を20秒、第3工程を210秒とした。
水素ガスの純度は、水素以外の成分をガスクロマトグ
ラフィーで測定し、その合計を除いて表した。窒素、酸
素は熱伝導度検出器はガスクロマトグラフィーで、二酸
化炭素、一酸化炭素、メタン、エタン、エチレンは水素
炎イオン化検出器ガスクロマトグラフィーで測定した。
ガス流量は、マスフローコントローラーで測定した。
結果は下記のとおりであった。
原料ガスを16.7NL/min処理して、 ・水素純度が99.999容量%のとき、 本発明活性炭では、発生量が6.30NL/minで、収率が62.6
% 市販活性炭では、 発生量が5.88NL/minで、収率が58.4
% ・水素純度が99.99容量%のとき、 本発明活性炭では、発生量が7.14NL/minで、収率が70.9
% 市販活性炭では、 発生量が6.64NL/minで、収率が65.9
% この結果より、本発明活性炭を用いた場合、水素発生
量は1.07〜1.08倍(7〜8%増)、収率は4.2〜5.0ポイ
ント向上した。
産業上の利用可能性 以上説明したように、本発明の分子ふるい炭素の製造
方法は、常法により得られる乾留炭に、ハロゲン化処
理、脱ハロゲン処理、細孔調整処理を順次行うことによ
り、酸素吸着量を著しく向上させ、分離係数も向上させ
ることができる。従って、これを窒素分離用の吸着剤と
して用いることにより、吸着剤の単位量当たりの窒素発
生量が多く、窒素収率も高くなり、窒素の製造コストを
低減することができる。
製品窒素純度99.9%のとき、吸着筒容積は26%以上低
減でき、同時に空気量は10%以上低減できる。
また、本発明の活性炭の製造方法は、常法により得ら
れる乾留炭に、ハロゲン化処理、脱ハロゲン処理、賦活
処理を順次行うことにより、二酸化炭素やメタンの吸着
量を著しく向上させることができる。従って、二酸化炭
素やメタンを含む混合ガスから二酸化炭素やメタンを分
離する吸着剤として好適に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林田 政嘉 山梨県北巨摩郡高根町下黒沢3054−3 日本酸素株式会社 山梨研究所内 (72)発明者 富田 修康 山梨県北巨摩郡高根町下黒沢3054−3 日本酸素株式会社 山梨研究所内 (72)発明者 中村 総夫 山梨県北巨摩郡高根町下黒沢3054−3 日本酸素株式会社 山梨研究所内 (72)発明者 澤口 智 山梨県北巨摩郡高根町下黒沢3054−3 日本酸素株式会社 山梨研究所内 (72)発明者 若泉 章 神奈川県川崎市幸区塚越4−320 日本 酸素株式会社内 (72)発明者 三宅 博之 山梨県北巨摩郡高根町下黒沢3054−3 日本酸素株式会社 山梨研究所内 (56)参考文献 特開 平4−310209(JP,A) 特開 平5−31361(JP,A) 特開 平5−285379(JP,A) 特開 平6−63397(JP,A) 特開 平6−100309(JP,A) 特開 平6−142503(JP,A) 特公 昭49−25117(JP,B2) 特公 昭58−39773(JP,B2)

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾留炭をハロゲンガスに接触させてハロゲ
    ン化乾留炭を得るハロゲン化処理の工程と、該ハロゲン
    化乾留炭中のハロゲンの一部または全部を脱離させて多
    孔性炭素材を得る脱ハロゲン処理の工程と、該多孔性炭
    素材を熱分解性炭化水素と接触させる細孔調整処理の工
    程とを備えたことを特徴とする炭素吸着剤の製造方法。
  2. 【請求項2】乾留炭をハロゲンガスに接触させてハロゲ
    ン化乾留炭を得るハロゲン化処理の工程と、該ハロゲン
    化乾留炭中のハロゲンの一部または全部を脱離させて多
    孔性炭素材を得る脱ハロゲン処理の工程と、該多孔性炭
    素材を賦活する賦活処理の工程とを備えたことを特徴と
    する炭素吸着剤の製造方法。
  3. 【請求項3】前記ハロゲンガスが、塩素および臭素から
    なる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを含有す
    ることを特徴とする請求の範囲第1項記載の炭素吸着剤
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記ハロゲンガスが、塩素および臭素から
    なる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを含有す
    ることを特徴とする請求の範囲第2項記載の炭素吸着剤
    の製造方法。
  5. 【請求項5】前記ハロゲン化処理が、不活性ガスで希釈
    したハロゲンガス中350〜1000℃の温度で加熱する処理
    であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の炭素吸
    着剤の製造方法。
  6. 【請求項6】前記ハロゲン化処理が、不活性ガスで希釈
    したハロゲンガス中350〜1000℃の温度で加熱する処理
    であることを特徴とする請求の範囲第2項記載の炭素吸
    着剤の製造方法。
  7. 【請求項7】前記脱ハロゲン処理が、不活性ガス中600
    〜1300℃の温度で加熱する処理と、不活性ガスで希釈し
