JP2020069825A - 操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの出力軸と制動装置の回転部分との偏心を吸収することができる操舵装置を提供する。【解決手段】制動装置50はブレーキドラム51、回転板52、オルダムカップリング60、中心ピン53、ヒンジ54,55、ブレーキシュー58a,58b、および2つの圧縮コイルばねを有している。回転板52はモータの出力軸18aと一体回転する。オルダムカップリング60は、回転板52とモータの出力軸18aとを軸方向に対して直交する方向に沿って揺動可能に連結している。中心ピン53は、オルダムカップリング60の出力軸18aと反対側の端部に連結されている。ヒンジ54,55の一端部は、回転板52のハウジングと反対側の側面に対して回転可能に支持されている。ブレーキシュー58a,58bは、ヒンジ54,55の外周面に設けられている。圧縮コイルばねは、中心ピン53とヒンジ54,55との間に設けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、操舵装置に関する。
たとえば特許文献1の操舵装置では、モータにより駆動されるボールねじ機構がラックシャフトに設けられている。ボールねじ機構は、ラックシャフトのボールねじ部に多数のボールを介して嵌合するボールナットを有している。モータの回転力は、モータの駆動軸に設けられた駆動プーリからベルトを介してボールナットと一体回転する従動プーリに伝達される。モータの駆動に連動してボールナットが回転することに伴いラックシャフトがその軸方向に移動することにより操舵が補助される。
ここで、車両の縁石乗り上げなどに起因して大きな逆入力荷重がラックシャフトに作用することがある。この場合、ラックシャフトがその軸方向へ移動することにより、ラックシャフトの端部がラックハウジングに当接する、いわゆる「エンド当て」が生じることが懸念される。この場合、ラックシャフトの移動が物理的に規制されることによってボールナットおよびベルトの回転が規制される。これに対して、モータおよび駆動プーリは、これらの慣性力によって回転し続けようとする。このため、ベルトに歯飛びが生じるおそれがある。
そこで、特許文献1の操舵装置では、ラックハウジングの内部において、駆動プーリとラックハウジングの壁面(モータ設置側)との間には、制動装置が設けられている。制動装置は、2つの摩擦板を有している。第1の摩擦板は、モータの出力軸に対してその軸方向に沿って摺動可能に設けられている。第2の摩擦板は、第1の摩擦板に対して軸方向において対向するかたちでラックハウジングの内壁面に固定されている。第1の摩擦板は、モータの回転に伴う遠心力の大きさに応じて第2の摩擦板に対して接離する。
ラックシャフトに逆入力荷重が作用することによってモータの回転速度が増速された場合、第1の摩擦板はモータの回転に伴う遠心力の大きさに応じて第2の摩擦板に対して近接して摩擦係合する。これにより、モータおよび駆動プーリの回転速度が減速される。駆動プーリの回転速度が遅くなる分だけ駆動プーリの回転エネルギが小さくなる。このため、ベルトの歯飛びが抑制される。
特開2017−141011号公報
特許文献1の操舵装置においては、つぎのことが懸念される。すなわち、駆動プーリはモータの出力軸に固定されているため、出力軸の先端部には駆動プーリを介してベルトの張力が作用する。ここで、モータの出力軸は、軸受を介してラックハウジングに対して相対的に回転可能に支持されているところ、この軸受の内輪とボールとの間、ならびに外輪とボールとの間には、いわゆる内部すきまが存在する。このため、モータの出力軸は、ラックシャフトに対して、軸受の内部すきまに応じて駆動プーリと共にベルトの張力が作用する方向へ向けて傾くおそれがある。
制動装置の第1の摩擦板は、モータの出力軸に設けられている。このため、ラックシャフトに対してモータの出力軸が傾くと、第1の摩擦板もモータの出力軸と一緒に傾く。この場合、第1の摩擦板の摩擦面が第2の摩擦板の摩擦面に対して傾いた状態となることにより、第1の摩擦板の摩擦面と第2の摩擦板の摩擦面との平行度が損なわれる。したがって、第1の摩擦板が第2の摩擦板に近接して摩擦係合しようとするとき、第1の摩擦板の摩擦面が第2の摩擦板の摩擦面に対して片当たりすることにより、適切な摩擦性能が得られなくなるおそれがある。すなわち、制動装置が本来有する制動機能が適切に発揮されないことが懸念される。
本発明の目的は、モータの出力軸と制動装置の回転部分との偏心を吸収することができる操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成し得る操舵装置は、ハウジングと、転舵軸と、モータと、歯付きの駆動プーリと、ボールナットと、歯付きの従動プーリと、歯付きのベルトと、制動装置と、継手とを有している。転舵軸は、前記ハウジングの内部で直線運動することにより転舵輪を転舵させる。モータは、前記ハウジングの外部から内部へ挿入される出力軸を有する。駆動プーリは、前記ハウジングの内部で前記出力軸と一体回転する。ボールナットは、前記転舵軸に多数のボールを介して螺合された状態で前記ハウジングの内周面に対して回転可能に支持される。従動プーリは、前記ハウジングの内部で前記ボールナットと一体回転する。ベルトは、前記駆動プーリと前記従動プーリとに巻き掛けられる。制動装置は、受動部材および制動ユニットを有する。受動部材は前記ハウジングの外部に固定される。制動ユニットは、前記ハウジングの外部において前記出力軸に連動して回転することによる遠心力に応じて前記受動部材との間で制動力を発生する。継手は、前記制動ユニットに対して前記出力軸または前記駆動プーリを軸方向に対して直交する方向に沿って揺動可能に連結する。
転舵輪からの逆入力荷重を受けて転舵軸がその軸方向へ移動することにより、転舵軸の端部がハウジングに当接する、いわゆるエンド当てが生じることがある。この場合、転舵軸の移動が物理的に規制されることによってボールナットおよびベルトの回転が規制される。これに対して、モータおよび駆動プーリについては逆入力荷重が転舵軸に作用することに起因して回転速度が増速されることがあるところ、モータおよび駆動プーリはこれらの慣性力によって回転し続けようとする。このため、ベルトに歯飛びが生じるおそれがある。
この点、上記の構成によれば、制動ユニットはモータの出力軸に連動して回転することによる遠心力に応じて受動部材との間で制動力を発生する。このため、転舵輪からの逆入力荷重に起因してモータおよび駆動プーリの回転速度が増速される場合、制動ユニットと受動部材との間で遠心力に応じた制動力が発生することにより、モータおよび駆動プーリの回転速度が減速される。これにより、ベルトの歯飛びが抑制される。
ここで、ベルトの張力あるいはハウジングに対するモータの取り付け精度に起因して、モータの出力軸および駆動プーリが転舵軸に対して傾くおそれがある。この場合、モータの出力軸に連動して回転する制動ユニットと受動部材との相対的な位置関係がすれることにより、適切な制動力が発生できないことが懸念される。
この点、上記の構成によれば、制動ユニットに対してモータの出力軸または駆動プーリが軸方向に直交する方向に沿って揺動可能に連結されている。このため、制動ユニットがモータの出力軸および駆動プーリと一緒に傾くことが抑制される。すなわち、モータの出力軸と制動装置の回転部分である制動ユニットとの偏心が継手により吸収されることにより、制動ユニットと受動部材との相対的な位置関係が適切な位置に維持される。したがって、制動ユニットと受動部材との間で遠心力に応じた適切な制動力を発生させることができる。
上記の操舵装置において、前記制動ユニットは、前記ハウジングの外部において前記出力軸に連動して回転する円形の回転部材と、前記回転部材と一体回転することによる遠心力に応じて前記回転部材の半径方向に沿って移動する移動体と、前記移動体が前記回転部材の半径方向における外側へ移動するにつれて前記受動部材に近接して押し付けられる摩擦部材と、を有していることが好ましい。
この構成によれば、移動体は回転部材と一体回転することによる遠心力に応じて回転部材の半径方向に沿って移動するところ、回転部材の回転速度が速くなるほど移動体に作用する遠心力が大きくなるため、移動体は回転部材の半径方向におけるより外側へ移動しようとする。移動体が回転部材の半径方向における外側へ移動するにつれて摩擦部材は受動部材に近接し、やがて摩擦部材に押し付けられる。これにより、摩擦部材と受動部材との間において摩擦による制動力を発生させることができる。
上記の操舵装置において、前記移動体および前記摩擦部材を1組とする複数組の前記移動体および前記摩擦部材を有し、各組の前記移動体および前記摩擦部材は前記回転部材の回転方向において等間隔をあけて設けられていることが好ましい。
この構成によれば、摩擦部材と受動部材との摩擦による制動力を、回転部材の回転方向において均等に発生させることができる。
上記の操舵装置において、前記受動部材は、円筒状のブレーキドラムであってもよい。また、前記移動体は、前記ブレーキドラムの内周面に沿って湾曲するとともに、前記回転部材の前記ハウジングと反対側の側面に対して第1の端部が回転可能かつ前記ブレーキドラムの半径方向において弾性的に支持される一方、第2の端部が自由端として設けられたヒンジであってもよい。この場合、前記摩擦部材は、前記ヒンジの外周面に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、移動体としてのヒンジは、回転部材と一体回転することによる遠心力に応じて第1の端部を中心として弾性的な支持力に抗して回転しようとする。回転部材の回転速度が速くなるほどヒンジに作用する遠心力が大きくなるため、当該遠心力が大きくなるほどヒンジは第1の端部を中心として回転部材の半径方向におけるより外側へ回転しようとする。ヒンジが第1の端部を中心として回転部材の半径方向における外側へ回転するにつれて摩擦部材はブレーキドラムの内周面に近接する。摩擦部材は遠心力の増大に伴い、ブレーキドラムの内周面に押し付けられる。これにより、摩擦部材とブレーキドラムの内周面との間において摩擦による制動力を発生させることができる。
