JP2003203826A - アルミ電解コンデンサとその製造方法 - Google Patents

アルミ電解コンデンサとその製造方法

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JP2003203826A
JP2003203826A JP2002000007A JP2002000007A JP2003203826A JP 2003203826 A JP2003203826 A JP 2003203826A JP 2002000007 A JP2002000007 A JP 2002000007A JP 2002000007 A JP2002000007 A JP 2002000007A JP 2003203826 A JP2003203826 A JP 2003203826A
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aluminum
electrolytic capacitor
electrolyte layer
solid electrolyte
electric conductivity
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Kazufumi Inoue
和文 井上
Masafumi Oshima
雅史 大島
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Japan Carlit Co Ltd
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Japan Carlit Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ESRの上昇を抑制した高耐電圧コンデンサ
を提供。 【解決手段】 予めエッチドアルミ陽極箔1と、対向ア
ルミ陰極箔6とを、セパレータ5を介して巻回したコン
デンサ素子を準備する。ついで、該陽極箔1表面の誘電
体皮膜2上に、a)導電性高分子を形成した後、酸化剤
ないしは還元剤溶液と接触、熱処理、または電解液中で
カソード分極させて、電気伝導度を低下させて、駆動用
電解液4より低い電気伝導度の10−2〜10−10
/cmに制御するか、あるいは、b)予め電気伝導度が
10−2〜10−10S/cmに制御された脱ドープ導
電性高分子膜またはイオン伝導性高分子膜を、直接形成
して、駆動用電解液4より低電気伝導度の固体電解質層
3を形成し、次に、アルミケースに、駆動用電解液4と
共に入れ、封止後、エージングして、コンデンサを完成
する。固体電解質3の形成は、巻回前でもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミ電解コンデ
ンサとその製造方法に関し、より詳しくは、等価直列抵
抗(以下「ESR」と記す。)の上昇を十分抑制した高
耐電圧のアルミ電解コンデンサとその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルミ陽極箔と対向アルミ陰極箔とを、
セパレータを介して巻回させたコンデンサ素子を、駆動
用電解液に浸漬してなるアルミ電解コンデンサが、広く
知られている。
【0003】アルミ電解コンデンサは、一般に、駆動用
電解液の電気伝導度が低いほど、火花電圧が高くなるた
め、電気伝導度が低く、かつアルミに対する酸化皮膜形
成能力の高い駆動用電解液を用いることにより、耐電圧
を向上させており、最大使用電圧は、550Vないしは
それ以上である。しかしながら、高い電圧の場合には、
ESRが大きくなるという欠点があった。
【0004】アルミ電解コンデンサは、高い耐電圧と低
いESRを両立させるために、以下のように、種々の検
討がなされている。
【0005】特開平11−3841号公報では、脂肪族
飽和ジカルボン酸及びその塩を電解質として採用した、
火花電圧が高く、電気伝導度の高い駆動用電解液が、ま
た、特開平10−241999号公報、特開平6−29
0997号公報、特開平5−101982号公報では、
添加剤としてケイ素化合物を、特開平7−183173
号公報では、添加剤としてリン化合物を、特開平6−8
4703号公報では、添加剤として重水を用いた、火花
電圧が高く、電気伝導度の高い駆動用電解液が提案され
ている。
【0006】特開平10−172867号公報では、気
密度が高く、貫通孔の多い構造を有する、耐電圧が高
く、低抵抗なセパレータ紙を採用することが提案されて
いる。
【0007】特開平9−162081号公報では、化成
液にポリアクリル酸溶液を用いた陽極酸化皮膜形成方法
により、火花電圧が高く、電気伝導度の高いコンデンサ
を得ることが提案されている。
【0008】特開平5−315199号公報では、アル
ミ圧延箔中に含まれるアルミ以外の金属濃度を低く制御
することにより、また特開平6−136470号公報で
は、不活性ガス中または真空中で、アルミの溶解、鋳造
を行い、水素ガス等の溶存を抑制することにより、陽極
酸化での酸化皮膜の欠陥発生を抑制させて、火花電圧が
