JP2020074697A - 食肉軟化剤、食肉軟化用浸漬液、食肉、および食肉の製造方法 - Google Patents
食肉軟化剤、食肉軟化用浸漬液、食肉、および食肉の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】食肉、特に食肉のスジ部位等を、味を維持しつつ、軟化することができる実用的な食肉軟化剤、その食肉軟化剤を含む食肉軟化用浸漬液、食肉、および食肉の製造方法を提供する。【解決手段】食肉を軟化するための食肉軟化剤であって、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素、および配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有する酵素のうち少なくとも1つを含有する、食肉軟化剤である。【選択図】なし
Description
本発明は、食肉を軟化するための食肉軟化剤、その食肉軟化剤を含む食肉軟化用浸漬液、食肉、および食肉の製造方法に関する。
牛、豚、鶏等の食肉には、やわらかさが求められることが多い。現状、牛、豚、鶏等の食肉にはスジが多く喫食しがたい部位もあり、このような部位は廃棄されたり、他の加工食品材料として流用されたりしている。スジ部位は、硬質タンパク質(コラーゲン)から構成される結合組織を多く含む部位であり、スジ部位等を軟化するための軟化剤として、アルカリ剤(炭酸塩等)や酵素(パパイン、ブロメライン等のプロテアーゼや、ペプチダーゼ等)が使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
アルカリ剤に関しては、ある程度の軟化効果は見られるが、依然スジが残り、喫食しがたい。パパイヤ由来のパパインやパイナップル由来のブロメライン等の酵素は、軟化効果は見られるが、植物性特有の渋みを有し、異味を与えてしまう。また、パパインやブロメライン等の酵素は、基質特異性が低く、酵素のコントロールが難しいため、スジ部位を特異的に軟化することができず、肉本来の好ましい食感とはならない。さらに、パパインやブロメライン等の酵素は、軟化が進み過ぎて、軟化処理により肉の重量が著しく減少し、歩留まりが低下する場合もある。
一方で、スジを特異的に切断する酵素(コラゲナーゼ、エラスターゼ)の利用が提案されている。これらの酵素を使用することで、肉本来の好ましい食感をほとんど損なうことなく、食肉の軟化が可能である。しかしながら従来のコラゲナーゼやエラスターゼは高価であり、実用化は困難であった。また、従来のコラゲナーゼやエラスターゼを用いたスジ部分の軟化には、大量の酵素や長時間の処理が必要であるという問題もあった。
このように、食肉、特に食肉のスジ部位等を、味を維持しつつ、軟化することができる実用的な食肉軟化剤が求められている。
本発明の目的は、食肉、特に食肉のスジ部位等を、味を維持しつつ、軟化することができる実用的な食肉軟化剤、その食肉軟化剤を含む食肉軟化用浸漬液、食肉、および食肉の製造方法を提供することにある。
本発明は、食肉を軟化するための食肉軟化剤であって、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素、および配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有する酵素のうち少なくとも1つを含有する、食肉軟化剤である。
前記食肉軟化剤において、さらにアルカリ剤を含有することが好ましい。
前記食肉軟化剤において、前記軟化が、前記食肉のスジ部位の軟化であることが好ましい。
本発明は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素、および配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有する酵素のうち少なくとも1つと、水と、を含有する、食肉軟化用浸漬液である。
前記食肉軟化用浸漬液において、さらにアルカリ剤を含有することが好ましい。
前記食肉軟化用浸漬液において、液のpHが7.0〜11.0の範囲であることが好ましい。
本発明は、前記食肉軟化剤を含む食肉である。
本発明は、前記食肉軟化剤を用いて食肉を軟化する、食肉の製造方法である。
本発明では、食肉、特に食肉のスジ部位等を、味を維持しつつ、軟化することができる実用的な食肉軟化剤、その食肉軟化剤を含む食肉軟化用浸漬液、食肉、および食肉の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<食肉軟化剤>
本発明の実施の形態に係る食肉軟化剤は、食肉を軟化するための食肉軟化剤であって、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素、および配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有する酵素のうち少なくとも1つを含有する。
