以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る投射装置及び投射レンズを実施するための形態について詳細に説明する。
[投射装置の外観構成]
図1は、投射装置の正面図である。図2は、投射装置の背面図である。図3は、投射装置の左側面図である。図4は、投射装置の右側面図である。図5は、投射装置の平面図(上面図)である。図6は、投射装置の底面図(下面図)である。
図1から図6に示すように、本実施の形態の投射装置1は、投射装置本体2及び投射レンズ3を備える。投射レンズ3は、第1回動軸θ1及び第2回動軸θ2を中心に回動可能に構成され、折り畳み可能に構成される。図5は、投射レンズ3を折り畳み、投射レンズ3の出射レンズ部分が筐体14と対向している状態(収納状態)を示している。投射装置1は、投射レンズ3の収納状態において、全体として扁平な直方体状の形状を有する。
図5において、投射装置本体2は、筐体14と窪み部15を有する。そして、筐体14は、直方体の1つのコーナー部分(右前方のコーナー部分)を矩形状に切り欠いた形状を有し、全体として、L字状の形状を有する。投射装置本体2の切り欠かれた部分は、窪み部15として、投射レンズ3の収容部を構成する。投射レンズ3は、この窪み部15に配置され、折り畳まれることにより、全体が窪み部15に収容される。投射レンズ3は、折り畳まれた状態(収納状態)において、その先端が窪み部15の正面側の内壁面15Aに対向して配置される。この窪み部15の正面側の内壁面15Aには、凹部15aが備えられ、投射レンズ3の先端から突出した出射レンズ部分が収容される。
投射レンズ3は、互いに直交する2軸(第1回動軸θ1及び第2回動軸θ2)を中心に回動して、その投射方向が切り替えられる。これにより、投射装置本体2を動かさずに、さまざまな方向に投射できる。
投射レンズ3は、その先端部にレンズカバー18を有する。レンズカバー18は、投射レンズ3が折り畳まれることにより、投射装置本体2の切り欠かれたコーナー部分を補完する。すなわち、そのレンズカバー正面部18A、レンズカバー右側面部18D、レンズカバー上面部18E及びレンズカバー底面部18Fが、それぞれ投射装置本体2の筐体正面部14A、筐体右側面部14D、筐体上面部14E及び筐体底面部14Fと略同一面上に位置して、投射装置本体2と共に扁平な直方体状の形状を構成する。
投射装置本体2の筐体正面部14Aには、本体操作部6が備えられる。本体操作部6には、電源スイッチ6A、MENUキー6B、十字キー6C、ENTERキー6D、BACKキー6E等の各種操作スイッチ類が備えられる。
投射装置本体2の筐体右側面部14Dには、多数のパンチング孔で構成された給気部7が備えられる。また、投射装置本体2の筐体左側面部14Cには、多数のパンチング孔で構成された排気部8を備える。投射装置本体2は、内部の機器(光源等)を冷却するための空気が給気部7から取り込まれ、内部を通って排気部8から排気される。
また、投射装置本体2の筐体右側面部14Dには、電源コネクタ9及び映像入力端子10が備えられる。投射装置1は、電源コネクタ9に接続された電源ケーブル(不図示)を介して、外部から電力が供給される。また、投射装置1は、映像入力端子10に接続されたケーブル(不図示)を介して、外部機器(例えば、パーソナルコンピュータ等)から映像信号が供給される。
投射レンズ3には、第1回動軸θ1回り及び第2回動軸回りの回動を独立してロックするロック機構60が備えられる。ロック機構60の詳細については後述する。投射レンズ3は、平時、ロック機構によって、第1回動軸θ1回り及び第2回動軸回りの回動がロックされる。投射レンズ3には、この第1回動軸θ1回り及び第2回動軸回りの回動のロックを解除するロック解除操作部11が備えられる。
ロック解除操作部11には、第1ロック解除スイッチ11A及び第2ロック解除スイッチ11Bが備えられる。第1ロック解除スイッチ11Aは、第1回動軸θ1回りの回動のロックを解除する。第1ロック解除スイッチ11Aは、円形状の外形を有する押しボタンで構成され、そのキートップには、LED(light emitting diode)が備えられる。投射レンズ3は、第1ロック解除スイッチ11Aが押されると、一定期間(例えば、10秒間)、第1回動軸θ1回りの回動のロックが解除される。したがって、この間、投射レンズ3は、第1回動軸θ1回りの回動がフリーになる。第2ロック解除スイッチ11Bは、投射レンズ3の第2回動軸θ2回りの回動のロックを解除する。第2ロック解除スイッチ11Bは、四角形状の押しボタンで構成され、そのキートップにはLEDが備えられる。投射レンズ3は、第2ロック解除スイッチ11Bが押されることにより、一定期間(例えば、10秒間)、第2回動軸θ2回りの回動のロックが解除される。したがって、この間、投射レンズ3は、第2回動軸θ2回りの回動がフリーになる。
本実施の形態の投射装置1は、投射装置本体2を横置き及び縦置きすることができる。図6に示すように、投射装置本体2の筐体底面部14Fには、投射装置本体2を横置きした際の接地部となる横置き用脚部12が3箇所に備えられる。また、投射装置本体2の筐体背面部14Bには、投射装置本体2を縦置きした際の接地部となる縦置き用脚部13が4箇所に備えられる。
図7〜図18は、投射装置本体を横置きして使用する場合の使用例を示す斜視図である。なお、第1回動軸θ1の回動方向は、図1のように筐体正面部14A側から見た場合を基準とし、第2回動軸θ2の回動方向は、図4のように筐体右側面部14Dから見た場合を基準とする。また、「横置き」とは、筐体14の最も大きな面(本形態においては、筐体底面部14F又は筐体上面部14E)が重力方向に交差している場合を指す。
図7は、投射装置本体2を横置きした場合の収納状態を示している。同図に示すように、収納状態において、投射レンズ3は、投射装置本体2の窪み部15に収容される。
図8は、投射装置本体2を横置きして、後方に投射する場合の第1の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に反時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、映像が、投射装置本体2の上側から後方に向けて投射される。
図9は、投射装置本体2を横置きして、後方に投射する場合の第2の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、映像が、投射装置本体2の下側から後方に向けて投射される。
図10は、投射装置本体2を横置きして、右側方に投射する場合の第1の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に反時計回りに90°、第2回動軸θ2を中心に時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の上側から右側方に向けて映像が投射される。
図11は、投射装置本体2を横置きして、右側方に投射する場合の第2の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に時計回りに90°、第2回動軸θ2を中心に反時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の下側から右側方に向けて映像が投射される。
図12は、投射装置本体2を横置きして、左側方に投射する場合の第1の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に反時計回りに90°、第2回動軸θ2を中心に反時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の上側から左側方に向けて映像が投射される。
図13は、投射装置本体2を横置きして、左側方に投射する場合の第2の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に時計回りに90°、第2回動軸θ2を中心に時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の下側から左側方に向けて映像が投射される。
図14は、投射装置本体2を横置きして、前方に投射する場合の第1の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に反時計回りに90°、第2回動軸θ2を中心に時計回り又は反時計回りに180°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の上側から前方に向けて映像が投射される。
図15は、投射装置本体2を横置きして、前方に投射する場合の第2の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に時計回りに90°、第2回動軸θ2を中心に時計回り又は反時計回りに180°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の下側から前方に向けて映像が投射される。
図16は、投射装置本体2を横置きして、前方に投射する場合の第3の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第2回動軸θ2を中心に時計回り又は反時計回りに180°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の筐体正面部14Aから前方に向けて映像が投射される。
図17は、投射装置本体2を横置きして、上方に投射する場合の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第2回動軸θ2を中心に反時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の筐体上面部14Eから上方に向けて映像が投射される。
図18は、投射装置本体2を横置きして、下方に投射する場合の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第2回動軸θ2を中心に時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の筐体底面部14Fから下方に向けて映像が投射される。
図19〜図30は、投射装置本体を縦置きして使用する場合の使用例を示す斜視図である。なお、「縦置き」とは、筐体14の最も大きな面(本形態においては、筐体底面部14F又は筐体上面部14E)が重力方向に実質的に平行になっている場合を指す。
縦置きする場合、投射装置本体2の筐体背面部14Bを下にして設置される。また、筐体右側面部14Dを前方として設置される。
図19は、投射装置本体2を縦置きした場合の収納状態を示している。同図に示すように、収納状態において、投射レンズ3は、投射装置本体2の窪み部15に収容される。
図20は、投射装置本体2を縦置きして、下方に投射する場合の第1の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に反時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の右側方から下方に向けて映像が投射される。
図21は、投射装置本体2を縦置きして、下方に投射する場合の第2の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の左側方から下方に向けて映像が投射される。
図22は、投射装置本体2を縦置きして、前方に投射する場合の第1の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に反時計回りに90°、第2回動軸θ2を中心に時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の右側方から前方に向けて映像が投射される。
図23は、投射装置本体2を縦置きして、前方に投射する場合の第2の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に時計回りに90°、第2回動軸θ2を中心に反時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の左側方から前方に向けて映像が投射される。
図24は、投射装置本体2を縦置きして、後方に投射する場合の第1の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に反時計回りに90°、第2回動軸θ2を中心に反時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の右側方から後方に向けて映像が投射される。
図25は、投射装置本体2を縦置きして、後方に投射する場合の第2の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に時計回りに90°、第2回動軸θ2を中心に時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の左側方から後方に向けて映像が投射される。
図26は、投射装置本体2を縦置きして、上方に投射する場合の第1の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に反時計回りに90°、第2回動軸θ2を中心に時計回り又は反時計回りに180°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の右側方から上方に向けて映像が投射される。
図27は、投射装置本体2を縦置きして、上方に投射する場合の第2の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第1回動軸θ1を中心に時計回りに90°、第2回動軸θ2を中心に時計回り又は反時計回りに180°回動させることで実現される。本形態では、投射装置本体2の左側方から上方に向けて映像が投射される。
図28は、投射装置本体2を縦置きして、上方に投射する場合の第3の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第2回動軸θ2を中心に時計回り又は反時計回りに180°回動させることで実現される。本形態では、上方に向けられた投射装置本体2の筐体正面部14Aから上方に向けて映像が投射される。
図29は、投射装置本体2を縦置きして、右側方に投射する場合の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第2回動軸θ2を中心に反時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、右側方に向けられた投射装置本体2の筐体上面部14Eから右側方に向けて映像が投射される。
図30は、投射装置本体2を縦置きして、左側方に投射する場合の使用形態を示している。本形態は、投射レンズ3を収納状態から第2回動軸θ2を中心に時計回りに90°回動させることで実現される。本形態では、左側方に向けられた投射装置本体2の筐体底面部14Fから左側方に向けて映像が投射される。
[投射装置本体の内部構造]
図31は、投射装置本体の内部の概略構成を示した平面図である。
同図に示すように、投射装置本体2は、その内部に光源部20、照明部21、映像表示部22、本体姿勢検出部23及びレンズシフト機構80を備える。
光源部20は、レーザ光源20A、蛍光体ホイール20B、ミラー20C、カラーホイール20Dを備える。レーザ光源20Aからは青色のレーザが出射される。光源部20は、蛍光体ホイール20B及びカラーホイール20Dによって、レーザ光源20Aから出射される青色のレーザから、赤色、緑色及び青色の3色の光(あるいは、赤色、緑色、青色及び黄色の4色の光)を生成し、時分割で出射する。
照明部21は、ロッドインテグレータ21A、レンズ21B、レンズ21C、レンズ21D、ミラー21E及びミラー21Fを備える。光源部20のカラーホイール20Dから出射した光は、ロッドインテグレータ21Aに入射する。ロッドインテグレータ21Aは、光源部20から出射される光を均一化する。ロッドインテグレータ21Aから出射された光は、レンズ21B、レンズ21C及びレンズ21Dによってリレーされ、ミラー21E及びミラー21Fを介して映像表示部22に入射する。
映像表示部22は、照明部21から出射された光を受けて映像を生成する。映像表示部22は、全反射プリズム22A及びDMD(Digital Micromirror Device(登録商標))22Bを備える。全反射プリズム22Aは、照明部21より入射した光をDMD22Bへと導く。DMD22Bは、全反射プリズム22Aを介して入射する各色成分の光を、時分割で変調する光変調素子である。DMD22Bは、反射方向の切り替えが可能な多数のマイクロミラーを有し、各マイクロミラーの角度を映像信号に応じて変更することにより、入射する光を変調する。DMD22Bによって変調された光は、全反射プリズム22Aを透過して投射レンズ3へ導かれる。
