JP2013199809A - 鉄骨梁の耐火被覆構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】階高を抑制し、発泡性耐火材の脱落を防止するとともに、発泡性耐火材を十分に発泡させて耐火性能を発揮させることが可能な耐火被覆構造を提供すること。
【解決手段】上下方向に延在する板状のウェブ4と、ウェブ4の下端に連結された水平方向に延在する板状の下フランジ2と、を備え、ウェブ4および下フランジ2に耐火材を設けた耐火被覆構造であって、耐火材として、発泡により耐火性能を発揮する発泡性耐火材5と、発泡以外の態様で耐火性能を発揮する吹付式耐火材6と、を備え、発泡性耐火材5は、下フランジ2の下面から、下フランジ2の両端部を回りこんで下フランジ2の上面まで連続して設けられており、発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とは、発泡性耐火材5の発泡前における発泡性耐火材5への入熱を確保する構造を形成している。
【選択図】図5

Description

本発明は、鉄骨梁の耐火被覆構造に関する。
鉄骨造の建物を建設する場合には、建物に耐火施工を施すことが求められる。この耐火施工の一環として、躯体を構成する鉄骨に耐火被覆を施すことが一般的となっている。特許文献1には、上フランジと、下フランジと、ウェブとからなる鉄骨梁に耐火材を設ける耐火被覆構造が開示されている。特許文献1の耐火被覆構造は、下フランジの下面および下フランジの両端面に設けられる耐火被覆成形板と、上フランジの両端面、上フランジの下面、ウェブの側面および下フランジの上面に設けられる耐火被覆吹き付け材とを備えている。
実開昭63−67110号公報
ところで、耐火被覆成形板は他の耐火材と比較して厚いため、上記のように耐火被覆成形板を下フランジの下面に設けると耐火被覆構造の上下幅が大きくなる。よって、施工後の階高が高くなり、特に高層ビル等では建物全体の高さも高くなるという問題がある。また、耐火被覆構造を構成する耐火材としては、発泡して耐火性能を発揮する発泡性耐火材が知られている。発泡性耐火材は、その施工厚さが薄いため、フランジの下面に設けると耐火被覆構造の上下幅を抑え、施工後の階高を低くすることができる。
しかし、発泡性耐火材は、特許文献1の耐火被覆成形板のような非発泡性耐火材と比較してコストがかかるという問題がある。そこで、コストを抑えるためにフランジの下面にのみ発泡性耐火材を設けた場合、この発泡性耐火材が発泡したときにフランジの下面から脱落することが懸念される。また、発泡性耐火材と非発泡性耐火材とが接する部分において、そのとりあい方しだいでは、発泡前に発泡性耐火材に十分に熱が入らなくなるため、重なった部分において発泡性耐火材が十分に発泡せず、耐火性能を十分に発揮できないという課題もある。
そこで、本発明は、階高を抑制し、発泡性耐火材の脱落を防止するとともに、発泡性耐火材を十分に発泡させて耐火性能を発揮させることが可能な耐火被覆構造を提供することを課題とする。
本発明に係る鉄骨梁の耐火被覆構造は、上下方向に延在する板状のウェブと、ウェブの下端に連結された水平方向に延在する板状のフランジと、を備え、ウェブおよびフランジに耐火材が設けられた耐火被覆構造であって、耐火材として、発泡により耐火性能を発揮する発泡性耐火材と、発泡以外の態様で耐火性能を発揮する非発泡性耐火材と、を備え、発泡性耐火材は、フランジの下面から、フランジの両端部を回りこんでフランジの上面まで連続して設けられており、発泡性耐火材と非発泡性耐火材とは、発泡性耐火材の発泡前における発泡性耐火材への入熱を確保する構造を形成している。
この発明によれば、フランジの下面だけでなく、フランジの両端部からフランジの上面にまで連続して発泡性耐火材が設けられる。よって、フランジの下面に施工厚さが薄い発泡性耐火材が設けられるため、耐火被覆構造の上下幅が小さくなり、階高を抑えることができる。また、発泡性耐火材がフランジの下面からフランジの両端部を回りこんでフランジの上面まで連続して設けられているため、発泡性耐火材が脱落する事態を回避できる。さらに、発泡前における発泡性耐火材への入熱を確保する構造を形成しているため、発泡性耐火材に十分に熱が伝達され、発泡性耐火材を十分に発泡させ耐火性能を発揮させることが可能となる。従って、階高を抑制し、発泡性耐火材の脱落を防止するとともに、発泡性耐火材を十分に発泡させて耐火性能を発揮させることができる。
