JP2020089101A - モータ及びモータ駆動装置 - Google Patents

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赤田 弘司
Koji Akata
弘司 赤田
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Abstract

【課題】磁気回路内での渦電流の発生を抑制したモータを提供する。【解決手段】モータ20は、外周面が周方向にS極とN極に交互に着磁されたマグネット21aを有するロータ21と、マグネット21aの外周面と対向する第1の磁極部27bを有する第1のヨーク27と、第1の磁極部27bを励磁する第1のコイル25aと、第1のコイル25aの内径部に挿入され、ロータ21を軸支する第1の軸受23と、マグネット21aの外周面に対向する第2の磁極部28bを有する第2のヨーク28と、第2の磁極部28bを励磁する第2のコイル26aと、第2のコイル26aの内径部に挿入され、ロータ21を軸支する第2の軸受24を備える。第1の軸受23において第1のコイル25aと近接する部位に穴部23aを設け、第2の軸受24において第2のコイル26aと近接する部位に穴部24aを設ける。【選択図】図4

Description

本発明は、磁気的な力によって回転駆動力を発生させるモータ及びモータ駆動装置に関する。
磁気的な力によって回転駆動力を発生させるモータとして、種々の構造のものが知られている。例えば、特許文献1に記載されているモータは、ロータ、第1のヨーク、第1のコイル、第2のヨーク、第2のコイル、磁性材、第1のベアリング及び第2のベアリングを備える。ロータは、円筒形状のマグネットを有する。第1のヨークは、ロータのマグネットの外周面に対向するように配置される第1の磁極部を有する。第1のコイルは、通電されることで励磁される第1の磁極部を有する。第2のヨークは、第1の磁極部と電気角で略90度ずれた位置でマグネットの外周面に対向するように配置される第2の磁極部を有する。第2のコイルは、通電されることで励磁される第2の磁極部を有する。第1のベアリングは、第1のコイルの内径部に配置され、ロータに設けられた軸部を軸支し、第1のヨークに結合している。同様に、第2のベアリングは、第2のコイルの内径部に配置され、ロータに設けられた軸部を軸支し、第2のヨークに結合している。このようなモータでは、第1のコイルと第2のコイルに通電を行うことでベアリングに磁束が発生し、ベアリングに結合されたヨークにその磁束が通って、第1の磁極部と第2の磁極部を励磁するように磁気回路が構成されている。
特許第6120563号公報
上記特許文献1に記載されているモータでは、コイルへの通電時にベアリングでの磁束の発生に伴って、ベアリング内に鉄損の一種である渦電流が発生する。この渦電流は、コイルへの通電による磁束の発生を妨げる方向に生じるため、モータの動特性を低下させてしまうことが一般的に知られている。特に高速で磁束が交番する場合に、モータの動特性の低下が顕著になる。
本発明は、磁気回路内での渦電流の発生を抑制したモータを提供することを目的とする。
本発明に係るモータは、円筒形状を有し、外周面が周方向にS極とN極に交互に着磁されたマグネットを有する回転可能なロータと、前記マグネットの外周面と対向するように配置される第1の磁極部を有する第1のヨークと、通電により前記第1の磁極部を励磁する第1のコイルと、前記第1のコイルの内径部に挿入され、前記ロータを軸支する第1の軸受と、前記第1の磁極部に対して電気角をずらした位置で前記マグネットの前記外周面に対向するように配置される第2の磁極部を有する第2のヨークと、通電により前記第2の磁極部を励磁する第2のコイルと、前記第2のコイルの内径部に挿入され、前記ロータを軸支する第2の軸受と、を備え、前記第1の軸受において前記第1のコイルと近接する部位と前記第2の軸受において前記第2のコイルと近接する部位の少なくとも一方に穴部または溝部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、磁気回路内での渦電流の発生を抑制したモータを実現することができる。
モータ駆動装置の概略構成を示す図である。 モータの動作を説明する図である。 モータの磁極部に対する磁気センサの配設位置を説明する図である。 本発明の実施形態に係るモータの概略構成を説明する分解斜視図である。 モータでの磁気回路での磁束の流れを説明する断面図である。 モータでの第1の軸受、第1のボビン、第1のヨークからなるユニットにおける電流の流れを説明する図と、第1の軸受の斜視図である。 第1の軸受の構成を説明する図である。 参考例に係るモータでの軸受、ボビン、ヨークからなるユニットにおける電流の流れを説明する図と、軸受の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。最初に、本発明の実施形態に係るモータの駆動原理について説明する。図1は、モータ駆動装置の概略構成を示す図である。モータ駆動装置は、モータ1と、モータ1の駆動制御を行う駆動部とを有し、駆動部は制御回路13と駆動回路14を有する。なお、図1では、モータ1の一部を切り欠いて示している。
モータ1は、マグネット3aとシャフト3bを有するロータ3、第1のコイル4、第2のコイル5、第1のヨーク6、第2のヨーク7、第1の磁気センサ8、第2の磁気センサ9、第3の磁気センサ10、第4の磁気センサ11及びモータカバー12を備える。
マグネット3aは、円筒形状を有し、外周面が周方向に分割されて異なる極(S極、N極)に交互に着磁されている。本実施形態では、8分割(8極)に着磁されているものとするが、これに限られず、4極或いは12極に着磁されていてもよい。シャフト3bは、マグネット3aの中心軸となるように、マグネット3aに固定されており、マグネット3aとシャフト3bはロータ3として一体的に回転可能に配置される。第1のコイル4は、マグネット3aの軸方向の一端に配置されている。
第1のヨーク6は、軟磁性材料で、マグネット3aの外周面に対して所定の隙間を持って対向して配置されている。また、第1のヨーク6は、円環状の本体部から軸方向に延出され、周方向に所定の間隔で配置された複数の第1の磁極部6aを有する。第1の磁極部6aは、第1のコイル4への通電によって励磁される。第1のコイル4、第1のヨーク6と、複数の第1の磁極部6aに対向するマグネット3aによって第1のステータユニットが構成されている。