本体姿勢検出部23は、投射装置本体2の姿勢(横置き、縦置き等)を検出する。本体姿勢検出部23は、例えば、重力方向に対する投射装置本体2の傾斜角を計測する加速度センサで構成される。この他、本体姿勢検出部23は、投射装置本体2の横置き、縦置きの2位置を検出するセンサでもよい。
レンズシフト機構80は、投射装置本体2に対して投射レンズ3を移動させて、投射レンズ3の光軸をシフトさせる。レンズシフト機構80は、投射装置本体2の窪み部15の正面側の内壁面15Aの内側に配置される。レンズシフト機構80の詳細については、後述する。
[投射レンズの構成]
(投射レンズのレンズ構成)
図32は、投射レンズのレンズ構成を示す図である。
投射レンズ3は、DMD22Bで形成された画像を拡大して投射対象面上に投射する。投射レンズ3は、第1光学系G1、第2光学系G2及び第3光学系G3によって実質的に構成される。投射レンズ3には、ズーム機能及びフォーカス機能が備えられる。なお、各光学系を構成するレンズは、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。
第1光学系G1は、DMD22Bで生成された画像を中間像として結像させる。第1光学系G1は、光路において、投射装置1の本体部(筐体)と第2光学系G2の間にある。第1光学系G1は、第1光学系第1レンズ群G11、第1光学系第2レンズ群G12、第1光学系第3レンズ群G13、第1光学系第4レンズ群G14及び第1ミラーR1によって実質的に構成される。第1光学系第1レンズ群G11、第1光学系第2レンズ群G12、第1光学系第3レンズ群G13及び第1光学系第4レンズ群G14は、DMD22Bの表示面に対して垂直な第1光軸Z1に沿って配置される。第1光学系第1レンズ群G11は、固定のレンズ群であり、第1光学系第2レンズ群G12、第1光学系第3レンズ群G13及び第1光学系第4レンズ群G14は、ズームの際に移動するレンズ群である。第1光学系第2レンズ群G12及び第1光学系第3レンズ群G13は、ズームの際に一体となって移動する。各レンズ群は、少なくとも1枚のレンズで構成される。
第1ミラーR1は、第1光軸Z1上に配置され、光路を直角に折り曲げる。折り曲げられた光路の光軸を第2光軸Z2とする。
第2光学系G2は、第1光学系G1により結像された中間像を拡大する。投射対象面(例えば、スクリーン、壁、天井、床等)に投射する。第2光学系G2は、第2光学系第1レンズ群G21、第2光学系第2レンズ群G22、第2ミラーR2によって実質的に構成される。第2光学系第1レンズ群G21、第2光学系第2レンズ群G22及び第2ミラーR2は、第2光軸Z2に沿って配置される。第2ミラーR2は、第2光学系G2の光路を直角に折り曲げる。折り曲げられた光路の光軸を第3光軸Z3とする。第2光学系第1レンズ群G21及び第2光学系第2レンズ群G22は固定レンズ群である。
第3光学系G3は、第2光学系G2によって拡大された像を投射対象面に投射する。第3光学系G3は、第3光学系第1レンズ群G31、第3光学系第2レンズ群G32及び第3光学系第3レンズ群G33によって実質的に構成される。第3光学系第1レンズ群G31、第3光学系第2レンズ群G32及び第3光学系第3レンズ群G33は、第3光軸Z3に沿って配置される。第3光学系第1レンズ群G31及び第3光学系第3レンズ群G33は、固定のレンズ群であり、第3光学系第2レンズ群G32は、フォーカスの際に移動するレンズ群である。各レンズ群は、少なくとも1枚のレンズで構成される。
投射レンズ3は、第1光軸Z1を第1回動軸θ1として、第1ミラーR1及び第2光学系G2の部分が回動する。また、投射レンズ3は、第2光軸Z2を第2回動軸θ2として、第2光学系G2の第2光学系第2レンズ群G22、第2ミラーR2、第3光学系第1レンズ群G31、第3光学系第2レンズ群G32及び第3光学系第3レンズ群G33の部分が回動する。
(投射レンズのレンズ鏡胴)
図33及び図34は、投射レンズのレンズ鏡胴の外部構造を示す斜視図である。また、図35は、投射レンズのレンズ鏡胴の内部の概略構成を示す断面図である。
図33において、投射レンズ3のレンズ鏡胴30は、第1保持部31、第2保持部40及び第3保持部50を有する。第1保持部31には、第1光学系第1レンズ群G11、第1光学系第2レンズ群G12、第1光学系第3レンズ群G13及び第1光学系第4レンズ群G14が収容される。第2保持部40には、第1ミラーR1及び第2光学系第1レンズ群G21が収容される。第3保持部50には、第2光学系第2レンズ群G22、第2ミラーR2、第3光学系第1レンズ群G31、第3光学系第2レンズ群G32及び第3光学系第3レンズ群G33が収容される。つまり、第1〜第3保持部31、40及び50は、種々の光学部材を保持している。
図35において、第1保持部31は、固定枠32、カム枠33、第1レンズ保持枠34、第2レンズ保持枠35、第3レンズ保持枠36及びズームギヤ枠37を備える。
図34において、固定枠32は、その外周にフランジ部32Aを有する。フランジ部32Aは、投射装置本体2への接続部(マウント部)として機能する。投射レンズ3は、フランジ部32Aを介して、投射装置本体2に搭載される。この際、投射レンズ3は、フランジ部32Aが、投射装置本体2に備えられたレンズシフト機構80に接続される。固定枠32には、第1光軸Z1に沿って直進溝が32Bに備えられる。直進溝32Bは、円周方向の3箇所に等間隔に備えられる。
カム枠33は、固定枠32の内周部に径嵌合し、固定枠32に回動自在に保持される。カム枠33には、第1カム溝33A及び第2カム溝33Bが備えられる。第1カム溝33A及び第2カム溝33Bは、円周方向の3箇所に等間隔に備えられる。
第1レンズ保持枠34は、第1光学系第1レンズ群G11を保持する。第1レンズ保持枠34は、固定枠32の後端部に接続されて、固定枠32に一体的に固定される。これにより、第1光学系第1レンズ群G11が定位置に固定して保持される。
第2レンズ保持枠35は、第1光学系第2レンズ群G12及び第1光学系第3レンズ群G13を保持する。第2レンズ保持枠35は、カム枠33の内周部に径嵌合して、カム枠33の内周部を第1光軸Z1に沿って前後移動自在に保持される。第2レンズ保持枠35には、その外周部に第1カムピン35Aが備えられる。第1カムピン35Aは、円周方向の3箇所に等間隔に備えられる。第1カムピン35Aは、カム枠33に備えられた第1カム溝33A及び固定枠32に備えられた直進溝32Bに嵌め込まれる。これにより、カム枠33を回動させると、第2レンズ保持枠35が、第1光軸Z1に沿って前後移動する。この結果、第1光学系第2レンズ群G12及び第1光学系第3レンズ群G13が、第1光軸Z1に沿って一体となって前後移動する。これによって、投射画像の画角(ズーム倍率)が調節される。
第3レンズ保持枠36は、第1光学系第4レンズ群G14を保持する。第3レンズ保持枠36は、カム枠33の内周部に径嵌合して、カム枠33の内周部を第1光軸Z1に沿って前後移動自在に保持される。第3レンズ保持枠36には、その外周部に第2カムピン35Bが備えられる。第2カムピン35Bは、円周方向の3箇所に等間隔に備えられる。第2カムピン35Bは、カム枠33に備えられた第2カム溝33B及び固定枠32に備えられた直進溝32Bに嵌め込まれる。これにより、カム枠33を回動させると、第3レンズ保持枠36が、第1光軸Z1に沿って前後移動する。この結果、第1光学系第4レンズ群G14が、第1光軸Z1に沿って前後移動する。
ズームギヤ枠37は、固定枠32の外周部に径嵌合し、固定枠32に回動自在に保持される。ズームギヤ枠37は、その外周にギヤ部37Aを有する。ズームギヤ枠37は、カム枠33に連結される。これにより、ズームギヤ枠37を回動させると、カム枠33が回動する。
ズームギヤ枠37のギヤ部37Aには、ズームモータ38に連結されたズーム駆動ギヤ38Aが噛み合わされる。ズームモータ38は、図33に示すように、固定枠32にブラケット38Bを介して取り付けられる。
図34において、ズームモータ38を駆動すると、ズームギヤ枠37が回動する。このズームギヤ枠37の回動に連動して、カム枠33が回動する。カム枠33が回動することにより、第2レンズ保持枠35及び第3レンズ保持枠36が、第1光軸Z1に沿って移動する。この結果、第1光学系第2レンズ群G12、第1光学系第3レンズ群G13及び第1光学系第4レンズ群G14が第1光軸Z1に沿って移動し、投射画像の画角(ズーム倍率)が調節される。
第2保持部40は、第1回動枠41、第1ミラー保持枠42及びレンズ保持枠43を備える。第2保持部40は、第1保持部31に対して、第1光軸Z1(=第1回動軸θ1)を中心に回動自在に保持される。なお、本形態では、第1保持部31は筐体14に固定されているが、第1保持部31と第2保持部40を連結し、第1保持部31も筐体14に対して回動させてもよい。
図35において、第1回動枠41は、第1保持部31の固定枠32の外周に径嵌合し、固定枠32に回動自在に保持される。固定枠32の外周部には、回動部としての第1支持ローラ32Cが備えられる。第1支持ローラ32Cは、円周方向の3箇所に等間隔に備えられる。第1回動枠41には、第1支持ローラ32Cが嵌め込まれる第1ガイド溝41Aが備えられる。第1ガイド溝41Aは、円周方向に沿って配置される。第1回動枠41は、第1支持ローラ32Cが第1ガイド溝41Aに沿って移動することにより、固定枠32に対して回動自在に保持される。
第1ミラー保持枠42は、第1ミラーR1を保持する。第1ミラー保持枠42は、直角に屈曲した構造を有し、第1回動枠41に接続されて、第1回動枠41に一体的に固定される。
レンズ保持枠43は、第2光学系第1レンズ群G21を保持する。レンズ保持枠43は、第1ミラー保持枠42に接続されて、第1ミラー保持枠42に一体的に固定される。第1ミラー保持枠42に固定されたレンズ保持枠43は、第1回動枠41に対して直角に配置される。
第3保持部50は、第2回動枠51、第2ミラー保持枠52、ヘリコイド枠53、最終レンズ保持枠54、フォーカスレンズ保持枠55及びフォーカスギヤ枠56を備える。第3保持部50は、第2保持部40に対して、第2光軸Z2(=第2回動軸θ2)を中心に回動自在に保持される。
第2回動枠51は、第2光学系第2レンズ群G22を保持する。第2回動枠51は、第2保持部40のレンズ保持枠43の内周部に径嵌合して、レンズ保持枠43に回動自在に保持される。第2回動枠51の外周部には、回動部としての第2支持ローラ51Aが備えられる。第2支持ローラ51Aは、円周方向の3箇所に等間隔に備えられる。レンズ保持枠43には、第2支持ローラ51Aが嵌め込まれる第2ガイド溝43Aが備えられる。第2ガイド溝43Aは、円周方向に沿って配置される。第2回動枠51は、第2支持ローラ51Aが第2ガイド溝43Aに沿って移動することにより、レンズ保持枠43に対して回動自在に保持される。
第2ミラー保持枠52は、第2ミラーR2及び第3光学系第1レンズ群G31を保持する。第1ミラー保持枠42は、直角に屈曲した構造を有し、第2回動枠51に接続されて、第2回動枠51に一体的に固定される。
ヘリコイド枠53は、第2ミラー保持枠52に接続されて、第2ミラー保持枠52に一体的に固定される。第2ミラー保持枠52に固定されたヘリコイド枠53は、第2回動枠51に対して直角に配置される。ヘリコイド枠53は、その先端の内周部にメスヘリコイド部53Aを有する。
最終レンズ保持枠54は、最終レンズである第3光学系第3レンズ群G33を保持する。最終レンズ保持枠54は、ヘリコイド枠53の先端に接続されて、ヘリコイド枠53に一体的に固定される。
フォーカスレンズ保持枠55は、第3光学系第2レンズ群G32を保持する。フォーカスレンズ保持枠55は、その先端の外周部にオスヘリコイド部55Aを有する。フォーカスレンズ保持枠55は、オスヘリコイド部55Aが、ヘリコイド枠53のメスヘリコイド部53Aにネジ結合されて、ヘリコイド枠53の内周部に配置される。フォーカスレンズ保持枠55は、回動することにより、オスヘリコイド部55A及びメスヘリコイド部53Aの作用によって、第3光軸Z3に沿って回動しながら前後移動する。これにより、第3光学系第2レンズ群G32が第3光軸Z3に沿って前後移動する。
フォーカスギヤ枠56は、ヘリコイド枠53の外周に径嵌合し、ヘリコイド枠53に回動自在に保持される。フォーカスギヤ枠56は、その外周にギヤ部56Aを有する。フォーカスギヤ枠56は、フォーカスレンズ保持枠55の外周部に備えられた連結ピン55Bを介して、フォーカスレンズ保持枠55に連結される。これにより、フォーカスギヤ枠56を回動させると、フォーカスレンズ保持枠55が回動する。
フォーカスギヤ枠56のギヤ部56Aには、フォーカスモータ58に連結されたフォーカス駆動ギヤ58Aが噛み合わされる。フォーカスモータ58は、図34に示すように、第2ミラー保持枠52にブラケット58Bを介して取り付けられる。
図34において、フォーカスモータ58を駆動すると、フォーカスギヤ枠56が回動する。このフォーカスギヤ枠56の回動に連動してフォーカスレンズ保持枠55が回動する。これにより、フォーカスレンズ保持枠55が第3光軸Z3に沿って回動しながら移動する。この結果、第3光学系第2レンズ群G32が、第3光軸Z3に沿って移動し、フォーカスが調節される。
以上の構成のレンズ鏡胴30は、第1保持部31に対して第2保持部40が第1光軸Z1(=第1回動軸θ1)を中心に回動する。また、第2保持部40に対して第3保持部50が第2光軸Z2(=第2回動軸θ2)を中心に回動する。
(投射レンズのロック機構)
前述したように、投射レンズ3には、第1回動軸θ1回り及び第2回動軸回りの回動を独立してロックするロック機構60が備えられる。ロック機構60は、第1保持部31に対する第2保持部40の回動をロックして、投射レンズ3の第1回動軸θ1回りの回動をロックする第1ロック機構60Aを含む。また、ロック機構60は、第2保持部40に対する第3保持部50の回動をロックして、投射レンズ3の第2回動軸θ2回りの回動をロックする第2ロック機構60Bを含む。
<第1ロック機構>
第1ロック機構60Aは、3つの位置で第2保持部40の回動をロックする。3つの位置は、収納状態の位置(図7及び図19参照)、収納状態から反時計回りに90°回動させた位置(図8及び図20参照)、及び、収納状態から時計回りに90°回動させた位置(図10及び図21参照)の各位置である。
図36は、第1ロック機構の概略構成を示す分解斜視図である。
同図に示すように、第1保持部31の固定枠32の外周には、円周方向に沿って爪部ガイド溝32Dが備えられる。爪部ガイド溝32Dには、円周方向の3箇所に第1ロック溝部32Eが備えられる。各第1ロック溝部32Eは、爪部ガイド溝32Dから第1光軸Z1に沿って延びる溝で構成され、等間隔(90°間隔)に配置される。
第1ロック爪61Aは、板金による一体成形品で構成され、矩形の平板形状の第1ロック爪本体62Aと、第1ロック爪本体62Aから長手方向に沿って延びるアーム部63Aと、アーム部63Aの先端に備えられる鉤状の爪部64Aと、第1ソレノイド68Aのプランジャ68aへの連結部65Aと、を有する。第1ロック爪本体62Aには、レンズ鏡胴30に取り付けるための長孔66Aが2箇所に備えられる。
第1ロック爪61Aは、図33及び図34に示すように、第2保持部40の第1ミラー保持枠42に2本のネジ67Aを介してスライド可能に取り付けられる。第1ミラー保持枠42に取り付けられた第1ロック爪61Aは、第1光軸Z1に沿ってスライド自在に支持される。また、第1ミラー保持枠42に取り付けられた第1ロック爪61Aは、その爪部64Aが爪部ガイド溝32Dに嵌入する。第1ロック爪61Aは、爪部ガイド溝32Dの位置でスライドさせることにより、爪部64Aが爪部ガイド溝32Dに嵌合して、第2保持部40をロックする。
第1ロック爪61Aは、第1ソレノイド68Aに駆動されてスライドする。第1ソレノイド68Aは、ブラケットを介して、第2保持部40の第1ミラー保持枠42に取り付けられる。第1ソレノイド68Aは、突出方向に付勢されたプランジャ68aを有する。第1ソレノイド68Aは、通電(オン)することにより、付勢力に抗して、プランジャ68aを退避させる。
第1ソレノイド68Aは、プランジャ68aの先端部分が、第1ロック爪61Aの連結部65Aに連結される。第1ソレノイド68Aに連結された第1ロック爪61Aは、第1ソレノイド68Aをオン、オフすることにより、スライドする。すなわち、第1ソレノイド68Aをオン(通電)することにより、プランジャ68aが付勢力に抗して退避する。この結果、第1ロック爪61Aがスライドする。この場合のスライド方向は、爪部64Aが第1ロック溝部32Eから退避する方向である。爪部64Aは、第1ソレノイド68Aをオンすると、第1ロック溝部32Eから退避し、爪部ガイド溝32Dに移動する。この結果、第2保持部40の回動が可能になる。
