JP2020074817A - 什器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、棚板の取り付けが容易であるとともに、使用時に箱体から棚板が容易に外れることのない什器を提供する。【解決手段】本発明の什器は、幅方向に間隔をおいて配置された少なくとも一対の側部を有し、一対の側部の間に収容空間が形成された箱体と、収容空間内に配置される棚板と、棚板を箱体に固定する固定部材とを備え、一対の側部は、それぞれ互いに対向する各内面の一部を収容空間側へ膨らみ形状とした部分からなり、上方に開口する挿入孔および側方に貫通する第1の留め孔が形成された受け部を有し、棚板は、挿入孔に挿入されて受け部に係合され、第1の留め孔に連通する第2の留め孔が形成された係合片を有しており、固定部材は凸部を有し、該凸部が互いに連通する受け部の第1の留め孔と係合片の第2の留め孔とに挿通されて受け部および係合片に係合している。【選択図】図2

Description

本発明は、什器に関するものである。
従来より、底板、天板および左右の側板からなる箱体に対して、棚板を取り付けた什器が知られている(例えば、特許文献1)。棚板の取り付け方法としては、棚板の側部の板状体を什器の背板あるいは側板から膨らみ形状に設けられた嵌合部を、棚板の長孔に係合させることで取り付ける方法が知られている。
実公昭49−008963号公報
従来の構成では、箱体に対して棚板を簡単に取り付けることができるが、使用時に棚板が外れやすいという問題が生じてしまう。
本発明の一つの態様は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、棚板の取り付けが容易であるとともに、使用時に箱体から棚板が容易に外れることのない什器を提供することを目的とする。
本発明の一態様における什器は、幅方向に間隔をおいて配置された少なくとも一対の側部を有し、一対の前記側部の間に収容空間が形成された箱体と、前記収容空間内に配置される棚板と、前記棚板を前記箱体に固定する固定部材と、を備え、一対の前記側部は、それぞれ互いに対向する各内面の一部を前記収容空間側へ膨らみ形状とした部分からなり、上方に開口する挿入孔および側方に貫通する第1の留め孔が形成された受け部を有し、前記棚板は、前記挿入孔に挿入されて前記受け部に係合され、前記第1の留め孔に連通する第2の留め孔が形成された係合片を有しており、前記固定部材は凸部を有し、該凸部が互いに連通する前記受け部の第1の留め孔と前記係合片の第2の留め孔とに挿通されて前記受け部および前記係合片に係合している。
この構成によれば、固定部材を用いることで、箱体に対する棚板の固定を確実に行うことができるため、仮に、下側から棚板が突き上げられたとしても容易には外れず、使い勝手の良い什器となる。また、固定部材を各受け部から引き抜くことで、棚板を簡単に取り外すことができる。
本発明の一態様における什器において、前記凸部は爪部を有しており、前記爪部が、前記第1の留め孔および前記第2の留め孔に挿入された状態で、前記係合片のうち前記受け部に対向する前面とは反対側の後面に係合している構成としてもよい。
この構成によれば、固定部材の抜け止め効果が得られ、箱体に対して棚板を確実に固定することができる。
本発明の一態様における什器において、前記固定部材は、前記凸部を挟んで両側に位置する一対の係合部をさらに有し、前記側部には、前記受け部を挟んで両側に一対の被係合孔が形成されており、前記凸部が前記第1の留め孔および前記第2の留め孔に挿入された状態で、前記一対の係合部が前記一対の被係合孔に係合する、構成としてもよい。
この構成によれば、一対の係合部によって固定部材の抜け止め効果が得られ、箱体に対して棚板を確実に固定することができると共に、固定部材の回転が抑えられるため、棚板のがたつきやずれを抑制することができる。
本発明の一態様における什器において、前記一対の係合部は、互いの対向方向の内側にそれぞれ突出する第1係合凸部と、互いの対向方向の外側にそれぞれ突出する第2係合凸部と、を有しており、前記第1係合凸部と前記第2係合凸部との位置が前記爪部の挿入方向でずれている構成としてもよい。
この構成によれば、例えば、受け部および一対の被係合孔が互いに異なる平面上に形成されている場合と、これらが互いに同じ平面上に形成されている場合とで、受け部から一対の被係合孔までの距離が異なってくるが、第1係合凸部と第2係合凸部との距離および各々の突出方向を異ならせることで、いずれの構造にも対応することができる。