上記の操舵装置において、前記制動ユニットは、前記継手の前記出力軸または前記駆動プーリと反対側の端部に連結される中心ピンと、前記ヒンジの第1の端部と前記中心ピンとの間に連結されて前記ヒンジの第1の端部を前記ブレーキドラムの半径方向において弾性的に支持する圧縮コイルばねと、を有していることが好ましい。
この構成によれば、ヒンジに弾性的な支持力としての圧縮コイルばねの弾性力を超える遠心力が作用するとき、ヒンジは第1の端部を中心としてブレーキドラムの内周面に近接する方向へ向けて回転し始め、やがて摩擦部材はブレーキドラムの内周面に押し付けられる。これにより、摩擦部材とブレーキドラムの内周面との間において摩擦による制動力を発生させることができる。
上記の操舵装置において、前記受動部材は、円筒状のブレーキドラムであってもよい。また、前記移動体は、前記ブレーキドラムの半径方向において弾性的に支持されたピストン、および前記ブレーキドラムの内周面に沿って湾曲するとともにその中央部において前記ピストンにおける前記ブレーキドラムの内周面側の端部に連結された制動板を有するものであってもよい。この場合、前記摩擦部材は、前記制動板の外周面に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、回転部材の回転速度が速くなるほど移動体としてのピストンおよび制動板に作用する遠心力が大きくなるため、当該遠心力が大きくなるほどピストンおよび制動板は弾性的な支持力に抗して回転部材の半径方向におけるより外側へ向けて移動しようとする。ピストンおよび制動板が回転部材の半径方向における外側へ向けて移動するにつれて摩擦部材はブレーキドラムの内周面に近接する。摩擦部材は遠心力の増大に伴いブレーキドラムの内周面に押し付けられる。これにより、摩擦部材とブレーキドラムの内周面との間において摩擦による制動力を発生させることができる。
上記の操舵装置において、前記制動ユニットは、前記継手の前記出力軸または前記駆動プーリと反対側の端部に連結される中心ピンと、前記ピストンにおける前記ブレーキドラムの内周面と反対側の端部と前記中心ピンとの間に連結されて前記ピストンを前記ブレーキドラムの半径方向において弾性的に支持する引張りコイルばねと、を有していることが好ましい。
この構成によれば、ピストン及び制動板に弾性的な支持力としての引張コイルばねの弾性力を超える遠心力が作用するとき、ピストン及び制動板はブレーキドラムの内周面に近接する方向へ向けて移動し始め、やがて摩擦部材はブレーキドラムの内周面に押し付けられる。これにより、摩擦部材とブレーキドラムの内周面との間において摩擦による制動力を発生させることができる。
上記の操舵装置において、前記受動部材は前記ハウジングの内部において前記回転部材の前記ハウジングと反対側の側面に対して平行に支持されるディスクであること、および前記移動体は前記回転部材の半径方向において弾性的に支持された楔であること、および前記摩擦部材は前記ディスクの互いに反対側に位置する2つの側面に対してそれぞれ接離可能に対向して設けられていること、を前提として、前記制動ユニットは、前記回転部材の半径方向における外側へ向けた前記楔の移動を当該楔の移動量に応じて2つの前記摩擦部材の互いに近接する方向への移動に変換する変換機構を有していることが好ましい。
この構成によれば、回転部材の回転速度が速くなるほど楔に作用する遠心力が大きくなるため、当該遠心力が大きくなるほど楔は弾性的な支持力に抗して回転部材の半径方向におけるより外側へ向けて移動しようとする。楔に弾性的な支持力を超える遠心力が作用するとき、楔は回転部材の半径方向における外側へ向けて移動し始める。回転部材の半径方向における外側へ向けた楔の移動は、変換機構によって楔の移動量に応じて2つの摩擦部材の互いに近接する方向への移動に変換される。このため、回転部材の半径方向における外側への楔の移動量が増加するほど、2つの摩擦部材の互いに近接する方向への移動量も増大する。楔に作用する遠心力の増加に伴い、2つの摩擦部材はディスクの両面を挟み込むかたちでディスクに押し付けられる。これにより、2つの摩擦部材とディスクとの間において摩擦による制動力を発生させることができる。
上記の操舵装置において、前記制動ユニットは、前記継手の前記出力軸または前記駆動プーリと反対側の端部に連結される中心ピンと、前記楔と前記中心ピンとの間に連結されて前記楔を前記回転部材の半径方向において弾性的に支持する引張りコイルばねと、を有していることが好ましい。
この構成によれば、楔に弾性的な支持力としての引張りコイルばねの弾性力を超える遠心力が作用するとき、楔が回転部材の半径方向における外側へ向けて移動し始めることによって、2つの摩擦部材も互いに近接する方向へ向けて移動し始める。やがて、2つの摩擦部材はディスクの両面を挟み込むかたちでディスクに押し付けられる。これにより、2つの摩擦部材とディスクとの間において摩擦による制動力を発生させることができる。
上記の操舵装置において、つぎの構成「a.」〜「d.」を有していてもよい。
a,前記制動ユニットは、前記継手の前記出力軸または前記駆動プーリと反対側の端部に連結される支持軸を有すること。
b.前記回転部材は、前記支持軸の外周面に固定された第1の回転部材と、前記支持軸の外周面に対して一体回転可能かつ前記支持軸の軸方向に沿って摺動可能に設けられるとともに前記ハウジングの外側面に軸方向において弾性的に支持される第2の回転部材とを有すること。
c.前記移動体は、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に介在されるとともに、前記第1の回転部材における前記第2の回転部材側の側面、または前記第2の回転部材における前記第1の回転部材側の側面に設けられた半径方向に沿って延びる溝に案内されるボールであること。
d.前記溝の内底面は、前記第1の回転部材または前記第2の回転部材の半径方向における外側へ向かうにつれて前記第2の回転部材または前記第1の回転部材との間の軸方向における距離が短くなるように傾斜していること。
これら構成「a.」〜「d.」を前提とする場合、前記摩擦部材は、前記第2の回転部材における前記ハウジング側の側面に設けられることが好ましい。また、前記受動部材は、前記摩擦部材を第1の摩擦部材とするとき、前記ハウジングの外側面に設けられて前記第1の摩擦部材と軸方向において対向する第2の摩擦部材であることが好ましい。
この構成によれば、回転部材の回転速度が速くなるほどボールに作用する遠心力が大きくなるため、当該遠心力が大きくなるほどボールは溝に案内されつつ第1の回転部材または第2の回転部材の半径方向におけるより外側へ向けて移動しようとする。ボールに作用する遠心力のうち溝の内底面の傾きに応じた軸線方向の分力が第2の回転部材に対する弾性的な支持力を超えるとき、ボールは弾性的な支持力に抗して第2の回転部材をハウジングの外側面に対して近接する方向へ押し退けながら、回転部材の半径方向における外側へ向けて移動し始める。
ここで溝の内底面は、第1の回転部材または第2の回転部材の半径方向における外側へ向かうにつれて第2の回転部材または第1の回転部材との間の軸方向における距離が短くなるように傾斜している。このため、ボールが第1の回転部材または第2の回転部材の半径方向における外側へ移動するほど、第2の回転部材のハウジングの外側面に近接する方向への移動量も増加する。ボールに作用する遠心力の増加に伴い、第2の回転部材におけるハウジング側の側面に設けられた第1の摩擦部材は、第1の摩擦部材に押し付けられる。これにより、2つの摩擦部材の間において摩擦による制動力を発生させることができる。
上記の操舵装置において、前記制動ユニットは、前記第2の回転部材における前記ハウジング側の側面と、前記ハウジングの外側面との間に設けられて前記第2の回転部材をその軸方向において弾性的に支持する圧縮コイルばねを有していることが好ましい。
この構成によれば、ボールに作用する遠心力のうち溝の内底面の傾きに応じた軸線方向の分力が圧縮コイルばねの弾性力を超えるとき、ボールが第1の回転部材または第2の回転部材の半径方向における外側へ移動し始める。これに伴い、第2の回転部材および第1の摩擦部材も第2の摩擦部材に対して近接する方向へ向けて移動し始める。やがて、第1の摩擦部材は第2の摩擦部材に押し付けられる。これにより、第1の摩擦部材と第2の摩擦部材との間において摩擦による制動力を発生させることができる。
上記の操舵装置において、前記継手は、オルダムカップリングであることが好ましい。
この構成によれば、モータの出力軸と制動装置の回転部分である制動ユニットとの偏心を好適に吸収することができる。
本発明の操舵装置によれば、モータの出力軸と制動装置の回転部分との偏心を吸収することができる。
操舵装置の第1の実施の形態の概略構成を示す構成図。 第1の実施の形態における動力変換機構の概略構成を示す断面図。 第1の実施の形態におけるオルダムカップリングの分解斜視図。 第1の実施の形態における制動装置をモータの軸線に直交する方向において切断した断面図。 図4の制動装置を5−5線に沿って切断した断面図。 制動装置の第2の実施の形態をモータの軸線に直交する方向において切断した断面図。 図6の制動装置を7−7線に沿って切断した断面図。 制動装置の第3の実施の形態をモータの軸線に直交する方向において切断した断面図。 図8の制動装置を9−9線に沿って切断した断面図。 制動装置の第4の実施の形態をモータの軸線に沿った方向において切断した断面図。 図10の制動装置を11−11線に沿って切断した断面図。 第4の実施の形態の制動装置が制動力を発揮する状態を示す先の図10に対応する断面図。 他の実施の形態におけるハウジングの端部を拡大して示す断面図。
<第1の実施の形態>
