JP2020088235A - 電極材料及びその製造方法、並びに、ハイブリッドキャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電の繰り返しによる容量の低下が抑制される電極材料を提供すること。【解決手段】芳香族複素環を有する導電性高分子と、酸性基を有するキノン系化合物と、を含み、前記キノン系化合物が、前記導電性高分子にドープされている電極材料である。【選択図】図1

Description

本開示は、電極材料及びその製造方法に関する。
キノン系化合物は可逆的に酸化還元反応することが知られている。このため、キノン系化合物の酸化還元反応に伴う容量を利用した活物質として電池や擬似容量キャパシタ等の蓄電デバイスへ適用する検討が進められている。
キノン系化合物自体は絶縁性であるため、通常、導電性の材料と組み合わせて用いられる。たとえば、導電性の活性炭などにキノン系化合物を担持する手法が知られている。しかしながら当該手法は、担持しているキノン系化合物の剥離や溶解などの課題があった。
特許文献1では、ハロゲン基を有するキノン系化合物を含む活物質と、当該活物質を担持した多孔質体とを含む蓄電装置の電極用材料が開示されている。特許文献1によればハロゲン基を有するキノン系化合物を用いることにより、多孔質体との分子間力を増大して、キノン系化合物の電解質への溶出が抑制されるとされている。
また、特許文献2には、酸化還元活性なキノン官能基を有する単位を繰り返し構造の中に含む導電性高分子が開示されている。当該導電性高分子は、ジメトキシアニンリン等を重合した後、メトキシ基を加水分解することにより得られる。
特許文献3には、ポリアニリンとキノン化合物の複合体と、ポリピロールとの混合物を含む高分子電極が開示されている。
また特許文献4には、スルホン酸基を有するキノン化合物を酸化剤として含有する溶液中でアニリンを酸化重合するポリアニリンの製造方法が開示されている。
また、これらとは別に、導電性ポリマーが有するドーパントイオンのドープ・脱ドープを繰り返すことにより、充放電させる手法が知られている(例えば特許文献5)。
特許第6158308号 特開平10−154512号公報 特開2000−123825号公報 特開平8−337650号公報 特開2006−48973号公報
特許文献1の電極用材料は、ハロゲン基を有するキノン系化合物を用いることにより、多孔質体との分子間力を増大させている。しかしながら分子間力では結合強度は不十分であり、キノン系化合物の剥離や溶解を十分に抑制するものではなかった。
特許文献3及び4は、ポリアニリンにキノン系化合物がドープした導電性ポリマーが得られる。しかしながら、ポリアニリンにドープしたキノン系化合物は、ポリマーの電位(電極電位)が低下した際に脱ドープしやすく、充放電の繰り返しにより容量が低下しやすいという問題があった。
また、特許文献5などのような導電性ポリマーからドーパントのドープ・脱ドープを繰り返す手法は、サイクル特性が低下しやすいという問題があった。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、充放電の繰り返しによる容量の低下が抑制される電極材料、及びその製造方法、並びに、当該電極材料を用い、サイクル特性に優れたハイブリッドキャパシタを提供することを目的とする。
本発明に係る電極材料は、
芳香族複素環を有する導電性高分子と、
酸性基を有するキノン系化合物と、を含み、
前記キノン系化合物が、前記導電性高分子にドープされていることを特徴とする。
上記電極材料の一実施形態は、
前記導電性高分子がポリピロールであり、
前記キノン系化合物が、ヒドロキノンを有するアニオンである、
正極用電極材料である。
上記電極材料の一実施形態は、
前記導電性高分子が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、及びポリピロールより選択される1種以上であり、
前記キノン系化合物が、アントラキノンを有するアニオンである、
負極用電極材料である。
本発明に係る電極材料の製造方法は、
芳香族複素環を有するモノマーと、酸性基を有するキノン系化合物とを含み、前記モノマーが過飽和状態の組成物を準備する工程と、
前記芳香族複素環を有するモノマーの重合工程と、を含む。
上記電極材料の製造方法の一実施形態は、
前記芳香族複素環を有するモノマーがピロールであり、
前記組成物が、前記ピロールを6質量%以上10質量%以下の過飽和状態で含有する。
上記電極材料の製造方法の一実施形態は、
