JP2021063719A - 放射線検出モジュール、および放射線検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の耐衝撃性の向上、および温度変化による基板の変形の抑制を図ることができる放射線検出モジュール、および放射線検出器を提供することである。【解決手段】実施形態に係る放射線検出モジュールは、シート状を呈し、樹脂を含む基板と、前記基板の一方の面側に設けられた複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部の上に直接蒸着され、放射線を蛍光に変換するシンチレータと、熱可塑性樹脂を主成分として含み、前記シンチレータの周囲に設けられ、前記基板と前記シンチレータに接合された枠状の封止部と、前記シンチレータを覆い、周縁近傍が前記封止部の外面に接合された防湿部と、を備えている。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、放射線検出モジュール、および放射線検出器に関する。
放射線検出器の一例にX線検出器がある。X線検出器には、基板、複数の光電変換部、シンチレータ、反射層、および防湿部が設けられている。この場合、複数の光電変換部は、基板の一方の面に設けられている。シンチレータは、複数の光電変換部の上に設けられている。反射層は、シンチレータの上に設けられている。防湿部は、シンチレータと反射層を覆っている。
一般的に、基板はガラスから形成されている。ガラスは脆性材料であるため、衝撃が加わると割れるおそれがある。この場合、基板が収納される筐体の構造を工夫して、基板に衝撃が加わらない、あるいは衝撃を緩和できるようにすることもできるが、筐体の構造が複雑化、重量化する。近年においては、ポータブルタイプのX線検出器が実用化されており、乱雑な取り扱いをしても基板に割れが発生せず、かつ軽量であることが求められている。
ここで、樹脂から形成された基板を有するX線検出器が提案されている。基板が樹脂から形成されていれば、衝撃により基板が割れるのを抑制することができる。ところが、樹脂から形成された基板は剛性が小さいので、製造工程中などにおいて、取り扱いが煩雑となる。
また、高い防湿性能を有する防湿部として、アルミニウムなどの箔をハット形状に成形して、ハット形状のつば部を基板に接着する技術がある。この場合、成形性や成形時の亀裂発生の抑制のためには、アルミニウムの厚みを0.1mm以上とすることが好ましい。ところが、0.1mm以上の厚みを有するアルミニウム製の防湿部とすれば、防湿部の熱膨張量および熱収縮量が大きくなる。そのため、この様な防湿部を、剛性の小さい樹脂製の基板に接着すると、製造工程中の温度変化あるいは製造後の温度変化により、基板が変形する場合がある。基板の変形が大きくなると、光電変換部、シンチレータ、および反射層などが破損するおそれがある。
そこで、基板の耐衝撃性の向上、および温度変化による基板の変形の抑制を図ることができる放射線検出モジュール、および放射線検出器の開発が望まれていた。
そこで、基板の耐衝撃性の向上、および温度変化による基板の変形の抑制を図ることができる放射線検出モジュール、および放射線検出器の開発が望まれていた。
本発明が解決しようとする課題は、基板の耐衝撃性の向上、および温度変化による基板の変形の抑制を図ることができる放射線検出モジュール、および放射線検出器を提供することである。
実施形態に係る放射線検出モジュールは、シート状を呈し、樹脂を含む基板と、前記基板の一方の面側に設けられた複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部の上に直接蒸着され、放射線を蛍光に変換するシンチレータと、熱可塑性樹脂を主成分として含み、前記シンチレータの周囲に設けられ、前記基板と前記シンチレータに接合された枠状の封止部と、前記シンチレータを覆い、周縁近傍が前記封止部の外面に接合された防湿部と、を備えている。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
また、本発明の実施形態に係る放射線検出器は、X線のほかにもγ線などの各種放射線に適用させることができる。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
また、以下に例示をするX線検出器1は、放射線画像であるX線画像を検出するX線平面センサとすることができる。X線検出器1は、例えば、一般医療などに用いることができる。ただし、X線検出器1の用途は、一般医療に限定されるわけではない。
また、本発明の実施形態に係る放射線検出器は、X線のほかにもγ線などの各種放射線に適用させることができる。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
また、以下に例示をするX線検出器1は、放射線画像であるX線画像を検出するX線平面センサとすることができる。X線検出器1は、例えば、一般医療などに用いることができる。ただし、X線検出器1の用途は、一般医療に限定されるわけではない。
図1は、本実施の形態に係るX線検出器1を例示するための模式斜視図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図1においては防湿部5および封止部6を省いて描いている。
図2は、X線検出モジュール10を例示するための模式断面図である。
