JP2013198321A - ロータ及びモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】軸方向の漏れ磁束を少なく抑えつつも、高出力の用途に適したロータを提供する。
【解決手段】ロータコア21には、その軸方向の第2端面21bに軸方向に沿って窪む中央凹部23が形成されるとともに、中央凹部23の底部23aから反凹部側に軸方向に延出された第1回転軸22が一体形成される。そして、中央凹部23には、底部23aとの間に非磁性領域(空隙25)を形成するように第2回転軸24が挿入固定されている。
【選択図】図1
【解決手段】ロータコア21には、その軸方向の第2端面21bに軸方向に沿って窪む中央凹部23が形成されるとともに、中央凹部23の底部23aから反凹部側に軸方向に延出された第1回転軸22が一体形成される。そして、中央凹部23には、底部23aとの間に非磁性領域(空隙25)を形成するように第2回転軸24が挿入固定されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ロータ及びモータに関するものである。
従来、例えば特許文献1に示すように、回転軸に一体回転可能に固定されるロータコアの外周面の周方向にマグネットを複数配置し、各マグネット間の部位を疑似磁極として機能させる所謂コンシクエントポール型のロータが考案されている。疑似磁極は、マグネットの磁気作用によってそのマグネットとは反対の磁極として機能する。これにより、ロータの外周面にN極とS極とが周方向に交互に構成されるようになっている。このような構成では、磁極数とマグネットの個数が同数であるロータ(フルマグネット型ロータ)に対してマグネットの個数を減らすことができるため、部品点数及びコストの削減の点で有利である。
ところで、疑似磁極は、ロータに備えられたマグネットと異なる磁極として機能するものの、実際にはマグネットではない。従って、疑似磁極にマグネットの磁束が強く引き込まれず、その結果、マグネットの磁束の一部が回転軸やモータケース等を伝って軸方向に漏れてしまうという問題があった。回転軸の方へ磁束が漏れると、有効磁束が減少してモータ出力が低下するだけでなく、漏れ磁束により磁化された回転軸が異物を吸着してしまうといった問題が生じる。
そこで、上記の軸方向の漏れ磁束を少なく抑えるために、例えば回転軸におけるロータコアへの挿入部分の一部を小径としてロータコアと回転軸との間に径方向の空隙を設ける構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、回転軸とロータコアとの接触面積が小さくなるため、回転軸とロータコアの固定強度が低下してしまう。そのため、高出力用のモータのロータに採用することが難しい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、軸方向の漏れ磁束を少なく抑えつつも、高出力の用途に適したロータ及びモータを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ロータコアの周方向にマグネットが複数配置されるとともに、各マグネット間には前記マグネットの磁気作用により前記マグネットとは反対の磁極として機能する疑似磁極が形成されたロータであって、前記ロータコアには、その軸方向端面に軸方向に沿って窪む凹部が形成されるとともに、前記凹部の底部から反凹部側に軸方向に延出された第1回転軸が一体形成され、前記凹部が形成された前記軸方向端面側には、前記凹部の底部との間に非磁性領域を形成するよう該底部と離間した位置に前記第1回転軸と同軸をなす第2回転軸が設けられていることを特徴とする。
この発明では、凹部の底部と第2回転軸との間に形成された非磁性領域によってロータコアと各回転軸との間の磁気通路が狭く構成されるため、その磁気通路で磁気飽和が生じやすくなる。磁気飽和が生じるとロータコアと各回転軸との間の磁気抵抗が増加し、これにより、各回転軸を通る軸方向の漏れ磁束を少なく抑えることができる。その結果、ロータの回転力を発生させるための有効磁束の減少が抑えられ、モータ出力の低下を抑えることができるとともに、各回転軸の磁化を抑制することができる。そして、第1及び第2回転軸のうちの少なくとも第1回転軸がロータコアに一体形成されるため、第1回転軸がロータコアと別体である構成と比較してロータの強度の低下を抑えることができ、その結果、高出力の用途に適した構成とすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロータにおいて、前記第2回転軸は、前記ロータコアとは別体で構成され、前記凹部に対して前記底部と離間するように挿入固定されていることを特徴とする。