高く、電気伝導度の高いコンデンサが得ることが提案さ
れている。
【0009】一方、アルミ陽極箔表面に形成した誘電体
皮膜上に、導電性高分子膜を形成させて、固体電解質と
する固体電解コンデンサがあり、特開昭63−1733
13号公報、特開平1−32619号公報等に開示され
ている。
【0010】固体電解コンデンサは、一般に、アルミに
対する導電性高分子の酸化皮膜形成能力が低いため、耐
電圧が低いという問題があり、最大使用電圧は、通常1
6V程度である。
【0011】本発明者らは、先に出願した、特願200
1−374061号により、アルミ陽極箔表面に、形成
した誘電体皮膜上に、第1固体電解質層及び第2固体電
解質層からなる固体電解質陰極層が形成された固体電解
コンデンサで、誘電体皮膜直近の固体電解質層の電気伝
導度が、上部に位置する第2固体電解質層より低い、1
−2〜10−10S/cmの電気伝導度に制御された
コンデンサを提案した。該コンデンサは、コンデンサの
耐電圧を向上させ、かつESRの上昇を抑制して、コン
デンサ特性を保持させたものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ES
Rの上昇を十分抑制した高耐電圧アルミ電解コンデンサ
とその製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、固体電解
コンデンサについてなされた特願2001−37406
1号について、アルミ電解コンデンサへの応用を鋭意検
討したところ、アルミ電解コンデンサにも、十分適用し
得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は、表面に誘電体皮膜を
形成したエッチドアルミ陽極箔と対向アルミ陰極箔と
が、セパレータを介して巻回されてなるアルミ電解コン
デンサにおいて、該誘電体皮膜上に形成された固体電解
質層の電気伝導度が、駆動用電解液より低い電気伝導度
に制御されてなることを特徴とするアルミ電解コンデン
サであり、また、固体電解質層の電気伝導度が、10
−3〜10−10S/cmであることを特徴とするアル
ミ電解コンデンサである。
【0015】以下、本発明を、図面を参照して、説明す
る。図1は、本発明のアルミ電解コンデンサの断面模式
図である。
【0016】図1に示すように、本発明のアルミ電解コ
ンデンサは、表面に誘電体皮膜2を形成したエッチドア
ルミ陽極箔1と対向アルミ陰極箔6とが、セパレータ5
を介して巻回されてなるアルミ電解コンデンサにおい
て、該誘電体皮膜2上に形成された固体電解質層3の電
気伝導度が、駆動用電解液4より低い電気伝導度である
10−3〜10−10S/cmの範囲に制御されたもの
である。
【0017】まず、アルミ箔の表面を、エッチングし、
粗面化させて、エッチドアルミ陽極箔1とした後、陽極
リード端子を、溶接やカシメ付け等により接続させる。
【0018】本発明において、アルミ箔のエッチングに
は、直流電解と交流電解のいずれを用いてもよい。直流
電解によるエッチドアルミ箔の拡面倍率は、約25倍、
交流電解によるエッチドアルミ箔の拡面倍率は、約10
0倍である。
【0019】次に、アジピン酸アンモニウム等の水溶液
中で、該陽極箔1を、化成して、エッチドアルミ陽極箔
1表面に誘電体皮膜2を形成させる。
【0020】ついで、陰極リード端子を、溶接等により
接続させた対向アルミ陰極箔6と、上記陽極箔1とを、
マニラ紙等のセパレータ5を介して、巻き取り、コンデ
ンサ素子を準備する。
【0021】次に、該コンデンサ素子のエッチドアルミ
陽極箔1表面の誘電体皮膜2上に、電気伝導度が10
−3〜10−10S/cmの範囲に制御された固体電解
質層3を形成させる。
【0022】固体電解質層3の形成は、a)誘電体皮膜
2上に、ピロール、アニリン、チオフェン、エチレンジ
オキシチオフェン等のモノマーを、酸化剤と接触させて
化学酸化重合させるか、または支持電解質と共に電解重
合させて、導電性高分子膜を形成させた後、酸化剤ない
しは還元剤溶液と接触、熱処理、または電解液中でカソ
ード分極させることにより、所定の電気伝導度範囲に制
御する方法、あるいは、b)予め所定の電気伝導度範囲
に制御された、脱ドープ導電性高分子膜またはイオン伝
導性高分子膜を、誘電体皮膜2上に、直接形成させる方
法による。
【0023】エッチドアルミ陽極箔1表面の誘電体皮膜
2上に、固体電解質層3を形成させた後、アルミ製コン
デンサケースに入れ、ついで、駆動用電解液を入れ、以
下、周知の方法により、封口ゴムで封止した後、電圧を
印加して、エージング等を行い、本発明のアルミ電解コ
ンデンサを完成する。
【0024】本発明に用いられる駆動用電解液は、高電
気伝導度であれば、特に限定されず、周知の溶媒中に、
周知の電解質を溶解させたものである。
【0025】溶媒としては、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、グリセリン等のアルコール系溶媒、γ−
ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラク
