JP2020079787A - 放射線検出モジュール、放射線検出器、及び放射線検出モジュールの製造方法 - Google Patents

放射線検出モジュール、放射線検出器、及び放射線検出モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線検出器の小型化を図ることができ、且つ、防湿部の厚みを薄くすることができる放射線検出モジュール、放射線検出器、及び放射線検出モジュールの製造方法を提供することである。【解決手段】実施形態に係る放射線検出モジュールは、複数の光電変換部を有するアレイ基板と、前記複数の光電変換部の上に設けられたシンチレータと、熱可塑性樹脂を主成分として含み、前記シンチレータの周囲に設けられ、前記アレイ基板と前記シンチレータに接合された枠状の封止部と、前記シンチレータの上方を覆い、周縁近傍が前記封止部の外面に接合された防湿部と、を備えている。前記封止部の外面の形状は、外側に突出する曲面である。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、放射線検出モジュール、放射線検出器、及び放射線検出モジュールの製造方法に関する。
放射線検出器の一例にX線検出器がある。X線検出器には、X線を蛍光に変換するシンチレータと、蛍光を電気信号に変換するアレイ基板とが設けられている。また、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために、シンチレータの上に反射層をさらに設ける場合もある。
ここで、水蒸気などに起因する特性の劣化を抑制するために、シンチレータと反射層は、外部雰囲気から隔離する必要がある。例えば、シンチレータが、CsI(ヨウ化セシウム):Tl(タリウム)やCsI:Na(ナトリウム)などを含む場合には、水蒸気などによる特性劣化が大きくなるおそれがある。
そのため、高い防湿性能が得られる構造として、シンチレータと反射層をハット形状の防湿部で覆い、防湿部のつば(鍔)部をアレイ基板に接着する技術が提案されている。
ところが、防湿部のつば部をアレイ基板に接着すると、シンチレータの周辺につば部を接着するためのスペースが必要となる。近年においてはX線検出器の小型化が望まれているが、ハット形状の防湿部とすると、X線検出器の小型化が図れなくなるおそれがある。
また、人体に対して大量のX線照射を行うと健康への悪影響があるため、人体へのX線照射量は必要最低限に抑えられる。そのため、医療に用いられるX線検出器の場合には、照射されるX線の強度が小さくなり、防湿部を透過するX線の強度が非常に小さくなるおそれがある。この場合、防湿部の厚みを薄くすれば、透過するX線の強度を大きくすることができる。ところが、ハット形状の防湿部の厚みを薄くすると、アルミニウムなどの箔を、ハット形状に成形する際に亀裂などが発生しやすくなる。
そこで、X線検出器の小型化を図ることができ、且つ、防湿部の厚みを薄くすることができる技術の開発が望まれていた。
特開2009−128023号公報
本発明が解決しようとする課題は、放射線検出器の小型化を図ることができ、且つ、防湿部の厚みを薄くすることができる放射線検出モジュール、放射線検出器、及び放射線検出モジュールの製造方法を提供することである。
実施形態に係る放射線検出モジュールは、複数の光電変換部を有するアレイ基板と、前記複数の光電変換部の上に設けられたシンチレータと、熱可塑性樹脂を主成分として含み、前記シンチレータの周囲に設けられ、前記アレイ基板と前記シンチレータに接合された枠状の封止部と、前記シンチレータを覆い、周縁近傍が前記封止部の外面に接合された防湿部と、を備えている。前記封止部の外面の形状は、外側に突出する曲面である。
本実施の形態に係るX線検出器およびX線検出モジュールを例示するための模式斜視図である。 X線検出モジュールを例示するための模式断面図である。 X線検出器のブロック図である。 (a)、(b)は、他の実施形態に係るX線検出モジュールを例示するための模式断面図である。 他の実施形態に係るX線検出モジュールを例示するための模式断面図である。 (a)は、防湿部の模式平面図である。(b)は、防湿部17の模式斜視図である。 他の実施形態に係るX線検出モジュールを例示するための模式断面図である。 他の実施形態に係るX線検出モジュールを例示するための模式断面図である。 (a)、(b)は、他の実施形態に係る撓み部を例示するための模式断面図である。 比較例に係るX線検出モジュールを例示するための模式断面図である。 比較例に係るX線検出モジュールを例示するための模式断面図である。 比較例に係るX線検出モジュールを例示するための模式断面図である。 比較例に係るX線検出モジュールを例示するための模式断面図である。 比較例に係る熱可塑性樹脂の塗布を例示するための模式斜視図である。 本実施の形態に係る熱可塑性樹脂の塗布を例示するための模式斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
また、本発明の実施形態に係る放射線検出器は、X線のほかにもγ線などの各種放射線に適用させることができる。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
また、放射線検出器は、例えば、一般医療などに用いることができる。ただし、放射線検出器の用途は、一般医療に限定されるわけではない。
(X線検出器およびX線検出モジュール)
図1は、本実施の形態に係るX線検出器1およびX線検出モジュール10を例示するための模式斜視図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図1においては、保護層2f、反射層6、防湿部7、および封止部8などを省いて描いている。
図2は、X線検出モジュール10を例示するための模式断面図である。
図3は、X線検出器1のブロック図である。
図1および図2に示すように、X線検出器1には、X線検出モジュール10、および回路基板11が設けられている。また、X線検出器1には、図示しない筐体を設けることができる。筐体の内部には、X線検出モジュール10、および回路基板11を設けることができる。例えば、筐体の内部に板状の支持板12を設け、支持板12のX線の入射側の面にはX線検出モジュール10を設け、支持板12のX線の入射側とは反対側の面には回路基板11を設けることができる。
X線検出モジュール10には、アレイ基板2、シンチレータ5、反射層6、防湿部7、および封止部8が設けられている。
アレイ基板2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン(又はゲートライン)2c1、データライン(又はシグナルライン)2c2、配線パッド2d1、配線パッド2d2および保護層2fを有する。
なお、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2の数などは例示をしたものに限定されるわけではない。
基板2aは、板状を呈し、無アルカリガラスなどのガラスから形成されている。基板2aの平面形状は、四角形とすることができる。基板2aの厚みは、例えば、0.7mm程度とすることができる。
光電変換部2bは、基板2aの一方の面側に複数設けられている。
光電変換部2bは、矩形状を呈し、制御ライン2c1とデータライン2c2とにより画された領域に設けられている。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べられている。なお、1つの光電変換部2bは、X線画像の1つの画素(pixel)に対応する。