この発明では、ロータコアとは別体の第2回転軸を凹部に挿入固定するだけの簡素な構成とすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のロータにおいて、前記第2回転軸は、前記ロータコアに一体形成され該ロータコアの軸方向端面から軸方向に延出された筒状をなしていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のロータにおいて、前記第2回転軸は、前記ロータコアに一体形成され該ロータコアの軸方向端面から軸方向に延出された筒状をなしていることを特徴とする。
この発明では、第1回転軸だけでなく第2回転軸もロータコアに一体形成しつつ、第2回転軸側の軸方向端面に凹部が形成された構成とすることができる。これにより、第2回転軸が別体ではない分、部品点数を減少させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のロータにおいて、請求項1に記載のロータにおいて、前記ロータコアは、前記凹部同士が対向するように一対設けられ、一方の前記ロータコアに一体形成された回転軸が前記第1回転軸として構成され、他方の前記ロータコアに一体形成された回転軸が前記第2回転軸として構成されたことを特徴とする。
この発明では、一対のロータコアを軸方向に並べて高出力化に寄与しつつも、軸方向の漏れ磁束を少なく抑え、且つロータの強度の低下を抑えることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記第1回転軸が出力側の回転軸として構成され、前記第2回転軸が非出力側の回転軸として構成されたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記第1回転軸が出力側の回転軸として構成され、前記第2回転軸が非出力側の回転軸として構成されたことを特徴とする。
この発明では、第1回転軸により大きな負荷が掛かる構成となるが、第1回転軸はロータコアに一体形成されるため、負荷に耐えうる強度を容易に確保することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記非磁性領域は、空隙にて構成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記非磁性領域は、空隙にて構成されていることを特徴とする。
この発明では、第2回転軸を凹部の底部から離間した位置に設けるだけで、非磁性領域としての空隙を容易に形成することが可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記非磁性領域は、振動抑制部材にて構成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記非磁性領域は、振動抑制部材にて構成されていることを特徴とする。
この発明では、非磁性領域を構成する振動抑制部材によって、各回転軸を通る軸方向の漏れ磁束を少なく抑えつつ、ロータの振動を抑制することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータを備えたモータである。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータを備えたモータである。
この発明では、軸方向の漏れ磁束が少なく抑えられた高出力用のモータを提供することができる。
従って、上記記載の発明によれば、軸方向の漏れ磁束を少なく抑えつつも、高出力の用途に適した構成とすることが可能となる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示す本実施形態のモータMは、ブラシレスモータである。モータケース1は、磁性体からなるケース本体2と、該ケース本体2の開口部を閉塞する略円板状のカバープレート3とから構成されている。有底円筒状をなすケース本体2は、円筒状の筒状部2aと、同筒状部2aの軸方向の一端(図1では上端)を閉塞する底部2bと、同筒状部2aの軸方向の他端部から径方向外側に延びる円環状のフランジ部2cとから構成されている。なお、筒状部2a、底部2b及びフランジ部2cは一体に形成されている。また、本実施形態のケース本体2は、磁性体からなる金属板材にプレス加工を施して形成されている。そして、ケース本体2のフランジ部2cに前記カバープレート3が固定されることにより、ケース本体2の開口部は該カバープレート3にて閉塞されている。