以下、操舵装置を電動パワーステアリング装置に具体化した第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置10は、図示しない車体に固定されるハウジング11を有している。ハウジング11はその筒状の本体12が車体の左右方向(図1中の左右方向)へ延びるように設けられている。本体12には転舵軸13が挿通されている。転舵軸13の両端には、それぞれインナーボールジョイント(ラックエンド)16を介して転舵輪Wが連結される。インナーボールジョイント16は、転舵軸13の端部に固定されるソケット16a、およびソケット16aに対して揺動可能に連結されたタイロッド16bを有している。転舵軸13がその軸方向へ移動することによって転舵輪Wの向きが変えられる。
本体12の右端寄りの部位には第1の収容部14が設けられている。第1の収容部14は、本体12の軸線方向(図1中の左右方向)に対して交わる方向へ延びている。第1の収容部14には、ピニオンシャフト15が挿入された状態で回転可能に支持されている。ピニオンシャフト15の内端部に設けられるピニオン歯15aは、転舵軸13の右端寄りの一定範囲に設けられるラック歯13aに噛み合う。また、ピニオンシャフト15のピニオン歯15aと反対側の外端部は、図示しない複数のシャフトを介してステアリングホイールHに連結される。したがって、ステアリングホイールHの操作に伴い転舵軸13はその軸線方向に沿って直線運動を行う。
本体12の左端寄りの部位には第2の収容部17が設けられている。第2の収容部17は、本体12よりも大径の円筒部分の下部が下方へ延びてなる。第2の収容部17の下部右側壁には、モータ18がボルト19により固定されている。モータ18の出力軸18aは、転舵軸13の軸線に沿って延び、かつ第2の収容部17の側壁を貫通して内部に挿入されている。第2の収容部17の内部には、動力変換機構20が設けられている。動力変換機構20にはモータ18の出力軸18aが連結されている。動力変換機構20は、モータ18の回転運動を転舵軸13の直線運動に変換する。すなわち、モータ18の回転力の利用を通じて転舵軸13の動作が補助されることにより、ステアリングホイールHの操作が補助される。
図2に示すように、動力変換機構20は、ベルト伝動機構30およびボールねじ機構40を有している。ベルト伝動機構30は、モータ18の回転運動をボールねじ機構40に伝達する。ボールねじ機構40は、ベルト伝動機構30を通じて伝達されるモータ18の回転運動を転舵軸13の直線運動に変換する。
ボールねじ機構40は、転舵軸13に設けられたボールねじ部41、円筒状のボールナット42および多数のボール43を有している。
ボールねじ部41は、転舵軸13の外周面におけるボールねじ溝13bが形成された部分である。ボールねじ部41は、転舵軸13の左端を基準として右端へ向けた一定範囲に設けられている。ボールナット42は、ボールねじ部41に多数のボール43を介して進退可能に螺合されている。ボールナット42は、玉軸受44を介してハウジング11の内周面に対して回転可能に支持されている。各ボール43は、ボールナット42の回転に伴いボールナット42とボールねじ部41との間を転動する。
ベルト伝動機構30は、円筒状の駆動プーリ(原動車)31、円筒状の従動プーリ32(従動車)、および無端状のベルト33を備えている。
駆動プーリ31は、その外周面に歯が設けられた歯付きプーリ(タイミングプーリ)であって、モータ18の出力軸18aに固定されている。出力軸18aは、駆動プーリ31をその軸方向に沿って貫通している。従動プーリ32は、その外周面に歯が設けられた歯付きプーリであって、ボールナット42にその右端側から挿入された状態で、ボールナット42の外周面に固定されている。ベルト33は、その内周面に歯が設けられた歯付きベルト(タイミングベルト)であって、駆動プーリ31と従動プーリ32との間に掛け渡されている。したがって、モータ18の回転は、駆動プーリ31、ベルト33および従動プーリ32を介してボールナット42に伝達される。
ここで、車両の縁石乗り上げなどに起因して大きな逆入力荷重が転舵軸13に作用することがある。この逆入力荷重を受けて転舵軸13がその軸方向へ移動することにより、転舵軸13の端部(インナーボールジョイントのソケット)がハウジング11に当接する、いわゆる「エンド当て」が生じることが懸念される。この場合、転舵軸13の移動が物理的に規制されることによってボールナット42およびベルト33の回転が規制される。これに対して、モータ18および駆動プーリ31は、これらの慣性力によって回転し続けようとする。このため、ベルト33に歯飛びが生じるおそれがある。ちなみに、駆動プーリ31の回転速度が速いときほど、駆動プーリ31の回転エネルギが大きくなる。回転が規制された状態のベルト33の歯に対してより大きな荷重が駆動プーリ31の歯を介して加わるため、ベルト33の歯飛びがより発生しやすい。
そこで、電動パワーステアリング装置10には、制動装置50が設けられている。制動装置50は、たとえば路面からの逆入力荷重が転舵軸13に作用することに起因してモータ18の回転速度が増速される場合(その時々の転舵軸13の移動方向と同じ方向に転舵軸13の動作が補助されている場合)、モータ18の出力軸18aに対して制動力を作用させる。制動装置50は、ハウジング11(第2の収容部17)の下部におけるモータ18と反対側の側壁17aの外面に設けられている。制動装置50は、モータ18の出力軸18aの先端部にオルダムカップリング60を介して連結されている。オルダムカップリング60は、ハウジング11の側壁17aに設けられた貫通孔17bに挿通されている。
図3に示すように、オルダムカップリング60は、第1の継手部材61、第2の継手部材62および中間部材63を有している。これら第1の継手部材61、第2の継手部材62および中間部材63は、それぞれ円柱状をなしている。中間部材63は、第1の継手部材61と第2の継手部材62との間に介在されている。
第1の継手部材61の中間部材63側の側面には、その半径方向に沿って延びる突部61aが設けられている。第2の継手部材62の中間部材63側の側面には、その半径方向に沿って延びる突部62aが設けられている。第2の継手部材62の中間部材63と反対側の端面には、取付穴62bが設けられている。中間部材63の第1の継手部材61側の側面には、その半径方向に沿って延びる溝部63aが設けられている。中間部材63の第2の継手部材62側の側面には、その半径方向に沿って延びる溝部63bが設けられている。これら溝部63a,63bは互いに直交している。中間部材63の溝部63aには、第1の継手部材61の突部61aが摺動可能に嵌合される。中間部材63の溝部63bには、第2の継手部材62の突部62aが摺動可能に嵌合される。
第1の継手部材61の中間部材63と反対側の端面には、モータ18の出力軸18aが連結される。第2の継手部材62は、後述する制動装置50の回転板に連結される。ここで、第1の継手部材61および第2の継手部材62は、中間部材63に対してその半径方向に沿った方向へ摺動可能に嵌合している。このため、モータ18の出力軸18aと制動装置50の回転板とが互いに偏心している場合であれ、中間部材63が第1の継手部材61および第2の継手部材62に対して相対的に移動することにより、モータ18の出力軸18aと制動装置50の回転部材との偏心量を吸収することが可能である。
つぎに、制動装置50について詳細に説明する。
図4および図5に示すように、制動装置50は、ブレーキドラム51、回転板52、中心ピン53、ヒンジ54,55、ヒンジピン56a,56b、圧縮コイルばね57a,57b、およびブレーキシュー58a,58bを有している。
ブレーキドラム51は、収容部51aおよびフランジ部51bを有している。収容部51aは、一側面が開口した有底円筒状をなしている。フランジ部51bは、収容部51aの開口部周縁の全周にわたって設けられている。ブレーキドラム51は、収容部51aの開口した側を側壁17aに向けた状態でフランジ部51bを介してボルトにより側壁17aに固定されている。ブレーキドラム51は、貫通孔17bと同軸上に位置している。収容部51aの内部には、回転板52、中心ピン53、ヒンジ54,55、ヒンジピン56a,56b、圧縮コイルばね57a,57b、およびブレーキシュー58a,58bが収容されている。
回転板52は、円形状に設けられている。回転板52の外径はブレーキドラム51の内径よりも小さい長さに設定されている。回転板52の中央部には円形の孔52aが設けられている。回転板52の側壁17a側の側面における孔52aの周縁部には、円筒状の嵌合部52bが設けられている。嵌合部52bは、オルダムカップリング60の第2の継手部材62の外周に嵌合した状態で固定されている。
中心ピン53の第1の端部(図5中の右端部)は、第2の継手部材62の取付穴62b(図3参照)に嵌合された状態で固定されている。
ヒンジ54,55は、回転板52における嵌合部52bと反対側の側面に設けられている。また、ヒンジ54,55は、回転板52の半径方向において互いに反対側に位置している。
ヒンジ54は、連結部54a、支持部54bおよびばね受け部54cを有し、全体として断面L字状をなしている。連結部54aは、回転板52の外周に沿って円弧状に湾曲する板状に設けられている。連結部54aの第1の端部(図4中の左端部)は、回転板52の周縁部に立設されたヒンジピン56aを介して、回転板52に対して相対的に回転可能に支持されている。連結部54aの第2の端部(図4中の右端部)は、とくに固定されない自由端である。支持部54bは、連結部54aの外周縁の全長にわたって設けられている。支持部54bは、回転板52と反対側へ突出している。支持部54bは、ブレーキドラム51の内周面に沿って湾曲する板状に設けられている。ばね受け部54cは、連結部54aの第1の端部における内周縁に設けられている。ばね受け部54cは、回転板52と反対側へ突出している。
ヒンジ55は、ヒンジ54と同じ形状を有している。ヒンジ55は、ヒンジ54と同様に、連結部55a、支持部55bおよびばね受け部55cを有している。連結部55aの第1の端部(図4中の左端部)は、ヒンジピン56bを介して回転板52の周縁部に対して相対的に回転可能に支持されている。連結部55aの第2の端部(図4中の右端部)は、とくに固定されない自由端である。ばね受け部55cおよびヒンジピン56bは、回転板52の軸線方向からみて、ばね受け部54cおよびヒンジピン56aに対して、回転板52の軸線Oを通りかつ軸線Oに対して直交する方向(ブレーキドラム51の半径方向)に沿って延びる回転板52の中心軸Cを対称軸とする線対称となる位置に設けられている。