第2のコイル5は、マグネット3aの軸方向において第1のコイル4が取り付けられている一端の反対側の端部に配置されている。第2のヨーク7は、軟磁性材料で、マグネット3aの外周面に対して所定の隙間を持って対向して配置されている。また、第2のヨーク7は、円環状の本体部から軸方向に延出され、周方向に所定の間隔で配置された複数の第2の磁極部7aを有する。第2の磁極部7aは、第2のコイル5への通電によって励磁される。第2のコイル5と、第2のヨーク7と、複数の第2の磁極部7aに対向するマグネット3aによって第2のステータユニットが構成される。第1の磁極部6aと第2の磁極部7aに励磁される極(N極、S極)を切り換えることで、ロータ3に与えるトルクを変化させることができる。
第1の磁気センサ8、第2の磁気センサ9、第3の磁気センサ10及び第4の磁気センサ11は、それぞれ、マグネット3aの磁束を検出するホール素子であり、モータカバー12に固定されている。モータカバー12は、第1の磁極部6aと第2の磁極部7aがマグネット3aの着磁位相に対して電気角で略90度ずれて配置されるように、第1のヨーク6と第2のヨーク7を保持している。なお、電気角とは、マグネット磁力の1周期を360度として表したものである。ロータの極数をM、機械角をθ0とすると、電気角θは、‘θ=θ0×M/2’、により表される。前述の通りにマグネット3aの着磁が8極の場合には、電気角90度は機械角で22.5度となる。
制御回路13は、ステップ駆動と、進角量が異なる2種類のフィードバック駆動とを切り換えてモータ1を駆動する。制御回路13は、ステップ駆動を行う場合には、所定の時間間隔で第1のコイル4と第2のコイル5に対する通電状態を切り換えるように駆動回路14を制御する。よって、ステップ駆動を行う場合には、第1の磁気センサ8、第2の磁気センサ9、第3の磁気センサ10及び第4の磁気センサ11の出力を使用しない。一方、制御回路13は、第1の磁気センサ8、第2の磁気センサ9、第3の磁気センサ10及び第4の磁気センサ11の出力を使用して、2種類のフィードバック駆動を行う。
次に、制御回路13によるフィードバック駆動について説明する。第1の磁気センサ8、第2の磁気センサ9、第3の磁気センサ10及び第4の磁気センサ11を第1のヨーク6と第2のヨーク7に対して、以下の位置関係で配置することにより、通電方向の切り換え時であっても大きな回転駆動力を得ることができる。
図2は、モータ1の動作を説明する図である。最初に、ロータ3のCW方向(時計まわり方向)の低進角駆動モード(第1の通電モード)について説明する。低進角駆動モードでは、後述する高進角駆動モードよりも大きなトルクを得ることができる。
CW方向の低進角駆動モードでは、第1の磁気センサ8の出力信号にしたがって第1の磁極部6aの励磁を切り換え、第2の磁気センサ9の出力信号にしたがって第2の磁極部7aの励磁を切り換えることにより、ロータ3をCW方向に回転させる。
CW方向へ回転させる低進角駆動モードでは、以下に説明する組み合わせで、第1のコイル4と第2のコイル5の通電方向を切り換える。
即ち、第1の磁気センサ8がマグネット3aのS極(N極からS極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第1の磁極部6aがN極に励磁されるように駆動回路14を制御する。また、第1の磁気センサ8がマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第1の磁極部6aがS極に励磁されるように駆動回路14を制御する。
第2の磁気センサ9がマグネット3aのS極(N極からS極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第2の磁極部7aがS極に励磁されるように駆動回路14を制御する。また、第2の磁気センサ9がマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第2の磁極部7aがN極に励磁されるように駆動回路14を制御する。
図2(a)の状態を初期状態とする。図2(a)の状態では、第1の磁気センサ8と第2の磁気センサ9は共にマグネット3aのS極を検出している。このとき、制御回路13は、第1の磁極部6aがN極に励磁され、第2の磁極部7aがS極に励磁されるように駆動回路14を制御する。これにより、ロータ3にCW方向の回転力が発生する。
図2(a)の状態からマグネット3aがCW方向に回転すると、図2(b)に示すように、マグネット3aのS極の中心Q1と第1の磁極部6aの中心が対向する状態になる。図2(b)の状態からマグネット3aがCW方向に回転すると、図2(c)に示すように、マグネット3aのS極の中心Q1と第1の磁極部6aとの距離が、マグネット3aのN極の中心Q2と第2の磁極部7aとの距離と同じになる。
第1の磁気センサ8の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換える場合に、マグネット3aの回転位置に対する第1の磁極部6aの励磁切換のタイミングが電気進角0度から45度の間になるように、第1の磁気センサ8は配置されている。
図2(b)の状態から図2(c)の状態へ遷移する間に第1の磁気センサ8はマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出し、これに応じて駆動回路14は第1の磁極部6aがS極に励磁されるように第1のコイル4に通電する。また、図2(b)の状態から図2(c)の状態へ遷移する間は第2の磁気センサ9はマグネット3aのS極を検出しているので、駆動回路14は第2の磁極部7aがS極に励磁されるように第2のコイル5に通電している。これにより、ロータ3にCW方向の回転力が発生する。
図2(c)の状態からマグネット3aがCW方向に回転すると、図2(d)に示すように、マグネット3aのN極の中心Q2と第2の磁極部7aの中心が対向する。図2(d)の状態からマグネット3aがCW方向に回転すると、図2(e)に示すように、マグネット3aのN極の中心Q2と第1の磁極部6aとの距離が、マグネット3aのN極の中心Q2から第2の磁極部7aとの距離と同じになる。
