JP2020073759A - 被覆構造体 - Google Patents

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【課題】耐熱保護性に優れた被覆構造体を提供する。【解決手段】本発明の被覆構造体は、ウェブプレートに貫通孔を有する鉄骨梁の被覆構造体であり、ウェブプレート両面に、貫通孔を塞ぐように熱発泡性樹脂シートが被覆され、少なくとも貫通孔の開孔縁の内側近傍において、両面の熱発泡性樹脂シートが一体化された領域を形成しており、上記熱発泡性樹脂シートは、熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、新規な鉄骨梁の被覆構造体に関するものである。
建築物、土木構築物等の構造物が火災等によって高温に晒された場合には、これら構造物を構成する鉄骨の物理的強度が急激に低下するという問題がある。これに対し、鉄骨に耐熱性被覆材を被覆し、火災時の鉄骨の温度上昇を遅延させて、鉄骨の機械的強度の低下を抑制する耐熱性被覆構造が知られている。
特に、鉄骨梁には、空調用や換気用のダクト等を配管するために、予め複数の貫通孔を有するものが使用されており、配管設置が必要な貫通孔に配管が挿通される。このような貫通孔を有する鉄骨梁の耐熱性被覆構造として、従来種々の形態のものが提案されている。この耐熱性被覆構造は、配管が行われていない状態で施工されるものであり、例えば、予め鉄骨梁に設けられた貫通孔の内側に、ロックウール等の保温性を有する第一被覆部材(耐火スリーブ)を挿通させた後に、第ニ被覆部材を設けた構造(例えば、特許文献1)、あるいは貫通孔の両方の外側へ延長するように熱膨張性耐火シートを設けた後、ロックウール等の耐火被覆材を設けた構造(例えば、特許文献2)等がある。
特開2010−37760号公報 特開2007−198029号公報
しかしながら、上記特許文献1は、予め貫通孔の形状に合わせた耐火スリーブの成形が必要となり、鉄骨構造が複雑な場合には、様々な形態の成形体が必要となりその施工も煩雑となるおそれがある。上記特許文献2も、貫通孔の内径に沿って熱膨張性耐火シートを接着する必要があり、その施工も煩雑となるおそれがある。また、特許文献1、2はいずれも貫通孔と鉄骨梁外側の被覆部材を別々に設けるため、その継ぎ目等において耐熱保護性が不十分となるおそれがある。さらに、特許文献1、2はで配管が挿通されない貫通孔は開孔状態のままであり、火災が発生した場合には、この開孔部から炎や熱が伝わり火災を拡大するおそれがある。
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、貫通孔を有する鉄骨梁の被覆構造体として、簡便な施工により耐熱保護性等に優れた被覆構造体を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、ウェブプレート両面に、貫通孔を塞ぐように熱発泡性樹脂シートが被覆され、少なくとも貫通孔の開孔縁の内側近傍において、両面の熱発泡性樹脂シートが一体化された領域を形成していることを特徴とする被覆構造体、及び、さらに上記一体化された領域の内側(貫通孔の開孔中心近傍)に、切り込み部または開孔部を有することを特徴とする被覆構造体に想到し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. ウェブプレートに貫通孔を有する鉄骨梁の被覆構造体であり、
ウェブプレート両面に、貫通孔を塞ぐように熱発泡性樹脂シートが被覆され、少なくとも貫通孔の開孔縁の内側近傍において、両面の熱発泡性樹脂シートが一体化された領域を形成しており、
上記熱発泡性樹脂シートは、熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする被覆構造体。
2.ウェブプレートに貫通孔を有する鉄骨梁の被覆構造体であり、
ウェブプレート両面に、貫通孔を塞ぐように熱発泡性樹脂シートが被覆され、少なくとも貫通孔の開孔縁の内側近傍において、両面の熱発泡性樹脂シートが一体化された領域を形成しており、
上記熱発泡性樹脂シートは、熱可塑性樹脂を含み、
さらに上記一体化された領域よりも内側に、切り込み部または開孔部を有することを特徴とする被覆構造体。