圧縮コイルばね57aの第1の端部は、ヒンジ54のばね受け部54cに連結されている。圧縮コイルばね57aの第2の端部は、中心ピン53の第2の端部(オルダムカップリング60と反対側の端部)に連結されている。圧縮コイルばね57bの第1の端部は、ヒンジ55のばね受け部55cに連結されている。圧縮コイルばね57bの第2の端部は、中心ピン53の第2の端部に連結されている。圧縮コイルばね57a,57bは、モータ18の停止状態において、それぞれ無負荷状態、あるいは若干圧縮された状態に維持される。
ブレーキシュー58a,58bは、ヒンジ54,55における支持部54b,55bの外周面の全面にわたって設けられている。
モータ18の停止状態において、ブレーキシュー58a,58bの表面(支持部54b,55bと反対側の側面)とブレーキドラム51の内周面との間に隙間が形成されるようにヒンジ54,55の姿勢が維持される。ヒンジ54のヒンジピン56aを中心とする反時計方向の回転、およびヒンジ55のヒンジピン56bを中心とする時計方向の回転は、それぞれ回転板52に設けられるストッパにより規制される。また、モータ18の停止状態において、ヒンジ54のヒンジピン56aを中心とする時計方向の回転、およびヒンジ55のヒンジピン56bを中心とする反時計方向の回転は、それぞればね受け部54c,55cを介して圧縮コイルばね57a,57bの弾性力がヒンジ54,55のばね受け部54c,55c側の端部に作用することにより規制される。
なお、ブレーキドラム51は、ハウジング11の外部に固定される受動部材に相当する。回転板52は、ハウジング11の外部においてモータ18の出力軸18aに連動して回転する回転部材に相当する。ヒンジ54,55は、回転板52と一体回転することによる遠心力に応じて回転板52の半径方向に沿って移動(ヒンジピン56b,56bを中心として回転移動)する移動体に相当する。ブレーキシュー58a,58bは、ヒンジ54,55がヒンジピン56b,56bを中心として回転板52の半径方向における外側へ向けて回転移動するにつれてブレーキドラム51の内周面に近接して押し付けられる摩擦部材に相当する。回転板52、ヒンジ54,55、およびブレーキシュー58a,58bは、ハウジング11の外部においてモータ18の出力軸18aに連動して回転することによる遠心力に応じてブレーキドラム51との間で制動力を発生する制動ユニットU1を構成する。
つぎに、制動装置50の動作を説明する。
モータ18の駆動を通じて転舵軸13の動作が補助されている場合、モータ18の出力軸18aに連動して回転板52およびヒンジ54,55も回転する。このとき、ヒンジ54,55に作用する遠心力Fは、次式(A)で表される。
F=mrω …(A)
ただし、「m」はヒンジ54,55の質量、「r」はヒンジ54,55の回転半径、「ω」はヒンジ54,55の回転速度である。
式(A)から、ヒンジ54,55の回転速度ωが速いほど、ヒンジ54,55に作用する遠心力Fが大きくなることが分かる。
ヒンジ54,55に遠心力Fが作用することにより、ヒンジ54,55は回転板52の半径方向において互いに離れる方向へ向けて移動しようとする。ここで、ヒンジ54,55の第1の端部はヒンジピン56a,56bを介して回転板52に支持されている一方、ヒンジ54,55の第2の端部は何ら固定されていない自由端である。このため、ヒンジ54,55は、圧縮コイルばね57a,57bの弾性力に抗して、ヒンジピン56a,56bを中心として、回転板52の半径方向における外側へ向けて回転しようとする。このとき、ヒンジ54,55におけるヒンジピン56a,56b側の端部は、圧縮コイルばね57a,57bを圧縮する方向へ向けて移動しようとする。
ちなみに、圧縮コイルばね57a,57bの弾性力は、電動パワーステアリング装置10として想定される通常の使用状態においてモータ18の駆動にヒンジ54,55に作用する遠心力Fよりも大きな値に設定される。したがって、電動パワーステアリング装置10の通常の使用時において、ヒンジ54,55が圧縮コイルばね57a,57bの弾性力に抗して、ヒンジピン56a,56bを中心として回転板52の半径方向における外側へ向けて回転することはない。
モータ18の駆動を通じて転舵軸13の動作が補助されている場合において、たとえば路面からの逆入力荷重が、転舵軸13の動作が補助されている方向と同じ方向へ向けて作用することが考えられる。このとき、モータ18の回転速度が増速される。このモータ18の回転速度の増速に伴い、回転板52、ひいてはヒンジ54,55の回転速度も増加する。ヒンジ54,55に作用する遠心力Fが圧縮コイルばね57a,57bの弾性力よりも大きな値に達した以降、ヒンジ54,55は圧縮コイルばね57a,57bの弾性力に抗して、ヒンジピン56a,56bを中心として回転板52の半径方向における外側へ向けて回転し始める。
やがて、ブレーキシュー58a,58bにおいて、ヒンジ54,55の第2の端部(ヒンジピン56a,56bと反対側の端部)に対応する部分がブレーキドラム51の内周面に接触する。ブレーキシュー58a,58bは、ヒンジ54,55に作用する遠心力Fが大きくなるほど、より強くブレーキドラム51の内周面に押し付けられる。これらブレーキシュー58a,58bとブレーキドラム51の内周面との間の摩擦による制動作用によって、回転板52の回転速度、ひいてはモータ18の出力軸18aおよび駆動プーリ31の回転速度が徐々に低下する。駆動プーリ31の回転速度が遅くなる分だけ、駆動プーリ31の回転エネルギは少なくなるため、ベルト33の歯飛びが抑制される。
ブレーキシュー58a,58bとブレーキドラム51の内周面との間の摩擦による制動作用によって、回転板52の回転速度が低下するにつれて、ヒンジ54,55に作用する遠心力Fが小さくなる。ヒンジ54,55は、遠心力Fの減少に伴い、圧縮コイルばね57a,57bの弾性力によりヒンジピン56a,56bを中心として回転板52の半径方向における内側へ向けて回転し始め、やがて原位置に復帰する。ブレーキシュー58a,58bとブレーキドラム51の内周面とは、再び離間した状態に維持される。
つぎに、オルダムカップリング60の作用を説明する。
ベルト33の張力Tは、駆動プーリ31と従動プーリ32との間の芯間距離の調節を通じて適切に設定されるところ、この張力Tによって駆動プーリ31と従動プーリ32とは互いに近接する方向へ移動しようとする。このため、図5に矢印で示されるように、モータ18の出力軸18aの外端部(図5中の左端部)には、駆動プーリ31が移動しようとする方向(張力Tが働く方向)と同じ方向へ向けた力が作用する。
また、モータ18の出力軸18aは、図示しない2つの玉軸受を介してモータケースに対して相対的に回転可能に支持されているところ、これら玉軸受には、いわゆる内部すきまが存在する。内部すきまとは、軸受の内輪とボールとの間、および外輪とボールとの間の遊び量をいう。このため、ベルト33の張力Tが駆動プーリ31を介して出力軸18aの外端部に作用することによって、出力軸18aが内部すきまに応じて駆動プーリ31と共にベルト33の張力Tが作用する方向へ向けて傾くおそれがある。さらに、モータ18における玉軸受の内部すきまの他、ハウジング11(第2の収容部17)に対するモータ18の取り付け精度の影響を受けて出力軸18aが従動プーリ32の軸線および転舵軸13の軸線に対して傾くことも懸念される。
この点、制動装置50(回転板52)はオルダムカップリング60を介してモータ18の出力軸18aに連結されている。このため、モータ18の出力軸18aが傾いた場合であれ、制動装置50がモータ18の出力軸18aと一緒に傾くことはない。出力軸18aに固定された第1の継手部材61が中間部材63に対して出力軸18aの傾く方向(張力Tが作用する方向)へ向けて相対的に移動することにより、モータ18の出力軸18aと制動装置50の回転板52との偏心量(出力軸18aの傾き量)が吸収される。
したがって、制動装置50の回転板52が出力軸18aと一緒に傾くこともなく、回転板52はブレーキドラム51の内部において適切な姿勢に維持される。回転板52に連結されたヒンジ54,55に設けられるブレーキシュー58a,58bについてもブレーキドラム51の内周面に対して傾くことがない。ブレーキシュー58a,58bがブレーキドラム51の内周面に対して片当たりすることが抑制されることにより、ブレーキシュー58a,58bは遠心力Fに応じてブレーキドラム51の内周面に対して適切に接触する。
したがって、第1の実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ブレーキシュー58a,58bは、ヒンジ54,55に作用する遠心力Fに応じてブレーキドラム51の内周面に押し付けられる。これらブレーキシュー58a,58bとブレーキドラム51の内周面との間の摩擦による制動作用によって、回転板52、ひいてはモータ18の出力軸18aおよび駆動プーリ31は、それぞれ減速される。駆動プーリ31の回転速度が遅くなる分だけ駆動プーリ31の回転エネルギは少なくなる。このため、ベルト33の歯飛びが抑制される。
(2)モータ18の出力軸18aは、オルダムカップリング60を介して制動装置50(回転板52)に対して出力軸18aの傾く方向(張力Tが作用する方向)において揺動可能に連結されている。ベルト33の張力Tによって制動装置50の回転板52が出力軸18aと共に傾くことが抑制されるため、ブレーキシュー58a,58bがブレーキドラム51の内周面に対して片当たりすることが抑制される。このため、ブレーキシュー58a,58bは、ヒンジ54,55に作用する遠心力Fに応じてブレーキドラム51の内周面に対して適切に接触する。したがって、制動装置50は、ヒンジ54,55に作用する遠心力Fに応じた適切な摩擦性能を発揮することができる。