本発明の実施の形態に係る食肉軟化剤は、食肉を軟化するための食肉軟化剤であって、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素、および配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有する酵素のうち少なくとも1つを含有する。
上記酵素を用いることにより、食肉、特に食肉のスジ部位等を、味を維持しつつ、軟化することができる実用的な食肉軟化剤が得られる。本実施形態に係る食肉軟化剤により、特に食肉のスジ部位を特異的に軟化することができ、肉本来の食感をほとんど損なうことなく食肉を軟化することができる。また、軟化処理による肉の重量の減少を抑制し、歩留まりの低下を抑制することができる。スジ部位は、硬質タンパク質(コラーゲン)から構成される結合組織を多く含む部位であり、上記酵素が酵素特性としてコラゲナーゼ活性、エラスターゼ活性を有するので、スジが多く硬い(噛み切りにくい)肉において、上記酵素の力によってスジを特異的に切断することができるためと考えられる。さらに、酵素の反応時間のコントロールも容易である。
本実施形態に係る食肉軟化剤において用いられる酵素は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素であり、配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有する酵素も含まれる。配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して95%以上の同一性を有する酵素であることが好ましく、98%以上の同一性を有する酵素であることがより好ましい。
上記酵素は、アルカリ性でより高い酵素活性を有し、好ましくは、pH7.0〜11.0の範囲、より好ましくはpH8.0〜10.5の範囲で至適pHを有する。
本実施形態に係る食肉軟化剤は、さらにアルカリ剤を含むことが好ましい。アルカリ剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、d−酒石酸ナトリウム等の酒石酸の塩、リン酸水素二ナトリウム等のリン酸塩等が挙げられる。アルカリ剤は、上記アルカリ剤のうち1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記酵素とアルカリ剤との併用により、特に食肉のスジ部位を特異的に軟化することができ、肉本来の食感をほとんど損なうことなく食肉を軟化することができる上に、アルカリ剤を併用しない場合に比べて歩留まりを向上させることができる。上記酵素は酵素特性として、アルカリ性でより高い酵素活性を有し、かつコラゲナーゼ活性、エラスターゼ活性を有する。上記酵素単独でも食肉の食感改良効果は見られるが、アルカリ剤との併用に比べると歩留まりが低い。
本実施形態に係る食肉軟化剤におけるアルカリ剤の含有量は、例えば、上記酵素の重量に対して20〜200倍の範囲であり、60〜120倍の範囲であることが好ましい。アルカリ剤の含有量が20倍未満であると、歩留まりが低下する場合があり、200倍を超えると、アルカリ剤特有の味が生じる場合がある。
本実施形態に係る食肉軟化剤において、アルカリ剤の他に、食塩等の他の成分を含んでもよい。
他の成分の含有量は、例えば、上記酵素の重量に対して20〜200倍の範囲であり、60〜120倍の範囲であることが好ましい。
食肉としては、食用に供される肉であればよく、特に限定されないが、例えば、牛、豚、鶏、馬、羊、アヒル、七面鳥等の畜肉、猪、鹿、熊等の獣肉、クジラ、海豚等の海産動物、カモ、ガチョウ、ダチョウ、カンガルー、ワニ等の精肉、およびこれらの加工品等が挙げられる。食肉の部位としては、特に限定されず、特に効果が大きい点で、脛、肩、ネック、タン、ホホ、モモ、スネ、テール、足等の硬質のタンパク質を多く含む部位が好ましい。食肉の形態は、特に制限されず、例えば、ブロック、サイコロ、ぶつ切り、スライス、挽いたもの等のいずれの形態であってもよい。
食肉としては、例えば、硬い部位がある肉であり、好ましくは、スジ部位が多い肉である。
本実施形態に係る食肉軟化剤は、食肉を軟化するために利用することができる。食肉の軟化としては、食肉のスジ部位の軟化、食肉の赤身部位の軟化等が挙げられる。本実施形態に係る食肉軟化剤は、食肉のスジ部位の軟化に好適に用いることができる。
本実施形態に係る食肉軟化剤の形態は特に制限されず、例えば、液体状、ペースト状、顆粒状、粉末状、固形状等のいずれの形態であってもよい。
本実施形態に係る食肉軟化剤は、粉末添加、浸漬、インジェクション、タンブリング等の処理方法で、食肉の軟化に用いることができる。
<食肉軟化用浸漬液>
本実施形態に係る食肉軟化用浸漬液は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素、および配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有する酵素のうち少なくとも1つと、水と、を含有し、アルカリ剤をさらに含有することが好ましい。本実施形態に係る食肉軟化用浸漬液には、ピックル液も含まれる。