一方、第1ソレノイド68Aをオフすることにより、プランジャ68aが付勢力で突出する。この結果、第1ロック爪61Aがスライドする。この場合のスライド方向は、第1ロック溝部32Eに向かう方向である。したがって、爪部64Aの位置と第1ロック溝部32Eの位置とが一致する位置で第1ソレノイド68Aがオフされると、爪部64Aが、第1ロック溝部32Eに嵌入し、第2保持部40の回動がロックされる。すなわち、第1回動軸θ1回りの回動がロックされる。
なお、爪部64Aが、第1ロック溝部32Eの位置以外の位置で第1ソレノイド68Aがオフされると、プランジャ68aの付勢力によって、爪部64Aが爪部ガイド溝32Dの内壁面に押圧当接する。この場合、爪部64Aの位置と第1ロック溝部32Eの位置とが一致する位置まで第2保持部40を回動させると、爪部64Aが、プランジャ68aの付勢力で第1ロック溝部32Eに嵌入し、第2保持部40の回動がロックされる。すなわち、第1回動軸θ1回りの回動がロックされる。
このように、第1ロック機構60Aは、第1ソレノイド68Aのオン、オフによって、第1ロック爪61Aの爪部64Aを進退移動させて、第2保持部40の回動をロック、アンロックする。すなわち、第1回動軸θ1回りの回動をロック、アンロックする。
第1ソレノイド68Aのオン、オフは、第1ロック解除スイッチ11Aによって行われる。第1ソレノイド68Aは、第1ロック解除スイッチ11Aをワンプッシュすると、一定期間、オンされる。したがって、第1ロック解除スイッチ11Aをワンプッシュすると、一定期間、ロックが解除される。
<第2ロック機構>
第2ロック機構60Bは、4つの位置で第3保持部50の回動をロックする。4つの位置は、収納状態の位置を基準として、90°間隔の位置である。
図37は、第2ロック機構の概略構成を示す分解斜視図である。
同図に示すように、第3保持部50の第2回動枠51の外周には、円周方向に沿って爪部ガイド溝51Bが備えられる。爪部ガイド溝51Bには、円周方向の4箇所に第2ロック溝部51Cが備えられる。各第2ロック溝部51Cは、爪部ガイド溝51Bから第2光軸Z2に沿って延びる溝で構成され、等間隔(90°間隔)に配置される。
第2ロック爪61Bは、板金による一体成形品で構成され、矩形の平板形状の第2ロック爪本体62Bと、第2ロック爪本体62Bに備えられる鉤状の爪部64Bと、第2ソレノイド68Bのプランジャ68bへの連結部65Bと、を有する。第2ロック爪本体62Bには、レンズ鏡胴30に取り付けるための長孔66Bが2箇所に備えられる。第2ロック爪61Bは、図33及び図34に示すように、第2保持部40のレンズ保持枠43に2本のネジ67Bを介してスライド可能に取り付けられる。また、レンズ保持枠43に取り付けられた第2ロック爪61Bは、その爪部64Bが爪部ガイド溝51Bに嵌入する。詳細な回動軸のロック方法及びロック解除方法は、第1ロック機構と実質的に同一である。
(回動位置検出部)
図35において、投射レンズ3には、第1保持部31に対する第2保持部40の回動位置を検出する第1回動位置検出部70A、及び、第2保持部40に対する第3保持部50の回動位置を検出する第2回動位置検出部70Bが備えられる。
<第1回動位置検出部>
第1回動位置検出部70Aは、第2保持部40の回動位置として、0°、0°〜45°、45°〜90°、90°、90°〜135°、135°〜180°、180°の7の回動位置(回動範囲を含む)を検出する。なお、更に細かい範囲で回動位置を検出できるようにすることもできる。たとえば、45°及び135°についても、独立して検出するようにしてもよい。
第1回動位置検出部70Aは、いわゆる光学式アブソリュートエンコーダで構成され、回動位置に応じて異なる符号が割り当てられた第1光学スケール71Aと、第1光学スケール71Aを読み取る第1読取センサ72Aと、を備える。
第1光学スケール71Aは、第1保持部31の固定枠32の外周部に円周方向に沿って配置される。図38は、第1光学スケールの概略構成を示す平面展開図である。第1光学スケール71Aは、反射部(図38の白色部分)と無反射部(図38の黒色部分)との組み合わせによって、回動位置に応じた符号が割り当てられる。本例では、3本のトラックによって、3ビットの符号が回動位置に応じて割り当てられている。
第1読取センサ72Aは、第2保持部40の第1回動枠41に備えられ、第1光学スケール71Aに対向して配置される。第1読取センサ72Aは、光源と光センサを一列に並べた構造を有し、光源から第1光学スケール71Aに光を照射し、その反射光を光センサで受光して、第1光学スケール71Aを読み取る。より具体的には、光のオン、オフを検出して、そのオン、オフに応じた信号を出力する。出力される信号は、第2保持部40の回動位置に応じた信号となる。
第2保持部40は、収納状態を基準として、反時計回りに90°、時計回りに90°の範囲で回動する。また、第2保持部40は、収納状態の位置(図7及び図19参照)、収納状態から反時計回りに90°させた位置(図8及び図20参照)、及び、収納状態から時計回りに90°させた位置(図9及び図21参照)の各位置でロックされる。第1回動位置検出部70Aは、第2保持部40を収納状態から反時計回りに90°させた位置(図8及び図20参照)を0°とし、0°の位置から時計回りに回動する回動方向を正の回動方向として、第1保持部40の回動位置を検出する。したがって、収納状態の位置(図7及び図19参照)では90°と検出し、収納状態から時計回りに90°させた位置(図9及び図21参照)では180°と検出する。
<第2回動位置検出部>
第2回動位置検出部70Bは、第3保持部50の回動位置として、0°、0°〜45°、45°〜90°、90°、90°〜135°、135°〜180°、180°、180°〜225°、225°〜270°、270°、270°〜315°、315°〜360°の12の回動位置(回動範囲を含む)を検出する。なお、更に細かい範囲で回動位置を検出できるようにすることもできる。たとえば、45°、135°、225°及び315°についても、独立して検出するようにしてもよい。
第2回動位置検出部70Bは、第1回動位置検出部70Aと同様に光学式アブソリュートエンコーダで構成され、回動位置に応じて異なる符号が割り当てられた第2光学スケール71Bと、第2光学スケール71Bを読み取る第2読取センサ72Bと、を備える。検出方法の詳細は、第1回動位置検出部70Aと実質的に同様である。
なお、第1回動位置検出部70A及び第2回動位置検出部70Bは、光学式アブソリュートエンコーダに限らず、例えば、回動角、移動量等を電圧信号として出力するポテンショメータ等も使用することができる。
[レンズシフト機構]
投射装置本体2には、レンズシフト機構80が備えられる。レンズシフト機構80は、投射装置本体2に対して投射レンズ3を移動させて、投射レンズ3の光軸をシフトさせる。より具体的には、第1光軸Z1と直交する面内で投射レンズ3を移動させて、投射レンズ3の光軸をシフトさせる。
<レンズシフト機構の構成>
図40は、投射装置本体を横置きした場合のレンズシフト機構の概略構成を示す正面図である。同図において、矢印Xで示す方向は、投射装置本体2を横置きした場合の左右方向(横方向及び水平方向と同義)であり、矢印Yで示す方向は、投射装置本体2を横置きした場合の上下方向(縦方向及び鉛直方向と同義)である。
レンズシフト機構80は、ベース板81と、第1スライド板82と、第2スライド板83(図35も参照)と、第1スライド板駆動機構84と、第2スライド板駆動機構85と、を備える。
ベース板81は、投射装置本体2に固定される。ベース板81には第1スライド板82が取り付けられ、第1スライド板82には第2スライド板83が取り付けられる。第2スライド板83には、マウント部83Mが一体的に備えられる。マウント部83Mは、投射レンズ3の取り付け部である。投射レンズ3は、レンズ鏡胴30の第1保持部31に備えられたフランジ部32Aをマウント部83Mにネジで締結することにより、レンズシフト機構80に取り付けられ、投射装置本体2に接続される。投射装置本体2に接続された投射レンズ3は、その第1光軸Z1が、投射装置本体2の筐体正面部14Aに対して直交して配置される。
図41は、ベース板に対する第1スライド板の支持構造を示す正面図である。
同図に示すように、ベース板81には、平行な2本の第1スライドレール81Cが備えられる。2本の第1スライドレール81Cは、ベース板81と平行、かつ、水平方向に対して45°傾いて配置される。第1スライド板82は、この第1スライドレール81Cに沿ってスライド自在に保持される(以下、第1スライド板82の移動方向、すなわち、第1スライドレール81Cの長手方向を第1方向αと称する)。
図42は、第1スライド板に対する第2スライド板の支持構造を示す正面図である。
同図に示すように、第1スライド板82には、平行な2本の第2スライドレール82Cが備えられる。2本の第2スライドレール82Cは、第1スライド板82と平行、かつ、第1方向αに対して直交して配置される。第2スライド板83は、この第2スライドレール82Cに沿ってスライド自在に保持される(以下、第2スライド板83の移動方向、すなわち、第2スライドレール82Cの長手方向を第2方向βと称する)。
図40、図41、図42に示すように、ベース板81、第1スライド板82及び第2スライド板83には、それぞれベース開口81A、第1開口82A、第2開口83Aが備えられる。ベース開口81A、第1開口82A及び第2開口83Aは、それぞれ投射する画像光の光路を開放するために設けられる。ベース開口81A、第1開口82A及び第2開口83Aは、それぞれ第1スライド板82及び第2スライド板83のスライドに伴ってレンズ鏡胴30が移動しても画像光の光路を遮らないように、位置、大きさ及び形状が決定される。
また、第1スライド板82には、第1スライド板駆動機構84と連結される第1溝部82Bが備えられ、第2スライド板83には、第2スライド板駆動機構85と連結される第2溝部83Bが備えられる。
図43は、第1スライド板駆動機構の概略構成を示す正面図である。
同図に示すように、第1スライド板駆動機構84は、第1シフトモータ86と、第1回動軸87と、第1移動コマ88と、を備える。第1スライド板駆動機構84の各部は、ベース板81に取り付けられる。
第1シフトモータ86は、例えば、ステッピングモータで構成される。第1シフトモータ86は、第1駆動軸86Aを有する。第1駆動軸86Aは、第1方向αと直交して配置される。
第1回動軸87は、第1シフトモータ86の第1駆動軸86Aと直交して配置され、かつ、第1方向αと平行に配置される。第1回動軸87には、雄ネジで構成された第1ネジ部87Aが備えられる。
第1回動軸87及び第1駆動軸86Aは、第1ウォームギア89によって回動伝達可能に連結される。第1ウォームギア89は、第1駆動軸86Aに設けられた第1ウォーム89Aと、第1回動軸87に設けられた第1ウォームホイール89Bと、で構成される。第1シフトモータ86が回動すると、第1駆動軸86Aの回動が、第1ウォームギア89を介して、第1回動軸87に伝達され、第1回動軸87が回動する。
第1移動コマ88は、第1移動コマ本体88A及び第1連結部88Bを備える。第1移動コマ本体88Aは、筒形状を有し、内周部に雌ネジ部を有する。第1移動コマ88は、この雌ネジ部を第1回動軸87の第1ネジ部87Aにネジ結合させることにより、第1回動軸87に取り付けられる。第1回動軸87に取り付けられた第1移動コマ88は、第1移動コマ本体88Aが第1スライド板82の上を摺動し、回動が規制される。第1連結部88Bは、第1スライド板82に備えられた第1溝部82Bに嵌合可能な突起部として、第1移動コマ本体88Aから突出して設けられる。第1移動コマ88は、この第1連結部88Bが第1溝部82Bに嵌合することにより、第1スライド板82と連結される。
以上の構成の第1スライド板駆動機構84は、第1シフトモータ86を駆動して、第1回動軸87を回動させると、第1移動コマ88が、第1回動軸87に沿って移動する。そして、この第1移動コマ88が第1回動軸87に沿って移動することにより、第1スライド板82が第1方向αに沿ってスライドする。第1スライド板82は、第1シフトモータ86を正回動させると、第1方向αの+方向(図41において右上方向)にスライドし、第1シフトモータ86を逆回動させると、第1方向αの−方向(図41において左下方向)にスライドする。
図44は、第2スライド板駆動機構の概略構成を示す正面図である。
同図に示すように、第2スライド板駆動機構85は、第2シフトモータ90と、第2回動軸91と、第2移動コマ92と、ベース板81、第2シフトモータ90、第2駆動軸90A、第2回動軸91、第2ネジ部91A、第2ウォームギア93、第2ウォーム93A、第2ウォームホイール93Bを備える。第2スライド板駆動機構85の機構は、第1スライド板駆動機構84の機構と実質的に同一である。また、第2スライド板駆動機構85の各部材の詳細は、対応する第1スライド板駆動機構84の各部材と実質的に同一である。
<レンズシフト機構のシフト動作>
以上のように構成されるレンズシフト機構80は、第1シフトモータ86及び第2シフトモータ90の駆動を制御することにより、投射レンズ3を第1光軸Z1と直交する面内でシフトさせる。
例えば、投射レンズ3を上方向にシフトさせる場合は、第1シフトモータ86及び第2シフトモータ90を同じ量だけ正回動させる。これにより、第1スライド板82が第1方向αの+方向(図40において右上方向)、第2スライド板83が第2方向βの+方向(図40において左上方向)にそれぞれスライドし、投射レンズ3が上方向にシフトする。
また、例えば、投射レンズ3を下方向にシフトさせる場合は、第1シフトモータ86及び第2シフトモータ90を同じ量だけ逆回動させる。これにより、第1スライド板82が第1方向αの−方向(図40において右下方向)、第2スライド板83が第2方向βの−方向(図40において左下方向)にそれぞれスライドし、投射レンズ3が下方向にシフトする。
また、例えば、投射レンズ3を右方向にシフトさせる場合は、第1シフトモータ86を正回動させ、かつ、第2シフトモータ90を同じ量だけ逆回動させる。これにより、第1スライド板82が第1方向αの+方向(図40において右上方向)にスライドし、かつ、第2スライド板83が第2方向βの−方向(図40において左下方向)に同じ量だけスライドして、投射レンズ3が右方向にシフトする。
また、例えば、投射レンズ3を左方向にシフトさせる場合は、第1シフトモータ86を逆回動させ、かつ、第2シフトモータ90を同じ量だけ正回動させる。これにより、第1スライド板82が第1方向αの−方向(図40において右下方向)にスライドし、かつ、第2スライド板83が第2方向βの+方向(図40において左上方向)に同じ量だけスライドして、投射レンズ3が左方向にシフトする。
[投射装置の電気的な内部構成]
図45は、投射装置の電気的な内部構成の実施形態を示すブロック図である。
図45に示すように、投射装置1の投射レンズ3には、フォーカス駆動部110、ズーム駆動部120、ロック機構60、ロック解除操作部11、表示部150、第1回動位置検出部70A、及び第2回動位置検出部70Bが備えられる。なお、投射レンズ3の各光学系及び保持部は省略されている。
投射装置1の投射装置本体2には、前述した本体操作部6、電源コネクタ9、光源部20、及びDMD22Bの他に、CPU(Central Processing Unit)210、本体姿勢検出部23、記憶部240、投射画像出力部250、OSD(On Screen Display)画像出力部252、表示制御部254、レンズシフト機構80、シフト制御部262、光源制御部270、及び電源制御部280等が設けられている。
フォーカス駆動部110は、フォーカスモータ58及びその駆動回路を含み、CPU210からのフォーカス指令に基づいて、フォーカスモータ58を駆動する(図33参照)。そして、図35において、フォーカス駆動部110は、第3光学系第2レンズ群G32を第3光軸Z3に沿って移動させる。これにより、投射レンズ3から投射対象面(スクリーン等)に投射される投射画像のフォーカスが調節される。
ズーム駆動部120は、ズームモータ38及びその駆動回路を含み、CPU210からのズーム指令に基づいて、ズームモータ38を駆動する(図33参照)。そして、図35において、ズーム駆動部120は、第1光学系第2レンズ群G12、第1光学系第3レンズ群G13及び第1光学系第4レンズ群G14を第1光軸Z1に沿って移動させる。これにより、投射レンズ3から投射対象面に投射される投射画像の画角(ズーム倍率)が調節される。
ロック機構60は、前述したように、第2保持部40の回動をロックして、投射レンズ3の第1回動軸θ1回りの回動をロックする第1ロック機構60Aを有する。また、ロック機構60は、第3保持部50の回動をロックして、投射レンズの第2回動軸θ2回りの回動をロックする第2ロック機構60Bと、を有する。第1ロック機構60Aは、CPU210からのロック解除指令(第1ロック解除信号)に基づいて、第1ソレノイド68Aを駆動する。そして、第1ソレノイド68Aにより、第1ロック爪61Aの爪部64Aを第1ロック溝部32Eから退避させて、第2保持部40のロックを解除する。第2ロック機構60Bは、CPU210からのロック解除指令(第2ロック解除信号)に基づいて、第2ソレノイド68Bを駆動する。そして、第2ソレノイド68Bにより、第2ロック爪61Bの爪部64Bを第2ロック溝部51Cから退避させて、第3保持部50のロックを解除する。