(3)回転板52の軸線方向からみて、2つのヒンジ54,55(ブレーキシュー58a,58b)は、回転板52の軸線Oを通りかつ軸線Oに対して直交する方向(ブレーキドラム51の半径方向)へ向けて延びる対称軸としての中心軸Cを基準とする線対称となる位置に設けられている。このため、ブレーキシュー58a,58bは、ヒンジ54,55に作用する遠心力Fに応じて、ブレーキドラム51の内周面の半径方向において互いに反対側に位置する部分に押し付けられる。したがって、ブレーキシュー58a,58bとブレーキドラム51の内周面との摩擦による制動力は、回転板52の回転方向においてバランスよく発生する。また、制動装置50は、モータ18の回転方向によらず、安定した制動力を発生する。
(4)制動装置50は、ハウジング11の外部に設けられている。このため、ブレーキシュー58a,58bとブレーキドラム51の内周面との摩擦により発生する熱を、ブレーキドラム51を介して効率よく大気中に発散させることができる。
<第2の実施の形態>
つぎに、操舵装置の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、制動装置の構成の点で第1の実施の形態と異なり、基本的には先の図1〜図3に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。
図6および図7に示すように、制動装置70は、モータ18の出力軸18aの先端部にオルダムカップリング60を介して連結されている。制動装置70は、先の制動装置50と同様に、ブレーキドラム51、回転板52および中心ピン53を有している。また、制動装置70は、ピストンガイド71,72、ピストン73a,73b、引張コイルばね74a,74b、制動板75a,75b、およびブレーキシュー76a,76bを有している。
図7に示すように、ピストンガイド71,72は、回転板52における嵌合部52bと反対側の側面に設けられている。また、ピストンガイド71,72は、回転板52の半径方向において互いに反対側に位置している。ピストンガイド71は、両端が開口した円筒状の案内部71a、および案内部71aと回転板52とを連結する連結部71bを有している。ピストンガイド72は、両端が開口した筒状の案内部72a、および案内部72aと回転板52とを連結する連結部72bを有している。図6に示すように、案内部71a,72aは、回転板52の半径方向において同軸上に位置している。
ピストン73a,73bは、それぞれ円柱状をなしている。ピストン73aは、ピストンガイド71の案内部71aに摺動可能に挿入されている。ピストン73bは、ピストンガイド72の案内部72aに摺動可能に挿入されている。
引張コイルばね74aの第1の端部は、ピストン73aの第1の端部に連結されている。引張コイルばね74aの第2の端部は、中心ピン53の第2の端部(オルダムカップリング60と反対側の端部)に連結されている。引張コイルばね74bの第1の端部は、ピストン73bの第1の端部に連結されている。引張コイルばね74bの第2の端部は、中心ピン53の第2の端部(オルダムカップリング60と反対側の端部)に連結されている。引張コイルばね74a,74bは、モータ18の停止状態において、それぞれ無負荷状態に維持される。この無負荷状態において、ピストン73a,73bの第2の端部(引張コイルばね74a,74bと反対側の端部)は、回転板52の外周縁よりも外側に位置している。
制動板75a,75bは、ブレーキドラム51(収容部51a)の内周面に沿って円弧状に湾曲する板状に設けられている。制動板75a,75bは、回転板52に対して直交する姿勢でピストン73a,73bの第2の端部(引張コイルばね74a,74bと反対側の端部)に連結されている。また、制動板75a,75bは、その内周面の円周方向における中央付近において、ピストン73a,73bの第2の端部(引張コイルばね74a,74bと反対側の端部)に連結されている。
ブレーキシュー76a,76bは、制動板75a,75bの外周面の全面にわたって設けられている。
モータ18の停止状態において、ブレーキシュー76a,76bの表面(制動板75a,75bと反対側の側面)とブレーキドラム51の内周面との間には隙間が形成される。
なお、ピストン73a,73bおよび制動板75a,75bは、回転板52と一体回転することによる遠心力に応じて回転板52の半径方向に沿って移動する移動体を構成する。ブレーキシュー76a,76bは、ピストン73a,73bおよび制動板75a,75bが回転板52の半径方向における外側へ移動するにつれてブレーキドラム51の内周面に近接して押し付けられる摩擦部材に相当する。回転板52、ピストン73a,73b、制動板75a,75bおよびブレーキシュー76a,76bは、ハウジング11の外部においてモータ18の出力軸18aに連動して回転することによる遠心力に応じてブレーキドラム51との間で制動力を発生する制動ユニットU2を構成する。
つぎに、制動装置70の動作を説明する。
引張コイルばね74a,74bの弾性力は、電動パワーステアリング装置10として想定される通常の使用状態においてモータ18の駆動に伴いピストン73a,73bに作用する遠心力Fよりも大きな値に設定される。したがって、電動パワーステアリング装置10の通常の使用時において、ピストン73a,73bが、引張コイルばね74a,74bの弾性力に抗して、回転板52の半径方向における外側(互いに離間する方向)へ向けて移動することはない。
モータ18の駆動を通じて転舵軸13の動作が補助されている場合において、たとえば路面からの逆入力荷重が、転舵軸13の動作が補助されている方向と同じ方向へ向けて作用するとき、モータ18の回転速度が増速される。このモータ18の回転速度の増速に伴い、回転板52、ひいてはピストン73a,73b、制動板75a,75b、およびブレーキシュー76a,76bの回転速度も増加する。
これら一体的に移動するピストン73a,73b、制動板75a,75b、およびブレーキシュー76a,76bに作用する遠心力Fの合計が引張コイルばね74a,74bの弾性力よりも大きな値に達した以降、ピストン73a,73bなどは、つぎのように動作する。すなわち、ピストン73a,73b、制動板75a,75b、およびブレーキシュー76a,76bは、圧縮コイルばね57a,57bの弾性力に抗して、回転板52の半径方向において互いに離間する方向へ向けて一体的に移動し始める。
やがて、ブレーキシュー76a,76bの表面(制動板75a,75bと反対側の側面)の全体が、ブレーキドラム51の内周面に接触する。ブレーキシュー76a,76bは、遠心力Fが大きくなるほど、より強くブレーキドラム51の内周面に押し付けられる。これらブレーキシュー76a,76bとブレーキドラム51の内周面との間の摩擦による制動作用によって、回転板52、モータ18の出力軸18aおよび駆動プーリ31の回転速度がそれぞれ減速される。駆動プーリ31の回転速度が遅くなる分だけ、駆動プーリ31の回転エネルギは少なくなる。したがって、ベルト33の歯飛びが抑制される。
また、制動装置70(回転板52)はオルダムカップリング60を介してモータ18の出力軸18aに連結されている。このため、モータ18の出力軸18aが転舵軸13に対して傾いた場合であれ、オルダムカップリング60によってモータ18の出力軸18aと制動装置70の回転板52との偏心量(出力軸18aの傾き量)が吸収される。したがって、制動装置70の回転板52が出力軸18aと一緒に傾くことがなく、回転板52はブレーキドラム51の内部において適切な姿勢に維持される。回転板52にピストン73a,73bおよび制動板75a,75bを介して支持されるブレーキシュー76a,76bについてもブレーキドラム51の内周面に対して傾くことがない。ブレーキシュー76a,76bがブレーキドラム51の内周面に対して片当たりすることが抑制されることにより、ブレーキシュー76a,76bは遠心力Fに応じてブレーキドラム51の内周面に対して適切に接触する。
したがって、第2の実施の形態によれば、先の第1の実施の形態における(1)〜(4)の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(5)ブレーキドラム51(収容部51a)の内周面に沿って円弧状に湾曲する制動板75a,75bの円周方向における中央部分にピストン73a,73bを連結した。このため、路面からの逆入力荷重に起因してモータ18の回転が増速される場合、ブレーキシュー76a,76bの表面全体がブレーキドラム51の内周面に接触する。したがって、ブレーキシュー76a,76bの表面とブレーキドラム51の内周面との接触面積が確保されることにより、制動装置70はより大きな制動力をより安定して発生することができる。
<第3の実施の形態>
つぎに、操舵装置の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は、制動装置の構成の点で第1の実施の形態と異なり、基本的には先の図1〜図3に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。
図8および図9に示すように、制動装置80は、モータ18の出力軸18aの先端部にオルダムカップリング60を介して連結されている。制動装置80は、先の制動装置50と同様に、ブレーキドラム51、回転板52および中心ピン53を有している。ただし、ここではブレーキドラム51はケースとして機能する。また、制動装置80は、ブレーキディスク81、ブレーキキャリパ82,83、ブレーキパッド84a,84b、楔85a,85b、および引張コイルばね86a,86bを有している。
図9に示すように、ブレーキディスク81は、両端が開口した円筒状の支持部81a、および支持部81aの第1の端部における内周縁に設けられた円環状のディスク81bを有している。ディスク81bは、回転板52のハウジング11(側壁17a)と反対側の側面(図9中の左側面)に対して平行をなしている。支持部81aの外周面は、ケースとしてのブレーキドラム51(収容部51a)の内周面に嵌合した状態で固定されている。
図9に示すように、ブレーキキャリパ82,83は、回転板52における嵌合部52bと反対側の側面に設けられている。また、ブレーキキャリパ82,83は、回転板52の半径方向において互いに反対側に位置している。