前記重合工程が、電解重合により行われる。
図1は、実施例1の電極の製造例を示す模式図である。 図2は、実施例1の電極のCV測定結果を示すグラフである。 図3は、比較例1の電極のCV測定結果を示すグラフである。
1.電極材料
本発明に係る電極材料の一実施形態は、芳香族複素環を有する導電性高分子と、酸性基を有するキノン系化合物とを含み、前記キノン系化合物が前記導電性高分子にドープしている。当該電極材料によれば、充放電の繰り返しによってもドーパントであるキノン系化合物の脱ドープや電解液への溶解が抑制されるため、容量の低下が抑制される。
上記の構成によりこのような効果が得られる作用については、以下のように推定される。本実施の電極材料は、ドーパントとして酸性基を有するキノン系化合物を用いる。当該キノン系化合物は、酸性基がイオン化して導電性高分子と電気的相互作用によりドープする。そのため、分子間力により担持しているキノン系化合物よりも結合が強い。そのため、キノン系化合物の剥離や溶解が抑制されるものと推定される。
本実施の電極材料は、少なくとも芳香族複素環を有する導電性高分子と、酸性基を有するキノン系化合物を含むものであり、効果を損なわない範囲で、更に他の成分を含有してもよいものである。
[芳香族複素環を有する導電性高分子]
本実施における導電性高分子は、芳香族複素環を有するものの中から選択して用いられる。芳香族複素環を有する導電性高分子を用いることにより、後述する酸性基を有するキノン系化合物の脱離が抑制される。芳香族複素環は、導電性の点から、導電性高分子の主鎖を構成することが好ましく、更に芳香族複素環を繰り返し単位とする導電性部位を有するポリマーであることが好ましい。
芳香族複素環が有するヘテロ原子としては、N(窒素原子)、O(酸素原子)、S(硫黄原子)などが挙げられ、キノン系化合物のドープの安定性から、N又はSが好ましい。複素環は、導電性高分子の構造の安定性の点から、5〜6員の複素環であることが好ましく、5〜6員の複素環が縮合した縮合多環式複素環であってもよい。
好適な複素環としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール等の5員複素環;ピラン、ピロン、ピリジン、ピラジン等の6員複素環;ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、インドール等の縮合多環式複素環が挙げられ、導電性等の点から、中でも、チオフェン又はピロールが好ましい。
またこれらの複素環は、炭素原子が置換基を有してもよい。置換基としては、例えば、炭素原子数が1〜6個のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などの他、複素環を構成する2つの炭素原子と連結する2価の置換基であってもよい。このような2価の置換基としては、炭素原子数が2〜6個のアルキレン基、アルキレンジオキシ基などが挙げられる。置換基を有する複素環としては、チオフェンにエチレンジオキシ基が置換されたエチレンジオキシチオフェンなどが好適なものとして挙げられる。
本実施において導電性高分子は、導電性に優れ、酸性基を有するキノン系化合物の脱離が抑制される点から、ポリピロール、ポリチオフェン、又は、ポリエチレンジオキシチオフェンが好ましく、ポリピロール、又は、ポリエチレンジオキシチオフェンがより好ましい。
正極用の電極材料に用いられる導電性高分子としては、ポリピロールが特に好ましい。
また、負極用の電極材料に用いられる導電性高分子としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、又はポリピロールが特に好ましい。
本実施において導電性高分子は、市販品を用いてもよく、また製造してもよい。導電性高分子の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造してもよい。一方、後述する電極材料の製造方法によれば、導電性高分子の製造時に、後述するキノン系化合物のドープを同時に行うことができる。
[酸性基を有するキノン系化合物]
本実施においてキノン系化合物とは、少なくとも、芳香環と当該芳香環に結合する2つのケトン基を有する化合物をいい、ヒドロキノン系化合物とは、当該キノン系化合物のケトンが水酸基に置換されたものをいう。
本実施において、キノン系化合物及びヒドロキノン系化合物は酸化還元反応により相互に変換するものであるため、本明細書においては、特に断りがない限り、「キノン系化合物」には、対応する「ヒドロキノン系化合物」を含むものとする。