図1および図2に示すように、X線検出器1には、X線検出モジュール10、および回路基板11を設けることができる。また、X線検出器1には、図示しない筐体を設けることができる。筐体の内部には、X線検出モジュール10、および回路基板11を設けることができる。例えば、筐体の内部に板状の支持板を設け、支持板のX線の入射側の面にはX線検出モジュール10を設け、支持板のX線の入射側とは反対側の面には回路基板11を設けることができる。
なお、煩雑となるのを避けるために、図1においては防湿部5および封止部6を省いて描いている。
図2は、X線検出モジュール10を例示するための模式断面図である。
図1および図2に示すように、X線検出器1には、X線検出モジュール10、および回路基板11を設けることができる。また、X線検出器1には、図示しない筐体を設けることができる。筐体の内部には、X線検出モジュール10、および回路基板11を設けることができる。例えば、筐体の内部に板状の支持板を設け、支持板のX線の入射側の面にはX線検出モジュール10を設け、支持板のX線の入射側とは反対側の面には回路基板11を設けることができる。
X線検出モジュール10には、アレイ基板2、シンチレータ3、反射層4、防湿部5、封止部6、および支持部7を設けることができる。
アレイ基板2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン(又はゲートライン)2c1、データライン(又はシグナルライン)2c2、配線パッド2d1、配線パッド2d2および保護層2fを有することができる。
なお、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2の数などは例示をしたものに限定されるわけではない。
アレイ基板2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン(又はゲートライン)2c1、データライン(又はシグナルライン)2c2、配線パッド2d1、配線パッド2d2および保護層2fを有することができる。
なお、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2の数などは例示をしたものに限定されるわけではない。
基板2aは、シート状を呈し、樹脂から形成することができる。ここで、基板2aの上には、光電変換部2bやシンチレータ3などが形成される。これらを形成する際には、基板2aが加熱される場合がある。そのため、基板2aは、耐熱性を有する樹脂から形成することが好ましい。例えば、基板2aは、ポリイミドから形成することができる。基板2aの平面形状は、四角形とすることができる。基板2aの厚みには、特に限定はないが、基板2aの厚みは、例えば、100μm以下とすることができる。
光電変換部2bは、基板2aの一方の面側に複数設けることができる。光電変換部2bは、制御ライン2c1とデータライン2c2とにより画された領域に設けることができる。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べて設けることができる。なお、1つの光電変換部2bは、X線画像の1つの画素(pixel)に対応する。
複数の光電変換部2bのそれぞれには、光電変換素子2b1と、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)2b2を設けることができる。
また、光電変換素子2b1において変換した信号電荷を蓄積する蓄積キャパシタを設けることができる。蓄積キャパシタは、例えば、膜状を呈し、各薄膜トランジスタ2b2の下に設けることができる。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねることができる。
また、光電変換素子2b1において変換した信号電荷を蓄積する蓄積キャパシタを設けることができる。蓄積キャパシタは、例えば、膜状を呈し、各薄膜トランジスタ2b2の下に設けることができる。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねることができる。
光電変換素子2b1は、例えば、フォトダイオードなどとすることができる。
薄膜トランジスタ2b2は、蓄積キャパシタへの電荷の蓄積および放出のスイッチングを行うことができる。薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極、ドレイン電極及びソース電極を有することができる。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極は、対応する制御ライン2c1と電気的に接続することができる。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極は、対応するデータライン2c2と電気的に接続することができる。薄膜トランジスタ2b2のソース電極は、対応する光電変換素子2b1と蓄積キャパシタとに電気的に接続することができる。また、光電変換素子2b1のアノード側と蓄積キャパシタは、グランドに接続することができる。
