JP2020066696A - 液状樹脂組成物並びに電子部品装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】充填性に優れる液状樹脂組成物の提供。【解決手段】液状樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された平均粒子径が50nmを超え150nm以下の第一のシリカ粒子、及び、(D)平均粒子径が0.2μm〜5μmの第二のシリカ粒子を含み、前記(C)第一のシリカ粒子及び前記(D)第二のシリカ粒子の合計の占める割合が、40質量%〜80質量%であり、前記(C)第一のシリカ粒子及び前記(D)第二のシリカ粒子の質量基準の比率((D)第二のシリカ粒子/(C)第一のシリカ粒子)が、5〜600である。【選択図】なし
Description
本発明は、液状樹脂組成物並びに電子部品装置及びその製造方法に関する。
従来から、トランジスタ、IC(Integrated Circuit)等の電子部品装置の素子封止の分野では、生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、様々な種類の樹脂組成物が適用されている。それらの中で、エポキシ樹脂が作業性、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性にバランスがとれているため、広く用いられている。COB(Chip on Board)、COG(Chip on Glass)、TCP(Tape Carrier Package)等のベアチップ実装した半導体装置においては、電子部品用液状樹脂組成物が封止材として広く使用されている。また、半導体素子をセラミック、ガラス/エポキシ樹脂、ガラス/イミド樹脂、ポリイミドフィルム等を基板とする配線基板上に直接バンプ接続してなる半導体装置(フリップチップ)では、バンプ接続した半導体素子と配線基板の間隙(ギャップ)を充填するアンダーフィル材として電子部品用液状樹脂組成物が使用されている。これらの電子部品用液状樹脂組成物は電子部品を温湿度、機械的な外力等から保護するために重要な役割を果たしている。
例えば、耐湿接着力、低応力性に優れた封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれにより封止された素子を備えた信頼性(耐湿性、耐熱衝撃性)の高い電子部品装置を提供するため、(A)液状エポキシ樹脂、(B)液状芳香族アミンを含む硬化剤、(C)ゴム粒子、(D)無機充填材を含有してなる封止用エポキシ樹脂組成物、及びこの封止用エポキシ樹脂組成物により封止された素子を備えた電子部品装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、半導体の進歩は著しく、バンプ接続を行うフリップチップ方式ではバンプ数の増加に伴いバンプピッチ及びバンプ高さが小さくなり、結果として狭ギャップ化が進んでいる。半導体の高集積化に伴いチップサイズも大きくなり、アンダーフィル材には狭ギャップで大面積の空隙を均一に充填する特性が求められてきている。
本発明の一形態は、上記従来の事情に鑑みなされたものであり、充填性に優れる液状樹脂組成物並びにこれにより封止された電子部品装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された平均粒子径が50nmを超え150nm以下の第一のシリカ粒子、及び、(D)平均粒子径が0.2μm〜5μmの第二のシリカ粒子を含み、
前記(C)第一のシリカ粒子及び前記(D)第二のシリカ粒子の合計の占める割合が、40質量%〜80質量%であり、
前記(C)第一のシリカ粒子及び前記(D)第二のシリカ粒子の質量基準の比率((D)第二のシリカ粒子/(C)第一のシリカ粒子)が、5〜600である液状樹脂組成物。
<2> 前記(A)エポキシ樹脂の25℃における粘度が、1000Pa・s以下である<1>に記載の液状樹脂組成物。
<3> 前記(B)硬化剤が、アミン系硬化剤を含む<1>又は<2>に記載の液状樹脂組成物。
<4> イオントラップ剤を含有する<1>〜<3>のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物。
<5> 硬化促進剤を含有する<1>〜<4>のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物。
<6> 酸化防止剤を含有する<1>〜<5>のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物。
<7> 揮発分の含有率が、5質量%以下である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物。
<8> 回路層を有する基板と、
前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品と、
前記基板と前記電子部品との間隙に配置された<1>〜<7>のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物の硬化物と、
を備える電子部品装置。
<9> 回路層を有する基板と、前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品とを、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物を用いて封止する工程を有する電子部品装置の製造方法。
<1> (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された平均粒子径が50nmを超え150nm以下の第一のシリカ粒子、及び、(D)平均粒子径が0.2μm〜5μmの第二のシリカ粒子を含み、
前記(C)第一のシリカ粒子及び前記(D)第二のシリカ粒子の合計の占める割合が、40質量%〜80質量%であり、
前記(C)第一のシリカ粒子及び前記(D)第二のシリカ粒子の質量基準の比率((D)第二のシリカ粒子/(C)第一のシリカ粒子)が、5〜600である液状樹脂組成物。
<2> 前記(A)エポキシ樹脂の25℃における粘度が、1000Pa・s以下である<1>に記載の液状樹脂組成物。
<3> 前記(B)硬化剤が、アミン系硬化剤を含む<1>又は<2>に記載の液状樹脂組成物。
<4> イオントラップ剤を含有する<1>〜<3>のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物。
<5> 硬化促進剤を含有する<1>〜<4>のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物。
<6> 酸化防止剤を含有する<1>〜<5>のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物。
<7> 揮発分の含有率が、5質量%以下である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物。
<8> 回路層を有する基板と、
前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品と、
前記基板と前記電子部品との間隙に配置された<1>〜<7>のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物の硬化物と、
を備える電子部品装置。
<9> 回路層を有する基板と、前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品とを、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物を用いて封止する工程を有する電子部品装置の製造方法。
本発明の一形態によれば、充填性に優れる液状樹脂組成物並びにこれにより封止された電子部品装置及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
<液状樹脂組成物>
本開示の液状樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された平均粒子径が50nmを超え150nm以下の第一のシリカ粒子、及び、(D)平均粒子径が0.2μm〜5μmの第二のシリカ粒子を含み、前記(C)第一のシリカ粒子及び前記(D)第二のシリカ粒子の合計の占める割合が、40質量%〜80質量%であり、前記(C)第一のシリカ粒子及び前記(D)第二のシリカ粒子の質量基準の比率((D)第二のシリカ粒子/(C)第一のシリカ粒子)が、5〜600である。
本開示の液状樹脂組成物は、充填性に優れる。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
平均粒子径が50nmを超え150nm以下のシリカ粒子を、エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理することで、シリカ粒子とエポキシ樹脂との濡れ性が向上する。また、平均粒子径が50nmを超え150nm以下のシリカ粒子と平均粒子径が0.2μm〜5μmのシリカ粒子とを所定の割合で併用することで、シリカ粒子全体としての流動性が向上する。これらの理由から液状樹脂組成物の流動性が向上し、その結果として液状樹脂組成物の粘度が低下するため、本開示の液状樹脂組成物は充填性に優れるものになると推察される。
本開示の液状樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された平均粒子径が50nmを超え150nm以下の第一のシリカ粒子、及び、(D)平均粒子径が0.2μm〜5μmの第二のシリカ粒子を含み、前記(C)第一のシリカ粒子及び前記(D)第二のシリカ粒子の合計の占める割合が、40質量%〜80質量%であり、前記(C)第一のシリカ粒子及び前記(D)第二のシリカ粒子の質量基準の比率((D)第二のシリカ粒子/(C)第一のシリカ粒子)が、5〜600である。
本開示の液状樹脂組成物は、充填性に優れる。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