キノン系化合物が有する酸性基としては、カルボキシ基(−COOH)、スルホ基(SOH)、リン酸基(−POH)などが挙げられ、中でも、スルホ基が好ましい。なお、本実施において、酸性基はイオン化したものも、及びアルカリ金属イオン等と塩形成したものを含む。また導電性高分子にドープされたキノン系化合物は、通常、酸性基の水素原子が解離してアニオンとなっている。
正極用の電極材料に用いられるキノン系化合物は、上記芳香環として、ベンゼン環、又は、ナフタレン環を有するものが好ましい。
また、負極用の電極材料に用いられるキノン系化合物は、上記芳香環として、ナフタレン環又はアントラセン環を有するものが好ましい。
これらの芳香環は、ケトン基以外の置換基を有してもよい。当該置換基としては、前記複素環における置換基と同様のものが挙げられる。
正極用の電極材料において導電性高分子にドープされているキノン系化合物は、ヒドロキノンを有するアニオンであることが好ましく、ヒドロキノンスルホン酸イオン、ヒドロキノンカルボン酸イオンが特に好ましい。
また、負極用の電極材料において導電性高分子にドープされているキノン系化合物は、アントラキノンを有するアニオンであることが好ましく、アントラキノンスルホン酸イオンが特に好ましい。
本実施の電極材料において、芳香族複素環を有する導電性高分子と、酸性基を有するキノン系化合物の比率は特に限定されないが、1:1〜1:4(質量比)が好ましい。
<導電性高分子とキノン系化合物の組合せ>
本実施の電極材料として、ポリピロールと、ヒドロキノンを有するアニオンの組合せが、特に正極用の電極材料として好ましい。
また、本実施の電極材料として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、及びポリピロールより選択される1種以上と、アントラキノンを有するアニオンの組合せが、特に負極用の電極材料として好ましい。
これらの電極材料は、後述する製造方法により好適に製造することができる。
本実施の電極材料は、前記高分子化合物にドープさせた前記キノン系化合物の酸化還元反応に伴う容量を利用するハイブリッドキャパシタ及び二次電池用途に好適に用いることができる。
特にキノン系化合物がヒドロキノンを有するアニオン(例えばヒドロキノンスルホン酸、2,5ジヒドロキシ安息香酸、等)の場合、当該ヒドロキノンを有するアニオンの酸化還元電位が、ヒドロキノンを有するアニオンのドープ電位に近く、脱ドープが起こる電位よりも高いため、電極電位を不用意に下げない限り、脱ドープが生じない。そのため、通常の充放電の繰り返しでは、ハイブリッドキャパシタの容量の低下が抑制される。
2.電極材料の製造方法
本発明者らは、上記電極材料の製造方法に関し、前記芳香族複素環を有するモノマーの重合と前記酸性基を有するキノン系化合物のドーピングを同時に行うことを検討した。
しかしながら、酸性基を有するキノン系化合物の酸化還元電位が、芳香族複素環を有するモノマーのポリマー化電位(モノマーの酸化電位)より低いため、ポリマー化が困難であった。
本発明者らは鋭意検討の結果、芳香族複素環を有するモノマーを過飽和状態とすることにより、ポリマー化とドーピングとを同時に実施することが可能との知見を得て、本発明の製造方法を完成させた。
即ち、本発明の電極材料の製造方法は、前記本発明の電極材料の製造方法であって、
芳香族複素環を有するモノマーと、酸性基を有するキノン系化合物とを含み、前記モノマーが過飽和状態の組成物を準備する工程と、前記芳香族複素環を有するモノマーの重合工程と、を含む。
芳香族複素環を有するモノマーを過飽和とすることにより、重合が可能となる理由は未解明な部分もあるが、ポリマーを形成する電極付近のピロール濃度が上がることで、ヒドロキノンによる酸化重合阻害の影響を受けずに重合されるピロール分子が増えることが一因と推測される。
以下、各工程について説明するが、芳香族複素環を有するモノマーと、酸性基を有するキノン系化合物の詳細は前述の通りであるためここでの説明は省略する。
[組成物の準備]
まず、芳香族複素環を有するモノマーと、酸性基を有するキノン系化合物を含む組成物を準備する。なお、当該組成物は、通常、溶媒として水を含む水溶液である。
本実施において、芳香族複素環を有するモノマーは、過飽和状態とする。飽和濃度を超過する量のモノマーを溶解させることにより過飽和状態とすることができ、弱い乳化状態となって観察される。飽和濃度は、モノマー及び溶媒の種類、並びに温度に応じて異なるが、例えばピロールの場合、25℃における水への溶解度が45g/Lである。