図1に示す本実施形態のモータMは、ブラシレスモータである。モータケース1は、磁性体からなるケース本体2と、該ケース本体2の開口部を閉塞する略円板状のカバープレート3とから構成されている。有底円筒状をなすケース本体2は、円筒状の筒状部2aと、同筒状部2aの軸方向の一端(図1では上端)を閉塞する底部2bと、同筒状部2aの軸方向の他端部から径方向外側に延びる円環状のフランジ部2cとから構成されている。なお、筒状部2a、底部2b及びフランジ部2cは一体に形成されている。また、本実施形態のケース本体2は、磁性体からなる金属板材にプレス加工を施して形成されている。そして、ケース本体2のフランジ部2cに前記カバープレート3が固定されることにより、ケース本体2の開口部は該カバープレート3にて閉塞されている。
筒状部2aの内周面には、円筒状のステータ11が固定されている。ステータ11は、円筒状のステータコア12と、該ステータコア12に巻装されたコイル13とを備えている。ステータコア12は、筒状部2aに内嵌されるとともに、筒状部2aの内周面にステータコア12の円筒状の外周面が圧接している。そして、ステータ11の内側には、ロータ14が配置されている。
図1及び図2に示すように、ロータ14は、略円筒状をなすロータコア21を有している。ロータコア21は、金属等の磁性体よりなり、例えば鍛造加工にて形成されている。ロータコア21の軸方向の第1端面21a(カバープレート3側の端面)は、軸方向から見て円形をなすとともに、軸方向と直交する平面状に形成されている。ロータコア21には、第1端面21aの中央部から垂直に延出された第1回転軸22が一体形成されている。第1回転軸22は円柱状をなし、その中心軸線がロータコア21の中心軸線と一致するように形成されている。
ロータコア21の軸方向の第2端面21b(底部2b側の端面であって、第1端面21aとは反対側の端面)は、第1端面21aと平行な平面状に形成されるとともに、第1端面21aと同径の円形をなしている。このロータコア21の第2端面21bの中央部には、円形の中央凹部23が軸方向に窪むように凹設されている。中央凹部23は、その中心軸線が第1回転軸22の中心軸線と一致している。つまり、第1回転軸22は、中央凹部23の底部23aから反凹部側(第2端面21bとは反対側)に軸方向に延出されて構成されている。なお、中央凹部23は、第1回転軸22と略同径に形成されている。また、中央凹部23の底面23bは、第1端面21aよりも軸方向内側(第2端面21b側)に位置しており、第1回転軸22の基端に接近する位置まで延びている。これにより、第1回転軸22の基端から中央凹部23の底面23bまでの間隔が狭くなるように構成されている。
中央凹部23には、ロータコア21とは別体をなす円柱状の第2回転軸24が圧入固定され、これにより、ロータコア21と第2回転軸24とが一体回転可能に構成されている。第2回転軸24は、その中心軸線が第1回転軸22の中心軸線と一致するとともに、該第1回転軸22と同径をなしている。この第2回転軸24は、中央凹部23の軸方向の中間位置まで圧入されている。つまり、第2回転軸24は、中央凹部23に対してその内部の空隙25(図1参照)を残しつつ圧入されている。これにより、第2回転軸24の圧入側端部(基端部24a)と、中央凹部23の底面23bとの間に非磁性領域としての空隙25が形成されている。なお、中央凹部23に対する第2回転軸24の圧入長さと、中央凹部23の底面23bから第1回転軸22の基端(第1端面21a)までの部位である底部23aの軸方向長さとは、互いに略等しく設定されている。
このような構成のロータ14では、図1に示すように、第2回転軸24の先端部が底部2bの中央部に設けられた軸受18によって回転可能に支持される一方、ロータコア21に一体形成された第1回転軸22は、カバープレート3の中央部に設けられた軸受19によって回転可能に支持されている。これにより、ロータコア21がステータ11の内側で回転可能に支持されている。また、第1回転軸22の先端部は、カバープレート3の中央部を貫通してモータケース1の外部に突出(露出)している。これにより、ロータコア21の回転力は、第1回転軸22の先端部から出力可能となっている。