ブレーキキャリパ82は、2つの制動板82a,82bを有している。これら制動板82a,82bは、矩形状の平板の上部(中心ピン53と反対側の端部)と下部(中心ピン53側の端部)が同じ方向へ屈曲されてなる。制動板82a,82bは、互いの凸状部分を突き合わせるかたちで、回転板52の支持部52cに支持された軸82cを中心として回転可能に連結されている。制動板82a,82bの下部は力点部であって、下方へ向かうにつれて互いに離間するように傾斜している。制動板82a,82bの上部は作用点部であって、互いに平行をなしている。制動板82a,82bの上部は、ブレーキディスク81のディスク81bを間に挟んで軸線方向において互いに対向している。ブレーキキャリパ83は、ブレーキキャリパ82と同様に、制動板83a,83bを有している。制動板83a,83bは、互いの凸状部分を突き合わせるかたちで、回転板52の支持部52dに支持された軸83cを中心として回転可能に連結されている。ブレーキキャリパ83は、ブレーキキャリパ82に対して上下逆向きに設けられている。
ブレーキパッド84aは、制動板82a,82bの上部におけるディスク81b側の側面に設けられている。ブレーキパッド84aとディスク81bとの間には隙間が形成されている。ブレーキパッド84bは、制動板83a,83bの下部におけるディスク81b側の側面に設けられている。ブレーキパッド84bとディスク81bとの間には隙間が形成されている。
楔85aは、上方へ向かうにつれて回転板52の軸線方向における厚みが薄くなる台形柱状をなしている。楔85aは、制動板82a,82bの下部間に介在されている。回転板52の軸線方向において、楔85aの互いに反対側に位置する2つの傾斜面は、制動板82a,82bの下部内側面に対して上下方向に摺動可能である。楔85bは、楔85aと同様の形状を有している。楔85bは、楔85aに対して上下逆向きに設けられている。
引張コイルばね86aの第1の端部は、楔85aの下底部に連結されている。引張コイルばね86aの第2の端部は、中心ピン53の第2の端部(オルダムカップリング60と反対側の端部)に連結されている。引張コイルばね86bの第1の端部は、楔85bの下底部に連結されている。引張コイルばね86aの第2の端部は、中心ピン53の第2の端部に連結されている。
なお、ディスク81bはハウジング11の外部に固定される受動部材に相当する。楔85a,85bは、回転板52と一体回転することによる遠心力に応じて回転板52の半径方向に沿って移動する移動体を構成する。ブレーキパッド84a,84bは、楔85a,85bが回転板52の半径方向における外側へ移動するにつれてディスク81bに近接して押し付けられる摩擦部材に相当する。回転板52、楔85a,85bおよびブレーキパッド84a,84bは、ハウジング11の外部においてモータ18の出力軸18aに連動して回転することによる遠心力に応じてブレーキドラム51との間で制動力を発生する制動ユニットU3を構成する。ブレーキキャリパ82は、回転板52の半径方向における外側へ向けた楔85aの移動を楔85aの移動量に応じて2つのブレーキパッド84a,84aの互いに近接する方向への移動に変換する変換機構W1に相当する。ブレーキキャリパ83は、回転板52の半径方向における外側へ向けた楔85bの移動を楔85bの移動量に応じて2つのブレーキパッド84b,84bの互いに近接する方向への移動に変換する変換機構W2に相当する。
つぎに、制動装置80の動作を説明する。
引張コイルばね86a,86bの弾性力は、電動パワーステアリング装置10として想定される通常の使用状態においてモータ18の駆動に伴い楔85a,85bに作用する遠心力Fよりも大きな値に設定される。したがって、電動パワーステアリング装置10の通常の使用時において、楔85a,85bが、引張コイルばね86a,86bの弾性力に抗して、回転板52の半径方向における外側(互いに離間する方向)へ向けて移動することはない。
モータ18の駆動を通じて転舵軸13の動作が補助されている場合において、たとえば路面からの逆入力荷重が、転舵軸13の動作が補助されている方向と同じ方向へ向けて作用するとき、モータ18の回転速度が増速される。このモータ18の回転速度の増速に伴い、回転板52、ひいては楔85a,85bの回転速度も増加する。これら楔85a,85bに作用する遠心力Fが引張コイルばね86a,86bの弾性力よりも大きな値に達した以降、楔85a,85bは引張コイルばね86a,86bの弾性力に抗して、回転板52の半径方向において互いに離間する方向へ向けて移動し始める。
制動板82a,82bの力点部(図9中の下部)間において楔85aが軸82c側へ向けて食い込むかたちで移動するにつれて、制動板82aは軸82cを中心として反時計方向へ回転する一方、制動板82bは軸82cを中心として時計方向へ回転する。すなわち、制動板82aの力点部(図9中の下部)と制動板82bの力点部(図9中の下部)とは互いに離間する方向へ向けて押し広げられる一方、制動板82aの作用点部(図9中の上部)と制動板82bの作用点部(図9中の上部)とは互いに近接する方向へ向けて移動する。
制動板83a,83bの力点部(図9中の上部)間において楔85bが軸83c側へ向けて食い込むかたちで移動するにつれて、制動板83aは軸83cを中心として時計方向へ回転する一方、制動板83bは軸83cを中心として反時計方向へ回転する。すなわち、制動板83aの力点部(図9中の上部)と制動板83bの力点部(図9中の上部)とは互いに離間する方向へ向けて押し広げられる一方、制動板83aの作用点部(図9中の下部)と制動板83bの作用点部(図9中の下部)とは互いに近接する方向へ向けて移動する。
やがて、制動板82a,82bの作用点部に設けられたブレーキパッド84a,84a、ならびに制動板83a,83bの作用点部に設けられたブレーキパッド84b,84bが、ブレーキディスク81のディスク81bを挟み込むかたちでディスク81bの両面に接触する。楔85a,85bは、遠心力Fが大きくなるほど軸82c,83c側へ向けて食い込むかたちで移動しようとする。このため、ブレーキパッド84a,84aおよびブレーキパッド84b,84bは、遠心力Fが大きくなるほど、より強くディスク81bの両面に押し付けられる。
ブレーキパッド84a,84aとディスク81bとの間、およびブレーキパッド84b,84bとディスク81bとの間の摩擦による制動作用によって、回転板52、モータ18の出力軸18aおよび駆動プーリ31の回転速度がそれぞれ減速される。駆動プーリ31の回転速度が遅くなる分だけ、駆動プーリ31の回転エネルギは少なくなる。したがって、ベルト33の歯飛びが抑制される。
また、制動装置80(回転板52)はオルダムカップリング60を介してモータ18の出力軸18aに連結されている。このため、モータ18の出力軸18aが転舵軸13に対して傾いた場合であれ、オルダムカップリング60によってモータ18の出力軸18aと制動装置80の回転板52との偏心量(出力軸18aの傾き量)が吸収される。したがって、制動装置80の回転板52が出力軸18aと一緒に傾くことがなく、回転板52はブレーキドラム51の内部において適切な姿勢に維持される。回転板52にブレーキキャリパ83を介して支持されるブレーキパッド84a,84aについてもディスク81bに対して傾くことがない。ブレーキパッド84a,84aがディスク81bに対して片当たりすることが抑制されることにより、ブレーキパッド84a,84aは遠心力Fに応じてディスク81bに対して適切に接触する。
したがって、第3の実施の形態によれば、先の第1の実施の形態における(1)〜(4)と同様の効果を得ることができる。
<第4の実施の形態>
つぎに、操舵装置の第4の実施の形態を説明する。本実施の形態は、制動装置の構成の点で第1の実施の形態と異なり、基本的には先の図1〜図3に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。
図10に示すように、制動装置90は、モータ18の出力軸18aの先端部にオルダムカップリング60を介して連結されている。制動装置90は、先の制動装置50と同様に、ブレーキドラム51を有している。ただし、ここではブレーキドラム51はケースとして機能する。また、制動装置90は、支持軸91、2つの回転板92,93、複数のボール94、2つの摩擦板95,96、および圧縮コイルばね97を有している。
支持軸91の第1の端部(図10中の右端部)は、オルダムカップリング60の第2の継手部材62の取付穴62b(図3参照)に嵌合された状態で固定されている。支持軸91の第2の端部(図10中の左端部)とケースとしてのブレーキドラム51(収容部51a)の内底面との間には隙間が形成されている。
回転板92は円形状に設けられている。回転板92の中央部には円形の孔92aが設けられている。回転板92は、支持軸91におけるオルダムカップリング60と反対側の端部(図10中の左端部)が孔92aに挿入された状態で固定されている。回転板92のオルダムカップリング60と反対側の端面(図10中の左端面)と、支持軸91におけるオルダムカップリング60と反対側の端面とは面一(段差がない状態)である。また、図11に示すように、回転板92のオルダムカップリング60側の側面には、複数(ここでは4つ)の溝92bが設けられている。各溝92bは回転板92の円周方向において等間隔を空けて設けられている。図10に示すように、溝92bの内底面には、回転板92の半径方向においてその外周から中心へ向かうにつれて回転板92の厚みが薄くなるように傾斜する傾斜面が設けられている。
図10に示すように、回転板93は円形状に設けられている。回転板93は、回転板92とハウジング11の側壁17aとの間に設けられている。回転板93の中央部には円形の孔93aが設けられている。回転板93の孔93aには支持軸91が挿通されている。回転板93は、支持軸91に対してその軸線方向に沿って摺動可能、かつ支持軸91と一体回転可能に設けられている。回転板93の軸線方向において互いに反対側に位置する2つの側面は、互いに平行な平面である。