平均粒子径が50nmを超え150nm以下のシリカ粒子を、エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理することで、シリカ粒子とエポキシ樹脂との濡れ性が向上する。また、平均粒子径が50nmを超え150nm以下のシリカ粒子と平均粒子径が0.2μm〜5μmのシリカ粒子とを所定の割合で併用することで、シリカ粒子全体としての流動性が向上する。これらの理由から液状樹脂組成物の流動性が向上し、その結果として液状樹脂組成物の粘度が低下するため、本開示の液状樹脂組成物は充填性に優れるものになると推察される。
以下、液状樹脂組成物を構成する各成分について説明する。本開示の液状樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された平均粒子径が50nmを超え150nm以下の第一のシリカ粒子、及び、(D)平均粒子径が0.2μm〜5μmの第二のシリカ粒子を含み、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
−エポキシ樹脂−
本開示の液状樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂を含有する。(A)成分のエポキシ樹脂は、液状樹脂組成物に、硬化性及び接着性を付与し、液状樹脂組成物の硬化物に、耐熱性及び耐久性を付与する。エポキシ樹脂は液状エポキシ樹脂であることが好ましい。本開示においては、液状エポキシ樹脂と共に固形エポキシ樹脂を併用することもできる。
本開示の液状樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂を含有する。(A)成分のエポキシ樹脂は、液状樹脂組成物に、硬化性及び接着性を付与し、液状樹脂組成物の硬化物に、耐熱性及び耐久性を付与する。エポキシ樹脂は液状エポキシ樹脂であることが好ましい。本開示においては、液状エポキシ樹脂と共に固形エポキシ樹脂を併用することもできる。
なお、液状エポキシ樹脂とは、常温(25℃)において液状のエポキシ樹脂であることを意味する。具体的には、25℃において、E型粘度計で測定される粘度が1000Pa・s以下であることを意味する。上記粘度は、具体的には、E型粘度計EHD型(コーン角度3°、コーン直径28mm)を用いて、測定温度:25℃、サンプル容量:0.7ml、以下を参考に回転数をサンプルの想定される粘度に合わせて設定の上、測定開始から1分経過後の測定値とする。
(1)想定される粘度が100Pa・s〜1000Pa・sの場合:回転数0.5回転/分
(2)想定される粘度が100Pa・s未満の場合:回転数5回転/分
また、固形エポキシ樹脂とは常温(25℃)において固体状のエポキシ樹脂であることを意味する。
(1)想定される粘度が100Pa・s〜1000Pa・sの場合:回転数0.5回転/分
(2)想定される粘度が100Pa・s未満の場合:回転数5回転/分
また、固形エポキシ樹脂とは常温(25℃)において固体状のエポキシ樹脂であることを意味する。
エポキシ樹脂の種類は特に限定されるものではない。エポキシ樹脂としては、ナフタレン型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、水添ビスフェノールA等のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を代表とする、フェノール類とアルデヒド類とのノボラック樹脂をエポキシ化したもの;フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロロヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸、アミノフェノール等のアミン化合物とエピクロロヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、アルキレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(アルキレングリコール)ジグリシジルエーテル、アルケニレングリコールジグリシジルエーテル等の分子内にエポキシ基を2つ有する二官能脂肪族エポキシ化合物が挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、アルキレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(アルキレングリコール)ジグリシジルエーテル、アルケニレングリコールジグリシジルエーテル等の分子内にエポキシ基を2つ有する二官能脂肪族エポキシ化合物が挙げられる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、粘度調整の観点から、80g/eq〜400g/eqであることが好ましく、85g/eq〜350g/eqであることがより好ましく、90g/eq〜320g/eqであることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、秤量したエポキシ樹脂をメチルエチルケトン等の溶媒に溶解させ、酢酸と臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加えた後、過塩素酸酢酸標準液によって電位差滴定することにより測定される。この滴定には、指示薬を用いてもよい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、秤量したエポキシ樹脂をメチルエチルケトン等の溶媒に溶解させ、酢酸と臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加えた後、過塩素酸酢酸標準液によって電位差滴定することにより測定される。この滴定には、指示薬を用いてもよい。
エポキシ樹脂としては、市販品を用いてもよい。エポキシ樹脂の市販品の具体例としては、三菱ケミカル株式会社製アミン型エポキシ樹脂(品名:jER630)、新日鉄住金化学株式会社製ビスフェノールF型エポキシ樹脂(品名:YDF−8170C)、新日鉄住金化学株式会社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(品名:YD−128)、DIC株式会社製ナフタレン型エポキシ樹脂(品名:HP−4032D)、商品名「エポゴーセーPT(一般グレード)」(四日市合成株式会社、ポリテトラメチレングリコールのジグリシジルエーテル、数平均分子量700〜800)等が挙げられる。エポキシ樹脂は、これら具体例に限定されるものではない。エポキシ樹脂は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂の含有率は特に限定されるものではなく、例えば、液状樹脂組成物の固形分に占める割合として、5質量%〜30質量%であることが好ましく、7質量%〜28質量%であることがより好ましく、10質量%〜25質量%であることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂の含有率は特に限定されるものではなく、例えば、液状樹脂組成物の固形分に占める割合として、5質量%〜30質量%であることが好ましく、7質量%〜28質量%であることがより好ましく、10質量%〜25質量%であることがさらに好ましい。
−硬化剤−
本開示の液状樹脂組成物は、(B)硬化剤を含有する。(B)成分の硬化剤は、エポキシ樹脂とともに重合反応するものであればよく、液状樹脂組成物が室温(25℃)で流動性を有するならば、液体状のものでも固体状のものでも使用可能である。
硬化剤としては、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が挙げられる。これらの中でも、硬化剤としては、アミン系硬化剤が好ましい。
本開示の液状樹脂組成物は、(B)硬化剤を含有する。(B)成分の硬化剤は、エポキシ樹脂とともに重合反応するものであればよく、液状樹脂組成物が室温(25℃)で流動性を有するならば、液体状のものでも固体状のものでも使用可能である。
硬化剤としては、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が挙げられる。これらの中でも、硬化剤としては、アミン系硬化剤が好ましい。
アミン系硬化剤としては、鎖状脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、脂肪芳香族アミン、芳香族アミン等が挙げられ、耐熱性と電気特性の面から芳香族アミンであることが好ましく、芳香環に直接アミノ基が結合しており、前記芳香環が1分子中に1個又は2個含まれる芳香族アミンであることがより好ましい。
アミン系硬化剤としては、具体的には、m−フェニレンジアミン、1,3−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノアニソール等の芳香環が1個の芳香族アミン硬化剤;4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香環が2個の芳香族アミン硬化剤;芳香族アミン硬化剤の加水分解縮合物;ポリテトラメチレンオキシドジ−p−アミノ安息香酸エステル、ポリテトラメチレンオキシドジパラアミノベンゾエート等のポリエーテル構造を有する芳香族アミン硬化剤;芳香族ジアミンとエピクロロヒドリンとの縮合物;芳香族ジアミンとスチレンとの反応生成物などが挙げられる。
アミン系硬化剤としては、具体的には、m−フェニレンジアミン、1,3−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノアニソール等の芳香環が1個の芳香族アミン硬化剤;4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香環が2個の芳香族アミン硬化剤;芳香族アミン硬化剤の加水分解縮合物;ポリテトラメチレンオキシドジ−p−アミノ安息香酸エステル、ポリテトラメチレンオキシドジパラアミノベンゾエート等のポリエーテル構造を有する芳香族アミン硬化剤;芳香族ジアミンとエピクロロヒドリンとの縮合物;芳香族ジアミンとスチレンとの反応生成物などが挙げられる。
