JP2024063272A - 放射線画像検出器及び放射線画像検出器の製造方法 - Google Patents

放射線画像検出器及び放射線画像検出器の製造方法 Download PDF

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宜人 山本
康史 永田
由紀乃 土井
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Abstract

【課題】画像ムラが抑制された放射線画像を生成できるようにする。【解決手段】放射線画像検出器1は、基板(ガラス基板31h)上に光電変換素子31fが配列された素子基板31と、素子基板31上に配置され、放射線を光に変換して光電変換素子31fに照射するシンチレーター33と、シンチレーター33を覆う防湿層35と、素子基板31と防湿層35とを接着する接着層(第2接着層36)と、を備え、防湿層35は、シンチレーター33と当接する端部から素子基板31と接着する位置(接着部35b)までの間に撓み部35cを有し、撓み部35c、シンチレーター33、素子基板31により囲まれた気体部37を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、放射線画像検出器及び放射線画像検出器の製造方法に関する。
従来、入射した放射線をシンチレーターで可視光等の光に変換し、変換された光を、基板上に二次元状に配列されたフォトダイオード等の複数の光電変換素子で検出する放射線検出部を用いた放射線画像検出器(Flat Panel Detector(FPD)ともいう。)が知られている。放射線画像検出器では、光電変換素子で入射した光を電荷に変換し、発生した電荷を取り出すことで、被写体を介して照射された放射線に担持された情報を電気信号として検出する。
上記放射線検出部において、シンチレーターの耐湿性を向上させるために、シンチレーターを覆う防湿層を備える場合がある(例えば、特許文献1、特許文献2)。
放射線検出部が上記防湿層を備える場合、防湿層、及び光電変換素子が配列された基板(素子基板)において温度変化が生じると、線膨張係数が異なる防湿層と素子基板との間で熱収縮量の差が生じる。これにより、素子基板に反りが発生し、素子基板の割れや放射線検出部内の変形、放射線画像検出器で生成される放射線画像に画像ムラが生じるおそれがある。
当該素子基板の反りを抑制するために、例えば、特許文献2には、シンチレーターの周囲に設けられた、シンチレーターの高さより低い封止部上に、防湿層(防湿部)の撓み部が設けられている放射線検出部(放射線検出モジュール)が記載されている。
特開2014-59246号公報 特開2020-79787号公報
しかしながら、特許文献2に記載の発明のように、放射線検出部が封止部を備える構成では、放射線画像検出器の製造工程において、封止部を放射線検出部に設けるための工程が必要になる。そのため、当該製造工程においてコストや工数が増えるという問題がある。
また、特許文献2に記載の発明における封止部は熱可塑性樹脂を主成分としている。そのため、封止部、素子基板、シンチレーター、及び防湿層は、それぞれ線膨張係数が異なる材料で不均一に成型されることとなる。それにより、防湿層と封止部の接合部分、または封止部と素子基板の接合部分において剥がれや破断等が生じるおそれがある。また、放射線画像検出器が外部から衝撃を受けた場合、封止部を伝わってシンチレーターに応力が加わり、シンチレーターに亀裂や破断が生じるおそれがある。
従って、上記封止部を備えずとも素子基板の反りを抑制し、画像ムラが抑制された放射線画像を生成できる放射線画像検出器が求められている。
本発明の課題は、画像ムラが抑制された放射線画像を生成できる放射線画像検出器及び放射線画像検出器の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の放射線画像検出器は、
基板上に光電変換素子が配列された素子基板と、
前記素子基板上に配置され、放射線を光に変換して前記光電変換素子に照射するシンチレーターと、
前記シンチレーターを覆う防湿層と、
前記素子基板と前記防湿層とを接着する接着層と、
を備え、
前記防湿層は、前記シンチレーターと当接する端部から前記素子基板と接着する位置までの間に撓み部を有し、
前記撓み部、前記シンチレーター、及び前記素子基板により囲まれた気体部を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像検出器において、
前記素子基板の表面上における前記シンチレーターの端部から前記防湿層と接着する位置までの距離a、前記素子基板の表面から前記シンチレーターの前記素子基板側と反対側の面までの距離b、及び前記撓み部の撓んでいる長さcが、下記式(1)を満たす。
式(1) a+b < c