    た水素化合物ガス中600〜850℃の温度で加熱する処理と
    を備えた処理であることを特徴とする請求の範囲第1項
    記載の炭素吸着剤の製造方法。
  8. 【請求項8】前記脱ハロゲン処理が、不活性ガス中600
    〜1300℃の温度で加熱する処理と、不活性ガスで希釈し
    た水素化合物ガス中600〜850℃の温度で加熱する処理と
    を備えた処理であることを特徴とする請求の範囲第2項
    記載の炭素吸着剤の製造方法。
  9. 【請求項9】前記水素化合物ガスが、水および低級炭化
    水素からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を
    含有することを特徴とする請求の範囲第7項記載の炭素
    吸着剤の製造方法。
  10. 【請求項10】前記水素化合物ガスが、水および低級炭
    化水素からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物
    を含有することを特徴とする請求の範囲第8項記載の炭
    素吸着剤の製造方法。
  11. 【請求項11】前記乾留炭が、やし殻炭およびフェノー
    ル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の炭素化
    合物を乾留したものであることを特徴とする請求の範囲
    第1項記載の炭素吸着剤の製造方法。
  12. 【請求項12】前記乾留炭が、やし殻炭およびフェノー
    ル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の炭素化
    合物を乾留したものであることを特徴とする請求の範囲
    第2項記載の炭素吸着剤の製造方法。
  13. 【請求項13】前記細孔調整処理が、不活性ガスで希釈
    した熱分解性炭化水素中600〜850℃の温度で加熱する処
    理であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の炭素
    吸着剤の製造方法。
  14. 【請求項14】前記熱分解性炭化水素が、ベンゼンおよ
    びトルエンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化
    合物を含有することを特徴とする請求の範囲第13項記載
    の炭素吸着剤の製造方法。
  15. 【請求項15】前記賦活処理が、不活性ガスで希釈した
    酸化性ガス中650〜1150℃で加熱する処理であることを
    特徴とする請求の範囲第2項記載の炭素吸着剤の製造方
    法。
  16. 【請求項16】請求の範囲第1項記載の製造方法により
    得られる炭素吸着剤であって、25℃かつ1気圧のときの
    酸素吸着量が9〜14cc/gであり、酸素と窒素の分離係数
    が40〜80であることを特徴とする炭素吸着剤。
  17. 【請求項17】請求の範囲第2項記載の方法により得ら
    れる炭素吸着剤であって、25℃かつ1気圧のときの二酸
    化炭素吸着量が86〜100cc/gであることを特徴とする炭
    素吸着剤。
  18. 【請求項18】請求の範囲第2項記載の方法により得ら
    れる炭素吸着剤であって、25℃かつ1気圧のときのメタ
    ン吸着量が30〜45cc/gであることを特徴とする炭素吸着
    剤。
  19. 【請求項19】比表面積が400〜2000m2/g、かつ細孔容
    積が0.1〜0.7cm3/gであることを特徴とする請求の範囲
    第17項記載の炭素吸着剤。
  20. 【請求項20】比表面積が400〜2000m2/g、かつ細孔容
    積が0.1〜0.7cm3/gであることを特徴とする請求の範囲
    第18項記載の炭素吸着剤。
  21. 【請求項21】請求の範囲第16項から第18項のいずれか
    一項記載の炭素吸着剤を充填した吸着筒に原料混合ガス
    を供給する工程と、該吸着剤によって原料混合ガスの一
    部の成分ガスを吸着分離する工程とを備えたことを特徴
    とするガス吸着分離法。
  22. 【請求項22】前記原料混合ガスが二酸化炭素およびメ
    タンからなる群より選ばれる少なくとも一種の成分ガス
    を含む混合ガスであり、かつ前記成分ガスを吸着分離す
    る工程において、前記成分ガスを圧力変動式吸着分離法
    によって吸着分離することを特徴とする請求の範囲第21
    項記載のガス吸着分離法。
  23. 【請求項23】圧力変動式吸着分離により空気から窒素
    を分離するに際し、請求の範囲第16項記載の炭素吸着剤
    を使用することを特徴とする空気から窒素を分離する方
    法。
  24. 【請求項24】原料混合ガスの供給手段に接続されたガ
    ス供給部と、非吸着ガスを導出する排気部とが設けられ
    た吸着筒を備え、該吸着筒に原料混合ガスの一部の成分
    ガスを吸着分離する吸着剤が充填されたガス吸着分離装
    置において、前記吸着剤が請求の範囲第16項から第18項
    のいずれか一項記載の炭素吸着剤であることを特徴とす
    るガス吸着分離装置。
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