ロック解除操作部11は、第1ロック機構60Aによる第2保持部40のロックを解除する第1ロック解除スイッチ11Aと、第2ロック機構60Bによる第3保持部50のロックを解除する第2ロック解除スイッチ11Bとを有している。
図1において、第1ロック解除スイッチ11Aがオン(ワンプッシュ)されると、第1ロック解除スイッチ11Aから第1ロック解除指令信号がCPU210に出力される。CPU210は、第1ロック解除スイッチ11Aから第1ロック解除指令信号を入力すると、一定期間(例えば、10秒間)、第1ロック機構60Aによるロックを解除する第1ロック解除信号を第1ロック機構60Aに出力する。第1ロック機構60Aは、第1ロック解除信号を入力すると、第1ソレノイド68Aを駆動し、第2保持部40のロックを解除する。
同様に、第2ロック解除スイッチ11Bがオンされると、第2ロック解除スイッチ11Bから第2ロック解除指令信号がCPU210に出力される。CPU210は、第2ロック解除スイッチ11Bから第2ロック解除指令信号を入力すると、一定期間(例えば、10秒間)、第2ロック機構60Bによるロックを解除する第2ロック解除信号を第2ロック機構60Bに出力する。第2ロック機構60Bは、第2ロック解除信号を入力すると、第2ソレノイド68Bを駆動し、第3保持部50のロックを解除する。
表示部150は、ロック解除操作部11(第1ロック解除スイッチ11A及び第2ロック解除スイッチ11B)のキートップに設けられたLED(Light Emitting Diode)であり、白色光、赤色光の発光が可能なものである。CPU210は、白色光の点灯、点滅、赤色光の点灯、点滅させる表示制御信号を表示部150に出力し、投射レンズ3の第2保持部40、第3保持部50のロック状態、アンロック状態及び警告等を報知する。なお、表示部150の表示制御の詳細については後述する。
第1回動位置検出部70Aは、第2保持部40の回動位置を検出する。前述したように、第1回動位置検出部70Aは、第2保持部40の回動位置として、0°、0°〜45°、45°〜90°、90°、90°〜135°、135°〜180°、180°の7の回動位置(回動範囲を含む)を検出する。第2保持部40は、0°〜180°の範囲内で回動することができ、前述したように、0°、90°、180°の3箇所でロック状態(第2保持部40の回動状態が特定状態)となる。図1に示す第2保持部40の回動位置は、90°であり、図1上で、第1回動軸θ1(図5)を中心にして時計回りに回動する回動方向を正の角度としている。
第2回動位置検出部70Bは、第3保持部50の回動位置を検出する。前述したように、第2回動位置検出部70Bは、第3保持部50の回動位置として、0°、0°〜45°、45°〜90°、90°、90°〜135°、135°〜180°、180°180°〜225°、225°〜270°、270°、270°〜315°、315°〜360°の12の回動位置(回動範囲を含む)を検出する。第3保持部50は、エンドレスで回動することができ、前述したように、0°(=360°)、90°、180°、270°の4箇所でロック状態(第3保持部50の回動状態が特定状態)となる。図1に示す第3保持部50の回動位置は、0°であり、図1の右側から見て、第2回動軸θ2を中心にして時計回りに回動する回動方向を正の角度としている。
第2保持部40がロック状態となる3箇所の特定状態と、第3保持部50がロック状態となる4箇所の特定状態とを組み合わせると、図7から図18に示したように、投射レンズ3は、投射装置本体2に対して12通りのロック状態(特定状態)をとり得る。特に、第2保持部40の回動位置が90°、第3保持部50の回動位置が0°の場合のロック状態(特定状態)は、図7に示すように、投射レンズ3が投射装置本体2の窪み部15に収納される収納状態となる。
図7から図18は、投射レンズ3の12通りのロック状態の投射装置1を示す斜視図であり、特に投射装置本体2を横置きとした場合に関して示しているが、図19から図30は、投射装置本体2を縦置きとした場合に関して示している。
なお、投射レンズ3は、第2保持部40及び第3保持部50の回動位置により投射装置1に対して任意の姿勢をとり得る。一方で、投射レンズ3の「特定姿勢」は、12通りのロック状態に対応する12通りである。
図45に戻って、第1回動位置検出部70A及び第2回動位置検出部70Bによりそれぞれ検出された第2保持部40の回動位置を示す第1回動位置信号、及び第3保持部50の回転位置を示す第2回動位置信号は、それぞれCPU210に出力される。
投射装置本体2に設けられた本体操作部6は、電源スイッチ6A、MENUキー6B、十字キー6C、ENTERキー6D、BACKキー6E等を含む。
MENUキー6Bは、スクリーン上に投射する投射画面上にメニューを表示させる指令を行うための操作キーである。十字キー6Cは、上下左右の4方向の指示を入力する操作キーであり、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示したりするボタン(カーソル移動操作手段)として機能する。また、十字キー6Cは、選択されたメニューの内容に応じて各種の指示入力を行うマルチファンクションキーとして機能する。
本体姿勢検出部23は、投射装置本体2の姿勢(横置き、縦置き等)を検出するセンサであり、例えば、重力方向に対する投射装置本体2の傾斜角を計測する加速度センサにより構成することができる。本体姿勢検出部23は、計測により得られた投射装置本体2の傾斜角を示す角度信号をCPU210に出力する。なお、本体姿勢検出部23は、投射装置本体2の横置き、縦置きの2位置を検出するセンサでもよい。
図45において、記憶部240は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュROM等を含む。CPU210は、記憶部240のROMに格納された制御プログラム、ROM又はフラッシュROMに格納されているテーブルやパラメータに基づいて、RAMを作業領域として投射装置1の各部を統括制御する。
図31において、映像表示部22を構成するDMD22Bには、光源部20のカラーホイール24を介して赤、緑、青の3原色(又は赤、緑、青、黄)の光が時分割で入射する。そして、DMD22Bは、表示制御部254から時分割で切り替わる各色に対応する映像信号により光変調を行うことで映像を出射する。各色の映像を高速に切り替えることで、残像現象で人間の目にはカラー映像として認識される。なお、電気光学素子としてDMD22Bを挙げたが、これに限定されず、LEDパネル、有機発光パネル又は液晶パネルを用いてもよい。その際には全反射プリズム22Aではなく、ダイクロイックプリズムを用いてもよい。
投射画像出力部250には、パーソナルコンピュータ等の外部機器からHDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)端子等の映像入力端子10(図4参照)を通じて映像信号が入力される。投射画像出力部250は、CPU210による制御にしたがって映像入力端子10から入力した映像信号を、投射画像(第1画像)として表示制御部254に出力する。
OSD画像出力部252は、OSD画像として表示されるテキスト情報、図形情報、アイコン画像等を記憶する内部メモリを有し、CPU210からの指示にしたがって内部メモリから必要な情報を読み出し、OSD画像(第2画像)として表示制御部254に出力する。
表示制御部254は、投射画像出力部250から投射画像(第1画像)を入力し、OSD画像出力部252からOSD画像(第2画像)を入力する。また、表示制御部254は、CPU210からの表示制御指令に基づいて投射画像とOSD画像とを個別にDMD22Bに出力し、又は投射画像とOSD画像とを合成した合成画像をDMD22Bに出力する。また、表示制御部254は、投射画像とOSD画像とを適宜回転させてDMD22Bに出力する。なお、投射画像及びOSD画像の回転制御の詳細については後述する。
シフト制御部262は、CPU210から第2保持部40の回動位置を示す第1回動位置信号、第3保持部50の回動位置を示す第2回動位置信号、及び投射装置本体2の傾斜角を示す角度信号を受け取る。そして、これらの入力信号に基づいて、投射画像を移動させる方向(本例では、上下左右の4方向のうちのいずれか1つの方向)を決定する。その後、決定した方向に投射画像を移動させるべく、レンズシフト機構80(図40参照)に移動指令を出力する。
ここで、投射画像を移動させる方向は、例えば、投射画像と投射装置本体2自体又は投射装置本体2が設置されたテーブル等との干渉(投射画像の「ケラレ」)が減る方向に決定する。また、投射レンズ3の移動方向と投射画像の移動方向とは一対一に対応せず、第2保持部40及び第3保持部50の回動位置に応じて変化する。したがって、投射レンズ3を移動させる方向は、第2保持部40及び第3保持部50の回動位置、及び投射装置本体2が横置きか、又は縦置きかを加味して決定する必要がある。なお、レンズシフト機構80の制御の詳細については後述する。
光源部20は、本例ではレーザ光を発光するレーザ光源20Aを有するが、白色光を発光する発光ダイオードや、赤、緑、青の単色光をそれぞれ発光する3つの発光ダイオードを使用してもよい。3つの発光ダイオードを使用する場合には、カラーホイール24は省略することができる。
光源制御部270は、CPU210から第2保持部40の回動位置を示す第1回動位置信号、第3保持部50の回動位置を示す第2回動位置信号、投射装置本体2の傾斜角を示す角度信号、及び本体操作部6により選択された投射モード(第1モード、第2モード)を示すモード情報を受け取る。そして、光源制御部270は、これらの入力信号に基づいて光源部20のレーザ光源20Aの発光、又は非発光を決定し、レーザ光源20Aの発光、又は非発光を制御する。なお、光源制御部270の制御の詳細については後述する。
電源制御部280には電源コネクタ9から電源(商用電源)が供給される。電源制御部280は、電源スイッチ6Aがオンされると、電源コネクタ9から供給される電源からCPU210、投射レンズ3、レンズシフト機構80における各種モータ、ロック機構60(図36参照)のソレノイド、及び光源部20のレーザ光源20A等に供給するための各種の電圧を生成し、投射装置本体2の各部に電源を供給する。
また、電源制御部280は、電源スイッチ6Aがオフされると、投射装置本体2の各部への電源の供給を停止(電源をオフ)するが、電源スイッチ6Aの操作に関わらず、一定の条件の場合に自動的に電源をオフにするオートパワーオフ機能を備えている。なお、電源制御部280の制御の詳細については後述する。
(投射レンズの回動に関する構成)
投射レンズ3の回動に関する構成の概要を説明する。図32〜35について上述したように、投射レンズ3は、第1保持部31と第2保持部40と第3保持部50を備える。第1保持部31は、投射装置本体2(筐体)に接続され、第1光軸Z1(第1光軸)の光が通り、第1光学系G1(光学系)を保持する。第2保持部40は、第1光軸Z1の光が折れ曲がった第2光軸Z2(第2光軸)の光が通り、第2光学系G2(光学系)を保持する。第3保持部50は、第2光軸Z2の光が折れ曲がった第3光軸Z3(第3光軸)の光が通り、第3光学系G3を保持する。第2保持部40は第1保持部31に対して回動し、第3保持部50は第2保持部40に対して回動する。
また、投射レンズ3は、第2保持部40の回動状態を検出する第1回動位置検出部70A(第1検出部)と、第3保持部50の回動状態を検出する第2回動位置検出部70B(第2検出部)と、を有し、第1回動位置検出部70A及び第2回動位置検出部70Bは検出部を構成する。また、投射レンズ3は、第2保持部40の回動をロック状態又はロック解除状態にする第1ロック機構60Aと、第3保持部50の回動をロック状態又はロック解除状態にする第2ロック機構60Bと、を有する。第1ロック機構60A及び第2ロック機構60Bはロック機構60(ロック機構部)を構成する。これらの回動に関する構成の詳細は、図32〜35について上述した通りである。
(保持部のロック、及びロックに関連した電源及び光源の制御)
保持部の回動のロック及びロック解除、及びこれらに関連した電源及び光源の制御について説明する。図46,47はロック及びロック解除、電源オン、光源オンに関する制御の手順を示すフローチャートである。なお、図46,47では、投射レンズ3(投射レンズ)が収納状態で電源及び光源がオフされた状態から処理を開始する場合について説明する。「収納状態」とは、投射レンズ3が投射装置本体2(筐体)の窪み部15の内壁面15Aに設けられた凹部15aに収容され、投射レンズ3の最終レンズ群である第3光学系第3レンズ群G33が凹部15a(筐体)に対向して収納された状態(第1位置)である(図1〜7を参照)。この収納状態において、レンズカバー18(カバー部材)のレンズカバー正面部18A(側面)、レンズカバー右側面部18D(側面)、レンズカバー上面部18E(側面)及びレンズカバー底面部18F(側面)が、それぞれ投射装置本体2(筐体14)の筐体正面部14A(側面)、筐体右側面部14D(側面)、筐体上面部14E(側面)及び筐体底面部14F(側面)と略同一平面上に存在する。そして、これらの部分は投射装置本体2(筐体14)と共に扁平な直方体状の形状(直方体)を構成する(図1〜7を参照)。
処理が開始すると、電源制御部280は、電源オン操作(電源スイッチ6Aをオンする操作)がされたか否か判断する(ステップS100)。ステップS100の判断が肯定されるとステップS102に進み、ロック機構60(ロック機構部)は第2保持部40及び第3保持部50がロック状態であるか否かを判断する。電源制御部280は、第2保持部40及び第3保持部50がロック状態である場合(ステップS102でYES)は電源をオンし(ステップS104)、ロック状態でない場合(ステップS102でNO.)は電源をオンせずに(ステップS106)ステップS102へ戻る。
ステップS104で電源がオンされた際に、ロック機構60は、第1ロック解除スイッチ11A(ロック解除スイッチ)及び第2ロック解除スイッチ11B(ロック解除スイッチ)に設けられたLED(表示部150;ランプ)を例えば白色光で点滅させる(ステップS108)。これにより、ユーザはロック解除スイッチを操作すべきことを容易に把握することができる。言い換えれば、ロック機構60は、投射装置1の電源がオンされても、各保持部の回動のロック状態を維持している。
第1ロック解除スイッチ11Aが入力(操作)された場合(ステップS110でYES)、第2ロック機構60B(第2ロック機構部)は第3保持部50のロックを解除不可とし(ステップS112)、第1ロック機構60A(第1ロック機構部)は第2保持部40のロックを解除する(一定期間はロック解除状態とする;ステップS114)。ロックが解除されると、第1ロック解除スイッチ11AのLEDは点滅を終了し、白色光での点灯を継続する。一方、ロック状態である第3保持部50の第2ロック解除スイッチ11Bは消灯する。これにより、ユーザは第2保持部40がロック解除状態であることを容易に把握することができる。また、第2保持部40が一定期間ロック解除状態なので、ユーザはこの期間に第2保持部40の回動操作を行うことができる。なお、ロック機構60は、第2保持部40と第3保持部50の両方を同時にロック解除することはない(一方がロック解除状態である場合、他方をロック状態とする)。このため、2軸が同時に回動可能な状態になり意図せぬ回動が起きるのを防止することができる。
第1回動位置検出部70A及び第2回動位置検出部70Bはそれぞれ第2保持部40,第3保持部50の回動状態を検出し、投射レンズ3が収納状態(第1位置)であるか否かを判断する(ステップS116)。投射レンズ3が回動されておらず収納状態のままである場合(ステップS116でYES)、光源制御部270はレーザ光源20A(光源)をオンせず(ステップS124)、ユーザに警告を通知する(ステップS126)。ステップS126での警告は、例えばロック機構60(第1ロック機構60A、第2ロック機構60B)が第1ロック解除スイッチ11A及び第2ロック解除スイッチ11BのLEDを白色光で点滅させることにより行うことができる。一方、ステップS126の警告において、投射装置1は、点滅に代えて、または点滅に加えて表示部150が図示せぬ電子回路等のデバイスによりビープ音等の警告音を発生させてもよい。この警告状態は、ステップS116の判断がYESである間(投射レンズ3が収納状態である間)継続する。