また、本発明に係る耐火被覆構造において、発泡性耐火材は、フランジの上面から、ウェブの下端を回りこんでウェブに沿って上方に延在して設けられており、非発泡性耐火材は、ウェブの側面に設けられており、ウェブの側面において発泡性耐火材と非発泡性耐火材とを発泡性耐火材の発泡幅より狭い間隔で隣接させることにより、入熱を確保する構造を形成していることが好ましい。
この発明によれば、ウェブの側面において発泡性耐火材と非発泡性耐火材とは、発泡性耐火材が熱伝達によって発泡する領域である発泡幅より狭い間隔で隣接されるように設けられる。よって、火災が発生したとき等に発泡性耐火材に対して、より十分に熱を伝達させることが可能となるため、発泡性耐火材をより一層十分に発泡させて、耐火性能を十分に発揮させることができる。なお、ここでいう発泡幅とは、発泡性耐火材が熱を帯びて発泡したときに想定される発泡性耐火材の最大幅のことをいう。
また、本発明に係る耐火被覆構造において、非発泡性耐火材は、ウェブの側面に近づくように、下方に向かうにつれてその厚みが徐々に減少して設けられることが好ましい。
この発明によれば、非発泡性耐火材が下方に向かうにつれてその厚みが徐々に減少しウェブの側面に近づくように設けられる。よって、発泡性耐火材と非発泡性耐火材との隣接部分に広い空間を設けることが可能となるため、発泡性耐火材の発泡領域を拡大させて耐火性能を十分に発揮させることができる。
本発明によれば、階高を抑制し、発泡性耐火材の脱落を防止するとともに、発泡性耐火材を十分に発泡させて耐火性能を発揮させることができる。
本発明の第1実施形態に係る鉄骨梁の耐火被覆構造を示す断面図である。 従来の耐火被覆構造であり、鉄骨梁全体を吹付式耐火材で覆った例を示す断面図である。 従来の耐火被覆構造であり、鉄骨梁全体を発泡性耐火材で覆った例を示す断面図である。 従来の耐火被覆構造であり、鉄骨梁全体を耐火被覆成形板で覆った例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る鉄骨梁の耐火被覆構造を示す断面図である。 図5の耐火被覆構造と従来の耐火被覆構造との発泡性能の差異を説明する図である。 本発明の第3実施形態に係る鉄骨梁の耐火被覆構造を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の鉄骨梁の耐火被覆構造の第1〜第3実施形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る耐火被覆構造について説明する。第1実施形態に係る耐火被覆構造が施工される鉄骨梁1は、例えば高層ビル等の建築物に設けられる。鉄骨梁1は、図1に示すように、水平方向に板状に延びて形成される下フランジ2と、下フランジ2の上方で下フランジ2に対向するように設けられる平板状の上フランジ3と、上下方向に延在し、下フランジ2および上フランジ3を上下に連結する板状のウェブ4とを備えて構成されている。下フランジ2と上フランジ3とは上下一対に設けられ、鉄骨梁1全体としてはいわゆるH型鋼となっている。第1実施形態に係る耐火被覆構造は、下フランジ2、上フランジ3およびウェブ4に耐火材が設けられた耐火被覆構造である。
また、鉄骨梁1の上部には、例えば平板状の軽量気泡コンクリート製の床パネルを敷設して形成される床スラブ10が設けられている。このように軽量気泡コンクリートにより形成される床スラブ10は、軽量で、かつ高い耐火性能を有するものである。鉄骨梁1の上フランジ3の上に床スラブ10が取り付けられている。
第1実施形態の耐火被覆構造で用いる耐火材としては、発泡により耐火性能を発揮する発泡性耐火材5が挙げられる。発泡性耐火材5は、ある温度以上の高温となると発泡して断熱層を形成し、鉄骨梁1への入熱を遮断する。発泡性耐火材5の種類としては、例えば鉄骨梁1の表面に塗り付ける塗付式のものと、鉄骨梁1に貼り付ける貼り付け式のものとがある。
また、発泡性耐火材5以外の耐火材としては、例えばロックウールのような非発泡性耐火材がある。非発泡性耐火材は、発泡以外の態様で耐火性能を発揮する耐火材である。非発泡性耐火材の種類としては、吹き付けて施工する吹付式のものや巻き付け式のものがあり、さらに板状の成形板タイプのものもある。以下では、この非発泡性耐火材として、吹付式耐火材6を例に挙げて説明する。