当該ピロールの場合、具体的に、5wt%(モノマー/溶媒)以上の水溶液とすることが好ましく、6wt%以上の水溶液とすることがより好ましい。
また、当該水溶液に、酸性基を有するキノン系化合物を溶解させることにより、組成物が準備される。酸性基を有するキノン系化合物の濃度は、所望のドーピング比率を考慮して調整すればよく、特に限定されないが、例えば、10〜25wt%(キノン系化合物/溶媒)とすることができ、15〜20wt%とすることが好ましい。
[重合]
次いで、準備した組成物中の芳香族複素環を有するモノマーの重合を行う。重合方法としては、酸化重合(化学重合)及び電解重合が挙げられる。
酸化重合の場合、前記組成物に更に公知の酸化剤を添加して加熱することにより、芳香族複素環を有するモノマーを重合する。酸化重合によれば、芳香族複素環の繰り返し単位が比較的規則的に配置された直線状のポリマーが得られ、酸性基を有するキノン系化合物がドープされている。
一方、電解重合の場合、前記組成物を少なくとも一部が導電性を有する電解重合用の容器に収容した後、当該組成物に、導電性の基体を浸漬し、容器と基体とを介して電圧を印加することにより基体表面に、酸性基を有するキノン系化合物がドープされた芳香族複素環を有する導電性高分子の層が形成される。
電解重合においては、酸化剤を添加する必要がないため、酸性基を有するキノン系化合物の代わりに酸化剤がドープされる問題がなく、高容量の電極材料を得ることができる。このような点から、本実施の製造方法は、電解重合で行うことが好ましい。
なお電解重合により得られる導電性高分子は、酸化重合により得られたポリマーと比較して、3次元架橋された構造を含むポリマーとなっている。
電解重合に用いられる前記基体としては、得られる電極材料の下地となる下地電極を用いることが好ましい。電解重合により下地電極に電極材料層を形成することにより、そのまま、蓄電デバイス用の電極とすることも可能である。
3.ハイブリッドキャパシタ
本実施のハイブリッドキャパシタは、前記本実施の電極材料を用いた電極を備えることを特徴とする。
本実施のハイブリッドキャパシタは、上記電極材料を用いているため、充放電の繰り返しによる容量の低下が抑制される。
本実施のハイブリッドキャパシタは、正極、又は負極のいずれか一方が、上記本実施の電極材料を用いた電極であればよく、正極及び負極の両方が上記本実施の電極材料であってもよい。
ハイブリッドキャパシタのその他の構成は、従来公知のあらゆる構成とすることができる。本実施のハイブリッドキャパシタの一例としては、
正極と、負極と、
前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、
前記正極と前記負極とを収容する容器と、
前記容器内に収容され、前記正極及び前記負極に接触する電解液と、を有し、
前記正極又は負極の少なくとも一方が、上記本実施の電極材料を備えるものが挙げられる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、これらの記載により本発明を制限するものではない。
<実施例1>
(1)電極材料の製造
電解重合により、ポリピロールにヒドロキノンスルホン酸がドープされる導電性ポリマーを製造した。以下、その作成の手順を示す。
まず、ピロール 7wt%、ヒドロキノンスルホン酸カリウム 18.6wt%の水溶液を調製し、これを重合用溶液とした。なお当該重合用溶液は、ピロールがわずかに過飽和している状態になるため混合液は少し乳化した状態になっていた。
(2)電極の製造
次に、電極を製造した。図1を参照して説明する。まず下地電極11となる膨張黒鉛シートを準備した(図1a)。下地電極11は、厚み0.12mmの膨張黒鉛シートから、巾1mm、長さ20mm超となるように切り出し、導電性ポリマー形成部12となる長さ20mmとなる位置に巾3mmのカプトンテープ13を貼付して、導電性ポリマー形成部12(長さ20mmの部分)以外にポリマーが形成されないようにした。
次いで、上記下地電極11に電解重合にてポリピロール層14を形成した。具体的には、重合用の容器(不図示)として容積12ccの角型ビーカー(寸法1×3×4cm)を準備し、その内壁一面に50μm厚のSUSを取付け、更に液を満たした後に電圧印加を可能にするため、その一部を液の外に出すための巾5mmのタブ部を設けた。この容器に上記で作成した重合用溶液を10cc入れ、更に上記の膨張黒鉛の下地電極11をカプトンテープ13の下端が重合用溶液の液面と一致するまで液中に浸漬した。