本実施形態に係る食肉軟化用浸漬液は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素、および配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有する酵素のうち少なくとも1つと、水と、を含有し、アルカリ剤をさらに含有することが好ましい。本実施形態に係る食肉軟化用浸漬液には、ピックル液も含まれる。
食肉軟化用浸漬液のpHは、7.0〜11.0の範囲であることが好ましく、8.0〜10.5の範囲であることがより好ましい。食肉軟化用浸漬液のpHが7.0未満または11.0を超えると、上記酵素の活性が低下する場合がある。
食肉軟化用浸漬液における上記酵素の含有量は、0.01〜0.1重量%の範囲であることが好ましく、0.025〜0.05重量%の範囲であることがより好ましい。食肉軟化用浸漬液における上記酵素の含有量が0.01重量%未満であると、軟化作用が不十分となる場合があり、0.1重量%を超えると、歩留まりが低下する場合がある。
食肉軟化用浸漬液におけるアルカリ剤の含有量は、1〜5重量%の範囲であることが好ましく、2〜4重量%の範囲であることがより好ましい。食肉軟化用浸漬液におけるアルカリ剤の含有量が1重量%未満であると、歩留まりの向上が不十分となる場合があり、5重量%を超えると、アルカリ剤特有の味が生じる場合がある。
水としては、特に制限はないが、水道水、純水等が挙げられる。水の他に、食塩等を含んでもよい。
<食肉>
本実施形態に係る食肉は、上記食肉軟化剤を含む食肉であり、食肉としては、上記で述べた食肉が挙げられる。
本実施形態に係る食肉は、上記食肉軟化剤を含む食肉であり、食肉としては、上記で述べた食肉が挙げられる。
<食肉の製造方法>
本実施形態に係る食肉の製造方法は、上記食肉軟化剤を用いて食肉を軟化する方法であり、例えば、上記酵素と水とを含む浸漬液、好ましくは上記酵素と上記アルカリ剤と水とを含む浸漬液に、食肉を予め定めた温度で、予め定めた時間、浸漬する方法である。その他に、上記酵素を含む食肉軟化剤を食肉に直接振りかける方法、上記酵素を含む水溶液を食肉にインジェクションする方法、上記酵素を含む水溶液と共にタンブリングする方法であってもよい。
本実施形態に係る食肉の製造方法は、上記食肉軟化剤を用いて食肉を軟化する方法であり、例えば、上記酵素と水とを含む浸漬液、好ましくは上記酵素と上記アルカリ剤と水とを含む浸漬液に、食肉を予め定めた温度で、予め定めた時間、浸漬する方法である。その他に、上記酵素を含む食肉軟化剤を食肉に直接振りかける方法、上記酵素を含む水溶液を食肉にインジェクションする方法、上記酵素を含む水溶液と共にタンブリングする方法であってもよい。
浸漬温度は、例えば、4℃〜40℃の範囲であり、4℃〜10℃の範囲であることが好ましい。
浸漬時間は、例えば、30分間〜24時間の範囲であり、2時間〜24時間の範囲であることが好ましい。
浸漬液に対する食肉の量は、例えば、浸漬液の重量に対して1〜10倍量の範囲である。
本発明の実施形態に係る食肉軟化剤、食肉軟化用浸漬液、食肉、および食肉の製造方法により、硬い部位がある肉、特にスジ部位が多い肉を軟化することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
酵素として、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する、市販の酵素を用いた。アルカリ剤としては、炭酸ナトリウム30重量%、塩化カリウム30重量%、d−酒石酸ナトリウム15重量%、食品素材(倍散剤)25重量%を含むアルカリ剤を用いた。酵素と、アルカリ剤と、食塩とを表1に示す量で水に溶解させて、浸漬液を調製した。浸漬液の組成を表1に示す。
酵素として、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する、市販の酵素を用いた。アルカリ剤としては、炭酸ナトリウム30重量%、塩化カリウム30重量%、d−酒石酸ナトリウム15重量%、食品素材(倍散剤)25重量%を含むアルカリ剤を用いた。酵素と、アルカリ剤と、食塩とを表1に示す量で水に溶解させて、浸漬液を調製した。浸漬液の組成を表1に示す。
<実施例2>
酵素として、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素を用いた。酵素と、食塩とを表1に示す量で水に溶解させて、浸漬液を調製した。
酵素として、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素を用いた。酵素と、食塩とを表1に示す量で水に溶解させて、浸漬液を調製した。
<比較例1>
実施例1で用いたアルカリ剤と、食塩とを表1に示す量で水に溶解させて、浸漬液を調製した。
実施例1で用いたアルカリ剤と、食塩とを表1に示す量で水に溶解させて、浸漬液を調製した。
<比較例2>