複数の光電変換部2bのそれぞれには、光電変換素子2b1と、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)2b2が設けられている。
また、光電変換素子2b1において変換した信号電荷を蓄積する図示しない蓄積キャパシタを設けることができる。蓄積キャパシタは、例えば、矩形平板状を呈し、各薄膜トランジスタ2b2の下に設けることができる。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねることができる。
光電変換素子2b1は、例えば、フォトダイオードなどとすることができる。
薄膜トランジスタ2b2は、蓄積キャパシタへの電荷の蓄積および放出のスイッチングを行う。薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極、ドレイン電極及びソース電極を有している。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極は、対応する制御ライン2c1と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極は、対応するデータライン2c2と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のソース電極は、対応する光電変換素子2b1と蓄積キャパシタとに電気的に接続される。また、光電変換素子2b1のアノード側と蓄積キャパシタは、グランドに接続することができる。なお、光電変換素子2b1のアノード側と蓄積キャパシタは、図示しないバイアスラインに接続することもできる。
制御ライン2c1は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられている。制御ライン2c1は、例えば、行方向に延びている。1つの制御ライン2c1は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d1のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d1には、フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の他端は、回路基板11に設けられた読み出し回路11aとそれぞれ電気的に接続されている。
データライン2c2は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられている。データライン2c2は、例えば、行方向に直交する列方向に延びている。1つのデータライン2c2は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d2のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d2には、フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の他端は、回路基板11に設けられた信号検出回路11bとそれぞれ電気的に接続されている。
制御ライン2c1、およびデータライン2c2は、例えば、アルミニウムやクロムなどの低抵抗金属を用いて形成することができる。
保護層2fは、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2を覆っている。保護層2fは、絶縁性材料から形成することができる。絶縁性材料は、例えば、酸化物絶縁材料、窒化物絶縁材料、酸窒化物絶縁材料、および樹脂などとすることができる。
シンチレータ5は、複数の光電変換部2bの上に設けられ、入射するX線を可視光すなわち蛍光に変換する。シンチレータ5は、基板2a上の複数の光電変換部2bが設けられた領域(有効画素領域A)を覆うように設けられている。
シンチレータ5は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、ヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)、あるいは臭化セシウム(CsBr):ユーロピウム(Eu)などを含むものとすることができる。シンチレータ5は、真空蒸着法を用いて形成することができる。真空蒸着法を用いてシンチレータ5を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ5が形成される。シンチレータ5の厚みは、例えば、600μm程度とすることができる。
なお、真空蒸着法を用いてシンチレータ5を形成する際には、開口を有するマスクが用いられる。この場合、アレイ基板2上の開口に対峙する位置(有効画素領域Aの上)にシンチレータ5が形成される。また、蒸着による膜は、マスクの表面にも形成される。そして、マスクの開口の近傍においては、膜は、開口の内部に徐々に張り出すように成長する。開口の内部に膜が張り出すと、開口の近傍において、アレイ基板2への蒸着が抑制される。そのため、図1および図2に示すように、シンチレータ5の周縁近傍は、外側になるに従い厚みが漸減している。
また、シンチレータ5は、例えば、テルビウム賦活硫酸化ガドリニウム(GdS/Tb、又はGOS)などを用いて形成することもできる。この場合、複数の光電変換部2bごとに四角柱状のシンチレータ5が設けられるように、マトリクス状の溝部を設けることができる。
反射層6は、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために設けられている。すなわち、反射層6は、シンチレータ5において生じた蛍光のうち、光電変換部2bが設けられた側とは反対側に向かう光を反射させて、光電変換部2bに向かうようにする。ただし、反射層6は、必ずしも必要ではなく、X線検出モジュール10に求められる感度特性などに応じて設けるようにすればよい。
以下においては、一例として、反射層6が設けられている場合を説明する。
反射層6は、シンチレータ5のX線の入射側に設けられている。反射層6は、少なくともシンチレータ5の上面を覆っている。反射層6は、シンチレータ5の側面5aをさらに覆うこともできる。
例えば、酸化チタン(TiO)などからなる光散乱性粒子と、樹脂と、溶媒とを混合した材料をシンチレータ5上に塗布し、これを乾燥することで反射層6を形成することができる。
また、例えば、銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる層をシンチレータ5上に成膜することで反射層6を形成することができる。
また、例えば、表面が銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなるシートや、光散乱性粒子を含む樹脂シートなどをシンチレータ5の上に設けることで反射層6とすることもできる。
なお、ペースト状の材料をシンチレータ5の上に塗布し、これを乾燥する場合は、乾燥に伴い材料が収縮するので、シンチレータ5が引っ張られて、シンチレータ5がアレイ基板2から剥離する場合がある。そのため、シート状の反射層6を、シンチレータ5の上に設けることが好ましい。この場合、シート状の反射層6を、例えば、両面テープなどを用いて、シンチレータ5の上に接合することもできるが、シート状の反射層6をシンチレータ5の上に載置することが好ましい。シート状の反射層6をシンチレータ5の上に載置するようにすれば、反射層6の膨張または収縮に起因して、シンチレータ5がアレイ基板2から剥離するのを抑制するのが容易となる。
防湿部7は、空気中に含まれる水分により、反射層6の特性やシンチレータ5の特性が劣化するのを抑制するために設けられている。