投射レンズ3の回動状態が収納状態以外に変位すると(投射レンズ3は収納状態である第1位置と、第1位置以外の第2位置とに変位可能である)ステップS116の判断が否定され、さらに第2保持部40が特定状態(後述)となってロックされるとステップS118の判断が肯定される。この状態で、ロック機構60は第3保持部50のロックを解除可能とし(ステップS120)、光源制御部270はレーザ光源20A(光源)をオンする(ステップS122)。一方、第2保持部40がロックされない場合(例えば、回動状態が、ロックが可能な特定状態になっていない場合;ステップS118でNO.)は、光源制御部270はレーザ光源20Aをオンせず(ステップS128)、例えばLEDの赤色光での点滅やビープ音により警告を通知して(ステップS130)ステップS118に戻る。なお、「ロックを解除可能」とは、ユーザがロック解除スイッチ(第1ロック解除スイッチ11A又は第2ロック解除スイッチ11B)を入力(操作)すればロックが解除される状態であり、「ロックを解除不可」とは、ロック解除スイッチを入力してもロックが解除されない状態である。
図47において、ステップS110で第1ロック解除スイッチ11Aが入力(操作)されておらず第2ロック解除スイッチ11Bが入力されている場合(ステップS132でYES)、第1ロック機構60Aは第2保持部40のロックを解除不可とし(ステップS134)、第2ロック機構60Bが第3保持部50のロックを解除する(ロック解除状態とする;ステップS136)。ロックが解除されるとLEDの点滅が終了し、ロックが解除された第3保持部50の第2ロック解除スイッチ11Bは、例えば白色光での点灯を継続する。一方、ロック状態である第2保持部40の第1ロック解除スイッチ11Aは消灯する。これにより、ユーザは第3保持部50がロック解除状態であることを容易に把握することができる。第3保持部50が一定期間ロック解除状態なので、ユーザはこの期間に第3保持部50の回動操作を行うことができる。なお、第2ロック解除スイッチ11Bも入力されていない場合(ステップS132でNO.)は、ステップS108へ戻る。
第3保持部50のロック解除後、第1回動位置検出部70A(検出部)及び第2回動位置検出部70B(検出部)はそれぞれ第2保持部40,第3保持部50の回動状態を検出して投射レンズ3が収納状態であるか否かを判断する(ステップS138)。判断が肯定された場合(収納状態である場合)、光源制御部270はレーザ光源20A(光源)をオンせず(ステップS146)、例えばLEDの白色光での点滅やビープ音によりユーザに警告を通知して(ステップS148)ステップS138に戻る。ステップS138の判断が否定された場合(収納状態でない場合)、第3保持部50が特定状態(後述)となりロックされる(ステップS140でYES)。そして、ロック機構60は第2保持部40のロックを一定期間解除可能とし(ステップS142)、光源制御部270はレーザ光源20Aをオンする(ステップS144)。一方、第3保持部50がロックされない場合(例えば、回動状態が、ロック可能な特定状態でない場合;ステップS140でNO.)は、光源制御部270はレーザ光源20Aをオンせず(ステップS150)、例えばLEDの赤色光での点滅やビープ音により警告を通知して(ステップS152)ステップS140に戻る。
<ロックに関する制御の効果>
以上説明したように、投射レンズ3が回動可能な状態で電源オンされないため、ユーザのロック解除指示がなく各保持部は回動することが出来ない。よって、ユーザの意図せぬ回動をするのを防止でき、投射レンズ3の回動状態を適切に制限することができる。すなわち、投射レンズの回動に関する制御を適切に行うことができる。加えて、図51のS218で説明する通り、保持部が特定状態以外の状態では、投射装置は電源オフすることが出来ない。よって、電源オンした際には、投射レンズ3の回動はロックされた状態にすることが出来る。
また、投射レンズ3が収納状態(第1位置)の状態で光源がオンになると、出射された光が投射装置本体2の凹部15aに当たり、温度が上昇して投射装置1の動作に悪影響を及ぼすおそれがあるが、上述のように制御することにより、このような悪影響を防止することができる。また、第1ロック解除スイッチ11A、第2ロック解除スイッチ11Bが入力されるということは、回動状態の変更や投射方向の設定等ユーザが投射装置1の使用準備をしていると考えられるので、光源のオンはこれらロック解除スイッチの入力に応じて行う。
(特定状態におけるロック)
第2保持部40及び第3保持部50は、回動状態が特定状態になった場合にロックされる。言い換えれば、第2保持部40及び第3保持部50は、特定状態以外の状態ではロックが解除された状態となる。このようなロックの制御について説明する。図48は保持部のロックに関する処理を示すフローチャートである。本体姿勢検出部23(第3検出部)は、投射装置1の重力に対する方向(姿勢;横置きか縦置きか、あるいはそれ以外か)を検出する。(ステップS160)。第1回動位置検出部70A及び第2回動位置検出部70Bは、第2保持部40、第3保持部50の回動状態をそれぞれ検出する(ステップS162)。投射装置1が横置きの状態、縦置きの状態はそれぞれ図7〜18、図19〜30に示す通りである。ロック機構60(第1ロック機構60A;ロック機構部)は第2保持部40がロック解除状態か否かを判断する(ステップS164)。ロック解除状態である場合(ステップS164でYES)は第3保持部50をロック解除不可(第2ロック解除スイッチ11Bを入力してもロック解除されない)とする(ステップS166)。
ロック機構60、第1ロック機構60A(ロック機構部)は、ステップS162で検出した第2保持部40の回動状態に基づいて、第2保持部40が特定状態にあるか否かを判断する(ステップS168)。「第2保持部40が特定状態にある」とは、第2保持部40の回転位置が0°、90°、180°のいずれかの場合である。第2保持部40がこの「特定状態」にある場合(ステップS168でYES)、第1ロック機構60Aは図36について上述したように、第2保持部40をロック出来る(ステップS170)。そして、第2ロック機構60Bは、第3保持部50をロック解除可能(第2ロック解除スイッチ11Bを入力することにより解除可能な状態)とする。第2保持部40が「特定状態」にない場合(ステップS168でNO.)、第1ロック機構60Aは第2保持部40をロック出来ない。なお、「第2保持部40が特定状態にある」のに加えて、投射装置1の重力に対する方向が特定状態(縦置き又は横置き)である場合に第2保持部40をロックしてもよい。
一方、ステップS164の判断がNO.の場合(第2保持部40がロック解除状態でない場合、即ちロック状態である場合)、ロック機構60(第2ロック機構60B;ロック機構部)は第3保持部50がロック解除状態か否かを判断する(ステップS174)。判断がNO.の場合は第2保持部40と第3保持部50の双方がロック状態なので、警告を通知する(ステップS184)。警告の内容としては、図46のステップS102について上述したように、第1ロック解除スイッチ11A、又は第2ロック解除スイッチ11Bの入力を促すものである。
第3保持部50がロック解除状態である場合(ステップS174でYES)、第1ロック機構60A(ロック機構部)は第2保持部40をロック解除不可とする(ステップS176)。ロック機構60、第2ロック機構60B(ロック機構部)は、ステップS162で検出した第3保持部50の回動状態に基づいて、第3保持部50が特定状態にあるか否かを判断する(ステップS178)。「第3保持部50が特定状態」とは、第3保持部50の回転位置が0°、90°、180°、270°のいずれかの場合である。第3保持部50が「特定状態」にある場合(ステップS178でYES)、第2ロック機構60Bは、第3保持部50をロックする(ステップS180)。そして、第1ロック機構60Aは第2保持部40をロック解除可能(第1ロック解除スイッチ11Aを入力することにより解除可能な状態)とする。第3保持部50が特定状態にない場合、第2ロック機構60Bは第3保持部50をロックしない。なお、「第3保持部50が特定状態にある」のに加えて、投射装置1の重力に対する方向が特定の状態(縦置き又は横置き)である場合に第3保持部50をロックしてもよい。
<特定状態でロックすることの効果>
以上説明したように、第2保持部40及び第3保持部50は、それぞれ特定状態である場合にロックされ、またこれら保持部は同時にロック解除されることがない(一方がロック解除状態である場合、他方をロック状態とする)ので、回動状態を適切に制限し、予期せぬ回動等による悪影響を防止することができる。すなわち、投射レンズの回動に関する制御を適切に行うことができる。なお、「第2保持部40及び第3保持部50が特定状態にある」のに加えて、投射装置1の重力に対する方向が特定の状態(縦置き又は横置き)である場合に第2保持部50及び/又は第3保持部50をロックしてもよい。
(不安全状態におけるロック解除の制限)
不安全状態におけるロック解除の制限について説明する。図49は、ロック解除を制限する処理についてのフローチャートである。ロック機構60はロック解除操作(第1ロック解除スイッチ11A、第2ロック解除スイッチ11Bの入力)がされたか否かを判断する(ステップS190)。本体姿勢検出部23(第3検出部)は、投射装置1の重力に対する方向(設置状態)を検出し(ステップS192)、横置きか縦置きかを判断する(ステップS194)。投射装置1が横置きの状態、縦置きの状態はそれぞれ図7〜18、図19〜30に示す通りである。
縦置きの場合(ステップS164でNO.)はロック解除不可の状態はないので、処理を終了する。横置きの場合(ステップS194でYES)、第1回動位置検出部70A及び第2回動位置検出部70Bは第2保持部40、第3保持部50の回動状態をそれぞれ検出する(ステップS196)。そして、ロック機構60(第1ロック機構60A、第2ロック機構60B:ロック機構部)は第2保持部40及び第3保持部50が不安全状態か否かを判断する(ステップS198)。ステップS198における「不安全状態」は、例えば第2保持部40の回転位置が0°、第3保持部50の回転位置が90°の状態(図10参照)である。この判断が肯定されたら、ロック機構60は第2保持部40のロックを解除不可とする(ステップS200)。この状態で第2保持部40のロックを解除不可とすることにより、第2保持部40が回動して最終レンズである第3光学系第3レンズ群G33(出射光学系)が設置面等に衝突するのを防止することができる。なお、「第2保持部40を解除不可」とは、第1ロック解除スイッチ11Aを入力してもロックが解除されない状態である。
ステップS200で第2保持部40のロックを解除不可とすると、ロック機構60、OSD画像出力部252、及び表示制御部254は解除不可である理由又は解除する方法を通知する(ステップS202)。具体的には、例えばOSD画像により通知することができる。図50はOSD画像による通知の例を示す図であり、同図の(a)部分は投射画像98と合成したOSD画像99Aにより解除不可である理由(「この位置で軸1のレンズ回転はできません」)を表示した例である。また同図の(b)部分はOSD画像99Bにより解除する方法を表示した例である(図10の状態から第3保持部50を他の角度に回動させれば、衝突のおそれがなくなるため第2保持部40のロックを解除することができる)。なお、解除不可である理由と解除する方法の両方を表示してもよい。このような表示により、ユーザはロックを解除出来ない理由又は解除する方法を容易に把握することができる。なお、上述した状態(第2保持部40の回転位置が0°、第3保持部50の回転位置が90°の状態)以外の他の「不安全状態」において第2保持部40のロックを解除不可とする場合、及びさらに他の「不安全状態」において第3保持部50のロックを解除不可とする場合も同様に制御を行うことができる。
以上説明したように、投射装置1(投射装置)及び投射レンズ3(投射レンズ)によれば、投射レンズの回動に関する制御(投射レンズの回動状態、及び回動状態に関連した電源、光源、及び保持部のロック状態の制御)を適切に行うことができる。
(収納状態における投射装置の形状等)
投射装置1は、収納状態において、レンズカバー18(カバー部材)のレンズカバー正面部18A(側面)、レンズカバー右側面部18D(側面)、レンズカバー上面部18E(側面)及びレンズカバー底面部18F(側面)が、それぞれ投射装置本体2(筐体)の筐体正面部14A(側面)、筐体右側面部14D(側面)、筐体上面部14E(側面)及び筐体底面部14F(側面)と略同一平面上に存在する。そして、これらの部分は投射装置本体2と共に扁平な直方体状の形状(直方体)を構成する(図1〜7を参照)。これにより投射装置1を安定した状態で設置、収納することができ、また一方の面が突出して衝突、破損等するのを防止することができる。また、直方体状なので設置、収納等が容易である。なお、「直方体状の形状」は幾何学的に完全な直方体に限らず、投射レンズ3と投射装置本体2(筐体)との間に隙間があってもよいし、投射レンズ3あるいは投射装置本体2に横置き用脚部12、縦置き用脚部13や本体操作部6等の突起、電源コネクタ9等の窪みがあってもよい。また、投射レンズ3及び/または投射装置本体2の一部が面取り加工等されていてもよい。また、「同一平面上」は幾何学的に完全な同一平面に限らず、上述したレンズカバー18の各面と投射装置本体2の各面とが投射装置1の設置や収納に支障を来さない範囲でずれていてもよい。
(特定状態でのロック、及び回動状態に関連した光の投射)
保持部の回動状態が特定状態である場合のロック、及び回動状態に関連した光源からの光の投射について説明する。図51は保持部のロック、及び光の投射に関する制御の手順を示すフローチャートである。第1回動位置検出部70A及び第2回動位置検出部70Bは、それぞれ第2保持部40,第3保持部50の回動状態を検出し(ステップS210)、第2保持部40,第3保持部50が特定状態か否かを判断する(ステップS212)。「第2保持部40が特定状態」とは、第2保持部40の回転位置が0°、90°、180°のいずれかの場合であり、「第3保持部50が特定状態」とは、第3保持部50の回転位置が0°(360°)、90°、180°、270°のいずれかの場合である。第2保持部40と第3保持部50のいずれもが特定状態である場合(ステップS212でYES)、第1ロック機構60A(ロック機構部)は第2保持部40をロック状態にし、第2ロック機構60B(ロック機構部)は第3保持部50をロック状態にする(ステップS214)。第2保持部40及び第3保持部50がロック状態にされると、光源制御部270はレーザ光源20A(光源)からの光を投射する(ステップS216)。
一方、第2保持部40及び/又は第3保持部50が特定状態以外である場合(ステップS212でNO.)、ロック機構60(第1ロック機構60A、第2ロック機構60B)は保持部(第2保持部40、第3保持部50)をロック状態にできない。特定状態となる回動角度以外では、ロック機構60の爪部(爪部64A、爪部64B)がロック溝部(第1ロック溝部32E、第2ロック溝部51C)に嵌入しないためである。この場合、ロック解除操作部11(第1ロック解除スイッチ11A,第2ロック解除スイッチ11B)(制御部)は、ロック状態に関する操作を不可とする(ステップS218)。又は、電源制御部280(制御部)は電源をオフにする操作を不可とする(ステップS218)。「ロック状態に関する操作」とは、例えばロックをする操作(ロック状態とする操作)、ロックされている保持部のロックを解除する操作である。
ロック機構60(制御部)、OSD画像出力部252(制御部)、及び表示制御部254(制御部)は、保持部(第2保持部40及び/又は第3保持部50)をロック状態に出来ない理由及び/又は保持部を特定状態にする催促を通知する(ステップS220)。図52は投射画像98と合成したOSD画像99Cによる催促の通知例であり、「この回動状態ではロックできません」のメッセージはロック状態にできない理由の通知例を、「回動軸は90°単位で回転して下さい」のメッセージは保持部を特定状態にする催促の通知例を示している。なお、図52の例では理由及び催促を通知しているが、理由と催促のいずれか一方を通知してもよい。このような通知に従うことにより、ユーザは保持部を速やかにロック状態にすることができる。なお、ステップS220における通知はLEDの点滅やビープ音により行ってもよい。電源をオフにする操作を不可とする場合における、その理由の通知や特定状態にする催促の通知は、上述した、ロック状態を不可とする場合の通知と同様である。