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像検出器において、
前記素子基板の表面上における前記シンチレーターの端部から前記防湿層と接着する位置までの距離a、及び前記素子基板の表面から前記シンチレーターの前記素子基板側と反対側の面までの距離bが下記式(2)を満たす。
式(2) a ≧ (1/2)b
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像検出器において、
前記防湿層は、金属フィルムである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の放射線画像検出器において、
前記金属フィルムの厚さdμm、及び前記金属フィルムの熱収縮率eが、下記式(3)を満たす。
式(3) d×e < 1.0×10-2
請求項6に記載の発明は、請求項1記載の放射線画像検出器において、
前記基板の厚さは、1mm以下である。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像検出器において、
前記シンチレーターは、前記防湿層と当接する面において支持膜を有し、
前記支持膜の厚さは、150μm以下であり、前記支持膜の線膨張係数は、10×10-5/℃以下である。
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像検出器において、
前記防湿層と前記シンチレーターとが接着されていない。
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像検出器において、
前記気体部内の圧力は、大気圧より低い。
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像検出器において、
前記シンチレーターの少なくとも一つの角部は、面取りされている。
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像検出器において、
前記防湿層の少なくとも一つの角部は、面取りされている。
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像検出器において、
前記素子基板の少なくとも一つの角部は、面取りされている。
請求項13に記載の放射線画像検出器の製造方法は、
請求項1から12のいずれか一項に記載の放射線画像検出器の製造方法であって、
前記防湿層が前記撓み部を有するように、前記防湿層と前記素子基板とを前記接着層により接着する接着工程を有する。
本発明によれば、画像ムラが抑制された放射線画像を生成できる。
本実施形態に係る放射線画像検出器の外観斜視図である。 図1の放射線画像検出器のII-II線に沿う断面の概略図である。 放射線検出部の構成を示すII-II線に沿う断面の概略図である。 素子基板表面の構成を示す平面図である。 蛍光体が柱状構造を有するシンチレーターの構成を説明する模式図である。 放射線検出部の構成を示すII-II線に沿う断面の概略図である。 放射線検出部の構成を示すII-II線に沿う断面の概略図である。
以下、図を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[1.放射線検出器の構成]
まず、本実施形態に係る放射線画像検出器1の構成について説明する。
放射線画像検出器1は、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する。
図1は、本実施形態に係る放射線画像検出器1の外観斜視図であり、図2は、図1のII-II線に沿う断面の概略図である。
なお、以下では、放射線画像検出器1における各部材の相対的な位置関係、特に上下関係について、図2、図3、図5~図7では、放射線画像検出器1の筐体2における放射線が入射する面X側を紙面上側に向け、筐体2における放射線が入射する面Xとは反対側の面Y側を紙面下側に向けて配置した場合の位置関係に基づいて説明する。
放射線画像検出器1の筐体2は、カーボン板やプラスチックなどの材料で形成されている。なお、図1や図2では、筐体2がフレーム板51とバック板52とで形成された、いわゆる箱型である場合が示されているが、筐体2を角筒状に形成した、いわゆるモノコック型とすることも可能である。
また、筐体2の側面部分には、LED等で構成されたインジケータ53、蓋54、外部の装置と接続される端子55、電源スイッチ56等が配置されている。
筐体2の内部には、図2に示すように、放射線検出部3が配置されている。
また、放射線検出部3の下方には、図示しない鉛の薄板等を介して基台7が配置され、基台7には、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)などの各種の電子部品8等が配設されたPCB基板9、緩衝部材10等が取り付けられている。