トン等のラクトン系溶媒、N−メチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒、アセト
ニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等のニトリル
系溶媒、水等があげられ、少なくとも1種が用いられ
る。
【0026】電解質の陽イオンとしては、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、フェニル等のアルキル基をもつ
1級アミン、2級アミン、3級アミン、及び4級アミン
のアミン類が、また、陰イオンとしては、アジピン酸、
フタル酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバシン酸、安
息香酸、ニトロ安息香酸コハク酸、サリチル酸、シュウ
酸、クエン酸、1,6−デカンジカルボン酸等のカルボ
ン酸、ホウ酸、リン酸、過塩素酸、トリフルオロメタン
スルホン酸、チオシアン酸、スルホン酸等があげられ、
上記陽イオンと陰イオンの各々少なくとも1種を組合せ
て用いられる。
【0027】上記駆動用電解液には、必要に応じ、ケイ
酸、アルコキシシラン等のケイ素化合物、リン酸、リン
酸エステル、次亜リン酸等のリン化合物、ニトロフェノ
ール、ニトロ安息香酸、ニトロアニリン、ニトロエタン
等のニトロ化合物、マルトース、ラクトース、セルビオ
ース、ラムノース、フコース、キシロース、フルクトー
ス、ガラクトース等の糖類を添加させてもよい。
【0028】なお、上記の例では、エッチドアルミ陽極
箔1と対向アルミ陰極箔6とを、セパレータ5を介して
巻き取り後、誘電体皮膜2上に固体電解質層3を形成し
ているが、巻き取り前のエッチドアルミ陽極箔1の誘電
体酸化皮膜2上に、固体電解質層3を形成しても、なん
ら差支えない。
【0029】誘電体皮膜2上の固体電解質層3の電気伝
導度を、駆動用電解液4より低い電気伝導度である10
−3〜10−10S/cmの範囲に制御することによ
り、ESRの上昇を抑制した、高耐電圧コンデンサとす
ることができる。
【0030】固体電解質層3の電気伝導度が10−3
/cm未満の場合、耐電圧の向上が不十分であり、ま
た、10−10S/cm超の場合、耐電圧は向上するも
のの、ESRが非常に大きくなり、不都合である。
【0031】また、固体電解質層3の電気伝導度を10
−4〜10−8S/cmの範囲に制御した場合、陽極酸
化電圧の高いコンデンサの耐電圧が十分に向上すると共
に、ESRの上昇を最小限に抑制できるので、好まし
い。
【0032】陽極酸化電圧が比較的低いコンデンサに使
用される交流エッチドアルミニウム箔を用いた場合に
は、固体電解質層3の電気伝導度を10−3〜10−4
S/cmの範囲に制御すると、コンデンサの耐電圧が向
上すると共に、ESRの上昇を最小限に抑制できるの
で、好都合である。
【0033】陽極酸化電圧が比較的高いコンデンサに使
用される直流エッチドアルミニウム箔を用いた場合に
は、固体電解質層3の電気伝導度を10−4〜10
−10S/cmの範囲に制御すると、コンデンサの耐電
圧が向上すると共に、ESRの上昇を最小限に抑制でき
るので、好都合である。
【0034】固体電解質層3の厚さは、0.3〜100
nmである。固体電解質層の厚さが0.3nm未満で
は、耐電圧がほとんど向上せず、また、100nm超の
場合には、耐電圧は向上するものの、ESRが非常に大
きくなり、不都合である。
【0035】本発明のアルミ電解コンデンサでは、誘電
体皮膜上の固体電解質層の電気伝導度が、駆動用電解液
より低い電気伝導度である、10−3〜10−10S/
cmの範囲に制御されており、また、誘電体皮膜の欠陥
発生時には、電流によるジュール熱を増加させ、欠陥付
近の導電性高分子の絶縁化が促進できること、並びに、
駆動用電解液が、誘電体皮膜に、直接接触することがな
いため、耐電圧が、電解液の電気伝導度により大きく変
化することがなく、電気伝導度の高い駆動用電解液を用
いることができ、ESRの上昇を十分抑制し、かつ高耐
電圧とすることができる。
【0036】誘電体皮膜2上の固体電解質層3の電気伝
導度を低下させて、所定の電気伝導度範囲に制御する方
法について、以下、さらに詳しくに説明する。
【0037】固体電解質層3の形成は、前述したよう
に、a)まず、エッチドアルミ陽極箔表面の誘電体皮膜
2上に、ピロール、アニリン、チオフェン、エチレンジ
オキシチオフェン等のモノマーを、酸化剤と接触させて
化学酸化重合させるか、支持電解質と共に電解重合させ
て、導電性高分子膜を形成させた後、酸化剤ないしは還
元剤溶液と接触、熱処理、または電解液中でカソード分
極させることにより、導電性高分子の電気伝導度を低下
させて、所定の電気伝導度範囲に制御させる方法、ある
いは、b)予め所定の電気伝導度範囲に制御された、溶
媒可溶性の脱ドープ導電性高分子膜またはイオン導電性
高分子膜を、エッチドアルミ陽極箔表面の誘電体皮膜2
上に、直接形成させる方法のいずれかによる。
【0038】方法a−1) 誘電体皮膜2上に、導電性高分子膜を形成させた後、酸
