以下、添付図面を参照して、本発明に係る情報処理装置及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、店舗システム1の構成の一例を示す図である。店舗システム1は、会員として登録した顧客に対して固有の会員番号を発行し、この会員番号を所有する顧客の取引内容に応じてサーボスポイント(以下、単にポイントと表記)を付与するようにした、サービス制度を実施する店舗で利用されるものである。
図1に示すように、店舗システム1は、複数台のPOS(Point Of Sales:販売時点管理)端末2と、ストアコンピュータ3とを有する。これらPOS端末2及びストアコンピュータ3は、LAN(Local Area Network)等のネットワークN1を介して通信可能に接続される。
POS端末2は、精算場所に配設されてキャッシャが売上処理を行うための端末であり、図2に示すような構成とされている。ここで、図2は、POS端末2の外観構成の一例を示す斜視図である。POS端末2には、本体201の上面側にキーボード202が設けられており、本体201の下部側にドロワ203が引出自在に設けられており、本体201の奥側に表示器204が設けられている。さらに、POS端末2には、磁気カードである会員カードの挿入を受け付けてその会員カードとの間でデータの授受を行うカードリーダ/ライタ205、商品に付された商品コード等を光学的に読み取るためのコードスキャナ206等が接続されている。
このようなPOS端末2の電装系は図3に示すように構成されている。図3は、POS端末2の電装系の構成の一例を示す図である。POS端末2は、CPU(Central Processing Unit)、当該CPUとの協働により後述する売上処理等を実行するための各種制御プラグラムを格納するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成されるコンピュータ構成の制御部21を備える。また、POS端末2は、バス22を介して接続された通信インタフェース23から、ネットワークN1を介してストアコンピュータ3との間で相互にオンライン通信を実行し得るように構成されている。
制御部21には、バス22及びI/O機器制御部24を介して、前述したキーボード202、表示器204、カードリーダ/ライタ205、コードスキャナ206が接続されている。また、制御部21には、レシート/ジャーナルプリンタであるプリンタ25が接続されている。このプリンタ25は、制御部21の制御の下、POS端末2で行われた取引(売上処理等)の内容をレシート用紙及びジャーナル用紙に印刷するプリンタであって、本体201の内部又は本体201の外部に設けられている。
次に、ストアコンピュータ3について説明する。ストアコンピュータ3は、情報処理装置の一例である。ストアコンピュータ3は、店舗システム1全体の制御を受け持ち、その電装系は、例えば図4に示すような構成とされている。図4は、ストアコンピュータ3の電装系の構成の一例を示す図である。ストアコンピュータ3は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部31を備える。また、ストアコンピュータ3は、バス32を介して接続された通信インタフェース33から、ネットワークN1を介してPOS端末2との間で相互にオンライン通信を実行し得るように構成されている。
また、制御部31には、バス32及びI/O機器制御部34を介して、キーボード35、表示器36、プリンタ37及びハードディスクドライブ装置(以下、HDDという)38が接続されている。
HDD38には、制御部31のCPUを動作させる各種制御プログラムの他、商品マスタファイルF1、店舗売上ファイルF2、ランク設定ファイルF3及び会員管理ファイルF4等が格納されている。商品マスタファイルF1は、商品コードに対応付けて商品名や単価等の商品情報を記憶するファイルである。
