JP2020088082A - 点火コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】内側端子部の変形を抑制することができる点火コイルを提供する。【解決手段】点火コイルは、一次コイル及び二次コイルとケース2と端子金具3とを備える。端子金具3は、端子金具3の一部がケース2の埋設壁22に埋設され、端子金具3の他の一部がケース2の内部領域21に配されている。端子金具3は、埋設壁22におけるケース2の内側の主面である埋設壁主面221よりもケース2の内側に形成されるとともに、少なくとも一部がケース2の内部領域21に配される内側端子部31を有する。内側端子部31は、埋設壁主面221からケース2の内側に向かって埋設壁主面221の法線方向Xに形成された端子第一部311と、端子第一部311からZ1側に向かって形成された端子第二部312とを有する。ケース2は、埋設壁主面221からX2側に突出するとともに、端子第一部311のZ2側の面である底面311aに対向する突出部23を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、点火コイルに関する。
特許文献1に記載の点火コイルは、一次コイル、二次コイル、イグナイタ等の点火コイルの構成部品を収容するケースを備える。ケースは、一次コイル及び二次コイルの巻回軸が延びるコイル軸方向に直交する高さ方向の一方側が開放されている。なお、特許文献1の説明において、高さ方向におけるケースの開放された側を上方、その反対側を下方といい、コイル軸方向の一方側を前方、その反対側を後方という。
ケースは、その主要部を構成するケース本体と、ケース本体の前方の壁部に係合する係合壁とを有する。係合壁には端子金具の一部が埋設されており、端子金具の他の一部は、係合壁からケースの内側に突出した内側端子部を構成している。
内側端子部は、金属板をその厚み方向に折り曲げた形状を有し、全体としてL字状を呈している。すなわち、内側端子部は、係合壁から後方に向かってコイル軸方向に形成された端子第一部と、端子第一部の後端から上方に向かって高さ方向に形成された端子第二部とを有する。端子第二部は、イグナイタ等の端子に溶接等により接続されている。
特開2017−45760号公報
しかしながら、特許文献1に記載の点火コイルにおいては、例えば端子第二部にイグナイタ等の電子部品を接続する際において、内側端子部に下向きの荷重が加わり、内側端子部が変形するおそれが考えられる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、内側端子部の変形を抑制することができる点火コイルを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、互いに磁気結合された一次コイル(11)及び二次コイル(12)と、
内部領域(21)に前記一次コイル及び前記二次コイルを収容するケース(2)と、
一部が前記ケースの埋設壁(22)に埋設され、他の一部が前記ケースの前記内部領域に配された端子金具(3)と、を備え、
前記端子金具は、前記埋設壁における前記ケースの内側の主面である埋設壁主面(221)よりも前記ケースの内側に形成されるとともに、少なくとも一部が前記ケースの前記内部領域に配される内側端子部(31)を有し、
前記内側端子部は、前記埋設壁主面から前記ケースの内側に向かって前記埋設壁主面の法線方向(X)に形成された端子第一部(311)と、前記端子第一部から前記埋設壁主面に沿った高さ方向(Z)の一方側である延設側(Z1)に向かって形成された端子第二部(312)とを有し、
前記ケースは、前記埋設壁主面から前記ケースの内側に突出するとともに、前記端子第一部における前記高さ方向の前記延設側の反対側(Z2)の底面(311a)に対向する突出部(23)を有する、点火コイル(1)にある。
前記態様の点火コイルにおいて、ケースは、埋設壁主面からケースの内側に突出するとともに、端子第一部の底面に対向する突出部を有する。それゆえ、内側端子部に高さ方向における延設側と反対側の荷重がかかった場合においても、突出部によって内側端子部の端子第一部の底面が支えられるため、内側端子部の変形が抑制される。
以上のごとく、前記態様によれば、内側端子部の変形を抑制することができる点火コイルを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、点火コイルの横方向に直交する断面図。 実施形態1における、コネクタ体、端子金具、イグナイタ、コンデンサ、及びダイオードの斜視図。 実施形態1における、点火コイルの突出部周辺の拡大断面図。 実施形態1における、点火コイルの突出部周辺の拡大図。 実施形態1の変形形態における、点火コイルの突出部周辺の拡大断面図。 実施形態1の変形形態における、点火コイルの突出部周辺の拡大図。 比較形態における、点火コイルの圧接端子周辺の拡大断面図であって、ダイオードを短尺端子に圧入する前の状態を示す図。 比較形態における、点火コイルの圧接端子周辺の拡大図であって、ダイオードを圧接端子に圧入し、内側端子部が変形した状態を示す図。 実施形態2における、点火コイルの突出部周辺の拡大断面図。 実施形態3における、点火コイルの突出部周辺の拡大図。 実施形態4における、点火コイルの突出部周辺の拡大断面図。 実施形態5における、点火コイルの突出部周辺の拡大図。 実施形態6における、点火コイルの特定突出部周辺の斜視図。 実施形態6における、ケースの特定突出部周辺の斜視図。 実施形態6における、点火コイルの特定突出部周辺の拡大図。 実施形態7における、点火コイルの連結突出部及び周辺の斜視図。 実施形態8における、点火コイルの突出部周辺の拡大図。 実施形態8における、点火コイルの突出部周辺の拡大断面図。 実施形態9における、点火コイルの横方向に直交する断面図。 実施形態9における、ケース及び端子金具における、内側端子部周辺の拡大図。
(実施形態1)