第2の磁気センサ9の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換える場合に、マグネット3aの回転位置に対する第2の磁極部7aの励磁切換のタイミングが電気進角0度から45度の間になるように、第2の磁気センサ9は配置されている。
図2(d)の状態から図2(e)の状態へ遷移する間に第2の磁気センサ9はマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出し、これに応じて駆動回路14は第2の磁極部7aがN極に励磁されるように第2のコイル5に通電する。また、図2(d)の状態から図2(e)の状態へ遷移する間は第1の磁気センサ8はマグネット3aのN極を検出しているので、駆動回路14は第1の磁極部6aがS極に励磁されるように第1のコイル4に通電している。これにより、ロータ3にCW方向の回転力が発生する。
このようにして、CW方向の低進角駆動モードでは、第1の磁気センサ8と第2の磁気センサ9の出力に基づいて第1のコイル4と第2のコイル5への通電が順次切り換えられることにより、マグネット3aはCW方向に回転する。
ロータ3のCW方向駆動時に第1の磁気センサ8の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第1の磁極部6aの励磁切換タイミングは電気進角0度から45度の間になる。つまり、第1の磁気センサ8は、第1の磁極部6aでの励磁切換タイミングから電気進角0度となる位置からの進角量が第1の磁極部6aでの励磁切換タイミングから電気進角90度となる位置からの遅角量より小さくなる位置に配置されている。
また、ロータ3のCW方向駆動時に第2の磁気センサ9の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第2の磁極部7aの励磁切換タイミングは電気進角0度から45度の間になる。つまり、第2の磁気センサ9は、第2の磁極部7aでの励磁切換タイミングから電気進角0度となる位置からの進角量が第2の磁極部7aでの励磁切換タイミングから電気進角90度となる位置からの遅角量より小さくなる位置に配置されている。
続いて、ロータ3のCW方向(時計まわり方向)の高進角駆動モード(第2の通電モード)について説明する。高進角駆動モードでは、前述の低進角駆動モードよりも高速でロータ3を回転させることができる。
CW方向の高進角駆動モードでは、第3の磁気センサ10の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換え、第4の磁気センサ11の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換えることにより、ロータ3をCW方向に回転させる。
CW方向へ回転させる高進角駆動モードでは、以下の組み合わせで、第1のコイル4と第2のコイル5の通電方向を切り換える。即ち、第3の磁気センサ10がマグネット3aのS極(N極からS極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第1の磁極部6aがN極に励磁されるように駆動回路14を制御する。また、第3の磁気センサ10がマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第1の磁極部6aがS極に励磁されるように駆動回路14を制御する。
第4の磁気センサ11がマグネット3aのS極(N極からS極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第2の磁極部7aがS極に励磁されるように駆動回路14を制御する。また、第4の磁気センサ11がマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第2の磁極部7aがN極に励磁されるように駆動回路14を制御する。
図2(a)の状態では、第3の磁気センサ10と第4の磁気センサ11は共にマグネット3aのS極を検出している。このとき、制御回路13は、第1の磁極部6aがN極に励磁され、第2の磁極部7aがS極に励磁されるように駆動回路14を制御する。これにより、ロータ3にCW方向の回転力が発生する。
図2(a)の状態からマグネット3aがCW方向に回転すると、図2(b)に示すように、マグネット3aのS極の中心Q1と第1の磁極部6aの中心が対向する状態になる。第3の磁気センサ10の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換える場合に、マグネット3aの回転位置に対する第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角45度と90度の間になるように、第3の磁気センサ10は配置されている。
図2(a)の状態から図2(b)の状態へ遷移する間に第3の磁気センサ10はマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出し、これに応じて駆動回路14は第1の磁極部6aがS極に励磁されるように第1のコイル4に通電する。また、図2(a)の状態から図2(b)の状態へ遷移する間は第4の磁気センサ11はマグネット3aのS極を検出しているので、駆動回路14は第2の磁極部7aがS極に励磁されるように第2のコイル5に通電している。これにより、ロータ3にCW方向の回転力が発生する。
図2(b)の状態からマグネット3aがCW方向に回転すると、図2(c)の状態を経て、図2(d)に示すように、マグネット3aのN極の中心Q2と第2の磁極部7aの中心が対向する。第4の磁気センサ11の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換える場合に、マグネット3aの回転位置に対する第2の磁極部7a励磁切換タイミングが電気進角45度と90度の間になるように、第4の磁気センサ11は配置されている。