本発明の一態様における什器において、前記側部が柱状をなす場合、少なくとも3つの面を有し、第1面に前記受け部が形成されるとともに、前記第1面の両側に位置する第2面および第3面に前記被係合孔がそれぞれ形成され、これら一対の前記被係合孔に前記一対の第1係合凸部が係合する構成としてもよい。
この構成によれば、柱状の側部に受け部および被係合孔が形成されている構造の場合に、固定部材を介して棚板を確実に固定することが可能である。
本発明の一態様における什器において、前記側部が板状をなす場合、内面側に前記受け部および前記一対の被係合孔が形成され、これら一対の被係合孔に前記一対の第2係合凸部が係合する構成としてもよい。
この構成によれば、板状の側部に受け部および被係合孔が形成されている構造の場合に、固定部材を介して棚板を確実に固定することが可能である。
本発明の一態様における什器において、前記受け部は、互いに間隔をおいて前記内面から立ち上がる一対の立ち上がり部と、前記立ち上がり部の端部どうしを接続するとともに前記収容空間内へ突出する突出部と、を有し、前記一対の立ち上がり部および前記突出部によって前記挿入孔が形成されている構成としてもよい。
この構成によれば、受け部によって形成される挿入孔に棚板の係合片を挿入させるだけで、棚板を箱体に係合させることができる。
本発明によれば、棚板の取り付けが容易であるとともに、使用時に箱体から棚板が容易に外れることのない什器を提供することができる。
図1は、一実施形態における什器の全体の構成を示す斜視図である。 図2は、一実施形態における什器本体の構成を示す斜視図である。 図3は、一実施形態における箱体の構成を示す斜視図である。 図4は、一実施形態における箱体に対する中仕切の設置構造を示すYZ断面図である。 図5は、一実施形態における中仕切の構成を示す斜視図である。 図6は、一実施形態における棚板の構成を示す斜視図である。 図7は、一実施形態における箱体に対して棚板が設置された状態を示す斜視図である。 図8は、一実施形態における中仕切に対する棚板の係合状態を部分的に拡大して示す斜視図である。 図9は、一実施形態における前柱に対する棚板の係合状態を部分的に拡大して示す斜視図である。 図10Aは、一実施形態における固定部材の構造を示す斜視図である。 図10Bは、一実施形態における固定部材の構成を示す断面図である。 図11は、一実施形態における固定部材が後柱に取り付けられた状態を示す斜視図である。 図12は、一実施形態における固定部材が後柱に取り付けられた状態を示す断面図である。 図13は、他の実施形態において固定部材が箱体の側板に取り付けられた状態を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明による什器を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。なお、以下の各図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
以下の説明においては、什器のうち、扉がある側を「前」と呼び、それとは逆側の背板がある側を「後」と呼ぶこととする。また、天板がある側を「上」と呼び、それとは逆側の底板がある側を「下」と呼ぶこととする。また、側板が配置されている方向を「幅方向」と呼ぶ。
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、「X方向」は、図1に示す什器の「幅方向X」と平行な方向とする。「Z方向」は、X方向と直交する方向であって図1の「上下方向Z」とする。「Y方向」は、X方向とZ方向との両方と直交する「前後方向Y」とする。
図1は、一実施形態における什器の全体の構成を示す斜視図である。図2は、一実施形態における什器本体の構成を示す斜視図である。図3は、一実施形態における箱体の構成を示す斜視図である。図4は、一実施形態における箱体に対する中仕切の設置構造を示すYZ断面図である。図5は、一実施形態における中仕切の構成を示す斜視図である。図6は、一実施形態における棚板の構成を示す斜視図である。図7は、一実施形態における箱体に対して棚板が設置された状態を示す斜視図である。図8は、一実施形態における中仕切に対する棚板の係合状態を部分的に拡大して示す斜視図である。図9は、一実施形態における前柱に対する棚板の係合状態を部分的に拡大して示す斜視図である。図10Aは、一実施形態における固定部材の構造を示す斜視図である。図10Bは、一実施形態における固定部材の構造を示す断面図である。図11は、一実施形態における固定部材が後柱に取り付けられた状態を示す斜視図である。図12は、一実施形態における固定部材が後柱に取り付けられた状態を示す断面図である。図13は、他の実施形態において固定部材が箱体の側板に取り付けられた状態を示す断面図である。