3.少なくとも貫通孔の開孔縁の内側近傍において、両面の熱発泡性樹脂シートが、接着剤を介して接着一体化、熱融着により一体化、あるいはこれらの組み合わせにより一体化された領域を形成していることを特徴とする1.または2.に記載の被覆構造体。
4.上記熱発泡性樹脂シートは、裏面に繊維質シートが積層されていることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の被覆構造体。
上記1.の被覆構造体は、ウェブプレートに貫通孔を有する鉄骨梁の被覆構造体であり、ウェブプレート両面に、貫通孔を塞ぐように熱発泡性樹脂シートが被覆され、少なくとも貫通孔の開孔縁の内側近傍において、熱発泡性樹脂シートが一体化された領域を形成するものである。このような被覆構造体によれば、鉄骨梁の表面だけではなく、貫通孔が熱発泡性樹脂シートで塞がれているため、優れた耐熱保護性が得られる。また、配管が必要な場合には、中心部に切り込み部や開孔部を形成するだけよく、施工も簡便である。
上記2.の被覆構造体は、ウェブプレートに貫通孔を有する鉄骨梁の被覆構造体であり、ウェブプレート両面に、貫通孔を塞ぐように熱発泡性樹脂シートが被覆され、少なくとも貫通孔の開孔縁の内側近傍において、熱発泡性樹脂シートが一体化された領域を形成しており、
さらに上記一体化された領域よりも内側(貫通孔の開孔中心近傍)に、切り込み部または開孔部を有するものである。このような被覆構造体によれば、鉄骨梁の表面だけではなく、貫通孔も熱発泡性樹脂シートで完全に被覆されているため、優れた耐熱保護性が得られる。また、配管を配置する場合は、切り込み部または開孔部に配管等を挿通するのみであり施工が容易である。
鉄骨梁の一例を示す図である。 本発明の被覆構造体の一例を示す斜視図である。 図2の貫通孔部分の一例を示す拡大図である。 本発明の被覆構造体の一例を示す斜視図である。 図4の貫通孔部分の一例を示す拡大図である。 本発明の被覆構造体の一例を示す斜視図である。 図6の貫通孔部分の一例を示す拡大図である。 配管の挿通した状態の一例を示す斜視図である。 配管の挿通した状態の一例を示す斜視図である。 配管の挿通した状態の一例を示す斜視図である。
1.鉄骨梁(H型)
1a.上フランジ
1b.下フランジ
1c.ウェブ
1d.貫通孔
1e.貫通孔の開孔縁
2.熱発泡性樹脂シート
3.切り込み部
4.開孔部
5.開孔縁の内側近傍
6.床材
7.配管
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
[鉄骨梁]
本発明は、鉄骨構造物を構成する鉄骨梁の表面被覆に適用することができる。鉄骨梁としては、H型またはI型鉄骨梁等が使用できる。本発明のH型またはI型鉄骨としては、断面がH字型またはI字型であり、上フランジプレートと下フランジプレートをウェブプレートにより連結して形成された態様のものが使用される。H型鉄骨は、フランジプレート幅が広く、フランジプレート内外面が平行なものである。これに対して、I型鉄骨は、通常、フランジプレート幅が狭く、フランジプレート内側に勾配がつけられているものである。
鉄骨梁は、予め、その表面が防錆処理されているものであることが好ましい。防錆処理方法としては、例えば、金属めっき等化成処理方法や、公知の錆止め塗料を塗付する方法、等が挙げられる。
図1は、本発明で使用する鉄骨梁の一例を示す斜視図である。図1は、H型鉄骨梁であり、上フランジ(1a)と下フランジ(1b)をウェブプレート(1c)により連結して形成され、ウェブプレート(1c)には少なくとも1つ以上の貫通孔(1d)を有している。
図2は、本発明の被覆構造体の一例を示す斜視図である。
[熱発泡性樹脂シート]
本発明の熱発泡性樹脂シート(2)は、火災等により周囲温度が所定の発泡温度に達すると発泡し、炭化断熱層を形成するものである。このような熱発泡性樹脂シート(2)で貫通孔を塞ぐことによって、遮炎性を有するとともに、火災時には、炭化断熱層を形成して貫通孔を閉塞することができるため高い耐熱保護性を発揮することができる。熱発泡性樹脂シート(2)としては、構成成分として樹脂成分、難燃剤、発泡剤、炭化剤及び充填剤を含有するものが好適である。このうち、樹脂成分としてはビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、難燃剤としてはポリリン酸アンモニウム等、発泡剤としてはメラミン、ジシアンジアミド、アゾジカーボンアミド等、炭化剤としてはペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等、充填剤としては二酸化チタン等が挙げられる。