図3に、放射線検出部3のみの図1のII-II線に沿う断面の概略図を示す。
放射線検出部3は、素子基板31、第1接着層32、シンチレーター33、保護膜34、防湿層35、第2接着層36、及び気体部37等を備える。
本実施形態では、素子基板31は、防湿層35の線膨張係数とは異なる線膨張係数を持つ基板で構成され、当該基板上に配列された光電変換素子等を有する。また、以下では、当該基板は、ガラス基板31hとする。
ガラス基板31hが比較的厚いと、曲げ剛性が大きく、反りにくい。しかし、ガラス基板31hが重くなるため、放射線検出部3自体の重量が増え、放射線画像検出器1としての取り扱い性が悪化する。
一方で、ガラス基板31hが比較的薄いと、重量は軽くなるが、剛性が低下し、放射線画像検出器1の生産工程においてガラス基板31hが破損するリスクが高まるなど取り扱い性が悪化する、且つ耐久性が低下する。また、素子基板31に発生する反りを矯正することが出来なくなるので、素子基板31の反りが大きくなる。
そのため、ガラス基板31hの厚さは、1mm以下が好ましく、実用的には300μm以上で且つ600μm以下の範囲内が適切である。
なお、素子基板31(ガラス基板31h)が有する4つの角部(四隅)は、面取り(C面取り、R面取り等)されていてもよい。角部は破損しやすいため、面取りをすることで、角部が破損することを防ぐことができる。
また、素子基板31(ガラス基板31h)は、4つの角部のうち少なくとも1つの角部が面取りされているとしてもよい。
なお、素子基板31は、放射線や紫外線などの光を透過する、ガラス基板以外の基板で構成されていてもよい。
具体的には、素子基板31は、例えばPET(polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド等の樹脂板や樹脂フィルムなどで構成することも可能である。
図4は、素子基板31表面の構成を示す平面図である。素子基板31の表面31a(すなわち、第1接着層32を介してシンチレーター33に対向する側の面)上には、複数の走査線31bと複数の信号線31cとが互いに交差するように配設されている。また、複数のバイアス線31dが、複数の信号線31cと平行に配置されており、本実施形態では、各バイアス線31dは、素子基板31上の一方側の端部で1本の結線31eにより結束されている。
また、素子基板31の表面31a上で複数の走査線31bと複数の信号線31cにより区画された各小領域Rには、光電変換素子31fがそれぞれ設けられている。このように、本実施形態では、素子基板31は、その表面31aに複数の光電変換素子31fが二次元状に配列されて形成されている。また、光電変換素子31fはそれぞれバイアス線31dに接続されており、本実施形態では、図示しないバイアス電源からバイアス線31dを介して光電変換素子31fにバイアス電圧が印加されるように構成されている。
本実施形態では、光電変換素子31fとして、放射線の照射を受けたシンチレーター33から出力された光の照射を受けると光エネルギーを吸収して内部に電子正孔対を発生させることで光エネルギーを電荷に変換するフォトダイオードが用いられている。
また、各小領域Rには、各光電変換素子31fにつき1つの薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)31gが設けられている。薄膜トランジスタ31gのソース電極が光電変換素子31fの1つの電極と、薄膜トランジスタ31gのドレイン電極が信号線31cと、薄膜トランジスタ31gのゲート電極が走査線31bとそれぞれ接続されている。
第1接着層32は、図3に示すように、素子基板31と、保護膜34に覆われたシンチレーター33との間に設けられ、素子基板31と、保護膜34に覆われたシンチレーター33とを貼り合わせている。
第1接着層32は、光学接着剤からなる。
光学接着剤としては、例えばオレフィン系、アミド系、エステル系、スチレン系、アクリル系、ウレタン系、ビニル系、ポリカーボネート、もしくはABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)を主成分とする熱可塑性樹脂等が挙げられる。
第1接着層32の厚さは、例えば、5~50μmである。
シンチレーター33は、入射した放射線を別の波長の光に変換するものであり、蛍光体を主たる成分とする。具体的には、本実施形態では、シンチレーター33として、X線等の放射線が入射すると、波長が300nm~800nmの電磁波、すなわち可視光を中心として紫外光から赤外光にわたる光を出力するものが用いられている。蛍光体としては、例えば、タリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)、ナトリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Na)、テルビウム賦活酸硫化ガドリニウム(GOS)等の母体材料内に発光中心物質が付活されたものが好ましく用いられる。