図2(c)の状態から図2(d)の状態へ遷移する間に第4の磁気センサ11はマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出し、これに応じて駆動回路14は第2の磁極部7aがN極に励磁されるように第2のコイル5に通電する。また、図2(c)の状態から図2(d)の状態へ遷移する間には第3の磁気センサ10はマグネット3aのN極を検出しているので、駆動回路14は第1の磁極部6aがS極に励磁されるように第1のコイル4に通電している。これによって、ロータ3にCW方向の回転力が発生する。
このようにして、CW方向の高進角駆動モードでは、第3の磁気センサ10と第4の磁気センサ11の出力に基づいて第1のコイル4と第2のコイル5への通電が順次切り換えられることにより、マグネット3aCW方向に回転する。
ロータ3のCW方向駆動時に第3の磁気センサ10の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第1の磁極部6aの励磁切換タイミングは電気進角45度から90度の間になる。つまり、第3の磁気センサ10は、第1の磁極部6aでの励磁切換タイミングから電気進角0度となる位置からの進角量が第1の磁極部6aでの励磁切換タイミングから電気進角90度となる位置からの遅角量より大きくなる位置に配置される。
ロータ3のCW方向駆動時に第4の磁気センサ11の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第2の磁極部7aの励磁切換タイミングは電気進角45度から90度の間になる。つまり、第4の磁気センサ11は、第2の磁極部7aでの励磁切換タイミングから電気進角0度となる位置からの進角量が第2の磁極部7aでの励磁切換タイミングから電気進角90度となる位置からの遅角量より大きくなる位置に配置される。
次に、ロータ3のCCW方向(反時計まわり方向)の低進角駆動モード(第3の通電モード)について説明する。CCW方向であっても、低進角駆動モードでは、高進角駆動モードよりも大きなトルクを得ることができる。
CCW方向の低進角駆動モードでは、第3の磁気センサ10の出力信号にしたがって第1の磁極部6aの励磁を切り換え、第4の磁気センサ11の出力信号にしたがって第2の磁極部7aの励磁を切り換えることにより、ロータ3をCCW方向に回転させる。
CCW方向へ回転させる低進角駆動モードでは、以下に説明する組み合わせで、第1のコイル4と第2のコイル5の通電方向を切り換える。即ち、第3の磁気センサ10がマグネット3aのS極(N極からS極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第1の磁極部6aがS極に励磁されるように駆動回路14を制御する。また、第3の磁気センサ10がマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第1の磁極部6aがN極に励磁されるように駆動回路14を制御する。
第4の磁気センサ11がマグネット3aのS極(N極からS極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第2の磁極部7aがN極に励磁されるように駆動回路14を制御する。また、第4の磁気センサ11がマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第2の磁極部7aがS極に励磁されるように駆動回路14を制御する。
図2(a)の状態では、第3の磁気センサ10と第4の磁気センサ11は共にマグネット3aのS極を検出している。このとき、制御回路13は、第1の磁極部6aがS極に励磁され、第2の磁極部7aがN極に励磁されるように駆動回路14を制御する。これにより、ロータ3にCCW方向の回転力が発生する。
図2(a)の状態からマグネット3aがCCW方向に回転すると、図2(f)に示すように、マグネット3aのS極の中心Q1と第2の磁極部7aの中心が対向する状態になる。図2(f)の状態からマグネット3aがCCW方向に回転すると、図2(g)に示すように、マグネット3aのS極の中心Q1と第2の磁極部7aとの距離が、マグネット3aのN極の中心Q3と第1の磁極部6aとの距離と同じになる。
第4の磁気センサ11の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換える場合に、マグネット3aの回転位置に対する第2の磁極部7aの励磁切換のタイミングが電気進角0度から45度の間になるように、第4の磁気センサ11は配置されている。
図2(f)の状態から図2(g)の状態へ遷移する間に第4の磁気センサ11はマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出し、これに応じて駆動回路14は第2の磁極部7aがS極に励磁されるように第2のコイル5に通電する。また、図2(f)の状態から図2(g)の状態へ遷移する間は第3の磁気センサ10はマグネット3aのS極を検出しているので、駆動回路14は第1の磁極部6aがS極に励磁されるように第1のコイル4に通電している。これにより、ロータ3にCCW方向の回転力が発生する。
図2(g)の状態からマグネット3aがCCW方向に回転すると、図2(h)に示すように、マグネット3aのN極の中心Q3と第1の磁極部6aの中心が対向する。図2(h)の状態からマグネット3aがCCW方向に回転すると、図2(i)に示すように、マグネット3aのN極の中心Q3と第1の磁極部6aとの距離が、マグネット3aのN極の中心Q3から第2の磁極部7aとの距離と同じになる。
第3の磁気センサ10の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換える場合に、マグネット3aの回転位置に対する第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角0度から45度の間になるように、第3の磁気センサ10が配置されている。
図2(h)の状態から図2(i)の状態へ遷移する間に、第3の磁気センサ10はマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出し、これに応じて駆動回路14は第1の磁極部6aがN極に励磁されるように第1のコイル4に通電する。また、図2(h)の状態から図2(i)の状態へ遷移する間は第4の磁気センサ11はマグネット3aのN極を検出しているので、駆動回路14は第2の磁極部7aがS極に励磁されるように第2のコイル5に通電している。これにより、ロータ3にCCW方向の回転力が発生する。