上記の配置とした後、下地電極11が正電圧となるように、下地電極11とSUS箔間に電圧を印加して電解重合を実施し、導電性ポリマー形成部12上にポリピロール層14を形成した(図1b)。本実施例では、重合は定電流(0.4mA)を20分間通電することで実施した。また、重合液の液温は室温と同じ25℃とし、ポリピロール層形成後の電極10は、純水にて10分間流水洗浄し、85℃にて30分乾燥させた。得られたポリピロール層14の厚みは1〜5μmであった。尚、この厚みは表面に形成された部分のみの厚みであり、膨張黒鉛の内部多孔質部に形成された部分に関しては、ポリピロール層の形成は観察できたものの、厚みは測定できなかった。
(3)測定
上記で得られた電極10のCyclic Voltammetry測定(以下、CV測定)を実施した。
測定用の電解液は、40wt%硫酸を用いた。この硫酸濃度は、電気二重層キャパシタの電解液濃度を想定したものである。また、上記電極10をワーク極(W極)とし、更に参照極(R極)はAg/AgCl電極を用い、カウンター極(C極)は、下地電極11と同じ材料である膨張黒鉛シートを3×8cmの大きさに切り出したものを使用した。
CV測定時の電圧制御はC極−W極間で行い、電圧掃引範囲は0Vから1Vまでとし、掃引速度は10mV/sとした。また、R極はW極の電位測定にのみ使用した。
このCV測定で掃引を10回繰り返した後に得られた結果を図2に示した。
また、比較例1として、W極として実施例1の電極10の代わりにポリマー層を形成していない膨張黒鉛のみの電極を用いて同様に測定した結果を図3に示した。
両者を比較すると明らかにポリマーを形成した実施例1の電極10において電流値が増大していることがわかる。特に電圧増加方向の掃引における0.5V付近のピークおよび電圧減少方向の掃引における0.3V付近のピークはR極基準の測定では、それぞれ0.67V,0.42Vであり、従来から知られているヒドロキノンの酸化還元電位に比べるとやや高い値であり、このピークが本発明のドーパントに含まれているヒドロキノン部分の酸化還元に対応していると推測される。
また、このCV測定の1サイクルで充放電される電荷量を算出すると、図2(実施例1)の場合が104mA・s、図3(比較例1)の場合が6mA・sとなり実施例1の電極10の方が約17倍大きな電流容量を有していた。
これらの結果から、本実施例で作成した導電性ポリマーは、キャパシタや電池の容量を増大させる目的で使用できる電極となることがわかった。
10 電極
11 下地電極
12 導電性ポリマー形成部
13 カプトンテープ
14 ポリピロール層

Claims (8)

  1. 芳香族複素環を有する導電性高分子と、
    酸性基を有するキノン系化合物と、を含み、
    前記キノン系化合物が、前記導電性高分子にドープされている、
    電極材料。
  2. 前記導電性高分子がポリピロールであり、
    前記キノン系化合物が、ヒドロキノンを有するアニオンであり、
    正極に用いられる、請求項1に記載の電極材料。
  3. 前記導電性高分子が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、及びポリピロールより選択される1種以上であり、
    前記キノン系化合物が、アントラキノンを有するアニオンであり、
    負極に用いられる、請求項1に記載の電極材料。
  4. ハイブリッドキャパシタ用である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電極材料。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電極材料の製造方法であって、
    芳香族複素環を有するモノマーと、酸性基を有するキノン系化合物とを含み、前記モノマーが過飽和状態の組成物を準備する工程と、
    前記芳香族複素環を有するモノマーの重合工程と、を含む、電極材料の製造方法。
  6. 前記芳香族複素環を有するモノマーがピロールであり、
    前記組成物が、前記ピロールを6質量%以上10質量%以下の過飽和状態で含有する、請求項5に記載の電極材料の製造方法。
  7. 前記重合工程が、電解重合により行われる、請求項5又は6に記載の電極材料の製造方法。
  8. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電極材料を用いた電極を備える、ハイブリッドキャパシタ。
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