店舗売上ファイルF2は、記憶手段の一例である。店舗売上ファイルF2は、各POS端末2から送信される取引データを記憶するファイルである。ここで、取引データは、顧客が行った取引の内訳を示す取引情報の一例である。店舗売上ファイルF2は、POS端末2の各々で行われた取引を識別する取引番号と対応付けて、その取引の内訳を示す取引データを記憶する。取引データには、例えば、顧客が購入した各商品の商品コード、単価、数量及び合計金額(支払金額)の他、取引が行われた日時等の商品の売上に関する売上情報が含まれる。また、例えば、取引時に会員番号の読み取りが行われた場合には、その会員番号とともに取引時に付与されたポイント数が取引データに記録される。また、例えば、取引時にポイントが使用された場合には、会員番号とともに使用されたポイント数が取引データに記録される。
なお、本実施形態では、売上情報と、付与又は利用されたポイント数を示すポイント情報とをまとめた状態で管理する形態としたが、これに限らず、商品情報とポイント情報とを分離した状態で管理するようにしてもよい。この場合、例えば、売上情報及びポイント情報の両方に、取引番号や会員番号、取引日時等の共通の情報を含めてもよい。また、例えば、売上情報及びポイント情報は、共通する取引番号に関連付けて管理するようしてもよい。
ランク設定ファイルF3は、複数段階に区分されたランクに対応付けて、当該ランクの設定に係る情報を記憶するファイルである。図5は、ランク設定ファイルF3のデータ構成の一例を示す図である。図5に示すように、ランク設定ファイルF3は、各ランクに対応付けて、集計期間、実績条件及び特典内容等を記憶する。
ここで、ランクは、取引実績等に応じて区分した会員の等級を示す情報である。また、集計期間は、客の取引実績を集計する期間を示す情報である。図6では、ランクを「1」、「2」、「3」の3段階とした例を示しており、数値が上がるほど上位のランクであることを意味する。また、図6では、ランクに応じて、集計期間を「1年」、「2年」、「3年」に設定した例を示している。以下、最下位のランク「1」及び集計期間「1」年を、デフォルトのランク及びデフォルトの集計期間ともいう。
本実施形態では、集計期間の開始日(起算日)は予め定められているものとする。例えば、開始日を毎年の4月1日とする場合、デフォルトの集計期間は、4月1日から翌年の3月31日までの1年間となる。また、例えば、ランク「2」の集計期間は、4月1日から2年後の3月31日までの2年間となる。また、例えば、ランク「3」の集計期間は4月1日から3年後の3月31日までとの3年間となる。
また、例えば、会員の登録が行われた日付を開始日とする等、会員毎に開始日を設定してもよい。なお、ランクと集計期間との関係は特に問わないものとするが、ランクが上位になるほど集計期間を長く設定することが好ましい。
実績条件には、対応するランクに昇格又は対応するランクを維持するための条件が設定される。例えば、ランク「2」の実績条件には、ランク「2」に昇格又はランク「2」を維持するための条件として、付与されたポイント数が200ポイント以上、取引回数が20回以上、又は買上金額が20万円以上であることが設定される。また、例えば、ランク「3」の実績条件には、ランク「3」に昇格又はランク「3」を維持するための条件として、付与されたポイント数が300ポイント以上、取引回数が30回以上、又は買上金額が30万円以上であることが設定される。かかる実績条件は、後述するランク判定部312において、対応するランクでの集計期間中の取引実績に基づいて充足判定が行われる。つまり、上位のランクほど、より長期の期間に亘って取引実績の集計が行われることになる。なお、デフォルトのランクについては、会員登録当初のランクとなるため、実績条件は不問としている。
特典内容には、会員のランクに応じて変動する特典の内容が設定される。本実施形態では、ランクに応じて変動する特典内容として、ポイントの有効期間を設定した例を示している。図5では、会員のランクに応じて、ポイントの有効期間を「1年」、「2年」、「3年」に設定した例を示している。有効期間の開始日は、集計期間の開始日と同様に定められているものとする。例えば、有効期間の開始日は、ポイントが付与された日付や、最後にポイントが付与(又は使用)された日付を開始日とする等、会員毎に開始日を設定してもよい。また、ランクと有効期間との関係は特に問わないものとするが、ランクが上位になるほど有効期間を長く設定することが好ましい。
なお、ランクに応じて変動する特典内容は有効期間に限らないものとする。例えば、支払金額に応じて付与されるポイントの付与率(還元率)を、ランクに応じて変動させる設定としてもよい。