このようにして、CCW方向の低進角駆動モードでは、第3の磁気センサ10と第4の磁気センサ11の出力に基づいて第1のコイル4と第2のコイル5への通電が順次切り換えられることにより、マグネット3aはCCW方向に回転する。
ロータ3のCCW方向駆動時に第3の磁気センサ10の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第1の磁極部6aの励磁切換タイミングは電気進角0度から45度の間になる。また、ロータ3のCCW方向駆動時に第4の磁気センサ11の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第2の磁極部7aの励磁切換タイミングは電気進角0度から45度の間になる。
続いて、ロータ3のCCW方向(反時計まわり方向)の高進角駆動モード(第4の通電モード)について説明する。CCW方向であっても、高進角駆動モードでは、前述の低進角駆動モードよりも高速でロータ3を回転させることができる。
CCW方向の高進角駆動モードでは、第1の磁気センサ8の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換え、第2の磁気センサ9の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換えることで、ロータ3をCCW方向に回転させる。
高進角駆動モードでは、以下の組み合わせで、第1のコイル4と第2のコイル5の通電方向を切り換える。即ち、第1の磁気センサ8がマグネット3aのS極(N極からS極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第1の磁極部6aがS極に励磁されるように駆動回路14を制御する。また、第1の磁気センサ8がマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第1の磁極部6aがN極に励磁されるように駆動回路14を制御する。
第2の磁気センサ9がマグネット3aのS極(N極からS極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第2の磁極部7aがN極に励磁されるように駆動回路14を制御する。また、第2の磁気センサ9がマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出すると、その検出信号が制御回路13に入力される。すると、制御回路13は、第2の磁極部7aがS極に励磁されるように駆動回路14を制御する。
図2(a)の状態では、第1の磁気センサ8と第2の磁気センサ9は共にマグネット3aのS極を検出している。このとき、制御回路13は、第1の磁極部6aがS極に励磁され、第2の磁極部7aがN極に励磁されるように駆動回路14を制御する。これにより、ロータ3にCCW方向の回転力が発生する。
図2(a)の状態からマグネット3aがCCW方向に回転すると、図2(f)に示すように、マグネット3aのS極の中心Q1と第2の磁極部7aの中心が対向する状態になる。第2の磁気センサ9の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換える場合に、マグネット3aの回転位置に対する第2の磁極部7aの励磁切換タイミングが電気進角45度と90度の間になるように、第2の磁気センサ9は配置されている。
図2(a)の状態から図2(f)の状態へ遷移する間に第2の磁気センサ9はマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出し、これに応じて駆動回路14は第2の磁極部7aがS極に励磁されるように第2のコイル5に通電する。また、図2(a)の状態から図2(f)の状態の間に、第1の磁気センサ8はマグネット3aのS極を検出しているので、駆動回路14は第1の磁極部6aがS極に励磁されるように第1のコイル4に通電している。これにより、ロータ3にCCW方向の回転力が発生する。
図2(f)の状態からマグネット3aがCCW方向に回転すると、図2(g)の状態を経て、図2(h)に示すように、マグネット3aのN極の中心Q3と第1の磁極部6aの中心が対向する。第1の磁気センサ8の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換える場合に、マグネット3aの回転位置に対する第1の磁極部6aの励磁タイミングが電気進角45度と90度の間になるように、第1の磁気センサ8は配置されている。
図2(g)の状態から図2(h)の状態へ遷移する間に、第1の磁気センサ8はマグネット3aのN極(S極からN極への切り換わり)を検出し、これに応じて駆動回路14は第1の磁極部6aがN極に励磁されるように第1のコイル4に通電する。また、図2(g)の状態から図2(h)の状態へ遷移する間に、第2の磁気センサ9はマグネット3aのN極を検出しているので、駆動回路14は第2の磁極部7aがS極に励磁されるように第2のコイル5に通電している。これによって、ロータ3にCCW方向の回転力が発生する。
このように、してCCW方向の高進角駆動モードでは、第1の磁気センサ8と第2の磁気センサ9の出力に基づいて第1のコイル4と第2のコイル5への通電が順次切り換えられることにより、マグネット3aはCCW方向に回転する。
ロータのCCW方向駆動時に第1の磁気センサ8の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第1の磁極部6aの励磁切換タイミングは電気進角45度から90度の間になる。また、ロータ3のCCW方向駆動時に第2の磁気センサ9の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第2の磁極部7aの励磁切換タイミングは電気進角45度から90度の間になる。