本実施形態における什器100は、図1に示すように、什器本体101と複数の開閉扉102とを備えて構成されている。什器100は、例えば更衣ロッカーとして使用することができる。図1に示す什器100は、縦横2つずつ合計4つの開閉扉102を備えているが、これに限られない。開閉扉102の数や什器100の大きさ等は適宜変更が可能である。
什器本体101は、図2に示すように、箱体10と、中仕切11と、複数の棚板12と、複数の固定部材20と、を少なくとも備えている。本実施形態では、箱体10の内部に取り付けられた中仕切11と2つの棚板12とによって形成される4つの収容空間Sを有している。なお、什器本体101内に設置する中仕切11および棚板12の数は適宜変更が可能である。
(箱体)
箱体10は、図2に示すように、天板13、底板14、一対の側板(側部)15A,15Bおよび背板16を少なくとも備えている。
箱体10は、上下方向Zにおいて互いに対向する天板13および底板14と、天板13および底板14の幅方向Xの両端側に配置された一対の側板15A,15Bと、天板13、底板14、一対の側板15A,15Bの後端側に配置された背板16とによって、箱型に形成されている。箱体10は、前方側であって背板16とは反対側に開口部10aを有しており、当該開口部10aが図1に示した4つの開閉扉102によって閉塞される構成となっている。
箱体10の内側には、図3に示すように、天板側取付部材17と、背板側取付部材18とが設置されており、これらは中仕切11を取り付ける際に必要となる。
天板側取付部材17は、図3および図4に示すように、角柱形状をなし、天板13の内壁面13aに設置されている。天板側取付部材17は、箱体10の幅方向Xの中央において前後方向Yに延在している。天板側取付部材17は、天板13の内壁面13aから底板14側へ向かって突出しているため、例えば、本実施形態では側板15A側の側面17bに中仕切11の端部が突き当たった状態で、当該側面17bに中仕切11の上端側が取り付けられる。
背板側取付部材18は、図3および図4に示すように、背板16の幅方向Xの中央の内壁面16aに設置されている。背板側取付部材18は、断面がクランク形状をなしていることから、背板16に設置するだけで、内壁面16aとの間に中仕切11の後端側を係合させるための係合溝18aを形成することができる。
さらに箱体10の内側の四隅には、2つの前柱19A,19Aおよび2つの後柱19B,19Bが設けられている。箱体10の開口部10a側であって各側板15A,15Bの前端側には、前柱19Aがそれぞれ配置されている。また、箱体10の背板16側であって各側板15A,15Bの後端側には、後柱19Bがそれぞれ配置されている。これらは、各側板15A,15Bと中仕切11との間に棚板12を取り付ける際に必要となる。
図3では、側板15A側に設けられた前柱19Aおよび後柱19Bのみ図示しているが、上述したように側板15B側にも前柱19Aおよび後柱19Bがそれぞれ設けられている。
(中仕切)
中仕切11は、図2に示したように、例えば箱体10の幅方向Xの中央に配置され、その上下方向Zにおける両端側が天板13および底板14に対してそれぞれ固定されている。このような中仕切11は、図5に示すように、中仕切本体21、前方柱構成部材22、後方柱構成部材23およびキャップ24を少なくとも備えて構成されている。
中仕切11は、図5に示すように、前後方向Yの両端側に前方柱構成部材22あるいは後方柱構成部材23によって構成される一対の角柱状の前方強度柱25,26を有している。
本実施形態の中仕切11は、一対の前方強度柱25,26を有しているが、少なくとも箱体10の開口部10a側に位置する縁部が柱状となっていることが好ましい。
このように、箱体10の前後方向Yに中仕切11の前方強度柱25,26がそれぞれ存在することによって、箱体10の強度、ひいては什器100の強度が高められた構成となっている。
なお、本実施形態では、中仕切11に対して一対の前方強度柱25,26を設けたが、少なくとも、箱体10の開口部10aに面する中仕切11の縁部に前方強度柱25を設けることによって、箱体全体の強度を高めることが可能である。