ステップS220での通知後、光源制御部270(制御部)は第1モードと第2モードのいずれに設定されているか否かを判断する(ステップS222)。「第1モード」は特定状態以外の状態の場合にレーザ光源20A(光源)からの光を投射しないモードであり、「第2モード」は特定状態以外の状態の場合に、レーザ光源20Aからの光を投射するモードである。第1モードである場合、投射レンズ3(投射レンズ)は光源制御部270(制御部)の制御によりレーザ光源20A(光源)からの光を投射せず(ステップS224)、第2モードである場合、投射レンズ3(投射レンズ)は光源制御部270(制御部)の制御によりレーザ光源20Aからの光を投射する(ステップS226)。ユーザは本体操作部6の操作により第1モードまたは第2モードを設定でき、これにより回動操作中に投射を行うか否かを任意に設定することができる。特に、本形態の投射装置1は、投射レンズの各保持部を回動させると、投射画像も回動してしまう。この場合、ユーザが、回動中の状態の投射画像を視認したくない場合も想定される。よって、本形態では、ユーザによって2つのモードを切り替えられるようにしている。
なお、上述のように第2保持部40、第3保持部50が特定状態でない場合は電源オフ操作が不可とされる(ステップS218)が、電源コネクタ9に接続された電源ケーブル(不図示)が引抜かれる等の理由により強制的に電源がオフされる場合がある。しかし、図36及び図37の通り、第2保持部40、第3保持部50を特定状態へ回動させることにより爪部(爪部64A、爪部64B)がロック溝部(第1ロック溝部32E、第2ロック溝部51C)に自動的に嵌入する。つまり、ロック機構60は、投射装置1の電源がオフの場合でも、特定状態において各保持部をロック状態にする。
投射装置1では、上述したロック状態の制御及びロック状態に関連した光の投射を行うので、投射レンズの回動に関する制御を適切に行うことができる。
(投射レンズの回動及び移動、及びこれらに関連した電源及び光源の制御)
図53は回動状態及び移動状態に関連して電源及び光源をオフする制御の手順を示すフローチャートである。第1回動位置検出部70A(第1検出部)及び第2回動位置検出部70B(第2検出部)は、それぞれ第2保持部40,第3保持部50の回動状態を検出する(ステップS240)。電源制御部280は電源をオフにする操作(例えば、電源スイッチ6Aに対する操作)が入力されたか否か判断し(ステップS242)、操作が入力された場合(ステップS242でYES)、第1回動位置検出部70A及び第2回動位置検出部70Bは回動状態が基準状態であるか否か判断する(ステップS244)。
回動状態が収納状態である場合(ステップS244でYES)、シフト制御部262(制御部)はレンズシフト機構80(移動機構)を収納位置に移動させる(ステップS246)。これにより投射レンズ3が投射装置本体2(筐体)に対して移動し、投射レンズ3を「収納状態」とする。レンズシフト機構80の「収納位置」とは、レンズカバー18の側面が、筐体14の側面と同一平面上に存在している場合である。また、投射レンズ3の「基準状態」とは、各保持部の回動状態が「収納状態」にあり、レンズシフト機構80(移動機構)が「収納位置」にある場合である。
なお、レンズシフト機構80の移動量が図40〜44において矢印Xで示す方向(投射装置本体2を横置きした場合の左右方向)及び矢印Yで示す方向(投射装置本体2を横置きした場合の上下方向)においてゼロとなる位置を、レンズシフト機構80の「収納位置」とすることができる。
収納位置への移動後、表示制御部254及びOSD画像出力部252(制御部)は、電源及び光源をオフする前に「電源及び光源をオフする」旨のメッセージを通知し(ステップS248)、図45における電源制御部280及び光源制御部270(制御部)が電源及び光源(レーザ光源20A)をそれぞれオフする(ステップS250)。図54は電源及び光源をオフする際のメッセージの通知例を示す図であり、回動状態が基準状態であるため「回動不要です。電源及び光源をオフします」とのメッセージを投射画像98と合成したOSD画像99Dにより表示している。このメッセージは投射レンズ3の回動状態の変更に関する情報の一例であり、また回動状態の収納状態への変更に関する情報の一例(変更が不要である場合の例)である。
シフト制御部262は、電源をオフにする場合、かつ保持部(第2保持部40,第3保持部50)の回動状態が基準状態以外の場合、レンズシフト機構80を移動させない。このため、回動状態が収納状態でない場合(ステップS244でNO.)は、シフト制御部262はレンズシフト機構80を移動させず、表示制御部254及びOSD画像出力部252(制御部)が収納状態への変更を促すメッセージを通知する(ステップS252)。図55は変更を促すメッセージの通知例を示す図であり、「投射レンズを収納状態に回動させて下さい」とのメッセージを投射画像98と合成したOSD画像99Eにより表示している。このメッセージは投射レンズ3の回動状態の変更に関する情報の他の例であり、また回動状態の収納状態への変更に関する情報の他の例(変更が必要である場合の例)である。
なお、図53ではレンズシフト機構80(移動機構)を収納位置に移動させてから電源をオフする場合について説明している(ステップS246〜S250)。しかし、投射レンズ3の回動状態を収納状態に変更する通知を出した後、レンズシフト機構80を収納位置に移動させずに電源オフしてもよい。また、画像が投射されていない場合と投射されている場合とで「電源をオフにする操作」(ステップS242)以降のフロー内容を変えてもよい。例えば、「画像が投射されていない場合は電源スイッチ6Aを1回押したら電源オフ」、「画像が投射されている場合は2回押したら電源オフ」としてもよい。また、回動状態が収納状態で回動部(第2保持部40,第3保持部50)がロック状態になったら自動的に電源をオフすると好ましい。
図56はステップS242で電源オフ操作があった場合のOSD画像99Fの表示例であり、投射レンズの回動状態をそのままで電源オフする場合と、収納状態(基準状態)にして電源オフする場合の操作を示している。同図の(a)部分は投射画像の入力がない場合の表示例であり、(b)部分は投射画像98の入力がある場合の例である。このような表示により、ユーザは操作方法を容易に把握することができる。
(投射レンズの移動に関する制御)
図57は投射レンズ3の移動(シフト)に関する制御の手順を示すフローチャートである。第1回動位置検出部70A(検出部)及び第2回動位置検出部70B(検出部)は、それぞれ第2保持部40,第3保持部50の回動状態を検出する(ステップS260)。この場合、保持部の各回動状態において、投射レンズ3と電気光学素子であるDMD22B(図35参照)は、相対的に移動する。本形態においては、シフト制御部262(制御部)は、保持部(第2保持部40,第3保持部50)の各々の回動状態に対して、レンズシフト機構80(移動機構)によって投射レンズ3を移動させる。シフト制御部262は、投射レンズ3の移動位置の情報を記憶部240に記憶させている。そして、シフト制御部262は、検出部により回動状態を検出した後に、検出した回動状態に対して記憶部240に記憶している移動位置の情報を参照する(ステップS262)。そして、レンズシフト機構80により、投射レンズ3を記憶している移動位置に移動させる(ステップS264)。投射レンズ3が回動状態に応じた移動位置に移動されるので、両者の関係を考慮した適切な制御を行い、回動状態に応じた移動位置に速やかに移動させることができる。
本体操作部6(受付部)がユーザによるレンズシフト機構80(移動機構)の操作を受け付けた場合(ステップS266でYES)、シフト制御部262(制御部)は、受け付けた操作の内容(移動方向及び量)に従ってレンズシフト機構80により投射レンズ3を移動させる(ステップS268)。この場合(ユーザの操作により移動位置が変化した場合)、シフト制御部262(制御部)は、記憶部240に記憶している移動位置の情報を、受け付けた操作の内容に基づいて更新して記憶させる(ステップS270)。移動位置の情報更新により、ユーザは所望の移動位置に投射レンズを移動させることができる。また、情報の更新後は、シフト制御部262は更新して記憶された移動位置に投射レンズ3を移動させることができ、ユーザは使用の度に同様の移動操作を繰り返す必要がない。
なお、上述の形態は、投射レンズ3と電気光学素子の相対的な位置関係を変える例の一つである。例えば、シフト制御部262は、投射レンズ3全体ではなく、投射レンズ3の第2保持部40と第3保持部50のみ(投射レンズ3の一部)を移動させても良い。また、例えば、シフト制御部262は、電気光学素子であるDMD22Bを移動させても良い。
[画像の回転補正の実施形態]
次に、投射画像及びOSD画像の回転補正について説明する。
図58は、CPU210及び表示制御部254による画像の回転補正の実施形態を示すフローチャートである。
図58において、画像の回転補正を行う制御部として機能するCPU210は、第1回動位置検出部(第1検出部)70A及び第2回動位置検出部(第2検出部)70Bからそれぞれ第2保持部40及び第3保持部50の回動位置を示す検出信号を入力する。また、CPU210は、本体姿勢検出部(第3検出部)23から投射装置1の本体部である投射装置本体2の姿勢を示す検出信号を入力する(ステップS300)。
第1回動位置検出部70A及び第2回動位置検出部70Bは、投射レンズ3の姿勢(以下、「レンズ姿勢」という)を示す姿勢情報を取得する姿勢情報取得部として機能し、本体姿勢検出部23は、投射装置本体2の姿勢(以下、「本体姿勢」という)を示す姿勢情報を取得する姿勢情報取得部として機能する。
CPU210は、まず、第1回動位置検出部70A及び第2回動位置検出部70Bから入力する検出信号に基づいて投射レンズ3がロック状態にあるか否かを判別する(ステップS302)。投射レンズ3のロック状態とは、第2保持部40の回動位置が0°、90°、180°、かつ第3保持部50の回動位置が0°、90°、180°、270°であり、さらに第1ロック機構60A及び第2ロック機構60Bによるアンロック動作が解除されている状態である。
第2保持部40の回動位置(0°、90°、180°)、及び第3保持部50の回動位置(0°、90°、180°、270°)の組合せにより、投射レンズ3は12通りのロック状態をとることができる。ここで、投射レンズ3がロック状態となる投射レンズ3の特定の「レンズ姿勢」は、図7から図18に示したように12通り存在する。そして、CPU210は、現在の投射レンズ3が、いずれの特定の「レンズ姿勢」であるかは、第1回動位置検出部70A及び第2回動位置検出部70Bから入力する検出信号(検出結果)により判別することができる。
投射レンズ3がロック状態であると判別されると、CPU210は、投射レンズ3が投射装置本体2の窪み部15に収納される収納状態か否かを判別する(ステップS304)。収納状態とは、投射レンズ3のロック状態の一態様であり、第2保持部40の回動位置が90°、かつ第3保持部50の回動位置が0°の状態をいう(図7参照)。
CPU210は、投射レンズ3がロック状態であり、かつ投射レンズ3が収納状態でないと判別すると、「レンズ姿勢」又は「本体姿勢」の変化により、画像出力部として機能するDMD22Bから投射レンズ3に出力される投射画像が、「基準位置」から回転したか否かを判別する(ステップS306)。「本体姿勢」は、本体姿勢検出部23からの検出信号により判別することができる。
ここで、「基準位置」とは、例えばカメラを横位置に構えて、横長のアスペクト比の画像を撮像し、その画像を回転補正せずにスクリーンに投射する場合に、スクリーン上で正立する画像の回転位置をいう。また、「レンズ姿勢」及び「本体姿勢」により「基準位置」をとる画像の角度(投射方向に沿って見た画像角度)を0°とし、時計回り方向の画像角度を正とする。
CPU210は、画像が「基準位置」に対して回転すると判別すると、画像が「基準位置」に対して90°回転するか、180°回転するか、又は270°(−90°)回転するかを判別する(ステップS308)。
画像の回転補正を行う制御部として機能する表示制御部254は、CPU210からステップS308での判別結果を入力する。この判別結果は、画像の回転補正指令に相当し、表示制御部254は、画像が「基準位置」に対して90°回転する場合には、OSD画像出力部252から入力するOSD画像を270°(−90°)回転させる(ステップS310)。即ち、DMD22Bから投射レンズ3に出射させるOSD画像を270°回転補正する。その結果、スクリーンに投射されるOSD画像は、OSD画像の文字(文字画像)がスクリーン上で正立し、読みやすくなる。
本例のDMD22Bは、横長のアスペクト比を有するが、OSD画像は、90°、270°回転させてもOSD画像の一部が切れないようなアスペクト比(例えば、1:1)を有するものとすることが好ましい。なお、DMD22Bとして、アスペクト比が1:1のもの(正方のDMD)を使用する場合には、OSD画像のアスペクト比は、任意のアスペクト比にすることができる。
一方、表示制御部254は、画像が「基準位置」に対して90°回転する場合には、投射画像出力部250から入力する投射画像を回転させない。投射画像を90°又は270°回転させると、投射画像の両端が切れてしまうからである。なお、投射画像を0°、360°回転させる補正は、「回転補正」に該当しない。
表示制御部254は、投射画像が「基準位置」に対して180°回転する場合には、投射画像出力部250から入力する投射画を180°回転させ(ステップS312)、DMD22Bから投射レンズ3に出射させる投射画像を180°回転させ、同様にスクリーンに投射されるOSD画像も180°回転させ(ステップS314)。
これにより、投射画像及びOSD画像は、それぞれ画像の天地方向が正しくなるように回転補正される。なお、線対称補正も180°の回転補正に含む。
また、表示制御部254は、投射画像が「基準位置」に対して270°回転する場合には、投射画像出力部250から入力する投射画を90°回転させる(ステップS316)。一方、表示制御部254は、画像が「基準位置」に対して270°回転する場合には、投射画像の回転補正は行わない。
なお、図58に示した実施形態では、表示制御部254は、「レンズ姿勢」及び「本体姿勢」を判別結果に基づいてOSD画像及び投射画像を回転補正する。しかし、表示制御部254は、第1回動位置検出部70A、第2回動位置検出部70B及び本体姿勢検出部23の各検出信号により決定される「レンズ姿勢」及び「本体姿勢」と、OSD画像及び投射画像の回転補正との関係が登録されたテーブルを使用してもよい。そして、表示制御部254は、第1回動位置検出部70A、第2回動位置検出部70B及び本体姿勢検出部23の各検出信号に基づいてテーブルからOSD画像及び投射画像の回転補正の有無、補正角度を取得してもよい。
また、第1回動位置検出部70A、第2回動位置検出部70B及び本体姿勢検出部23の各検出部としては、ユーザからの「レンズ姿勢」の指示(回転指示)、「本体姿勢」の指示を受け付ける受付部も含む。さらに、本発明は「本体姿勢」が変化しない投射装置にも適用できる。
図59から図62は、それぞれ上記のように回転補正される投射画像とOSD画像の回転補正を示す図であり、特に投射装置本体2が横置きの場合に関して示している。
投射装置本体2が横置きの場合において、ロック状態になる特定のレンズ姿勢は複数(12通り)存在し、複数の特定のレンズ姿勢を示すレンズ姿勢No.を、図7から図18に示した12通りのレンズ姿勢に対応付けて、1〜12とする。
図59から図62に示すようにレンズ姿勢No.が、2、5、8、及び11のレンズ姿勢の場合(図6、図11、図14、及び図17)、投射方向に沿って見た画像角度は、それぞれ0°、90°、180°、及び270°となる。なお、レンズ姿勢No.が、2、5、8、及び11のレンズ姿勢は、それぞれ画像角度が0°、90°、180°、及び270°になる場合の代表的な例である。
画像入力がない場合、図59から図62の上段に示すようにOSD画像のみが投射される。画像入力がある場合、図59から図62の下段に示すように投射画像とOSD画像との合成画像が投射される。
図59から図62に示す円領域は、投射レンズ3により投射可能な範囲を示しており、「上」は、回転補正前の画像の向きを示している。
図59から図62に示すようにOSD画像は、画像角度が90°、180°、及び270°の場合、270°(−90°)、180°、及び90°の回転補正が行われ、その結果、OSD画像の文字は、常に正立して表示させることになる。
一方、画像入力した投射画像は、画像角度が180°の場合に180°の回転補正が行われる。したがって、画像角度が180以外の場合(90°、270°)には、投射画像の回転補正は行われず、投影画像は縦長の状態で表示(縦表示)されることになる。
このように投射画像とOSD画像とは回転補正方法が異なる。
<投射画像の回転補正の他の実施形態>
図63は、投射画像の回転補正の他の実施形態を示すフローチャートである。なお、図63において、図58に示したフローチャートと共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図63において、CPU210は、「レンズ姿勢」又は「本体姿勢」の変化により、画像が「基準位置」に対して回転すると判別すると(ステップS306で「Yes」の場合)、投射画像を回転補正する補正モードとして、第1補正モードが設定されているか、又は第2補正モードが設定されているかを判別する(ステップS320)。第1補正モードの設定、又は第2補正モードの設定は、ユーザが本体操作部6を操作することにより適宜行うことができる。