点火コイルの実施形態につき、図1〜図4を用いて説明する。
本実施形態の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル11及び二次コイル12と、ケース2と、端子金具3とを備える。一次コイル11及び二次コイル12は、互いに磁気的に結合している。ケース2は、内部領域21に一次コイル11及び二次コイル12を収容している。端子金具3は、端子金具3の一部がケース2の埋設壁22に埋設され、端子金具3の他の一部がケース2の内部領域21に配されている。
図1〜図3に示すごとく、端子金具3は、埋設壁22におけるケース2の内側の主面である埋設壁主面221よりもケース2の内側に形成されるとともに、少なくとも一部がケース2の内部領域21に配される内側端子部31を有する。
図3に示すごとく、内側端子部31は、端子第一部311と端子第二部312とを備える。端子第一部311は、埋設壁主面221からケース2の内側に向かって埋設壁主面221の法線方向Xに形成されている。端子第二部312は、端子第一部311から埋設壁主面221に沿った高さ方向Zの一方側である延設側Z1に向かって形成されている。
なお、本明細書において、埋設壁主面221の法線方向Xを、単に、法線方向Xという。また、法線方向Xの一方側であって埋設壁主面221が向く側をX2側、その反対側をX1側という。また、高さ方向Zの前記延設側Z1をZ1側といい、その反対側をZ2側という。また、法線方向Xと高さ方向Zとの双方に直交する方向を、横方向Yといい、横方向Yの一方側をY1側、その反対側をY2側という。
図3に示すごとく、ケース2は、埋設壁主面221からX2側に突出するとともに、端子第一部311のZ2側の面である底面311aに対向する突出部23を有する。
以後、本実施形態につき詳説する。
点火コイル1は、内燃機関用である。例えば、点火コイル1は、自動車、コージェネレーション等の内燃機関に設置されるスパークプラグ(図示略)に接続され、スパークプラグに高電圧を印加する手段として用いられる。
図1、図2に示すごとく、ケース2は、ケース本体20と、ケース本体20に取り付けられた埋設壁22とを有する。すなわち、ケース本体20と埋設壁22とは、互いに別体であり、ケース2は、ケース本体20と埋設壁22とを組み合わせることで構成される。
図1に示すごとく、ケース本体20は、Z1側に向かって開口した箱状に形成されている。ケース本体20は、高さ方向Zに直交する略矩形板状の底壁部201と、底壁部201の周縁からZ1側に立設した略矩形筒状の周壁部202とを有する。ケース本体20は、周壁部202のZ1側が開放されている。
図1、図2に示すごとく、周壁部202は、法線方向Xに互いに対向する周壁前方部202a及び周壁後方部202bと、横方向Yに互いに対向する一対の周壁側方部202cと、を有する。周壁前方部202aは、周壁後方部202bのX1側に配されている。ケース本体20は、周壁前方部202a、周壁後方部202b、2つの周壁側方部202c、及び埋設壁22の5つの壁部からなる。なお、前後の表現は便宜的なものであり、例えば車両に対する点火コイル1の取付姿勢を限定するものではない。
周壁前方部202aは、横方向Yの中央部をZ1側からZ2側に切り欠いたような形状の周壁凹部202dを備える。周壁凹部202dに、埋設壁22が係合している。
図2に示すごとく、埋設壁22は、法線方向Xに厚みを有する矩形板状に形成されている。埋設壁22は、埋設壁22の横方向Yの両端部及びZ2側端部に連続して形成された溝部223を有する。埋設壁22は、溝部223に周壁凹部202dを挿入させるよう周壁凹部202dに係合されている。
図1に示すごとく、埋設壁22は、後述のコネクタ4及び一次スプール5と一体的に成形されている。埋設壁22、コネクタ4、及び一次スプール5を一体に有する部材を、コネクタ体10と呼ぶ。コネクタ体10は、コネクタ体10を成形する成形型に、端子金具3、及び後述の中心コア181を設置したインサート成形により形成されている。
図1に示すごとく、コネクタ4は、埋設壁22のX1側の面からX1側に突出している。コネクタ4は、有底筒状を呈している。コネクタ4は、X1側に向かうにつれてZ1側に向かうよう形成されており、X1側とZ1側との間の斜め方向に開口している。コネクタ4の内側空間には、端子金具3の一部が突出している。コネクタ4には、点火コイル1外部の図示しない外部コネクタが接続される。外部コネクタは、点火コイル1の外部の制御装置等の機器に接続されたワイヤーハーネスの端部に設けられたコネクタである。
図1、図2に示すごとく、埋設壁22は、そのX2側の主面である埋設壁主面221よりもX1側に凹むよう形成された埋設壁凹部222を有する。図2に示すごとく、埋設壁凹部222は、埋設壁22の横方向Yの両端に形成された溝部223の横方向Yの間に配されている。また、埋設壁凹部222は、埋設壁22のZ1側の領域に形成されている。埋設壁凹部222は、埋設壁22のZ1側の端まで形成されており、Z1側が開放されている。図3に示すごとく、埋設壁凹部222のZ2側端部222aのX2側端部は、埋設壁主面221よりも若干X1側にオフセットした位置に形成されている。
図1、図2に示すごとく、埋設壁22におけるケース2の内側の主面である埋設壁主面221は、法線方向Xに直交する面である。埋設壁主面221は、突出部23を除く埋設壁22の、最もX2側に位置する面である。埋設壁主面221は、埋設壁22における埋設壁凹部222以外の部位に形成されている。
本明細書において、ある面の主面とは、その面が1つの面である場合はその1つの面を意味し、その面が複数の面で構成されている場合は、その複数の面のうち最も広い面積を有する面を意味する。
埋設壁22には、複数の端子金具3が埋設されている。複数の端子金具3の少なくとも1つの一部は、コネクタ4の内側の空間に露出している。コネクタ4の内側の空間には、3つの端子金具3の端子が露出している。コネクタ4内に露出する3つの端子は、コネクタ4に接続されるワイヤーハーネス等を介して接地される接地端子、外部電源と一次コイル11とを接続するための電源端子、及びイグナイタ6にスイッチング信号を伝送するための信号端子である。