本実施形態の箱体10および中仕切11の内部には、各棚板12を取り付けるための構造が付与されている。
図3に示すように、箱体10内に設けられた前柱19Aの上下方向Zの中央部分には、棚板12の前端側を係合させるための前方係合孔19e1が形成されている。
また、各後柱19Bの上下方向Zの中央部分には、棚板12の後端側を係合させるための受け部34が形成されている。受け部34は、図8に示すように、後柱19Bの第1面(内面)1aから膨らみ形状に形成された部分であって、上下に貫通する挿入孔34eと、側方に貫通する第1の留め孔34hと、が形成されている。
図5に示すように、中仕切11の前方強度柱25には、後方強度柱26と対向する面に2つの前方係合孔25e,25eが形成されている。これら2つの前方係合孔25e,25eは、中仕切本体21の両側にそれぞれ設けられている。なお、図5においては、片側の前方係合孔25eのみ図示している。
また、中仕切11の後方強度柱26には、幅方向Xの両側の各第1面(内面)1a、1aに、棚板12の後端側を係合させるための受け部34がそれぞれ形成されている。なお、図5においては、片側の受け部34のみ図示している。
受け部34は、後方強度柱26の第1面1aの一部が外側に膨らみ形状とされた部分からなり、上下に貫通する挿入孔34eと、側方に貫通する第1の留め孔34hと、が形成されている。
図8に示すように、後方強度柱26および後柱19Bのそれぞれに形成された各受け部34は、後方強度柱26および後柱19Bの幅方向Xの両側の第1面1a、1aから立ち上がる一対の立ち上がり部34b,34bと、これら立ち上がり部34b,34bの端部どうしを接続するとともに箱体10の内部空間に突出する突出部34aと、を有している。さらに、受け部34は、これら突出部34aと一対の立ち上がり部34b,34bとによって形成されるとともに、上下方向に貫通する挿入孔34eを有している。
また、後方強度柱26および後柱19Bには、図8に示すように、受け部34を挟んで両側に一対の被係合孔2a,2aがそれぞれ形成されている。具体的には、受け部34が設けられた第1面1aの両側に存在する第2面1bおよび第3面1cのそれぞれに被係合孔2a,2aが形成されている。第1面1aの両側に存在する第2面1bおよび第3面1cは、第1面1aに対して垂直をなす面のため、各面1b,1cに形成される被係合孔2a,2aは、第1面1a上の受け部34から離れた位置に存在する。
後方強度柱26に設けられた受け部34と、上述した後柱19Bに設けられた受け部34とは幅方向Xで対向し、中仕切11と側板15A、もしくは中仕切11と側板15Bとの間に設置される各棚板12の幅方向Xの両側の後端を各受け部34においてそれぞれ支持する。
(棚板)
一対の棚板12,12は、図2に示すように、箱体10の幅方向Xにおいて、箱体10の内部に設置された中仕切11の両側にそれぞれ配置され、中仕切11の両側に形成された空間を上下に区分するように取り付けられている。各棚板12は、複数の固定部材20を用いて箱体10に対して着脱可能に取り付けられている。なお、箱体10の上下方向Zにおける棚板12の設置位置や棚板12の数は、適宜変更が可能である。
図6に示すように、本実施形態の棚板12は、棚板部12Aと、棚板部12Aの幅方向両側に位置する一対の側部対向部12B,12Bと、棚板部12Aの後端に位置する背板対向部12Cと、棚板部12Aの前端に位置する前方屈曲部12Dと、を有している。
棚板部12Aは、平面視矩形状でフラットな上面12aを有し、什器100の使用状態において上面12a上に載置される収納品を支持する。
一対の側部対向部12B,12Bは、棚板部12Aの幅方向両側の端部から下面12b側へ屈曲形成されている。これによって、幅方向両側の強度が高められ、棚板部12Aの下方へのたわみが抑制される。
背板対向部12Cは、矩形板状をなし、棚板部12Aの後端に沿って垂直に設けられている。背板対向部12Cは、棚板12が箱体10内に取り付けられた状態において、箱体10の背板16の内壁面16aに対向する。
背板対向部12Cは、図6および図7に示すように、棚板部12Aの上面12aおよび下面12bのそれぞれに突出しており、上面12a側に突出する上端12C1によって、収納品が載置される棚板部12Aと、箱体10の背板16との間に生じる隙間をなくすことができる。これにより、棚板部12A上に載置した収納品が上記隙間に挟まるなどの心配がなくなる。
前方屈曲部12Dは、箱体10の開口部10aに面する部分であって、断面視コ字状をなし、これによって棚板12の前方の強度が高められている。