防湿部7は、シンチレータ5、および、封止部8の少なくとも一部を覆っている。防湿部7と反射層6などとの間には隙間があってもよいし、防湿部7と反射層6などとが接触するようにしてもよい。例えば、大気圧よりも減圧された環境において防湿部7と封止部8とを接合すれば、防湿部7と反射層6などとが接触するようにすることができる。また、一般的に、シンチレータ5には、その体積の10%〜40%程度の空隙が存在する。そのため、空隙にガスが含まれていると、X線検出器1を航空機などで輸送した場合にガスが膨張して防湿部7が破損するおそれがある。大気圧よりも減圧された環境において防湿部7と封止部8とを接合すれば、X線検出器1が航空機などで輸送された場合であっても防湿部7が破損するのを抑制することができる。すなわち、封止部8と防湿部7とにより画された空間の圧力は、大気圧よりも低くすることが好ましい。
ここで、封止部8の内部に気泡や空隙があったり、封止部8と防湿部7の間に隙間やリークパスがあったり、封止部8とアレイ基板2の間に隙間やリークパスがあったりする場合がある。この場合、大気圧よりも減圧された環境において防湿部7と封止部8とを接合し、その後、大気圧環境に戻した際に、隙間やリークパスなどを介して大気が内部に侵入する場合がある。大気が内部に侵入すると、防湿部7とシンチレータ5とが密着せず、防湿部7の表面にしわが発生したり、張りが無くなったりする。そのため、隙間やリークパスなどがあることを目視にて容易に知ることができる。隙間やリークパスなどがある製品の寿命は短くなるおそれがあるが、この様な製品を検査において容易に発見し除去することができる。そのため、X線検出器1の品質を向上させることが容易となる。
防湿部7は、金属を含むシートとすることができる。金属は、例えば、アルミニウムを含む金属、銅を含む金属、マグネシウムを含む金属、タングステンを含む金属、ステンレス、コバール材などとすることができる。この場合、金属を含む防湿部7とすれば、防湿部7を透過する水分をほぼ完全になくすことができる。
また、防湿部7は、樹脂膜と金属膜とが積層された積層シートとすることもできる。この場合、樹脂膜は、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、テフロン(登録商標)、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、弾性ゴムなどから形成されたものとすることができる。金属膜は、例えば、前述した金属を含むものとすることができる。金属膜は、例えば、スパッタリング法、ラミネート法などを用いて形成することができる。この場合、金属膜がシンチレータ5側に設けられるようにすることが好ましい。この様にすれば、樹脂膜により金属膜を覆うことができるので、外力などにより金属膜が傷つくのを抑制することができる。また、金属膜が樹脂膜よりも内側(シンチレータ5側)に設けられていれば、樹脂層を介した透湿でシンチレータ5の特性が劣化するのを抑制することができる。
また、金属膜に代えて、あるいは金属膜と共に無機膜を設けることができる。無機膜は、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウムなどを含む膜とすることができる。無機膜は、例えば、スパッタリング法などを用いて形成することができる。
金属膜を含む積層シートとする場合には、例えば、金属膜の厚みと略同じ厚みを有する樹脂膜を用いることができる。この様な厚みを有する樹脂膜を設ければ、防湿部7の剛性を増加させることができるので、製造工程中において、防湿部7にピンホールが発生するのを抑制することができる。なお、一般的に、樹脂の線膨張係数は、金属の線膨張係数よりも大きいため、樹脂膜の厚みを厚くし過ぎると、後述するアレイ基板2の反りが発生しやすくなる。そのため、樹脂膜の厚みは、金属膜の厚み以下とすることが好ましい。
また、防湿部7の厚みは、X線の吸収や剛性などを考慮して決定することができる。この場合、防湿部7の厚みを厚くすると、防湿部7に吸収されるX線の量が多くなる。一方、防湿部7の厚みを薄くすると、剛性が低下して破損しやすくなる。
例えば、防湿部7の厚みを10μm未満にすると、防湿部7の剛性が低くなりすぎて、外力などによるダメージによりピンホールが生じ、リークが発生するおそれがある。防湿部7の厚みが50μmを超えると、防湿部7の剛性が高くなり過ぎて、シンチレータ5の上端の凹凸への追従性が悪くなる。そのため、前述した隙間やリークパスの確認が困難となるおそれがある。またさらに、後述するアレイ基板2の反りが発生しやすくなるおそれがある。
そのため、防湿部7の厚みは、10μm以上、50μm以下とすることが好ましい。
この場合、防湿部7は、例えば、厚みが10μm以上、50μm以下のアルミニウム箔とすることができる。アルミニウム箔の厚みが10μm以上、50μm以下であれば、厚みが100μmのアルミニウム箔に比べてX線の透過量を20%〜30%程度多くすることができる。また、厚みが10μm以上、50μm以下のアルミニウム箔とすれば、前述したリークの発生を抑制することができ、且つ、前述した隙間やリークパスの確認が容易となる。また、後述するアレイ基板2の反りを抑制することができる。
ここで、人体に対して大量のX線照射を行うと健康への悪影響があるため、人体へのX線照射量は必要最低限に抑えられる。そのため、医療に用いられるX線検出器1の場合には、照射されるX線の強度が小さくなり、防湿部7を透過するX線の強度が非常に小さくなるおそれがある。本実施の形態に係る防湿部7は、厚みが10μm以上、50μm以下のシートとしているので、照射されるX線の強度が小さい場合であってもX線画像の撮影が可能となる。
この場合、防湿部7の厚みを薄くすると防湿部7の剛性が低下する。そのため、つば部などを設けて立体的な防湿部とすると、例えば、金属箔をプレス成形する際に亀裂などが生じ易くなる。図2に示すように、シート状を呈する防湿部7の周縁近傍は、封止部8の外面8aに接合される。そのため、予め防湿部7を立体形状に加工する必要はなく、シート状を呈する防湿部7をそのまま封止部8の外面8aに接合することができる。その結果、防湿部7の厚みを10μm以上、50μm以下としても、防湿部7に亀裂などが発生するのを抑制することができる。
また、後述するように、防湿部7の周縁近傍を加熱することで、防湿部7の周縁近傍と封止部8を接合する。この場合、防湿部7の周縁近傍の温度と、封止部8の温度が低下すると、防湿部7の周縁近傍と封止部8との間に熱応力が発生する。防湿部7の周縁近傍と封止部8との間に熱応力が発生すると、防湿部7の周縁近傍と封止部8との間に剥離が生じるおそれがある。剥離が生じると防湿性能が著しく低下するおそれがある。防湿部7の厚みは10μm以上、50μm以下としているので、熱応力が発生した際に防湿部7が延びやすくなる。そのため、熱応力を緩和させることができるので、防湿部7の周縁近傍と封止部8との間に剥離が生じるのを抑制することができる。
図2に示すように、封止部8は、シンチレータ5の側面5aとアレイ基板2に接合されている。この場合、封止部8は、シンチレータ5の側面5aと密着させることができる。シンチレータ5が複数の柱状結晶の集合体となっている場合には、シンチレータ5の側面5aに凹凸が形成されている。そのため、封止部8の一部が、シンチレータ5の側面5aの凹凸の内部に設けられていれば、封止部8とシンチレータ5との接合強度を大きくすることができる。封止部8は、アレイ基板2と密着させることができる。封止部8とアレイ基板2とが密着していれば、大気に含まれている水分などが、封止部8とアレイ基板2との間を透過してシンチレータ5に到達するのを抑制することができる。