図1〜図3に示すごとく、複数の端子金具3のそれぞれの一部は、ケース2内に露出している。端子金具3における、ケース2内に露出した複数の端子のうちの少なくとも一部は、内側端子部31である。図3に示すごとく、内側端子部31は、埋設壁主面221よりもX2側に位置する端子金具3の部位であり、前述の端子第一部311及び端子第二部312を備えた端子である。
図3に示すごとく、端子第一部311は、埋設壁主面221からX2側に向かって法線方向Xに形成されている。また、端子第二部312は、端子第一部311からZ1側に向かって高さ方向Zに形成されている。内側端子部31は、横方向Yから見た形状が、L字状を呈している。内側端子部31は、長尺板状の部材を、その厚み方向に折り曲げた形状を呈している。
端子第一部311と端子第二部312との境界部には、湾曲した屈曲部312aが形成されている。これは、内側端子部31を形成する際に端子金具3を構成する金属板材を折り曲げた際にできるものである。屈曲部312aは、端子第二部312の一部(すなわち端子第二部312のZ2側端部)である。
図2に示すごとく、本実施形態において、点火コイル1は、7つの内側端子部31を備える。7つの内側端子部31のうちの4つは長尺端子31aであり、残りの3つは短尺端子31bである。長尺端子31aは、短尺端子31bの端子第一部311よりも法線方向Xに長尺な端子第一部311を有する。これに伴い、長尺端子31aの端子第二部312は、短尺端子31bの端子第二部312よりもX2側に位置している。
短尺端子31bの端子第一部311は、長尺端子31aの端子第一部311よりも法線方向Xに短尺であるため、短尺端子31bは、長尺端子31aよりも強度が高くなっており、荷重がかかっても変形し難くなっている。横方向Yの一方側をY1側、他方側をY2側としたとき、7つの内側端子部31は、Y1側から順に、長尺端子31a、短尺端子31b、長尺端子31a、長尺端子31a、短尺端子31b、短尺端子31b、長尺端子31a、の順に配されている。
図1、図2に示すごとく、長尺端子31aには、端子第二部312に、後述のイグナイタ端子62が接続される。図3に示すごとく、長尺端子31aは、端子第二部312の中央部に、X2側に向けて突出するよう曲げられたプロジェクション部312bを有する。
長尺端子31aとイグナイタ端子62とを接続する際には、まず、長尺端子31aの端子第二部312のX2側にイグナイタ端子62を配置する。そして、端子第二部312とイグナイタ端子62とを法線方向Xに対向させるとともに、端子第二部312のプロジェクション部312bをイグナイタ端子62に押し付けつつ、長尺端子31a及びイグナイタ端子62を抵抗溶接する。これにより、プロジェクション部312bの周囲において、端子第二部312とイグナイタ端子62とが接合される。つまり、長尺端子31aは、いわゆる溶接端子である。
図2に示すごとく、短尺端子31bは、端子第二部312のZ1側の端からZ2側に切り欠かれたスリット部312cを有する。短尺端子31bのスリット部312cに、当該短尺端子31bに接続される端子が圧入されることで、短尺端子31bとこれに接続される端子とが接続される。つまり、短尺端子31bは、いわゆる圧接端子である。
図2に示すごとく、3つの短尺端子31bのうちのY1側端に配された短尺端子31bには、コンデンサ13の一方の端子が圧入され、3つの短尺端子31bのうちの中央に位置する短尺端子31bには、コンデンサ13の他端の端子が圧入されている。コンデンサ13の一方の端子は、接続される短尺端子31bを介してコネクタ4内の接地端子に接続され、コンデンサ13の他方の端子は、接続される短尺端子31bを介してコネクタ4の電源端子に接続される。
図2に示すごとく、3つの短尺端子31bのうちのY2側端に配された短尺端子31bには、ダイオード14の一方の端子が接続される。ダイオード14は、例えば、一次コイル11への通電時に、二次コイル12に発生する電圧を抑制するものである。ダイオード14の一端は、短尺端子31bを介してコネクタ4の内側の空間に配された電源端子又は接地端子に電気的に接続される。ダイオード14の他端は、二次コイル12の低圧側端部に接続される。
図2に示すごとく、コンデンサ13及びダイオード14のそれぞれにおける短尺端子31bに接続される部位は、法線方向Xにまっすぐ延びる線状を呈している。図1、図2から分かるように、コンデンサ13及びダイオード14は、ケース2の内部領域21内であって、コネクタ体10の一部を構成する連結部101のZ1側に配されている。連結部101は、埋設壁22と一次スプール5とをつなぐコネクタ体10の部位である。
図2〜図4に示すごとく、各内側端子部31の端子第一部311は、埋設壁主面221のZ1側端部から、埋設壁主面221のX2側に突出するよう形成されている。なお、図4に表れている内側端子部31は、断面ではないが、便宜上、内側端子部31にハッチングを施している。
本実施形態においては、4つの長尺端子31aの底面311aのそれぞれに対向するよう、ケース2に4つの突出部23が形成されている。すなわち、突出部23は、複数の内側端子部31のうち、端子第一部311の法線方向Xの長さが長い側の内側端子部31である長尺端子31aの底面311aに対向するよう形成されている。一方、突出部23は、短尺端子31bの底面311aには対向していない。本実施形態においては、4つの突出部23は、いずれも同様の構造を有しており、以後において突出部23を説明するときは、特に断らない限りは1つの突出部23及びこれに対向する底面311aを有する内側端子部31について説明する。