さらに、棚板12は、図6に示すように、一対の前方切欠き部12E,12Eと、一対の後方切欠き部12F,12Fと、一対の前方係合片12e,12eと、一対の後方係合片(係合片)12f、12fと、を有している。
一対の前方切欠き部12E,12Eは、棚板部12Aの幅方向Xの両側の前端側においてそれぞれ内側に切り欠かれた部分であって、一対の後方切欠き部12F,12Fは、棚板部12Aの幅方向Xの両側の後端側においてそれぞれ内側に切り欠かれた部分である。
このような切欠き部12E,12Fを形成しておくことにより、棚板12が箱体10内に取り付けられた状態において、図9に示すように一方の前方切欠き部12E内に、箱体10内の前柱19Aの一部が挿入され、図7に示すように他方の前方切欠き部12E内に、中仕切11の前方強度柱25の一部が挿入される。これによって、棚板12と中仕切11との間、および棚板12と側板15A,15Bとの間に、それぞれ隙間を生じさせることなく、棚板12を箱体10に対して取り付けることができる。
また、一対の前方係合片12e,12eは、各側部対向部12Bの前端から各前方切欠き部12E内へそれぞれ突出している。そのため、棚板12が箱体10内に取り付けられた状態において、図7に示すように一方の前方係合片12eが、中仕切11の前方強度柱25に設けられた前方係合孔25eに係合し、図9に示すように他方の前方係合片12eが、箱体10内の前柱19Aに設けられた前方係合孔19e1に係合する。このようにして棚板12の前端側が支持される。
一方、棚板12の後方に設けられた一対の後方係合片12f,12fは、図6に示すように後方切欠き部12F,12F内において、棚板部12Aの後方における幅方向両側の端部から下面12b側へ向けてそれぞれ屈曲形成されている。これら各後方係合片12fには、側方に貫通する第2の留め孔12hが形成されている。後方係合片12fに形成された第2の留め孔12hは、上述した受け部34の第1の留め孔34hに連通する。
そして、棚板12が箱体10内に取り付けられた状態において、図7に示すように棚板12の一方の後方係合片12fが、中仕切11の後方強度柱26に設けられた受け部34の挿入孔34e内に挿入されて係合し、他方の後方係合片12fが、図8に示すように箱体10内の後柱19Bに設けられた挿入孔34eに挿入されて係合する。このようにして棚板12の後端側が支持される。
このように、箱体10の中仕切11の幅方向両側にそれぞれ取り付けられた2つの棚板12,12は、それぞれ複数の固定部材20を用いて箱体10に対して着脱可能に固定されている。
(固定部材)
固定部材20は、図10Aおよび図10Bに示すように、矩形状の平面部41と、平面部41の内面41aの中央に設けられた爪部(凸部)43と、爪部43を挟んで両側に位置する一対の係合部42,42と、を有している。一対の係合部42,42は、平面部41の長手方向両側から爪部43と同じ方向に延出している。
図10Aおよび図10Bに示すように、爪部43は、中央の挿入部43aと、挿入部43aの先端から両側に折り返されるようにして平面部41側へそれぞれ延出する一対の係合爪43b,43bと、を有している。
爪部43は、図11および図12に示すように、固定部材20を後柱19Bに対して取り付けた状態において、後柱19Bの受け部34に形成された第1の留め孔34hと、棚板12のうち後方係合片12fに形成された第2の留め孔12hとに挿入される。
係合爪43b、43bの先端側どうしは挿入部43aの先端側に接続され、後端側はそれぞれ自由端となっており、先端側から後端側へ行くにしたがって挿入部43aから離れる方向へ斜めに広がっている。言い換えれば、爪部43の先端側が窄まった形状のため、第1の留め孔34hおよび第2の留め孔12hのそれぞれに爪部43を挿入しやすい。
また、係合爪43b,43bの後端どうしの距離L1は、図10Bおよび図12に示すように、後柱19Bにおける受け部34の第1の留め孔34hの直径D1および棚板12における後方係合片12fの第2の留め孔12hの直径D2よりも大きい。これにより、受け部34の第1の留め孔34hに棚板12の後方係合片12fを挿入させた際、第1の留め孔34hに対する第2の留め孔12hの位置合わせ誤差を許容することができる。
爪部43が、上記第1の留め孔34hおよび第2の留め孔12hのそれぞれを通過する際には、自由端となっている各係合爪43b、43bの後端側が互いに近づくように変形し、通過後に元の形状に戻る。