ボール94は、回転板92の溝92bに嵌った状態で、2つの回転板92,93により挟み込まれている。モータ18が停止している状態において、ボール94は支持軸91の外周面に接触した状態に維持される。
摩擦板95は、支持軸91が貫通した状態で回転板93の側壁17a側の側面(図10中における右側面)に固定されている。摩擦板95も、回転板93と同様に、支持軸91に対してその軸線方向に沿って摺動可能、かつ支持軸91と一体回転可能に設けられている。摩擦板95の外径は、回転板93の外径よりも大きく設定されている。
摩擦板96は、ハウジング11の側壁17aにおける摩擦板95側(図10中の左側)の側面に固定されている。摩擦板96は、支持軸91の軸線方向において摩擦板95と対向している。摩擦板96の外径は、摩擦板95の外径と同じ長さに設定されている。摩擦板96の中央部には円形の孔96aが設けられている。孔96aの内径は、ハウジング11の側壁17aに設けられた貫通孔17bの内径よりも大きく設定されている。摩擦板96の孔96aにはオルダムカップリング60が挿通されている。
圧縮コイルばね97は、摩擦板95のハウジング11の側壁17a側(図10中の右側)の側面と、ハウジング11の側壁17aにおける摩擦板96の孔96aから露出する部分との間に介在されている。圧縮コイルばね97は、モータ18の停止状態において、無負荷状態、あるいは若干圧縮された状態に維持される。圧縮コイルばね97には、オルダムカップリング60の一部分および支持軸91の一部分が挿通されている。
なお、回転板92は、ハウジング11の外部においてモータ18の出力軸18aに連動して回転する回転部材であって、支持軸91の外周面に固定される第1の回転部材に相当する。回転板93は、支持軸91の外周面に対して一体回転可能かつ支持軸91の軸方向に沿って摺動可能に設けられるとともにハウジング11(側壁17a)の外側面に軸方向において弾性的に支持される第2の回転部材に相当する。ボール94は、回転板92と一体回転することによる遠心力に応じて回転板92の半径方向に沿って移動する移動体に相当する。摩擦板95は、ボール94が回転板92の半径方向における外側へ向けて移動するにつれて摩擦板96に近接して押し付けられる摩擦部材であって、回転板93におけるハウジング11(側壁17a)側の側面に設けられる第1の摩擦部材に相当する。摩擦板96は、ハウジング11(側壁17a)の外側面に設けられて摩擦板95と軸方向において対向する第2の摩擦部材であって、ハウジング11の外部に固定される受動部材に相当する。支持軸91、回転板92,93、ボール94、および摩擦板95は、ハウジング11の外部においてモータ18の出力軸18aに連動して回転することによる遠心力に応じて摩擦板96との間で制動力を発生する制動ユニットU4を構成する。
つぎに、制動装置90の動作を説明する。
モータ18の駆動に伴い回転板92,93、各ボール94および摩擦板95は出力軸18aと一体的に回転する。各ボール94に遠心力Fが作用することにより、各ボール94は回転板92の半径方向における外周側(出力軸18aから離れる方向)へ向けて移動しようとする。ここで、圧縮コイルばね97の弾性力は、電動パワーステアリング装置10として想定される通常の使用状態においてモータ18の駆動に伴い各ボール94に作用する遠心力Fのうち、各溝92bの内底面である傾斜面の傾きに応じた軸線方向の分力よりも大きな値に設定される。したがって、電動パワーステアリング装置10の通常の使用時において、各ボール94が回転板92の半径方向における外周側へ向けて移動すること、ひいては回転板93および摩擦板95が回転板92から離れる方向へ向けて移動することはない。
モータ18の駆動を通じて転舵軸13の動作が補助されている場合において、たとえば路面からの逆入力荷重が、転舵軸13の動作が補助されている方向と同じ方向へ向けて作用するとき、モータ18の回転速度が増速される。このモータ18の回転速度の増速に伴い、回転板92,93、各ボール94および摩擦板95の回転速度も増加する。
このモータ18の回転速度の増速に伴い、各ボール94に作用する遠心力Fのうち、各溝92bの内底面(傾斜面)の傾きに応じた軸線方向の分力が圧縮コイルばね97の弾性力よりも大きな値に達した以降、各ボール94は回転板92と回転板93との間隔を押し広げるかたちで、回転板92の半径方向における外周側へ向けて移動する。回転板92は支持軸91に対して固定されているため、各ボール94が回転板92の半径方向における外周側へ向けて移動することに伴い、回転板93および摩擦板95は圧縮コイルばね97の弾性力に抗して摩擦板96に対して近接する方向へ向けて移動する。
ボール94に作用する遠心力Fが大きくなるほど、ボール94は回転板92の半径方向におけるより外周側へ移動する。また、ボール94が回転板92の半径方向における外周に近づくほど、摩擦板95は摩擦板96に近づく。
図12に示すように、やがて各ボール94が各溝92bに案内されつつ回転板92の半径方向における外周付近に達し、このタイミングで摩擦板95が摩擦板96に接触する。摩擦板95と摩擦板96との間の摩擦による制動作用によって、モータ18の出力軸18aおよび駆動プーリ31の回転速度がそれぞれ減速される。駆動プーリ31の回転速度が遅くなる分だけ、駆動プーリ31の回転エネルギは少なくなる。したがって、ベルト33の歯飛びが抑制される。
なお、モータ18の出力軸18aおよび駆動プーリ31の回転速度が遅くなるにつれて、各ボール94に作用する遠心力Fは小さくなる。このため、各ボール94は、遠心力Fの減少に応じて各溝92b内を出力軸18aに対して近づく方向へ向けて移動する。これに伴い、回転板93および摩擦板95は、圧縮コイルばね97の弾性力により回転板92へ近づく方向へ向けて移動する。回転板93は、各ボール94に接触した状態を維持しつつ回転板92へ近づく方向へ向けて移動する。やがて回転板93および摩擦板95は図10に示される原位置に復帰する。摩擦板95と摩擦板96とは、再び離間した状態に維持される。
また、制動装置90の支持軸91はオルダムカップリング60を介してモータ18の出力軸18aに連結されている。このため、モータ18の出力軸18aが転舵軸13に対して傾いた場合であれ、オルダムカップリング60によってモータ18の出力軸18aと制動装置90の支持軸91との偏心量(出力軸18aの傾き量)が吸収される。このため、支持軸91、回転板92,93および摩擦板95が出力軸18aと一緒に傾くことがなく、これら支持軸91、回転板92,93および摩擦板95はケースとしてのブレーキドラム51の内部において適切な姿勢に維持される。摩擦板95が摩擦板96に対して片当たりすることが抑制されることにより、摩擦板95は遠心力Fに応じて摩擦板96に対して適切に接触する。
したがって、第4の実施の形態によれば、先の第1の実施の形態における(1)〜(4)の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(6)路面からの逆入力荷重に起因してモータ18の回転が増速される場合、モータ18の出力軸18aの軸方向において互いに対向する2つの摩擦板95,96が、ボール94に作用する遠心力Fに応じて互いに摩擦係合する。このため、2つの摩擦板95,96の接触面積を確保しやすく、制動装置90はより大きな制動力をより安定して発生することができる。
<他の実施の形態>
なお、第1〜第4の実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・第4の実施の形態では、回転板92に溝92bを設けたが、回転板93における回転板92側の側面に溝92bを設けてもよい。このようにしても、回転板92と回転板93との間において、各ボール94を回転板92,93の半径方向に沿って案内することができる。
・第1の実施の形態において、制動装置50として2組のヒンジ54,55、圧縮コイルばね57a,57b、およびブレーキシュー58a,58bを有する構成を採用したが、1組または3組以上のヒンジ、圧縮コイルばね、およびブレーキシューを有する構成を採用してもよい。また、第2の実施の形態において、制動装置70として2組のピストン73a,73b、引張コイルばね74a,74b、制動板75a,75b、およびブレーキシュー76a,76bを有する構成を採用したが、1組あるいは3組以上のピストン、引張コイルばね、制動板、およびブレーキシューを有する構成を採用してもよい。また、第3の実施の形態において、制動装置80として、2組のブレーキキャリパ82,83、ブレーキパッド84a,84b、楔85a,85b、および引張コイルばね86a,86bを有する構成を採用したが、1組あるいは3組以上のブレーキキャリパ、ブレーキパッド、楔、および引張コイルばねを有する構成を採用してもよい。
・第1〜第4の実施の形態では、モータ18の出力軸18aの先端部にオルダムカップリング60を介して制動装置50,70,80,90を連結したが、駆動プーリ31の先端部にオルダムカップリング60を介して制動装置50,70,80,90を連結してもよい。この場合、出力軸18aは駆動プーリ31をその軸方向に沿って貫通しないように設ける。また、駆動プーリ31にはオルダムカップリング60の第1の継手部材61に対する突部などの連結部分を設ける。
・第1〜第4の実施の形態において、縁石乗り上げ等に伴う大きな逆入力荷重が転舵軸13に作用することによって転舵軸13が軸方向に移動した場合、インナーボールジョイント16のソケット16aがハウジング11の端部に当接する、いわゆるエンド当てが生じることがある。このエンド当ての際の衝撃を低減するために、つぎの構成を採用してもよい。すなわち、図13に示すように、ハウジング11の本体12の両端部には拡径部12aが設けられている。この拡径部12aの内部にはエンドダンパ101が設けられている。エンドダンパ101は、ゴムなどの弾性体の軸方向における両側面が金属プレートにより挟み込まれてなる。転舵軸13の軸方向における移動範囲は、インナーボールジョイント16のソケット16aがエンドダンパ101に突き当たることによって物理的に制限される。エンド当ての際には、弾性体が拡径部12aの内底面とソケット16aとに挟み込まれて圧縮されることにより衝撃荷重が吸収される。また、ボールナット42の回転を緩やかに吸収し停止させることができるため、ベルト33の歯跳びを抑える効果を奏する。