図1及び図2に示すように、ロータコア21には、4つの保持孔26が周方向等間隔(90度間隔)に形成されている。各保持孔26は、ロータコア21の外周面よりも若干内側に形成されるとともに、ロータコア21を軸方向に貫通している。各保持孔26には、マグネット27が挿入されて保持されている。各マグネット27は、互いに同形状をなしている。詳しくは、各マグネット27はロータコア21の軸方向に長い直方体状をなすとともに、その軸方向の長さは、ロータコア21の軸方向の長さと等しく形成されている。各マグネット27は、径方向の両端面が保持孔26と接触する一方、周方向の両側では保持孔26との間にそれぞれ空隙が形成されている(図2参照)。
周方向における各保持孔26の間には疑似磁極28が形成されている。疑似磁極28は、ロータコア21の外周部における保持孔26を有しない部位であり、周方向等間隔(90度間隔)4つ形成されている。つまり、ロータコア21の外周部には、マグネット27と疑似磁極28とが周方向に交互に、かつ周方向においてそれらの中心位置が略等間隔(略45度間隔)で配置されている。
各マグネット27は、本実施形態では、径方向外側がN極、径方向内側がS極となるように着磁されている。つまり、各マグネット27はN極の磁極として機能する。そして、このマグネット27の磁気作用により疑似磁極28がS極として機能するようになっている。これにより、ロータコア21の外周部の磁極は、N極とS極が周方向に交互に8極で構成されるようになっている。
図1に示すように、第1回転軸22には、ロータコア21と軸受19との間の位置において環状のセンサマグネット31が一体回転可能に固定されている。センサマグネット31は、N極とS極とが周方向に交互となるように着磁されている。
カバープレート3の内側面には、モータMを制御するための図示しない回路素子が搭載された回路基板32が固定されている。この回路基板32上には、センサマグネット31と軸方向に対向するようにホールセンサ33が配置されている。ホールセンサ33は、ホール素子を備えたホールICである。回路基板32は、モータMの外部に設けられる駆動制御回路(図示略)に電気的に接続されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
ステータ11のコイル13に電源が供給されると、ステータ11にて発生される回転磁界に応じてロータ14が回転される。ここで、ホールセンサ33は、ロータ14の第1回転軸22と一体回転するセンサマグネット31の磁界の変化を検出するとともに、検出した磁界の変化に応じたパルス信号である回転検出信号を駆動制御回路に出力する。駆動制御回路は、この回転検出信号に基づいて、ロータ14の回転情報(回転速度、回転位置等)を検出する。そして、駆動制御回路は、検出したロータ14の回転情報に基づいて、ロータ14の回転速度が所望の回転速度となるようにステータ11に供給する電源を制御する。従って、ロータ14の回転状態に応じて駆動制御回路からコイル13に電源が供給される。
ステータ11のコイル13に電源が供給されると、ステータ11にて発生される回転磁界に応じてロータ14が回転される。ここで、ホールセンサ33は、ロータ14の第1回転軸22と一体回転するセンサマグネット31の磁界の変化を検出するとともに、検出した磁界の変化に応じたパルス信号である回転検出信号を駆動制御回路に出力する。駆動制御回路は、この回転検出信号に基づいて、ロータ14の回転情報(回転速度、回転位置等)を検出する。そして、駆動制御回路は、検出したロータ14の回転情報に基づいて、ロータ14の回転速度が所望の回転速度となるようにステータ11に供給する電源を制御する。従って、ロータ14の回転状態に応じて駆動制御回路からコイル13に電源が供給される。
このとき、図3に示すように、モータMの軸方向出力側には、ロータコア21、ステータコア12、ケース本体2の筒状部2a、フランジ部2c、カバープレート3及び第1回転軸22にて磁気通路X1が形成される。一方、モータMの反出力側には、ロータコア21、ステータコア12、ケース本体2の筒状部2a、底部2b、及び第2回転軸24にて磁気通路X2が形成される。そして、磁気通路X1,X2を通るマグネット27の磁束が軸方向の漏れ磁束となる。ここで、本実施形態のロータ14では、第1回転軸22と第2回転軸24との軸方向の間に非磁性領域としての空隙25が設けられている。そして、この空隙25によって、ロータコア21と第1回転軸22との間の磁気通路(底部23a)、及びロータコア21と第2回転軸24との間の磁気通路(第2回転軸24と中央凹部23との接触部分)がそれぞれ狭く構成されている。これにより、この箇所で磁気飽和が生じて磁気抵抗が増加するため、磁気通路X1,X2を通る軸方向の漏れ磁束が少なく抑えられる。その結果、ロータ14の回転力を発生させるための有効磁束(主磁束)の減少が抑えられ、モータ出力の低下が抑えられるとともに、各回転軸22,24の磁化が抑制されるようになっている。