このため、図12に示すように、各係合爪43b、43bの後端が、棚板12の後方係合片12fの裏面側、つまり受け部34に対向する前面12f1とは反対側の後面12f2に係合し、第1の留め孔34hおよび第2の留め孔12hに対する固定部材20の抜け止めとして機能する。
また、図10Aおよび図10Bに示すように、固定部材20の幅方向両側に存在する一対の係合部42,42は、互いに対向する方向において、各々の内面42aから対向方向内側に向けてそれぞれ突出する第1係合凸部45と、各々の外面42bから対向方向外側に向けてそれぞれ突出する第2係合凸部44と、を有している。
第1係合凸部45の第1係合面45aと、第2係合凸部44の第2係合面44aとは、いずれも平面部41の内面41aに平行しているが、固定部材20の取付方向Xにおいて内面41aからの高さが互いに異なっており、内側の第1係合面45aの方が、外側の第2係合面44aよりも上記内面41aから離れている。
図12に示すように、固定部材20は、後方強度柱26および後柱19Bに対して取り付けられるが、このとき、上述した第1係合凸部45および第2係合凸部44のうちのいずれか一方が後方強度柱26および後柱19Bに係合した状態で取り付けられる。
後方強度柱26および後柱19Bはともに柱状であるため、受け部34が設けられた面とは異なる面、つまり受け部34が設けられた第1面1aの両側に垂直に存在する第2面1bおよび第3面1cのそれぞれに被係合孔2a、2aを形成しておくことにより、固定部材20のうち幅方向内側に突出した一対の第1係合凸部45,45を一対の被係合孔2a,2aに係合させることができる。
このようにして、各棚板12の後端側が固定部材20によって箱体10に固定される。
以上述べたように、本実施形態の什器100によれば、固定部材20を用いることで、箱体10に対する各棚板12の固定を確実に行うことができる。仮に、下側から棚板12が突き上げられたとしても容易に外れることはないため、使い勝手の良い什器100となる。また、固定部材20を受け部34から引き抜くことによって、棚板を簡単に取り外すことができる。
また、固定部材20は、受け部34に取り付けられた状態で、爪部43の各係合爪43b、43bが棚板12の後方係合片12fの裏面側に係合するため、通常の什器100の使用状態において、固定部材20が受け部34から外れてしまうことはない。これにより、箱体10に対して棚板12を確実に取り付けることができる。
また、後方強度柱26および後柱19Bに対して、固定部材20の爪部43を係合させるだけでも棚板12の固定状態が確実になされるが、一対の第1係合凸部45,45をさらに係合させることによって、爪部43を中心に固定部材20が回転することが抑えられるため、棚板12のがたつきやずれをさらに抑制することができる。
また、係合爪43bの押し込み方向の外側に係合部42があるため、後方強度柱26および後柱19Bに固定部材20が取り付けられた状態で係合爪43bを押し込むことが困難となり、固定部材20の取り外しをさらに困難とすることが出来る。
また、本実施形態では、部材の一部を膨らみ形状とした部分により受け部34を形成しているため、その内側に形成される挿入孔34eに棚板12の後方係合片12fを挿入させるだけで、棚板12を受け部34に対して係合させることができる。これにより、箱体10に対する棚板12の位置決めがなされ、固定部材20を後から取り付ける際に、棚板12を手で支える必要がなくなるため、取付作業が容易になる。
また、図13に示すように、側板15A,15Bの内面側に受け部34をそれぞれ直接形成してもよい。側板15A,15Bの各内面15bの一部を箱体10の収容空間S側へ膨らみ形状とすることで受け部34を形成し、各受け部34の内側に形成される挿入孔34eに棚板12の各後方係合片12fを挿入させる構成としてもよい。この場合は、受け部34と略同一平面上に被係合孔2a、2aが形成される。固定部材20の取付方向Xにおいて、受け部34と被係合孔2a,2aとの距離は上記実施形態に比べて近くなる。そのため、固定部材20の外側に突出する第2係合凸部44が被係合孔2a,2aに係合することになる。