また、上記の発泡性耐火材5は、熱による化学反応で発泡し、この発泡によってはじめて耐火性能を発揮する。一方、吹付式耐火材6は、施工時の状態のままで耐火性能を発揮する。このように、発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とでは、火災等の熱伝達時の特性が異なる。また、発泡性耐火材5は、吹付式耐火材6と比較してコストがかかる。しかし、発泡性耐火材5は、その施工厚さが薄く、この点において吹付式耐火材6よりも有利である。なお、発泡性耐火材5の施工厚さは例えば数mm程度であり、吹付式耐火材6の施工厚さは例えば60mmである。
第1実施形態に係る耐火被覆構造は、上記のような発泡性耐火材5と、非発泡性耐火材である吹付式耐火材6とを備えて構成されている。また、発泡性耐火材5は、下フランジ2の下面から、下フランジ2の両端部を回りこんで下フランジ2の上面まで連続して設けられている。また、発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とは、発泡性耐火材5の発泡前における発泡性耐火材5への入熱を確保する構造を形成している。
具体的には、図1(b)に示すように、下フランジ2の上面において、発泡性耐火材5は下フランジ2の左右両端から所定距離だけ中央側に位置した箇所にまで連続して設けられており、吹付式耐火材6は下フランジ2の中央から上記箇所にまで連続して設けられている。また、下フランジ2の上面における発泡性耐火材5の端部と吹付式耐火材6の端部とは互いに隣接して設けられている。
以上のように、第1実施形態によれば、下フランジ2の下面だけでなく、下フランジ2の両端部から下フランジ2の上面に回りこんだ位置にまで連続して発泡性耐火材5が設けられる。よって、発泡性耐火材5が高温となって発泡しても、発泡性耐火材5が下フランジ2の上面にまで連続して設けられているため発泡性耐火材5が脱落する事態を回避できる。また、発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とは、入熱を確保する構造を形成し、下フランジ2の表面において発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とが同一平面上で接するようになっている。よって、発泡性耐火材5への入熱性が確保されるため、発泡性耐火材5を十分に発泡させ、耐火性能を発揮させることが可能となる。
また、第1実施形態によれば、下フランジ2の下面、および下フランジ2の両端部から下フランジ2の上面に回り込んだ位置までに連続して、施工厚さが薄い発泡性耐火材5が設けられている。よって、耐火被覆構造の上下幅を小さくして階高を低く抑えることが可能となり、建物全体が高くなるという問題を回避できる。そして、下フランジ2の上面、ウェブ4および上フランジ3には、発泡性耐火材5ではなく吹付式耐火材6が設けられているため、コストを抑えることが可能となる。
以下では、第1実施形態の比較例である従来の耐火被覆構造について説明する。従来の耐火被覆構造を成す鉄骨梁101は、例えば図2に示すように、水平方向に板状に延びて形成される下フランジ102と、下フランジ102の上方で下フランジ102に対向するように設けられる平板状の上フランジ103と、上下方向に延在し、下フランジ102および上フランジ103を上下に連結する板状のウェブ104とを備えて構成されており、鉄骨梁101の上フランジ103の上に床スラブ110が取り付けられている。また、鉄骨梁101全体としてはH型鋼となっている。そして、下フランジ102、上フランジ103およびウェブ104の表面全体に吹付式耐火材106が設けられている。また、比較例としては、上記のような鉄骨梁101において、図3に示すように下フランジ102、上フランジ103およびウェブ104の表面全体に発泡性耐火材105を設ける耐火被覆構造や、図4に示すように鉄骨梁101全体を不燃シートや耐火被覆成形板108で覆う構造が挙げられる。なお、耐火被覆成形板108は複数設けられ、個々の耐火被覆成形板108は例えば釘等の固定金具により固定されている。
ところで、図2〜図4に示すような従来の耐火被覆構造において、例えば図2のように下フランジ102、上フランジ103およびウェブ104の表面全体に吹付式耐火材106を設けた耐火被覆構造では、吹付式耐火材106の施工厚さが厚いため、耐火被覆構造の上下幅が大きくなる。よって、結果的に階高が高くなり、特に高層ビルでは建物全体の高さも高くなるという問題が生じる。また、例えば図3のように下フランジ102、上フランジ103およびウェブ104の表面全体に発泡性耐火材105を設ける耐火被覆構造では、階高を低く抑えることは可能であるものの、発泡性耐火材105自体のコストが高いため、コストが増大するという問題が生じる。さらに、図4のように不燃シートや耐火被覆成形板108で覆う鉄骨梁101の耐火被覆構造では、耐火被覆構造の上下幅が大きくなるため階高が高くなるという問題が生じ、さらに施工の手間が増大するという問題が生じる。