また、本実施形態では、ロータ14の回転力は、ロータコア21に一体形成された第1回転軸22から出力される。また、一方の第2回転軸24は、ケース本体2から露出されておらず、単に軸受18にて支持される構成となっている。従って、第2回転軸24に比べて第1回転軸22にはより大きな負荷が掛かるが、この第1回転軸22はロータコア21に一体形成されたものであるため、負荷に耐えうる強度を容易に確保することができるようになっている。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)ロータコア21には、その軸方向の第2端面21bに軸方向に沿って窪む中央凹部23が形成されるとともに、中央凹部23の底部23aから反凹部側に軸方向に延出された第1回転軸22が一体形成される。そして、ロータコア21の第2端面21b側(反第1回転軸側)には、中央凹部23の底部23aとの間に非磁性領域(空隙25)を形成するよう該底部23aと離間した位置に第1回転軸22と同軸をなす第2回転軸24が設けられる。これにより、中央凹部23の底部23aと第2回転軸24との間に形成された非磁性領域(空隙25)によってロータコア21と各回転軸22,24との間の磁気通路が狭く構成されるため、その磁気通路で磁気飽和が生じやすくなる。磁気飽和が生じるとロータコア21と各回転軸22,24との間の磁気抵抗が増加し、これにより、各回転軸22,24を通る軸方向の漏れ磁束を少なく抑えることができる。その結果、ロータ14の回転力を発生させるための有効磁束の減少が抑えられ、モータ出力の低下を抑えることができるとともに、各回転軸22,24の磁化を抑制することができる。そして、第1回転軸22がロータコア21に一体形成されるため、第1回転軸22がロータコア21と別体である構成と比較してロータ14の強度の低下を抑えることができ、その結果、高出力の用途に適した構成とすることができる。
(1)ロータコア21には、その軸方向の第2端面21bに軸方向に沿って窪む中央凹部23が形成されるとともに、中央凹部23の底部23aから反凹部側に軸方向に延出された第1回転軸22が一体形成される。そして、ロータコア21の第2端面21b側(反第1回転軸側)には、中央凹部23の底部23aとの間に非磁性領域(空隙25)を形成するよう該底部23aと離間した位置に第1回転軸22と同軸をなす第2回転軸24が設けられる。これにより、中央凹部23の底部23aと第2回転軸24との間に形成された非磁性領域(空隙25)によってロータコア21と各回転軸22,24との間の磁気通路が狭く構成されるため、その磁気通路で磁気飽和が生じやすくなる。磁気飽和が生じるとロータコア21と各回転軸22,24との間の磁気抵抗が増加し、これにより、各回転軸22,24を通る軸方向の漏れ磁束を少なく抑えることができる。その結果、ロータ14の回転力を発生させるための有効磁束の減少が抑えられ、モータ出力の低下を抑えることができるとともに、各回転軸22,24の磁化を抑制することができる。そして、第1回転軸22がロータコア21に一体形成されるため、第1回転軸22がロータコア21と別体である構成と比較してロータ14の強度の低下を抑えることができ、その結果、高出力の用途に適した構成とすることができる。
(2)第2回転軸24は、ロータコア21とは別体で構成され、中央凹部23に対して底部23aと離間するように挿入固定される。このため、ロータコア21とは別体の第2回転軸24を凹部に挿入固定するだけの簡素な構成とすることができる。