図2、図3に示すごとく、ケース2において、突出部23は、埋設壁主面221からX2側に突出するよう形成されている。突出部23は、コネクタ体10を成形する際に、同時に成形される。すなわち、コネクタ体10は、突出部23を一体的に備える。
図2、図3に示すごとく、突出部23は、端子第一部311の底面311aの少なくともX2側の端部に対向するよう形成されている。本実施形態において、突出部23は、全体が長尺端子31aの底面311aと高さ方向Zに対向している。なお、公差等により、突出部23の一部が長尺端子31aの底面311aと高さ方向Zに対向しない位置に配されていても、突出部23の略全体が長尺端子31aの底面311aと高さ方向Zに重なっていれば、突出部23は、全体が長尺端子31aの底面311aと高さ方向Zに重なる位置に形成されている、という。
また、突出部23が端子第一部311の底面311aに対向する、とは、突出部23が端子第一部311の底面311aに密着している場合や、突出部23と端子第一部311の底面311aとが、微小間隔をあけて対向している場合の双方を含む。微小間隔とは、内側端子部31にZ2側の荷重が加わり、内側端子部31が撓もうとした際に、内側端子部31の端子第一部311の底面311aが突出部23と当接し得る程度に小さい、突出部23と端子第一部311の底面311aとの間の間隔である。
図3に示すごとく、突出部23は、端子第一部311よりもX2側まで形成されている。本実施形態においては、突出部23のX2側の端部は、プロジェクション部312bを除く端子第二部312のX2側の面の位置まで形成されている。
図3に示すごとく、突出部23のX2側の端部のZ1側の面は、端子第二部312の屈曲部312aのZ2側の面に沿うよう曲面状に形成されている。突出部23のZ1側の面の略全体は、端子第一部311の底面311aに対向している。
図4に示すごとく、突出部23の横方向Yの幅は、端子第一部311の底面311aの横方向Yの幅と同等である。また、図3に示すごとく、高さ方向Zにおける突出部23の厚みは、高さ方向Zの端子第一部311の厚みよりも厚い。図2に示すごとく、突出部23は、後述するイグナイタ本体61よりも高さ方向ZのZ1側に配されている。
図1、図2に示すごとく、コネクタ体10における埋設壁22と一次スプール5とをつなぐ連結部101は、埋設壁主面221の横方向Yの両端部のそれぞれからX2側に法線方向Xにまっすぐ形成された一対の延設部101aを有する。一対の延設部101aは、7つの内側端子部31における横方向Yの両外側に形成されている。なお、図1においては、延設部101aの概略の外形を破線で表している。
図2に示すごとく、各延設部101aからは、結線端子32が突出している。各結線端子32は、各延設部101aから、横方向Yにおける一対の延設部101aの互いに離れる側に向かって突出している。図示は省略するが、一方の結線端子32には、一次コイル11の一端部が接続されており、他方の結線端子32には、一次コイル11の他端部が接続されている。
一対の結線端子32のうちのY1側の結線端子32は、延設部101a及び埋設壁22の内側を通って7つの内側端子部31のうちのY1側端部の内側端子部31に接続されている。そして、7つの内側端子部31のうちのY1側端部の内側端子部31及びY1側の結線端子32を有する端子金具3は、コネクタ4の内側空間には露出していない。7つの内側端子部31のうちのY1側端部の内側端子部31以外の6つの内側端子部31は、埋設壁22の内側を通ってコネクタ4の内側空間に配された端子(すなわち、接地端子、電源端子、又は信号端子)のいずれかに導通している。Y2側の結線端子32は、Y2側の延設部101a及び埋設壁22の内側を通ってコネクタ4の内側空間に形成された接地端子に導通している。
図1に示すごとく、一次スプール5は、法線方向Xの両側が開放された筒状を呈しており、外周面に一次コイル11が巻回されている。一次スプール5の外周側には、二次コイル12を巻回する二次スプール120が配されている。
図1に示すごとく、二次スプール120は、コネクタ体10とは別体に構成されている。二次スプール120は、法線方向Xの両側が開放された筒状を呈している。二次スプール120の内側にコネクタ体10の一次スプール5が挿入されている。二次スプール120の外周部に、二次コイル12が巻回されている。二次コイル12の低圧側は、ダイオード14の一端に接続されており、二次コイル12の高圧側は、二次スプール120に嵌合された接続端子15を介して後述の高圧端子16に接続されている。
図1に示すごとく、高圧端子16は、高圧タワー25のZ1側の端部に嵌合されている。高圧タワー25は、ケース本体20の底壁部201からZ2側に向かって突出している。高圧タワー25の高さ方向Zの両側は開放されている。高圧タワー25のZ1側の開口を覆うように高圧端子16が嵌合される。
図1に示すごとく、高圧端子16は、点火コイル1から高電圧を出力するための出力端子としての役割を有する。また、高圧端子16は、ケース2内に充填される熱硬化性の充填樹脂17が高圧タワー25からケース2の外部に漏れ出ることを防ぐ栓としての役割も有する。高圧タワー25内には、点火コイル1に接続されるスパークプラグからのノイズ電流を抑制するためのレジスタが配されていてもよい。
図1に示すごとく、一次スプール5の内側には、中心コア181が埋設されている。コネクタ体10の成形型の内側に中心コア181を設置したインサート成形によりコネクタ体10を成形することにより、一次スプール5の内側に中心コア181が埋設される。
図1に示すごとく、中心コア181の周囲には、外周コア182が配されている。外周コア182は、中心コア181を、法線方向Xの両側及び横方向Yの両側から囲む矩形環状に形成されている。中心コア181及び外周コア182は、一次コイル11への通電及び通電の遮断によって生じる磁束の磁路を構成するとともに、軟磁性材料からなる。
図1に示すごとく、中心コア181のX1側の面と外周コア182との間には、磁石体19が配されている。磁石体19は、一次コイル11の出力電圧の向上のため、中心コア181に磁気バイアスを掛け、一次コイル11への通電の遮断時の磁束の変化量を大きくして二次コイル12に誘起される電圧を高めている。