ここで、第1補正モードは、画像が「基準位置」に対して180°回転する場合に、投射画像を180°回転補正させる補正モードである。第2補正モードは、画像が「基準位置」に対して180°回転する場合に、投射画像を180°回転補正させるとともに、画像が「基準位置」に対して90°回転する場合も投射画像を180°回転補正させる補正モードである。
CPU210は、ステップS320で第1補正モードが設定されていると判別すると、続いて、画像が「基準位置」に対して180°回転するか否かを判別する(ステップS322)。
表示制御部254は、CPU210からステップS322での判別結果を入力する。この判別結果は、画像の回転補正指令に相当し、表示制御部254は、画像が「基準位置」に対して180°回転する場合には、投射画像出力部250から入力する投射画像を180°回転させる(ステップS324)。
一方、表示制御部254は、第1補正モードの場合、画像が「基準位置」に対して90°回転する場合、又は270°回転する場合には、投射画像出力部250から入力する投射画像を回転させない。
CPU210は、ステップS320で第2補正モードが設定されていると判別すると、続いて、画像が「基準位置」に対して270°回転するか否かを判別する(ステップS326)。
表示制御部254は、CPU210からステップS326での判別結果を入力し、画像が「基準位置」に対して270°回転する場合には、投射画像出力部250から入力する投射画像を回転させない。一方、画像が「基準位置」に対して270°回転しない場合(即ち、90°及び180°回転する場合)、表示制御部254は、投射画像出力部250から入力する投射画像を180°回転させる(ステップS324)。
図64は、上記のように回転補正される投射画像の回転補正をまとめた図であり、図59と同様に投射装置本体2が横置きの場合に関して示している。
図64に示すようにレンズ姿勢No.が、2、5、8、及び11のレンズ姿勢の場合、投射方向に沿って見た画像角度は、それぞれ0°、90°、180°、及び270°となる。
第1補正モードの場合、画像角度が180°の場合、180°の回転補正を行う。これにより、横長に投射される投射画像は、天地方向が正しくなるように回転補正される。
一方、第2補正モードの場合、画像角度が90°、180°の場合、180°の回転補正を行う。これにより、横長に投射される投射画像は、天地方向が正しくなるように回転補正される。また、縦長に投射される投射画像は、図56上で、常に左側に投射画像の天地方向の「上」がくるように回転補正される。これにより、縦長に投射される投射画像の天地方向を揃えることができる。
なお、本例では、第2補正モードの場合、左側に投射画像の天地方向の「上」がくるように回転補正するようにしたが、右側に投射画像の天地方向の「上」がくるように回転補正するようにしてもよい。
また、DMD22Bとして、正方のDMDを使用する場合には、投射画像の補正角度は、0°、180°以外の角度を含むようにしてもよい。この場合、投射画像の天地方向が常に正しくなるように回転補正することができる。
<投射装置1により表示されるOSD画像の実施形態>
図65は、投射装置1により表示されるOSD画像の一例を示す図であり、特に操作マニュアルに関わるOSD画像を示している。
図65に示す例では、投射面(壁)に投射される縦長の投射画像(画像の上方向が左側)の姿勢を、同じ投射面上で異ならせる場合(本例では、投射画像の天地方向を正しい天地方向にする場合)の、「本体姿勢」及び「レンズ姿勢」の操作を支援するOSD画像を表示している。この場合のOSD画像は、「本体姿勢」及び「レンズ姿勢」の操作を支援する支援情報である。
図45に示すCPU210は、本体姿勢検出部23の検出信号から投射装置本体2の「本体姿勢」を判別し、第1回動位置検出部70A及び第2回動位置検出部70Bの各検出信号から投射レンズ3の「レンズ姿勢」を判別することができる。
CPU210は、本体操作部6から「本体姿勢」及び「レンズ姿勢」の操作支援を要求する指示入力を受け付けると、判別した現在の「本体姿勢」及び「レンズ姿勢」に基づいて対応する「OSD画像」(図56に示すOSD画像)を、OSD画像出力部252から出力させる。
ユーザは、図65に示すOSD画像を見ることで、「本体姿勢」及び「レンズ姿勢」をどのように操作すればよいかが分かる。本例では、横置きの投射装置本体2を90°回転させ、図33に示す投射レンズ3の第3保持部50を−90°(270°)回転させることで、投射画像の天地方向を正しい天地方向にすることができる。
図66は、投射装置1により表示されるOSD画像の他の例を示す図であり、特に操作マニュアルに関わるOSD画像に関して示している。
図66では、現在、投射装置1が壁面W1に投射画像を投射している場合に、壁面W1と異なる壁面W2に投射する場合の「本体姿勢」及び「レンズ姿勢」を支援する支援情報が表示されている。
ここで、壁面W2に投射画像を投射するために、図33に示す投射レンズ3の第3保持部50を90°回転させると、投射画像も回転(90°回転)することが表示されている。即ち、図56に示すOSD画像は、投射レンズ3の回動状態を変化させた場合の投射画像の姿勢の変化の例を通知する。ユーザは図66に示すOSD画像を見る事で、壁面W2に投射画像を縦長に表示させたい場合は、投射レンズ3の第3保持部50を90°回転させればよいことが分かる。
一方、横置きの投射装置本体2を、投射装置本体2が設置された平面上で90°回転させると(平面上の向きを変えると)、壁面W1に投射される投射画像と同じ投射画像を、壁面W1とは異なる壁面W2に投射する情報が表示されている。ユーザは図66に示すOSD画像を見る事で、壁面W2に投射画像を横長に表示させたい場合は、投射装置本体2を設置された平面上で90°回転させればよいことが分る。
図65及び図66には示されていないが、投射装置本体2を横置きから縦置きに置き替えた場合の投射画像の投影方向や姿勢の変化の関する情報(縦長、横長、回転角度、等)を表示し、これにより所望の投射画像を投射面に投射させる支援情報とすることができる。
図65及び図66に示す実施形態では、投射装置1は、OSD画像によりユーザに「本体姿勢」及び「レンズ姿勢」の操作を支援する支援情報を通知するようにした。しかし、投射装置1は、OSD画像を使用する通知部に限らず、投射装置1が液晶モニタなどの表示器を備えている場合には、その表示器(通知部)にて支援情報を表示させるようにしてもよい。また、投射装置1が音声通知機能を備えている場合には、その音声通知機能にて支援情報を通知させるようにしてもよい。
<投射装置キット>
投射装置キットは、投射装置1と任意の投射面に投射画像を所望の姿勢で投射する場合の操作を支援する支援情報(例えば、図65及び図66に示したような支援情報)が記録された情報媒体とから構成される。
支援情報が情報媒体に記録されている場合、投射装置キットの投射装置1は、図65及び図66に示したような「本体姿勢」及び「レンズ姿勢」の操作を支援する支援情報を、OSD画像で通知する機能を備えていなくてもよい。
この情報媒体は、例えば、紙媒体、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)等のデジタル情報が記録された記録媒体を含む。
情報媒体は、投射装置1と同梱され、投射装置キットとして流通し得る。
ユーザは、任意の投射面に投射画像を所望の姿勢で投射する場合の操作を支援する支援情報を情報媒体から取得することができる。
なお、情報媒体に記録される情報は、支援情報そのものに限らず、ウェブサイトにアクセスし、ウェブサイトから支援情報を取得するためのアクセス情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator))を含む。
[画像のシフト補正の実施形態]
次に、図35に示す電気光学素子であるDMD22Bに対して投射レンズ3を移動させるレンズシフト機構80(図40参照)の制御について説明する。
図67は、投射装置本体2が横置きされる場合であって、投射レンズ3の姿勢が第2レンズ姿勢から第6レンズ姿勢(レンズ姿勢No.2〜6)の場合の投射装置1及び投射画像のシフト状態を示す模式図である。なお、投射装置本体2が横置きされた場合であって、投射レンズ3の姿勢が第2レンズ姿勢から第6レンズ姿勢の場合の投射装置1の斜視図は、それぞれ図8〜図12に示した通りである。
また、図68は、投射装置本体2が横置きされる場合であって、投射レンズ3の姿勢が第7レンズ姿勢から第12レンズ姿勢(レンズ姿勢No.7〜12)の場合の投射装置1及び投射画像のシフト状態を示す模式図である。なお、投射装置本体2が横置きされた場合であって、投射レンズ3の姿勢が第7レンズ姿勢から第12レンズ姿勢の場合の投射装置1の斜視図は、それぞれ図13〜図18に示した通りである。
一方、図69は、投射装置本体2が縦置きされる場合であって、投射レンズ3の姿勢が第2レンズ姿勢から第6レンズ姿勢(レンズ姿勢No.2〜6)の場合の投射装置1及び投射画像のシフト状態を示す模式図である。なお、射装置本体2が横置きされた場合であって、投射レンズ3の姿勢が第2レンズ姿勢から第6レンズ姿勢の場合の投射装置1の斜視図は、それぞれ図20〜図24に示した通りである。
また、図70は、投射装置本体2が縦置きされる場合であって、投射レンズ3の姿勢が第7レンズ姿勢から第12レンズ姿勢(レンズ姿勢No.7〜12)の場合の投射装置1及び投射画像のシフト状態を示す模式図である。なお、投射装置本体2が縦置きされる場合であって、投射レンズ3の姿勢が第7レンズ姿勢から第12レンズ姿勢の場合の投射装置1の斜視図は、それぞれ図25〜図30に示した通りである。
図45に示した制御部として機能するCPU210及びシフト制御部262は、シフト部として機能するレンズシフト機構80を駆動制御し、投射レンズ3を第1回動軸θ1の軸方向と交差する面内で移動させる。
この投射レンズ3の移動により、図35に示す投射レンズ3の第1光軸Z1に対する映像表示部22の位置が第1光軸Z1に垂直な面内で変化し、投射レンズ3から投射される投射画像をシフトさせることができる。
図67から図70に示した円領域は、投射レンズ3により投射可能な範囲を示しており、円領域内の矩形領域が、投射画像を示している。投射レンズ3をレンズシフト機構80により移動させることで、投射可能な円領域内で投射画像をシフトすることができる。なお、投射可能な円領域を超えて、投射画像をシフトすると(レンズシフト機構80により投射レンズ3を移動させると)、投射画像は、映像表示部22から出射した投射画像が投射レンズ3と干渉し、「ケラレ」が発生することになる。
図67から図70に示すように投射画像をシフトさせる方向は、投射レンズ3の「レンズ姿勢」及び投射装置本体2の「本体姿勢」により異なる。投射画像をシフトさせる方向の詳細については後述する。
次に、「投射画像をシフトさせる方向」を決定するための「レンズ姿勢」、及び「シフト補正方向」の定義について説明する。
図71は、投射装置本体2に対する投射レンズ3の位置を定義する図面である。
投射装置本体2に対する投射レンズ3の位置は、投射装置本体2を横置きした場合の投射装置本体2に対する投射レンズ3の位置を基準に定義する。すなわち、図71(A)は、投射装置本体2が横置きの場合において、投射レンズ3の出射光学系(図35の第2光学系第5レンズ群G25)は投射装置本体2に対し下側に位置する。この場合、投射装置本体に対する投射レンズの位置は、投射装置本体2が横置き、縦置き何れの場合においても下側(lower side)と定義される。
同様に、図71(B)は、投射装置本体2が横置きの場合において、投射レンズ3の出射光学系は、投射装置本体2に対し上側に位置する。この場合、投射装置本体に対する投射レンズの位置は、投射装置本体2が横置き、縦置き何れの場合においても上側(upper side)と定義される。また、図71(C)及び(D)では、投射レンズ3の出射光学系は、投射装置本体2と同じ本体中央に位置する。この場合、投射装置本体に対する投射レンズの位置は本体中央の位置(same)と定義される。
上記のように定義した「投射装置本体に対する投射レンズの位置」は、後述するように投射画像をシフトさせる方向を決定するために使用される。
上記定義によれば、投射レンズ3のレンズ姿勢No.が2、4、6、8の場合(図67及び図68参照)投射装置本体2に対する投射レンズ3の位置は、「上側」(upper side)となる。また、投射レンズ3のレンズ姿勢No.が3、5、7、9の場合投射装置本体2に対する投射レンズ3の位置は、「下側」(lower side)となる。また、投射レンズ3のレンズ姿勢No.が10、11、12の場合投射装置本体2に対する投射レンズ3の位置は、「本体中央の位置」(same)となる。
図72は、投射方向前方に投射装置本体2(本体)が存在するか否かを定義する図面である。
図72(A)及び(B)のレンズ姿勢では、出射光学系(図35の第2光学系第5レンズ群G25)を含む面に対し、図35の第3光軸Z3に沿って出射方向側に投射装置本体2の一部が存在する。このようなレンズ姿勢では、投射方向前方に投射装置本体が存在する(yes)と定義される。
一方、図72(C)のレンズ姿勢では、出射光学系(図35の第2光学系第5レンズ群G25)を含む面に対し、図35の第3光軸Z3に沿って出射方向側に投射装置本体2の一部が存在しない。このようなレンズ姿勢では、「投射方向前方に投射装置本体が存在しない」(no)と定義される。
したがって、レンズ姿勢No.が2、3、4、5、6、7の場合、投射方向前方に本体が存在し、レンズ姿勢No.が8、9、10、11、12の場合、投射方向前方に本体が存在しないことになる。
投射方向前方に投射装置本体2が存在する場合(図75(A)、(B)及び図76(A)、(B)の「投影方向前方に本体」が“yes”の場合)、投射装置本体2により投射画像の「ケラレ」が発生し得る。一方、投射方向前方に本体が存在しない場合(図75(A)、(B)及び図76(A)、(B)の「投影方向前方に本体」が“no”の場合)、投射装置本体2による投射画像の「ケラレ」は発生しない。
この投射方向前方に本体が存在するか否かの情報は、投射画像をシフトさせる方向を決定するために使用される。
図73は、投射画像の「シフト補正方向」を定義する図である。
図73の上段には、投射レンズ3が図67に示す投射レンズ3のレンズ姿勢No.が6の場合の、また、図73の下段には図68に示す投射レンズ3のレンズ姿勢No.が7の場合の投射画像が示されている。
図73に示す投射画像は、それぞれ縦長に投射されているが、図73に示すように投射画像の「シフト補正方向」は、実際の「投射画像」を基準にして定義する。
例えば、図73の上段の「投射画像」に対する「シフト補正方向」は、図73の紙面上で、右側に「投射画像」をシフトする場合のシフト補正方向は、上(upper)であり、左側に「投射画像」をシフトする場合のシフト補正方向は、下(lower)である。また、図73の紙面上で、上側に「投射画像」をシフトする場合のシフト補正方向は、左(left)であり、下側に「投射画像」をシフトする場合のシフト補正方向は、右(right)である。
<投射装置本体が横置きされた場合の投射画像をシフトする方向の基本的な考え>
(1)投射画像に本体による「ケラレ」が発生する場合には、「ケラレ」を減少させる方向にシフトする。
(2)投射画像を壁面に投射する場合は、投射画像が本体から遠ざかる方向に投射画像をシフトする。
投射レンズが本体の上:「投射画像」を上方向にシフト(上述の通り、「投射画像」基準のシフト方向と、「シフト補正方向」は必ずしも一致しないことに注意されたい。)
投射レンズが本体の下:「投射画像」を下方向にシフト
投射レンズが本体中央:「投射画像」を上方向にシフト(床置きを基本と考えて床から遠ざかる方向にシフトする。)
(3)投射画像を天面又は床面に投射する場合は、投射画像が本体から遠ざかる方向にシフトする。
上記の(1)、(2)、(3)により「シフト補正方向」を決定する場合、(1)と(2)、又は(1)と(3)とは相反する場合があるが、この場合には、(1)による「シフト補正方向」を優先させる。
上記の「シフト方向」の基本的な考え方により、図67及び図68に示されるレンズ姿勢No.が2、9の場合の「シフト補正方向」は、上方向とし、レンズ姿勢No.が3、8、10の場合の「シフト補正方向」は、下方向とする。また、レンズ姿勢No.が4、5、11、12の場合の「シフト補正方向」は、右方向とし、レンズ姿勢No.が6、7の場合の「シフト補正方向」は、左方向とする。
図67及び図68に示すレンズ姿勢No.が2〜7の場合は、投射方向前方に本体が存在し、投射画像に「ケラレ」が発生し得る。したがって、これらのレンズ姿勢の場合には、「ケラレ」を減少させる方向に投射画像をシフトさせている。なお、レンズ姿勢No.が6、7の場合には、シフト補正後も投射画像に「ケラレ」が発生している。