図3は、第1の磁極部6aと第2の磁極部7aに対する第1の磁気センサ8、第2の磁気センサ9、第3の磁気センサ10及び第4の磁気センサ11の配設位置を説明する図である。図3(a)〜(d)に図示するように、モータ1では、第1の磁気センサ8は、次の条件A,Bを満たす位置に配置されている。条件Aは、CW方向駆動時に第1の磁気センサ8の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角0度から45度の間になることである(図3(a))。条件Bは、CCW方向駆動時に第1の磁気センサ8の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角45度から90度の間になることである(図3(c))。
モータ1では、第2の磁気センサ9は次の条件C,Dを満たす位置に配置されている。条件Cは、CW方向駆動時に第2の磁気センサ9の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第2の磁極部7aの励磁切換タイミングが電気進角0度から45度の間になることである(図3(b))。条件Dは、CCW方向の駆動時に第2の磁気センサ9の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第2の磁極部7aの励磁切換タイミングが電気進角45度から90度の間になることである(図3(d))。
モータ1では、第3の磁気センサ10は次の条件E,Fを満たす位置に配置されている。条件Eは、CW方向駆動時に第3の磁気センサ10の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換える場合、ロータ3の回転位置に対する第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角45度から90度の間になることである(図3(a))。条件Fは、CCW方向駆動時に第3の磁気センサ10の出力に基づいて第1の磁極部6aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角0度から45度の間になることである(図3(c))。
モータ1では、第4の磁気センサ11は次の条件G,Hを満たす位置に配置されている。条件Gは、CW方向駆動時に第4の磁気センサ11の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換える場合、ロータ3の回転位置に対する第2の磁極部7aの励磁切換タイミングが電気進角45度から90度の間になることである(図3(b))。条件Hは、CCW方向駆動時に第4の磁気センサ11の出力に基づいて第2の磁極部7aに励磁される極を切り換える場合、マグネット3aの回転位置に対する第2の磁極部7aの励磁切換タイミングが電気進角0度から45度の間になることである(図3(d))。
また、モータ1では、マグネット3aの着磁誤差、磁気センサ寸法誤差及びヨーク誤差等を考慮して、各磁気センサは、以下の条件を満たすように配置されている。即ち、第1の磁気センサ8は、CW方向駆動時に第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角14.4度から33.6度の間となる範囲に配置されている。また、第1の磁気センサ8は、CCW方向の駆動時に第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角56.4度から75.6度の間となる範囲に配置されている。
第2の磁気センサ9は、CW方向駆動時に第2の磁極部7aの励磁切換タイミングが電気進角14.4度から33.6度の間となる範囲に配置されている。また、第2の磁気センサ9は、CCW方向駆動時に第2の磁極部7aの励磁切換タイミングが電気進角56.4度から75.6度の間となる範囲に配置されている。
第3の磁気センサ10は、CW方向駆動時に第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角56.4度から75.6度の間となる範囲に配置されている。また、第3の磁気センサ10は、CCW方向駆動時に第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角14.4度から33.6度の間となる範囲に配置されている。
第4の磁気センサ11は、CW方向駆動時に第2の磁極部7aの励磁切換タイミングが電気進角56.4度から75.6度の間となる範囲に配置されている。また、第4の磁気センサ11は、CCW方向駆動時に第2の磁極部7aの励磁切換タイミングが電気進角14.4度から33.6度の間となる範囲に配置されている。
また、第1の磁気センサ8と第3の磁気センサ10を結ぶ線分の中点は、第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角45度となる位置に設けられている。第2の磁気センサ9と第4の磁気センサ11を結ぶ線分の中点は、第2の磁極部7aの励磁切換タイミングが電気進角45度となる位置に設けられている。これにより、モータ1の動特性が回転方向によってばらつくのを低減させることができる。
本実施形態では、第1の磁気センサ8と第3の磁気センサ10とが1ユニットを構成し、第2の磁気センサ9と第4の磁気センサ11とが1ユニットを構成するセンサユニットを用いている。この場合、CW方向駆動時において第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角21度となる位置に第1の磁気センサ8が位置し、第1の磁極部6aの励磁切換タイミングが電気進角69度となる位置に第3の磁気センサ10が位置する。また、CW方向駆動時において第2の磁極部7aの励磁切換タイミングが電気進角21度となる位置に第2の磁気センサ9が位置し、第2の磁極部7aの励磁切換タイミングが電気進角69度となる位置に第4の磁気センサ11が位置する。
次に、モータ1を参照して上述した駆動原理を用いて駆動されるモータであって、コイルでの磁束発生を抑制してしまう渦電流の発生を低減させたモータについて説明する。図4は、本実施形態に係るモータ20の概略構成を説明する分解斜視図である。モータ20は、ロータ21、第1の軸受23、第2の軸受24、第1のボビン25、第2のボビン26、第1のヨーク27、第2のヨーク28、モータカバー29及び2つの磁気センサユニット30を備える。