酵素として、パパイヤ由来のプロテアーゼであるパパインを用いた。パパインと、食塩とを表1に示す量で水に溶解させて、浸漬液を調製した。なお、パパインは、アルカリ領域で活性をほとんど示さないので、アルカリ剤は添加しなかった。
酵素として、パパイヤ由来のプロテアーゼであるパパインを用いた。パパインと、食塩とを表1に示す量で水に溶解させて、浸漬液を調製した。なお、パパインは、アルカリ領域で活性をほとんど示さないので、アルカリ剤は添加しなかった。
[軟化工程]
豚ロース肉(カナダ産)を、ミートテンダライザーを用いてテンダライズ処理した。ポリ袋に肉と浸漬液(肉に対して浸漬液50重量%量)を入れた。真空処理し、冷蔵庫(4℃)で一晩(18時間)静置した。ポリ袋から肉を取出し、水気を切り、スチームコンベクションオーブンで、220℃で20分間焼成した。
豚ロース肉(カナダ産)を、ミートテンダライザーを用いてテンダライズ処理した。ポリ袋に肉と浸漬液(肉に対して浸漬液50重量%量)を入れた。真空処理し、冷蔵庫(4℃)で一晩(18時間)静置した。ポリ袋から肉を取出し、水気を切り、スチームコンベクションオーブンで、220℃で20分間焼成した。
[評価]
(重量測定)
浸漬前と焼成後の重量を測定し、歩留まり(浸漬前重量−焼成後重量)を算出した。結果を表2に示す。
(重量測定)
浸漬前と焼成後の重量を測定し、歩留まり(浸漬前重量−焼成後重量)を算出した。結果を表2に示す。
(せん断測定)
クリープメーター(山電製、RE2−33005C)を用いて、プランジャー:くさび型、圧縮速度:50mm/分の条件でせん断を測定した。結果を表2に示す。
クリープメーター(山電製、RE2−33005C)を用いて、プランジャー:くさび型、圧縮速度:50mm/分の条件でせん断を測定した。結果を表2に示す。
(官能評価)
6人の評価者が試食し、味および硬さを以下の基準で評価し、平均点(小数点以下第1位を四捨五入)を算出した。結果を表3に示す。
6人の評価者が試食し、味および硬さを以下の基準で評価し、平均点(小数点以下第1位を四捨五入)を算出した。結果を表3に示す。
味
4:好ましい
3:やや好ましい
2:やや好ましくない
1:好ましくない
硬さ
4:容易に噛み切ることができる(ほとんど力を入れなくてもよい)
3:通常の力で噛み切ることができる
2:意識して力を入れて噛み切ることができる
1:噛み切ることができない
4:好ましい
3:やや好ましい
2:やや好ましくない
1:好ましくない
硬さ
4:容易に噛み切ることができる(ほとんど力を入れなくてもよい)
3:通常の力で噛み切ることができる
2:意識して力を入れて噛み切ることができる
1:噛み切ることができない
実施例1,2では、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素を用いることにより、食肉のスジ部位を、味を維持しつつ、軟化することができた。比較例1のアルカリ剤単独では、ある程度の軟化効果は見られたが、依然スジが残り、喫食しがたかった。比較例2のパパインでは、軟化効果は見られたが、味の低下が生じた。これは、アミノ酸が分解物として生成し、アミノ酸由来の味が生じたことや、パパイン由来の渋みが残っているためと考えられる。
配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素とアルカリ剤と併用することで、食感を改良し、かつ歩留まりの向上も確認された。また、反応時間に関しては、反応2時間でも効果が確認され、一晩でも過度な軟化は起こらず、好ましい食感であった。
牛モモ肉、牛すね肉、鶏もも肉(唐揚げ)、親鳥(廃鶏)においても同様に軟化処理を行った。
<実施例3>
酵素と、アルカリ剤と、食塩とを表4に示す量で水に溶解させて、浸漬液を調製した。牛もも肉(アメリカ産)を、ミートテンダライザーを用いてテンダライズ処理した。ポリ袋に肉と浸漬液(肉に対して浸漬液50重量%量)を入れた。真空処理し、冷蔵庫(4℃)で一晩(18時間)静置した。ポリ袋から肉を取出し、水気を切り、ホットプレートで、220℃で片面2分間ずつ焼成した。実施例1と同様にして評価した。結果を表5,6に示す。
酵素と、アルカリ剤と、食塩とを表4に示す量で水に溶解させて、浸漬液を調製した。牛もも肉(アメリカ産)を、ミートテンダライザーを用いてテンダライズ処理した。ポリ袋に肉と浸漬液(肉に対して浸漬液50重量%量)を入れた。真空処理し、冷蔵庫(4℃)で一晩(18時間)静置した。ポリ袋から肉を取出し、水気を切り、ホットプレートで、220℃で片面2分間ずつ焼成した。実施例1と同様にして評価した。結果を表5,6に示す。
<実施例4>
酵素と、アルカリ剤と、食塩とを表4に示す量で水に溶解させて、浸漬液を調製した。ポリ袋に牛すね肉(国産)と浸漬液(肉に対して浸漬液20重量%量)を入れた。真空処理し、冷蔵庫(4℃)で一晩(18時間)静置した。ポリ袋から肉を取出し、水気を切り、沸騰水中で10分間ボイルした。実施例1と同様にして評価した。結果を表5,6に示す。