このように、エンドダンパ101は、エンド当て時におけるストローク(弾性体の圧縮量)を確保できるため、ベルト33の歯飛びを抑えるうえで有効な手段である。このため、電動パワーステアリング装置10として、制動装置50,70,80,90に代えて、エンドダンパ101を有する構成を採用することも考えられる。しかし、車両の体格によってはエンドダンパ101を設けるだけではベルト33の歯飛びを十分に抑えられないおそれがある。すなわち、車両の体格が大きくなるほど、より大きな体格で高出力のモータ18が採用される。この場合、モータ18の回転エネルギがより大きくなることにより、エンドダンパ101だけではベルト33の歯飛びを抑制しきれないことが懸念される。したがって、電動パワーステアリング装置10にエンドダンパ101が設けられる場合であれ、電動パワーステアリング装置10としてモータ18の回転エネルギを吸収する制動装置50,70,80,90を有する構成を採用することが好ましい。
・第1〜第4の実施の形態において、オルダムカップリング60に代えて、自在継手を採用してもよい。自在継手は、出力軸18aを制動装置50,70,80の回転板52、および制動装置90の支持軸91に対してベルト33の張力Tが作用する方向(出力軸18aの軸方向に直交する方向)に沿って揺動可能に連結する。また、オルダムカップリング60に代えて、ディスクタイプのカップリングを採用してもよい。ディスクタイプのカップリングは、2つの継手部材の間に板ばね(ディスク)が介在されてなるものであって、板ばねのたわみを利用して軸芯のずれを吸収する。このようにしても、モータ18の出力軸18aと制動装置50,70,80の回転板52との偏心量、ならびにモータ18の出力軸18aと制動装置90の支持軸91との偏心量を吸収することが可能である。
・第1〜第4の実施の形態では、操舵装置を電動パワーステアリング装置10に具体化したが、ステアリングホイールと転舵輪との間の動力伝達が分離されたステアバイワイヤ(SBW)方式の操舵装置(転舵アクチュエータ)に具体化してもよい。この場合、モータ18は、転舵輪を転舵させるための転舵力を発生する転舵モータとして機能する。ちなみに、操舵装置をステアバイワイヤ方式の操舵装置に具体化する場合、前輪操舵装置としてだけでなく後輪操舵装置あるいは4輪操舵装置(4WS)として具体化することもできる。
10…電動パワーステアリング装置、11…ハウジング、W…転舵輪、13…転舵軸、18…モータ、18a…出力軸、31…駆動プーリ、32…従動プーリ、33…ベルト、42…ボールナット、43…ボール、50,70,80,90…制動装置、51…ブレーキドラム(受動部材)、52…回転板(回転部材)、53…中心ピン、54,55…ヒンジ(移動体)、57a,57b…圧縮コイルばね、58a,58b…ブレーキシュー(摩擦部材)、60…オルダムカップリング(継手)、ピストン73a,73b…移動体を構成するピストン、74a,74b…引張りコイルばね、75a,75b…移動体を構成する制動板、76a,76b…ブレーキシュー(摩擦部材)、81b…ディスク(受動部材)、82,83…ブレーキキャリパ(変換機構)、84a,84b…ブレーキパッド(摩擦部材)、85a,85b…楔(移動体)、86a,86b…引張りコイルばね、91…支持軸、92…回転板(第1の回転部材)、93…回転板(第2の回転部材)、94…ボール(移動体)、95…摩擦板(第1の摩擦部材)、96…摩擦板(第2の摩擦部材、受動部材)、97…圧縮コイルばね、U1,U2,U3,U4…制動ユニット、W1,W2…変換機構。

Claims (12)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングの内部で直線運動することにより転舵輪を転舵させる転舵軸と、
    前記ハウジングの外部から内部へ挿入される出力軸を有するモータと、
    前記ハウジングの内部で前記出力軸と一体回転する歯付きの駆動プーリと、
    前記転舵軸に多数のボールを介して螺合された状態で前記ハウジングの内周面に対して回転可能に支持されるボールナットと、
    前記ハウジングの内部で前記ボールナットと一体回転する歯付きの従動プーリと、
    前記駆動プーリと前記従動プーリとに巻き掛けられる歯付きのベルトと、
    前記ハウジングの外部に固定される受動部材、および前記ハウジングの外部において前記出力軸に連動して回転することによる遠心力に応じて前記受動部材との間で制動力を発生する制動ユニットを有する制動装置と、
    前記制動ユニットに対して前記出力軸または前記駆動プーリを軸方向に対して直交する方向に沿って揺動可能に連結する継手と、を有している操舵装置。
  2. 前記制動ユニットは、
    前記ハウジングの外部において前記出力軸に連動して回転する円形の回転部材と、
    前記回転部材と一体回転することによる遠心力に応じて前記回転部材の半径方向に沿って移動する移動体と、
    前記移動体が前記回転部材の半径方向における外側へ移動するにつれて前記受動部材に近接して押し付けられる摩擦部材と、を有している請求項1に記載の操舵装置。
  3. 前記移動体および前記摩擦部材を1組とする複数組の前記移動体および前記摩擦部材を有し、各組の前記移動体および前記摩擦部材は前記回転部材の回転方向において等間隔をあけて設けられている請求項2に記載の操舵装置。
  4. 前記受動部材は、円筒状のブレーキドラムであり、
    前記移動体は、前記ブレーキドラムの内周面に沿って湾曲するとともに、前記回転部材の前記ハウジングと反対側の側面に対して第1の端部が回転可能かつ前記ブレーキドラムの半径方向において弾性的に支持される一方、第2の端部が自由端として設けられたヒンジであり、
    前記摩擦部材は、前記ヒンジの外周面に設けられている請求項2または請求項3に記載の操舵装置。
  5. 前記制動ユニットは、
    前記継手の前記出力軸または前記駆動プーリと反対側の端部に連結される中心ピンと、
    前記ヒンジの第1の端部と前記中心ピンとの間に連結されて前記ヒンジの第1の端部を前記ブレーキドラムの半径方向において弾性的に支持する圧縮コイルばねと、を有している請求項4に記載の操舵装置。
  6. 前記受動部材は、円筒状のブレーキドラムであり、
    前記移動体は、前記ブレーキドラムの半径方向において弾性的に支持されたピストン、および前記ブレーキドラムの内周面に沿って湾曲するとともにその中央部において前記ピストンにおける前記ブレーキドラムの内周面側の端部に連結された制動板を有するものであり、
    前記摩擦部材は、前記制動板の外周面に設けられている請求項2または請求項3に記載の操舵装置。
  7. 前記制動ユニットは、
    前記継手の前記出力軸または前記駆動プーリと反対側の端部に連結される中心ピンと、
    前記ピストンにおける前記ブレーキドラムの内周面と反対側の端部と前記中心ピンとの間に連結されて前記ピストンを前記ブレーキドラムの半径方向において弾性的に支持する引張りコイルばねと、を有している請求項6に記載の操舵装置。
  8. 前記受動部材は前記ハウジングの内部において前記回転部材の前記ハウジングと反対側の側面に対して平行に支持されるディスクであること、および
    前記移動体は前記回転部材の半径方向において弾性的に支持された楔であること、および
    前記摩擦部材は前記ディスクの互いに反対側に位置する2つの側面に対してそれぞれ接離可能に対向して設けられていること、を前提として、
    前記制動ユニットは、前記回転部材の半径方向における外側へ向けた前記楔の移動を当該楔の移動量に応じて2つの前記摩擦部材の互いに近接する方向への移動に変換する変換機構を有している請求項2または請求項3に記載の操舵装置。
  9. 前記制動ユニットは、
    前記継手の前記出力軸または前記駆動プーリと反対側の端部に連結される中心ピンと、
    前記楔と前記中心ピンとの間に連結されて前記楔を前記回転部材の半径方向において弾性的に支持する引張りコイルばねと、を有している請求項8に記載の操舵装置。
  10. 前記制動ユニットは、前記継手の前記出力軸または前記駆動プーリと反対側の端部に連結される支持軸を有すること、ならびに
    前記回転部材は、前記支持軸の外周面に固定された第1の回転部材と、前記支持軸の外周面に対して一体回転可能かつ前記支持軸の軸方向に沿って摺動可能に設けられるとともに前記ハウジングの外側面に軸方向において弾性的に支持される第2の回転部材とを有すること、ならびに
    前記移動体は、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に介在されるとともに、前記第1の回転部材における前記第2の回転部材側の側面、または前記第2の回転部材における前記第1の回転部材側の側面に設けられた半径方向に沿って延びる溝に案内されるボールであること、ならびに
    前記溝の内底面は、前記第1の回転部材または前記第2の回転部材の半径方向における外側へ向かうにつれて前記第2の回転部材または前記第1の回転部材との間の軸方向における距離が短くなるように傾斜していること、を前提として、
    前記摩擦部材は、前記第2の回転部材における前記ハウジング側の側面に設けられるものであって、
    前記受動部材は、前記摩擦部材を第1の摩擦部材とするとき、前記ハウジングの外側面に設けられて前記第1の摩擦部材と軸方向において対向する第2の摩擦部材である請求項2または請求項3に記載の操舵装置。
  11. 前記制動ユニットは、
    前記第2の回転部材における前記ハウジング側の側面と、前記ハウジングの外側面との間に設けられて前記第2の回転部材をその軸方向において弾性的に支持する圧縮コイルばねを有している請求項10に記載の操舵装置。
  12. 前記継手は、オルダムカップリングである請求項1〜請求項11のうちいずれか一項に記載の操舵装置。
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