また、発泡性耐火材105と吹付式耐火材106とを組み合わせて用いることが考えられる。そこで、例えば階高を低く抑えるために下フランジ102の下面に発泡性耐火材105を設けた場合、発泡性耐火材105が発泡すると、下フランジ102の下面から脱落するという例が見られる。また、発泡性耐火材105と吹付式耐火材106との接し方しだいでは、発泡前に発泡性耐火材105に十分に熱が入らなくなるため、接した部分近傍において発泡性耐火材105が十分に発泡せず、耐火性能を十分に発揮できないという問題が生じる。一方、第1実施形態に係る耐火被覆構造では、これらの不具合を解消できる。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係る鉄骨梁の耐火被覆構造について図5を用いて説明する。図5は、第2実施形態に係る鉄骨梁の耐火被覆構造の断面図である。第2実施形態の耐火被覆構造では、第1実施形態同様、発泡性耐火材5と非発泡性耐火材である吹付式耐火材6とを備え、発泡性耐火材5は、下フランジ2の下面から、下フランジ2の両端部を回りこんで下フランジ2の上面まで連続して設けられており、さらに、下フランジ2の上面から、ウェブ4の下端を回りこんでウェブ4に沿って上方に延在して設けられている。また、吹付式耐火材6は、ウェブ4の側面に設けられている。
具体的には、図5(b)に示すように、発泡性耐火材5は、下フランジ2の下面、および下フランジ2の両端面から上面にまで連続して設けられており、さらにウェブ4の下端側面から所定距離だけ上方に位置した箇所にまで連続して設けられている。また、吹付式耐火材6は、上フランジ3の両端面から、上フランジ3の下面、ウェブ4の上端側面を回りこんでウェブ4に沿って下方に延在して設けられている。そして、ウェブ4の側面において発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とを発泡性耐火材5の発泡幅より狭い間隔で隣接させており、こうして発泡性耐火材5への入熱を確保する構造を形成している。具体的には、図5(b)に示す例において、発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とは、その端面同士が接触しているが、端面同士が接触していなくてもよく、発泡性耐火材5と吹付式耐火材6との間に、発泡性耐火材5が発泡し耐熱性能を発揮し得る程度の幅が形成されていてもよい。
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態の耐火被覆構造と同様の作用効果を奏する。また、第2実施形態では、発泡性耐火材5は下フランジ2の下面から、下フランジ2の両端部、下フランジ2の上面およびウェブ4の下端側面を回りこんで、ウェブ4の下端側面から所定距離だけ上方に位置した箇所にまで設けられており、発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とは上下に隣接するとともに発泡幅より狭い間隔を空けて設けられる。よって、火災が発生したとき等に発泡性耐火材5に対して十分に熱を伝達させることが可能となる。
さらには、例えば図6(a)に示すように、発泡性耐火材5を十分に発泡させて、耐火性能をより一層十分に発揮させることができる。一方、例えば図6(b)に示すように、下フランジ2の下面から、下フランジ2の両端部を回りこんで、下フランジ2の上面およびウェブ4の下端側面にまで発泡性耐火材25を設け、ウェブ4の下端側面の発泡性耐火材5に吹付式耐火材6が重なる場合、発泡前に発泡性耐火材25に十分に熱が入らなくなるため、重なった部分の近傍において発泡性耐火材25が十分に発泡せず、発泡性耐火材25が十分に発泡しないまま固まるといった発泡不良が生じることがある。一方、第2実施形態に係る耐火被覆構造では、上記のように発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とが発泡幅より狭い間隔を空けて設けられるため、発泡不良が生じることはなく上記の不具合を解消できる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る鉄骨梁の耐火被覆構造について図7を用いて説明する。図7は、第3実施形態に係る鉄骨梁の耐火被覆構造の断面図である。第3実施形態の耐火被覆構造では、第2実施形態同様、発泡性耐火材5と発泡しない吹付式耐火材6とを備える。第3実施形態が第2実施形態と異なる点は、ウェブ4の側面において吹付式耐火材6が下方に向かうにつれてその厚みが徐々に減少しウェブ4の側面に近づくように設けられる点である。