(3)第1回転軸22が出力側の回転軸として構成され、第2回転軸24が非出力側の回転軸として構成される。これにより、第1回転軸22により大きな負荷が掛かる構成となるが、第1回転軸22はロータコア21に一体形成されるため、負荷に耐えうる強度を容易に確保することができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、円柱状の第2回転軸24が中央凹部23に挿入固定された構成としたが、これに特に限定されるものではなく、例えば図4や図5に示すような構成としてもよい。図4に示す構成では、ロータコア21には、円筒状をなす第2回転軸41が一体形成されている。第2回転軸41は、ロータコア21の第2端面21bから軸方向に沿って延出されている。第2回転軸41の中心軸線は、ロータコア21の中央凹部23の中心軸線と一致し、第2回転軸41の内径は中央凹部23と同径に形成されている。即ち、中央凹部23が第2回転軸41の先端まで延びた構成となっている。第2回転軸41は、その外周面が軸受18によって回転可能に支持されている。このように、第2回転軸41が筒状をなしているため、第2回転軸41をロータコア21に一体形成しつつも、中央凹部23が軸方向に開口するように構成でき、これにより、中央凹部23を容易に形成することが可能となっている。なお、第2回転軸41の内径を中央凹部23の径よりも大きく設定した場合でも、中央凹部23を容易に形成することが可能となる。
・上記実施形態では、円柱状の第2回転軸24が中央凹部23に挿入固定された構成としたが、これに特に限定されるものではなく、例えば図4や図5に示すような構成としてもよい。図4に示す構成では、ロータコア21には、円筒状をなす第2回転軸41が一体形成されている。第2回転軸41は、ロータコア21の第2端面21bから軸方向に沿って延出されている。第2回転軸41の中心軸線は、ロータコア21の中央凹部23の中心軸線と一致し、第2回転軸41の内径は中央凹部23と同径に形成されている。即ち、中央凹部23が第2回転軸41の先端まで延びた構成となっている。第2回転軸41は、その外周面が軸受18によって回転可能に支持されている。このように、第2回転軸41が筒状をなしているため、第2回転軸41をロータコア21に一体形成しつつも、中央凹部23が軸方向に開口するように構成でき、これにより、中央凹部23を容易に形成することが可能となっている。なお、第2回転軸41の内径を中央凹部23の径よりも大きく設定した場合でも、中央凹部23を容易に形成することが可能となる。
このような構成によっても、上記実施形態の効果(1)と同様の効果を得ることができる。それに加え、第1回転軸22だけでなく第2回転軸41もロータコア21に一体形成されるため、第2回転軸41が別体ではない分、部品点数を減少させることができる。また、第2回転軸41が円筒状をなすため、円柱状の構成に比べて強度を確保しづらくなるが、第2回転軸41を非出力側とし、一方の円柱状の第1回転軸22を出力側とすることで第2回転軸41に掛かる荷重が小さくなり、第2回転軸41に必要な強度を容易に確保することができる。
図5に示す構成では、ロータ14は、軸方向に積層された第1ロータコア50及び第2ロータコア60を有している。なお、第1ロータコア50は、カバープレート3側(軸方向出力側)、第2ロータコア60は底部2b側(反出力側)に配置されている。第1及び第2ロータコア50,60は、上記実施形態のロータコア21と略同様の構成を有し、周方向等間隔に複数のマグネット27が配置されるとともに、そのマグネット27の周方向間に疑似磁極28が形成された構成となっている。
第1ロータコア50の中央凹部51は、上記実施形態の中央凹部23と同様の構成であり、その中央凹部51の開口側端部には、円筒状の圧入部52が形成されている。一方、第2ロータコア60の中央凹部61は、第1ロータコア50の中央凹部51と同径をなし、該中央凹部51と開口側で互いに対向するように構成されている。第2ロータコア60の中央凹部61の開口側端部には、その中央凹部61よりも大径の被圧入部62が形成されている。この被圧入部62に、第1ロータコア50の圧入部52が圧入されている。これにより、第1及び第2ロータコア50,60が互いに固定されるようになっている。また、第1及び第2ロータコア50,60の軸方向外側端面には、第1回転軸53及び第2回転軸63がそれぞれ一体形成されている。第1回転軸53は出力側の軸受19に、第2回転軸63は反出力側の軸受18にそれぞれ軸支されている。
各ロータコア50,60において、マグネット27を保持する各保持凹部54,64は、各ロータコア50,60の互いの当接面71から軸方向に沿って凹設されている。そして、保持凹部54,64は、その開口側端部が互いに対向するように形成されている。これにより、各ロータコア50,60のマグネット27は、軸方向の内側端部で互いに当接するとともに、軸方向の外側端部は保持凹部54,64の底面と当接している。つまり、各ロータコア50,60のマグネット27は、保持凹部54,64にて軸方向に挟持された構成となっている。