シンチレーター33は、図5の拡大図に示すように、例えば、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミド(PI(polyimide))フィルム等の各種高分子材料により形成された支持膜33bの上に、例えば気相成長法により蛍光体33aを成長させて形成される。つまり、シンチレーター33は蛍光体33aの柱状結晶からなる。気相成長法としては、蒸着法やスパッタ法などが好ましく用いられる。
本実施形態の支持膜33bの厚さは、例えば、150um以下である。
また、本実施形態の支持膜33bの線膨張係数は、例えば、10×10-5/℃以下である。具体的には、支持膜33bの材料としてPETを用いた場合、支持膜33bの線膨張係数は、6.5×10-5/℃である。また、支持膜33bの材料としてPIを用いた場合、支持膜33bの線膨張係数は、2.0×10-5/℃である。
いずれの手法においても、蛍光体33aを支持膜33b上に独立した細長い柱状結晶として気相成長させることができる。
このようにして蛍光体33aが柱状結晶として形成されたシンチレーター33は、矩形板状であり、厚さは例えば、300μmである。
そして、シンチレーター33は、蛍光体33aの柱状結晶の鋭角状の先端Paが紙面下側、すなわち第1接着層32側を向くように、保護膜34及び第1接着層32を介して、素子基板31に貼り付けられている。
また、シンチレーター33は、保護膜34及び第1接着層32を介して、素子基板31の複数の光電変換素子31fが配置された範囲より大きい範囲を覆っている。
また、シンチレーター33の素子基板31側の面が有する4つの角部(四隅)は、角部の破損を防ぐために面取り(C面取り、R面取り等)されていてもよい。角部は反りやすいため、面取りをすることで、角部の反りを抑制できる。
なお、シンチレーター33は、当該4つの角部のうち少なくとも1つの角部が面取りされているとしてもよい。
また、シンチレーター33の面取りされた角部では、光電変換素子31fが配置された範囲を覆っていなくともよい。
保護膜34は、シンチレーター33の耐湿性を向上させる。
保護膜34は、図3に示すように、シンチレーター33の面X(または面Y)に平行な面のうちの第1接着層32側の面、及びシンチレーター33の側面(面X(または面Y)に垂直な面)を覆っている。
保護膜34は、例えば、ポリパラキシリレン膜である。
防湿層35は、シンチレーター33が湿気を吸収してしまうのを防ぐ。
防湿層35は、湿気を通過させない性質を有する材料でシート状に形成されている。
本実施形態の防湿層35は、防湿性を向上させるために、金属フィルムであることが好ましい。
なお、防湿層35として、透湿度が5g/m・day以下の樹脂フィルム、または金属と樹脂の複合フィルムを用いてもよい。
より好ましくは透湿度が0.5g/m・day以下である防湿層35を用いることでシンチレーター33の劣化をより防ぐことができる。
また、防湿層35が有する4つの角部(四隅)は、面取り(C面取り、R面取り等)されていてもよい。角部は反りやすいため、面取りをすることで、角部の反りを抑制できる。
なお、防湿層35は、4つの角部のうち少なくとも1つの角部が面取りされているとしてもよい。
防湿層35として上記フィルムを用いる場合、防湿層35の収縮に伴う素子基板31の反りを抑制するために、下記式を満たすことが好ましい。
式 d×e < 1.0×10-2
d:フィルムの厚さ(um)
e:フィルムの熱収縮率
例えば、防湿層35として、熱収縮率が2.4×10-5であるアルミフィルムを用いる場合、当該防湿層35の厚さは200um以下であることが好ましい。
なお、防湿層35は、金属、無機材料及び有機材料のうちの少なくともいずれかの材料で形成されていてもよい。
金属の具体例としては、例えば、アルミニウム、銀、クロム、銅、ニッケル、チタン、マグネシウム、ロジウム、鉛、白金、金等、またはそれらの合金等が挙げられる。
無機材料の具体例としては、例えば、上記金属の酸化物、Al23、SiO2、ITO(Indium Tin Oxide)、SiN等が挙げられる。
有機材料の具体例としては、例えば、フッ素樹脂、PVA、PVDC、PMMA、ポリアクリロニトリル(PAN)、PLA樹脂(ポリ乳酸)、ポリパラキシレン等が挙げられる。
また、防湿層35は、図3に示すように、平面部35aと、接着部35bと、撓み部35cを有する。
平面部35aは、防湿層35のうち、シンチレーター33に当接する部分である。つまり、防湿層35は、平面部35aにおいてシンチレーター33の面X側の面を覆っている。