具体的には、図7(b)に示すように、発泡性耐火材5は、第2実施形態と同様、下フランジ2の下面から、下フランジ2の両端面、下フランジ2の上面およびウェブ4の下端にまで設けられている。吹付式耐火材6は、上フランジ3の両端面から、上フランジ3の下面およびウェブ4の上端側面を回りこんでウェブ4に沿って下方に延在して設けられ、ウェブ4の上端側面から所定距離だけ下方に位置した箇所までは一定の厚みで設けられている。そして、吹付式耐火材6は、ウェブ4の上記箇所から発泡性耐火材5と接するウェブ4の下端までの領域では、その厚みが徐々に減少しウェブ4の側面に近づくように設けられ、図7(b)の断面上において、発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とは点接触するようになっている。
以上のように、第3実施形態によれば、第2実施形態の耐火被覆構造と同様の作用効果を奏する。また、第3実施形態では、吹付式耐火材6が下方に向かうにつれてその厚みが徐々に減少しウェブ4の側面に近づくように設けられる。よって、発泡性耐火材5と吹付式耐火材6との隣接部分に広い空間を設けることが可能となるため、発泡性耐火材5の発泡領域を拡大させて耐火性能を十分に発揮させることができる。さらに、第3実施形態の耐火被覆構造は、発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とを点接触させたい場合に有効である。
以上、第1〜第3実施形態は、本発明に係る鉄骨梁の耐火被覆構造の実施形態を説明したものであり、本発明に係る鉄骨梁の耐火被覆構造は、本実施形態に記載されたものに限定されない。本発明に係る鉄骨梁の耐火被覆構造は、本実施形態に係る耐火被覆構造を変形し、または他のものに適用したものであってもよい。
例えば、第2および第3実施形態では、ウェブ4の側面において発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とを隣接させる例について説明した。しかし、発泡性耐火材5と吹付式耐火材6とを隣接させる場所はウェブ4の側面に限られず、例えば、ウェブ4の側面全体に吹付式耐火材6を設けて、発泡性耐火材5と吹付式耐火材6との隣接箇所を下フランジ2の上面にしてもよい。
1…鉄骨梁、2…下フランジ、3…上フランジ、4…ウェブ、5…発泡性耐火材、6…吹付式耐火材、10…床スラブ。

Claims (3)

  1. 上下方向に延在する板状のウェブと、前記ウェブの下端に連結された水平方向に延在する板状のフランジと、を備え、前記ウェブおよび前記フランジに耐火材が設けられた耐火被覆構造であって、
    前記耐火材として、発泡により耐火性能を発揮する発泡性耐火材と、発泡以外の態様で耐火性能を発揮する非発泡性耐火材と、を備え、
    前記発泡性耐火材は、前記フランジの下面から、前記フランジの両端部を回りこんで前記フランジの上面まで連続して設けられており、
    前記発泡性耐火材と前記非発泡性耐火材とは、前記発泡性耐火材の発泡前における前記発泡性耐火材への入熱を確保する構造を形成していることを特徴とする鉄骨梁の耐火被覆構造。
  2. 前記発泡性耐火材は、前記フランジの上面から、前記ウェブの下端を回りこんで前記ウェブに沿って上方に延在して設けられており、
    前記非発泡性耐火材は、前記ウェブの側面に設けられており、
    前記ウェブの側面において前記発泡性耐火材と前記非発泡性耐火材とを前記発泡性耐火材の発泡幅より狭い間隔で隣接させることにより、前記入熱を確保する構造を形成していることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨梁の耐火被覆構造。
  3. 前記非発泡性耐火材は、前記ウェブの側面に近づくように、下方に向かうにつれてその厚みが徐々に減少して設けられることを特徴とする請求項2に記載の鉄骨梁の耐火被覆構造。
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