会員管理ファイルF4は、各会員の会員番号に対応付けて、当該会員のランクや、当該会員に付与されたポイントの累計値等を記憶するファイルである。図6は、会員管理ファイルF4のデータ構成の一例を示す図である。図6に示すように、会員管理ファイルF4は、各会員の会員番号と対応付けて、当該会員番号の会員に設定されたランクと、当該会員番号の会員に付与されたポイントの累計値とを記憶する。
ここで、店舗にて商品が購入された場合の、POS端末2(制御部21)とストアコンピュータ3(制御部31)とで行われる動作について説明する。例えば、商品に付された商品コードがPOS端末2のコードスキャナ206によって読み取られると、POS端末2は、読み取った商品コードをストアコンピュータ3に問い合わせを行う。一方、ストアコンピュータ3では、POS端末2からの問い合わせに応じて商品マスタファイルF1を検索し、該当する商品コードに対応した商品情報を読み出してPOS端末2へ送信する。
また、POS端末2では、ストアコンピュータ3からの商品名や単価等を受信し、問い合わせした商品コード及び受信した商品名や単価等に基づいて部門別登録や表示器204への表示、またプリンタ25により印字処理を行い、さらに売上登録したデータ(取引データ)をストアコンピュータ3へ送信する。そして、POS端末2から取引データを受け付けたストアコンピュータ3では、この取引データを店舗売上ファイルF2に登録する。
また、POS端末2では、商品の購入時にカードリーダ/ライタ205を介して会員番号の読み取りが行われると、商品の買上金額(支払金額)に応じたポイント数を発行する。そして、POS端末2は、会員番号と、発行したポイント数と、当該ポイント数の加算(付与)を指示する指示情報を含んだ取引データをストアコンピュータ3に送信する。なお、POS端末2は、読み取った会員番号をストアコンピュータ3に問い合わせることで、当該会員番号に対応付けられたランクやポイントの累計値を取得し、これらの情報を表示器204に表示させてもよい。
また、POS端末2では、会員番号の読み取り後、ポイントの使用が指示されると、使用されたポイント数に応じて値引き等の処理を実行する。そして、POS端末2は、会員番号と、使用されたポイント数と、当該ポイント数の減算を指示する指示情報とを含んだ取引データをストアコンピュータ3に送信する。
一方、ストアコンピュータ3では、店舗売上ファイルF2に取引データを登録すると、その取引データにポイント数の加算又は減算を指示する指示情報が含まれるか否かを判定する。ストアコンピュータ3は、取引データに指示情報が含まれる場合には、その指示情報に基づいて、会員管理ファイルF4の該当する会員の累計値に対し、ポイント数の加算又は減算を行う。
具体的には、ストアコンピュータ3は、取引データに含まれた会員番号に対応する累計値を会員管理ファイルF4から特定する。そして、ストアコンピュータ3は、特定した累計値に対し、取引データに含まれたポイント数の加算又は減算を行う。なお、ストアコンピュータ3は、会員(会員番号)のランクに対応するポイントの有効期間に基づいて、その有効期間内に付与及び使用されたポイント数の累計値を会員管理ファイルF4に設定する。例えば、ポイントの有効期間が2年間の場合には、当該有効期間の開始日を基準とする2年間以内に付与されたポイント数の合計値から、その2年間以内に使用されたポイント数の合計値を減算した値が、累計値として会員管理ファイルF4に設定される。
上述したように、本実施形態の店舗システム1では、顧客(会員)に対するサービスとして、上述したポイント付与に係るサービスを提供するとともに、ランクに応じた特典内容を付与するサービスを提供している。更に、本実施形態の店舗システム1では、店舗にとって取引実績が良好な会員(優良顧客等)に対し、ランクの維持や昇格を容易化するためのサービス(優待サービス)を提供する。
具体的には、ストアコンピュータ3は、上述した優待サービスの提供に係る機能部として、図7に示すように、集計部311と、ランク判定部312とを備える。ここで、図7は、ストアコンピュータ3の機能構成の一例を示す図である。なお、集計部311及びランク判定部312のうち、一方又は両方は、制御部31に搭載されたCPU等のプロセッサが、HDD38のプログラムを実行することにより実現されるソフトウェア機能部であってもよい。また、集計部311及びランク判定部312のうち、一方又は両方は、ASIC等のプロセッサによって実現されるハードウェア機能部であってもよい。