接着部35bは、防湿層35のうち、防湿層35の周縁において素子基板31に第2接着層36を介して接着される部分である。つまり、防湿層35は、保護膜34に覆われたシンチレーター33及び第1接着層32の全側面(側面の全周)と、素子基板31の表面31aの一部を覆っている。
撓み部35cは、防湿層35のうち、平面部35a及び接着部35b以外の部分である。つまり、防湿層35は、シンチレーター33と当接する端部から素子基板31と接着する位置(接着部35b)までの間に撓み部35cを有する。
また、図3に示すように、撓み部35c、保護膜34に覆われたシンチレーター33の側面(面X(または面Y)に垂直な面)、及び素子基板31の表面31a上のうちシンチレーター33の端部から接着部35bまでの部分に囲まれた気体部37が形成される。
気体部37において、図3に示すように、図1の放射線画像検出器のII-II線に沿う断面における撓み部35cの長さをcとする。また、素子基板31の表面31aにおけるシンチレーター33の端部から接着部35bまでの長さをaとする。また、素子基板31の表面31aからシンチレーター33の上端(面X側端部)までの長さをbとする。
本実施形態の撓み部35cにおいて、a+b < cを満たす。
このような撓み部35cを有することにより、放射線画像検出器1に温度変化が発生した場合に、防湿層35の熱収縮量と、素子基板31の熱収縮量との差を吸収することができる。そのため、素子基板31の反りを抑制できる。
また、撓み部35cは、図3に示すように、放射線検出部3の内側(シンチレーター33側)に撓んでいる。
撓み部35cを放射線検出部3の内側に撓ませる構成は、放射線検出部3の外側に撓ませる構成よりも技術的に難易度が低く、低コストで実施できる。
また、撓み部35cを放射線検出部3の内側に撓ませる構成において、気体部37内の空気はある程度抜かれていてもよい(気体部37内の圧力は大気圧より減圧されていてもよい)。
つまり、気体部37は、大気圧と同じ圧力の空気で満たされていてもよいし、大気圧より低い圧力の空気で満たされていてもよい。
なお、撓み部35cは、図6に示すように、放射線検出部3の外側(シンチレーター33側とは反対側)に撓んでいてもよい。
また、本実施形態の気体部37において、a ≧ (1/2)bを満たす。より好ましくは、a ≧ bを満たす。
素子基板31の反りは防湿層35の収縮が主因のため、bが長くなるほど、防湿層35と中立軸との距離が長くなり、防湿層35の収縮による影響が大きくなる。そのため、この場合においてaを長くし、気体部37の体積を大きくする必要がある。気体部37の体積を大きくすることで、防湿層35の収縮による反りの影響を緩和し、抑制することができる。しかし、気体部37の体積を大きくしすぎると、有効画像領域に対する放射線画像検出器1のサイズ(製品サイズ)が大きくなり、放射線画像検出器1の取り扱い性が悪化する。したがって、防湿層35の収縮による反りの影響を抑制することと、放射線画像検出器1が製品として許容できるサイズ(外形)であることを鑑みると、a ≧ (1/2)bを満たすことが好ましい。また、より好ましくは、a ≧ bを満たす。
第2接着層36は、図3、図6に示すように、素子基板31の表面31aと、防湿層35の接着部35bとを接着している。また、第2接着層36は、シンチレーター33の上面(面X側の面)と、防湿層35の平面部35aとを接着している。
なお、防湿層35の撓み部35cには、第2接着層36を設けないとしてもよい。
第2接着層36は、例えば両面粘着テープ等である。
第2接着層36の厚さは、例えば、5~100μmである。
また、第2接着層36は、図7に示すように、素子基板31の表面31aと、防湿層35の接着部35bとの間にのみ設けられてもよい。
この場合、本実施形態の放射線検出部3において、防湿層35の平面部35aと、シンチレーター33の上面(面X側の面)は接着されていない。
これにより、防湿層35の収縮が発生した場合に、シンチレーター33に当該防湿層35の収縮に伴う力が加わらないため、素子基板31の反りを抑制できる。
[2.放射線検出器の製造方法]
上記放射線画像検出器1の製造方法は、上記の構成が得られる限り特に限定はされない。ただ、上記放射線画像検出器1の製造方法として、以下の接着工程を含む製造方法が好適に挙げられる。
接着工程は、防湿層35が撓み部35cを有するように、防湿層35と素子基板31とを第2接着層36(接着層)により接着する工程である。
以下、本実施形態における接着工程について説明する。
撓み部35cを放射線検出部3の内側に撓ませる場合、防湿層35として自立しない程度に薄いフィルムを用いる。
そして、接着工程において、撓み部35cを上から押し付ける。
または、減圧下(大気圧よりも減圧された環境)で、接着工程を実施することで、放射線検出部3の内側に撓んだ撓み部35cを形成してもよい。