化剤ないしは還元剤溶液と接触させる方法
【0039】まず、特開平1−32619号公報に開示
されている方法に準じ、エッチドアルミ陽極箔1表面に
形成した誘電体皮膜2上に、ピロール、アニリン、チオ
フェン、エチレンジオキシチオフェン等のモノマーを、
酸化剤と接触させて化学酸化重合させるか、支持電解質
と共に電解重合させて、導電性高分子膜を形成させる。
【0040】化学酸化重合に用いられる酸化剤は、周知
の酸化剤を用いることができ、特に限定されない。例え
ば、ヨウ素、臭素、ヨウ化臭素等のハロゲン、五フッ化
ヒ素、五フッ化アンチモン、四フッ化ケイ素、五塩化リ
ン、五フッ化リン、塩化アルミニウム、塩化モリブデン
等の金属ハロゲン化物、硫酸、硝酸、フルオロ硫酸、ト
リフルオロメタン硫酸、クロロ硫酸、テトラフルオロホ
ウ酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム等
のプロトン酸とその塩、安息香酸、フタル酸、クエン酸
等のカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンス
ルホン酸、パラトルエンスルホン酸アンモニウム、ナフ
タレンスルホン酸トリメチルアンモニウム等のスルホン
酸とその塩、三酸化イオウ、二酸化チッ素等の含酸素化
合物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酢酸、ジスルス
ルホニルパーオキサイド等の過酸化物等があげられ、少
なくとも1種が用いられる。
【0041】上記酸化剤を、水やアルコール、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2
−ピロリドン(以下、「NMP」と記す。)等の有機溶
媒の少なくとも1種に溶解させて用いられる。
【0042】電解重合の際に用いられる支持電解質は、
周知の支持電解質を用いることができ、特に限定されな
い。例えば、ヘキサフロロリン、ヘキサフロロヒ素、テ
トラフロロホウ素等のハロゲン化物アニオン、ヨウ素、
臭素、塩素等のハロゲンアニオン、過塩素酸アニオン、
アルキルベンゼンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン
酸、アミノベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、
パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸アニオンと、リ
チウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属カチオ
ン、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラ
エチルアンモニウム等の四級アンモニウムカチオンの各
々少なくとも1種を組合せたものがあげられる。
【0043】上記支持電解質を、水やアルコール、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、NMP等の
有機溶媒の少なくとも1種に溶解させて用いられる。
【0044】ついで、酸化剤または還元剤溶液と接触さ
せて、導電性高分子鎖を変成させるか、または脱ドープ
させて、所定の電気伝導度範囲に制御された固体電解質
層3を形成させる。
【0045】固体電解質層3を形成させるための酸化剤
溶液は、硝酸、過マンガン酸カリウム等のプロトン酸、
過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素等の過酸
化物、オゾン、p−トルエンスルホン酸、アルキルナフ
タレンスルホン酸等のスルホン酸第2鉄塩等を、所定の
濃度に溶解させた水溶液である。
【0046】上記酸化剤溶液の濃度及び接触時間は、形
成された導電性高分子膜及びドーパントの種類により、
適宜設定される。高濃度の酸化剤溶液を用いた場合に
は、より短時間の接触で行えるものの、長過ぎると、誘
電体皮膜を損傷する恐れがあるので、注意を要する。
【0047】固体電解質層3を形成させるための還元剤
溶液は、ヒドラジン、アンモニア、水酸化ナトリウム等
のアルカリ金属水酸化物、水素化ホウ素ナトリウム等
を、所定の濃度に溶解させた水溶液である。
【0048】上記還元剤溶液の濃度及び接触時間は、形
成された導電性高分子膜及びドーパントの種類により、
適宜設定される。高濃度の還元剤溶液を用いた場合に
は、より短時間の接触で行えるものの、長過ぎると、誘
電体皮膜を損傷する恐れがあるので、注意を要する。
【0049】方法a−2) 誘電体皮膜2上に、導電性高分子膜を形成させた後、熱
処理させる方法
【0050】まず、エッチドアルミ陽極箔1表面の誘電
体皮膜2上に、方法a−1)と同様にして、化学酸化重
合または電解重合による導電性高分子膜を形成させる。
【0051】ついで、開放下または密閉下、温度120
〜約300℃の範囲で、導電性高分子の種類により、適
宜設定される温度で、熱処理させることにより、導電性
高分子鎖を変成させるか、または脱ドープさせて、所定