薄膜トランジスタ2b2は、蓄積キャパシタへの電荷の蓄積および放出のスイッチングを行うことができる。薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極、ドレイン電極及びソース電極を有することができる。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極は、対応する制御ライン2c1と電気的に接続することができる。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極は、対応するデータライン2c2と電気的に接続することができる。薄膜トランジスタ2b2のソース電極は、対応する光電変換素子2b1と蓄積キャパシタとに電気的に接続することができる。また、光電変換素子2b1のアノード側と蓄積キャパシタは、グランドに接続することができる。
制御ライン2c1は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けることができる。制御ライン2c1は、例えば、行方向に延びるものとすることができる。1つの制御ライン2c1は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d1のうちの1つと電気的に接続することができる。1つの配線パッド2d1には、フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線のうちの1つを電気的に接続することができる。フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の他端は、回路基板11に設けられた読み出し回路とそれぞれ電気的に接続することができる。
データライン2c2は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けることができる。データライン2c2は、例えば、行方向に直交する列方向に延びるものとすることができる。1つのデータライン2c2は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d2のうちの1つと電気的に接続することができる。1つの配線パッド2d2には、フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線のうちの1つを電気的に接続することができる。フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の他端は、回路基板11に設けられた信号検出回路とそれぞれ電気的に接続することができる。
制御ライン2c1、およびデータライン2c2は、例えば、アルミニウムやクロムなどの低抵抗金属を用いて形成することができる。
制御ライン2c1、およびデータライン2c2は、例えば、アルミニウムやクロムなどの低抵抗金属を用いて形成することができる。
図2に示すように、保護層2fは、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2を覆うことができる。保護層2fは、絶縁性材料から形成することができる。絶縁性材料は、例えば、酸化物絶縁材料、窒化物絶縁材料、酸窒化物絶縁材料、および樹脂などとすることができる。
シンチレータ3は、複数の光電変換部2bの上に直接蒸着することができる。シンチレータ3は、入射するX線を可視光すなわち蛍光に変換することができる。シンチレータ3は、基板2a上の複数の光電変換部2bが設けられた領域(有効画素領域A)を覆うように設けることができる。
シンチレータ3は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、ヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)、あるいは臭化セシウム(CsBr):ユーロピウム(Eu)などを用いて形成することができる。シンチレータ3は、例えば、真空蒸着法を用いてアレイ基板2の上に直接蒸着することができる。真空蒸着法を用いてシンチレータ3を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ3を形成することができる。シンチレータ3の厚みは、例えば、600μm程度とすることができる。
なお、真空蒸着法を用いてシンチレータ3を形成する際には、開口を有するマスクが用いられる。この場合、アレイ基板2上の開口に対峙する位置(有効画素領域Aの上)にシンチレータ3が形成される。また、蒸着による膜は、マスクの表面にも形成される。そして、マスクの開口の近傍においては、膜は、開口の内部に徐々に張り出すように成長する。開口の内部に膜が張り出すと、開口の近傍において、アレイ基板2への蒸着が抑制される。そのため、図1および図2に示すように、シンチレータ3の周縁近傍は、外側になるに従い厚みが漸減している。
反射層4は、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために設けることができる。すなわち、反射層4は、シンチレータ3において生じた蛍光のうち、光電変換部2bが設けられた側とは反対側に向かう光を反射させて、光電変換部2bに向かうようにすることができる。ただし、反射層4は、必ずしも必要ではなく、X線検出モジュール10に求められる感度特性などに応じて設けるようにすればよい。
以下においては、一例として、反射層4が設けられている場合を説明する。
以下においては、一例として、反射層4が設けられている場合を説明する。
反射層4は、シンチレータ3のX線の入射側に設けることができる。反射層4は、少なくともシンチレータ3の上面を覆っている。反射層4は、シンチレータ3の側面3aをさらに覆うこともできる。