図1、図2に示すごとく、外周コア182のX1側に、イグナイタ6が配されている。イグナイタ6は、一次コイル11への通電及び通電の遮断を行う。イグナイタ6は、スイッチング素子を樹脂モールドしてなるイグナイタ本体61と、イグナイタ本体61からZ1側に突出する4つのイグナイタ端子62とを有する。この4つのイグナイタ端子62のそれぞれが、互いに別の長尺端子31aに接続されている。
図1に示すごとく、ケース2の内部領域21には、内部領域21に配された点火コイル1の構成部品を封止する充填樹脂17が充填されている。充填樹脂17は、例えばエポキシ樹脂からなる。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
本実施形態の点火コイル1において、ケース2は、埋設壁主面221からX2側に突出するとともに、端子第一部311の底面311aに対向する突出部23を有する。それゆえ、内側端子部31に高さ方向ZのZ2側の荷重がかかった場合においても、突出部23によって内側端子部31の端子第一部311の底面311aが支えられるため、内側端子部31の変形が抑制される。
また、本実施形態において、突出部23は、ケース2の埋設壁主面221の一部からX2側に形成されている。そのため、ケース2の埋設壁22に突出部23を形成することによってケース2の内部領域21が狭まることを抑制しやすい。
また、本実施形態において、内側端子部31を構成する溶接端子の底面311aに対向するよう突出部23が配されている。溶接端子、及びこれに接続されるイグナイタ端子62は、溶接端子の端子第二部312とイグナイタ端子62を重ね合わせるよう固定し、抵抗溶接される。そのため、例えば溶接端子の端子第二部312とイグナイタ端子62とを重ね合わせる際やこれらを固定する際等において、端子第二部312から溶接端子にZ2側の力が加わるおそれがある。そこで、本実施形態においては、溶接端子の底面311aに対向するよう突出部23が形成されているため、例えば溶接端子とイグナイタ端子62とを抵抗溶接する際においても、溶接端子が変形することを抑制することができる。
また、突出部23は、端子第一部311の底面311aの少なくともX2側の端部に対向するように形成されている。このように、突出部23は、端子第一部311の底面311aにおける埋設壁主面221から遠い側の端部に少なくとも対向することにより、端子第一部311の変形を一層抑制しやすい。
また、突出部23は、長尺端子31aの底面311aに対向するよう形成されており、短尺端子31bの底面311aには対向していない。すなわち、端子第一部311が長く、変形が懸念されやすい長尺端子31aの底面311aに突出部23を対向させ、短尺端子31bの底面311aには突出部23を対向させていない。これにより、長尺端子31aの変形を抑制しながら突出部23の数を減らすことができ、突出部23を一体に備えた部材(本実施形態においてはコネクタ体10)を成形するための成形型を簡素にすることができる。
以上のごとく、本実施形態によれば、内側端子部の変形を抑制することができる点火コイルを提供することができる。
なお、本実施形態において、溶接端子の底面311aに対向するよう突出部23を形成したが、図5、図6に示すごとく、圧接端子の底面311aに対向するよう突出部23を形成することも可能である。
圧接端子には、そのスリット部312cのZ1側からダイオード14等の端子がスリット部312cに圧入される。それゆえ、図7、図8に示すごとく、突出部がない場合、圧接端子のスリット部312cに対するダイオード14等の端子の圧入時に、圧接端子にZ2側の力が加わり、図8に示すごとく圧接端子がZ2側に変形することが懸念される。
そこで、図5、図6に示すごとく、圧接端子の底面311aに対向するよう突出部23を形成すれば、例えば圧接端子のスリット部312cにコンデンサ13、ダイオード14の端子を圧入する際においても、圧接端子が変形することを抑制することができる。それゆえ、圧接端子の端子第一部311を比較的長くしても圧接端子の変形を抑制できる。
(実施形態2)
図9に示すごとく、本実施形態は、実施形態1に対し、突出部23の法線方向Xの長さを変更した実施形態である。
本実施形態において、突出部23のX2側の端部の位置は、端子第二部312よりもX1側に位置している。換言すると、突出部23は、端子第一部311のX2側端部よりもX2側には突出していない。本実施形態において、突出部23のX2側の端部の位置は、端子第一部311のX2側の端部の位置(すなわち端子第二部312の屈曲部312aのX1側の端部の位置)よりも若干X1側の位置に形成されている。本実施形態の点火コイル1は、本実施形態で説明した突出部23を少なくとも1つ有する。
その他は、実施形態1と同様である。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本実施形態においては、突出部23は、端子第一部311よりもX2側には突出していない。それゆえ、突出部23の突出方向(すなわち法線方向X)の長さを短くできる。これにより、突出部23の強度を確保しやすい。また、コネクタ体10に突出部23を一体成形する際、ショートショットにより突出部23がうまく形成されないことを防止しやすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本実施形態は、図10に示すごとく、実施形態2に対し、突出部23の横方向Yの寸法を変更した実施形態である。
本実施形態において、突出部23は、法線方向Xに直交する断面形状がU字状を呈している。すなわち、突出部23は、法線方向Xに直交する断面形状において、横方向Yにまっすぐ形成された突出横部231と、横方向Yにおける突出横部231の両端からZ1側に形成された一対の突出縦部232とを有する。