ロータ21の構造は、図1乃至図3を参照して説明したロータ3に準ずる。つまり、ロータ21は、周方向に8極に着磁されたマグネット21aと、マグネット21aの中心軸として配置されるシャフト21bと、マグネット21aとシャフト21bを結合するコア21cを有する。第1の軸受23と第2の軸受24はそれぞれ、磁性材で形成されており、シャフト21bを軸支する。第1の軸受23には、スリット状で長さ方向が軸方向に平行な穴部23aが設けられており、同様に第2の軸受24には、スリット状で長さ方向が軸方向に平行な穴部24aが設けられている。第1のボビン25と第2のボビン26はそれぞれ、樹脂材等の非導電部材で形成されている。第1のボビン25には第1のコイル25aが巻かれ、第2のボビン26には第2のコイル26aが巻かれている。
第1のコイル25aの線材の各端部は第1のボビン25に設けられた端子部25bに接続され、第2のコイル26aの線材の各端部は第2のボビン26に設けられた端子部26bに接続されている。第1のボビン25には穴部25cが設けられており、第1の軸受23は穴部25cに挿入されて、穴部25cの内周部と第1の軸受23の外周部とが嵌合する。また、第2のボビン26には穴部26cが設けられており、第2の軸受24は穴部26cに挿入されて、穴部26cの内周部と第2の軸受24の外周部とが嵌合する。
第1のヨーク27と第2のヨーク28はそれぞれ、電磁鋼板等の軟磁性材料で形成されている。第1のヨーク27には穴部27aが設けられており、穴部27aには第1の軸受23の先端部が圧入等により固定され、同様に、第2のヨーク28には穴部28aが設けられており、穴部28aには第2の軸受24の先端部が圧入等により固定される。その際に軸受とヨークの間にコイルが配置されることとなる。また、第1のヨーク27は第1の磁極部27bを有し、第1の磁極部27bの内周面はマグネット21aの外周面と対向している。同様に、第2のヨーク28は第2の磁極部28bを有し、第2の磁極部28bの内周面はマグネット21aの外周面と対向している。なお、モータ1と同様に、モータ20でも、第1の磁極部27bと第2の磁極部28bはマグネット21aの着磁位相に対して電気角で略90度ずれて配置される。
モータカバー29は、各軸受、各ボビン、各コイル及び各ヨークが組み立てられることにより一体となった二組のユニットをマグネット21aとコア21cを間に介在させた状態で嵌め込んで固定するための連結部材である。2つの磁気センサユニット30はそれぞれが、ホール素子等の磁気センサを2つ備える。2つの磁気センサユニット30が備える合計4つの磁気センサは、前述した第1の磁気センサ8、第2の磁気センサ9、第3の磁気センサ10及び第4の磁気センサ11と同等であり、マグネット21aに対してこれらと同様に配置される。モータ20でも、マグネット21aの磁極を磁気センサユニット30で検出して第1のコイル25aと第2のコイル26aへの通電を切り換えている。
図5は、モータ20の断面図であり、磁気回路での磁束の流れを説明する図である。
モータ20では、第1のコイル25aと第2のコイル26aのそれぞれに通電がなされると磁束が発生し、その磁束は一般的に知られているソレノイドの鉄心と同様に、磁性材で形成された第1の軸受23と第2の軸受24の内部を通る。第1の軸受23を通過した磁束は、マグネット21a内を通過した後、第1のヨーク27の第1の磁極部27bへ入り、第1のヨーク27内を通過した後、再び第1の軸受23内に入り込む。同様に、第2の軸受24を通過した磁束は、マグネット21a内を通過した後、第2のヨーク28の第2の磁極部28bへ入り、第2のヨーク28内を通過した後、再び第2の軸受24内に入り込む。こうして、磁束が閉じる磁気回路が形成されている。なお、図5中に矢印で示す4つのループは、所定の通電状態で磁気回路内を通過する磁束の経路を疑似的に表現している。
ここで、磁気回路内の第1の軸受23と第2の軸受24の内部で生じる現象について説明する。図6(a)は、第1の軸受23と第1のボビン25(第1のコイル25aを含む)と第1のヨーク27が組み込まれたユニットを、第1の軸受23側から見た図である。図6(b)は、第1の軸受23の斜視図である。図7(a)は、第1の軸受23を図6(a)と同じ軸方向から見た図である。図7(b)は、図7(a)に示す矢視A−Aでの断面図である。図7(c)は、第1の軸受23の側面図である。図7(d)は、図7(c)に示す矢視B−Bの断面図である。図8(a)は、図6(a)のユニットの第1の軸受23を参考例に係る軸受53に置換した参考例に係るユニットを、軸受53側から見た図である。図8(b)は、軸受53の斜視図である。軸受53は、第1の軸受23が有する穴部23aに対応する部位を有していない点で、第1の軸受23と異なる。
図8(a)に示すように、軸受53を用いたユニットでは、第1のコイル25aに中心軸まわりの矢印25Gで示す方向への通電が行われると、軸受53内に矢印53Gで示すように中心軸まわりの渦電流が発生する。この渦電流の発生方向は、第1のコイル25aへの通電方向と逆向きになっている。このことは、渦電流によって発生する磁界と第1のコイル25aが発生する磁界とが逆向きとなって、第1のコイル25aでの磁束発生が抑制されることを意味している。その結果、第1のコイル25aへの通電による第1のヨーク27の第1の磁極部27bの励磁が良好に行われなくなり、モータの動特性を低下させてしまうことになる。特にロータ21の高速回転時には、印加電圧の交番のスピードが速くなることで十分な励磁が行われないまま次の通電に切り替わるため、低速回転時と比べて動特性が更に低下してしまう。
これに対して、第1の軸受23は、図6に示すように、第1のコイル25aの内径に近接する部分に軸方向に長く伸びたスリット状の穴部23aを有している。穴部23aを軸方向に伸びるスリット状とすることで、第1の軸受23のコイル内径(ボビン内径部)との嵌合部を略円筒形状に保つことができ、良好な嵌合状態を維持することができる。