の電気伝導度範囲に制御された固体電解質層3を形成さ
せる。
【0052】熱処理温度が、120℃未満の場合には、
長時間を要し、また、約300℃超の場合には、電気伝
導度が急激に変化し、制御が困難となり、不都合であ
る。
【0053】方法a−3) 誘電体皮膜2上に、導電性高分子膜を形成させた後、電
解液中で、カソード分極させる方法
【0054】まず、エッチドアルミ陽極箔1表面の誘電
体皮膜2上に、方法a−1)と同様にして、化学酸化重
合または電解重合による導電性高分子膜を形成させる。
【0055】ついで、電解液中に浸漬し、対極として白
金、金、ステンレス等の電極を設け、導電性高分子膜を
陰極として、電圧を印加し、電解液中にドーパントを拡
散させるか、または導電性高分子鎖を変成させて、所定
の電気伝導度範囲に制御された固体電解質層3を形成さ
せる。
【0056】電解液は、ホウ酸、リン酸、アジピン酸、
クエン酸、酒石酸等のカルボン酸等のアニオンと、ナト
リウム、カリウム等のアルカリ金属カチオン、アンモニ
ウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモ
ニウム等の四級アンモニウムカチオンの各々少なくとも
1種を組合せた支持電解質を、水やアルコール、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、NMP等の有
機溶媒の少なくとも1種に溶解させたものであり、pH
1〜14の範囲である。
【0057】導電性高分子膜への給電は、導電性高分子
膜に金ワイヤーを接触させる他に、予めスクリーン印刷
により電極を印刷したものを用いてもよい。
【0058】印加電圧は、導電性高分子とドーパントの
種類によって異なるが、0.5V〜3Vが適当である。
この時、電流値が大き過ぎると、金ワイヤー等の給電部
付近が急激に脱ドープされ、抵抗が大きくなり、全面処
理が困難になってしまうので、電流値はできる限り小さ
いほうがよいが、生産性を低下させない範囲で、導電性
高分子とドーパントの種類に応じ、全面処理ができる範
囲で、最大の電流値が設定される。
【0059】方法b−1) 誘電体皮膜2上に、予め所定の電気伝導度範囲に制御さ
れた、溶媒可溶性の脱ドープ導電性高分子膜を、直接形
成させる方法
【0060】まず、アニリンや、メチルチオフェン、エ
チルチオフェン、n−ブチルチオフェン等のアルキルチ
オフェン等のモノマーを、方法a−1)に記載の周知の
酸化剤を用いて、化学酸化重合させて、導電性高分子を
得る。次に、該導電性高分子を、アンモニア、水酸化ナ
トリウム、アミン化合物等の溶液と接触させて、脱ドー
プさせて、所定の電気伝導度に制御された、溶媒可溶性
の脱ドープ導電性高分子を得る。ついで、該脱ドープ導
電性高分子を、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、NMP等の溶媒の少なくとも1種に溶解させた
溶液を調製する。
【0061】ついで、上記調製溶液中に、コンデンサ素
子を浸漬した後、乾燥することにより、予め所定の電気
伝導度範囲に制御された、溶媒可溶性の脱ドープ導電性
高分子膜を、誘電体皮膜2上に、直接形成させて、固体
電解質層3とする。
【0062】方法b−2) 誘電体皮膜2上に、予め所定の電気伝導度範囲に制御さ
れたイオン伝導性高分子膜を、直接形成させる方法
【0063】所定の電気伝導度範囲に制御された、ポリ
マーと電解質とからなるイオン伝導性高分子を、溶媒に
溶解させた溶液中に、コンデンサ素子を浸漬した後、乾
燥することにより、予め所定の電気伝導度範囲に制御さ
れたイオン伝導性高分子膜を、誘電体皮膜2上に、直接
形成させて、固体電解質層3とする。
【0064】上記ポリマーとしては、周知のポリマーが
用いられ、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロ
ピレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリ
ロニトリル、ポリアクリル酸オリゴエチレンオキサイ
ド、ポリメタクリル酸オリゴエチレンオキサイド、ポリ
アクリル酸オリゴプロピレンオキサイド、ポリメタクリ
ル酸オリゴプロピレンオキサイド、及びそれらの共重合
体等があげられる。
【0065】また、電解質としては、周知の電解質が用
いられ、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、ボロジサ
リチル酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸等のアニ
オンと、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ
金属カチオン、アンモニア、テトラメチルアンモニウ
ム、テトラエチルアンモニウム等の四級アンモニウムカ
チオンの各々少なくとも1種を組合わせたものがあげら
れる。
【0066】さらに、イオン伝導性高分子として、特開
平1−138364号公報に開示されている、ポリエチ
レングリコールと、トリエタノールアミンまたは1,