突出横部231のZ1側の面に内側端子部31の底面311aが高さ方向Zに対向している。横方向Yにおける突出横部231の両端部は、端子第一部311から横方向Yの両側に突出している。
一対の突出縦部232のうちのY1側の突出縦部232は、端子第一部311のY1側の端面に密着しており、一対の突出縦部232のうちのY2側の突出縦部232は、端子第一部311のY2側の端面に密着している。突出縦部232のZ1側の面は、端子第一部311のZ1側の面と面一に形成されている。本実施形態の点火コイル1は、本実施形態で説明した突出部23を少なくとも1つ有する。
その他は、実施形態2と同様である。
本実施形態において、突出部23の一部は、端子第一部311の横方向Yの両端面にも対向している。これにより、内側端子部31に荷重がかかり、内側端子部31が横方向Yに変形したりねじれたりすることを抑制することができる。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
(実施形態4)
本実施形態は、図11に示すごとく、突出部23のZ2側の面を、傾斜面236とした実施形態である。傾斜面236は、X2側へ向かうほどZ1側へ向かうよう傾斜した面である。
傾斜面236は、突出部23のZ1側の面とつながっており、傾斜面236と突出部23のZ1側の面との間は角状に形成されている。突出部23は、X1側へ向かうほど高さ方向Zの厚みが大きくなるよう形成されている。本実施形態の点火コイル1は、本実施形態で説明した突出部23を少なくとも1つ有する。
その他は、実施形態2と同様である。
本実施形態において、突出部23は、X1側へ向かうほど高さ方向Zの厚みが大きくなるよう形成されている。それゆえ、突出部23の根元、すなわち突出部23のX1側の端部においては、埋設壁主面221との接続面積を確保して突出部23の強度を向上させつつ、X2側においては厚みを小さくすることで、突出部23を形成するための樹脂の量を減らすことができる。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
(実施形態5)
本実施形態は、図12に示すごとく、実施形態2に対して、突出部23の形状を変更した実施形態である。
本実施形態において、突出部23は、複数の内側端子部31の端子第一部311の底面311aに跨って形成されている。本実施形態において、突出部23は、高さ方向Zに厚みを有するとともに、法線方向X及び横方向Yに延在する辺を有する矩形板状に形成されている。本実施形態において、突出部23は、横方向Yに隣接する2つの内側端子部31の双方の底面311aに対向するよう形成されている。
横方向Yにおいて、突出部23は、横方向Yに隣接する2つの内側端子部31のうちのY1側の内側端子部31の端子第一部311のY1側端部から、Y2側の内側端子部31の端子第一部311のY2側端部の位置までの領域に形成されている。本実施形態の点火コイル1は、本実施形態で説明した突出部23を少なくとも1つ有する。
その他は、実施形態2と同様である。
本実施形態において、突出部23は、複数の内側端子部31の底面311aに跨って形成されている。それゆえ、本実施形態においては、1つの突出部23を、複数の内側端子部31の底面311aに対向させることができる。これにより、突出部23の数を減らしやすく、突出部23を一体に備えた部材(本実施形態においてはコネクタ体10)を成形するための成形型を簡素にすることができる。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
(実施形態6)
本実施形態は、図13〜図15に示すごとく、少なくとも1つの突出部23が、後述の特定突出部233である実施形態である。
図14に示すごとく、特定突出部233は、突出第一部233aと突出第二部233bとを有する。突出第一部233aは、埋設壁主面221からX2側に向かって法線方向Xに形成されている。図13に示すごとく、突出第一部233aは、端子第一部311に対して横方向Yにずれた位置に配されている。すなわち、突出第一部233aは、端子第一部311の底面311aに対向していない。
図13〜図15に示すごとく、突出第二部233bは、突出第一部233aから横方向Yに形成されている。突出第二部233bの少なくとも一部は、端子第一部311の底面311aに高さ方向Zに対向している。また、法線方向Xにおける突出第二部233bと埋設壁主面221との間には間隔234が形成されている。
図13に示すごとく、本実施形態において、少なくとも1つの特定突出部233は、突出第一部233aが、横方向Yにおいて、隣り合う2つの端子第一部311の間の位置に配されている。なお、本実施形態において、特定突出部233は、1つ形成されており、その突出第一部233aは、4つの長尺端子31aのうちの横方向Yの中央に配された2つの長尺端子31a(本実施形態においては、この2つの長尺端子31aを併せて隣接端子対310ということもある。)の端子第一部311の横方向Yの間に配されている。端子第一部311は、埋設壁主面221から、隣接端子対310の各端子第一部311の法線方向Xの略中央位置まで形成されている。
図14に示すごとく、突出第二部233bは、突出第一部233aのX2側の端部から横方向Yの両側に形成されている。図13、図15に示すごとく、一対の突出第二部233bのうち、Y1側の突出第二部233bは、隣接端子対310のY1側の長尺端子31aの端子第一部311の底面311aに対向しており、一対の突出第二部233bのうち、Y2側の突出第二部233bは、隣接端子対310のY2側の長尺端子31aの端子第一部311の底面311aに対向している。すなわち、特定突出部233は、2つの内側端子部31の端子第一部311の底面311aに跨って形成されている。