アミン系硬化剤としては、市販品を用いてもよい。アミン系硬化剤の市販品の具体例としては、日本化薬株式会社製アミン硬化剤(品名:カヤハード−AA)、三菱ケミカル株式会社製アミン硬化剤(品名:jERキュア(登録商標)113、品名:jERキュア(登録商標)W等)などが挙げられるが、アミン系硬化剤は、これら具体例に限定されるものではない。アミン系硬化剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、メチルハイミック酸無水物、ハイミック酸無水物、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、クロレンド酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸マレイン酸付加物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、水素化メチルナジック酸無水物、無水マレイン酸とジエン化合物からディールス・アルダー反応で得られ、複数のアルキル基を有するトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸等の各種環状酸無水物が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、フェノール化合物(例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA及びビスフェノールF)並びにナフトール化合物(例えば、α−ナフトール、β−ナフトール及びジヒドロキシナフタレン)からなる群より選択される少なくとも1種と、アルデヒド化合物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド及びサリチルアルデヒド)とを、酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂;フェノール・アラルキル樹脂;ビフェニル・アラルキル樹脂;並びにナフトール・アラルキル樹脂;が挙げられる。
硬化剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
硬化剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
硬化剤の官能基(例えば、アミン系硬化剤の場合にはアミノ基、フェノール系硬化剤の場合にはフェノール性水酸基、酸無水物系硬化剤の場合には酸無水物基)の当量数とエポキシ樹脂の当量数との比(硬化剤の当量数/エポキシ樹脂の当量数)を、0.6〜1.4の範囲に設定することが好ましく、0.7〜1.3の範囲に設定することがより好ましく、0.8〜1.2の範囲に設定することがさらに好ましい。
−無機充填材−
本開示の液状樹脂組成物は、無機充填材として、(C)エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された平均粒子径が50nmを超え150nm以下の第一のシリカ粒子、及び、(D)平均粒子径が0.2μm〜5μmの第二のシリカ粒子を含む。
シリカ粒子としては、コロイダルシリカ、疎水性シリカ、球状シリカ等が挙げられ、液状樹脂組成物の流動性、液状樹脂組成物の硬化物の耐熱性等の観点から、非晶質の球状シリカであることが好ましい。
非晶質の球状シリカとしては、粒径制御性及び純度の面からゾル−ゲル法にて製造される非晶質の球状シリカも好ましい。なお、シリカとして、特開2007−197655号公報に記載の製造方法によって得られたシリカを含有する組成物を用いてもよい。
本開示の液状樹脂組成物は、無機充填材として、(C)エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された平均粒子径が50nmを超え150nm以下の第一のシリカ粒子、及び、(D)平均粒子径が0.2μm〜5μmの第二のシリカ粒子を含む。
シリカ粒子としては、コロイダルシリカ、疎水性シリカ、球状シリカ等が挙げられ、液状樹脂組成物の流動性、液状樹脂組成物の硬化物の耐熱性等の観点から、非晶質の球状シリカであることが好ましい。
非晶質の球状シリカとしては、粒径制御性及び純度の面からゾル−ゲル法にて製造される非晶質の球状シリカも好ましい。なお、シリカとして、特開2007−197655号公報に記載の製造方法によって得られたシリカを含有する組成物を用いてもよい。
第一のシリカ粒子及び第二のシリカ粒子の合計の占める割合は、40質量%〜80質量%であり、45質量%〜75質量%であることが好ましく、50質量%〜70質量%であることがより好ましい。
第一のシリカ粒子及び第二のシリカ粒子の質量基準の比率(第二のシリカ粒子/第一のシリカ粒子)は、5〜600であり、5〜300であることが好ましく、5〜100であることがより好ましく、5〜75であることがさらに好ましい。
本開示の液状樹脂組成物は、シリカ粒子以外のその他の無機充填材を含んでもよい。その他の無機充填材としては、アルミナ、ジルコン、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ベリリア、ジルコニア等が挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填材としては、水酸化アルミニウム、硼酸亜鉛等が挙げられる。
無機充填材に占めるその他の無機充填材の含有率は、10質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
第一のシリカ粒子及び第二のシリカ粒子の質量基準の比率(第二のシリカ粒子/第一のシリカ粒子)は、5〜600であり、5〜300であることが好ましく、5〜100であることがより好ましく、5〜75であることがさらに好ましい。
本開示の液状樹脂組成物は、シリカ粒子以外のその他の無機充填材を含んでもよい。その他の無機充填材としては、アルミナ、ジルコン、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ベリリア、ジルコニア等が挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填材としては、水酸化アルミニウム、硼酸亜鉛等が挙げられる。
無機充填材に占めるその他の無機充填材の含有率は、10質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
液状樹脂組成物に占めるシリカ粒子の合計の含有率が同じである場合、第二のシリカ粒子のみを無機充填材として用いた場合に比較して、第二のシリカ粒子と共に第一のシリカ粒子を併用することで液状樹脂組成物の粘度を低下させることができる傾向にある。そのため、液状樹脂組成物の粘度上昇を招くことなくシリカ粒子の合計の含有率を上げることができる傾向にある。シリカ粒子の合計の含有率が上昇することで液状樹脂組成物の硬化物の熱膨張率が低下し、その結果として液状樹脂組成物により封止された電子部品装置の信頼性が向上する傾向にある。
第一のシリカ粒子の平均粒子径は、50nmを超え150nm以下であり、50nmを超え120nm以下であることが好ましく、50nmを超え90nm以下であることがより好ましい。第一のシリカ粒子として平均粒子径が50nmを超えるシリカ粒子を用いることで、液状樹脂組成物の粘度が増大しにくく、流動性の悪化が生じにくい傾向にある。第一のシリカ粒子として平均粒子径が150nm以下のシリカ粒子を用いることで、液状樹脂組成物の粘度を低くすることができる傾向にある。
第一のシリカ粒子の比表面積としては、流動性の観点から、20m2/g〜500m2/gであることが好ましく、50m2/g〜300m2/gであることがより好ましい。
第一のシリカ粒子は、エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理されたものである。エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの化合物は、信越化学工業株式会社等から商業的に入手できる。
シリカ粒子を、エポキシ基を有するシランカップリング剤により表面処理する方法としては特に制限されず、通常用いられる表面処理方法を適宜選択することができる。例えば、シリカ粒子を含むスラリーに、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含む溶液を加えて、撹拌した後、表面処理されたシリカ粒子を濾過等により分離して乾燥する方法、エポキシ基を有するシランカップリング剤をシリカ粒子に噴霧し乾燥する方法等を挙げることができる。
第一のシリカ粒子に対するエポキシ基を有するシランカップリング剤による表面処理量は特に制限されない。第一のシリカ粒子に対するエポキシ基を有するシランカップリング剤の表面処理量は、0.1質量%〜5質量%であることが好ましく、0.5質量%〜3質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜2質量%であることがさらに好ましい。
第一のシリカ粒子としては、市販品を用いてもよい。第一のシリカ粒子の市販品の具体例としては、株式会社アドマテックス製の無機充填材(品名:YA010C、YA050C等)、堺化学工業株式会社製の無機充填材(品名:Sciqas0.05μm)などが挙げられるが、第一のシリカ粒子は、これら具体例に限定されるものではない。
第一のシリカ粒子は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
第一のシリカ粒子は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
無機充填材に占める第一のシリカ粒子の割合は、0.3質量%以上であることが好ましい。また、無機充填材に占める第一のシリカ粒子の割合は、30質量%以下であることが好ましい。無機充填材に占める第一のシリカ粒子の割合は、0.3質量%〜30質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜25質量%であることがさらに好ましい。無機充填材に占める第一のシリカ粒子の割合が上記範囲であれば、ブリードの低減効果を発現でき、且つ流動性に優れる液状樹脂組成物が得られる傾向にある。