1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタンのいずれか
の三官能性ポリオールと、ポリイソシアネートとからな
る架橋重合体、並びにアルカリ金属塩を含有した高分子
固体電解質を用いることもできる。
【0067】以上の方法a−1)〜3)、または方法b
−1)、2)により、誘電体皮膜2上に、所定の電気伝
導度範囲に制御された固体電解質層3を形成させること
ができる。
【0068】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を、実施
例に基き、図面を参照して、説明する。なお、本発明
は、実施例により、なんら限定されない。実施例中、
「%」は「質量%」を表す。
【0069】実施例1 直流エッチドアルミ箔に、陽極リード端子を、カシメ付
けにより接続した後、アジピン酸アンモニウム10%水
溶液中で、化成して、表面に誘電体酸化皮膜2を形成し
た直流エッチドアルミ陽極箔1を準備した。
【0070】ピロールモノマー30%エタノール溶液中
に、上記直流エッチドアルミ陽極箔1を、浸漬した後、
酸化剤である過硫酸アンモニウム0.1mol/l水溶
液中に、浸漬、水洗する操作を、3回、繰返して、誘電
体皮膜2上に、化学酸化重合ポリピロールの導電性高分
子膜を形成させた後、酸化剤溶液である35%硝酸中
に、1分間、浸漬した後、洗浄、乾燥して、誘電体酸化
皮膜2上に固体電解質層3を形成させた。
【0071】次に、陰極リード端子を溶接させた対向ア
ルミ陰極箔6と、該陽極箔1との間に、セパレータ5と
して厚さ50μmのマニラ紙を挟み、円筒状に巻き取
り、コンデンサ素子を準備した。
【0072】その後、アルミ製コンデンサケースに、上
記コンデンサ素子と、駆動用電解液であるマレイン酸水
素アンモニウム20%−エチレングリコール80%溶液
(温度30℃での電気伝導度8.7×10−3S/c
m)を入れ、封口ゴムで封止した後、エージングを行っ
て、アルミ電解コンデンサ(定格電圧250V×定格静
電容量10μF)を完成した。
【0073】完成したコンデンサについて、120Hz
での静電容量(以下「C」と記す。)、100kHzで
のESRの初期値を測定した。また、10mAの定電流
を通電し、電圧を上昇させた時の最大電圧を、コンデン
サの耐電圧とする耐電圧測定試験を行った。結果を表2
に示す。
【0074】また、固体電解質層3の電気伝導度を測定
するため、ピロールモノマー30%エタノール溶液と、
過硫酸アンモニウム0.1mol/l水溶液とを混合さ
せて、化学酸化重合ポリピロールの粉末を得た。つい
で、該粉末を、35%硝酸中に、1分間、浸漬、乾燥し
た後、ペレット(直径13mmφ)を作製し、低抵抗率
計Loresta−GP(三菱化学(株)登録商標)を用
いて、該ペレットの電気伝導度を測定したところ、6.
4×10−7S/cmであった。結果を表1に示す。
【0075】比較例1 実施例1において、化学酸化重合ポリピロールの固体電
解質層を形成させない以外は、実施例1と同様にして、
アルミ電解コンデンサを完成した。
【0076】完成したコンデンサについて、実施例1と
同様にして、C、ESR及び耐電圧を測定した。結果を
表2に示す。
【0077】実施例2 実施例1と同様の直流エッチドアルミ陽極箔1を用い
て、実施例1に準じて、誘電体皮膜2上に、化学酸化重
合ポリピロールの導電性高分子膜を形成させた。
【0078】ついで、還元剤溶液である6%アンモニア
水中に、該コンデンサ素子を、1時間、浸漬した後、洗
浄、乾燥して、固体電解質層3を形成させた後、以下、
実施例1と同様にして、アルミ電解コンデンサ(定格電
圧250V×定格静電容量10μF)を完成した。
【0079】完成したコンデンサについて、実施例1と
同様にして、C、ESR及び耐電圧を測定した。結果を
表2に示す。
【0080】また、固体電解質層3の電気伝導度を測定
するため、実施例1と同様の化学酸化重合ポリピロール
の粉末を、6%アンモニア水中に、1時間、浸漬、乾燥
した後、ペレット(直径13mmφ)を作製し、実施例
1と同様にして、該ペレットの電気伝導度を測定したと
ころ、2.1×10−6S/cmであった。結果を表1
に示す。
【0081】実施例3 実施例1と同様の直流エッチドアルミ陽極箔1を用い
て、実施例1に準じて、誘電体酸化皮膜2上に、化学酸
化重合ポリピロールの導電性高分子膜を形成させた。
【0082】ついで、上記陽極箔1を、熱処理炉内に
て、温度200℃で、1時間、放置し、熱処理させて、
固体電解質層3を形成させた後、以下、実施例1と同様
にして、アルミ電解コンデンサ(定格電圧250V×定
格静電容量10μF)を完成した。
【0083】完成したコンデンサについて、実施例1と
同様にして、C、ESR及び耐電圧を測定した。結果を
表2に示す。
【0084】また、固体電解質層3の電気伝導度を測定
するため、実施例1と同様の化学酸化重合ポリピロール
の粉末を、温度200℃で、1時間、熱処理した後、ペ
レット(直径13mmφ)を作製し、実施例1と同様に
して、該ペレットの電気伝導度を測定したところ、4.