また、第1の軸受23において穴部23aは、第1のコイル25aが配置される範囲である図7(b)において中心軸Oから上方の範囲Cの略全範囲で開いていることがわかる。一方、第1の軸受23において穴部23aは、第1のコイル25aが配置される範囲である図7(d)において中心軸Oから上方の範囲Dでは、非常に狭い範囲に形成されている。つまり、図7(a),(c)の断面図で見た場合の穴部23aの面積の割合については、(中心軸と直交する方向(径方向)から見た断面の穴部面積の割合)>(中心軸方向から見た断面の穴部面積の割合)’、の関係となる。なお、穴部23aが軸方向に長いスリット形状であり、かつ、この面積の関係を満たすのであれば、穴部23aは必ずしも軸方向に対して完全に平行である必要はなく、軸方向に対して多少傾いていても(略平行であっても)よい。
第1の軸受23を図7(b)に示す形状とすることによって、中心軸Oまわりに発生する渦電流の流れを抑制することができる。また、第1の軸受23を図7(d)に示す経常とすることによって、第1のコイル25aへの通電により第1の軸受23の内部で中心軸0の軸方向に発生する有効な磁束を低減させないようにすることができる。
これらのことから、図6(a)に示すように、第1のコイル25aに対して矢印25Gで示す方向へ通電を行った場合に、第1の軸受23のコイル内径部に近接する部分では渦電流の経路が穴部23aによって遮断される。これにより、上述した渦電流による第1のヨーク27の第1の磁極部27bの励磁への影響を低減させることができる。第1のコイル25aの内径部に近接していない部分(図7(b)での左端部)は、渦電流の流れを遮断する穴部23aが形成されていないために導通する。しかし、第1の軸受23の内部に発生した渦電流は穴部23aを避けて迂回することになり、その流れによって発生する磁界は、第1のコイル25aが発生する磁界の方向(中心軸方向)と異なるため、影響は軽微である。
第2の軸受24を備えて構成されるユニットは、上述した第1の軸受23を備えて構成されるユニットと同等である。よって、第2の軸受24を備えて構成されるユニットで磁気的に生じる現象は、第1の軸受23を備えて構成されるユニットで磁気的に生じる現象と同じであるため、説明を省略する。
以上より本発明のモータは、コイル通電によるヨーク磁極部の励磁が十分に行われ、モータの持つ性能を十分に発揮させることができる。特に高速回転時には動特性を向上させることができる。
なお、第1の軸受23又は第2の軸受24には、対応するコイルに近接する付近に電気抵抗の大きい部分が形成されていればよいため、穴部23a、24aは溝部(溝状に形成された凹部)であってもよい。また、穴部または溝部には、第1の軸受23又は第2の軸受24を構成する材料よりも導電性の小さい材料が埋め込まれていてもよい。さらに、上記実施例では第1の軸受23と第2の軸受24の両方に穴部23a、24aを設けているが、片方の軸受だけに穴部を設けても一定の効果を得ることができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
20 モータ
21 ロータ
21a マグネット
23 第1の軸受
23a 穴部
24 第2の軸受
24a 穴部
25a 第1のコイル
26a 第2のコイル
27 第1のヨーク
28 第2のヨーク
30 磁気センサユニット

Claims (7)

  1. 円筒形状を有し、外周面が周方向にS極とN極に交互に着磁されたマグネットを有する回転可能なロータと、
    前記マグネットの外周面と対向するように配置される第1の磁極部を有する第1のヨークと、
    通電により前記第1の磁極部を励磁する第1のコイルと、
    前記第1のコイルの内径部に挿入され、前記ロータを軸支する第1の軸受と、
    前記第1の磁極部に対して電気角をずらした位置で前記マグネットの前記外周面に対向するように配置される第2の磁極部を有する第2のヨークと、
    通電により前記第2の磁極部を励磁する第2のコイルと、
    前記第2のコイルの内径部に挿入され、前記ロータを軸支する第2の軸受と、を備え、
    前記第1の軸受において前記第1のコイルと近接する部位と前記第2の軸受において前記第2のコイルと近接する部位の少なくとも一方に穴部または溝部が設けられていることを特徴とするモータ。
  2. 前記穴部または前記溝部は、前記第1の軸受および前記第2の軸受の軸方向に長いスリット状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記第1の軸受および前記第2の軸受の軸方向と直交する方向から見て前記第1のコイルまたは前記第2のコイルと重なる範囲において、前記軸方向と直交する方向から見た断面での前記穴部または前記溝部の面積の割合は、前記軸方向から見た断面での前記穴部または前記溝部の面積の割合より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ。
  4. 前記穴部または溝部に、前記第1の軸受または前記第2の軸受を構成する材料よりも導電性の小さい材料が埋め込まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のモータ。
  5. 前記第1のコイルを通電することにより発生した磁束は、前記1の軸受を通過し、前記マグネットを通過し、前記第1の磁極部を通過した後に再び前記第1の軸受に入り、
    前記第2のコイルを通電することにより発生した磁束は、前記2の軸受を通過し、前記マグネットを通過し、前記第2の磁極部を通過した後に再び前記第2の軸受に入ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のモータ。
  6. 前記ロータの回転位置を検出する2つの磁気センサユニットを備え、
    前記磁気センサユニットはそれぞれ、2つの磁気センサを有することを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のモータ。
  7. 請求項6に記載のモータと、
    前記磁気センサからの出力にしたがって前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの通電方向を切り換えることにより前記第1の磁極部および前記第2の磁極部に励磁される極を切り換える制御手段と、を備えることを特徴とするモータ駆動装置。
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