ある態様では、無機充填材に占める第一のシリカ粒子の割合は、5質量%〜30質量%であることが好ましく、6質量%〜27質量%であることがより好ましく、7質量%〜25質量%であることがさらに好ましい。
ある態様では、無機充填材に占める第一のシリカ粒子の割合は、5質量%〜30質量%であることが好ましく、6質量%〜27質量%であることがより好ましく、7質量%〜25質量%であることがさらに好ましい。
第二のシリカ粒子は、液状樹脂組成物の硬化物に耐ヒートサイクル性、耐湿性、絶縁性等を付与し、液状樹脂組成物の硬化の際の応力を低減する。
第二のシリカ粒子の平均粒子径は、0.2μm〜5μmであり、0.2μm〜3μmであることが好ましく、0.3μm〜1μmであることがより好ましく、0.4μm〜0.8μmであることがさらに好ましい。
第二のシリカ粒子の比表面積としては、流動性の観点から、1m2/g〜30m2/gであることが好ましく、2m2/g〜20m2/gであることがより好ましい。
第二のシリカ粒子の比表面積としては、流動性の観点から、1m2/g〜30m2/gであることが好ましく、2m2/g〜20m2/gであることがより好ましい。
無機充填材に占める第二のシリカ粒子の割合は、70質量%以上であることが好ましい。また、無機充填材に占める第二のシリカ粒子の割合は、99.7質量%以下であることが好ましい。無機充填材に占める第二のシリカ粒子の割合は、70質量%〜99.7質量%であることがより好ましく、75質量%〜99.5質量%であることがさらに好ましい。
第二のシリカ粒子は、製造原料に由来する有機基を有するものであってもよい。第二のシリカ粒子が有していてもよい有機基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基が挙げられる。
第二のシリカ粒子としては、市販品を用いてもよい。第二のシリカ粒子の市販品の具体例としては、株式会社アドマテックス製球状シリカ(品名:SO−E2)、株式会社アドマテックス製球状シリカ(品名:SE2200)等が挙げられるが、第二のシリカ粒子は、これら具体例に限定されるものではない。
第二のシリカ粒子は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
第二のシリカ粒子は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
無機充填材の比表面積(BET比表面積)は、JIS Z 8830:2013に準じて窒素吸着能から測定することができる。評価装置としては、QUANTACHROME社:AUTOSORB−1(商品名)を用いることができる。試料表面及び構造中に吸着している水分がガス吸着能に影響を及ぼすと考えられることから、BET比表面積の測定を行う際には、まず、加熱による水分除去の前処理を行うことが好ましい。
前処理では、0.05gの測定試料を投入した測定用セルを、真空ポンプで10Pa以下に減圧した後、110℃で加熱し、3時間以上保持した後、減圧した状態を保ったまま常温(25℃)まで自然冷却する。この前処理を行った後、評価温度を77Kとし、評価圧力範囲を相対圧(飽和蒸気圧に対する平衡圧力)にて1未満として測定する。
前処理では、0.05gの測定試料を投入した測定用セルを、真空ポンプで10Pa以下に減圧した後、110℃で加熱し、3時間以上保持した後、減圧した状態を保ったまま常温(25℃)まで自然冷却する。この前処理を行った後、評価温度を77Kとし、評価圧力範囲を相対圧(飽和蒸気圧に対する平衡圧力)にて1未満として測定する。
無機充填材の平均粒子径は、以下の方法により測定することができる。
溶媒(純水)に、測定対象の無機充填材を1質量%〜5質量%の範囲内で界面活性剤1質量%〜8質量%とともに添加し、110Wの超音波洗浄機で30秒〜5分間振動し、無機充填材を分散する。分散液の約3mL程度を測定用セルに注入して25℃で測定する。測定装置は、レーザー回折式粒度分布計(株式会社堀場製作所、LA920)を用い、体積基準の粒度分布を測定する。平均粒子径は、体積基準の粒度分布において小径側からの累積が50%となるときの粒子径(D50%)として求められる。
溶媒(純水)に、測定対象の無機充填材を1質量%〜5質量%の範囲内で界面活性剤1質量%〜8質量%とともに添加し、110Wの超音波洗浄機で30秒〜5分間振動し、無機充填材を分散する。分散液の約3mL程度を測定用セルに注入して25℃で測定する。測定装置は、レーザー回折式粒度分布計(株式会社堀場製作所、LA920)を用い、体積基準の粒度分布を測定する。平均粒子径は、体積基準の粒度分布において小径側からの累積が50%となるときの粒子径(D50%)として求められる。
第一のシリカ粒子の平均粒子径と第二のシリカ粒子の平均粒子径との比(第二のシリカ粒子の平均粒子径/第一のシリカ粒子の平均粒子径)は、4〜45であることが好ましく、5〜40であることがより好ましく、6〜35であることがさらに好ましい。
無機充填材が第一のシリカ粒子及び第二のシリカ粒子の両方を含むか否かは、例えば、無機充填材の体積基準の粒度分布(頻度分布)を求めることで確認される。具体的には、無機充填材の体積基準の頻度分布において、50nmを超え150nm以下の範囲及び0.2μm〜5μmの範囲の各々にピークが存在する場合、無機充填材が第一のシリカ粒子及び第二のシリカ粒子の両方を含むといえる。なお、確認方法は、上記方法に限定されるものではない。
また、無機充填材に占める第一又は第二のシリカ粒子の割合を求める方法としては、特に限定されるものではない。例えば、無機充填材の体積基準の粒度分布(頻度分布)を求め、第一のシリカ粒子に相当するピークと第二のシリカ粒子に相当するピークとの谷間で両者を切り分け、切り分けられた各範囲に含まれる粒子の体積を、無機充填材の総和の体積で除することにより、第一又は第二のシリカ粒子の割合を求めることができる。液状樹脂組成物の組成が明らかな場合には、液状樹脂組成物の組成から無機充填材に占める第一又は第二のシリカ粒子の割合を求めることができる。なお、算出方法は、上記方法に限定されるものではない。
また、無機充填材に占める第一又は第二のシリカ粒子の割合を求める方法としては、特に限定されるものではない。例えば、無機充填材の体積基準の粒度分布(頻度分布)を求め、第一のシリカ粒子に相当するピークと第二のシリカ粒子に相当するピークとの谷間で両者を切り分け、切り分けられた各範囲に含まれる粒子の体積を、無機充填材の総和の体積で除することにより、第一又は第二のシリカ粒子の割合を求めることができる。液状樹脂組成物の組成が明らかな場合には、液状樹脂組成物の組成から無機充填材に占める第一又は第二のシリカ粒子の割合を求めることができる。なお、算出方法は、上記方法に限定されるものではない。
−硬化促進剤−
本開示の液状樹脂組成物は、硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤の種類は特に制限されず、公知の硬化促進剤を使用することができる。
具体的には、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物;シクロアミジン化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂などのπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン化合物;3級アミン化合物の誘導体;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;イミダゾール化合物の誘導体;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物;有機ホスフィン化合物に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩;テトラフェニルボロン塩の誘導体;トリフェニルホスホニウム−トリフェニルボラン、N−メチルモルホリンテトラフェニルホスホニウム−テトラフェニルボレート等のホスフィン化合物とテトラフェニルボロン塩との付加物などが挙げられる。硬化促進剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
本開示の液状樹脂組成物は、硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤の種類は特に制限されず、公知の硬化促進剤を使用することができる。
具体的には、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物;シクロアミジン化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂などのπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン化合物;3級アミン化合物の誘導体;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;イミダゾール化合物の誘導体;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物;有機ホスフィン化合物に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩;テトラフェニルボロン塩の誘導体;トリフェニルホスホニウム−トリフェニルボラン、N−メチルモルホリンテトラフェニルホスホニウム−テトラフェニルボレート等のホスフィン化合物とテトラフェニルボロン塩との付加物などが挙げられる。硬化促進剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
硬化促進剤の含有率は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量に対して、0.1質量%〜8質量%であることが好ましい。