図14に示すごとく、特定突出部233は、高さ方向Zから見た形状が、T字状を呈している。図15に示すごとく、特定突出部233の突出第一部233aのZ2側の面233c及び突出第二部233bのZ2側の面233dは、面一に形成されている。一方、図14、図15に示すごとく、突出第一部233aのZ1側の面233eは、突出第二部233bのZ1側の面233fよりもZ1側に位置している。突出第一部233aのZ1側の面233eは、隣接端子対310のそれぞれの端子第一部311のZ1側の面311bと面一に形成されている。各突出第二部233bのZ1側の面233fは、隣接端子対310の底面311aに対向している。
図13、図15に示すごとく、各突出第二部233bの高さ方向Zの長さは、各突出第二部233bに対向する端子第一部311の横方向Yの幅よりも長い。一対の突出第二部233bの横方向Yの外側の端部は、法線方向Xの両側の角が曲面状(すなわちR状)に形成されている。一対の突出第二部233bのZ1側の面233fは、互いに高さ方向Zに直交する同一面状に形成されている。図15に示すごとく、本実施形態において、特定突出部233は、横方向Yにおいて、隣接端子対310よりも横方向Yの両外側に突出しないよう形成されている。
その他は、実施形態2と同様である。
本実施形態において、少なくとも1つの突出部23は、埋設壁主面221からX2側に向かって法線方向Xに形成された突出第一部233aと、突出第一部233aから横方向Yに形成された突出第二部233bと、を有する特定突出部233である。特定突出部233の突出第一部233aは、端子第一部311に対して横方向Yにずれた位置に配されている。そして、突出第二部233bは、底面311aに対向するとともに、法線方向Xにおける埋設壁主面221との間に間隔234が形成されている。これにより、特定突出部233と内側端子部31との密着面積を減らしつつ、特定突出部233と内側端子部31の端子第一部311の底面311aとを対向させることができる。それゆえ、例えば特定突出部233及び埋設壁22に成形収縮が生じ、これらが変形した場合であっても、内側端子部31は、特定突出部233からはがれやすく、特定突出部233及び埋設壁22の変形に追従するよう変形してしまうことを抑制することができる。
また、少なくとも1つの特定突出部233は、突出第一部233aが、横方向Yにおいて、隣り合う2つの端子第一部311の間の位置に配されている。また、突出第二部233bは、突出第一部233aから横方向Yの両側に形成されており、一方の突出第二部233bが、隣接端子対310のうちの一方の底面311aに対向しており、他方の突出第二部233bが、隣接端子対310のうちの他方の底面311aに対向している。それゆえ、前述のごとく、特定突出部233及び埋設壁22に成形収縮が生じた場合でも、隣接端子対310と特定突出部233とがはがれやすく、隣接端子対310の変形を抑制できる。さらに、1つの特定突出部233を、隣接端子対310のそれぞれの底面311aに対向させることができるため、特定突出部233を一体に備えた部材(本実施形態においてはコネクタ体10)を成形するための成形型を簡素にしやすい。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
(実施形態7)
本実施形態は、図16に示すごとく、少なくとも1つの突出部23が、埋設壁22と連結部101の延設部101aとの双方に接続された連結突出部235である実施形態である。本実施形態においては、一対の延設部101aのそれぞれと埋設壁22との接続された2つの連結突出部235を備える。
2つの連結突出部235は、4つの長尺端子31aのうちの横方向Yの両端に配された長尺端子31aの底面311aのそれぞれに対向するよう形成されている。図16においては、Y1側の連結突出部235を表しているが、Y2側の連結突出部235についても、Y1側の連結突出部235に対して横方向Yに略対称な構造を有する。
Y1側の連結突出部235は、埋設壁主面221からX2側に延設されている共に、Y1側の延設部101aのY2側の面からY2側に延設するよう形成されている。また、Y2側の連結突出部235は、埋設壁主面221からX2側に延設されている共に、Y2側の延設部101aのY1側の面からY1側に延設するよう形成されている。連結突出部235は、延設部101aから、結線端子32が突出した側と反対側に延設されている。
各連結突出部235のX1側の端部は、全体が埋設壁22に接続されている。Y1側の連結突出部235のY1側端部は、全体が延設部101aに接続されている。Y2側の連結突出部235のY2側端部は、全体が延設部101aに接続されている。
4つの長尺端子31aのうちのY1側端部の長尺端子31aの端子第一部311のY2側端縁の位置は、Y1側の連結突出部235のY2側端縁の位置と一致している。同様に、4つの長尺端子31aのうちのY2側端部の長尺端子31aの端子第一部311のY1側端縁の位置は、Y2側の連結突出部235のY1側端縁の位置と一致している。
各連結突出部235のX2側端部の位置は、それらが対向する底面311aを有する長尺端子31aの端子第二部312よりもX1側に位置している。各連結突出部235の厚みは、それぞれが対向する長尺端子31aの厚みよりも大きい。そして、本実施形態において、4つの長尺端子31aのうちの中央の2つの長尺端子31aのZ2側には、実施形態6で示した特定突出部(図13〜図15の符号233参照)が配されている。
その他は、実施形態2と同様である。
本実施形態において、連結突出部235は、埋設壁22と連結部101との双方につながるよう形成されている。それゆえ、連結突出部235の強度を確保しやすい。その結果、連結突出部235の変形等を防止でき、内側端子部31の変形を確実に防止しやすい。
その他、実施形態2、実施形態6と同様の作用効果を有する。
(実施形態8)
本実施形態は、図17、図18に示すごとく、突出部23が、内側端子部31の端子第一部311の全体を埋設している実施形態である。内側端子部31の端子第二部312は、突出部23のX2側の端部からZ1側に突出している。本実施形態の点火コイル1は、本実施形態で説明した突出部23を少なくとも1つ有する。