図67及び図68に示されるレンズ姿勢No.が8〜10の場合は、投射方向前方に本体が存在せず、投射画像を壁方向に投射する。したがって、これらのレンズ姿勢の場合には、図71に示した「本体に対する投射レンズの位置」の定義にしたがって、投射画像が投射装置本体2から遠ざかる方向に投射画像をシフトさせる。投射レンズ3が投射装置本体2の上側に位置する場合(レンズ姿勢No.8)、及び投射装置本体2の本体中央に位置する場合(レンズ姿勢No.10)には、実際に壁面に投射された「投射画像」基準では上方向(「シフト補正方向」の定義によれば、下方向)に投射画像をシフトさせる。また、投射レンズ3が投射装置本体2の下側に位置する場合には、実際に壁面に投射された「投射画像」基準では下方向(「シフト補正方向」の定義によれば、上方向)に投射画像をシフトさせる。
図67及び図68に示されるレンズ姿勢No.が11、12の場合は、「投射方向前方に本体」が存在せず、それぞれ投射画像を天井方向、床方向に投射する。したがって、これらのレンズ姿勢の場合には、投射装置本体2から遠ざかる方向に投射画像をシフトさせる。
<投射装置本体が縦置きされた場合の投射画像をシフトする方向の基本的な考え>
(1)投射画像に本体による「ケラレ」が発生する場合には、「ケラレ」を減少させる方向にシフトする。
(2)投射画像を壁面へ投射する場合は、投射画像が床から遠ざかる方向にシフトする。
(3)投射画像を天面又は床面に投射する場合は、投射画像が本体から遠ざかる方向にシフトする。
上記の「シフト方向」の基本的な考え方により、投射レンズ3のレンズ姿勢No.が、図69及び図70に示される2、5、9の場合の「シフト補正方向」は、上方向とし、レンズ姿勢No.が3、4、8の場合の「シフト補正方向」は、下方向とする。また、レンズ姿勢No.が11、12の場合の「シフト補正方向」は、右方向とし、レンズ姿勢No.が6、7、10の場合の「シフト補正方向」は、左方向とする。
投射レンズ3のレンズ姿勢No.が図69及び図70に示される2〜7の場合は、「投射方向前方に本体」が存在し、投射画像に「ケラレ」が発生し得る。したがって、これらのレンズ姿勢の場合には、「ケラレ」を減少させる方向に投射画像をシフトさせる。なお、レンズ姿勢No.が6、7の場合には、シフト補正後も投射画像に「ケラレ」が発生している。
投射レンズ3のレンズ姿勢No.が8〜10の場合は、投射方向前方に本体が存在せず、投射画像を天井方向に投射する。したがって、これらのレンズ姿勢の場合には、投射画像が投射装置本体2から遠ざかる方向に投射画像をシフトさせる。
レンズ姿勢No.が11、12の「レンズ姿勢」の場合は、「投射方向前方に本体」が存在せず、それぞれ投射画像を壁方向に投射する。したがって、これらのレンズ姿勢の場合には、投射画像が床から遠ざかる方向に投射画像をシフトさせる。
<シフト量>
次に、投射画像がシフト量(レンズシフト機構80による投射レンズ3の移動量)について説明する。
図74は、投射装置本体が横置きされた場合の投射画像のシフト量を説明する投射装置本体2の筐体14の平面図である(投射装置本体2を横置きした場合に、上側から筐体14を見た図)。
図74に示すように、筐体14は、ベース部14Gと、ベース部14Gから突出する突出部14Hとを有し、突出部14Hの第1方向に隣り合う窪み部15が形成されている。窪み部15には、投射レンズ3が設置される。
図74上で、突出部14Hと窪み部15とが隣り合う第1方向は、第1方向の一方である第1A方向と他方である第1B方向を有し、窪み部15に対し、突出部14Hは第1A方向側に位置している。
第1方向に交差する第2方向は、第2方向の一方である第2A方向と、他方である第2B方向を有し、ベース部14Gは第2A方向側に位置している。
上記形状の筐体14及び窪み部15に設置される投射レンズ3を有する投射装置1は、「投射装置本体に対する投射レンズの位置」が上側又は下側の場合であって、投射レンズ3が1A方向、1B方向及び2A方向に投射画像を投射する場合に、「投射方向前方に投射装置本体」が存在し、投射画像に「ケラレ」が発生する。なお、投射レンズ3が1A方向、1B方向、2A方向及び2B方向に投射画像を投射する場合の投射レンズ3のレンズ姿勢No.は、それぞれ6、4、2、及び8である(図67及び図68参照)。
したがって、図74に示した筐体14の上面を「基準面」とした場合、投射レンズ3の投射方向が、「基準面」と同一平面内の方向の場合と、同一平面内の方向と交差する方向の場合とで、投射画像のシフト方向を異ならせる。
即ち、図71の(A)及び(B)に示す「レンズ姿勢」の場合には(図67のレンズ姿勢No.5、6参照)、「基準面」と同一平面内の方向、及び「基準面」と垂直な方向に投射画像をシフトさせる。一方、図71の(C)及び(D)に示す「レンズ姿勢」の場合には(図68のレンズ姿勢No.11、12参照)、「基準面」と同一平面内の方向にしか投射画像をシフトすることができないため、「基準面」と同一平面内の方向にシフトさせる。
なお、投射レンズ3の投射方向が投射装置本体2の「基準面」と同一平面内の方向の場合、投射画像の「ケラレ」を低減するために、「基準面」と同一平面内の方向と交差する方向に投射画像をシフトさせる。また、投射レンズ3の投射方向が投射装置本体2の「基準面」と交差する方向の場合、「基準面」と同一平面内の方向に投射画像をシフトさせる。
また、「レンズ姿勢」に応じて投射画像のシフト量を異ならせることが好ましい。投射レンズ3の投射方向が筐体14の位置する側の場合は、筐体14の位置する側とは反対側の場合よりも投射画像のシフト量を大きくする。投射画像のシフト量は、「レンズ姿勢」に応じて投射画像の「ケラレ」の有無、及び「ケラレ」の大きさが異なるため、「ケラレ」の有無、及び「ケラレ」に応じて投射画像のシフト量を異ならせることが好ましい。即ち、「ケラレ」が大きい程、投射画像のシフト量を大きくし、投射画像の「ケラレ」を低減させる。
図74に示した例では、投射レンズが第1A方向側に投射画像を投射する場合の「ケラレ」は、第1B方向側及び2A方向側に投射画像を投射する場合の「ケラレ」よりも大きくなり、第2B方向側に投射画像を投射する場合には「ケラレ」は発生しない。
しがたって、投射レンズ3が第1A方向側に投射する場合は、投射レンズ3が第1B方向側に投射する場合よりも投射レンズ3のシフト量を大きくする。また、投射レンズ3が第2A方向側に投射する場合は、投射レンズが第2B方向側に投射する場合よりも投射レンズ3のシフト量を大きし、同様に投射レンズ3が第1B方向側に投射する場合は、投射レンズ3が第2B方向側に投射する場合よりも投射レンズ3のシフト量を大きくする。
図74に示した例では、投射レンズ3が第1A方向側に投射画像を投射する場合のシフト量を+3、第1B方向側及び2A方向側に投射画像を投射する場合のシフト量を+2.5、2B方向側に投射画像を投射する場合のシフト量を+2としたが、これらのシフト量を示す数値(+3、+2.5、+2)は、各シフト量の相対的な大きさを示す数値である。
なお、投射画像のシフト量は、「レンズ姿勢」に応じて異ならせる場合に限らず、例えば、投射レンズ3のズーム光学系が広角の場合は、ズーム光学系が望遠の場合よりもシフト量を大きくしてもよい。
<画像の回転補正及びシフト補正>
図75から図78は、画像の回転補正及びシフト補正をまとめた図表である。
図75(A)、(B)及び図76(A)、(B)は、投射装置本体2が横置きされる場合の12通りのレンズ姿勢毎の画像の回転補正及びシフト補正等を示し、図77(A)、(B)及び図78(A)、(B)は、投射装置本体2が縦置きされる場合の12通りのレンズ姿勢毎の画像の回転補正及びシフト補正等を示している。
なお、投射レンズ3のレンズ姿勢No.が1の場合、投射レンズ3は投射不能な収納状態にあるため、画像の回転補正及びシフト補正が行われない。
また、図75(A)、(B)及び図76(A)、(B)によれば、投射装置本体2が横置きされる場合であって、投射レンズ3のレンズ姿勢No.が11、12の場合は、それぞれ天面及び床面に投射画像を投射するが、この場合の「シフト量」は、それぞれ+1としている。レンズ姿勢No.11、12の「レンズ姿勢」の場合、投射画像の「ケラレ」が発生しないからである。
同様に、図77(A)、(B)及び図78(A)、(B)によれば、投射装置本体2が縦置きされる場合であって、投射レンズ3のレンズ姿勢No.が2、3の場合は、それぞれ床面に投射画像を投射し、レンズ姿勢No.が8〜10の場合は、それぞれ天面に投射画像を投射するが、前者の「シフト量」は、それぞれ+1.5とし、後者の「シフト量」は、それぞれ+1としている。なお、これらの「シフト量」は一例であり、これに限定されるものではない。また、「シフト量」は、シフト可能な範囲の最大値に固定されていてもよい。さらに、「レンズ姿勢」によっては、シフト補正をしない態様も考えられる。
また、投射装置本体2を横置きする場合、通常、投射装置本体2は、横置き用脚部12を床面側に向けて設置するが(図1)、横置き用脚部12を天面側に向けて設置することも可能である。
横置き用脚部12を天面側に向けて投射装置本体2を設置した場合、OSD画像の回転補正量は、横置き用脚部12を床面側に向けて設置した場合に比べて±180°回転させる必要があり、同様に投射画像の補正量も、横置き用脚部12を床面側に向けて設置した場合に比べて±180°回転させる必要がある。なお、横置き用脚部12を天面側に向けて投射装置本体2を設置した場合の「本体姿勢」は、加速度センサにより構成される本体姿勢検出部23により検出することができる。
図79は、CPU210及びシフト制御部262による画像のシフト補正の実施形態を示すフローチャートである。なお、図57に示した「画像の回転補正」の実施形態を示すフローチャートと共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図79において、画像のシフト補正を行う制御部として機能するCPU210は、ステップS300、S302、S304の処理により、投射レンズ3がロック状態であり、かつ投射レンズ3が収納状態でないと判別すると、続いて、の「本体姿勢」が横置きか否かを判別する(ステップS330)。「本体姿勢」は、本体姿勢検出部23からの検出信号により判別することができる。
「本体姿勢」が横置きの場合、CPU210は、現在の「レンズ姿勢」が、レンズ姿勢No.2、No.9に含まれるか否かを判別する(ステップS332)。
画像のシフト補正を行う制御部として機能するシフト制御部262は、CPU210から「レンズ姿勢」がレンズ姿勢No.2、No.9に含まれるとの判別結果を入力すると、レンズシフト機構80を駆動制御し、投射画像を上方向(「シフト補正方向」の定義上の上方向)にシフトさせる(ステップS338)。
現在の「レンズ姿勢」がレンズ姿勢No.2、No.9に含まれない場合、CPU310は、レンズ姿勢No.3、No.8、No.10に含まれるか否かを判別する(ステップS334)。シフト制御部262は、CPU210から「レンズ姿勢」がレンズ姿勢No.3、No.8、No.10に含まれるとの判別結果を入力すると、レンズシフト機構80を駆動制御し、投射画像を「シフト補正方向」で定義された下方向にシフトさせる(ステップS338)。
現在の「レンズ姿勢」がレンズ姿勢No.3、No.8、No.10に含まれない場合、CPU310は、レンズ姿勢No.6、No.7に含まれるか否かを判別する(ステップS336)。シフト制御部262は、CPU210から「レンズ姿勢」がレンズ姿勢No.6、No.7に含まれるとの判別結果を入力すると、レンズシフト機構80を駆動制御し、投射画像を「シフト補正方向」で定義された左方向にシフトさせる(ステップS348)。
ステップS332、S334、及びS336での判別により現在の「レンズ姿勢」が、いずれのレンズ姿勢No.にも該当しない場合(ステップS336で(「No」の場合))、現在の「レンズ姿勢」は、残りのレンズ姿勢No.4、No.5、No.11、No.12のいずれかである。この場合、シフト制御部262は、レンズシフト機構80を駆動制御し、投射画像を「シフト補正方向」で定義された右方向にシフトさせる(ステップS350)。
一方、ステップS330において、「本体姿勢」が縦置きと判別すると、CPU210は、現在の「レンズ姿勢」が、レンズ姿勢No.2、No.5、No.9に含まれるか否かを判別する(ステップS342)。
シフト制御部262は、CPU210から「レンズ姿勢」がNo.2、No.5、No.9に含まれるとの判別結果を入力すると、レンズシフト機構80を駆動制御し、投射画像を「シフト補正方向」で定義された上方向にシフトさせる(ステップS338)。
現在の「レンズ姿勢」がレンズ姿勢No.2、No.5、No.9に含まれない場合、CPU310は、レンズ姿勢No.3、No.4、No.8に含まれるか否かを判別する(ステップS344)。シフト制御部262は、CPU210から「レンズ姿勢」がレンズ姿勢No.3、No.4、No.8に含まれるとの判別結果を入力すると、レンズシフト機構80を駆動制御し、投射画像を「シフト補正方向」で定義された下方向にシフトさせる(ステップS340)。
現在の「レンズ姿勢」がレンズ姿勢No.3、No.4、No.8に含まれない場合、CPU310は、レンズ姿勢No.6、No.7、No.10に含まれるか否かを判別する(ステップS346)。シフト制御部262は、CPU210から「レンズ姿勢」がレンズ姿勢No.6、No.7、No.10に含まれるとの判別結果を入力すると、レンズシフト機構80を駆動制御し、投射画像を「シフト補正方向」で定義された左方向にシフトさせる(ステップS348)。
ステップS342、S344、及びS346での判別により現在の「レンズ姿勢」が、いずれのレンズ姿勢No.にも該当しない場合(ステップS346で(「No」の場合))、現在の「レンズ姿勢」は、残りのレンズ姿勢No.11、No.12のいずれかである。この場合、シフト制御部262は、レンズシフト機構80を駆動制御し、投射画像を「シフト補正方向」で定義された右方向にシフトさせる(ステップS350)。
なお、図79に示した実施形態では、「レンズ姿勢」及び「本体姿勢」の判別結果に基づいて投射画像をシフト補正するがシフト補正用のテーブルから投射画像のシフト補正方向の情報を取得してもよい。シフト補正用のテーブルには、第1回動位置検出部70A、第2回動位置検出部70B及び本体姿勢検出部23の各検出信号により決定される、投射画像を投射する場合に選択可能な複数の「レンズ姿勢」及び「本体姿勢」と、投射画像のシフト補正方向(シフト量を含む)との関係を事前に登録する。そして第1回動位置検出部70A、第2回動位置検出部70B及び本体姿勢検出部23の各検出信号に基づいてテーブルから投射画像のシフト補正方向の情報を取得すればよい。
また、第1回動位置検出部70A、第2回動位置検出部70B及び本体姿勢検出部23の各検出部としては、ユーザからの「レンズ姿勢」及び「本体姿勢」の指示を受け付ける受付部も含む。
さらに、本実施形態では、投射画像のシフト補正を行う場合、投射レンズの回動軸(第1回動軸)の軸方向と交差する面内で投射レンズを移動させるようにしたが、投射レンズは移動させずに、投射レンズに投射画像を出射するDMD(電気光学素子)側を移動させるようにしてもよく、要は投射レンズと電気光学素子とを相対的に移動させればよい。
以上で本発明の実施形態及び他の態様に関して説明してきたが、本発明は上述した実施形態及び態様に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また、上述した実施形態及び態様を組み合わせてもよい。
[ロック機構の変形例]
上記実施の形態の投射装置1で採用された第1ロック機構60A及び第2ロック機構60Bは、ロック機構の一例である。第1ロック機構60Aについては、第2保持部40を所望の位置でロックできる構成であればよい。同様に、第2ロック機構60Bについては、第3保持部50を所望の位置でロックできる構成であればよい。例えば、ピンとピン孔を利用してロックする構成とすることもできる。
[レンズシフト機構の変形例]
上記実施の形態の投射装置1で採用されたレンズシフト機構80のシフト部の一例である。シフト部については、投射レンズ全体をシフトするものに限られず、投射レンズの一部をシフトするものでもよいし、投射レンズ3に対し映像表示部22をシフトするものでもよい。また、上記構成のレンズシフト機構80に代えて、公知のシフト機構を採用することもできる。
投射装置本体2に対する投射レンズ3の位置は、投射装置本体2を横置きした場合の投射装置本体2に対する投射レンズ3の位置を基準に定義する。すなわち、図71(A)は、投射装置本体2が横置きの場合において、投射レンズ3の出射光学系(図35の第3光学系第3レンズ群G33)は投射装置本体2に対し下側に位置する。この場合、投射装置本体に対する投射レンズの位置は、投射装置本体2が横置き、縦置き何れの場合においても下側(lower side)と定義される。