このような構成によっても、上記実施形態の効果(1)と同様の効果を得ることができる。それに加え、一対のロータコア50,60を軸方向に並べた構成として高出力化に寄与できる。また、マグネット27が各ロータコア50,60の保持凹部54,64に軸方向に挟持されるため、マグネット27を保持凹部54,64に固定するための圧入や接着等を不要とすることができ、マグネット27の固定が容易となる。なお、図5に示す構成では、第1及び第2ロータコア50,60は圧入により互いに固定されたが、これ以外に例えば、接着固定としてもよい。
・上記実施形態において、保持孔26を貫通孔とせずに第1端面21a側の端部で閉塞された凹部とし、第2回転軸24に一体形成されたフランジ部にてマグネット27の第2端面21b側の端部を閉塞する構成としてもよい。この構成によれば、保持孔26(凹部)の底面と第2回転軸24のフランジ部とによって軸方向に挟持されるため、マグネット27を保持凹部54,64に固定するための圧入や接着等を不要とすることができ、マグネット27の固定が容易となる。
・上記実施形態と図4及び図5に示す構成では、非磁性領域が空隙25にて構成されたが、これに限定されるものではなく、非磁性領域を振動抑制部材にて構成してもよい。この構成を上記実施形態に適用した例を図6に示す。同図に示すように、第2回転軸24の基端部24aと中央凹部23の底面23bとの間の空隙には、例えばゴム(非磁性体)よりなる振動抑制部材80が充填されている。なお、振動抑制部材80は、第2回転軸24の基端部24aと中央凹部23の底面23bとの間の空隙の全体に隙間なく設けてもよく、またこれ以外に、一部隙間を残した状態(例えば、第2回転軸24の基端部24aとの間に軸方向の隙間を残した状態)で設けてもよい。
このような構成によれば、非磁性領域の少なくとも一部(図6に示す構成では非磁性領域の全体)が非磁性よりなる振動抑制部材80にて構成される。そのため、ロータコア21の内部に設けられた振動抑制部材80によって、各回転軸22,24を通る軸方向の漏れ磁束を少なく抑えつつ、ロータ14の振動を抑制することができる。
・上記実施形態では、中央凹部23に対する第2回転軸24の圧入長さと、底部23aの軸方向長さとが互いに略等しく設定されたが、互いに異なる長さとしてもよい。
・上記実施形態では、第2回転軸24は中央凹部23に圧入固定されたが、これ以外に例えば、接着固定としてもよい。
・上記実施形態では、第2回転軸24は中央凹部23に圧入固定されたが、これ以外に例えば、接着固定としてもよい。
・上記実施形態では、ロータ14は4個のマグネット27を備えるが、これに特に限定されるものではなく、マグネット27の個数は構成に応じて適宜変更してもよい。また、上記実施形態における各マグネット27の極性を反対に構成してもよい。
・上記実施形態では、各マグネット27と各疑似磁極28とは、周方向においてそれらの中心位置が略等間隔(略45度間隔)で配置される構成としたが、これに限定されるものではなく、不等間隔に配置される構成としてもよい。
・ケース本体2の形状等の構成は、上記実施形態の形状に限定されるものではない。例えば、筒状部2aは、円筒状以外の筒状(例えば、多角筒状、楕円筒状等)であってもよい。また、筒状部2aと底部2bとは別体で形成されて、互いに組み付けられるものであってもよい。また、ケース本体2は、フランジ部2cを必ずしも備えなくてもよい。
・上記実施形態では、モータケース1は、カバープレート3を備えているが、カバープレート3を備えずケース本体2のみから構成されてもよい。
・上記実施形態では、各マグネット27がロータコア21に埋設されたIPM(Interior Permanent Magnet)型のロータとして構成したが、各マグネット27をロータコア21の外周面に配置するSPM(Surface Permanent Magnet)型のロータとして構成してもよい。
・上記実施形態では、各マグネット27がロータコア21に埋設されたIPM(Interior Permanent Magnet)型のロータとして構成したが、各マグネット27をロータコア21の外周面に配置するSPM(Surface Permanent Magnet)型のロータとして構成してもよい。
・上記実施形態では、インナロータ型のモータMに本発明を適用したが、これに特に限定されるものではなく、アウタロータ型のモータに適用してもよい。