−イオントラップ剤−
本開示の液状樹脂組成物は、イオントラップ剤を含有してもよい。
本開示において使用可能なイオントラップ剤は、半導体装置の製造用途に用いられる封止材において、一般的に使用されているイオントラップ剤であれば特に制限されるものではない。イオントラップ剤としては、例えば、下記一般式(VI−1)又は下記一般式(VI−2)で表される化合物が挙げられる。
本開示の液状樹脂組成物は、イオントラップ剤を含有してもよい。
本開示において使用可能なイオントラップ剤は、半導体装置の製造用途に用いられる封止材において、一般的に使用されているイオントラップ剤であれば特に制限されるものではない。イオントラップ剤としては、例えば、下記一般式(VI−1)又は下記一般式(VI−2)で表される化合物が挙げられる。
Mg1−aAla(OH)2(CO3)a/2・uH2O (VI−1)
(一般式(VI−1)中、aは0<a≦0.5であり、uは正数である。)
BiOb(OH)c(NO3)d (VI−2)
(一般式(VI−2)中、bは0.9≦b≦1.1、cは0.6≦c≦0.8、dは0.2≦d≦0.4である。)
(一般式(VI−1)中、aは0<a≦0.5であり、uは正数である。)
BiOb(OH)c(NO3)d (VI−2)
(一般式(VI−2)中、bは0.9≦b≦1.1、cは0.6≦c≦0.8、dは0.2≦d≦0.4である。)
イオントラップ剤は、市販品として入手可能である。一般式(VI−1)で表される化合物としては、例えば、「DHT−4A」(協和化学工業株式会社、商品名)が市販品として入手可能である。また、一般式(VI−2)で表される化合物としては、例えば、「IXE500」(東亞合成株式会社、商品名)が市販品として入手可能である。
また、上記以外のイオントラップ剤として、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン等から選ばれる元素の含水酸化物などが挙げられる。
イオントラップ剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
イオントラップ剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
液状樹脂組成物がイオントラップ剤を含有する場合、イオントラップ剤の含有量は、充分な耐湿信頼性を実現する観点からは、エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部以上であることが好ましい。他の成分の効果を充分に発揮する観点からは、イオントラップ剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して15質量部以下であることが好ましく、1質量部〜10質量部であることがより好ましく、2質量部〜5質量部であることがさらに好ましい。
また、イオントラップ剤の平均粒子径は0.1μm〜3.0μmであることが好ましく、最大粒子径は10μm以下であることが好ましい。イオントラップ剤の平均粒子径は、無機充填材の場合と同様にして測定することができる。
−酸化防止剤−
本開示の液状樹脂組成物は、酸化防止剤を含んでもよい。酸化防止剤としては従来公知のものを用いることができる。
フェノール化合物系酸化防止剤としては、フェノール核のオルト位に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物として、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、ビス[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル(エトキシ)ホスフィナート]カルシウム、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル―4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ジエチル[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル]ホスホネート、2,5,7,8−テトラメチル−2−(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クロマン−6−オール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
有機硫黄化合物系酸化防止剤としては、ジラウリル―3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル―3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル―3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル―3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
アミン化合物系酸化防止剤としては、N,N’−ジアリル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル―p−フェニレンジアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
アミン化合物系酸化防止剤のうち、ジシクロヘキシルアミンとしては、新日本理化株式会社製商品名D−CHA−T等が市販品として入手可能であり、その誘導体としては亜硝酸ジシクロヘキシルアミンアンモニウム、N,N−ジ(3−メチル−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(2−メトキシ−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(4−ブロモ−シクロヘキシル)アミン等が挙げられる。
リン化合物系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、ビス[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル(エトキシ)ホスフィナート]カルシウム、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−[〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエ−テル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル〕オキシ]−N,N−ビス[2−{〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル〕オキシ}−エチル]エタナミン、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、ジエチル[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル]ホスホネート等が挙げられる。
酸化防止剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。なお、酸化防止剤の具体例としてフェノール性水酸基に加え、リン原子、硫黄原子及びアミンのいずれかを少なくとも1つ同一分子中に含む化合物が存在するが、これらの化合物は重複して挙げる場合がある。
本開示の液状樹脂組成物は、酸化防止剤を含んでもよい。酸化防止剤としては従来公知のものを用いることができる。
フェノール化合物系酸化防止剤としては、フェノール核のオルト位に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物として、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、ビス[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル(エトキシ)ホスフィナート]カルシウム、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル―4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ジエチル[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル]ホスホネート、2,5,7,8−テトラメチル−2−(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クロマン−6−オール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
有機硫黄化合物系酸化防止剤としては、ジラウリル―3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル―3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル―3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル―3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
アミン化合物系酸化防止剤としては、N,N’−ジアリル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル―p−フェニレンジアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
アミン化合物系酸化防止剤のうち、ジシクロヘキシルアミンとしては、新日本理化株式会社製商品名D−CHA−T等が市販品として入手可能であり、その誘導体としては亜硝酸ジシクロヘキシルアミンアンモニウム、N,N−ジ(3−メチル−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(2−メトキシ−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(4−ブロモ−シクロヘキシル)アミン等が挙げられる。