例えば、酸化チタン(TiO2)などからなる光散乱性粒子と、樹脂と、溶媒とを混合した材料をシンチレータ3上に塗布し、これを乾燥することで反射層4を形成することができる。
また、例えば、銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる層をシンチレータ3上に成膜することで反射層4を形成することができる。
また、例えば、表面が銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなるシートや、光散乱性粒子を含む樹脂シートなどをシンチレータ3上に接合することで反射層4とすることもできる。この場合、例えば、両面テープなどを用いて、シートとシンチレータ3とを接合することができる。
例えば、酸化チタン(TiO2)などからなる光散乱性粒子と、樹脂と、溶媒とを混合した材料をシンチレータ3上に塗布し、これを乾燥することで反射層4を形成することができる。
また、例えば、銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる層をシンチレータ3上に成膜することで反射層4を形成することができる。
また、例えば、表面が銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなるシートや、光散乱性粒子を含む樹脂シートなどをシンチレータ3上に接合することで反射層4とすることもできる。この場合、例えば、両面テープなどを用いて、シートとシンチレータ3とを接合することができる。
防湿部5は、空気中に含まれる水分により、シンチレータ3の特性が劣化するのを抑制するために設けることができる。防湿部5は、シンチレータ3、および、封止部6の少なくとも一部を覆うことができる。防湿部5と反射層4などとの間には隙間があってもよいし、防湿部5と反射層4などとが接触するようにしてもよい。例えば、大気圧よりも減圧された環境において防湿部5と封止部6とを接合すれば、防湿部5と反射層4などとが接触するようにすることができる。また、一般的に、シンチレータ3には、その体積の10%〜40%程度の空隙が存在する。そのため、空隙にガスが含まれていると、X線検出器1を航空機などで輸送した場合にガスが膨張して防湿部5が破損するおそれがある。大気圧よりも減圧された環境において防湿部5と封止部6とを接合すれば、X線検出器1が航空機などで輸送された場合であっても防湿部5が破損するのを抑制することができる。すなわち、封止部6と防湿部5とにより画された空間の圧力は、大気圧よりも低くすることが好ましい。
ここで、製造工程中において、封止部6の内部に気泡や空隙があったり、封止部6と防湿部5の間に隙間やリークパスがあったり、封止部6とアレイ基板2の間に隙間やリークパスがあったりする場合がある。この場合、大気圧よりも減圧された環境において防湿部5と封止部6とを接合し、その後、大気圧環境に戻した際に、隙間やリークパスなどを介して大気が内部に侵入する場合がある。大気が内部に侵入すると、防湿部5とシンチレータ3とが密着せず、防湿部5の表面にしわが発生したり、張りが無くなったりする。そのため、隙間やリークパスなどがあることを目視にて容易に知ることができる。隙間やリークパスなどがある製品の寿命は短くなるおそれがあるが、この様な製品を検査において容易に発見し除去することができる。そのため、X線検出器1の品質を向上させることが容易となる。
防湿部5は、例えば、金属を含むシートとすることができる。金属は、例えば、アルミニウムを含む金属、銅を含む金属、マグネシウムを含む金属、タングステンを含む金属、ステンレス、コバール材などとすることができる。この場合、金属を含む防湿部5とすれば、防湿部5を透過する水分をほぼ完全になくすことができる。
また、防湿部5は、例えば、樹脂膜と金属膜とが積層された積層シートとすることもできる。この場合、樹脂膜は、例えば、ポリイミド、エポキシ、ポリエチレンテレフタレート、テフロン(登録商標)、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、弾性ゴムなどから形成されたものとすることができる。金属膜は、例えば、前述した金属を含むものとすることができる。金属膜は、例えば、スパッタリング法、ラミネート法などを用いて形成することができる。この場合、樹脂膜がシンチレータ3側に設けられるようにすることが好ましい。この様にすれば、塩化物を含むシンチレータ3と金属膜が直接接触するのを抑制することができる。そのため、金属膜が腐食するのを抑制することができるので、製品寿命を延ばすことができる。
また、金属膜に代えて、あるいは金属膜と共に無機膜を設けることができる。無機膜は、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウムなどを含む膜とすることができる。無機膜は、例えば、スパッタリング法などを用いて形成することができる。
すなわち、防湿部5は、金属を含むシート、樹脂膜と金属膜とが積層された積層シート、および、樹脂膜と無機膜とが積層された積層シートのいずれかとすることができる。
また、金属膜に代えて、あるいは金属膜と共に無機膜を設けることができる。無機膜は、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウムなどを含む膜とすることができる。無機膜は、例えば、スパッタリング法などを用いて形成することができる。