封止部8の外面8aの形状は、外側に突出する曲面とすることができる。この様にすれば、封止部8の外面8aとシンチレータ5の側面5aとの間の距離Lを長くすることができる。そのため、大気に含まれている水分などが、封止部8の内部を透過してシンチレータ5に到達するのを抑制することができる。
また、封止部8の外面8aの形状が外側に突出する曲面となっていれば、防湿部7の周縁近傍を封止部8の外面8aに倣わせるのが容易となる。そのため、防湿部7を封止部8に密着させるのが容易となる。また、防湿部7をなだらかに変形させることができるので、防湿部7の厚みを薄くしても防湿部7に亀裂などが発生するのを抑制することができる。
また、図2に示すように、防湿部7を封止部8に密着させた際に、防湿部7の周端面7aがアレイ基板2と接触するか、周端面7aがアレイ基板2の近傍に位置するようにすることが好ましい。この様にすれば、大気に含まれている水分などが、封止部8の内部に侵入するのを効果的に抑制することができる。
また、封止部8の高さは、シンチレータ5の高さ以下とすることが好ましい。封止部8の高さがシンチレータ5の高さ以下となっていれば、防湿部7となるシートを無理なく変形させることができるので防湿部7にシワ、破断、ピンホールなどが発生するのを抑制することができる。
またさらに、封止部8の高さが、シンチレータ5の高さよりも低ければ、防湿部7の周縁近傍を撓ませることができる。防湿部7の周縁近傍を撓ませることができれば、防湿部7の熱収縮量と、アレイ基板2の熱収縮量との差を吸収することができる。そのため、熱応力によりアレイ基板2が変形するのを抑制することができる。
なお、封止部8の高さをシンチレータ5の高さよりも低くすることに関する詳細は後述する(図8を参照)。
封止部8は、熱可塑性樹脂を主成分として含むものとすることができる。封止部8が熱可塑性樹脂を主成分として含んでいれば、加熱により、アレイ基板2、シンチレータ5、および防湿部7と接合することができる。ここで、例えば、封止部8が紫外線硬化樹脂を主成分として含んでいれば、封止部8を、アレイ基板2、シンチレータ5、および防湿部7と接合する際に紫外線を照射する必要がある。ところが、防湿部7は金属などを含んでいるため紫外線を透過させることができない。また、防湿部7が紫外線を透過するものとすると、紫外線によりシンチレータ5が変色し、発生した蛍光が吸収されるおそれがある。
これに対し、封止部8は、熱可塑性樹脂を主成分として含んでいるので、加熱により容易に接合を行うことができる。また、シンチレータ5が紫外線により変色することもない。また、封止部8の加熱と冷却に要する時間は短くてすむので、製造時間の短縮、ひいては製造コストの低減を図ることができる。
熱可塑性樹脂は、例えば、ナイロン、PET(Polyethyleneterephthalate)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene),アクリル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどとすることができる。この場合、ポリエチレンの水蒸気透過係数は0.068g・mm/day・mであり、ポリプロピレンの水蒸気透過係数は0.04g・mm/day・mである。そのため、封止部8が、ポリエチレンおよびポリプロピレンの少なくともいずれかを主成分として含んでいれば、封止部8の内部を透過してシンチレータ5に到達する水分を大幅に少なくすることができる。
熱可塑性樹脂の剛性は、防湿部7の剛性よりも低くすることができる。
また、封止部8は、無機材料を用いたフィラーをさらに含むことができる。無機材料からなるフィラーが封止部8に含まれていれば、水分の透過をさらに抑制することができる。無機材料は、例えば、タルク、グラファイト、雲母、カオリン(カオリナイトを主成分とする粘土)などとすることができる。フィラーは、例えば、扁平な形態を有するものとすることができる。外部から封止部8の内部に侵入した水分は、無機材料からなるフィラーによって拡散が妨げられるので、水分が封止部8を通過する速度を減少させることができる。そのため、シンチレータ5に到達する水分の量を少なくすることができる。
ここで、高温多湿の環境に保管されていたX線検出器1が、より低い温度の環境で使用される場合がある、この様な場合には、筐体の内部にある水蒸気が結露して、X線検出器1の表面に付着する場合がある。封止部8の外面8aに微細な亀裂があると、表面に付着した水分が亀裂に侵入し、封止部8の内部に導かれるおそれがある。また、X線検出器1が氷点下以下の環境に搬送され、亀裂に侵入した水分が凍結する場合がある。亀裂に侵入した水分が凍結すると体積が大きくなるので、亀裂が大きくなるとともに水分がさらに侵入し易くなる。以上のことが繰り返されると、封止部8の破損、防湿部7と封止部8の剥離、アレイ基板2と封止部8の剥離などが生じるおそれがある。
そのため、封止部8の少なくとも外面8aは、撥水性を有するものとすることが好ましい。封止部8の少なくとも外面8aが撥水性を有していれば、亀裂に水分が侵入するのを抑制することができる。
例えば、封止部8の外面8aに撥水剤を塗布することができる。また、封止部8が、ポリエチレンおよびポリプロピレンの少なくともいずれかを主成分として含んでいれば、撥水性を有する外面8aとすることができる。
また、熱可塑性樹脂を枠状に塗布した直後に、内部を観察して泡、異物、リークパスなどの有無をチェックすることが好ましい。この様なチェックが、目視もしくは光学顕微鏡を用いて行うことができれば、生産効率を向上させることができる。そのため、枠状に塗布された熱可塑性樹脂は、厚みが最も厚い部分においても透明であることが好ましい。すなわち、封止部8は、透光性を有するものとすることが好ましい。この様にすれば、泡、異物、リークパスなどがあり寿命が短くなるおそれがある製品を容易に除去することができる。そのため、製品の品質を向上させることができる。
次に、図1に戻って、回路基板11について説明する。
図1に示すように、回路基板11は、アレイ基板2の、シンチレータ5が設けられる側とは反対側に設けられている。回路基板11は、X線検出モジュール10(アレイ基板2)と電気的に接続されている。
図3に示すように、回路基板11には、読み出し回路11aおよび信号検出回路11bが設けられている。なお、これらの回路を1つの基板に設けることもできるし、これらの回路を複数の基板に分けて設けることもできる。
読み出し回路11aは、薄膜トランジスタ2b2のオン状態とオフ状態を切り替える。 読み出し回路11aは、複数のゲートドライバ11aaと行選択回路11abとを有する。
行選択回路11abには、X線検出器1の外部に設けられた図示しない画像処理部などから制御信号S1が入力される。行選択回路11abは、X線画像の走査方向に従って、対応するゲートドライバ11aaに制御信号S1を入力する。
ゲートドライバ11aaは、対応する制御ライン2c1に制御信号S1を入力する。
例えば、読み出し回路11aは、フレキシブルプリント基板2e1を介して、制御信号S1を各制御ライン2c1毎に順次入力する。制御ライン2c1に入力された制御信号S1により薄膜トランジスタ2b2がオン状態となり、蓄積キャパシタからの電荷(画像データ信号S2)が受信できるようになる。
信号検出回路11bは、複数の積分アンプ11ba、複数の選択回路11bb、および複数のADコンバータ11bcを有している。
1つの積分アンプ11baは、1つのデータライン2c2と電気的に接続されている。積分アンプ11baは、光電変換部2bからの画像データ信号S2を順次受信する。そして、積分アンプ11baは、一定時間内に流れる電流を積分し、その積分値に対応した電圧を選択回路11bbへ出力する。この様にすれば、所定の時間内にデータライン2c2を流れる電流の値(電荷量)を電圧値に変換することが可能となる。すなわち、積分アンプ11baは、シンチレータ5において発生した蛍光の強弱分布に対応した画像データ情報を、電位情報へと変換する。