一方、撓み部35cを放射線検出部3の外側に撓ませる場合、防湿層35として自立する程度に剛性の高いフィルムを用いる。
そして、接着工程において、防湿層35のうち撓み部35cとなる部分を予め外側に撓ませた形状に成型して素子基板31に貼り付ける。
または、防湿層35の周縁において、防湿層35の内部に、放射線検出部3の外側に撓むような部材を追加することにより、放射線検出部3の外側に撓んだ撓み部35cを形成してもよい。
<効果>
以上のように、本実施形態の放射線画像検出器1は、基板(ガラス基板31h)上に光電変換素子31fが配列された素子基板31と、素子基板31上に配置され、放射線を光に変換して光電変換素子31fに照射するシンチレーター33と、シンチレーター33を覆う防湿層35と、素子基板31と防湿層35とを接着する接着層(第2接着層36)と、を備え、防湿層35は、シンチレーター33と当接する端部から素子基板31と接着する位置(接着部35b)までの間に撓み部35cを有し、撓み部35c、シンチレーター33、素子基板31により囲まれた気体部37を備える。
したがって、撓み部35cにより、防湿層35の熱収縮量と、素子基板31の熱収縮量との差を吸収することができる。そのため、素子基板31の反りを抑制できる。これにより、放射線画像検出器1において画像ムラが抑制された放射線画像を生成できる。
また、本実施形態の放射線画像検出器1は、素子基板31の表面31a上におけるシンチレーター33の端部から防湿層35と接着する位置までの距離a、素子基板31の表面31aからシンチレーター33の素子基板31側と反対側の面(面X側の面)までの距離b、及び撓み部35cの撓んでいる長さcが、下記式(1)を満たす。
式(1) a+b < c
したがって、撓み部35cにより、防湿層35の熱収縮量と、素子基板31の熱収縮量との差を吸収することができる。そのため、素子基板31の反りを抑制できる。これにより、放射線画像検出器1において画像ムラが抑制された放射線画像を生成できる。
また、本実施形態の放射線画像検出器1において、素子基板31の表面31a上におけるシンチレーター33の端部から防湿層35と接着する位置までの距離a、及び素子基板31の表面31aからシンチレーター33の素子基板31側と反対側の面までの距離bが下記式(2)を満たす。
式(2) a ≧ (1/2)b
つまり、aが大きいほど気体部37の体積は大きくなり、防湿層35の影響による素子基板31の反りを抑制できる。
また、本実施形態の放射線画像検出器1において、防湿層35は、金属フィルムである。
これにより、シンチレーター33の防湿性を向上させることができる。
また、本実施形態の放射線画像検出器1において、防湿層35としての金属フィルムの厚さdμm、及び金属フィルムの熱収縮率eが、下記式(3)を満たす。
式(3) d×e < 1.0×10-2
したがって、防湿層35である金属フィルムの収縮に伴う素子基板31の反りを抑制できる。
また、本実施形態の放射線画像検出器1において、素子基板31を構成する基板(ガラス基板31h)の厚さは、1mm以下である。
したがって、ガラス基板31hが比較的厚いことにより、ガラス基板31hが重くなり、放射線検出部3自体の重量が増え、放射線画像検出器1としての取り扱い性が悪化することを防ぐことができる。
また、本実施形態の放射線画像検出器1において、シンチレーター33は、防湿層35と当接する面において支持膜33bを有し、支持膜33bの厚さは、150μm以下であり、支持膜33bの線膨張係数は、10×10-5/℃以下である。
したがって、上記支持膜33bを用いる構成においても、撓み部35cにより、防湿層35の熱収縮量と、素子基板31の熱収縮量との差を吸収することで、放射線検出部3内の変形を防ぐことができる。
また、本実施形態の放射線画像検出器1において、防湿層35とシンチレーター33とが接着されていない。
これにより、防湿層35の収縮が発生した場合に、シンチレーター33に当該防湿層35の収縮に伴う力が加わらないため、素子基板31の反りを抑制できる。
また、本実施形態の放射線画像検出器1において、気体部37内の圧力は、大気圧より低い。
したがって、放射線検出部3の内側(シンチレーター33側)に撓んでいる撓み部35cを有する構成において、防湿層35の熱収縮量と、素子基板31の熱収縮量との差を吸収することができる。そのため、素子基板31の反りを抑制できる。これにより、放射線画像検出器1において画像ムラが抑制された放射線画像を生成できる。
また、本実施形態の放射線画像検出器1において、シンチレーター33の少なくとも一つの角部は、面取りされている。
これにより、反りやすい角部において、反りを抑制することができる。
また、本実施形態の放射線画像検出器1において、防湿層35の少なくとも一つの角部は、面取りされている。
これにより、反りやすい角部において、反りを抑制することができる。