すなわち、防湿部5は、金属を含むシート、樹脂膜と金属膜とが積層された積層シート、および、樹脂膜と無機膜とが積層された積層シートのいずれかとすることができる。
ここで、防湿部5、アレイ基板2、および封止部6の材料の熱膨張係数が異なるので、熱膨張や熱収縮の際に、熱応力が発生する。この場合、例えば、熱収縮の際に発生した引張応力によりアレイ基板2が内側に引っ張られると、アレイ基板2の反りあるいは変形や、封止部6の剥離が生じ易くなる。
本実施の形態に係る防湿部5は、例えば、厚みが薄いアルミニウム箔とすることができるので、防湿部5の剛性を小さくすることができる。そのため、熱膨張や熱収縮の際に発生する熱応力を小さくすることができるので、アレイ基板2の反りあるいは変形や、封止部6の剥離を抑制することができる。
本実施の形態に係る防湿部5は、例えば、厚みが薄いアルミニウム箔とすることができるので、防湿部5の剛性を小さくすることができる。そのため、熱膨張や熱収縮の際に発生する熱応力を小さくすることができるので、アレイ基板2の反りあるいは変形や、封止部6の剥離を抑制することができる。
また、人体に対して大量のX線照射を行うと健康への悪影響があるため、人体へのX線照射量は必要最低限に抑えられる。そのため、医療に用いられるX線検出器1の場合には、照射されるX線の強度が小さくなり、防湿部5を透過するX線の強度が非常に小さくなるおそれがある。本実施の形態に係る防湿部5は、例えば、厚みが薄いアルミニウム箔とすることができるので、照射されるX線の強度が小さい場合であってもX線画像の撮影が可能となるという効果をさらに享受することができる。
この場合、厚みの薄い金属箔を成形して、立体的な形状を有する防湿部(例えば、つば部を有するハット状の防湿部)とすると、亀裂などが生じ易くなる。図2に示すように、シート状を呈する防湿部5の周縁近傍は、封止部6の外面6aに接合することができる。そのため、予め防湿部5を立体形状に加工する必要はなく、シート状を呈する防湿部5をそのまま封止部6の外面6aに接合することができる。その結果、防湿部5の厚みを20μm以上、30μm以下としても、防湿部5に亀裂などが発生するのを抑制することができる。
また、後述するように、防湿部5の周縁近傍を加熱することで、防湿部5の周縁近傍と封止部6を接合することができる。この場合、防湿部5の周縁近傍の温度と、封止部6の温度が低下すると、防湿部5の周縁近傍と封止部6との間に熱応力が発生する。防湿部5の周縁近傍と封止部6との間に熱応力が発生すると、防湿部5の周縁近傍と封止部6との間に剥離が生じるおそれがある。剥離が生じると防湿性能が著しく低下するおそれがある。防湿部5の厚みは20μm以上、30μm以下としているので、熱応力が発生した際に防湿部5が延びやすくなる。そのため、熱応力を緩和させることができるので、防湿部5の周縁近傍と封止部6との間に剥離が生じるのを抑制することができる。
図2に示すように、封止部6は、シンチレータ3の周囲に設けられている。封止部6は、シンチレータ3の側面3aとアレイ基板2に接合されている。この場合、封止部6は、シンチレータ3の側面3aと密着させることができる。シンチレータ3が複数の柱状結晶の集合体となっている場合には、シンチレータ3の側面3aに凹凸が形成されている。この場合、封止部6の一部が、シンチレータ3の側面3aの凹凸の内部に設けられていれば、封止部6とシンチレータ3との接合強度を大きくすることができる。封止部6は、アレイ基板2と密着させることができる。封止部6とアレイ基板2とが密着していれば、大気に含まれている水分などが、封止部6とアレイ基板2との間を透過してシンチレータ3に到達するのを抑制することができる。
封止部6の外面6aの形状は、外側に突出する曲面とすることができる。この様にすれば、封止部6の外面6aとシンチレータ3の側面3aとの間の距離Lを長くすることができる。そのため、大気に含まれている水分などが、封止部6の内部を透過してシンチレータ3に到達するのを抑制することができる。
また、封止部6の外面6aの形状が外側に突出する曲面となっていれば、防湿部5の周縁近傍を封止部6の外面6aに倣わせるのが容易となる。そのため、防湿部5を封止部6に密着させるのが容易となる。また、防湿部5をなだらかに変形させることができるので、防湿部5の厚みを薄くしても防湿部5に亀裂などが発生するのを抑制することができる。
また、図2に示すように、防湿部5を封止部6に密着させた際に、防湿部5の周端面5aがアレイ基板2と接触するか、周端面5aがアレイ基板2の近傍に位置するようにすることができる。この様にすれば、大気に含まれている水分などが、封止部6の内部に侵入するのを効果的に抑制することができる。
また、封止部6の高さは、シンチレータ3の高さ以下とすることが好ましい。封止部6の高さがシンチレータ3の高さ以下となっていれば、防湿部5となるシートを無理なく変形させることができるので防湿部5にシワ、破断、ピンホールなどが発生するのを抑制することができる。