選択回路11bbは、読み出しを行う積分アンプ11baを選択し、電位情報へと変換された画像データ信号S2を順次読み出す。
ADコンバータ11bcは、読み出された画像データ信号S2をデジタル信号に順次変換する。デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、配線を介して画像処理部に入力される。なお、デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、無線により画像処理部に送信されるようにしてもよい。
画像処理部は、デジタル信号に変換された画像データ信号S2に基づいてX線画像を構成する。なお、画像処理部は、回路基板11と一体化することもできる。
次に、他の実施形態に係るX線検出モジュールについて説明する。
図4(a)、(b)は、他の実施形態に係るX線検出モジュール10aを例示するための模式断面図である。
後述するように、封止部8は、軟化させた熱可塑性樹脂をアレイ基板2の上に枠状に塗布したり、3Dプリンタなどで熱可塑性樹脂をアレイ基板2の上に枠状に設けたりすることで形成される。そのため、封止部8の寸法がばらつく場合がある。
封止部8の寸法がばらつくと、防湿部7の周端面7aがアレイ基板2と干渉して、防湿部7の周縁近傍にシワなどが発生する場合がある。防湿部7の周縁近傍にシワなどが発生すると、防湿部7の剥離などが生ずるおそれがある。
この場合、図4(a)に示すように、防湿部17の周端面17aとアレイ基板2との間に距離H1が設けられる様にすることができる。例えば、シート状を呈する防湿部17の寸法を短めにしておけば良い。この様にすれば、封止部8の寸法がばらついたとしても、防湿部17の周縁近傍にシワなどが発生するのを抑制することができる。
この場合、距離H1があまり大きくなると、封止部8の内部に侵入する水分が多くなるおそれがある。本発明者らの得た知見によれば、図4(b)に示すように、距離H1が封止部8の高さH2の半分以下となるようにすることが好ましい。この場合、距離H1がより小さくなれば、封止部8の内部に侵入する水分がより少なくなる。
図5は、他の実施形態に係るX線検出モジュール10bを例示するための模式断面図である。
図6(a)は、防湿部17の模式平面図である。
図6(b)は、防湿部17の模式斜視図である。
図5に示すように、防湿部17の周縁近傍をアレイ基板2に沿って折り曲げることもできる。すなわち、防湿部17の周縁にはアレイ基板2に沿う折り曲げ部17bを設けることができる。この場合、折り曲げ部17bはアレイ基板2に接着することもできる。この様にすれば、封止部8の外面8aを防湿部17により覆うことができるので、防湿部17の内部に水分が侵入するのを効果的に抑制することができる。なお、折り曲げ部17bの寸法を余り大きくすると、X線検出モジュール10bの小型化、ひいてはX線検出器1の小型化が図れなくなるおそれがある。そのため、折り曲げ部17bの寸法は、例えば、2mm以下とすることが好ましい。
また、防湿部17の周縁近傍を折り曲げると以下の問題が生じる。
防湿部17は、ゆがみや凹凸の無いシートを用いて形成することができる。防湿部17となるシートをシンチレータ5に被せると、シートはシンチレータ5の厚みの分だけアレイ基板2から浮いた状態になる。この様な状態にあるシートの周縁近傍を封止部8に沿ってアレイ基板2側に曲げることは容易であり、シートに引き延ばしの応力はほとんどかからない。
ところが、枠状を呈する封止部8のコーナーの部分においては、シートを辺と同じ形に折り曲げることは幾何学的に不可能である。そのため、シートの一部を引き延ばすことで封止部8に沿うようにする必要がある。
防湿部17には、外部からの水分を遮蔽する機能が求められるが、シートの一部を引き延ばすと、その部分が薄くなったり、微細なひび割れが発生したり、ピンホールが発生したりするおそれがある。ひび割れやピンホールが発生すると、水分を遮蔽する能力が低下することになる。
この場合、図6(a)、(b)に示すように、防湿部17のコーナー部に、外側に向けて突出する凸状の凸部17cを設ければ、前述した幾何学的ゆがみを吸収することができる。そのため、シートの一部が引き延ばされるのを抑制することができるので、ひび割れやピンホールが発生するのを抑制することができる。
図7は、他の実施形態に係るX線検出モジュール10cを例示するための模式断面図である。
前述したように、アレイ基板2の材料、シンチレータ5の材料、防湿部7の材料、および封止部8の材料は異なっている。そのため、それぞれが異なる線膨張係数を有している。ここで、X線検出モジュール10cが起動している間は熱が発生するので、これらの温度が高くなる。また、X線検出器1の周囲の温度が変化する場合もある。そのため、温度変化に応じて、これらの間に熱応力が発生する。この場合、防湿部7に引張応力Fが発生すると、引張応力Fが、防湿部7と封止部8の接合部分、もしくは封止部8とアレイ基板2の接合部分に印加され、剥がれや破断などが生じるおそれがある。剥がれや破断などが生じると、水分がシンチレータ5に到達し易くなる。また、アレイ基板2に反りなどの変形が生じるおそれもある。
そこで、本実施の形態に係るX線検出モジュール10cにおいては、封止部8の外面8aに凹部8a1を設けている。凹部8a1が設けられていれば、凹部8a1の近傍が変形し易くなる。そのため、凹部8a1の近傍が変形することで、発生した引張応力Fを緩和させることができる。
また、防湿部7の、凹部8a1に対峙する部分に撓み部7cを設けることができる。撓み部7cは、防湿部7の、撓み部7cが設けられていない部分よりも、弾性変形が容易とすることができる。撓み部7cが設けられていれば、撓み部7cが弾性変形することで、発生した引張応力Fを緩和させることができる。この場合、撓み部7cと凹部8a1は接触させてもよいし、図7に示すように撓み部7cと凹部8a1の間に隙間を設けてもよい。撓み部7cと凹部8a1が接触していれば、撓み部7cの剛性を高めることができるので、撓み部7cに破断やピンホールが発生するのを抑制することができる。撓み部7cと凹部8a1の間に隙間が設けられていれば、撓み部7cの変形が容易となるので、引張応力Fの緩和が容易となる。
引張応力Fを緩和させることができれば、防湿部7の剥がれや破断などを抑制することができる。また、アレイ基板2に反りなどの変形が発生するのを抑制することができる。
また、後述する図15に示すように、封止部8の外面8aには凸部18cを設けることもできる。なお、凸部18cに関する詳細は後述する。
図8は、他の実施形態に係るX線検出モジュール10dを例示するための模式断面図である。
図8に示すように、封止部8の高さH3は、シンチレータ5の高さH4よりも低くすることができる。封止部8の高さH3が、シンチレータ5の高さH4よりも低ければ、防湿部7の周縁近傍を撓ませることができる。すなわち、この様にすれば、防湿部7の周縁近傍の撓み部7dを設けるのが容易となる。撓み部7dは、防湿部7の、撓み部7dが設けられていない部分よりも、弾性変形が容易とすることができる。撓み部7dが設けられていれば、前述した撓み部7cと同様の効果を得ることができる。すなわち、撓み部7dが弾性変形することで、発生した引張応力Fを緩和させることができるので、防湿部7の剥がれや破断などが発生したり、アレイ基板2に反りなどの変形が発生したりするのを抑制することができる。