各成分の配合比率は、好ましくは、固形分換算で、樹脂成分100重量部に対して、難燃剤50〜1000重量部、発泡剤5〜500重量部、炭化剤5〜600重量部、及び充填剤10〜300重量部である。熱発泡性樹脂シート(2)の厚みは、適用部位等により適宜設定すれば良いが、好ましくは0.2〜10mm程度、より好ましく0.5〜6mm程度である。
また、本発明の熱発泡性樹脂シート(2)は、上記構成成分を含むシートのみから構成されていてもよいが、裏面(鉄骨側)に繊維質シートが積層されていることが好ましい。これにより、形成された炭化断熱層の脱落防止効果を高めることができる。
このような繊維質シートとしては、例えば、有機繊維、無機繊維等を含むシートが挙げられる。
有機繊維としては、例えば、パルプ繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、PBO繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、塩化ビニル繊維、セルロース繊維等、またはそれらの織布、不織布等が挙げられる。有機繊維は、150℃程度の温度領域で溶融して液体状態になるようなものであってもよいが、かかる温度領域で溶融しないものの方が好ましい。
無機繊維としては、例えば、ロックウール、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、カーボン繊維、炭化珪素繊維等、またはそれらの織布、不織布等、さらに鉄、銅等の金属細線が挙げられる。このような無機繊維は、熱を加えても溶融せず、さらに補強材としても作用し、発泡した炭化断熱層を保持できるので、H型鉄骨(1)からの脱落防止効果に優れている。特に無機繊維が網目構造を有していれば、熱発泡性樹脂シート(2)及びこれに熱を加えることにより形成される炭化断熱層をより効率よく補強することができ、H型鉄骨(1)からの脱落を防止することができるので好ましい。
繊維質シートは、無機繊維と有機繊維からなる複合シートであって、該無機繊維が網目状に配列されたシートであり、その少なくとも一方(一面)に有機繊維の織布又は不織布が積層され、無機繊維の網目の一部又は全部が有機繊維で塞がれているようなものが好ましい。無機繊維と有機繊維を組み合わせることにより、熱による溶融成分が吸着され、継ぎ目部分の剥れ等を防止することができる。また、網目を有機繊維で塞いでいれば、熱発泡性樹脂シート(2)製造時に無機繊維の網目構造が崩れにくく、簡便に製造することができる。
本発明の被覆構造体の一例を図2に示す。図2は、貫通孔を有するH型鉄骨(1)に熱発泡性樹脂シート(2)を被覆した例である。なお、以下の例は、本発明は、H型鉄骨(1)同様にI型鉄骨にも適用可能である。
本発明の被覆構造体は、H型鉄骨(1)の貫通孔(1d)を塞ぐように、H型鉄骨(1)の長手方向に複数の熱発泡性樹脂シート(2)が設けられている。該熱発泡性樹脂シート(2)同士の継ぎ目部分は、つき合わせても、重なり部を有していてもよいが、重なり部を有する方が好ましい。また、熱発泡性樹脂シート(2)は、所望の耐熱保護性に合わせて、2枚以上重ねて被覆してもよい。本発明では、H型鉄骨(1)の表面に熱発泡性樹脂シート(2)を被覆する場合、接着剤を用いることが好ましい。
本発明における接着剤としては、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、パラフィン等を主原料とした水分散型、水溶性型、溶剤型の接着剤等、公知のものを使用することができる。接着剤には、必要に応じて、上述した熱発泡性樹脂シートに配合されるような難燃剤、発泡剤、炭化剤、充填剤、等を添加することもできる。また、本発明において、接着剤には粘着剤も包含される。
図3は、図2の貫通孔部分の拡大断面図である。