封止部6は、熱可塑性樹脂を主成分として含むものとすることができる。封止部6が熱可塑性樹脂を主成分として含んでいれば、加熱により、アレイ基板2、シンチレータ3、および防湿部5と接合することができる。ここで、例えば、封止部6が紫外線硬化樹脂を主成分として含んでいれば、封止部6を、アレイ基板2、シンチレータ3、および防湿部5と接合する際に紫外線を照射する必要がある。ところが、防湿部5は金属などを含んでいるため紫外線を透過させることができない。また、防湿部5が紫外線を透過するものとすると、紫外線によりシンチレータ3が変色し、発生した蛍光が吸収されるおそれがある。また、基板2aがポリイミドなどの耐熱性を有する樹脂から形成されている場合には、紫外線を透過させるのが困難なため、基板2aの裏面側から紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射するのが困難となる。
本実施の形態に係る封止部6は、熱可塑性樹脂を主成分として含んでいるので、加熱により容易に接合を行うことができる。また、シンチレータ3が紫外線により変色することもない。また、封止部6の加熱と冷却に要する時間は短くてすむので、製造時間の短縮、ひいては製造コストの低減を図ることができる。
本実施の形態に係る封止部6は、熱可塑性樹脂を主成分として含んでいるので、加熱により容易に接合を行うことができる。また、シンチレータ3が紫外線により変色することもない。また、封止部6の加熱と冷却に要する時間は短くてすむので、製造時間の短縮、ひいては製造コストの低減を図ることができる。
熱可塑性樹脂は、例えば、ナイロン、PET(Polyethyleneterephthalate)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene),アクリル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどとすることができる。この場合、ポリエチレンの水蒸気透過係数は0.068g・mm/day・m2であり、ポリプロピレンの水蒸気透過係数は0.04g・mm/day・m2である。そのため、封止部6が、ポリエチレンおよびポリプロピレンの少なくともいずれかを主成分として含んでいれば、封止部6の内部を透過してシンチレータ3に到達する水分を大幅に少なくすることができる。
また、封止部6が樹脂から形成されていれば、封止部6の剛性を、防湿部5の剛性よりも小さくするのが容易となる。封止部6の剛性を小さくすることができれば、防湿部5の周縁近傍と封止部6との間に熱応力が発生した際に、封止部6が変形することで熱応力を緩和させることができる。そのため、防湿部5の周縁近傍と封止部6との間に剥離が生じるのを抑制することができる。また、アレイ基板2の反りあるいは変形を抑制することができる。
また、封止部6は、無機材料を用いたフィラーをさらに含むことができる。無機材料を用いたフィラーが封止部6に含まれていれば、水分の透過をさらに抑制することができる。無機材料は、例えば、タルク、グラファイト、雲母、カオリン(カオリナイトを主成分とする粘土)などとすることができる。フィラーは、例えば、扁平な形態を有するものとすることができる。外部から封止部6の内部に侵入した水分は、無機材料を用いたフィラーによって拡散が妨げられるので、水分が封止部6を通過する速度を減少させることができる。そのため、シンチレータ3に到達する水分の量を少なくすることができる。
ここで、高温多湿の環境に保管されていたX線検出器1が、より低い温度の環境で使用される場合がある、この様な場合には、筐体の内部にある水蒸気が結露して、X線検出器1の表面に付着する場合がある。封止部6の外面6aに微細な亀裂があると、表面に付着した水分が亀裂に侵入し、封止部6の内部に導かれるおそれがある。また、X線検出器1が氷点下以下の環境に搬送され、亀裂に侵入した水分が凍結する場合がある。亀裂に侵入した水分が凍結すると体積が大きくなるので、亀裂が大きくなるとともに水分がさらに侵入し易くなる。以上のことが繰り返されると、封止部6の破損、防湿部5と封止部6の剥離、アレイ基板2と封止部6の剥離などが生じるおそれがある。
そのため、封止部6の少なくとも外面6aは、撥水性を有するものとすることが好ましい。封止部6の少なくとも外面6aが撥水性を有していれば、亀裂に水分が侵入するのを抑制することができる。例えば、封止部6の外面6aに撥水剤を塗布することができる。また、封止部6が、ポリエチレンおよびポリプロピレンの少なくともいずれかを主成分として含んでいれば、撥水性を有する外面6aとすることができる。
また、封止部6を形成する際には、熱可塑性樹脂を枠状に塗布した直後に、内部を観察して泡、異物、リークパスなどの有無をチェックすることが好ましい。この様なチェックが、目視もしくは光学顕微鏡を用いて行うことができれば、生産効率を向上させることができる。そのため、枠状に塗布された熱可塑性樹脂は、厚みが最も厚い部分においても透明であることが好ましい。すなわち、封止部6は、透光性を有するものとすることが好ましい。この様にすれば、泡、異物、リークパスなどがあり寿命が短くなるおそれがある製品を容易に除去することができる。そのため、製品の品質を向上させることができる。
支持部7は、アレイ基板2(基板2a)の、シンチレータ3が設けられる側とは反対側の面に設けることができる。前述したように、基板2aは厚みの薄い樹脂のシートとすることができる。そのため、基板2aの剛性が小さくなるので、製造工程中などにおいて取り扱いが煩雑となる。そこで、支持部7は、基板2aを補強するために設けられている。
支持部7は、例えば、基部7a、および導電膜7bを有することができる。基部7aおよび導電膜7bは、一体化することができる。支持部7は、基部7aおよび導電膜7bを含む積層体とすることができる。