例えば、アルミニウム箔を用いた防湿部7の線膨張係数は、23×10−6程度となる。アレイ基板2の線膨張係数は、4×10−6程度となる。そのため、封止部8に固定された防湿部7の温度が低下すると、防湿部7がアレイ基板2より大きく収縮する。この場合、防湿部7が、ほぼ完全な平面状となっていると、収縮量の差を吸収することができず、アレイ基板2に反りが発生する。これに対し、撓み部7c、7dが設けられていれば、収縮量の差を吸収することができるので、アレイ基板2に反りが発生するのを抑制することができる。
この場合、シンチレータ5の高さH4と、封止部8の高さH3との差は、防湿部7の厚み以上とすることができる。例えば、シンチレータ5の高さH4と、封止部8の高さH3との差は、0.1mm以上とすることができる。一方、封止部8の高さH3を低くし過ぎると、静電気などの高い電圧が印加された際に、防湿部7とアレイ基板2とがショートするおそれがある。そのため、シンチレータ5の高さH4と、封止部8の高さH3との差は、0.5mm以下とすることが好ましい。すなわち、シンチレータ5の高さH4と、封止部8の高さH3との差は、0.1mm以上、0.5mm以下とすることが好ましい。
本発明者らの得た知見によれば、封止部8の高さH3は、シンチレータ5の高さH4の30%以上、70%以下とすることが好ましい。封止部8の高さH3をこの様にすれば、前述した、アレイ基板2の反りの抑制、透湿率の低減、封止部8の形成に必要となる材料の量の低減などを図ることができる。
例えば、透湿率の低減効果は以下の様に考えることができる。
防湿部7と封止部8の合計の透湿率をQ、防湿部7を透湿率をQ7、封止部8の透湿率をQ8とすると以下の式が成り立つ。
Q=Q7+Q8
この場合、Q7は略一定と考えられるので、Qの増減は、Q8の増減によりほぼ決まることになる。
ここで、封止部8の透湿係数をP、封止部8の透湿断面積をS(mm)、封止部8の透湿幅をW、封止部8の周長をL(mm)、封止部8の高さをH(mm)とすると以下の式が成り立つ。
Q8=P×S/W=P×L×H/W
そのため、封止部8の高さHを小さくすれば、封止部8の透湿率Q8を小さくすることができ、ひいては防湿部7と封止部8の合計の透湿率Qを小さくすることができる。
すなわち、防湿性の向上を図ることができるので、X線検出モジュール10の信頼性を向上させることができる。
図9(a)、(b)は、他の実施形態に係る撓み部7eを例示するための模式断面図である。
図9(a)、(b)に示すように、撓み部7eは、防湿部7の、シンチレータ5の上面5bと対峙する領域に設けることもできる。撓み部7eは、例えば、エンボス状を呈するものとすることができる。撓み部7eのシンチレータ5側とは反対側の面(X線が入射する側の面)は、防湿部7のシンチレータ5側とは反対側の面から外部に向けて突出している。撓み部7eのシンチレータ5の面は、防湿部7のシンチレータ5側の面から外部に向けて突出している。
撓み部7eの肉厚寸法は、防湿部7の、撓み部7eが設けられていない部分の肉厚寸法とほぼ同じとすることができる。撓み部7eは、例えば、シート状の防湿部7にプレス刻印金型によるプレス加工(エンボス加工)を施すことで形成することができる。なお、樹脂膜と無機材料からなる膜とが積層された低透湿防湿膜であっても、プレス刻印金型によるプレス加工(エンボス加工)を施すことで撓み部7eを形成することができる。
撓み部7eの高さ寸法は、防湿部7の、撓み部7eが設けられていない部分の肉厚寸法よりも大きくすることができる。撓み部7eの幅寸法、数、配置などには特に限定はない。撓み部7eの幅寸法、数、配置などは、前述した熱収縮量の大きさや、防湿部7の大きさなどに応じて適宜決定することができる。
撓み部7eは、防湿部7の、撓み部7eが設けられていない部分よりも、弾性変形が容易とすることができる。そのため、撓み部7eが弾性変形することで、線膨張係数の差に基づく熱収縮量の差を吸収することができる。そのため、撓み部7eを設けるようにすれば、アレイ基板2に反りが発生するのを抑制することができる。
この場合、図9(a)に示すように、防湿部7に撓み部7eのみを設けるようにすることもできるし、図9(b)に示すように、防湿部7に撓み部7eを設けるとともに、防湿部7の周縁近傍に撓み部7d、7cを設けることもできる。
図10は、比較例に係るX線検出モジュール110を例示するための模式断面図である。 図10に示すように、封止部8がアレイ基板2と接合され、シンチレータ5の側面5aとは接合されていなければ、封止部8の剥がれが生じやすくなる。例えば、前述したように、起動による温度変化や周囲温度の変化により熱応力が発生する。この場合、封止部8がアレイ基板2のみとしか接合されていなければ、封止部8の接合強度が低くなる。そのため、発生した熱応力により、封止部8の剥がれが生じるおそれがある。
これに対して、本実施の形態に係るX線検出モジュール10、10a〜10cにおいては、封止部8は、シンチレータ5の側面5aとアレイ基板2に接合されている。また、封止部8は、シンチレータ5の側面5aと密着している。さらに、封止部8の一部が、シンチレータ5の側面5aの凹凸の内部に設けられている。そのため、封止部8の接合強度を高くすることができるので、熱応力により封止部8が剥がれるのを抑制することができる。
図11は、比較例に係るX線検出モジュール110aを例示するための模式断面図である。
図11に示すように、封止部118の外面118aの露出部118a1は、アレイ基板2側になるに従いシンチレータ5に近づく方向に傾斜する傾斜面となっている。そのため、アレイ基板2の近傍において、封止部118の外面118aとシンチレータ5の側面5aとの間の距離Lが短くなる。そのため、大気に含まれている水分などが、封止部118とアレイ基板2との間を透過してシンチレータ5に到達し易くなる。
これに対して、本実施の形態に係るX線検出モジュール10、10a〜10cにおいては、封止部8の外面8aの形状は、外側に突出する曲面となっている。そのため、アレイ基板2の近傍において、封止部18の外面18aとシンチレータ5の側面5aとの間の距離Lを長くすることができるので、大気に含まれている水分などがシンチレータ5に到達し難くなる。
図12は、比較例に係るX線検出モジュール110bを例示するための模式断面図である。
図12に示すように、封止部128の高さがシンチレータ5の高さよりも高ければ、防湿部17となるシートを被せる際に無理に変形させる必要がある。そのため、防湿部17にシワ、破断、ピンホールなどが発生しやすくなる。
また、封止部128の外面128aの露出部分が大きくなり易くなる。露出部分が大きくなると、水分の透過断面が大きくなるので、より多くの水分が封止部128の内部に侵入しやすくなる。
これに対して、本実施の形態に係るX線検出モジュール10、10a〜10cにおいては、封止部8の高さがシンチレータ5の高さ以下となっているので、防湿部7となるシートを無理なく変形させることができる。そのため、防湿部7にシワ、破断、ピンホールなどが発生するのを抑制することができる。
図13は、比較例に係るX線検出モジュール110cを例示するための模式断面図である。
図13に示すように、封止部138の外面138aがアレイ基板2に垂直な平面となっていると、外面138aを防湿部117で覆うのが難しくなる。外面138aが防湿部117により覆われていないと、水分の透過断面が大きくなるので、より多くの水分が封止部138の内部に侵入しやすくなる。この場合、防湿部117の周縁近傍117aを折り曲げて外面138aを覆うようにすると、折り曲げ部117bに亀裂や破断が生じ易くなる。亀裂や破断が生じると、亀裂や破断を介して水分が侵入するおそれがある。
これに対して、本実施の形態に係るX線検出モジュール10、10a〜10cにおいては、封止部8の外面8aの形状は、外側に突出する曲面となっている。そのため、外面8aを封止部7により覆う際に、封止部7を無理に曲げることが必要となる部分が生じない。そのため、亀裂や破断が生じることなく、外面8aを封止部7により覆うことができる。