その他は、実施形態1と同様である。
本実施形態において、突出部23は、少なくとも端子第一部311の全体を埋設しているため、端子第一部311におけるあらゆる方向の変形を抑制できる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態9)
図19、図20に示すごとく、本実施形態は、実施形態2に対し、ケース本体20の構成、及び突出部23の高さ方向Zの長さを変更した実施形態である。
図19に示すごとく、本実施形態において、ケース本体20と埋設壁22とは一体に形成されている。そして、ケース本体20のX1側の壁部が、埋設壁22を構成しており、この埋設壁22のX1側の主面が埋設壁主面221を構成している。
図20に示すごとく、突出部23は、内側端子部31の端子第一部311の底面311aからケース本体20の底壁部201までにわたって形成されている。そして、突出部23のZ2側の端部は、ケース本体20の底壁部201に接続されている。
また、図19に示すごとく、突出部23のX2側の面は、イグナイタ本体61のX1側の面に当接している。
その他は、実施形態2と同様である。
本実施形態において、突出部23は、内側端子部31の端子第一部311の底面311aからケース本体20の底壁部201までにわたって形成されている。それゆえ、突出部23の強度を向上させることができる。
また、突出部23のX2側の面は、イグナイタ本体61のX1側の面に当接している。それゆえ、突出部23を、イグナイタ6をケース2内に配置する際のケース2に対するイグナイタ6の位置決めとして用いることができる。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 点火コイル
2 ケース
22 埋設壁
221 埋設壁主面
23 突出部
3 端子金具
31 内側端子部
311 端子第一部
311a (端子第一部の)底面
312 端子第二部

Claims (7)

  1. 互いに磁気結合された一次コイル(11)及び二次コイル(12)と、
    内部領域(21)に前記一次コイル及び前記二次コイルを収容するケース(2)と、
    一部が前記ケースの埋設壁(22)に埋設され、他の一部が前記ケースの前記内部領域に配された端子金具(3)と、を備え、
    前記端子金具は、前記埋設壁における前記ケースの内側の主面である埋設壁主面(221)よりも前記ケースの内側に形成されるとともに、少なくとも一部が前記ケースの前記内部領域に配される内側端子部(31)を有し、
    前記内側端子部は、前記埋設壁主面から前記ケースの内側に向かって前記埋設壁主面の法線方向(X)に形成された端子第一部(311)と、前記端子第一部から前記埋設壁主面に沿った高さ方向(Z)の一方側である延設側(Z1)に向かって形成された端子第二部(312)とを有し、
    前記ケースは、前記埋設壁主面から前記ケースの内側に突出するとともに、前記端子第一部における前記高さ方向の前記延設側の反対側(Z2)の底面(311a)に対向する突出部(23)を有する、点火コイル(1)。
  2. 前記点火コイルは、複数の前記内側端子部を備え、少なくとも1つの前記突出部は、複数の前記内側端子部の前記端子第一部の前記底面に跨って形成されている、請求項1に記載の点火コイル。
  3. 少なくとも1つの前記突出部は、前記埋設壁主面から前記ケースの内側に向かって前記法線方向に形成された突出第一部(233a)と、前記突出第一部から前記法線方向及び前記高さ方向の双方に直交する横方向(Y)に形成された突出第二部(233b)と、を有する特定突出部(233)であり、前記特定突出部の前記突出第一部は、前記端子第一部に対して前記横方向にずれた位置に配されており、前記突出第二部は、前記底面に対向するとともに、前記法線方向における前記埋設壁主面との間に間隔(234)が形成されている、請求項1又は2に記載の点火コイル。
  4. 前記点火コイルは、複数の前記内側端子部を備え、少なくとも1つの前記特定突出部は、前記突出第一部が、前記横方向において、隣り合う2つの前記端子第一部の間の位置に配されており、前記突出第二部が、前記突出第一部から前記横方向の両側に形成されており、一方の前記突出第二部が、隣り合う2つの前記端子第一部のうちの一方の前記底面に対向しており、他方の前記突出第二部が、隣り合う2つの前記端子第一部のうちの他方の前記底面に対向している、請求項3に記載の点火コイル。
  5. 前記一次コイルが巻回される一次スプール(5)をさらに備え、前記埋設壁は、連結部(101)を介して前記一次スプールと一体的に形成されており、少なくとも1つの前記突出部は、前記埋設壁と前記連結部との双方につながるよう形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の点火コイル。
  6. 少なくとも1つの前記突出部は、前記法線方向における突出側(X2)の端部の位置が、前記内側端子部の前記端子第二部よりも前記法線方向における前記突出側の反対側(X1)に位置している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の点火コイル。
  7. 前記点火コイルは、複数の前記内側端子部を備え、複数の前記内側端子部は、短尺端子(31b)と、前記短尺端子の前記端子第一部よりも前記法線方向に長尺な前記端子第一部を有する長尺端子(31a)と、を備え、前記突出部は、前記長尺端子の前記底面に対向するよう形成されており、前記短尺端子の前記底面には対向していない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の点火コイル。
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