このように、本実施形態の固定部材20は、受け部34および一対の被係合孔2a,2aが柱状の部材、板状の部材のいずれに設けられた構造に対しても用いることができる。構造上、受け部34と被係合孔2a,2aの距離が異なっていたとしても、共通の固定部材20を利用することができるため、コストを抑えることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、箱体10の上下方向における棚板12の設置位置は、上記実施形態で示した位置に限られず、適宜変更が可能である。例えば、上述した中仕切11の前方強度柱25および前柱19Aにそれぞれ形成された前方係合孔25e、19e1と、中仕切11の後方強度柱26および後柱19Bにそれぞれ形成された受け部34の数を増やしておくことによって、使用者が自由に棚板12の位置を変えることが可能になるため利便性が向上する。
また、受け部34は後方強度柱26および後柱19Bのみに形成されている必要は無く、前方強度柱25および前柱19Aにそれぞれ受け部34を形成しても良い。さらにその場合は後方強度柱26および後柱19Bに受け部が形成されていなくても良い。
また、受け部34は、挿入孔34eの少なくとも上方側が開口していればよく、挿入孔34eの下方側は必ずしも開口している必要はない。
また、本実施形態では、部材の一部を膨らみ形状とすることで受け部34を形成しているが、部材の表面に受け部34を後付けしてもよい。
1a…第1面、1b…第2面、1c…第3面、2a…被係合孔、10…箱体、11…中仕切(側部)、12…棚板、12f…後方係合片(係合片)、12h…第2の留め孔、34h…受け部の留め孔、15A…側板(側部)、20…固定部材、29,42…係合部、29…係合部(係合部)、34…受け部、34a…突出部、34b…立ち上がり部、34e…挿入孔、34h…第1の留め孔、43…爪部(凸部)、44…第2係合凸部、45…第1係合凸部、100…什器、12f1…前面、12f2…後面、S…収容空間、X…幅方向

Claims (7)

  1. 幅方向に間隔をおいて配置された少なくとも一対の側部を有し、一対の前記側部の間に収容空間が形成された箱体と、
    前記収容空間内に配置される棚板と、
    前記棚板を前記箱体に固定する固定部材と、を備え、
    一対の前記側部は、それぞれ互いに対向する各内面の一部を前記収容空間側へ膨らみ形状とした部分からなり、上方に開口する挿入孔および側方に貫通する第1の留め孔が形成された受け部を有し、
    前記棚板は、前記挿入孔に挿入されて前記受け部に係合され、前記第1の留め孔に連通する第2の留め孔が形成された係合片を有しており、
    前記固定部材は凸部を有し、該凸部が互いに連通する前記受け部の第1の留め孔と前記係合片の第2の留め孔とに挿通されて前記受け部および前記係合片に係合している、什器。
  2. 前記凸部は爪部を有しており、前記爪部が、前記第1の留め孔および前記第2の留め孔に挿入された状態で、前記係合片のうち前記受け部に対向する前面とは反対側の後面に係合している、
    請求項1に記載の什器。
  3. 前記固定部材は、前記凸部を挟んで両側に位置する一対の係合部をさらに有し、
    前記側部には、前記受け部を挟んで両側に一対の被係合孔が形成されており、
    前記凸部が前記第1の留め孔および前記第2の留め孔に挿入された状態で、前記一対の係合部が前記一対の被係合孔に係合する、
    請求項1または2に記載の什器。
  4. 前記一対の係合部は、
    互いの対向方向の内側にそれぞれ突出する第1係合凸部と、
    互いの対向方向の外側にそれぞれ突出する第2係合凸部と、を有しており、
    前記第1係合凸部と前記第2係合凸部との位置が前記爪部の挿入方向でずれている、
    請求項3に記載の什器。
  5. 前記側部が柱状をなす場合、少なくとも3つの面を有し、第1面に前記受け部が形成されるとともに、前記第1面の両側に位置する第2面および第3面に前記被係合孔がそれぞれ形成され、これら一対の前記被係合孔に前記一対の第1係合凸部が係合する、
    請求項4に記載の什器。
  6. 前記側部が板状をなす場合、
    内面側に前記受け部および前記一対の被係合孔が形成され、
    これら一対の被係合孔に前記一対の第2係合凸部が係合する、
    請求項4に記載の什器。
  7. 前記受け部は、
    互いに間隔をおいて前記内面から立ち上がる一対の立ち上がり部と、
    前記立ち上がり部の端部どうしを接続するとともに前記収容空間内へ突出する突出部と、を有し、
    前記一対の立ち上がり部および前記突出部によって前記挿入孔が形成されている、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の什器。
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