図3に示すように、本発明の被覆構造体は、鉄骨梁のウェブプレート両面に、貫通孔を塞ぐように熱発泡性樹脂シートが被覆され、少なくとも貫通孔の開孔縁(1e)の内側近傍(5)において、両面の熱発泡性樹脂シート(2)が一体化されているものである。熱発泡性樹脂シート(2)が一体化される領域は適宜設定すればよいが、好ましくは貫通孔(1d)の開孔縁(1e)から内側へ5mm以上(より好ましくは10mm以上)の領域であり、貫通孔(1d)の全面が一体化されていてもよい。特に、貫通孔を完全に塞ぐ態様の場合は、貫通孔(1d)の全面が一体化されていることが好ましい。これにより、貫通孔(1d)の開孔縁(1e)が熱発泡性樹脂シート(2)により被覆されるため、耐熱保護性を高めることができる。熱発泡性樹脂シート(2)を一体化する方法としては、接着剤を介して接着一体化する方法、または熱融着により一体化する方法等が挙げられ、これらの方法を組み合わせて行ってもよい。
図4は、本発明の被覆構造体の別の一例を示す斜視図である。
図4の被覆構造体は、貫通孔(1d)の開孔縁(1e)の内側近傍(5)よりも内側(貫通孔の開孔中心近傍)に、切り込み部(3)を有するものである。また、図5は、図4の貫通孔部分の拡大断面図である。
図5に示すように、この態様では、貫通孔の開孔縁(1e)の内側近傍(5)よりも内側(貫通孔の開孔中心近傍)に切り込み部(3)を有する。切り込み部(3)は、配置する配管が挿通可能な程度に切り込みが形成されたものであればよく、その形状は特に限定されない。切り込みを入れる場合は、少なくとも貫通孔(1d)の開孔縁(1e)から切り込みの端部までの距離が5mm以上(好ましくは10mm以上)となるようにすることが好ましい。このような範囲である場合、遮炎性を有するとともに、火災時には、炭化断熱層を形成して貫通孔を閉塞することができるため高い耐熱保護性を発揮することができる。なお、熱発泡性樹脂シート(2)に切り込みを入れる場合は、カッター、ナイフ等を使用すればよい。
図6は、本発明の被覆構造体の別の一例を示す斜視図である。
図6の被覆構造体は、貫通孔の開孔縁(1e)の内側近傍(5)よりも内側(貫通孔の開孔中心近傍)に、開孔部(4)を有するものである。また、図7は、図6の貫通孔部分の拡大断面図である。
図7に示すように、この態様では、貫通孔の開孔縁(1e)の内側近傍(5)よりも内側(貫通孔の開孔中心近傍)に、開孔部(4)を有する。開孔部(4)の形状は、円形、楕円形、多角形等、いずれの形状であってもよく、その大きさは、鉄骨梁の貫通孔(1d)よりも小さいものであり、配置する配管が挿通可能な程度の大きさであればよい。本発明では、少なくとも鉄骨梁の貫通孔(1d)の開孔縁(1e)のから熱発泡性樹脂シート(2)の切断面までの距離が少なくとも5mm以上(好ましくは10mm以上)となるようにすることが好ましく、配管との間隙が少ないことが好ましい。このような範囲の場合、遮炎性を有するとともに、火災時には、炭化断熱層を形成して貫通孔を閉塞することができるため高い耐熱保護性を発揮することができる。なお、熱発泡性樹脂シート(2)の切断(くり抜き)は、カッター、ナイフ等を使用すればよい。
図8は、熱発泡性樹脂シート(2)の切り込み部(3)から配管(7)が挿通された状態を示すものである。
図9は、熱発泡性樹脂シート(2)の開孔部(4)から配管(7)が挿通された状態を示すものである。
本発明の被覆構造体の施工方法としては、上記被覆構造体が得られる限り、特に限定されないが、例えば、
ウェブプレートに貫通孔を有する鉄骨梁の両面に、それぞれ接着層を介して熱発泡性樹脂シートを被覆する第1工程、
少なくとも貫通孔の開孔縁の内側近傍において、両面の熱発泡性樹脂シートを一体化する第2工程、
を含む施工方法が挙げられる。
また、貫通孔に配管を挿通させる場合には、
第3工程として、上記貫通孔の開孔縁の内側近傍よりも内側の熱発泡性樹脂シートに、切り込み部または開孔部を形成する工程を含む施工方法等が挙げられる。なお、本発明では、上記第3工程を上記第2工程よりも先に行ってもよく、上記第3工程の後に、上記第2工程を繰り返し行ってもよい。
上記第1工程においては、鉄骨梁の表面全体(貫通孔を塞ぐように)を熱発泡性樹脂シートで被覆する。
上記第2工程において、少なくとも貫通孔(1d)の開孔縁(1e)の内側近傍(5)の熱発泡性樹脂シートを一体化する。この際、接着剤を用いて一体化する場合は、上記第1工程と同時に行うこともできる。また、熱融着により一体化する場合は、アイロン、ヒートガン等を用いることが好ましい。
第3工程においては、配管が挿通可能となるように、貫通孔の中心付近の熱発泡性樹脂シートに切り込み部を形成、または鉄骨梁の貫通孔よりも小さい開孔部を形成する。