5×10−5S/cmであった。結果を表1に示す。
【0085】実施例4 交流エッチドアルミ箔に、陽極リード端子を、カシメ付
けにより接続した後、アジピン酸アンモニウム10%水
溶液中で、化成させて、表面に誘電体酸化皮膜2を形成
した交流エッチドアルミ陽極箔1を得た。
【0086】交流エッチドアルミ陽極箔1の誘電体酸化
皮膜2上に、実施例1と同様にして、化学酸化重合ポリ
ピロールの導電性高分子膜を形成させた。
【0087】ついで、ステンレス容器中、アジピン酸二
アンモニウム10%−アンモニア0.5%の水溶液中
に、上記陽極箔1を浸漬し、上記ポリピロール膜の一部
分に、金ワイヤーを接触させて、カソード分極し、ステ
ンレス容器を陽極として、最大電圧5V、電流密度10
mA/素子で、8分間、通電して、固体電解質層3を形
成させた後、以下、実施例1と同様にして、アルミ電解
コンデンサ(定格電圧100V×定格静電容量33μ
F)を完成した。
【0088】完成したコンデンサについて、実施例1と
同様にして、C、ESR及び耐電圧を測定した。結果を
表2に示す。
【0089】また、固体電解質層3の電気伝導度を測定
するため、実施例1と同様の化学酸化重合ポリピロール
の粉末を用いて、ペレット(直径13mmφ)を作製
し、実施例4と同一の条件で、カソード分極し、通電し
た後、実施例1と同様にして、該ペレットの電気伝導度
を測定したところ、7.6×10−5S/cmであっ
た。結果を表1に示す。
【0090】比較例2 実施例4において、固体電解質層3を形成させない以外
は、実施例4と同様にして、アルミ電解コンデンサを完
成した。
【0091】完成したコンデンサについて、実施例1と
同様にして、C、ESR及び耐電圧を測定した。結果を
表2に示す。
【0092】実施例5 300mlガラス容器中、温度5℃に冷却した、アニリ
ンモノマー4.7g及び濃硫酸9.8gを含む水溶液中
に、酸化剤である過硫酸アンモニウム11.4gを含む
水溶液を滴下して、生成した沈殿を、ろ別、乾燥して、
化学酸化重合ポリアニリンの粉末を得た。次に、該粉末
4gを、10%アンモニア水50ml中に入れ、撹拌、
混合した後、ろ別、乾燥して、溶媒可溶性の脱ドープポ
リアニリンの粉末を得た。ついで、該粉末を、NMP及
びブタノールの混合溶媒に溶解し、脱ドープポリアニリ
ン0.3%のNMP50%−ブタノール50%溶液を調
製した。
【0093】次に、上記調製溶液中に、実施例1と同様
の直流エッチドアルミ陽極箔1を、5分間、浸漬、乾燥
して、脱ドープポリアニリン膜を形成させて、誘電体皮
膜2上に、固体電解質層3を形成させた後、以下、実施
例1と同様にして、アルミ電解コンデンサを完成した。
【0094】完成したコンデンサについて、実施例1と
同様にして、C、ESR及び耐電圧を測定した。結果を
表2に示す。
【0095】また、固体電解質層3の電気伝導度を測定
するため、脱ドープポリアニリン0.3%のNMP50
%−ブタノール50%溶液中に、ガラス板を、浸漬、乾
燥して、脱ドープポリアニリン膜を形成した後、実施例
1と同様にして、該ペレットの電気伝導度を測定したと
ころ、1.1×10−6S/cmであった。結果を表1
に示す。
【0096】実施例6 特開2−138364号公報の実施例1に準じて、所定
量のポリエチレングリコール及びグリセリンを溶解させ
たメチルエチルケトン溶液と、所定量のコロネートL
(日本ポリウレタン(株)登録商標)とを混合させた後、
所定量の過塩素酸リチウムを溶解させた溶液を調製し
た。
【0097】上記溶液中に、実施例1と同様の直流エッ
チドアルミ陽極箔1を、浸漬、乾燥して、架橋重合させ
て、誘電体皮膜2上に、イオン伝導性高分子膜を形成さ
せて、固体電解質層3を形成させた後、以下、実施例1
と同様にして、アルミ電解コンデンサを完成した。
【0098】完成したコンデンサについて、実施例1と
同様にして、C、ESR及び耐電圧を測定した。結果を
表2に示す。
【0099】また、固体電解質層3の電気伝導度を測定
するため、上記調製溶液中に、ガラス板を、浸漬、乾燥
して、イオン伝導性高分子膜を形成した後、実施例1と
同様にして、該ペレットの電気伝導度を測定したとこ
ろ、2.7×10−7S/cmであった。結果を表1に
示す。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】直流エッチドアルミ陽極箔を用いたアルミ
電解コンデンサ(実施例1〜3、5、6及び比較例1)
において、誘電体皮膜2上に、表1に示す各々の電気伝
導度に制御された固体電解質層3を形成させた、実施例
1(導電性高分子膜形成後、酸化剤溶液を接触)、実施
例2(導電性高分子膜形成後、還元剤溶液を接触)、実