リン化合物系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、ビス[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル(エトキシ)ホスフィナート]カルシウム、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−[〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエ−テル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル〕オキシ]−N,N−ビス[2−{〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル〕オキシ}−エチル]エタナミン、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、ジエチル[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル]ホスホネート等が挙げられる。
酸化防止剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。なお、酸化防止剤の具体例としてフェノール性水酸基に加え、リン原子、硫黄原子及びアミンのいずれかを少なくとも1つ同一分子中に含む化合物が存在するが、これらの化合物は重複して挙げる場合がある。
酸化防止剤の含有率は、エポキシ樹脂全体に対して0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜5質量%である。
−有機溶剤−
本開示の液状樹脂組成物には、低粘度化のために必要に応じて有機溶剤を配合することができる。特に、固体のエポキシ樹脂及び硬化剤を用いる場合には、液状樹脂組成物を得るために、有機溶剤を配合することが好ましい。
有機溶剤としては、特に制限はなく、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤などが挙げられ、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。これらの中では、液状樹脂組成物を硬化する際の急激な揮発による気泡形成を避ける観点からは沸点が170℃以上の有機溶剤が好ましい。
本開示の液状樹脂組成物には、低粘度化のために必要に応じて有機溶剤を配合することができる。特に、固体のエポキシ樹脂及び硬化剤を用いる場合には、液状樹脂組成物を得るために、有機溶剤を配合することが好ましい。
有機溶剤としては、特に制限はなく、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤などが挙げられ、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。これらの中では、液状樹脂組成物を硬化する際の急激な揮発による気泡形成を避ける観点からは沸点が170℃以上の有機溶剤が好ましい。
有機溶剤等を含む揮発分の含有率は、液状樹脂組成物を硬化する際に気泡を形成しない程度であれば特に制限はなく、液状樹脂組成物全体に対して5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。
本開示において、液状樹脂組成物の揮発分は、液状樹脂組成物を180℃にて30分の条件で加熱し、加熱前後の重量差に基づいて算出される。
本開示において、液状樹脂組成物の揮発分は、液状樹脂組成物を180℃にて30分の条件で加熱し、加熱前後の重量差に基づいて算出される。
−離型剤−
本開示の液状樹脂組成物は、離型剤を含有してもよい。離型剤の種類は特に制限されず、公知の離型剤を使用することができる。具体的には、例えば、高級脂肪酸、カルナバワックス及びポリエチレン系ワックスが挙げられる。離型剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
液状樹脂組成物が離型剤を含有する場合、離型剤の含有率は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量に対して、10質量%以下であることが好ましく、その効果を発揮させる観点からは、0.5質量%以上であることが好ましい。
本開示の液状樹脂組成物は、離型剤を含有してもよい。離型剤の種類は特に制限されず、公知の離型剤を使用することができる。具体的には、例えば、高級脂肪酸、カルナバワックス及びポリエチレン系ワックスが挙げられる。離型剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
液状樹脂組成物が離型剤を含有する場合、離型剤の含有率は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量に対して、10質量%以下であることが好ましく、その効果を発揮させる観点からは、0.5質量%以上であることが好ましい。
−着色剤−
本開示の液状樹脂組成物は、着色剤(例えば、カーボンブラック)を含有してもよい。着色剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
本開示の液状樹脂組成物は、着色剤(例えば、カーボンブラック)を含有してもよい。着色剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
着色剤としてカーボンブラック等の導電性粒子を用いる場合、導電性粒子は、粒子径10μm以上の粒子の含有率が1質量%以下であることが好ましい。
液状樹脂組成物が導電性粒子を含有する場合、導電性粒子の含有率は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量に対して3質量%以下であることが好ましく、0.01質量%〜1質量%であることがより好ましい。
液状樹脂組成物が導電性粒子を含有する場合、導電性粒子の含有率は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量に対して3質量%以下であることが好ましく、0.01質量%〜1質量%であることがより好ましい。
−ゴム粒子−
液状樹脂組成物は、硬化物の低熱膨張化の観点から、ゴム粒子を含有してもよい。ゴム粒子は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
好適なゴム粒子の例としては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム(UR)、アクリルゴム(AR)等のゴム粒子が挙げられる。中でも、耐熱性及び耐湿性の観点からは、アクリルゴムを含むゴム粒子が好ましく、コアシェル型アクリルゴム粒子がより好ましい。
液状樹脂組成物は、硬化物の低熱膨張化の観点から、ゴム粒子を含有してもよい。ゴム粒子は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
好適なゴム粒子の例としては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム(UR)、アクリルゴム(AR)等のゴム粒子が挙げられる。中でも、耐熱性及び耐湿性の観点からは、アクリルゴムを含むゴム粒子が好ましく、コアシェル型アクリルゴム粒子がより好ましい。
また、好適なゴム粒子の他の例としては、シリコーンゴム粒子が挙げられる。
シリコーンゴム粒子としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等の直鎖状のポリオルガノシロキサンを架橋したシリコーンゴム粒子;該シリコーンゴム粒子の表面をシリコーンレジンで被覆したもの、乳化重合等で得られる固形シリコーン粒子のコアとアクリル樹脂等の有機重合体のシェルを含むコア−シェル重合体粒子などが挙げられる。これらのシリコーンゴム粒子の形状は無定形であっても球形であってもよく、液状樹脂組成物の粘度を低く抑えるためには、球形のシリコーンゴム粒子を用いることが好ましい。
シリコーンゴム粒子は、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、信越化学工業株式会社等から市販品が入手可能である。
シリコーンゴム粒子としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等の直鎖状のポリオルガノシロキサンを架橋したシリコーンゴム粒子;該シリコーンゴム粒子の表面をシリコーンレジンで被覆したもの、乳化重合等で得られる固形シリコーン粒子のコアとアクリル樹脂等の有機重合体のシェルを含むコア−シェル重合体粒子などが挙げられる。これらのシリコーンゴム粒子の形状は無定形であっても球形であってもよく、液状樹脂組成物の粘度を低く抑えるためには、球形のシリコーンゴム粒子を用いることが好ましい。
シリコーンゴム粒子は、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、信越化学工業株式会社等から市販品が入手可能である。
液状樹脂組成物がゴム粒子を含む場合、ゴム粒子の平均粒子径は、液状樹脂組成物を均一に変性するためには微細であることが好ましい。ゴム粒子の平均粒子径としては0.05μm〜10μmの範囲であることが好ましく、0.1μm〜5μmの範囲であることがさらに好ましい。ゴム粒子の平均粒子径が0.05μm以上であると液状樹脂組成物への分散性がより向上する傾向がある。ゴム粒子の体積平均粒子径が10μm以下であると、低応力化改善効果がより向上する傾向があり、液状樹脂組成物としての微細間隙への浸透性及び流動性が向上し、ボイド及び未充填を招き難くなる傾向がある。
ゴム粒子の平均粒子径は、無機充填材と同様の方法を用いて測定される。
ゴム粒子の平均粒子径は、無機充填材と同様の方法を用いて測定される。
<液状樹脂組成物の作製方法>