M…モータ、11…ステータ、14…ロータ、21…ロータコア、22,53…第1回転軸、23,51,61…中央凹部(凹部)、23a…中央凹部の底部、24,41,63…第2回転軸、25…非磁性領域を構成する空隙、27…マグネット、28…疑似磁極、50…第1ロータコア、60…第2ロータコア、80…非磁性領域を構成する振動抑制部材。
Claims (8)
- ロータコアの周方向にマグネットが複数配置されるとともに、各マグネット間には前記マグネットの磁気作用により前記マグネットとは反対の磁極として機能する疑似磁極が形成されたロータであって、
前記ロータコアには、その軸方向端面に軸方向に沿って窪む凹部が形成されるとともに、前記凹部の底部から反凹部側に軸方向に延出された第1回転軸が一体形成され、
前記凹部が形成された前記軸方向端面側には、前記凹部の底部との間に非磁性領域を形成するよう該底部と離間した位置に前記第1回転軸と同軸をなす第2回転軸が設けられていることを特徴とするロータ。 - 請求項1に記載のロータにおいて、
前記第2回転軸は、前記ロータコアとは別体で構成され、前記凹部に対して前記底部と離間するように挿入固定されていることを特徴とするロータ。 - 請求項1に記載のロータにおいて、
前記第2回転軸は、前記ロータコアに一体形成され該ロータコアの軸方向端面から軸方向に延出された筒状をなしていることを特徴とするロータ。 - 請求項1に記載のロータにおいて、
前記ロータコアは、前記凹部同士が対向するように一対設けられ、
一方の前記ロータコアに一体形成された回転軸が前記第1回転軸として構成され、他方の前記ロータコアに一体形成された回転軸が前記第2回転軸として構成されたことを特徴とするロータ。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータにおいて、
前記第1回転軸が出力側の回転軸として構成され、前記第2回転軸が非出力側の回転軸として構成されたことを特徴とするロータ。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のロータにおいて、
前記非磁性領域は、空隙にて構成されていることを特徴とするロータ。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のロータにおいて、
前記非磁性領域は、非磁性体よりなる振動抑制部材にて構成されていることを特徴とするロータ。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012063950A JP2013198321A (ja) | 2012-03-21 | 2012-03-21 | ロータ及びモータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012063950A JP2013198321A (ja) | 2012-03-21 | 2012-03-21 | ロータ及びモータ |
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JP2013198321A true JP2013198321A (ja) | 2013-09-30 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2012063950A Pending JP2013198321A (ja) | 2012-03-21 | 2012-03-21 | ロータ及びモータ |
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JP (1) | JP2013198321A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018532357A (ja) * | 2015-07-28 | 2018-11-01 | キャン アズ サン インコーポレーテッド | ステータ磁心ブラシレスモータ装置、システム及び方法 |
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2012
- 2012-03-21 JP JP2012063950A patent/JP2013198321A/ja active Pending
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