(X線検出モジュールの製造方法、およびX線検出器の製造方法)
次に、X線検出モジュールの製造方法、およびX線検出器の製造方法について例示する。
まず、基板2aの上に、制御ライン2c1、データライン2c2、配線パッド2d1、配線パッド2d2、光電変換部2b、および保護層2fなどを順次形成してアレイ基板2を製造する。アレイ基板2は、例えば、半導体製造プロセスを用いて製造することができる。なお、アレイ基板2の製造には既知の技術を適用することができるので詳細な説明は省略する。
次に、基板2a上の有効画素領域Aを覆うようにシンチレータ5を形成する。
例えば、シンチレータ5は、真空蒸着法を用いて形成することができる。真空蒸着法を用いてシンチレータ5を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ5が形成される。シンチレータ5の厚みは、X線検出器1に求められるDQE特性、感度特性、解像度特性などに応じて適宜変更することができる。シンチレータ5の厚みは、例えば、600μm程度とすることができる。
また、発光物質とバインダ材とを混合し、混合された材料を有効画素領域Aを覆うように塗布し、これを焼成し、焼成された材料にマトリクス状の溝部を形成して複数の光電変換部2bごとに四角柱状のシンチレータ5が設けられるようにしてもよい。
次に、シンチレータ5の上に反射層6を形成する。
例えば、反射層6は、複数の光散乱性粒子、樹脂、および溶媒を混合した塗布液をシンチレータ5上に塗布し、これを乾燥させることで形成することができる。
また、例えば、銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる層をシンチレータ5上に成膜することで反射層6を形成することもできる。
また、例えば、表面が銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなるシートや、光散乱性粒子を含む樹脂シートなどをシンチレータ5の上に設けたり、貼り付けたりして反射層6を設けることもできる。
次に、封止部8を形成する。
例えば、溶剤を用いて熱可塑性樹脂を軟化させ、軟化させた熱可塑性樹脂を、シンチレータ5の周囲に枠状に塗布し、溶剤を蒸発させて熱可塑性樹脂を固化し、封止部8を形成することができる。
また、例えば、熱可塑性樹脂を加熱することで軟化させ、軟化させた熱可塑性樹脂を、シンチレータ5の周囲に枠状に塗布し、放熱などにより熱可塑性樹脂を固化させて封止部8を形成することができる。
また、例えば、3Dプリンタなどを用いて、枠状の封止部8を形成することもできる。
図14は、比較例に係る熱可塑性樹脂18の塗布を例示するための模式斜視図である。 前述したように、軟化させた熱可塑性樹脂18は、枠状に塗布される。そのため、つなぎ目18aが少なくとも1箇所生じることになる。軟化させた熱可塑性樹脂18を枠状に塗布する場合、熱可塑性樹脂18の単位時間当たりの供給量を一定にしたり、熱可塑性樹脂18を吐出するノズルの移動速度Bを一定にしたりすると、図14に示すように、供給の始点と供給の終点のつなぎ目18aに窪み18bが生じる場合がある。例えば、供給の始点と供給の終点が離れていると、供給の始点と供給の終点のつなぎ目18aに、周囲より高さが低く急峻な窪み18bが生じる場合がある。急峻な窪み18bが生じると、防湿部7となるシートが窪み18bに沿うことができず、リークパスが生じるおそれがある。リークパスの部分においては、防湿部7と封止部8の外面8aとが接合されておらず、リークパスを介して水分が侵入し易くなる。
図15は、本実施の形態に係る熱可塑性樹脂18の塗布を例示するための模式斜視図である。
図15に示すように、つなぎ目18aに凸部18cを形成することができる。例えば、つなぎ目18aの部分において熱可塑性樹脂18の単位時間当たりの供給量を増加させたり、ノズルの移動速度Bを遅くしたりすることで凸部18cを形成することができる。この場合、なだらかな外面を有し、高さの低い凸部18cが形成されるようにすることが好ましい。
急峻な窪み18bに比べて、凸部18cに防湿部7となるシートを沿わせることは容易である。そのため、リークパスが発生するのを抑制することができる。
次に、防湿部7となるシートを、シンチレータ5、反射層6、および封止部8に被せ、シートの周縁近傍を封止部8の外面8aに接合する。
例えば、シートの周縁近傍を封止部8の外面8aに押し付けた状態でシートを加熱し、封止部8の外面8aを溶融させて防湿部7を接合することができる。シートが封止部8の外面8aに接合されることで防湿部7が形成される。
シートの接合は、大気圧よりも減圧された環境において行うことができる。
大気圧よりも減圧された環境においてシートを封止部8の外面8aに接合する。
ことで、防湿部7の内部に水蒸気を含む空気が収納されるのを抑制することができる。また、航空機によりX線検出器1を輸送する場合などのように、X線検出器1が大気圧よりも減圧された環境に置かれる場合であっても、防湿部7の内部にある空気により防湿部7が膨張したり変形したりするのを抑制することができる。また、大気圧により防湿部7が押さえつけられるので、防湿部7がシンチレータ5に密着する。
以上の様にして、X線検出モジュール10、10a〜10cを製造することができる。
次に、フレキシブルプリント基板2e1、2e2を介して、アレイ基板2と回路基板11を電気的に接続する。
その他、回路部品などを適宜実装する。
次に、図示しない筐体の内部にアレイ基板2、回路基板11などを格納する。
この場合、アレイ基板2の反りが大きいと、アレイ基板2が筐体の内部に格納されている部材と干渉したり、アレイ基板2が筐体の内壁に干渉したりするおそれがある。前述したように、本実施の形態に係るX線検出モジュール10とすれば、アレイ基板2の反りを抑制することができるので、組立工程における作業の円滑化を図ることができる。
また、必要に応じて、光電変換素子2b1の異常の有無や電気的な接続の異常の有無を確認する電気試験、X線画像試験などを行うことができる。
以上のようにして、X線検出器1を製造することができる。
なお、製品の防湿信頼性や温度環境の変化に対する信頼性を確認するために、高温高湿試験、冷熱サイクル試験などを実施することもできる。
以上に説明したように、本実施の形態に係るX線検出モジュールの製造方法は以下の工程を備えることができる。
アレイ基板2に設けられた複数の光電変換部2bの上に、シンチレータ5を形成する工程。
軟化させた熱可塑性樹脂18をシンチレータ5の周囲に枠状に塗布して封止部8を形成する工程。
防湿部7となるシートを、シンチレータ5および封止部8に被せ、シートの周縁近傍を加熱して、シートの周縁近傍を封止部8の外面8aに接合する工程。
この場合、封止部8形成する工程において、塗布のつなぎ目18aに凸部18cを形成することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 X線検出器、2 アレイ基板、2a 基板、2b 光電変換部、2b1 光電変換素子、5 シンチレータ、5a 側面、6 反射層、7 防湿部、7a 周端面、7c 撓み部、8 封止部、8a 外面、8a1 凹部、10 X線検出モジュール、10a〜10c X線検出モジュール、11 回路基板、17 防湿部、17a 周端面、17b 折り曲げ部、17c 凸部、18 熱可塑性樹脂、18a つなぎ目、18b 窪み、18c 凸部