液状樹脂組成物は、例えば、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された平均粒子径が50nmを超え150nm以下の第一のシリカ粒子、及び、(D)平均粒子径が0.2μm〜5μmの第二のシリカ粒子並びに必要に応じて用いられるその他の成分を一括して又は別々に、必要により加熱処理を加えながら、撹拌、溶融、混合、分散等させることにより得ることができる。これらの成分の混合、撹拌、分散等のための装置としては、特に限定されるものではなく、撹拌装置、加熱装置等を備えたライカイ機、3本ロールミル、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミルなどが挙げられる。これらの装置を用いて上記成分を混合し、混練し、必要に応じて脱泡することによって液状樹脂組成物を得ることができる。
第一のシリカ粒子としては、第一のシリカ粒子の分散性の向上を目的として、予め第一のシリカ粒子がエポキシ樹脂に混合した混合物を用いてもよい。この場合の第一のシリカ粒子の混合物中の含有率は、20質量%〜70質量%であることが好ましい。
液状樹脂組成物は、例えば、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された平均粒子径が50nmを超え150nm以下の第一のシリカ粒子、及び、(D)平均粒子径が0.2μm〜5μmの第二のシリカ粒子並びに必要に応じて用いられるその他の成分を一括して又は別々に、必要により加熱処理を加えながら、撹拌、溶融、混合、分散等させることにより得ることができる。これらの成分の混合、撹拌、分散等のための装置としては、特に限定されるものではなく、撹拌装置、加熱装置等を備えたライカイ機、3本ロールミル、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミルなどが挙げられる。これらの装置を用いて上記成分を混合し、混練し、必要に応じて脱泡することによって液状樹脂組成物を得ることができる。
第一のシリカ粒子としては、第一のシリカ粒子の分散性の向上を目的として、予め第一のシリカ粒子がエポキシ樹脂に混合した混合物を用いてもよい。この場合の第一のシリカ粒子の混合物中の含有率は、20質量%〜70質量%であることが好ましい。
液状樹脂組成物の粘度は特に制限されない。中でも高流動性の観点から、25℃において0.1Pa・s〜50.0Pa・sであることが好ましく、1.0Pa・s〜50.0Pa・sであることがより好ましく、10.0Pa・s〜50.0Pa・sであることがさらに好ましい。なお、液状樹脂組成物の粘度は、E型粘度計(コーン角3°、回転数10回転/分)を用いて、25℃において測定される。
また、液状樹脂組成物をアンダーフィル材等の用途で用いる場合、100℃〜120℃付近で数十μm〜数百μmの狭ギャップ間に液状樹脂組成物を充填する際の充填のしやすさの指標として、110℃の粘度が0.20Pa・s以下であることが好ましく、0.15Pa・s以下であることがより好ましい。なお、110℃での液状樹脂組成物の粘度は、レオメーターAR2000(TAインストルメント製、アルミコーン40mm、せん断速度32.5/sec)により測定される。
また、液状樹脂組成物は、E型粘度計を用いて25℃で測定される回転数が2.5回転/分における粘度と回転数が10回転/分における粘度との比である揺変指数[(2.5回転/分における粘度)/(10回転/分における粘度)]が、0.3〜1.5であることが好ましく、0.5〜1.2であることがより好ましい。揺変指数が上記範囲であると、充填性がより向上する傾向にある。なお、液状樹脂組成物の粘度及び揺変指数は、エポキシ樹脂の組成、無機充填材の含有率等を適宜選択することで所望の範囲とすることができる。
液状樹脂組成物の硬化条件は特に限定されるものではなく、80℃〜165℃で、1分間〜150分間加熱することが好ましい。
<電子部品装置>
本開示の電子部品装置は、回路層を有する基板と、前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品と、前記基板と前記電子部品との間隙に配置された本開示の液状樹脂組成物の硬化物と、を備える。本開示の電子部品装置は、本開示の液状樹脂組成物により電子部品を封止して得ることができる。電子部品が液状樹脂組成物によって封止されることで、本開示の電子部品装置は、信頼性に優れる。
本開示の電子部品装置は、回路層を有する基板と、前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品と、前記基板と前記電子部品との間隙に配置された本開示の液状樹脂組成物の硬化物と、を備える。本開示の電子部品装置は、本開示の液状樹脂組成物により電子部品を封止して得ることができる。電子部品が液状樹脂組成物によって封止されることで、本開示の電子部品装置は、信頼性に優れる。
電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、リジッド配線板、フレキシブル配線板、ガラス、シリコンウエハ等の回路層を有する基板に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、抵抗アレイ、コイル、スイッチ等の受動素子などの電子部品を搭載し、必要な部分を本開示の液状樹脂組成物で封止して得られる電子部品装置が挙げられる。
特に、リジッド配線板、フレキシブル配線板又はガラス上に形成した配線に、半導体素子をバンプ接続によりフリップチップボンディングした半導体装置が、本開示の液状樹脂組成物を適応しうる対象の1つとして挙げられる。具体的な例としては、フリップチップBGA(Ball Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、COF(Chip On Film)等の電子部品装置が挙げられる。
特に、リジッド配線板、フレキシブル配線板又はガラス上に形成した配線に、半導体素子をバンプ接続によりフリップチップボンディングした半導体装置が、本開示の液状樹脂組成物を適応しうる対象の1つとして挙げられる。具体的な例としては、フリップチップBGA(Ball Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、COF(Chip On Film)等の電子部品装置が挙げられる。
本開示の液状樹脂組成物は信頼性に優れたフリップチップ用のアンダーフィル材として好適である。本開示の液状樹脂組成物が特に好適に適用されるフリップチップの分野としては、配線基板と半導体素子を接続するバンプ材質が従来の鉛含有はんだである場合のみならず、Sn−Ag−Cu系等の鉛フリーはんだを用いたフリップチップ半導体部品である場合も挙げられる。従来の鉛はんだと比較して物性的に脆い鉛フリーはんだを用いてバンプ接続をしたフリップチップに対しても、本開示の液状樹脂組成物は良好な信頼性を維持できる傾向にある。また、ウエハーレベルCSP(Chip Size Package)等のチップスケールパッケージを基板に実装する際にも本開示の液状樹脂組成物を適用することで、信頼性の向上を図ることができる傾向にある。
<電子部品装置の製造方法>
本開示の電子部品装置の製造方法は、回路層を有する基板と、前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品とを、本開示の液状樹脂組成物を用いて封止する工程を有する。
本開示の液状樹脂組成物を用いて回路層を有する基板と電子部品とを封止する工程に特に限定はない。例えば、電子部品と回路層を有する基板とを接続した後に、電子部品と基板とのギャップに毛細管現象を利用して液状樹脂組成物を付与し、次いで液状樹脂組成物の硬化反応を行う後入れ方式、並びに、先に回路層を有する基板及び電子部品の少なくとも一方の表面に本開示の液状樹脂組成物を付与し、熱圧着して電子部品を基板に接続する際に、電子部品及び基板の接続と液状樹脂組成物の硬化反応とを一括して行う先塗布方式が挙げられる。
液状樹脂組成物の付与方法としては、注型方式、ディスペンス方式、印刷方式等が挙げられる。
本開示の電子部品装置の製造方法は、回路層を有する基板と、前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品とを、本開示の液状樹脂組成物を用いて封止する工程を有する。
本開示の液状樹脂組成物を用いて回路層を有する基板と電子部品とを封止する工程に特に限定はない。例えば、電子部品と回路層を有する基板とを接続した後に、電子部品と基板とのギャップに毛細管現象を利用して液状樹脂組成物を付与し、次いで液状樹脂組成物の硬化反応を行う後入れ方式、並びに、先に回路層を有する基板及び電子部品の少なくとも一方の表面に本開示の液状樹脂組成物を付与し、熱圧着して電子部品を基板に接続する際に、電子部品及び基板の接続と液状樹脂組成物の硬化反応とを一括して行う先塗布方式が挙げられる。
液状樹脂組成物の付与方法としては、注型方式、ディスペンス方式、印刷方式等が挙げられる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例において、部及び%は特に断りのない限り、質量部及び質量%を示す。
(実施例1〜2及び比較例1〜8)
表1又は表2に示す組成となるように各成分を配合し、三本ロール及び真空ライカイ機にて混練し、分散して、実施例1〜実施例2及び比較例1〜比較例8の液状樹脂組成物を作製した。なお、表中の配合単位は質量部であり、また「−」は「配合無し」を表す。
表1又は表2に示す組成となるように各成分を配合し、三本ロール及び真空ライカイ機にて混練し、分散して、実施例1〜実施例2及び比較例1〜比較例8の液状樹脂組成物を作製した。なお、表中の配合単位は質量部であり、また「−」は「配合無し」を表す。
以下に液状樹脂組成物の作製に用いた材料とその略号を示す。
(A)エポキシ樹脂
・エポキシ樹脂1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量:160g/eq、25℃における粘度:1Pa・s〜2Pa・s)
・エポキシ樹脂2:アミノフェノール型3官能エポキシ樹脂(エポキシ当量:95g/eq、25℃における粘度:0.5Pa・s〜1.0Pa・s)