基部7aは、シート状を呈するものとすることができる。基部7aは、アレイ基板2(基板2a)に接着することができる。基部7aは、基板2aの全面に設けられていてもよいし、基板2aの一部の領域に設けられていてもよい。基板2aを補強できるのであれば、基部7aの厚みには特に限定はない。例えば、基部7aの厚みは、基板2aの厚みよりも厚くすることができる。例えば、基部7aの厚みは、100μm程度とすることができる。基板2aを補強できるのであれば、基部7aの材料には特に限定はない。ただし、X線検出器1の軽量化を考慮すると、基部7aは樹脂から形成することが好ましい。例えば、基部7aは、PET(Polyethyleneterephthalate)などから形成することができる。
基部7aは、シート状を呈するものとすることができる。基部7aは、アレイ基板2(基板2a)に接着することができる。基部7aは、基板2aの全面に設けられていてもよいし、基板2aの一部の領域に設けられていてもよい。基板2aを補強できるのであれば、基部7aの厚みには特に限定はない。例えば、基部7aの厚みは、基板2aの厚みよりも厚くすることができる。例えば、基部7aの厚みは、100μm程度とすることができる。基板2aを補強できるのであれば、基部7aの材料には特に限定はない。ただし、X線検出器1の軽量化を考慮すると、基部7aは樹脂から形成することが好ましい。例えば、基部7aは、PET(Polyethyleneterephthalate)などから形成することができる。
導電膜7bは、導電性を有し、基部7aの、基板2a側とは反対側の面に設けることができる。導電膜7bは、例えば、厚みが25μm程度のITO(Indium Tin Oxide)の膜などとすることができる。基部7aが絶縁性を有する樹脂から形成されていると、X線検出器1を筐体の内部に格納した際に、基部7aの、基板2a側とは反対側の面の電位が不安定になる。基部7aの、基板2a側とは反対側の面の電位が不安定になると、ノイズが発生しやすくなるのでX線画像の品質が低下するおそれがある。本実施の形態に係る支持部7には導電膜7bが設けられているので、基部7aの、基板2a側とは反対側の面の電位を安定させることができる。そのため、ノイズの発生を抑制することができ、ひいてはX線画像の品質を向上させることができる。
次に、図1に戻って、回路基板11について説明する。
図1に示すように、回路基板11は、アレイ基板2の、シンチレータ3が設けられる側とは反対側に設けることができる。回路基板11は、X線検出モジュール10(アレイ基板2)と電気的に接続することができる。
回路基板11には、読み出し回路、信号検出回路、および画像処理回路を設けることができる。なお、これらの回路を1つの基板に設けることもできるし、これらの回路を複数の基板に分けて設けることもできる。
図1に示すように、回路基板11は、アレイ基板2の、シンチレータ3が設けられる側とは反対側に設けることができる。回路基板11は、X線検出モジュール10(アレイ基板2)と電気的に接続することができる。
回路基板11には、読み出し回路、信号検出回路、および画像処理回路を設けることができる。なお、これらの回路を1つの基板に設けることもできるし、これらの回路を複数の基板に分けて設けることもできる。
読み出し回路は、薄膜トランジスタ2b2のオン状態とオフ状態を切り替えることができる。読み出し回路には、画像処理回路などから制御信号S1を入力することができる。読み出し回路は、X線画像の走査方向に従って、制御ライン2c1に制御信号S1を入力することができる。例えば、読み出し回路は、フレキシブルプリント基板2e1を介して、制御信号S1を各制御ライン2c1毎に順次入力する。制御ライン2c1に入力された制御信号S1により薄膜トランジスタ2b2がオン状態となり、蓄積キャパシタからの電荷(画像データ信号S2)が受信できるようになる。
信号検出回路は、複数の積分アンプ、複数の選択回路、および複数のADコンバータなどを有することができる。
1つの積分アンプは、1つのデータライン2c2と電気的に接続することができる。例えば、積分アンプは、光電変換部2bからの画像データ信号S2を順次受信する。そして、積分アンプは、一定時間内に流れる電流を積分し、その積分値に対応した電圧を選択回路へ出力することができる。この様にすれば、所定の時間内にデータライン2c2を流れる電流の値(電荷量)を電圧値に変換することが可能となる。すなわち、積分アンプは、シンチレータ3において発生した蛍光の強弱分布に対応した画像データ情報を、電位情報へと変換することができる。
1つの積分アンプは、1つのデータライン2c2と電気的に接続することができる。例えば、積分アンプは、光電変換部2bからの画像データ信号S2を順次受信する。そして、積分アンプは、一定時間内に流れる電流を積分し、その積分値に対応した電圧を選択回路へ出力することができる。この様にすれば、所定の時間内にデータライン2c2を流れる電流の値(電荷量)を電圧値に変換することが可能となる。すなわち、積分アンプは、シンチレータ3において発生した蛍光の強弱分布に対応した画像データ情報を、電位情報へと変換することができる。
選択回路は、読み出しを行う積分アンプを選択し、電位情報へと変換された画像データ信号S2を順次読み出すことができる。
ADコンバータは、読み出された画像データ信号S2をデジタル信号に順次変換することができる。デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、画像処理回路に入力することができる。