実施形態に係る放射線検出モジュールは、複数の光電変換部を有するアレイ基板と、前記複数の光電変換部の上に設けられたシンチレータと、熱可塑性樹脂を主成分として含み、前記シンチレータの周囲に設けられ、前記アレイ基板と前記シンチレータに接合された枠状の封止部と、前記シンチレータの上方を覆い、周縁近傍が前記封止部の外面に接合された防湿部と、を備えている。前記封止部の外面の形状は、外側に突出する曲面である。
本発明者らの得た知見によれば、封止部8の高さH3は、シンチレータ5の高さH4の30%以上、70%以下とすることが好ましい。封止部8の高さH3をこの様にすれば、前述した、アレイ基板2の反りの抑制、単位時間当たりの透湿量の低減、封止部8の形成に必要となる材料の量の低減などを図ることができる。
例えば、単位時間当たりの透湿量の低減効果は以下の様に考えることができる。
防湿部7と封止部8の合計の、単位時間当たりの透湿量をQ、防湿部7の単位時間当たりの透湿量をQ7、封止部8の単位時間当たりの透湿量をQ8とすると以下の式が成り立つ。
Q=Q7+Q8
この場合、Q7は略一定と考えられるので、Qの増減は、Q8の増減によりほぼ決まることになる。
ここで、封止部8の透湿係数をP、封止部8の透湿断面積をS(mm)、封止部8の透湿幅をW、封止部8の周長をL(mm)、封止部8の高さをH(mm)とすると以下の式が成り立つ。
Q8=P×S/W=P×L×H/W
そのため、封止部8の高さHを小さくすれば、封止部8の単位時間当たりの透湿量Q8を小さくすることができ、ひいては防湿部7と封止部8の合計の、単位時間当たりの透湿量Qを小さくすることができる。
すなわち、防湿性の向上を図ることができるので、X線検出モジュール10の信頼性を向上させることができる。

Claims (26)

  1. 複数の光電変換部を有するアレイ基板と、
    前記複数の光電変換部の上に設けられたシンチレータと、
    熱可塑性樹脂を主成分として含み、前記シンチレータの周囲に設けられ、前記アレイ基板と前記シンチレータに接合された枠状の封止部と、
    前記シンチレータを覆い、周縁近傍が前記封止部の外面に接合された防湿部と、
    を備え、
    前記封止部の外面の形状は、外側に突出する曲面である放射線検出モジュール。
  2. 前記防湿部の周端面は、前記アレイ基板と接触している請求項1記載の放射線検出モジュール。
  3. 前記防湿部の周端面は、前記アレイ基板の近傍に設けられている請求項1記載の放射線検出モジュール。
  4. 前記防湿部の周端面と前記アレイ基板との間の距離は、前記封止部の高さの半分以下である請求項1記載の放射線検出モジュール。
  5. 前記防湿部の周縁には前記アレイ基板に沿う折り曲げ部が設けられている請求項1記載の放射線検出モジュール。
  6. 前記防湿部のコーナー部には、外側に向けて突出する凸部が設けられている請求項5記載の放射線検出モジュール。
  7. 前記封止部の外面には凹部が設けられている請求項1〜6のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  8. 前記防湿部の前記凹部に対峙する部分には、撓み部が設けられている請求項7記載の放射線検出モジュール。
  9. 前記封止部の外面には凸部が設けられている請求項1〜8のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  10. 前記封止部の高さは、前記シンチレータの高さ以下である請求項1〜9のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  11. 前記シンチレータの高さと、前記封止部の高さとの差は、0.1mm以上、0.5mm以下である請求項10記載の放射線検出モジュール。
  12. 前記封止部の高さは、前記シンチレータの高さの30%以上、70%以下ある請求項10または11に記載の放射線検出モジュール。
  13. 前記シンチレータの側面には凹凸が設けられ、
    前記封止部の一部は、前記シンチレータの側面の凹凸の内部に設けられている請求項1〜12のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  14. 前記封止部は透光性を有する請求項1〜13のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  15. 前記封止部の少なくとも外面は、撥水性を有する請求項1〜14のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  16. 前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレンおよびポリプロピレンの少なくともいずれかである請求項1〜15のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  17. 前記熱可塑性樹脂は、無機材料を用いたフィラーをさらに含む請求項1〜16のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  18. 前記防湿部は、金属を含むシート、樹脂膜と金属膜とが積層された積層シート、および、樹脂膜と無機膜とが積層された積層シートのいずれかである請求項1〜17のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  19. 前記防湿部の厚みは、10μm以上、50μm以下である請求項1〜18のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  20. 前記防湿部は、撓み部を有し、
    前記撓み部は、前記防湿部の、前記撓み部が設けられていない部分よりも、弾性変形が容易である請求項1〜19のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  21. 前記熱可塑性樹脂の剛性は、前記防湿部の剛性よりも低い請求項1〜20のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  22. 前記封止部と前記防湿部とにより画された空間の圧力は、大気圧よりも低い請求項1〜21のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  23. 前記シンチレータは、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)を含む請求項1〜22のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  24. 前記シンチレータと、前記防湿部と、の間に設けられた反射層をさらに備えた請求項1〜23のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  25. 請求項1〜24のいずれか1つに記載の放射線検出モジュールと、
    前記放射線検出モジュールと電気的に接続された回路基板と、
    を備えた放射線検出器。
  26. アレイ基板に設けられた複数の光電変換部の上に、シンチレータを形成する工程と、
    軟化させた熱可塑性樹脂を前記シンチレータの周囲に枠状に塗布して封止部を形成する工程と、
    防湿部となるシートを、前記シンチレータおよび前記封止部に被せ、前記シートの周縁近傍を加熱して、前記シートの周縁近傍を前記封止部の外面に接合する工程と、
    を備え、
    前記封止部を形成する工程において、塗布のつなぎ目に凸部を形成する放射線検出モジュールの製造方法。
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