・エポキシ樹脂3:ポリプロピレングリコール型2官能エポキシ樹脂(エポキシ当量:315g/eq、25℃における粘度:0.04Pa・s〜0.06Pa・s)
(A)エポキシ樹脂
・エポキシ樹脂1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量:160g/eq、25℃における粘度:1Pa・s〜2Pa・s)
・エポキシ樹脂2:アミノフェノール型3官能エポキシ樹脂(エポキシ当量:95g/eq、25℃における粘度:0.5Pa・s〜1.0Pa・s)
・エポキシ樹脂3:ポリプロピレングリコール型2官能エポキシ樹脂(エポキシ当量:315g/eq、25℃における粘度:0.04Pa・s〜0.06Pa・s)
(B)硬化剤
・硬化剤1:ジエチルトルエンジアミン(アミン当量:45g/eq)
・硬化剤2:4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)(アミン当量:63g/eq)
・硬化剤1:ジエチルトルエンジアミン(アミン当量:45g/eq)
・硬化剤2:4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)(アミン当量:63g/eq)
(C)第一のシリカ粒子
・ナノシリカ粒子1:平均粒子径50nm、フェニルシランによる処理
・ナノシリカ粒子2:平均粒子径80nm、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランによる処理
・ナノシリカ粒子3:平均粒子径20nm、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランによる処理
・ナノシリカ粒子4:平均粒子径10nm、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランによる処理
(D)第二のシリカ粒子
・マイクロシリカ粒子:平均粒子径0.5μm
・ナノシリカ粒子1:平均粒子径50nm、フェニルシランによる処理
・ナノシリカ粒子2:平均粒子径80nm、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランによる処理
・ナノシリカ粒子3:平均粒子径20nm、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランによる処理
・ナノシリカ粒子4:平均粒子径10nm、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランによる処理
(D)第二のシリカ粒子
・マイクロシリカ粒子:平均粒子径0.5μm
・硬化促進剤:トリフェニルホスフィン
・着色剤:カーボンブラック(分散剤90%含有、カーボンブラックを固形分として10%含有)、平均粒子径24nm
・イオントラップ剤:ビスマス系イオントラップ剤
・酸化防止剤:テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
・着色剤:カーボンブラック(分散剤90%含有、カーボンブラックを固形分として10%含有)、平均粒子径24nm
・イオントラップ剤:ビスマス系イオントラップ剤
・酸化防止剤:テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
(1)流動性:粘度及び揺変指数
液状樹脂組成物の25℃における粘度(粘度(25℃)、Pa・s)を、E型粘度計(コーン角度3°、回転数10回転/分)を用いて測定した。また、25℃における揺変指数は、回転数が2.5回転/分における粘度と回転数が10回転/分における粘度との比[(2.5回転/分における粘度)/(10回転/分における粘度)]とした。
110℃における粘度(粘度(110℃)、Pa・s)はレオメーターAR2000(アルミコーン40mm、せん断速度32.5/sec)を用いて測定した。
得られた結果を表1又は表2に示す。
液状樹脂組成物の25℃における粘度(粘度(25℃)、Pa・s)を、E型粘度計(コーン角度3°、回転数10回転/分)を用いて測定した。また、25℃における揺変指数は、回転数が2.5回転/分における粘度と回転数が10回転/分における粘度との比[(2.5回転/分における粘度)/(10回転/分における粘度)]とした。
110℃における粘度(粘度(110℃)、Pa・s)はレオメーターAR2000(アルミコーン40mm、せん断速度32.5/sec)を用いて測定した。
得られた結果を表1又は表2に示す。
(充填時間)
スライドガラス上に、10μmのギャップを設けて、半導体素子の代わりにガラス板(20mm×30mm×1mm厚)を固定した試験片を作製した。この試験片を110℃に加熱したホットプレート上に置き、液状樹脂組成物をガラス板の側面(1辺)に塗布し、液状樹脂組成物がスライドガラスとガラス板の間を浸透して対向する側面に到達するまでの時間を測定した。
得られた結果を表1又は表2に示す。
スライドガラス上に、10μmのギャップを設けて、半導体素子の代わりにガラス板(20mm×30mm×1mm厚)を固定した試験片を作製した。この試験片を110℃に加熱したホットプレート上に置き、液状樹脂組成物をガラス板の側面(1辺)に塗布し、液状樹脂組成物がスライドガラスとガラス板の間を浸透して対向する側面に到達するまでの時間を測定した。
得られた結果を表1又は表2に示す。
表1及び表2において、「シリカ含有率」は、(C)第一のシリカ粒子及び(D)第二のシリカ粒子の合計の占める割合を意味し、「シリカ比率」は、(C)第一のシリカ粒子及び(D)第二のシリカ粒子の質量基準の比率((D)第二のシリカ粒子/(C)第一のシリカ粒子)を意味し、「粒径比」は、(C)第一のシリカ粒子の平均粒子径及び(D)第二のシリカ粒子の平均粒子径の比((D)第二のシリカ粒子/(C)第一のシリカ粒子)を意味する。
表1及び表2から明らかなように、実施例の液状樹脂組成物の充填時間は比較例の液状樹脂組成物の充填時間よりも短い。そのため、本開示の液状樹脂組成物は、充填性に優れることがわかる。
表1及び表2から明らかなように、実施例の液状樹脂組成物の充填時間は比較例の液状樹脂組成物の充填時間よりも短い。そのため、本開示の液状樹脂組成物は、充填性に優れることがわかる。
Claims (9)
- (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された平均粒子径が50nmを超え150nm以下の第一のシリカ粒子、及び、(D)平均粒子径が0.2μm〜5μmの第二のシリカ粒子を含み、
前記(C)第一のシリカ粒子及び前記(D)第二のシリカ粒子の合計の占める割合が、40質量%〜80質量%であり、
前記(C)第一のシリカ粒子及び前記(D)第二のシリカ粒子の質量基準の比率((D)第二のシリカ粒子/(C)第一のシリカ粒子)が、5〜600である液状樹脂組成物。 - 前記(A)エポキシ樹脂の25℃における粘度が、1000Pa・s以下である請求項1に記載の液状樹脂組成物。
- 前記(B)硬化剤が、アミン系硬化剤を含む請求項1又は請求項2に記載の液状樹脂組成物。
- イオントラップ剤を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物。
- 硬化促進剤を含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物。
- 酸化防止剤を含有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物。
- 揮発分の含有率が、5質量%以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物。
- 回路層を有する基板と、
前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品と、
前記基板と前記電子部品との間隙に配置された請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物の硬化物と、
を備える電子部品装置。 - 回路層を有する基板と、前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品とを、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物を用いて封止する工程を有する電子部品装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018201193A JP2020066696A (ja) | 2018-10-25 | 2018-10-25 | 液状樹脂組成物並びに電子部品装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018201193A JP2020066696A (ja) | 2018-10-25 | 2018-10-25 | 液状樹脂組成物並びに電子部品装置及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020066696A true JP2020066696A (ja) | 2020-04-30 |
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ID=70389644
Family Applications (1)
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JP2018201193A Pending JP2020066696A (ja) | 2018-10-25 | 2018-10-25 | 液状樹脂組成物並びに電子部品装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020066696A (ja) |
-
2018
- 2018-10-25 JP JP2018201193A patent/JP2020066696A/ja active Pending
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