集計部311は、抽出手段及び集計手段の一例である。集計部311は、店舗売上ファイルF2に記憶された取引データに基づき、各会員の取引実績を集計する。具体的には、集計部311は、会員管理ファイルF4に記憶された各会員(会員番号)のランクに基づき、当該ランクに対応する集計期間をランク設定ファイルF3から特定する。また、集計部311は、取引データに含まれる取引日時に基づき、店舗売上ファイルF2に記憶された取引データから、特定した集計期間中に行われた取引データを抽出する。そして、集計部311は、抽出した取引データを用いて、ランク設定ファイルF3の実績条件に設定された各要素(ポイント数、取引回数、買上金額)について取引実績を集計する。
例えば、集計部311は、抽出された取引データに含まれる、加算指示されたポイント数を積算することで、集計期間中に付与されたポイント数の合計値を取引実績として導出する。また、例えば、集計部311は、抽出された取引データの個数を計数することで、集計期間中に行われた取引回数を取引実績として導出する。また、例えば、集計部311は、抽出された取引データに含まれる支払金額を積算することで、集計期間中に支払われた支払金額の合計値を取引実績として導出する。
なお、集計部311が、取引実績の集計を開始するタイミングは特に問わず、任意に設定することが可能である。例えば、各ランクに対応する集計期間の終了日(満了日)に、当該集計期間内の取引実績を集計する形態としてもよい。この場合、デフォルトの会員については、当該集計期間の終了日に1年分の取引実績が集計されることになる。また、ランク「2」の会員については、当該集計期間の終了日に2年分の取引実績が集計されることになる。また、ランク「3」の会員については、当該集計期間の終了日に3年分の取引実績が集計されることになる。
また、例えば、デフォルトの集計期間の終了毎に、各会員の取引実績を集計する形態としてもよい。この場合、デフォルトのランクよりも上位のランクの会員については、その上位の集計期間よりも短いスパンで取引実績が集計されることになる。そのため、例えば、ランク「2」の会員が当該ランクの集計期間が終了する前に、ランク「3」の実績条件を充足した場合に、当該会員のランクを「3」に昇格させることができる。ここで、図8を参照して、デフォルトの集計期間の満了日毎に集計を行う例について説明する。
図8は、取引実績の集計方法を説明するための図である。同図において、横軸は時間軸を表している。なお、本例では、デフォルトの集計期間の開始日を毎年の4月1日としており、当該集計期間の終了日を翌年の3月31日としている。また、各ランクの集計期間は、ランク設定ファイルF3の設定内容を踏襲している。
例えば、ある会員が2016年4月1日に会員登録を行ったとする。この場合、会員登録後の初年度は、デフォルトのランク「1」が設定され、集計期間D11はデフォルトの「1年」となる。集計期間D11の終了日(2017年3月31日)に達すると、集計部311は、集計期間D11中の取引実績を集計する。具体的には、集計部311は、1年間分(2016年4月1日から2017年3月31日まで)の取引実績を集計する。ここで、取引実績の集計結果がランク「2」の実績条件を充足する場合、後述するランク判定部312の制御により会員のランクが「2」に昇格される。
また、次のデフォルトの集計期間の終了日(2018年3月31日)に達すると、集計部311は、先と同様に取引実績の集計を開始する。この時、会員のランクは「2」となっているため、集計部311は、当該ランクに対応する2年間分の取引実績を集計する。ここで、集計方法としては、例えば以下の2つの方法の何れかを用いることができる。
第1の集計方法は、デフォルトの集計期間の終了日(2018年3月31日)を起点に、会員のランクに対応した過去の集計期間分の取引実績を集計するものである。この場合、図中の期間D2に示すように、ランク「2」に切り替わる前の集計期間D11と、ランク「2」に切り替わった後の集計期間D12との取引実績が集計されることになる。この時点で、取引実績の集計結果がランク「3」の実績条件を充足した場合には、後述するランク判定部312によりランクが「3」に昇格される。