上記の施工方法によれば、貫通孔を有する鉄骨梁において、予め貫通孔の処理を必要とせず、簡便な方法で耐火被覆が可能となる。特に、図10に示すように、複数の貫通孔を有する鉄骨梁において、配管設置の必要な貫通孔のみに配管を挿通し、その他の貫通孔は熱発泡性樹脂シートで塞ぐことが可能となるため、簡便な施工で優れた耐熱保護性を有する被覆構造体を得ることができる。
以下に具体的な実施例を示す。
(熱発泡性樹脂シートの製造)
アクリル樹脂100重量部、メラミン90重量部、ジペンタエリスリトール90重量部、ポリリン酸アンモニウム320重量部、酸化チタン100重量部を主成分する混合物を温度120℃に設定した加圧ニーダーで混練して熱発泡性樹脂シート用混練物を調製後、ガラス不織布上に混練物を積層し圧延ローラーによってシート状に加工し、膜厚1.5mmの熱発泡性樹脂シート(450mm×1200mm)を作製した。
(試験例1)
床板(ALC板)にH型鉄骨(H400×200×8×13mm、長さ1200mm、貫通孔φ200mm)を設置した。作製した熱発泡性樹脂シートのガラス不織布側がH型鉄骨側とし、貫通孔を塞ぐように熱発泡性樹脂シートをアクリル系接着剤で貼り付けた。また、熱発泡性樹脂シート同士の継ぎ目部分は、重なり幅20mmとなるようにアクリル系接着剤で貼り付けた。同時に、両面の熱発泡性樹脂シートを、貫通孔部分の全面領域で一体化した。
次いで、貫通孔の開孔中心近傍(貫通孔の開孔縁から切り込みの端部までの距離20mm)に切り込み部を形成した。以上より、図4に例示される被覆構造体を得た。
上記被覆構造体の貫通孔部分に、スリーブ管(スパイラル管、φ100×1000mm)を挿通したものを試験体とした。作製した試験体につき、ISO834の標準加熱曲線に準じて1時間加熱試験を行った。その結果、貫通孔部分においても均一な炭化断熱層が形成され、良好な耐熱保護性能を示した。
(試験例2)
床板(ALC板)にH型鉄骨(H400×200×8×13mm、長さ1200mm、貫通孔φ200mm)を設置した。作製した熱発泡性樹脂シートのガラス不織布側がH型鉄骨側とし、貫通孔を塞ぐように熱発泡性樹脂シートをアクリル系接着剤で貼り付けた。また、熱発泡性樹脂シート同士の継ぎ目部分は、重なり幅20mmとなるようにアクリル系接着剤で貼り付けた。同時に、両面の熱発泡性樹脂シートを、貫通孔部分の全面領域で一体化した。
次いで、貫通孔の開孔中心近傍に円形の開孔部を形成した(貫通孔の開孔縁から開孔部までの距離20mm)。以上より、図6に例示される被覆構造体を得た。
上記被覆構造体の貫通孔部分に、スリーブ管(スパイラル管、φ100×1000mm)を挿通したものを試験体とした。作製した試験体につき、ISO834の標準加熱曲線に準じて1時間加熱試験を行った。その結果、貫通孔部分においても均一な炭化断熱層が形成され、良好な耐熱保護性能を示した。

Claims (4)

  1. ウェブプレートに貫通孔を有する鉄骨梁の被覆構造体であり、
    ウェブプレート両面に、貫通孔を塞ぐように熱発泡性樹脂シートが被覆され、少なくとも貫通孔の開孔縁の内側近傍において、両面の熱発泡性樹脂シートが一体化された領域を形成しており、
    上記熱発泡性樹脂シートは、熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする被覆構造体。
  2. ウェブプレートに貫通孔を有する鉄骨梁の被覆構造体であり、
    ウェブプレート両面に、貫通孔を塞ぐように熱発泡性樹脂シートが被覆され、少なくとも貫通孔の開孔縁の内側近傍において、両面の熱発泡性樹脂シートが一体化された領域を形成しており、
    上記熱発泡性樹脂シートは、熱可塑性樹脂を含み、
    さらに上記一体化された領域よりも内側に、切り込み部または開孔部を有することを特徴とする被覆構造体。
  3. 少なくとも貫通孔の開孔縁の内側近傍において、両面の熱発泡性樹脂シートが、接着剤を介して接着一体化、熱融着により一体化、あるいはこれらの組み合わせにより一体化された領域を形成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被覆構造体。
  4. 上記熱発泡性樹脂シートは、裏面に繊維質シートが積層されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の被覆構造体。


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