ADコンバータは、読み出された画像データ信号S2をデジタル信号に順次変換することができる。デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、画像処理回路に入力することができる。
画像処理回路は、複数のADコンバータによりデジタル信号に変換された画像データ信号S2に基づいて、X線画像を構成することができる。構成されたX線画像のデータは、画像処理回路から外部の機器に向けて出力することができる。
本実施の形態に係るX線検出モジュール10においては、基板2aが樹脂から形成されているため、乱雑な取り扱いをしても基板2aに割れが発生するのを抑制することができる。また、厚みの薄い防湿部5の周縁近傍を、樹脂を含む封止部6に接合しているため、防湿部5の周縁近傍と封止部6との間に熱応力が発生したとしても熱応力を緩和させることができる。例えば、厚みの薄い防湿部5が延びることで熱応力を緩和させることができる。例えば、樹脂を含む封止部6が弾性変形することで熱応力を緩和させることができる。そのため、温度変化による基板2aの変形を抑制することができる。
すなわち、本実施の形態に係るX線検出モジュール10とすれば、基板2aの耐衝撃性の向上、および温度変化による基板2aの変形の抑制を図ることができる。
すなわち、本実施の形態に係るX線検出モジュール10とすれば、基板2aの耐衝撃性の向上、および温度変化による基板2aの変形の抑制を図ることができる。
次に、他の実施形態に係るX線検出モジュール10aについて説明する。
図3(a)、(b)は、他の実施形態に係るX線検出モジュール10aを例示するための模式断面図である。
封止部6は、例えば、軟化させた熱可塑性樹脂をアレイ基板2の上に枠状に塗布したり、3Dプリンタなどで熱可塑性樹脂をアレイ基板2の上に枠状に設けたりすることで形成することができる。この場合、封止部6の寸法がばらつく場合がある。
図3(a)、(b)は、他の実施形態に係るX線検出モジュール10aを例示するための模式断面図である。
封止部6は、例えば、軟化させた熱可塑性樹脂をアレイ基板2の上に枠状に塗布したり、3Dプリンタなどで熱可塑性樹脂をアレイ基板2の上に枠状に設けたりすることで形成することができる。この場合、封止部6の寸法がばらつく場合がある。
封止部6の寸法がばらつくと、防湿部5の周端面5aがアレイ基板2と干渉して、防湿部5の周縁近傍にシワなどが発生するおそれがある。防湿部5の周縁近傍にシワなどが発生すると、防湿部5の剥離などが生ずるおそれがある。
この場合、図3(a)に示すように、防湿部15の周端面15aとアレイ基板2との間に距離H1が設けられる様にすることができる。例えば、シート状を呈する防湿部15の寸法を短めにしておけば良い。この様にすれば、封止部6の寸法がばらついたとしても、防湿部15の周縁近傍にシワなどが発生するのを抑制することができる。
この場合、距離H1があまり大きくなると、封止部6の内部に侵入する水分が多くなるおそれがある。本発明者の得た知見によれば、図3(b)に示すように、距離H1が封止部6の高さH2の半分以下となるようにすることが好ましい。この場合、距離H1がより小さくなれば、封止部6の内部に侵入する水分がより少なくなる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 X線検出器、2 アレイ基板、2a 基板、2b 光電変換部、3 シンチレータ、4 反射層、5 防湿部、6 封止部、7 支持部、10 X線検出モジュール、10a X線検出モジュール、11 回路基板、15 防湿部
Claims (5)
- シート状を呈し、樹脂を含む基板と、
前記基板の一方の面側に設けられた複数の光電変換部と、
前記複数の光電変換部の上に直接蒸着され、放射線を蛍光に変換するシンチレータと、
熱可塑性樹脂を主成分として含み、前記シンチレータの周囲に設けられ、前記基板と前記シンチレータに接合された枠状の封止部と、
前記シンチレータを覆い、周縁近傍が前記封止部の外面に接合された防湿部と、
を備えた放射線検出モジュール。 - 前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレンおよびポリプロピレンの少なくともいずれかである請求項1記載の放射線検出モジュール。
- 前記防湿部は、金属を含むシート、樹脂膜と金属膜とが積層された積層シート、および、樹脂膜と無機膜とが積層された積層シートのいずれかである請求項1または2に記載の放射線検出モジュール。
- 前記封止部の剛性は、前記防湿部の剛性よりも小さい請求項1〜3のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の放射線検出モジュールと、
前記放射線検出モジュールと電気的に接続された回路基板と、
を備えた放射線検出器。
Priority Applications (1)
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JP2019188482A JP2021063719A (ja) | 2019-10-15 | 2019-10-15 | 放射線検出モジュール、および放射線検出器 |
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