第2の集計方法は、ランク切り替え後の最初の集計期間の開始日(2017年4月1日)を起点に、会員のランクに対応した集計期間分の取引実績を集計するものである。この場合、図中の期間D3に示すように、ランク「2」に切り替わった後の集計期間D12と、集計期間D13との取引実績が集計されることになる。但し、図8の例では、集計期間D13については、集計日(2018年3月31日)以降の将来の集計期間となるため、集計期間D12のみが集計の対象となる。なお、この集計日の時点で、取引実績の集計結果がランク「3」の実績条件を満たした場合には、第1の集計方法と同様、ランクの昇格が行われるものとする。
このように、期間長が最も短いデフォルトの集計期間を基準に、取引実績の集計と実績条件の充足判定を行うことで、デフォルトの集計期間の単位でランクを昇格させることができる。これにより、例えば、ランク「2」に昇格した会員の取引実績が、1年を経過した時点でランク「3」の実績条件を充足したような場合に、その時点でランク「3」に昇格させることができる。また、第1の集計方法によれば、ランクが切り替わる前の取引実績を加味することができるため、第2の集計方法よりも、ランクの昇格を短期間で行うことが可能となる。
なお、上述した第1の集計方法及び第2の集計方法は、例えば設定変更等により何れか一方を選択的に使用する形態としてもよい。また、ランク判定部312は、ランクを昇格させる場合、昇格の段数を1段に制限してもよいし、取引実績に応じて2段以上の昇格を許容してもよい。また、ランクの降格については、会員のランクに対応する集計期間の終了前に降格させることは行わず、当該集計期間の終了時に降格させることが好ましい。
また、上述した例では、第1の集計方法及び第2の集計方法での集計日を、デフォルトの集計期間の終了日としたが、これに限らず、例えばデフォルトの集計期間の開始日を集計日としてもよい。この場合、集計部311は、集計日の前日、つまり直近の集計期間の終了日に基づき、上記と同様の処理を実行すればよい。
図7に戻り、ランク判定部312は、設定手段及び変更手段の一例である。ランク判定部312は、集計部311が集計した集計結果に基づいて各会員のランクを判定する。具体的には、ランク判定部312は、ランク設定ファイルF3に記憶された各ランクの実績条件と、集計部311の集計結果とを比較し、当該集計結果が充足する実績条件のランクを会員毎に判定する。
また、ランク判定部312は、会員管理ファイルF4に記憶された会員のランクと、集計結果に基づき判定した同一会員のランクとを比較し、ランクが変化したか否かを判定する。そして、ランク判定部312は、ランクが変化したと判定した場合に、変化後のランクを会員管理ファイルF4の該当する会員に設定する。これにより、ランク判定部312は、ランクが変化した会員の次回の集計期間を、変化後のランクに応じた期間長に変更するとともに、ランクが変化した会員に付与されるポイントの有効期間(又は付与率)を、変化後のランクに応じた期間長(又は付与率)に変更する。
例えば、ランク判定部312により、ある会員のランクが「1」から「2」に更新されると、当該会員の取引実績の集計に係る集計期間及びポイントの有効期間は、ランク設定ファイルF3に基づいて、1年から2年に変更される。これにより、デフォルトの集計期間よりも長い期間の取引実績を用いて実績条件の判定が行われるため、ランク「2」以上の会員は、現状ランクの維持やランクの昇格を容易、且つ効率的に行うことができる。また、ランクの昇格に応じて特典内容も変化(向上)するため、会員の来店機会の増加を図るとともに販売促進を図ることができる。
なお、有効期間の延長に関しては、上述した第1の集計方法と同様に、ランクの切り替え前までに付与されたポイントに遡って有効期間を延長してもよいし、第2の集計方法と同様に、ランクの切り替え後に付与されるポイントから有効期間を延長してもよい。
次に、ストアコンピュータ3で実行される処理について説明する。図9は、ストアコンピュータ3で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
まず、集計部311は、デフォルトの集計期間の終了日等、取引実績の集計を行うタイミング(集計タイミング)に達するまで待機する(ステップS11;No)。集計タイミングに達すると(ステップS11;Yes)、集計部311は、会員管理ファイルF4から処理対象となる会員のランクを特定し、当該ランクに対応した集計期間の取引データを店舗売上ファイルF2から抽出する(ステップS12)。続いて、集計部311は、抽出した取引データに基づいて集計期間中の取引実績を集計する(ステップS13)。