施例3(導電性高分子膜形成後、熱処理)、実施例5
(脱ドープ導電性高分子膜形成)及び実施例6(イオン
伝導性高分子膜形成)は、固体電解質層3を形成させな
い比較例1と比べ、表2に示すように、ESRの上昇が
十分抑制され、かつ高耐電圧であった。
【0103】また、交流エッチドアルミ陽極箔を用いた
コンデンサ(実施例4及び比較例2)においても、直流
エッチドアルミ陽極箔を用いたコンデンサの場合と同様
に、ESRの上昇が十分抑制され、かつ高耐電圧であっ
た。
【0104】
【発明の効果】エッチドアルミ陽極箔表面に形成した誘
電体皮膜上の固体電解質層の電気伝導度が、駆動用電解
液より低い電気伝導度である、10−3〜10−10
/cmの範囲に制御された、本発明のアルミ電解コンデ
ンサは、ESRの上昇を十分抑制した、高耐電圧のコン
デンサである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルミ電解コンデンサの構造を示す断
面模式図である。
【符号の説明】
1 エッチドアルミ陽極箔 2 誘電体皮膜 3 固体電解質層 4 駆動用電解液 5 セパレータ 6 対向アルミ陰極箔

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に誘電体皮膜を形成したエッチドア
    ルミ陽極箔と対向アルミ陰極箔とが、セパレータを介し
    て巻回されてなるアルミ電解コンデンサにおいて、該誘
    電体皮膜上に形成された固体電解質層の電気伝導度が、
    駆動用電解液より低い電気伝導度に制御されてなること
    を特徴とするアルミ電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 固体電解質層の電気伝導度が、10−3
    〜10−10S/cmであることを特徴とする請求項1
    に記載のアルミ電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 固体電解質層の電気伝導度が、10−4
    〜10−8S/cmであることを特徴とする請求項1に
    記載のアルミ電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 固体電解質層の厚さが、0.3nm〜1
    00nmであることを特徴とする請求項1から請求項3
    のいずれか1項に記載のアルミ電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 表面に誘電体皮膜を形成したエッチドア
    ルミ陽極箔と対向アルミ陰極箔とを、セパレータを介し
    て巻回させたアルミ電解コンデンサの製造方法におい
    て、該誘電体皮膜上に形成させた固体電解質層の電気伝
    導度を、駆動用電解液より低い電気伝導度に制御させる
    ことを特徴とするアルミ電解コンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 固体電解質層の電気伝導度が、誘電体皮
    膜上に、導電性高分子膜を形成させた後、酸化剤ないし
    は還元剤溶液と接触させることにより制御されることを
    特徴とする請求項5に記載のアルミ電解コンデンサの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 固体電解質層の電気伝導度が、誘電体皮
    膜上に、導電性高分子膜を形成させた後、熱処理させる
    ことにより制御されることを特徴とする請求項5に記載
    のアルミ電解コンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 固体電解質層の電気伝導度が、誘電体皮
    膜上に、導電性高分子膜を形成させた後、電解液中で、
    導電性高分子膜をカソード分極させることにより制御さ
    れることを特徴とする請求項5に記載のアルミ電解コン
    デンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 誘電体皮膜上に、溶媒可溶性の脱ドープ
    導電性高分子膜を、直接形成させて、固体電解質層とす
    ることを特徴とする請求項5に記載の固体電解コンデン
    サの製造方法。
  10. 【請求項10】 誘電体皮膜上に、イオン伝導性高分子
    を、直接形成させて、固体電解質層とすることを特徴と
    する請求項5に記載のアルミ電解コンデンサの製造方
    法。
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