酵素と、アルカリ剤と、食塩とを表4に示す量で水に溶解させて、浸漬液を調製した。ポリ袋に牛すね肉(国産)と浸漬液(肉に対して浸漬液20重量%量)を入れた。真空処理し、冷蔵庫(4℃)で一晩(18時間)静置した。ポリ袋から肉を取出し、水気を切り、沸騰水中で10分間ボイルした。実施例1と同様にして評価した。結果を表5,6に示す。
<実施例5>
酵素と、アルカリ剤と、食塩とを表4に示す量で水に溶解させて、ピックル液を調製した。タンブラーに鶏もも肉(台湾産)とピックル液(肉に対してピックル液20重量%量)を入れ、4℃で1時間タンブリングを行った。肉を取出し、水気を切り、170℃で4分間フライした。実施例1と同様の方法で重量測定と官能評価を行った。肉の表面が均一でなく、せん断測定は安定した評価ができないため実施しなかった。結果を表5,6に示す。
酵素と、アルカリ剤と、食塩とを表4に示す量で水に溶解させて、ピックル液を調製した。タンブラーに鶏もも肉(台湾産)とピックル液(肉に対してピックル液20重量%量)を入れ、4℃で1時間タンブリングを行った。肉を取出し、水気を切り、170℃で4分間フライした。実施例1と同様の方法で重量測定と官能評価を行った。肉の表面が均一でなく、せん断測定は安定した評価ができないため実施しなかった。結果を表5,6に示す。
<実施例6>
酵素と、アルカリ剤と、食塩とを表4に示す量で水に溶解させて、ピックル液を調製した。タンブラーに親鶏肉(国産)とピックル液(肉に対してピックル液20重量%量)を入れ、4℃で2時間タンブリングを行った。肉を取出し、水気を切り、250℃、40RH%で9分間加湿焼成した。実施例1と同様の方法で重量測定と官能評価を行った。肉の表面が均一でなく、せん断測定は安定した評価ができないため実施しなかった。結果を表5,6に示す。
酵素と、アルカリ剤と、食塩とを表4に示す量で水に溶解させて、ピックル液を調製した。タンブラーに親鶏肉(国産)とピックル液(肉に対してピックル液20重量%量)を入れ、4℃で2時間タンブリングを行った。肉を取出し、水気を切り、250℃、40RH%で9分間加湿焼成した。実施例1と同様の方法で重量測定と官能評価を行った。肉の表面が均一でなく、せん断測定は安定した評価ができないため実施しなかった。結果を表5,6に示す。
牛モモ肉、牛すね肉、鶏もも肉(唐揚げ)、親鳥(廃鶏)においても味を維持しつつ、軟化することができた。
このように、食肉、特に食肉のスジ部位等を、味を維持しつつ、軟化することができる実用的な食肉軟化剤が得られた。
Claims (8)
- 食肉を軟化するための食肉軟化剤であって、
配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素、および配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有する酵素のうち少なくとも1つを含有することを特徴とする食肉軟化剤。 - 請求項1に記載の食肉軟化剤であって、
さらにアルカリ剤を含有することを特徴とする食肉軟化剤。 - 請求項1または2のいずれか1項に記載の食肉軟化剤であって、
前記軟化が、前記食肉のスジ部位の軟化であることを特徴とする食肉軟化剤。 - 配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素、および配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有する酵素のうち少なくとも1つと、
水と、
を含有することを特徴とする食肉軟化用浸漬液。 - 請求項4に記載の食肉軟化用浸漬液であって、
さらにアルカリ剤を含有することを特徴とする食肉軟化用浸漬液。 - 請求項5に記載の食肉軟化用浸漬液であって、
液のpHが7.0〜11.0の範囲であることを特徴とする食肉軟化用浸漬液。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の食肉軟化剤を含むことを特徴とする食肉。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の食肉軟化剤を用いて食肉を軟化することを特徴とする食肉の製造方法。
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---|---|---|---|---|
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2018
- 2018-11-06 JP JP2018209023A patent/JP7193985B2/ja active Active
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Title |
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日本醸造協会誌, vol. 88, no. 7, JPN6022051239, 1993, pages 537 - 542, ISSN: 0004936507 * |
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