また、本実施形態の放射線画像検出器1において、素子基板31の少なくとも一つの角部は、面取りされている。
これにより、破損しやすい角部において、破損することを防ぐことができる。
また、本実施形態の放射線画像検出器1の製造方法は、防湿層35が撓み部35cを有するように、防湿層35の接着部35bと素子基板31とを接着層(第2接着層36)により接着する接着工程を有する。
したがって、撓み部35cにより、防湿層35の熱収縮量と、素子基板31の熱収縮量との差を吸収することができる。そのため、素子基板31の反りを抑制できる。これにより、放射線画像検出器1において画像ムラが抑制された放射線画像を生成できる。
[その他]
なお、本発明が、上記の実施形態に限定されず、適宜変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施形態において気体部37は、大気圧と同じ圧力の空気で満たされていてもよいし、大気圧より低い圧力の空気で満たされていてもよいとしたがこれに限らない。気体部37は、空気以外の他のガスで満たされていてもよい。
また、保護膜34は、シンチレーター33の防湿層35と当接する面(面X側の面)における周縁の所定の幅(例えば、2cm)を覆っていてもよい。
1 放射線画像検出器
2 筐体
3 放射線検出部
31 素子基板
31a 表面
31b 走査線
31c 信号線
31d バイアス線
31e 結線
31f 光電変換素子
31g 薄膜トランジスタ
31h ガラス基板(基板)
32 第1接着層
33 シンチレーター
33a 蛍光体
33b 支持膜
34 保護膜
35 防湿層
35a 平面部
35b 接着部
35c 撓み部
36 第2接着層(接着層)
37 気体部
51 フレーム板
52 バック板
53 インジケータ
54 蓋
55 端子
56 電源スイッチ
7 基台
8 電子部品
9 PCB基板
10 緩衝部材

Claims (13)

  1. 基板上に光電変換素子が配列された素子基板と、
    前記素子基板上に配置され、放射線を光に変換して前記光電変換素子に照射するシンチレーターと、
    前記シンチレーターを覆う防湿層と、
    前記素子基板と前記防湿層とを接着する接着層と、
    を備え、
    前記防湿層は、前記シンチレーターと当接する端部から前記素子基板と接着する位置までの間に撓み部を有し、
    前記撓み部、前記シンチレーター、及び前記素子基板により囲まれた気体部を備える、放射線画像検出器。
  2. 前記素子基板の表面上における前記シンチレーターの端部から前記防湿層と接着する位置までの距離a、前記素子基板の表面から前記シンチレーターの前記素子基板側と反対側の面までの距離b、及び前記撓み部の撓んでいる長さcが、下記式(1)を満たす、請求項1に記載の放射線画像検出器。
    式(1) a+b < c
  3. 前記素子基板の表面上における前記シンチレーターの端部から前記防湿層と接着する位置までの距離a、及び前記素子基板の表面から前記シンチレーターの前記素子基板側と反対側の面までの距離bが下記式(2)を満たす、請求項1に記載の放射線画像検出器。
    式(2) a ≧ (1/2)b
  4. 前記防湿層は、金属フィルムである、請求項1に記載の放射線画像検出器。
  5. 前記金属フィルムの厚さdμm、及び前記金属フィルムの熱収縮率eが、下記式(3)を満たす、請求項4に記載の放射線画像検出器。
    式(3) d×e < 1.0×10-2
  6. 前記基板の厚さは、1mm以下である、請求項1に記載の放射線画像検出器。
  7. 前記シンチレーターは、前記防湿層と当接する面において支持膜を有し、
    前記支持膜の厚さは、150μm以下であり、前記支持膜の線膨張係数は、10×10-5/℃以下である、請求項1に記載の放射線画像検出器。
  8. 前記防湿層と前記シンチレーターとが接着されていない、請求項1に記載の放射線画像検出器。
  9. 前記気体部内の圧力は、大気圧より低い、請求項1に記載の放射線画像検出器。
  10. 前記シンチレーターの少なくとも一つの角部は、面取りされている、請求項1に記載の放射線画像検出器。
  11. 前記防湿層の少なくとも一つの角部は、面取りされている、請求項1に記載の放射線画像検出器。
  12. 前記素子基板の少なくとも一つの角部は、面取りされている、請求項1に記載の放射線画像検出器。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の放射線画像検出器の製造方法であって、
    前記防湿層が前記撓み部を有するように、前記防湿層と前記素子基板とを前記接着層により接着する接着工程を有する、放射線画像検出器の製造方法。
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