続いて、ランク判定部312は、ランク設定ファイルF3に記憶された各ランクの実績条件を参照し、ステップS13で集計された取引実績が充足する実績条件のランクを判定する(ステップS14)。
続いて、ランク判定部312は、ステップS14で判定したランクを、会員管理ファイルF4に記憶された処理対象の会員のランク(既存ランク)と比較し(ステップS15)、ランクが昇格又は降格した否かを判定する(ステップS16)。ここで、ランクに変化がなかった場合には(ステップS16;No)、ランク判定部312は、会員管理ファイルF4に記憶された既存ランクをそのまま維持し(ステップS17)、本処理を終了する。
一方、ランクが昇格又は降格したと判定した場合には(ステップS16;Yes)、ランク判定部312は、昇格後又は降格後のランクを会員管理ファイルF4に設定する(ステップS18)する。そして、ランク判定部312は、ステップS18の処理に伴い、ランクが昇格(又は降格)した会員の次回の集計期間を、変化後のランクに応じた期間長に変更するとともに、会員に付されたポイントの有効期間(又は付与率)を、変化後のランクに応じた期間長(又は付与率)に変更し(ステップS19)、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態のストアコンピュータ3は、会員が行った取引の内訳を示す取引データを記憶する店舗売上ファイルF2から、集計期間中に行われた取引の取引データを抽出し、抽出した取引データに基づいて、集計期間中に行われた取引実績を集計する。また、ストアコンピュータ3は、取引実績の集計結果に基づいて会員にランクを設定するともに、当該ランクに応じて次回の集計期間の長さを変更する。
これにより、ランクが上位の会員、つまり店舗での取引を頻繁に行うような会員(優良顧客)であるほど、現状ランクの維持やランクの昇格を容易に行うことができるため、優良顧客に対し、来店機会や商品購入の動機付けを行うことができる。したがって、ストアコンピュータ3は、既存顧客の維持や固定客の確保を図ることができる。
以上、発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、ストアコンピュータ3が、各会員のポイント及びランクを管理する形態としたが、これに限らないものとする。例えば、ネットワークN1に接続された他のサーバ装置(情報処理装置)が、ポイント及びランクを管理する形態としてもよい。また、例えば、ポイントを管理するサーバ装置と、ランクを管理するサーバ装置とを個別に用意してもよい。
また、上記実施形態では、各会員のポイント及びランクを店舗内で管理する形態を説明したが、これに限らず、データセンタ等の店舗外の施設で管理する形態としてもよい。この場合、複数の店舗間で共用しているポイント及びランクを統括して管理する形態としてもよい。また、ポイント及びランクを管理するサーバ装置(情報処理装置)は単一構成に限らず、ネットワーク接続された複数のサーバ装置によるクラウド構成としてもよい。
また、上記実施形態では、ストアコンピュータ3が商品マスタファイルF1、店舗売上ファイルF2、ランク設定ファイルF3及び会員管理ファイルF4を統括的に管理する形態としたが、これに限らないものとする。例えば、各POS端末2が個別に商品マスタファイルF1、店舗売上ファイルF2、ランク設定ファイルF3及び会員管理ファイルF4を保持し、所定のタイミングで、ストアコンピュータ3が管理する商品マスタファイルF1、店舗売上ファイルF2、ランク設定ファイルF3及び会員管理ファイルF4にデータの統合を行う形態としてもよい。
なお、上記実施形態のストアコンピュータ3で実行されるプログラムは、ストアコンピュータ3が備える記録媒体に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記録媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記録媒体も含まれる。
また、上記実施形態のストアコンピュータ3で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。